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商標異議申立

2018-900112

イングリッシュライフ、ライフ

審判番号
2018-900112
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2017-070742
登録番号
商標登録第6022673号(T6022673)
請求日
2018年05月02日
審決日
2019年05月20日
公報発行日
2019年07月26日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社イングリッシュライフ
  • 【異議申立人】シグナム・インターナショナル・アクチエンゲゼルシャフト
  • 【異議申立人代理人】中田 和博
  • 【異議申立人代理人】青木 博通
  • 【異議申立人代理人】鈴木 薫
審判長/審判官
  • 審判長 山田 正樹
  • 審判官 冨澤 美加
  • 審判官 小俣 克巳
分類
T1651.22 -Y (W41) / T1651.222-Y (W41) / T1651.263-Y (W41) / T1651.264-Y (W41) / T1651.265-Y (W41)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項7号商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第19号、商標法第4条第1項第7号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

登録第6022673号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 登録第6022673号商標の商標登録を維持する。

理由

【理 由】 1 本件商標 本件登録第6022673商標(以下「本件商標」という。)は、「イングリッシュライフ」の片仮名を標準文字により表してなり、平成29年5月25日に登録出願、第41類「英会話の教授,英会話の教授に関する情報の提供」を指定役務として、同年12月25日に登録査定、同30年2月23日に設定登録されたものである。 2 引用商標 (1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第4573641号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成12年2月9日に登録出願、第41類「インターネットを利用した語学その他の技芸・スポーツ又は知識の教授その他の技芸・スポーツ又は知識の教授,海外留学に関する情報の提供,交換留学の企画・運営及び実施,語学試験の企画・運営及び実施,語学教育に関する情報の提供」のほか、第16類、第35類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同14年5月31日に設定登録され、その後、同24年3月13日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。 (2)申立人が、自己の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に 広く認識されていると主張する商標は「EnglishLive」(以下「引用商標2」という。)の欧文字及び「イングリッシュライブ」(以下「引用商標3」という。)の片仮名よりなるものである。 (以下、引用商標1ないし3をまとめていうときは、「引用商標」という。) 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第19号及び同第7号に該当するものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとし、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第37号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について 本件商標は、引用商標1に類似し、指定役務も類似のものを含むものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第19号該当性について 申立人は、世界最大級の私立教育機関であるイー・エフ・エデュケーション・ファーストのグループ企業である(甲3~甲6)。同企業グループは、商標「ENGLISHLIVE」を使用して、1996年から約20年間、世界約120か国でオンラインによる英会話の教授を行ってきたことにより、上記商標は、本件商標の登録出願前には国外の需要者間において周知となっていた(甲6、甲10~甲16)。我が国においては、2016年1月以降、当該役務に係る商標を「EF EnglishLive」、「EFイングリッシュライブ」に変更して使用している(甲7、甲8)。引用商標2及び3は、これを使用して提供されるオンライン英会話の教授のクオリティの高さ、実績、人気等から、本件商標の登録出願前に、申立人の英会話の教授に係る商標として国内でも周知となっていた(甲3~甲5、甲7、甲8、甲10~甲35)。本件商標の権利者は、オンライン英会話、英会話コンテンツ開発事業、英語教材開発事業等に従事する者であって(甲36)、本件商標の登録出願前に引用商標2及び3の周知性を当然知っていたはずであり、また、本件商標以外の商標も出願・登録しているのであるから(甲37)、商標登録一般の意義や法的効果についても十分認識していた。本件商標は、引用商標2及び3と類似するものであるところ、本件商標の顧客吸引力を利用して不正の利益を得る等の不正の目的で使用すべく登録されたものであるから、商標法第4条第1項第19号に該当する。 (3)商標法第4条第1項第7号該当性について 本件商標は、その登録出願前に国内外で周知となっていた引用商標2及び3に酷似するもので、剽窃的に、出願、登録されたものである。 よって、本件商標は、国際信義に反して登録されたものであるから、商標法第4条第1項第7号に該当する。 4 当審の判断 (1)引用商標の周知性について ア 申立人の提出した証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。 (ア)申立人は、スウェーデンに本拠地を置いている留学・語学教育事業を展開する「イー・エフ・エデュケーション・ファースト・グループ」の一員である。そして、我が国における日本法人である「イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパン株式会社」(以下「イーエフジャパン社」という。)は、2016年11月に公益財団法人日本アイスホッケー連盟の女子U18セレクトキャンプにて、また、東京オリンピックの公式スポンサーとして、オンライン英会話レッスンを提供している(甲3~甲6、甲20)。 (イ)「イーエフジャパン社」のウェブサイトにおいて、「EFイングリッシュライブの歴史」の見出しの下、「1996年にはEFイングリッシュライブが誕生しました。下の画像は誕生当初の姿です。」として、「EF Englishtown」の記載がある画像が表示されており、また、「EFイングリッシュライブ-名称変更のお知らせ」の見出しの下、「2016年1月27日、『EFイングリッシュタウン』は、この度『EFイングリッシュライブ』へと名称変更しました。」の記載がある(甲7)。 さらに、2018年8月9日出力の「イーエフジャパン社」、同年5月10日出力の「英語教材レビュー.com」、「ENGLISH QUEST」、「オンライン英会話頂上決定戦」、「おすすめオンライン英会話なび」、「RESTARTLOG」、「オンライン英会話比較.NET」及び「オンライン英会話比較.COM」のウェブサイトにおいても、「EFイングリッシュタウン」から「EFイングリッシュライブ」へ名称変更をした旨の記載がある(甲8、甲10、甲11、甲13、甲15、甲21、甲31、甲32)。 これらの証拠をみるに、1996年には、EFイングリッシュライブが誕生した旨の記載はあるものの、誕生当初の「EF Englishtown」とする画像からすると、1996年から使用しているものは、「EF Englishtown」の商標であって、2016年1月の名称変更から引用商標2及び3を使用し始めたというべきである。 その他、個人のブログを含むウェブサイトには、「EF EnglishLive(EFイングリッシュライブ)」のレッスンの紹介、体験談等が掲載されているものの(甲19~甲26、甲29、甲30)、これらは、本件商標の登録出願後の2018年5月9日及び同月10日出力のウェブサイトであり、これをもって、本件商標の登録出願時に広く知られているとはいい難い。 (ウ)オリコン株式会社による「オリコン日本顧客満足度ランキング更新のお知らせ」(平成29年6月吉日)には、「EFイングリッシュライブ」のオンライン英会話について、調査期間を「2017年6月1日から同年6月12日」及び「2015年8月24日から同年9月1日」までとし、過去5年以内に、1ヶ月以上オンラインの英会話授業でレッスンを受講したことがある15歳以上の男女、1,965人から得た回答に基づいた結果として、顧客満足度ランキングが10位となっている(甲17、甲18)。 また、「オンライン英会話ガイド」のウェブサイトには、「オンライン英会話スクール人気ランキング2016年8月」に「海外英会話スクールが運営する『イングリッシュライブ』が初となる2位にランクイン・・・」の記載がある(甲28)。 しかしながら、上記(イ)のとおり、2016年1月から「EFイングリッシュライブ」に名称変更したことを考慮すると、オリコン株式会社による2015年の調査期間のランキングについては、名称変更前のものであること、また、オンライン英会話ガイドのランキングについては、名称変更後6ヶ月程度の短い期間であることからすれば、これらのランキングは、いずれも、引用商標2及び3が広く知られていることを裏付けるものとはいい難い。 (エ)「EF Language Learning Solutions Ltd/オンラインマーケティングマネージャー」から申立人代理人事務所に宛てた「EnglishLive実績報告」において、2016年1月から12月は、「利用者数:約6,000名」、「広告費:約50万米ドル」、「広告回数:8,000万回以上(表示回数合計)」、2017年1月から4月は、「利用者数:約3,500名」、「広告費:約20万米ドル」、「広告回数:1,600万回以上(表示回数合計)」の記載がある(甲35)。 しかしながら、実績に関する各数字の裏付けとなる証拠は提出されておらず、市場シェア、広告の内容等についても不明であるから、この数値について評価することはできない。 イ 周知性の判断 以上によれば、引用商標は、本件商標の登録出願の1年半程前に名称を変更し、我が国において、イーエフジャパン社によってオンライン英会話の教授に使用されているものである。 そして、引用商標2及び3について、該オンライン英会話の教授に関する市場占有率、顧客の数、宣伝広告の範囲、回数など、その使用の事実を量的に把握することができる資料は提出されていない。 したがって、申立人提出の証拠をもってしては、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国及び外国の取引者の間で広く知られている商標と認めることはできない。 また、その他に引用商標の周知性を客観的に把握できる事実も見いだせない。 してみれば、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、イーエフジャパン社又は申立人によってオンライン英会話の教授を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 (2)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標について 本件商標は、前記1のとおり、「イングリッシュライフ」の片仮名よりなるところ、該文字は、同書、同大、同間隔でまとまりよく一体に表されており、その構成文字全体から生じる「イングリッシュライフ」の称呼も格別冗長というべきものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。 そして、「イングリッシュライフ」の語は、辞書等に掲載されていないものの、「イギリスの。英語。」等の意味を有する「イングリッシュ」の語、及び「生活」等の意味を有する「ライフ」(いずれも、広辞苑第7版(株)岩波書店発行。以下同じ。)の語は、我が国で親しまれている語であって、例えば「カントリーライフ」が「田園生活。田舎ぐらし。」の意味、「アウトドアライフ」が「野外で、キャンプやハイキングなどを楽しむ生活。」の意味を有することから、本件商標からは、「イギリスの生活」又は「英語の生活」程の意味合いが容易に認識されるものというのが相当である。 そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「イングリッシュライフ」の称呼を生じ、「イギリスの生活」又は「英語の生活」程の観念を生じるものというべきである。 イ 引用商標1について 引用商標1は、別掲のとおり、同心円状の白抜き模様を内包した太字の「EF」の欧文字(以下「EFロゴ」という。)と「EnglishLive」の欧文字を並記してなるところ、「EFロゴ」と「EnglishLive」の欧文字部分は、その構成態様の違いにより視覚的に分離され、それぞれが独立して自他商品及び自他役務の識別標識の機能を有するものといえる。 しかしながら、「EFロゴ」は、「EF」の欧文字の形を有するとしても、極めて太くデザイン化されており、同心円状の白抜き模様を内包していることをあわせてみれば、単に「EF」の欧文字を表したとみるよりは、一種の図形を表したものとみるのが相当であって、「EFロゴ」から出所識別標識としての称呼及び観念は生じないとみるのが相当である。 そうすると、引用商標1から生ずる称呼については、その構成中の「EnglishLive」の欧文字部分に相応して、「イングリッシュライブ」又は「イングリッシュリブ」の称呼を生じるものである。 そして、観念については、同文字部分を構成する「English」が「イギリスの。英語。」、「Live」が「生放送。住む。生きている。」等を意味するものであったとしても、これらを結合した「EnglishLive」の文字は、辞書等に掲載がないことから、特定の意味合いを認識するものとはいい難く、「EFロゴ」を含めた構成全体からも特定の意味合いを認識するとはいえない。 ウ 本件商標と引用商標1との類否について 本件商標と引用商標1は、上記ア及びイのとおりの構成からなるところ、外観においては、両者全体の構成態様は明らかに相違するものである。 また、本件商標と引用商標1の「EFロゴ」部分及び「EnglishLive」の欧文字部分を比較すると、本件商標と「EFロゴ」部分は、その構成態様が明らかに相違するものであり、本件商標と「EnglishLive」の欧文字部分は、片仮名と欧文字という文字種の相違等から、外観上、明確に区別できるものである。 次に、称呼においては、本件商標から生ずる「イングリッシュライフ」の称呼と引用商標1から生じる「イングリッシュライブ」の称呼とは、語尾において「フ」と「ブ」の音の差異があるものの、該差異音は、語尾に位置し、清音と濁音の違いにすぎないから、それぞれを一連に称呼した場合、聞き誤るおそれがあり、称呼上、類似するものといえる。 さらに、観念においては、本件商標は、「イギリスの生活」又は「英語の生活」程の観念を生じるのに対し、引用商標1は、特定の観念を生じるとはいい難いから、両者は、観念上、紛れるおそれはない。 そうすると、両商標は、「イングリッシュライフ」と「イングリッシュライブ」の称呼において類似するとしても、観念において紛れるおそれはなく、外観において顕著な相違があることからすれば、両商標は、非類似の商標とみるのが相当である。 エ 小括 以上のとおり、本件商標は、引用商標1と非類似の商標であるから、指定役務の類否について言及するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第19号該当性について 本号は、「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもって使用をするもの(前各号に掲げるものを除く。)」と規定されている。 そうすると、上記(1)のとおり、引用商標2及び3は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されているとは認められないものであるから、本件商標と引用商標2及び3との類否に言及するまでもなく、商標法第4条第1項第19号を適用するための要件を欠くものといわざるを得ない。 また、商標権者が、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって本件商標を出願し、登録を受けたと認めるに足りる具体的事実を見いだすこともできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 (4)商標法第4条第1項第7号該当性について 申立人は、「引用商標2及び3が、その登録出願前に、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されていることを前提に、本件商標が引用商標2及び3と酷似するもので、本件商標が剽窃的に出願・登録出願した。」旨主張する。 しかしながら、上記(1)のとおり、引用商標2及び3の周知性は認められないものであり、また、本件商標の登録出願が、引用商標2及び3の信用、利益等を不正に得る意図で剽窃的に行われたとする具体的事実を見いだすこともできない。 さらに、本件商標は、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるようなものではなく、社会の一般的道徳観念に反するなど、その他公序良俗に反するものというべき証拠及び事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。 (5)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第11号及び同第19号のいずれにも該当するものでなく、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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