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商標異議申立

2018-900340

リーガルフォース

審判番号
2018-900340
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2017-107174
登録番号
商標登録第6074525号(T6074525)
請求日
2018年11月19日
審決日
2019年07月26日
公報発行日
2019年09月27日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社LegalForce
  • 【権利者代理人】小笠原 匡隆
  • 【権利者代理人】天野 文雄
  • 【異議申立人】リーガルフォース インコーポレイテッド
  • 【異議申立人代理人】安達 友和
審判長/審判官
  • 審判長 山田 正樹
  • 審判官 冨澤 美加
  • 審判官 鈴木 雅也
分類
T1652.22 -Y (W09354245) / T1652.25 -Y (W09354245) / T1652.271-Y (W09354245) / T1652.222-Y (W09354245)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項7号商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第7号、商標法第4条第1項第19号、商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

登録第6074525号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 登録第6074525号商標の商標登録を維持する。

理由

【理 由】 1 本件商標 本件登録第6074525号商標(以下「本件商標」という。)は、「LegalForce」の欧文字を標準文字で表してなり、平成29年8月16日に登録出願、第9類「電子計算機,電子計算機周辺機器,電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用ハードウェア,電子計算機用ソフトウェア,アプリケーション用ソフトウェア,電子計算機用プログラム,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物,データ処理装置」、第35類「人材の紹介及びあっせん,職業のあっせん,人材の紹介及びあっせんに関するコンサルティング・情報の提供,広告業,広告に関するコンサルティング・情報の提供,新聞記事情報の提供,経営の診断又は経営に関する助言,企業のリスクマネジメントのための調査又は分析,市場調査又は分析,ビジネスコンサルティング,マーケティングに関するコンサルティング・情報の提供,デジタルデータの収集・分析・管理用コンピュータデータベースへの入力処理及びこれに関する情報の提供,コンピュータデータベースへの情報編集及びこれに関する情報の提供,コンピュータデータベースの検索の代行及びこれに関する情報の提供,文書の複製,文書又は磁気テープのファイリング」、第42類「電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用ソフトウェアの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの貸与,電子計算機用ソフトウェアの貸与,インターネット上の電子記憶領域の貸与,電子計算機用プログラムの提供,電子計算機用ソフトウェアの提供,コンピュータシステムの分析及びこれに関する情報の提供,科学技術情報の提供,デザインの考案,ウェブサイトのホスティング,データ・ファイル・アプリケーションのホスティング,電子計算機・電子計算機用プログラム及び電子計算機用ソフトウェアその他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とするものの性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機用ハードウェアの設計及び開発,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機に格納された又は入出力される電子データに対する電子計算機用プログラムによる監視,電子計算機を用いて行うデジタルデータの復元又は復旧,電子計算機を用いて行うデータ処理,証拠保全用のコンピュータシステム・データ処理装置の研究開発,デジタルデータの解析・解析結果の開示に関する電子計算機用プログラムの研究開発,デジタルデータの分類・抽出・変換および加工に関する電子計算機用プログラムの研究開発,情報処理技術及び通信技術の調査・研究・開発に関するコンサルティング,科学技術の調査・研究・開発に関するコンサルティング」、第45類「法律業務に関する情報の提供,法律相談,法律業務に関するコンサルティング,インターネット上での紛争を処理するための仲裁・調停,裁判外の法的紛争に関するインターネット上での解決支援,知的財産権に関連する先行文献の調査又は分析,データベース化した情報を用いて行う訴訟事件その他の法律事件に関する調査又は分析,オンラインによるソーシャルネットワーキングサービスの提供,社会保険に関するコンサルティング・情報の提供,個人の身元又は行動に関する調査」のほか、第36類、第38類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定商品及び指定役務として、同30年7月17日に登録査定、同年8月24日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する商標は、以下のとおりである(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)。 (1)米国商標登録第4227650号商標(以下「引用商標1」という。:甲2) 商標の構成:LEGALFORCE(標準文字) 出願日:2011年11月30日 登録日:2012年10月16日 指定役務:第45類「法務サービス、すなわち行政、取引、訴訟、民事および刑事問題を専門とする法律事務所のサービス,弁護士・代理人のための法的文書作成および調査サービス,グローバルコンピュータネットワークを介した法務サービスの分野における一般情報の提供」 (2)米国商標登録第4346898号商標(以下「引用商標2」という。:甲3) 商標の構成:別掲のとおり 出願日:2012年11月21日 登録日:2013年6月4日 指定役務:第45類「法務サービス、すなわち行政、取引、訴訟、民事および刑事問題を専門とする法律事務所のサービス,弁護士・代理人のための法的文書作成および調査サービス,グローバルコンピュータネットワークを介した法務サービスの分野における一般情報の提供」 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標はその指定商品及び指定役務中、第9類、第35類、第42類及び第45類に属する商品及び役務(以下「申立商品役務」という。)について、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第15号又は同第19号に該当するから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第25号証(枝番号を含む。)を提出した。 (1)商標法第4条第1項第19号該当性について 本件商標は、欧文字「LegalForce」からなり、引用商標1は欧文字「LEGALFORCE」、引用商標2は欧文宇「LegalForce」と図形とを組み合わせたものである。本件商標と引用商標は、「リーガルフォース」の称呼を同一にし、かつ、外観及び観念を共通にする類似のものである。 引用商標は、申立人の商標として日本国内及び外国における需要者の間に広く認識されており、本件商標は不正の目的をもって使用されるものである。 (2)商標法第4条第1項第10号該当性について 本件商標と引用商標は、上記(1)のとおり類似し、引用商標は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されており、本件商標は、その役務又はそれらに類似する商品若しくは役務について使用するものである。 (3)商標法第4条第1項第15号該当性について 本件商標と引用商標は、上記(1)のとおり類似し、引用商標は、申立人の商標として広く一般に知られているから、これと類似する本件商標がその指定役務に使用された場合、商品及び役務の出所について混同を生じるおそれがある。 (4)商標法第4条第1項第7号該当性について 本件商標権者は、引用商標が本件商標の指定役務において、我が国において商標登録されていないことを奇貨として、先取り的に登録出願し、商標権を取得したものとみるのが相当である。 してみれば、本件商標権者が本件商標を登録出願し、商標権を取得した行為は、公正な商取引の秩序を乱すおそれがあり、ひいては公の秩序を害するおそれがある。 4 当審の判断 (1)引用商標の周知・著名性について 申立人の提出した証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。 ア 申立人は、米国弁護士である「ラジ アビヤンカー」を代表とする2006年設立の米国の法人であり、インターネット上において無料商標調査サイト「Trademarkia.com」などを通じて知的財産関連の法律サービスに付随する業務を提供している。 なお、「Trademarkia.com」のウェブサイトには、「Trademarkia.comは、Delaware Software Automation CompanyのLegalForce、Inc.の一部門である」旨の記載がある(甲4)。 また、引用商標については、商標登録時の商標権者は「ラジ アビヤンカー」であったが、その後、申立人に名義変更されている(甲2の2、甲3の2)。 さらに、「リーガルフォース アールエーピーシー ワールドワイド,ピー.シー.」(以下「リーガルフォース アールエーピーシー」という。)は、「ラジ アビヤンカー」所有の2005年設立の米国法律事務所であって、申立人とリーガルフォース アールエーピーシーとは、密接な関係にあるといえる(甲5)。 イ 「リーガルフォース アールエーピーシー」のウェブサイト(甲5)には、引用商標2が表示され、「LegalForce RAPC Worldwideは、世界最大の特許および商標出願法律事務所である」旨の記載があり、米国企業のトップ5000をランキング方式で発表する「Inc.5000」のウェブサイト(甲7)には、「LegalForce RAPC」の表示の下、「世界中の23,000を超える顧客に法律サービスを提供している」旨、「2015年ランク」は、「4688」及び「2014年ランク」は、「2701」である旨の記載がある。 ウ 「Trademarkia.com」のウェブサイト(甲9)には、2011年から2018年の「TOP 100 LAW FIRMS RANKING」として、「LegalForce RAPC Worldwide,P.C.」が1位にランキングされている。この点に関し、申立人は、「リーガルフォース アールエーピーシー」が、米国特許商標庁に対する商標出願件数が米国の法律事務所の中で最も多い旨主張しているが、甲第9号証自体が、何を基準としたものか不明であって、引用商標との関連性も見いだせない。 エ 「WIPO Global Brand Database」において、代理人を「RajAbhyanker」及び「US」で検索した結果とする書面(甲10)には、引用商標に関するものは見当たらない。 オ 申立人は、2016年及び2017年の国際商標協会(INTA)年次総会において、「LegalForce Trademarkia」及び「LegalForce Trademarkia.com」のブースを出展しており、申立人が「Trademarkia.com」の親会社である旨紹介されている(甲11、甲12)ところ、当該ブースにおける引用商標の使用状況や来訪者数は不明であり、また、「リーガルフォース アールエーピーシー」のブースについて、「世界80カ国以上の国々で52,000を超える商標クライアントを代表する世界最大の商標出願法律事務所です。同社はTrademarkia.com Webサイトを作成しました。」旨の紹介がされている(甲12)としても、当該ブースには、引用商標を表示している様子は見当たらない(甲12の2)。 カ 申立人が、「ABA JOURNAL」(甲13)、「Mercury News」(甲15)、「The New York Times」(甲16)等のメディアに取り上げられていると主張する内容は、文章中に申立人の表示があるものの、法律事務所や「RajAbhyanker」に関するものである。 キ 本件商標の登録出願前に、申立人は、引用商標1については、カナダ及びインドにおいて、引用商標2については、オーストラリアにおいて商標登録を有している(甲21~甲23)。 ク 上記からすれば、申立人は、引用商標の米国における商標権者であって、米国の法律事務所であるリーガルフォース アールエーピーシーと申立人とは、密接な関係にあり、リーガルフォース アールエーピーシーは、そのウェブサイトに引用商標2を表示し(甲5)、米国特許商標庁に対する商標登録出願件数が米国の法律事務所の中で最も多いとされている(甲9)ことがうかがえる。 しかしながら、申立人は、知的財産関連の法律サービスに付随する業務を提供している旨主張しているが、「Trademarkia.com」のウェブサイト(甲4、甲9)には、引用商標の表示を確認することができず、引用商標を具体的にいかなる役務について使用しているのかを把握することができない。 さらに、リーガルフォース アールエーピーシーから、米国特許商標庁に対する商標出願件数が多いとしても、引用商標が商標として使用されている状況がうかがえる証拠はわずかであり(甲5、甲6、甲8)、引用商標に係る広告の回数や範囲、市場シェア等も、提出された証拠からは明らかにされておらず、その他に引用商標に係る営業規模等を示す客観的な事実を発見することはできなかった。 そうすると、引用商標が我が国及び海外の需要者の間に広く知られていたとはいい難いものである。 その他、本件商標の登録出願日及び登録査定日において、引用商標が周知であったことを認めるに足りる証拠の提出はない。 してみると、提出された証拠をもってしては、引用商標が申立人の業務に係る役務「知的財産関連の法律サービス及び同サービスに付随する業務」を表示するものとして、本件商標の登録出願日及び登録査定日の時点において、我が国及び海外の需要者の間に広く知られていたと認めることはできない。 (2)商標法第4条第1項第19号該当性について 本号は、「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であつて、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもつて使用をするもの(前各号に掲げるものを除く。)」と規定されている。 そうすると、引用商標は、上記(1)のとおり、他人(申立人)の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号を適用するための要件を欠くものといわざるを得ない。 また、申立人が提出した証拠からは、本件商標権者が、本件商標を不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用をするものと認めるに足りる具体的事実は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号所定の他の要件を判断するまでもなく、同号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第10号該当性について 本号は、「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であつて、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの」と規定されている。 引用商標は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る「知的財産関連の法律サービス」を表すものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号所定の他の要件を判断するまでもなく、同号に該当しない。 (4)商標法第4条第1項第15号該当性について ア 引用商標の周知・著名性について 引用商標は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る「知的財産関連の法律サービス」を表すものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。 イ 本件商標と引用商標との類似性の程度について (ア)本件商標 本件商標は、前記1のとおり、「LegalForce」の欧文字を標準文字で表したものであるところ、構成中の「Legal」の語が「法律の」」等の意味を有する英語であり、「Force」の語が「力」等の意味を有する英語(いずれも、「ジーニアス英和辞典第5版」大修館書店)であるとしても、これらを合わせた「LegalForce」の文字は、辞書等に記載のないことから、商標全体として特定の観念を生ずるとはいえないものであり、その構成文字に相応して生ずる「リーガルフォース」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。 そうすると、本件商標からは、「リーガルフォース」の称呼が生ずるものであり、特定の観念は生じないものである。 (イ)引用商標 引用商標1は、前記2(1)のとおり、「LEGALFORCE」の欧文字よりなるものであるから、本件商標と同様に、「リーガルフォース」の称呼を生ずるものであり、特定の観念は生じないものである。 また、引用商標2は、別掲のとおり、図形と「LegalForce」の欧文字よりなるものであるところ、図形部分と文字部分とは、視覚上分離して看取されるばかりでなく、両者が常に一体不可分のものとしてみなければならない特段の理由も見当たらないものであるから、それぞれの部分が独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものというのが相当である。 そうすると、引用商標2は、本件商標と同様に、その文字部分に相応して、「リーガルフォース」の称呼を生ずるものであり、特定の観念は生じないものである。 (ウ)本件商標と引用商標の類似性の程度 本件商標と引用商標を比較すると、両者は、文字部分における大文字、小文字の差異、図形の有無の差異等を有するとしても、構成文字のつづりを同一にするものであるから、外観においても類似するものといえる。 してみれば、両者は、観念において比較することができないとしても、外観において類似するものであり、「リーガルフォース」の称呼を共通にするものであるから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合的に勘案すれば、両者は互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。 そうすると、本件商標と引用商標の類似性の程度は高いものである。 ウ 申立商品役務と申立人の取扱いに係る役務の関連性、需要者の共通性について 本件に係る申立商品役務には、第45類に属する「法律業務に関する情報の提供,法律相談,法律業務に関するコンサルティング,インターネット上での紛争を処理するための仲裁・調停,裁判外の法的紛争に関するインターネット上での解決支援,知的財産権に関連する先行文献の調査又は分析,データベース化した情報を用いて行う訴訟事件その他の法律事件に関する調査又は分析」が含まれており、申立人の取扱いに係る役務「知的財産関連の法律サービス」とは同一及び類似の役務であり、需要者も共通する。 しかしながら、その他の申立商品役務は、申立人の取扱いに係る役務「知的財産関連の法律サービス」との関連性があるとはいえない。 エ 引用商標の独創性の程度について 引用商標を構成する「LEGALFORCE」又は「LegalForce」の文字は、構成全体としては造語というべきものであるが、「Legal」の語が「法律の」等の意味を有し、「Force」の語が「力」等の意味を有するものとして親しまれた英単語であることからすると、これを組み合わせた「LEGALFORCE」又は「LegalForce」の文字は、独創性の程度がさほど高いものとはいえない。 オ 出所の混同のおそれについて 上記アないしエのとおり、本件商標と引用商標の類似性の程度が高く、本件商標の申立商品役務と申立人の取扱いに係る役務が同一又は類似し、その需要者の範囲を共通にする場合があるとしても、引用商標は、申立人の取扱いに係る役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているとは認められないものであり、その独創性の程度もさほど高いとはいえないことからすれば、本件商標に接する取引者、需要者が、申立人に係る引用商標を連想又は想起するものということはできない。 そうすると、本件商標は、商標権者がこれを申立商品役務について使用しても、取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起することはなく、その商品及び役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。 カ 小括 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (5)商標法第4条第1項第7号該当性について 申立人は、引用商標が周知・著名な商標であることを前提に、「商標権者は、我が国において商標登録されていないことを奇貨として、先取り的に登録出願し、商標権を取得した行為は、公正な商取引の秩序を乱すおそれがあり、ひいては公の秩序を害するおそれがある」旨主張しているが、上記(1)のとおり、引用商標が申立人の業務に係る役務「知的財産関連の法律サービス及び同サービスに付随する業務」を表示するものとして、我が国及び海外の需要者の間に広く知られていたと認めることはできないものである。 そして、申立人からは、他に、商標権者が、本件商標を不正の目的をもって出願したと認め得るような証拠の提出はないから、本件商標の登録出願が、引用商標による信用・利益を不正に得る意図で行われた剽窃的なものということはできず、上記のとおり、引用商標が申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていると認めることもできないから、本件商標は、引用商標の周知性に化体した信用、名声及び顧客吸引力へのただ乗りをするものであるということはできない。 また、申立人の主張及び同人の提出に係る甲各号証を総合してみても、本件商標の登録出願の経緯に社会的妥当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底認容し得ないような場合に該当すると認めるに足りる具体的事実を見いだすこともできない。 さらに、本件商標を、その申立商品役務について使用することが、社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するということもできず、他の法律によってその使用が禁止されているものでもなく、本件商標の構成自体が、非道徳的、卑わい、差別的、きょう激若しくは他人に不快な印象を与えるような構成態様でもない。 その他、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標と認めるに足りる証拠の提出はない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。 (6)申立人の主張について 商標法第4条第1項第19号該当姓における商標権者の不正の目的について、申立人は、本件商標の商標権者のウェブサイト(甲25)を見ると、商号の英語名が申立人と同一であって、事業内容も重複、あるいは密接な関連性があり、また、ロゴマークにおいても引用商標2と酷似していることから悪意がうかがえる旨主張している。 しかしながら、商号と事業内容が類似するとしても、引用商標の周知性が認められない以上、直ちに不正の目的があるとみることはできない。 また、商標権者が使用するロゴマークにおける図形は、引用商標2のように「L」と「F」を表したものというよりは、むしろ、立方体状の図形に組み込まれているような構成であるから、両者は、明らかに異なるものである。 そうすると、商標権者が本件商標を採択したことに悪意があるとはいい難く、申立人の主張は採用することができない。 (7)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第15号及び同第19号いずれにも該当するものでなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 【別掲】 引用商標2(色彩については甲第3号証を参照。)

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