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商標取消審判

2019-300785

ダイコクテン

審判番号
2019-300785
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2013-033775
登録番号
5613361
請求日
2019年10月10日
審決日
2022年04月22日
公報発行日
2022年10月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】大黒天物産 株式会社
  • 【請求人代理人】森 寿夫
  • 【被請求人】株式会社 幸煎餅
  • 【被請求人代理人】西村 啓一
  • 【被請求人代理人】佐藤 久美枝
審判長/審判官
  • 審判長 豊田 純一
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 青野 紀子
分類
T131 .1 -Y (W30)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法2条3項8号商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条第1項、商標法第2条第3項、商標法第2条第3項第1号、商標法第50条、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項第8号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第5613361号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第5613361号商標(以下「本件商標」という。)は、「大黒天」の文字を標準文字で表してなり、平成25年5月7日に登録出願、第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」を指定商品として、同年9月6日に設定登録されたものである。 そして、本件審判請求の登録は、令和元年10月29日にされたものであり、この登録前3年以内の期間を、以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張の要点 請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標は、その登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする旨の審決を求め、審判請求書、令和元年12月24日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同2年2月6日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)、同3年8月11日付け審理事項通知書(以下「審理事項通知書」という。)に対する同年9月9日付け口頭審理陳述要領書(以下「請求人陳述要領書」という。)及び同年11月4日付け上申書(以下「請求人上申書」という。)により、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品(以下「本件審判請求に係る指定商品」という場合がある。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。 2 弁駁書による主張 被請求人の主張及び同人が証拠として提出した証拠を総合しても、本件商標が、要証期間に日本国内において、本件審判請求に係る指定商品について使用された事実は明らかにされていない。 (1)不使用取消審判において登録商標の使用証拠が提出されたとしても、その使用証拠により示される行為が商標法第2条第3項各号に定める「使用」の定義に該当しなければ「登録商標の使用」とは認められず、仮に使用証拠により示される行為が同項各号の「使用」に形式的に該当するとしても、商標の本質的機能、すなわち自他商品等識別機能を発揮しない場合には、登録商標を使用したとは認められない。商標法第50条第1項における「使用」というためには、商標法第2条第3項各号に定める「使用」に形式的に該当することでは足りず、実質的に商標として使用されなければならない。 (2)被請求人提出のカタログ(乙2の1)によると、その表紙の左側部分には、大きく縦書きされ、右側に小さく「さいわいせんべい」の振り仮名が付された「幸煎餅」の文字が認められるほか、同じ表紙の右側中程には、ともに「登録商標」の文字が併記された「七福神」と「銀座七福神」の文字が横書きされている。さらにこれら両文字の下側には、漫画風に描かれた七福神の絵が配されており、その下側には、著作権表示と理解される「C1977.幸煎餅」(「C」は丸付き文字である。)の文字が小さく表示されている。そして、当該カタログ2頁目は、赤地に白抜き文字で「かろやかな七つの風味」と「七福神あられ」の文字が各々大きく縦書きされており、前記「七福神」と「あられ」の各文字部分の間には、登録商標表示と理解される「R」(「R」は丸付き文字である。)の文字が表示されている。 さらに、前記「七福神Rあられ」(「R」は丸付き文字である。以下同じ。)等の文字に続き、その左側には、前記漫画風に描かれた七福神の絵が縦一列に並べられており、これら7人の神様の絵の右脇には、「恵比寿天は/えび味」、「大黒天は/青のり味」、「福禄寿は/しそ味」、「弁財天は/バター味」、「寿老人は/唐からし味」、「布袋尊は/チーズ味」及び「毘沙門天は/カレー味」の文字が各々に併記されている。そして、被請求人により「2」及び「3」の番号が付された当該カタログ9頁及び10頁目においても同様に、漫画風に描かれた七福神の絵につき「恵比寿天は/えび味」等の文字が併記され、七福神各々の絵や、宝船に乗った七福神の絵が大きく描かれた商品包装(スタンドパック)の写真が見開き掲載されているところ、「かろやかな七つの風味」、「七福神Rあられ」、「スタンドパック」、「七福神にちなんだラインナップ」と表示された商品紹介では、例えば扇形の枠内に「えび味」と明記されていることも相まって、包装に「恵比寿天」の絵が付されている商品「あられ」は、「えび味」であることを意味しているものと容易に理解され、包装に「大黒天」の絵が付されている商品「あられ」は、「青のり味」であることを意味しているものと容易に理解される。 (3)前記カタログにおいて「大黒天」の文字が見られるのは、緑色の隅丸縦枠内に白抜き表示された「青のり味」の文字の右側に、小さく縦書きされた「大黒天は」の文字部分だけである。また、カタログに掲載された商品写真においては、漫画風の絵の右下脇に配された雲形内において、上下に併記された「金運の/大黒天」の文字部分だけである。 したがって、カタログにおいて本件商標に相当する「大黒天」の文字は、これら「大黒天は青のり味」や「金運の大黒天」といった説明的文章の一部として表示されているだけであって、「大黒天」の文字だけが表示されているわけではない。 また、カタログ掲載商品の個別写真(乙5の1)では裏面も撮影されているが、やはり「金運の/大黒天」の文字が漫画風の絵の下に表示されているのみであって、「大黒天」の文字だけが表示されているわけではない。なお、このカタログについての印刷会社の請求書写し(乙2の2)には「七福神あられ」の文字は記載されていても、「大黒天」の文字は全く記載されていないし、その説明書(乙2の3)については、本件商標の権利者(以下「本件商標権者」という。)自らの陳述書にすぎず、証拠力に乏しいものである。 (4)紙製の包装箱の写真(乙3の1)では、その表面側と裏面側において「DAIKOKUTEN」の文字が認められるが、やはり漫画風の絵を伴っている。なお、その納品確認書の写し(乙3の2)の発行日は「2016年5月31日」であるから、要証期間のものではない。 (5)パック詰め(スタンドパック)の商品写真の写し(乙4の1)によると、その表面には「かろやかな七つの風味」、「七福神Rあられ」、「青のり味」の各文字が認められるだけである。これに対して、裏面には横長楕円輪郭図形内に「大黒天」の文字が認められるものの、その近傍にはやはり漫画風の絵があり、かつ、「七福さんにちなんだ、一ロサイズの」、「風味豊かなせんべい」の文字を上側に伴って、四角枠内に二段併記された「かろやかな七つの風味」と「七福神Rあられ」の各文字や、その右脇の隅丸方形枠内に白抜き表示された「青のり味」の文字に比べると、前記「大黒天」の文字は格段に小さい。そして、この商品の納品書写し(乙4の2)においては、「七福神あられスタンド袋 青のり味」と記載されているだけで、「大黒天」の文字は記載されていない。 (6)ピローフィルム包装された商品の写真(乙6の1)では、表面右上において漫画風の絵とともに「大黒天」の文字が認められるが、これは単に漫画風の絵が「大黒天」であることを理解させるにとどまる一方、同じ表面の左側には大きく縦書きされた「七福神」の文字が登録商標表示「R」(「R」は丸付き文字である。以下同じ。)を伴って表示されているほか、その裏面においても「登録商標」の文字を伴って赤色で「七福神」の文字が横書きされているし、裏面上部には「品名:七福神(青のり味)」と表記されている。そして、この商品の納品書写し(乙6の2)においては、「七福神(青のり味)」と記載されているだけで、「大黒天」の文字は記載されていない。 (7)結局、被請求人の提出した証拠によれば、いくつかの包装における「大黒天」なる表示は、同じ面において近接して描かれた漫画風の絵が「大黒天さま」であることを表しているにすぎず、あるいは、その包装商品「あられ」が本件商標権者の提供する7つの風味のうち「青のり味」であることを表示しているにすぎない。本件商標権者の商品は、あくまで「七福神あられ」又は「七福神」なのであって、「七福神」の文字には必ず、登録商標表示である「R」や「登録商標」の文字が併記されていると考えられる。 よって、被請求人が主張する本件商標の使用態様は、仮にこれらが本件商標の使用行為に形式的に当たるとしても、実質的にみれば商標として使用されたものではないから、商標法第50条第1項に規定する登録商標の使用には該当しない。 3 請求人陳述要領書による主張の要旨 (1)商品カタログ(乙2の1、乙10の1、乙10の11)について これら商品カタログにおいては、例えば「「七福神」・「七福」は(株)幸煎餅の登録商標です。」という記載がある(乙2の1)ほか、「七福神あられ」、「開運七福神」及び「銀座七福神」等の表示には登録商標であることを意味する記号「R」が表示され、「七福神」や「銀座七福神」に「登録商標」という表示が併記されているが、本件商標「大黒天」のみならず「恵比寿天」等その他の七福神の各名称については、このような登録商標であることを意味する表示は一切見当たらない。 むしろ、前記商品カタログにおいては、「恵比寿天は/えび味」の表示をはじめとして、「大黒天は/青のり味」や「福禄寿は/しそ味」といった表示しかなされていないのであるし、「七福神あられ<化粧缶入>」や「七福神あられ<巾着入>」、「紅白七福神あられ<紅白箱入>」なる詰め合わせ商品にされた各種あられの小袋や、「七福神あられ<化粧缶入>」なる詰め合わせ商品にされた各種あられの別なデザイン形状の小袋においては、本件商標権者がそれぞれの神をキャラクター化したという想像上の神様を描いた漫画的図形を中心にして、「七福神あられ」の文字と、その図形に対応した「えび味」、「青海のり味」等の文字が、それぞれ併記されているのみである。 そうすると、「恵比寿天は/えび味」や「大黒天は/青のり味」なる表示は、七つの風味や味わいごとに対応づけて使用されている各神様を描いた漫画的図形と、それらの図形ごとに区別して用いられている彩色と相まって、どの風味の菓子(あられ)が包装されているかを選別するための目印となっているにすぎない。「七福神あられ」等が明らかに他人の商品との識別標識たる商標として機能しているのに対して、前記「大黒天は/青のり味」なる表示は、商標権者による「七福神あられ」なる商品において展開されている七つの風味等を峻別しているにすぎないのであって、自他商品識別標識という商標の本来的な機能は発揮していない。 以上のように、本件商標「大黒天」が「青のり」風味を意味する語として使用されているにすぎないことの証左には、被請求人が提出したレシート類(例えば乙11の3)において「七福神」や「七福神あられ」なる印字は認められるが、「青のり味」とされた「大黒天」をはじめ、「恵比寿天」、「福禄寿」、「弁財天」、「寿老人]、「布袋尊」そして「毘沙門天」のいずれの文字も印字されておらず、むしろ七つの風味を区別しうる印字としては、「七福神青のり」や「七福神えび」、「七福神しそ」、「七福神唐辛子」、「七福神チーズ」、「七福神バター」及び「七福神カレー」等が見られるのみである。商標が外形的に使用されていても、商標の本質的機能を発揮しない態様で使用されている場合には、商標法第50条第1項における「使用」とは認められないというべきである。すなわち、「商標法上商標の本質的機能は、商品の出所を明らかにすることにより、需要者に自己の商品と他の商品との品質等の違いを認識させること、すなわち自他商品識別機能にあると解するのが相当であるから、商標の使用といい得るためには、当該商標の具体的な使用方法や表示の態様からみて、それが出所を表示し自他商品を識別するために使用されていることが客観的に認められることが必要である。」(東京高判平成2年3月27日判決、平成元年(行ケ)第178号:甲3)。 なお、前記商品カタログに掲載された品番「AG―G」のスタンドパックの商品では、キャラクター図形の右下脇に雲形図形を背景として「金運の」と「大黒天」の各文字が上下二段併記されていることが確認できる。この点につき被請求人は、審理事項通知書に対する同年8月30日付け口頭審理陳述要領書(以下「被請求人陳述要領書」という。)において「商品の味を間違えないよう特定し、商品に欠かせない商標「大黒天」を併記記載している。これのみではなく、「金運の(極小の文字)/(改行)大黒天(顕著性のある文字を際立たせた強調文字としている。)等も表されている。」と述べるとともに、「登録商標の使用にあたり、商標に識別機能の無い文字を付加することは、登録商標の使用とされるとして基準にも述べられている。「青のりの大黒天」の要部は「大黒天」である。要部の認定が、このようになされない場合は、「青のりの大黒天」の登録商標が必要になってくる。」と述べているが、そもそも商標法第50条第1項の取消審判においては、登録商標と社会通念上同一の商標の使用事実が求められるところ、前記上下二段併記された「金運の/大黒天」や「青のりの大黒天」は、格助詞「の」を伴うことによって、「金運をもたらす大黒天様」とか「一般的な大黒天様ではなく、青のりの大黒天様」といった格別な観念を生じる以上、少なくともこれらが本件商標と社会通念上同一の商標であるとはいえず、「金運の大黒天」は本件商標「大黒天」に類似していないと考えられる(甲5)。 したがって、本件商標「大黒天」が本件商標権者の製造販売する菓子(あられ)の商品カタログや包装袋等に表示されているとしても、これらカタログ等によっては、本件商標権者等が要証期間に日本国内で、本件審判請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一の商標について、商標法第2条第3項第1号、同項第2号及び同項第8号に規定する使用行為が行われたとは認められない。 (2)商品AB-A2(乙3の1、乙11の4)について これらについては、被請求人陳述要領書において、包装箱の撮影日が不明であること、包装箱の画像のみでその内容物が確認できないこと、要証期間に販売(譲渡)されたことが確認できないこと、といった見解が示されているが、被請求人から新たに提出された書証をもってしても、こうした疑念は払拭されていない。すなわち、被請求人陳述要領書により提出された2種類の在庫管理データ(乙13)や「七福神あられ LUCKYBOXの商品説明書」(乙14の2)は、いずれも本件商標権者の製造子会社の担当者が直近に作成したものであって、要証期間のものではないうえに、内容の真偽も不明である。また、製造工程及び管理表(乙14の1)は工程の説明資料であるとされているが、本件商標の使用事実との関連性はない。さらに、受注明細票(乙15の1)、注文用紙(乙15の2、乙15の3の1)、お買い上げ明細書(乙15の2の1)、納品書(乙15の3の2)及び注文詳細(乙15の4)においては、「七福神あられ」や「福袋七福神あられ」の文字は確認できるが、「バター味」「青のり味」の文字は記載されていても、本件商標「大黒天」の文字は見当たらない。なお、これら伝票類に記載された記号「AG-6」は、商品カタログ(乙2)に掲載された「青のり味」のス タンドパック商品を意味すると思われるから「商品AB-A2」に関するものではないし、当該スタンドパックにおける「大黒天」の文字は、登録商標の使用には当たらないと考えられる。そして、唯一、「大黒天」の文字が記載された納品書(乙15の3の2)は、その前に記載された「七福神マグ」の文字からすると、ノベルティとして無償配布されたマグカップの図柄が「大黒天」であることを意味していると理解されるから、指定商品との関連性がない。 (3)むすび よって、被請求人から提出された証拠を総合しても、本件商標権者等が、要証期間に日本国内で、本件審判請求に係る指定商品について、本件商標又は本件商標と社会通念条同一の商標について、商標法第2条第3項第1号、同項第2号及び同項第8号に規定する使用行為を行ったことは証明されていない。 4 請求人上申書による主張 (1)乙第16号証(枝番号を含む。)について 被請求人は、商品の陳列棚における販売状況と主張する写真(乙16の1)において、矢印で示された対象商品「LUCKYBOX 7個入り和風」であり、この中には1種類の味が1箱に7種類7箱入っており、箱の中身は全て「あられ(米菓)」である旨を述べている。 しかしながら、提出された写真は不鮮明で箱の全面や右側面に表示されているとおぼしき文字や図形はほとんど読み取れないうえ、陳列棚に収容された大きな箱の上面開口部から、上部が山形をした複数色の「何か」が露出していることは認められるものの、箱の中に何が入っているのかを視認することはできない。また、その右側に陳列されている同じ大きさの箱においても、正面側に七福神らしき7体の絵が描かれており、右側には宝船に乗った七福神らしき絵が描かれていると推測されるが、その前面に置かれた値札には「七福神あられ」と表示されているだけであるし(乙16の2)、左側の箱が「LUCKYBOX 7個入り和風」であり右側の箱が「LUCKYBOX 7個入り洋風」であるとする納品伝票(乙16の3)からも、そこに「国産米使用」と併記されているとはいえ、それらの箱の中身があるのか確認することはできないし、これらどの書証からも本件商標「大黒天」の文字を確認することができない。そして、スタンドパック包装の陳列状態とされる写真(乙16の4の3)は、本件商標権者の商品カタログに掲載されている商品であることは確認できるものの、そこに表示された「大黒天」の文字は「青のり」風味を意味する語として使用されているにすぎないことは、各スタンドパック前面に掲げられた横長のラベルには「青のり味24枚」といった表示しか認められず、本件商標「大黒天」の文字がどこにも表示されていないことからも明らかである。なお、各写真の右下に印字された数字につき、これらが実際の撮影日であると主張されているが、こうした日付表示は、カメラ側の操作によっていかようにも設定できるため、信憑性に乏しい。 (2)乙第17号証について 前記商品の陳列棚における販売状況と主張された写真(乙16の1)の現像印刷者による陳述とその領収書とされているが、現像日は2021年9月21日であるから、要証期間のものではない。 (3)乙第18号証について 商品購入者への「お届け伝票」であり、株式会社幸煎餅銀座本店の2019年6月24日のレシートジャーナル(乙11の3)の補足資料とされているが、前記レシートジャーナルと同様、このお届け伝票は本件商標権者が作成したものであるうえ、そこに記載されている商品番号「AB-A2」は50個であり、商品番号「AB-A1」もまた50個であるところ、前記レシートジャーナルにおいては、商品番号等、両者の記録は一致していない。 仮に前記レシートジャーナル(乙11の3)が、顧客に手渡すレートと同じもの(店舗側控え)ではなく、当日のレジの操作履歴を記録したものであるとしても、その日に販売された商品番号「AB-A2」は東京都所在のY氏が購入した50個以外はなかったということになるから、不自然である。 (4)乙第19号及び乙第20号証について これらは本件商標権者による商品「LUCKBOX 和風」のボックス、紫色小箱(大黒天)AB-A2他の陳列の様子示した写真とされているところ、各写真における対象商品が不鮮明で確認しづらいことはさておき、依然として包装箱の画像のみで実際の包装箱の内容物が確認できないことから、当該包装箱が商品「米菓」の包装箱であることを確認することができない。 (5)乙第21号証及び乙第22号証について これらはいずれも本件商標権者の商品である「七福神あられAG-6(大黒天スタンドパック包装)の陳列状況写真とされているが、包装袋に表示された「大黒天」の文字はそれが「青のり」風味であることの意味で使用されているにすぎない。該当するスタンドパック前面に掲げられた横長のラベルには「青のり味24枚」といった表示しかなされていないうえ、上下に分けて陳列された7種類のスタンドパックにつき、値札はまとめて「七福神あられ」としか表示されていないこと(乙22)に照らしても、「大黒天」の文字が「青のり味」を意味しているにすぎない。 (6)乙第23号証について 物品受領書として記載されているのは「七福神あられAG-6」であるが、この商品包装に表示された「大黒天」の文字は「青のり味」を意味しているにすぎない。 (7)乙第24号証について 「商品売買確認書」と題された書類には、確かに公証人による認証が付されているが、公証人の認証は、当該書類につき令和3年9月30日に公証人の面前で作成者による署名がなされたことを証明しているにすぎず、商品売買の経緯ほかその記載内容が事実であることを証明するものではない。そもそも、当該書類の作成日である令和3年9月30日は、要証期間外である。 (8)まとめ 以上のとおり、被請求人から追加提出された証拠を総合しても、本件商標権者等が、要証期間に日本国内で、本件審判請求に係る指定商品について、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標について、商標法第2条第3項第1号、同項第2号及び同項第8号に規定する使用行為を行ったことは証明されていない。 第3 被請求人の主張の要点 被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁書、令和3年1月6日付け審尋に対する同年2月15日付け回答書(以下「回答書」という。)、被請求人陳述要領書、同年10月8日付け上申書(以下「被請求人上申書1」という。)及び同年11月29日付け上申書(以下「被請求人上申書2」にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第33号証(枝番号を含む。)を提出した。 なお、乙第10号証の3、乙第10号証の3の1及び乙第10号証の3の2は、乙第10号証の3に次いで、乙第10号証の3の1及び乙第10号証の3の2が提出されているため、それぞれ、乙第10号証の3を乙第10号証の3の1と、乙第10号証の3の1を乙第10号証の3の2と、乙第10号証の3の2を乙第10号証の3の3と読み替える。 また、乙第10号証の9及び乙第10号証の9の1は、乙第10号証の9に次いで、乙第10号証の9の1が提出されているため、それぞれ、乙第10号証の9を乙第10号証の9の1と、乙第10号証の9の1を乙第10号証の9の2と読み替える。 さらに、乙第11号の4、乙第11号の4の1及び乙第11号の4の2は、乙第11号証の4に次いで、乙第11号証の4の1及び乙第11号の4の2が提出されているため、それぞれ、乙第11号証の4を乙第11号証の4の1と、乙第11号証の4の1を乙第11号証の4の2と、乙第11号の4の2を乙第11号の4の3と読み替える。 1 答弁書による主張について 本件審判は、本件商標の指定商品について不使用による登録の取消し請求がなされたものであるが、本件商標権者、通常使用権者である「株式会社さいわい」(以下「さいわい社」という。)は、要証期間に、日本国内において、本件審判請求に係る指定商品中の「菓子」の範ちゅうに係る「米菓」について本件商標を使用している。 (1)商標の使用者について ア 通常使用権者について 本件商標の使用者であるさいわい社は、株式会社幸煎餅(以下「幸煎餅社」という。)の関係会社で有り、本件商標権者である幸煎餅社は、さいわい社に対し、本件商標の使用を黙示で許可し、使用を継続させている。 イ 幸煎餅社とさいわい社との関係 さいわい社は、幸煎餅社の関係会社であって、幸煎餅社の工場に当たり、幸煎餅社の製造部門を担っている関係会社で100%商標権者のための仕事をしており、製品の全てを幸煎餅社に納品している。 ウ 幸煎餅社とさいわい社の代表取締役について 幸煎餅社とさいわい社とは、代表取締役が同一人であり、役員も共通しており、幸煎餅社の所有する登録商標すなわち商標権の使用契約に関しては、さいわい社は、幸煎餅社の商標権全件について、その使用を許可している(乙7、乙8)。 (2)使用に係る商標及び商品 ア カタログへの使用 乙第2号証の1は、本件商標「大黒天」を付したカタログである。 幸煎餅社は、商品カタログを顧客へ年2回少なくとも2011年以降続けて提供している。このカタログは、商品の広告・宣伝・販売のため、注文書・チラシ等を同封して顧客へ少なくとも6月上旬には、35,000件程度郵送又は店頭等で手渡され、全国に配布されている。このカタログ1頁には「2019.6」の表示により使用事実の確認ができる。 乙第2号証の2は、カタログを制作した株式会社銀製印刷所(以下「銀製印刷所社」という。)からの請求書の写しである。請求日2019.5.31、伝票番号380365がカタログ(パンフレット)であり、パンフレット、チラシ封筒、注文用紙、返信用封筒の請求代金計1,545,450円であるが、この印刷所には毎年、夏・冬とカタログを印刷発注している。 乙第2号証の6のカタログの代金支払いは、種々まとめて銀行へ振り込まれている。乙第2号証の3で補足する説明書は、幸煎餅社の専務取締役による。カタログ4頁の商品「銀座/七福神/金銀揃」の商品に、「大黒天(青のり風味)」、「恵比寿天(えび風味)」と表示され、本件商標「大黒天」が使用されている。 イ 商品の味別商標を付した商品 米菓の味は、「七福神」を冠した、7種類の風味が製造販売され、「えび味、青のり味、しそ味、バター味、唐辛子味、チーズ味、カレー味」が基本となっている。幸煎餅社の販売する商品は、これらの7つの風味をミックスして1つの包装袋に入れたものが主流であるが、その他にも色々な組み合わせの商品を、「七福紳」に関連する商標を、味ごとに縁起のよい商品名「大黒天」(青のり)、「恵比寿天」(えび味)として販売している。これら7種の各種類が単品としても販売され、「大黒天」は内容物が全て「青のり風味」の商品となっている(乙2)。 ウ 多種類の商品包装容器 この「米菓」は、直径3センチ程の小さなサクサクした「あられ」である。「青のり味」風味のみの包装パックは、「大黒天」として、また、「えび味」風味は、「恵比寿天」として販売しているものである(乙2)。包装形態は、「紙袋詰めの商品 」(乙3の1)である。 (ア)紙包装箱(商標は、「大黒天」、「DAIKOKUTEN」) この商品は、趣向を凝らした白・紫色箱詰商品の正面には、「THE 7 GODS OF GOOD FORTUNE」、「DAIKOKUTEN」の表示がある。 (イ)包装袋(スタンドパック形態による味別商品) 「パック詰め(スタンドパック)の商品」のように、グラム数又は枚数の表示により大小の詰め合わせがあり、5年以上カタログ等で紹介の商品である。 (ウ)ピローフィルム包装 商品「銀座\七福神\金銀揃え」の紙包装箱の中には商標「銀座七福神」、「七福神」と2タイプの商標に区別されている。その1つが、「銀座\七福神」、他の1つが、「七福神」である。その一つが「大黒天」であり、上述のように青のり風味のみがピローフィルム包装されている。このようにイラスト化された神々と、「大黒天」あるいは「恵比寿天」等の文字が表示され、開封することなく「大黒天」(青のり風味)の取り出し可能となる商標の使用をしている(乙2、乙6の1)。 エ 本件商標と使用商標との社会通念上の同一について 三角の屋根状の包装箱(乙3の1)には、箱正面の商標は、欧文字「DAIKOKUTEN」と表示されている。側面には「大黒天」と表示されている。「DAIKOKUTEN」と本件商標「大黒天」とは、称呼及び観念において相違はなく、両者は社会通念上同一の商標である。 オ 請求書について 商品番号AB-A2(乙3)、「納品確認書」(2016年5月31日付け)は、群馬県前橋市力丸町273番地2在の「パッケージ池畠株式会社」から「株式会社さいわい」に納品を表す書類である。この特別仕様の包装箱であり、カタログヘの掲載はないが、この納品伝票時から現在までも販売は本店、銀座本店、静岡店の直営店に限られて現在も使用中である。領収レシートは、2019.12.22に代理人が銀座店で購入した際のものである。 カ 使用時期 乙第2号証の1は、2019年5月31日付け請求書及び説明書のとおり、遅くとも2019年6月には使用されたことを示している(乙2の3)。 乙第3号証の1は、2016年ないし現在まで使用している。 2 回答書による主張の要旨 (1)当審における審尋 審判長は、令和3年1月6日付けで、被請求人に対し、被請求人が答弁書で提出した乙各号証によっては、要証期間に、本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずかが、本件審判請求に係る指定商品について本件商標を使用していることを証明しているものとはいえない旨の合議体の暫定的見解を示し、期間を指定して、これに対する意見を求めた。 (2)回答書による主張について ア 商品カタログVer.23(乙2の1)が、いつ頒布され、頒布先はどこかが確認することができないとの見解について (ア)被請求人は、商品カタログ(Ver.23を含む)の説明を補足する。幸煎餅社は、せんべい製造販売から始まり、現在では、種々の菓子類を生産・販売、その他小売業を行なっている。商品の名称は、食品品質表示基準に基づき「米菓」と表示がある。幸煎餅社の商品カタログVer.23の主要商品名は、商標登録「七福神あられ」を冠する「七福神あられ」であり、商品の中に「あられ」以外のせんべい及び飴の入っている商品には、商品名に「七福神」、「○○七福神」と表示している。商品「あられ」は種類により、個別の商標を付しており、「あられ」の重量(グラム数)、「あられ」の枚数、包装用容器(缶、紙箱、不織布製の巾着袋、スタンドパック、味の種類等)により、これらの数量、包装容器の種類(箱、缶、スタンドパック等)と味の種類が組み合わされて、個別の商品があり、商品を商標と商品コード番号で区別している。商品の中に「あられ」のみが入っている商品には、「七福神あられ」を冠している。味の種類分けとして、味毎に、例えば「青のり味」は「大黒天」、「バター味」は「弁財天」のように商標(商品)名を付けて、味の表示とともに象徴的な図柄、象徴的な色を決めて、「大黒天」、「弁財天」等と商品の種類の識別をしている。 (イ)「福はいらんかネ夏のプレゼント キャンペーン期間6/10(月)~8/10(土)」と上面に印刷されたダイレクトメール(DM)により顧客へ発送された。カタログに同封するのは、商品カタログ(Ver.23)(乙10の1)、「福はいらんかネ夏・・」のちらし(乙10の2)、返信用封筒(乙10の3の2)、注文票(乙10の3の3)であり、前橋郵便局から、2019年6月7日に、定形外郵便物として38,102件発送している。幸煎餅社が作成した県別の発送数の集計表を添付する(乙10の4)。 また、商品カタログは、権利者の直売店の店頭において、商品購買者の求めに応じて手渡されている。 イ 請求書の商品名の欄には、商品カタログVer.23の記載がないとの見解について 被請求人は、商品カタログVer.18から22(乙10の11)及びその請求書(乙10の12)並びに納品書(乙10の13)を提出する。請求書における「福はいらんかネ パンフレット」の記載が「カタログ」を表している。 ウ 「商品番号AB-A2」(乙3の1)について カタログには掲載のない「七福神あられ高級BOX小箱(大黒天)」は、 小箱が7種類あり、味別に「AB-Al」から「AB-A7」まで7タイプの箱がある。「AB-A2」は、「青のり味」の「大黒天」であり、「AB-A2」のように、単体の小箱のみでも販売されており、商品として、7味の箱を一つにまとめて「LUCKYBOX」の箱にすることもできる商品である。「七福神あられ高級BOX小箱」は直営店のみで売られているため、さいわい社工場長が作成した「大黒天(LUCKYBOX AB-A2)」により「販売実績」を提出する(11の1)。 エ 「商品番号AB-A2」(商標「大黒天」)の箱の納入と商品の販売の特殊性について 商品「AB-A2(大黒天)」(LUCKYBOXの中の1小箱)は、さいわい社に納品後に直営店舗に搬出入され、直営店のみにおいて販売されていること、高級BOX小箱とあるように、商品「あられ」の「高級包装小箱」として販売する商品であり、印刷単価との関係等により5,000箱納品されている。5,000箱分の納入後要証期間に512件の販売実績がある。前橋店及び銀座本店の店頭販売レジ締めのレシートの集計は、それぞれ14件と91件である(乙11の2)。2016.5.31納品確認書(パッケージ池畠株式会社)が、要証期間でないことについては、さいわい社に納品後、銀座本店等各直営店に搬入後、カタログにもチラシにも宣伝、広告がほとんどなされていないため、消費者が店頭に訪れて商品を購入する。その箱を使用した商品の納品が販売実績の数字として現れるのは7月以降である。「大黒天(LUCKYBOX AB-A2)販売実績」は、2016年から2019年の実績を事実に基づきデータを遡って、2021.1.25に幸煎餅社が作成した。 オ LUCKYBOX(「大黒天」について 幸煎餅社が作成した販売実績の各直営店の月別実績(乙11の2)を提出する。この表は、「前橋本社〈2017年14個、2018年6個〉」と「銀座本店〈2018年91個〉」の販売実績を示す店舗のレジのレシート写しの会計資料写し)(乙11の3)である。直営店舗別月別販売実績は、レジのレシートと一致している。その証拠として、この商品「AB-A2」大黒天(「LUCKYBOX小箱」商品の直営各店舗での販売実績は、前橋本店の2017年及び2018年、銀座本店の2018年を例にあげて、販売実績を示す証拠として、1ヶ月末日の店舗レジのレシート写しを提出する。そのレシート中にあるAB-A2の商品(大黒天)の個数が販売実績である。レジのレシート写しには、幸煎餅社銀座本店2018年2月28日累計PLU精算」、「七福神AB-A26」(売上個数6箱 販売実績を表す。)とある。前橋本店も同様にこれを集計した結果が販売実績と一致している。 これらの要証期間の販売実績は、「銀座本店、前橋店、その他直営店」の実績があり、512個となっている。2021年現在においても、商品「AB-A2(大黒天)高級BOX小箱」は、在庫残数量に余裕があることから、要証期間には、これ以外の発注・印刷はない。そのため、要証期間の発注事実等はないが、直営店の店頭レジのレシート写し、他の証拠により取引きが行なわれたことを証明する(乙11の1)。 カ 包装容器の中の商品「あられ」について 「LUCKYBOX(AB-A2)」は、「大黒天の図柄」に「大黒天」の文字、「DAIKOKUTEN」の欧文字、「青のり味」を表示したシンボルカラーの紫色を配した小箱であり、この箱の「あられ」の味は、「青のり味」(7×4cm程の大黒天の小袋に入り)が14袋入っている(乙114の1)。商品番号「AB-A2」(商標「大黒天」)のコードは、納品書上は、箱を意味し、また、販売店においては、このコードは、「あられ」入りの商品コードで、この商品を販売するための「高級BOX小箱」の包装用箱に表示された符号番号である。スタンドパックと同様に、高級BOX小箱は、他にも6箱有り、毘沙門天、弁財天等の6種類の小箱があり、「大黒天(青のり味)」にも、あられの入った7×4cm程度の小包装が14袋入っている。 「商品番号AB-A2」は、「小箱の商品(高級BOX小箱)」は「LUCKYBOX」と名付けている。小箱には、「青のり味 大黒天の文字 大黒天の図柄 欧文字記載」がある。「AB-A2」の写真は、カタログ等に掲載がなく、大黒天の説明のために写真を添付した。取引書類として、直営店中の銀座本店、前橋店のレシート写しを証拠とする。幸煎餅社銀座本店の月締めレジのレシートの統計に「2017年8月31日に3箱、同年2月28日に6箱、同年3月31日に14箱、同年4月30日に3箱、同年5月31日に6箱、同年12月31日分として4箱」の販売実績がある。前橋店においても、「2018年3月31日に1箱、同年4月30日に2箱、同年5月31日に1箱、同年6月30日に1箱、同年12月31日に1件」の販売実績がある。特別に直営店のみで販売されており、「カタログVer.23」をはじめ、チラシにも掲載がないため、大量の販売実績はない。 キ 「商品AA-B1、商品AG-6及び商品AA-B2の写真並びに納品書」(乙4~乙6)について (ア)乙第4号証の1の写真の添付は、商品番号確認のためのみに添付した写真である。通常のカタログ及びチラシ等においては、商品の裏面は広告宣伝等には掲載されないので、この商品の裏面のありふれた楕円形の中に「大黒天」が記載されていることを立証するために、令和元年12月に幸煎餅社が撮影したものである。乙第5号証のAG-6の写真は、スタンドパック(大)の商品であり、カタログVer.23にも掲載されている。同商品は現在も販売されている。包装箱「銀座 七福神 金銀揃え」の中の商品(商品番号CB-1)であり、確認を容易にするために、令和元年12月に幸煎餅社が商品確認のために撮影したものである。 (イ)乙第4号証の1、乙第5号証の1及び乙第6号証の1の取引の状況 a 乙第4号証の1の「商品番号AA-Bl」について 商品番号AA-Blは、スタンドパック(小)であり、「(青のり味)大黒天」の商品は、カタログVer.18、Ver.19、Ver.20に掲載され、「大黒天」、「青のり味」の「あられ」が30グラム入っている。 幸煎餅社銀座本店から商品補充のため工場に商品の搬入を依頼するFAX書面を送付し、その後工場から銀座本店へ納入される。 b 乙第5号証の1の「商品番号AG-6」について 商品番号AG-6は、スタンドパック(サイズ大)であり、「青のり味」、「大黒天」として、カタログVer.18、Ver.19、Ver.20、Ver.21、Ver.22、Ver.23(乙10、乙11)に掲載されている。7×4cm程の小袋入り「あられ」24袋入りである。 銀座本店店頭販売の「月締めレジのレシート」写しに、「2017年3月28日に2(袋)」、「同5月30日に2(袋)」、「同8月31日に9(袋)」、「同年12月31日に6(袋)」「前橋店同年3月31日に7(袋)」と販売事実があり商品が取引された。「前橋本社」の店頭月末締めレジ集計写し(2017年8月31日)によれば、AG-6が、36個の取り引きされた販売実績がある。 c 「商品番号AA-B2」について 「商品番号AA-B2」は、「CB-1」の箱の中の商品であり、商品「商品番号AA-B2」には、「七福神」・「大黒天」・「青のり味」の文字の記載がある。これは、商品「七福神」の中の商品「大黒天」であり、「商品コードCB-1」の中の商品を意味し、「大黒天」の文字があるが、この商品袋は、今のところ単独では販売されていない。 ク 弁駁書についての反論 (ア)「使用証拠により示される行為が、商標法第2条第3項各号に定める「使用」の定義に該当しなければ「登録商標の使用」とは認められない。仮に商標の使用が形式的に該当することでは足りず、実質的に商標として使用されなければならい」との趣旨であるが、本件商標は、自他商品の識別標識としての機能から、a 出所表示機能、b 品質保証機能、c 広告宣伝機能を十分果たしており、これより生ずる識別と出所表示の概念も十分であることから、登録商標「大黒天」の「商標の使用」となる。 (イ)「LUCKYBOXの小箱」、「スタンドパック」においては、単体の包装用箱、包装用袋に青のり味ごとの「大黒天」が個別に販売されている。販売実績も併せて証拠とした。箱は「七福神あられ」の1つの種類「大黒天」であり、全て「あられ」を充填されている。 (ウ)銀座本店、前橋本店の店頭レジ、付き末締めレシート写しにあるようにAA-B1として、この箱を使用した商品販売の証拠で分り難い証拠の補充をすると共に、販売実績よりLUCKYBOXの小箱の残量が多く現在においても注文納品は在庫が現在もある。 (エ)「近傍にあるキャラクター」その端の文字があるため使用に当たるかどうかは、「七福神あられ」を構成する商品のペットネームも近傍のキャラクターが邪魔をするのではなく、大黒天とキャラクターの関係は相乗効果となれるものであり、「大黒天」の文字の大小は本件商標の使用証拠としては、是認され得るものである。 (オ)商品製造に当たって、漫画風のキャラクターでは発売当初は、何神様の絵(キャラクター)であるかが分らないため「大黒天です。」の意味を込めて、「大黒天」の文字を表示した。周知な商標「七福神あられ」は、周知性を維持するために特に(R)を付している。商品販売に当たって、7種類、7つのキャラクター、7つの色、七つの神、のように7をコンセプトにしているため、ペットネームも7つであり、その中の1つが、「大黒天」であり、識別機能を十分に果たしている。 3 被請求人陳述要領書による主張の要旨 (1)「青のり味(大黒天)」の表示は、需要者が、商品の品質を選択するためのペットネームを付している。見た瞬間にすぐ商品を把握し、選択するために、消費者が、区別の付き難い同じような神様の名前のみでなく、重要な品質である「青のり」を他の種類と間迎って選択することのないように、7神のうち、それぞれの神をキャラクター化するとともに商品の味を間違えないよう特定し、商品に欠かせない商標「大黒天」を併記し記載している。(2)商品の中に組合わせにより「大黒天」と表示されて、別の商品名の中に入っているから、カタログ上、会計処理上等にも符号記号と合わせて使用しており、「七福神あられ」の商品を販売した当初から「大黒天」に識別力の無い品質を表す「青のり味(青のり)」を付してアピールしているにすぎない。このように、「大黒天」の文字は、本件商標「大黒天」の文字を使用する商標の大きな役割を果たしている。本件商標の使用にあたり、商標に職別機能の無い文字を付加することは、登録商標の使用とされる。「青のりの大黒天」の要部は「大黒天」であり、要部の認定が、このようになされない場合は、「青のりの大黒天」の登録商標が必要になってくる。 (3)「米菓」の表示と包装用袋等の中奥については、提出した全てのカタログに「七福神Rあられ」の表示のように、商品名中に「あられ」があるものは、すべてこの「あられ」が入っている。 (4)乙第3号証の1の写真は、要証期間のものではない。要証期間の箱は、賞味期限、消費期限の満了のため、既に残商品は保存していない。そのため、包装用箱の注文・納入時から、在庫数をさいわい社工場のデータを遡り調査して、残りの数から見て、この当初納品された箱をそのまま2021年8月現在も使用していること、及び、乙第11号証の4については、今回、乙第13号証として、要証期間であることを説明する。 「LUCKYBOX AB-A2」がどのように在庫数が変化をしているかについて、社内データを提出する。この乙第13号証の1及び乙第13号証の2についてみる、2016年4,664個の在庫、2020年11月3,632箱の在庫がある。 2016年の発売以来、2021年7月まで、直営店において常時販売しており、発売以来、販売実絞があり、その実績は直営店の売り上げレシートにより確認できる。 4 被請求人上申書1による主張の要旨 (1)新たな補足証拠の提出について 商品「大黒天」商品番号AA-B2及び商品「大黒天」、「商品番号AG-6」に関する補足証拠を提出する。 なお、写真の裏面には、撮影者・撮影日・撮影場所等を必要に応じて記載した。これらの写真撮影が行なわれているのは、商品の営業目的のため、商品陳列状況確認等に役立たせるようにと、仕事の合間を縫って撮影し、これを共有することが命じられていたことによるものである。 ア 乙第16号証について(商品の陳列棚における販売状況) (ア)乙第16号証の1 撮影場所は、スズラン前橋店であり、撮影日時は、2017年11月3日、撮影者は、幸煎餅社の製造部製造課長であり、対象商品は、「LUCKYBOX 7個入和風」で、箱の中身は全て「あられ(米菓)」である。 (イ)乙第16号証の2 上記(ア)の拡大写真であり、三角の屋根部分の色が確認できる。 (ウ)乙第16号証の3 納品場所は、スズラン前橋店であり、2017年9月26日に商品と一緒に伝票を送付、同日に受領したものである。 (エ)乙第16号証の4の1 納品場所は、スズラン前橋店であり、2017年3月14日に商品と一緒に伝票を送付同日に受領したものである。 (オ)乙第16号証の4の2 上記(エ)と同一内容である。 (カ)乙第16号証の4の3 撮影場所は、アピタ本庄店であり、撮影者は、幸煎餅社の製造部製造課長、撮影日時は、2017年10月31日、対象商品は、「七福神あられ AG-6(大黒天)」である。 イ 乙第17号証 「カメラ店の領収書」であり、印刷場所は、カメラのキタムラ藤岡店であり、現像印刷日時は、2021年9月27日である。 ウ 乙第18号証 既に提出済みの乙第11号証の3を補う補足証拠であり、幸煎餅社銀座本店の「2019年6月24日のレシートジャーナル」にある「七福神AB-A2」を補足する証拠である。この証拠には、2019年6月24日のレシートに、「七福神AB-A2 50」の商品の購入者等の証拠情報があることが分かる。 エ 乙第19号証 撮影場所は、幸煎餅社桐生店であるが、現在は、閉店している。撮影日時は、2017年12月5日で、撮影者は、幸煎餅社製造部製造課長であり、対象商品は、「LUCKYBOX 和風」のボックス、紫色小箱(大黒天)AB-A2他の陳列の様子である。 オ 乙第20号証 (ア)乙第20号証の1 撮影場所は、イーサイト高崎2Fにある幸煎餅社イーサイト高崎店であり、現在は、閉店している。撮影日時は、2019年4月24日で、撮影者は、幸煎餅社営業部職員であり、販売商品は、「LUCKYBOX」の紫色小箱AB-A2等である。 (イ)乙第20号証の2 上記(ア)の拡大写真である。 カ 乙第21号証 撮影場所は、ベイシア本庄早稲田ゲート店であり、撮影日時は、2017年10月25日であり、撮影者は、幸煎餅社の職員であり、撮影商品は、七福神あられAG-G(大黒天スタンドパック包装)他の陳列状況である。 キ 乙第22号証 撮影場所は、アピタ本庄店であり、撮影日時は、2017年10月31日であり、撮影者は、幸煎餅社の職員であり、対象商品は、「七福神あられ商品AG-6(大黒天)スタンドパック」である。 ク 乙第23号証 納品場所は、ベイシア本庄早稲田ゲート店であり、対象商品は、七福神あられAG-6(大黒天スタンドパック包装)、七福神あられAG-4、七福神あられAG-5、七福神あられAG-7、七福神あられAG-8である。この物品受領書は、株式会社ベイシアと取引が行なわれたことを証明するものである。 ケ 乙第24号証 幸煎餅社銀座本店店長が、公証人の面前において、「商品売買確認書」に署名捺印して、添付の「バーコード番号4930758122333 七福神AB-A2 50」が記載されているレシート(マージソート)及びレシートジャーナル」を添付書類とし他商品売買確認書が1セットになっている。 コ 被請求人は、乙第11号証の3として「幸煎餅社銀座本店及び前橋店」の店舗レシートを提出しているが、これらは、いずれも本件商標権者が作成したものであって、幸煎餅社銀座本店及び前橋店において、要証期間に実際に当該商品を納品した事実を証明するための書面等が提出されていないことから、商品AB-A2の商品が、販売(譲渡)されたことが確認できないとする合議体の暫定的見解が示されているが、これについては、今回、補足証拠を追加し、このレシート等の補強証拠、デジタルカメラデータの保管による商品の直営店、その他の取引店における陳列状況等の商行為事実を、乙第16号証ないし乙第24号証を追加提出して本件商標の使用説明とする。 5 被請求人上申書2による主張の要旨 (1)周知商標である「七福神あられ」冠している箱・スタンドパックについては、すべて米菓(「あられ」)が封入されている。 (2)公証人の認証については、レシートジャーナルが税務上課税対象となる基礎数字として認められ、過去分については納税済みのため、本件商標権者が作成した指摘内部文書ではないことを補完補足するための証拠である。 第4 当審の判断 1 被請求人の立証責任 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。 すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、ア 要証期間に、イ 日本国内において、ウ 商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、エ 本件審判請求に係る指定商品のいずれかについての、オ 本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。 2 被請求人の提出した証拠及び同人の主張によれば以下のとおりである。 (1)乙第11号証の4の1について 乙第11号証の4の1は、商品番号「ABーA2」の紙包装であり、当包装紙の表表紙には、大黒天のキャラクター図の下に「DIKOKUTEN」の欧文字(以下「使用商標1」という。)が記載され、右側面には、大黒天のキャラクター図の下に「大黒天」の漢字(以下「使用商標2」という。)が記載され、左側面には、大黒天のキャラクター図の下に使用商標1が記載され、裏表紙の「名称」の欄に「米菓」の記載、販売者の欄に「株式会社 幸煎餅」及び「群馬県前橋市千代田町4-19-3」の記載がある。 なお、本号証の裏表紙における「名称」の欄に「米菓」の記載があることから、当包装箱には、米菓が封入されて販売されることが推認できる。 また、当包装紙は、山形の形状となることが認められる。 (2)乙第20号証の1について 乙第20号証の1は、2019年(平成31年)4月24日に、幸煎餅社イーサイト高崎店の店舗内の写真であるところ、本号証の1葉目の写真において、向かって左側の商品棚には、やや不鮮明ではあるものの、紫色に着色した山形の紙包装の商品が陳列されていることが確認できる。 なお、被請求人の主張によれば、幸煎餅社イーサイト高崎店は現在、閉店しているとのことである。 3 判断 (1)上記2によれば、本件商標権者である幸煎餅社は、要証期間である2019年(平成31年)4月24日に、商品「米菓」が封入されている商品番号「AB-A2」の商品を譲渡(販売)を目的として、同社が運営するイーサイト高崎店において陳列したことが認められる。 そして、商品番号「AB-A2」の紙包装の左側面に記載された使用商標2と本件商標「大黒天」と構成文字を共通にするものであるから、本件商標と使用商標2は、社会通念上同一の商標と認められる。 また、表表紙及び右側面に記載された使用商標1は、「大黒天」を欧文字で表したものと容易に認識できるものであり、本件商標「大黒天」と使用商標1は、「ダイコクテン」の称呼を共通にするものであるから、本件商標と使用商標1は、社会通念上同一の商標と認められる。 さらに、商品番号「AB-A2」に封入されると推認できる商品「米菓」は、審判請求に係る指定商品中の「菓子」の範ちゅうに属する商品であることが認められる。 (2)そうすると、本件商標権者である幸煎餅社は、要証期間に、日本国内において、本件審判請求に係る指定商品中の「菓子」の範ちゅうに属する「米菓」の包装箱に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用し、当該商品を販売を目的に陳列(広告)したことが認められ、この使用行為は、商標法第2条第3項第8号に該当すると認められる。 (3)以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標権者がその請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したということができる。 したがって、本件商標の登録は、その請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。

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2019-300785

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