特許拒絶査定不服審判
2019-002739
冷凍装置
- 審判番号
- 2019-002739
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-246748外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年02月28日
- 審決日
- 2020年03月31日
- 公報発行日
- 2020年06月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ダイキン工業株式会社
- 【請求人代理人】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
- 分類
- P18 .121-WZ (F24F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014-246748「冷凍装置」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 6月20日出願公開、特開2016-109350〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成26年12月5日の出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
平成30年6月25日付け拒絶理由通知
平成30年8月24日に意見書及び手続補正書の提出
平成30年12月13日付け拒絶査定
平成31年2月28日に拒絶査定不服審判の請求及びその請求と同時に手続補正書の提出
令和元年7月5日に上申書の提出
令和元年12月12日付け当審における拒絶理由通知
令和2年2月5日に意見書及び手続補正書の提出
第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和2年2月5日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものと認める。
「本体部(61)と前記本体部から延びる複数のリード(62、62a)とを有し、通電されることで発熱する電子部品(60)と、
前記電子部品が実装される基板(71)と、
冷媒を圧縮する圧縮機(21)、冷媒を凝縮又は放熱させる第1熱交換器(23/41)、冷媒を減圧する膨張機構(26)、及び冷媒を蒸発させる第2熱交換器(41/23)、を含む冷媒回路(10)と、
暖房運転時に、前記膨張機構によって減圧された冷媒が流れる冷媒配管(35)と、
前記本体部及び前記冷媒配管の間に位置して前記本体部及び前記冷媒配管に当接し、前記電子部品を冷却する冷媒ジャケット(29)と、
を備え、
前記電子部品は、前記本体部を前記冷媒ジャケットに固定された状態で前記リードを前記基板に接合されることで前記基板に実装され、前記基板に実装された状態において前記冷媒ジャケット及び前記基板の間に位置し、
前記リードは、その一部に防湿材(90)がコーティングされており、
前記リードは、第1リードと第2リードとを有し、隣接する第1リード同士の根元部分の間隔は、隣接する第2リード同士の根元部分の間隔よりも小さく、前記リードの一部と、隣接する他の前記リードの一部と、の間の空間のうち、隣接する第1リード同士の根元部分の間の空間が、前記防湿材で埋められており、隣接する第2リード同士の根元部分の間の空間が、前記防湿材で埋められていない、
冷凍装置(1)。」
第3 拒絶理由の概要
令和元年12月12日付けで当審が通知した拒絶理由のうちの理由3は、概ね次のとおりのものである。
本願の請求項1~4に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1:特開2013-232518号公報
引用文献2:実願昭51-069559号(実開昭52-161255号)のマイクロフィルム
引用文献3:特開平4-58553号公報
第4 引用文献について
1 引用文献1について
(1)引用文献1の記載
引用文献1には、次の記載がある(下線は、当審で付した。)。
「【0001】
本発明は、空気調和装置に関し、特に、制御用のプリント基板に設けられるパワー素子を冷媒回路の冷媒配管を流れる冷媒により冷却する構成の空気調和装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、冷媒配管を流れる冷媒によって被冷却部品を冷却する冷却機構が知られている。例えば特許文献1には、空気調和装置の電装部品を被冷却部品とする冷却構造が開示されている。被冷却部品としては、例えば、空気調和装置の制御回路を構成するプリント基板に設けられるパワー素子がある。
・・・
【0005】
そこで、図15に示すように、冷媒配管(101)を保持して被冷却部品(102)と熱的に接触する伝熱板(103)と、冷媒配管(101)の伸長方向に長辺が沿う長方形の板状に形成されて該冷媒配管に対向する対向部を有する板ばね部材(押さえ部材)(104)とを有する冷媒ジャケット(100)を用い、この板ばね部材(104)で冷媒配管(101)を伝熱板(103)に押し付けるように該板ばね部材(104)を固定ネジ(図示せず)で伝熱板(103)に取り付けることが考えられる。
【0006】
この取付構造を採用すると、板ばね部材(104)と冷媒配管(101)との間の接触長さや、冷媒配管(101)と伝熱板(103)との接触面積を特許文献1の構造よりも大きくすることができるので、冷媒配管(101)を確実に冷媒ジャケット(100)で保持することができ、冷媒配管(101)と冷媒ジャケット(100)との間の熱抵抗を低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010-114115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記の取付構造では、パワー素子(102)などの被冷却品が固定される冷媒ジャケット(100)の伝熱板(103)に冷媒配管(101)が直接に取り付けられるので、図15において、冷媒配管(101)の結露水が冷媒ジャケット(100)を伝ってパワー素子(102)に到達し、プリント基板(105)が濡れてしまうおそれがある。そうすると、プリント基板(105)の配線がショートしたり腐食したりすることが考えられる。
【0009】
一方、冷媒配管(101)が結露しないように冷媒の温度を制御したり、冷媒配管(101)を加熱したりすることが考えられるが、その場合にはパワー素子(102)を冷却する性能が低下してしまう。
【0010】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、制御用のプリント基板に設けられるパワー素子を冷媒回路の冷媒配管を流れる冷媒により冷却する構成において、冷却性能を低下させず、なおかつプリント基板の配線がショートしたり腐食したりする不具合も防止できるようにすることである。」
「【0032】
《発明の実施形態》
この空気調和装置(1)は、図1に示すように、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を有し、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行うように構成されている。具体的には、空気調和装置(1)は、室内に設置される室内ユニット(20)と、室外に設置される室外ユニット(30)とを有している。室内ユニット(20)と室外ユニット(30)とが、2本の連絡配管(11,12)によって互いに接続されることで、閉回路となる冷媒回路(10)が構成される。
【0033】
〈室内ユニット〉
室内ユニット(20)は、室内熱交換器(21)と室内ファン(22)と室内膨張弁(23)とを有している。室内熱交換器(21)は、例えばクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器によって構成され、室内ファン(22)によって送風される空気が通過する。室内熱交換器(21)では、伝熱管の内部を流れる冷媒と、伝熱管の外部を通過する空気とが熱交換する。室内膨張弁(23)は、例えば電子膨張弁によって構成されている。
【0034】
〈室外ユニット〉
室外ユニット(30)は、室外熱交換器(31)と室外ファン(32)と室外膨張弁(33)と圧縮機(34)と四方切換弁(35)とを有している。室外熱交換器(31)は、例えばクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器によって構成され、室外ファン(32)によって送風される室外空気が通過する。室外熱交換器(31)では、伝熱管の内部を流れる冷媒と、伝熱管の外部を通過する空気とが熱交換する。室外膨張弁(33)は、例えば電子膨張弁によって構成されている。圧縮機(34)は、例えばスクロール圧縮機等の回転式圧縮機によって構成されている。四方切換弁(35)は、第1から第4までの4つのポートを有し、冷媒回路(10)の冷媒の循環方向を切り換えるように構成されている。四方切換弁(35)は、冷房運転時に第1ポートと第2ポートを連通させ且つ第3ポートと第4ポートを連通させる状態(図1の実線で示す状態)となり、暖房運転時に第1ポートと第3ポートを連通させ且つ第2ポートと第4ポートとを連通させる状態(図1の破線で示す状態)となる」
「【0038】
〈電装品室内の構成機器〉
電装品室(49)内には、空気調和装置(1)の各種構成機器を制御するための各種電装品を有する電装品ユニット(制御部)(50)と、冷媒回路(10)の冷媒が流通する冷却管(15)とが収容されている。
【0039】
図2に示すように、電装品ユニット(50)は、発熱部品であるパワー素子(53)を含む各種電子部品が実装されたプリント基板(51)と、該プリント基板(51)に実装されたパワー素子(53)を冷却するための冷媒ジャケット(60)とを備えている。パワー素子(53)は、例えばインバータ回路のスイッチング素子等であり、運転時に発熱して動作可能な温度(例えば90℃)を越えないように冷媒ジャケット(60)によって冷却される。冷媒ジャケット(60)は、プリント基板(51)に取り付けられている。また、プリント基板(51)の前面にパワー素子(53)と冷媒ジャケット(60)とが取り付けられた電装品ユニット(50)は、固定部材(55)を介して横仕切板(46)に固定されている。なお、冷媒ジャケット(60)の詳細な構成については後述する。
【0040】
図1に示すように、冷却管(15)は、冷媒回路(10)の冷媒配管の一部を構成している。具体的には、本実施形態では、冷却管(15)は、冷媒回路(10)の室内膨張弁(23)と室外膨張弁(33)との間に接続され、液配管の一部を構成している。つまり、冷却管(15)には、室内熱交換器(21)又は室外熱交換器(31)で凝縮した後の高圧の液冷媒が流通する。図3に示すように、冷却管(15)は、本実施形態では、U字管に形成され、2本の直管部(16,16)と、該2本の直管部(16,16)の端部を連結するU字形状の曲管部(17)とを有している。2本の直管部(16,16)は、略平行に配置されている。冷却管(15)は、電装品室(49)内に、曲管部(17)が2本の直管部(16,16)の上方に位置するように、正面から視て逆U字形状となるように配設されている。なお、冷却管(15)は、電装品ユニット(50)が設置される前に予めケーシング(40)の電装品室(49)に配設される。また、冷却管(15)は、電装品ユニット(50)が設置される前に、上方に向かう程、前側に位置するように前方に傾けられ、その後方に電装品ユニット(50)が設置された後に、弾性を利用して元の直立した状態(図2参照)に戻される。
【0041】
〈冷媒ジャケット〉
図4に示すように、冷媒ジャケット(60)は、冷却管(15)が嵌め込まれる溝(61)が形成された伝熱板(62)と、該伝熱板(62)をプリント基板(51)に取り付ける2つの支持部材(係合部材)(63,63)と、伝熱板(62)に冷却管(15)を押さえ付けるための押さえ板(64)とを有している。
【0042】
図5及び図6に示すように、伝熱板(62)は、アルミニウム等の熱伝導率の高い金属材料で構成され、長板状に形成されている。伝熱板(62)の前面(図6(B)の上面)には、長手方向の一端から他端まで延びる3つの凸部(65,66,65)が形成され、3つの凸部(65,66,65)の間には、2つの凹部(67,67)が形成されている。3つの凸部(65,66,65)のうち両端の外側凸部(65,65)は、真中の内側凸部(66)よりも幅広で且つ突出高さが低くなるように形成されている。
【0043】
2つの外側凸部(65,65)のそれぞれには、上述の冷却管(15)の2本の直管部(16,16)を嵌め込む溝(61)が形成されている。溝(61)は、伝熱板(62)の長手方向に延びて冷却管(15)の直管部(16)が嵌まり込む断面形状に形成されている。冷却管(15)と溝(61)との間には、熱伝導グリス(79)が介設されている(図4参照)。熱伝導グリス(79)は、冷却管(15)と溝(61)との間の微小な隙間を埋めることで冷却管(15)と伝熱板(62)の溝(61)の内面との接触熱抵抗を低減させ、冷却管(15)と伝熱板(62)との間の伝熱を促進させる。
【0044】
内側凸部(66)は、頂上部が平坦に形成され、後述する押さえ板(64)の第2凸部(72)の頂上部(72a)が当接する(図4参照)。また、内側凸部(66)には、押さえ板(64)を固定するためのビス(91)を締結するためのビス孔(66a)が2つ形成されている。2つのビス孔(66a)は、内側凸部(66)の長手方向の一端から他端に向かって4分の1の長さ位置と4分の3の長さ位置とに形成されている。
【0045】
2つの凹部(67)は、底面が伝熱板(62)の長手方向の一端から他端に亘って直線状に延びる平坦面に形成されている。各凹部(67)の底面には、押さえ板(64)の後述する爪部(63g)が当接している(図4参照)。
【0046】
長板状の伝熱板(62)の後面には、長手方向の一端から他端まで延びる幅広の凸部(68)が形成されている。凸部(68)は、頂上部が平坦に形成され、長手方向の両端部に後述する支持部材(63)を固定するためのビス(69)(図5,図10参照)を締結するためのビス孔(68a)が貫通するように形成されている。また、凸部(68)には、パワー素子(53)を固定するためのビス(92)を締結するためのビス孔(68b)が複数(本実施形態では7つ)形成されている。複数のビス孔(68b)は、伝熱板(62)を上下に貫通するように形成され、後面の凸部(68)の頂上部から前面の内側凸部(66)の頂上部又は前面の凹部
(67)の底面まで延びている。パワー素子(53)は、凸部(68)の扁平な頂上部に放熱面が当接された状態でビス(92)をビス孔(68b)に締結することによって伝熱板(62)に熱的に接触するように取り付けられている。」
「【0068】
このような構成により、押さえ板(64)が伝熱板(62)にビス(91)によって固定されると、第2凸部(72)の頂上部(72a)は、伝熱板(62)の内側凸部(66)の平坦な頂上部に当接する。このとき、第2凸部(72)は、弾性変形して伝熱板(62)側、即ち、後方(図8(B)では下方)に沈み込む。これにより、第1凸部(71)の右側部(71c)及び第3凸部(73)の左側部(73b)も後方に沈み込む。その結果、第1凸部(71)及び第3凸部(73)の頂上部(71a,73a)が、前後方向に傾斜しなくなり、それぞれ冷却管(15)の2つの直管部(16,16)に当接して該2つの直管部(16,16)を伝熱板(62)の2つの溝(61,61)にそれぞれ押し付ける(図4参照)。」
「【0083】
-運転動作-
空気調和装置(1)の運転動作について図1を参照しながら説明する。空気調和装置(1)は、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行う。
【0084】
〈冷房運転〉
冷房運転では、圧縮機(34)で圧縮された冷媒が、室外熱交換器(31)で凝縮する。凝縮した冷媒は、例えば全開状態の室外膨張弁(33)を通過し、冷却管(15)を流れる。
【0085】
圧縮機(34)の運転時には、パワー素子(53)が発熱する。そのため、パワー素子(53)の熱は、伝熱板(62)、熱伝導グリス(79)、冷却管(15)を順に伝わり、冷却管(15)内の冷媒に放出される。その結果、パワー素子(53)が冷却され、パワー素子(53)が動作可能な所定温度に維持される。
【0086】
冷却管(15)を流れた冷媒は、室内膨張弁(23)で減圧された後、室内熱交換器(21)で蒸発する。これにより、室内空気が冷却される。蒸発した冷媒は、圧縮機(34)に吸入されて圧縮される。
【0087】
〈暖房運転〉
暖房運転では、圧縮機(34)で圧縮された冷媒が、室内熱交換器(21)で凝縮する。これにより、室内空気が加熱される。凝縮した冷媒は、例えば全開状態の室内膨張弁(23)を通過し、冷却管(15)を流れる。冷却管(15)を流れる冷媒は、上記冷房運転と同様にして、パワー素子(53)から吸熱し、パワー素子(53)を冷却する。冷却管(15)を流れた冷媒は、室外膨張弁(33)で減圧された後、室外熱交換器(31)で蒸発する。蒸発した冷媒は、圧縮機(34)に吸入されて圧縮される。」
「【0088】
-電装品ユニットの組立動作-
まず、伝熱板(62)、2つの支持部材(63)、押さえ板(64)をそれぞれ製作する。次に、伝熱板(62)の上下方向の両端部に、それぞれ支持部材(63)を固定する(図5参照)。各支持部材(63)は、2つの爪部(63g,63g)と底部(63d)とによって伝熱板(62)を挟み込んだ状態で、ビス(69)を底部(63d)の挿通孔(63l)に挿通させて伝熱板(62)のビス孔(68a)に締結することによって伝熱板(62)に固定される。また、パワー素子(53)を伝熱板(62)に取り付ける。パワー素子(53)は、伝熱板(62)の後面の凸部(68)の扁平な頂上部に放熱面が当接された状態でビス(92)をビス孔(68b)に締結することによって伝熱板(62)に熱的に接触するように取り付けられる(図4参照)。
【0089】
次に、支持部材(63)とパワー素子(53)とが取り付けられた伝熱板(62)をプリント基板(51)に仮止めする。具体的には、パワー素子(53)のリード線と各支持部材(63)の支持部(63e,63e)とをプリント基板(51)に形成された貫通孔に挿入する。ここで、各支持部(63e)の先端部は、二叉に分かれて細長い2つの爪を形成している。一方、プリント基板(51)の貫通孔は、各支持部(63e)の先端部の幅よりも僅かに広く形成されている。これにより、各支持部(63e)の先端部を、貫通孔に通過させた後、各支持部(63e)の先端部をねじるように変形させることによって貫通孔から抜けなくなる。このように各支持部(63e)の先端部がプリント基板(51)に係合することによって、支持部材(63)とパワー素子(53)とが取り付けられた伝熱板(62)がプリント基板(51)に仮止めされる。
【0090】
上記仮止めの後、パワー素子(53)のリード線と各支持部材(63)の支持部(63e,63e)とを半田付けによってプリント基板(51)に固定する。これらの部品の半田付けは、プリント基板(51)を、フロー炉を通すことによって行われる。具体的には、フロー炉の半田槽にプリント基板(51)の後面を浸し、プリント基板(51)の後面側から各支持部(63e)の先端部及びパワー素子(53)のリード線のそれぞれが挿入された貫通孔に溶解半田を浸入させることによって行う。」
「
」
(2)上記1から認められること
ア 上記(1)によれば、引用文献1には、空気調和装置が記載されている。
イ 上記(1)の段落0039、0046及び0088~0090並びに図2、4、10及び11の記載によれば、空気調和装置は、放熱面と複数のリード線を有し、圧縮機34の運転時には発熱するインバータ回路のスイッチング素子等であるパワー素子53を備えることが認められる。
ウ 上記(1)の段落0039並びに図2~4、10及び11の記載によれば、空気調和装置は、パワー素子53が実装されるプリント基板51を備えることが認められる。
エ 上記(1)の段落0032~0034、0040及び0084~0087並びに図1の記載によれば、空気調和装置は、冷媒を圧縮する圧縮機34、室内熱交換器21、室内膨張弁23、室外膨張弁33、及び室外熱交換器31、を含む冷媒回路10を備えることが認められる。
オ 上記(1)の段落0087及び図1の記載によれば、空気調和装置は、暖房運転時に、前記室内熱交換器21で凝縮され、例えば全開状態の前記室内膨張弁23を通過した冷媒が流れる冷却管15を備えることが認められる。
カ 上記(1)の段落0039、0041~0046及び0068並びに図4~6及び10の記載によれば、空気調和装置は、冷却管15が嵌め込まれる溝61が形成された伝熱板62と、該伝熱板62をプリント基板51に取り付ける2つの支持部材63,63と、前記伝熱板62に前記冷却管15を押さえ付けるための押さえ板64とを有しており、パワー素子53が、前記伝熱板62の凸部68の扁平な頂上部に放熱面が当接された状態で前記伝熱板62に熱的に接触するように取り付けられ、前記冷却管15が、前記伝熱板62の前記溝61に嵌め込まれて、前記押さえ板64により前記伝熱板62の前記溝61に押さえ付けられ、前記パワー素子53を冷却する冷媒ジャケット60を備えることが認められる。
キ 上記(1)の段落0039、0041、0046及び0088~0090並びに図2及び4の記載によれば、空気調和装置において、パワー素子53は、凸部68の扁平な頂上部に放熱面が当接された状態で伝熱板62に熱的に接触するように取り付けられて、前記パワー素子53のリード線と支持部材63,63の支持部63e,63eとが半田付けによってプリント基板51に固定され、前記プリント基板51に固定された状態において冷媒ジャケット60及び前記プリント基板51の間に位置することが認められる。
(3)引用発明
上記1及び2を総合すると、引用文献1には、次の事項からなる発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認めることができる。
「放熱面と複数のリード線を有し、圧縮機34の運転時には発熱するインバータ回路のスイッチング素子等であるパワー素子53と、
前記パワー素子53が実装されるプリント基板51と、
冷媒を圧縮する圧縮機34、室内熱交換器21、室内膨張弁23、室外膨張弁33、及び室外熱交換器31、を含む冷媒回路10と、
暖房運転時に、前記室内熱交換器21で凝縮され、例えば全開状態の前記室内膨張弁23を通過した冷媒が流れる冷却管15と、
前記冷却管15が嵌め込まれる溝61が形成された伝熱板62と、該伝熱板62を前記プリント基板51に取り付ける2つの支持部材63,63と、前記伝熱板62に前記冷却管15を押さえ付けるための押さえ板64とを有しており、前記パワー素子53が、前記伝熱板62の凸部68の扁平な頂上部に放熱面が当接された状態で前記伝熱板62に熱的に接触するように取り付けられ、前記冷却管15が、前記伝熱板62の前記溝61に嵌め込まれて、前記押さえ板64により前記伝熱板62の前記溝61に押さえ付けられ、前記パワー素子53を冷却する冷媒ジャケット60と、
を備え、
前記パワー素子53は、前記凸部68の前記扁平な頂上部に前記放熱面が当接された状態で前記伝熱板62に熱的に接触するように取り付けられて、前記パワー素子53のリード線と前記支持部材63,63の支持部63e,63eとが半田付けによって前記プリント基板51に固定され、前記プリント基板51に固定された状態において前記冷媒ジャケット60及び前記プリント基板51の間に位置する、
空気調和装置。」
2 引用文献2について
(1)引用文献2の記載
引用文献2には、次の記載がある(下線は、当審で付した。)。
「本考案は半導体集積回路のリードの改良に関する。
一般に第1図に示す如く封止樹脂層(1)から突出している複数のリード(2)をプリント基板(3)の導体(4)にハンダ付け層(5)を介して取り付けた半導体集積回路を高湿雰囲気で動作させる場合特定のリードが断線することがある。これはリード(2)間に水滴(6)が付着し、この水滴(6)が付着したリード(2)間に例えば電源Vccと接地Eで電位差が生じている場合この水滴(6)に依りリード(2)が電喰される為である。
本考案は上述した点に鑑みて為されたものであり、たとえ水滴が付着した場合でも電喰されない半導体集積回路のリードを提供するものである。以下第2図を参照し本考案を説明する。
第2図は本考案の実施例を示す断面図である。
本実施例は封止樹脂層(1)と、この封止樹脂層(1)から突出しているリード(2)と、リード(2)の表面に設けられた被覆膜(7)から構成される。封止樹脂層(1)は内部にペレットを有しペレットとボンディングワイヤで接続されたリード(2)を固着している。リード(2)はペレットに形成された回路と外部回路とを接続し且つ集積回路を固定する。本考案の特徴である被覆膜(7)は先端部を除いたリード(2)の表面に耐水性の絶縁物質を被覆したもので、例えば絶縁性樹脂を用いるかあるいはシリコングリスを塗布する。
上述の如く構成された半導体集積回路をプリント基板に取り付ける場合リード(2)の先端部は被覆膜(7)がないのでハンダ付は従来と変らないが、この半導体集積回路を高湿雰囲気で動作した場合たとえ電位差のあるリード(2)間に水滴が付着しても被覆膜でリード(2)が保護されている為に電喰が防止される。」(明細書1頁9行~3頁2行)
「
」
3 引用文献3について
(1)引用文献3の記載
引用文献3には、次の記載がある(下線は、当審で付した。)。
「本発明は制御ユニットモジュールに関し、特に水湿環境化で使用される回転機に取付けられる制御ユニットモジュールに関する。」(2頁左上欄5行~同欄7行)
「ところで、基板(3)を枠部材(2)に配置する場合、枠部材(2)内にはウレタン等の耐湿剤用のコーティング樹脂(11)が充填される。このコーティング樹脂(11)は基板(3)と枠部材(2)とで形成される上記空間部内のみに充填される様にコーティング樹脂(11)の量が設定される。即ち、コーティング樹脂(11)によって保護されるのは導体パターン(3a)および各実装部品と導体パターン(3a)との半田接合部(5z)のみでよいため、上記した空間内に樹脂(11)を充填するだけでよい。本実施例においては、あらかじめ、間隔部(2a)と略同一高さまでコーティング樹脂(11)を充填すれば基板(3)の導体パターン(3a)と各接合部は確実に樹脂(11)によって保護される。更に確実に保護を望む場合はコーティング樹脂(11)の量を少し多めにしておくとよい。この場合、余分な樹脂は基板(3)と枠部材(2)の側面との間隔から流れ出るが何んら問題はない。
本実施例では基板(3)上に実装したハイブリッドIC(5)のリード端子(5x)(5y)のみに上述した樹脂(11a)が選択的に設けられている。
ハイブリッドIC(5)は上述した様に二枚のIC基板(5a)(5b)で構成され、夫々のIC基板(5a)(5b)からは複数の外部リード端子(5x)(5y)が上述した様に折曲導出されている。各外部リード端子(5x)(5y)のピッチは非常に狭いので樹脂コーティングしないと水滴によって短絡する恐れがある。従来構造では制御基板(3)を全てコーティング樹脂で完全被覆していたが、本発明では上述した様に外部リード端子(5x)(5y)のみに樹脂(11a)をコーティングする。外部リード端子(5x)(5y)を被覆する樹脂(11a)は型枠を配置して樹脂(11a)を流す場合、あるいはコーティング樹脂(11a)にある程度粘性を保つように設定すれば比較的容易に外部リード端子(5x)(5y)に樹脂(11a)を被覆することができる。
制御基板(3)上に実装したハイブリッドIC(5)以外のトランス(4)、コンデンサ(6)、コネクタ(8)等の大型の部品はリード端子間の各距離が離間しているために水滴等による短絡の恐れがないため、樹脂(11a)を被覆する必要はない。しかし、各部品の各リード端子に樹脂(11a)を選択的に塗布すればより耐水性を向上することができる。また、コネクタ(8)のリード端子は図示されないが比較的端子数が多いため樹脂(11a)を充填した方がよい。」(5頁左下欄20行~6頁右上欄5行)
「また、本発明ではハイブリッドICの外部リード端子に選択して樹脂がコーティングされるので上述した様にコーティング樹脂を著しく減少できコスト面での効果は大である。」(7頁右上欄18行~同頁左下欄1行)
「
」
第5 対比
本願発明(以下「前者」ともいう。)と引用発明(以下「後者」ともいう。)とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
・後者の「リード線」は、前者の「リード(62、62a)」に相当し、以下同様に、「圧縮機34の運転時には発熱するインバータ回路のスイッチング素子等であるパワー素子53」は「通電されることで発熱する電子部品(60)」に、「プリント基板51」は「基板(71)」に、「圧縮機34」は「圧縮機(21)」に、「室内熱交換器21」は、少なくとも暖房運転時に冷媒を凝縮させるから、「冷媒を凝縮又は放熱させる第1熱交換器(23/41)」に、「室内膨張弁23」及び「室外膨張弁33」は「冷媒を減圧する膨張機構(26)」に、「室外熱交換器31」は、少なくとも暖房運転時に冷媒を蒸発させるから、「冷媒を蒸発させる第2熱交換器(41/23)」に、「冷媒回路10」は「冷媒回路(10)」に、「冷却管15」は「冷媒配管(35)」に、「冷媒ジャケット60」は「冷媒ジャケット(29)」に、それぞれ相当する。
・後者の「パワー素子53」は、放熱面及び複数のリード線を有するところ、放熱面及び複数のリード線が設けられる本体部を有することは明らかである。
・後者の「暖房運転時に、前記室内熱交換器21で凝縮され、例えば全開状態の前記室内膨張弁23を通過した冷媒が流れる冷却管15」は、前者の「暖房運転時に、前記膨張機構によって減圧された冷媒が流れる冷媒配管(35)」に、「暖房運転時に、冷媒が流れる冷媒配管」という限りにおいて一致する。
・後者の「冷媒ジャケット60」についての「前記冷却管15が嵌め込まれる溝61が形成された伝熱板62と、該伝熱板62を前記プリント基板51に取り付ける2つの支持部材63,63と、前記伝熱板62に前記冷却管15を押さえ付けるための押さえ板64とを有しており、前記パワー素子53が、前記伝熱板62の凸部68の扁平な頂上部に放熱面が当接された状態で前記伝熱板62に熱的に接触するように取り付けられ、前記冷却管15が、前記伝熱板62の前記溝61に嵌め込まれて、前記押さえ板64により前記伝熱板62の前記溝61に押さえ付けられ」という態様は、冷媒ジャケット60の伝熱板62が、パワー素子53の伝熱面が設けられる本体部及び冷却管15との間に位置して、前記本体部及び前記冷却管に当接したものとなるから、前者の「冷媒ジャケット(29)」についての「前記本体部及び前記冷媒配管の間に位置して前記本体部及び前記冷媒配管に当接し」という態様に相当する。
・後者の「前記パワー素子53」が、「前記凸部68の前記扁平な頂上部に前記放熱面が当接された状態で前記伝熱板62に熱的に接触するように取り付けられて、前記パワー素子53のリード線と前記支持部材63,63の支持部63e,63eとが半田付けによって前記プリント基板51に固定され」る態様は、これにより、パワー素子53は、伝熱面が設けられる本体部を冷媒ジャケット60に固定された状態で、リード線をプリント基板51に半田付けにより固定(接合)されることで前記プリント基板51に実装されたものとなるから、前者の「前記電子部品は、前記本体部を前記冷媒ジャケットに固定された状態で前記リードを前記基板に接合されることで前記基板に実装され」る態様に相当する。
また、後者の「前記パワー素子53」が、「前記プリント基板51に固定された状態において前記冷媒ジャケット60及び前記プリント基板51の間に位置する」態様は、前者の「前記電子部品」が、「前記基板に実装された状態において前記冷媒ジャケット及び前記基板の間に位置」する態様に相当する。
・後者の「空気調和装置」は、冷凍サイクルを構成する冷媒回路10を備えているから、前者の「冷凍装置(1)」に相当する。
したがって、本願発明と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
[一致点]
「本体部と前記本体部から延びる複数のリードとを有し、通電されることで発熱する電子部品と、
前記電子部品が実装される基板と、
冷媒を圧縮する圧縮機、冷媒を凝縮又は放熱させる第1熱交換器、冷媒を減圧する膨張機構、及び冷媒を蒸発させる第2熱交換器、を含む冷媒回路と、
暖房運転時に、冷媒が流れる冷媒配管と、
前記本体部及び前記冷媒配管の間に位置して前記本体部及び前記冷媒配管に当接し、前記電子部品を冷却する冷媒ジャケットと、
を備え、
前記電子部品は、前記本体部を前記冷媒ジャケットに固定された状態で前記リードを前記基板に接合されることで前記基板に実装され、前記基板に実装された状態において前記冷媒ジャケット及び前記基板の間に位置する、
冷凍装置。」
[相違点1]
「暖房運転時に、冷媒が流れる冷媒配管」が、本願発明では「暖房運転時に、前記膨張機構によって減圧された冷媒が流れる冷媒配管(35)」であるのに対して、引用発明では、「暖房運転時に、前記室内熱交換器21で凝縮され、例えば全開状態の前記室内膨張弁23を通過した冷媒が流れる冷却管15」である点。
[相違点2]
本願発明では、「前記リードは、その一部に防湿材(90)がコーティングされており、前記リードは、第1リードと第2リードとを有し、隣接する第1リード同士の根元部分の間隔は、隣接する第2リード同士の根元部分の間隔よりも小さく、前記リードの一部と、隣接する他の前記リードの一部と、の間の空間のうち、隣接する第1リード同士の根元部分の間の空間が、前記防湿材で埋められており、隣接する第2リード同士の根元部分の間の空間が、前記防湿材で埋められていない」のに対して、引用発明では、そのような構成を有していない点。
第6 判断
上記相違点について検討する。
[相違点1について]
引用発明において、暖房運転時に、室内熱交換器21で凝縮され、例えば全開状態の前記室内膨張弁23を通過した冷媒が冷却管15に流れるところ、全開とすることは例示であって、全開としなければならないものではない。
そして、引用発明において、冷却管15を流れる冷媒によりパワー素子53(電子部品)を冷却するのに、必要な冷却能力を確保するのは当然に考慮することであるとともに、冷媒を膨張弁等の膨張機構により減圧して流すことにより、冷媒の温度が低下することは冷媒回路における技術常識である。
よって、引用発明において、必要な冷却能力を確保するために室内膨張弁23を所望の開度として減圧された冷媒が冷却管15(冷媒配管)に流れるようにし、上記相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者にとって格別困難ではない。
[相違点2について]
引用文献2には、半導体集積回路(電子部品)をプリント基板(基板)に取り付ける(実装する)際に、半導体集積回路(電子部品)のリード間に水滴が付着してもリードを保護するため、リードの先端部を除いた部分(根元部分を含む部分)に耐水性の絶縁物質(防湿材)を被覆(コーティング)することが記載されている(明細書1頁9行~3頁2行)。
そして、引用文献1にプリント基板51(基板)の配線がショートしたり腐食したりすることを防止するとの課題が示されている(引用文献1の段落0008、0010)ことから、引用発明においても、リード間に水滴が付着する問題が生じ得ることが普通に予測されるものであり、この問題を解決すべく、引用文献2に記載された事項を適用することは、当業者にとって格別困難ではない。
ところで、電力制御用を含む半導体集積回路(電子部品)として、リード線同士の間隔が異なるものを用いることは、本願の出願前に慣用技術(例えば、特開平10-223823号公報(特に、請求項4、請求項7及び図5)、特開平2-199856号公報(特に、特許請求の範囲、第1図及び第2図)、特開昭63-107053号公報(特に、第1図及び第2図)及び実願昭57-127155号(実開昭59-72745号)のマイクロフィルム(特に、明細書2頁14行~3頁8行及び4頁9~13行並びに第2図及び第3図)を参照。)である。
また、引用文献3にも記載されているように、コーティング樹脂の粘性によっては外部リード端子(リード)同士の間が埋まることは、当業者が認識し得ることである。
そうすると、引用発明のパワー素子53(電子部品)として、リード線同士の間隔が異なるものを用いることは、単なる慣用技術の適用といえるところ、この場合に、引用文献2に記載された事項を適用すれば、耐水性の絶縁物質(防湿材)の粘性によっては、間隔の狭いところが不可避的に埋まってしまうことは普通に予測される。
この点、本願発明についても、相違点2に係る構成としたことの意義は、リード同士の間隔が防湿材で埋まる程度に小さいことに基づくものと認められる(本願明細書の段落0086)。
よって、引用発明において、上記相違点2に係る本願発明の構成とすることは、引用文献2及び引用文献3に記載された事項並びに慣用技術に基づき、当業者が容易に想到し得たことである。
[効果について]
そして、本願発明の全体構成により奏される作用効果は、引用発明、引用文献2及び引用文献3に記載された事項並びに慣用技術から当業者が予測し得る範囲内のものである。
[請求人の主張について]
請求人は、令和2年2月5日付けの意見書において、「第1発明は、リードが第1リードと第2リードとを有し、隣接する第1リード同士の根元部分の間隔は、隣接する第2リード同士の根元部分の間隔よりも小さく、リードの一部と、隣接する他のリードの一部と、の間の空間のうち、隣接する第1リード同士の根元部分の間の空間が、防湿材で埋められており、隣接する第2リード同士の根元部分の間の空間が、防湿材で埋められていない、という構成を採用することによって、リードの防湿材でコーティングされた部分間の空間の全てではなく、この空間のうちの選択した一部分だけを防湿材で埋めることができます。これにより、リードの防湿材でコーティングされた部分間の空間のうち結露水による短絡が生じやすい部分、例えば、リードの根元部分だけを防湿材で埋めて結露水による短絡を高精度に抑制でき、しかも、全てではなく一部を防湿材で埋める構成にしているから、防湿材の使用量を削減することができるものです。」(4頁18~27行)と主張する。
しかしながら、引用文献2に記載された事項を適用するにあたり、防湿材の使用量を、短絡を防止するという本来の機能を損なわない範囲で削減することは通常考慮すべきことであり、その場合も短絡は抑制できるから、請求人が主張する効果は、格別な効果とはいえない。
[まとめ]
したがって、本願発明は、引用発明、引用文献2及び引用文献3に記載された事項並びに慣用技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用文献2及び引用文献3に記載された事項並びに慣用技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について判断するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2019-002739