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商標異議申立

2018-900088

ケイケイ

審判番号
2018-900088
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2016-128565
登録番号
商標登録第6013302号(T6013302)
請求日
2018年04月11日
審決日
2019年03月27日
公報発行日
2019年06月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】KANOTTI株式会社
  • 【異議申立人】ロンズデール スポーツ リミテッド
  • 【異議申立人代理人】中村 知公
  • 【異議申立人代理人】前田 大輔
  • 【異議申立人代理人】伊藤 孝太郎
審判長/審判官
  • 審判長 小出 浩子
  • 審判官 豊田 純一
  • 審判官 庄司 美和
分類
T1651.25 -Y (W25) / T1651.261-Y (W25) / T1651.262-Y (W25) / T1651.263-Y (W25) / T1651.271-Y (W25) / T1651.222-Y (W25)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項10号商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第19号、商標法第10条第1項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

登録第6013302号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。

結論

【結 論】 登録第6013302号商標の商標登録を維持する。

理由

【理 由】 第1 本件商標 本件登録第6013302号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,平成28年5月10日に登録出願された商願2016-50788に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として,同年11月16日に登録出願され,同29年12月15日に登録査定,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同30年1月19日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は商標法第4条第1項第10号,同項第11号,同項第15号及び同項第19号に該当し,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし同第13号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 申立人が引用する商標 申立人が引用する商標は次のとおり(以下,これらをまとめて「引用商標」という。)であり,いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。 (1)登録第4981981号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の態様 別掲2のとおり 指定商品及び指定役務 第4類,第6類,第7類,第8類,第9類,第11類,第17類,第18類,第20類,第21類,第22類,第24類,第25類,第28類及び第35類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務 出願日   平成16年11月29日 設定登録日 平成18年8月25日 (2)登録第4840932号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の態様 別掲3のとおり 指定商品  第12類,第18類,第22類及び第25類に属する商標登録原簿に記載の商品 出願日   平成14年9月30日 設定登録日 平成17年2月25日 (3)登録第5037385号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の態様 別掲4のとおり 指定商品及び指定役務 第4類,第6類,第7類,第8類,第9類,第11類,第17類,第20類,第21類,第22類,第24類,第28類及び第35類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務 出願日   平成16年11月29日 設定登録日 平成19年3月30日 2 具体的な理由 (1)引用商標の周知・著名性について ア 引用商標の使用開始時期,使用期間及び使用対象商品 引用商標を構成する,黒の線で縁取りしたアルファベットの大文字の「K」を反転させた文字及び黒の背景部分に白の線で縁取りしたアルファベットの大文字の「K」を左右に配置した図形(以下,「引用図形」という。)は,1998年(平成10年)9月23日に,英国で最初の商標登録を受け(甲5),申立人の英国における1998年から1999年の冬季用のカタログに使用され(甲6),かばん類,登山用具及び各種被服等に現在に至るまで,継続して使用されている。 イ 引用商標の海外における商標登録と商標の使用 申立人は,引用商標について,本件商標の出願日より前に登録された商標登録を,第25類,第18類,第22類及び第28類の商品等について,日本を除く61カ国に合計285件所有しており,これらは現在も有効に存続している(甲7)。 そして,申立人は,引用商標を付した商品を取り扱う店舗を,直営店のみで世界各国に732店舗出店し,引用商標は,世界各国で,かばん類,登山用具及び各種被服等について使用されている(甲8)。 また,申立人は,登山家,冒険家と共同研究を重ね,引用商標を使用した商品を開発し,その品質の向上及び信用維持に努めている(甲9)。 更に,申立人は,申立人のホームページ及びソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を利用し,引用商標を使用した広告宣伝を行っている。 ウ 引用商標の日本における使用 引用商標2は平成14年に出願され,現在に至るまで約16年間にわたり,日本においてかばん類,登山用具及び各種被服等の商品に継続して使用されている。そして,引用商標を付したかばん類,登山用具及び各種被服等用は,株式会社エスビーエイが日本におけるライセンシーとなり,引用商標を付した商品は,日本全国の多数の店舗にて販売されている(甲10)。 また,申立人は,販売促進のため,申立人の日本語版のホームページ及びSNSを利用し,引用商標を使用した広告宣伝を行っている。 申立人は,当該日本語版のホームページにおいて,引用商標を使用した商品の日本語版のオンラインカタログを年に2度作成しており(甲11),また,登山情報サイトであるヤマケイオンラインにおいて,「カリマーチャンネル」なる,申立人の引用商標を使用した商品を紹介するサイトを設け,引用商品の更なる普及に努めている(甲12)。 エ 引用商標を付した商品の使用 申立人は,日本語版のホームページ上に,かばん類を掲載する「リュック・バッグ」のサイト及び被服等を掲載する「ウェア」などのサイトを設けており,現在,「リュック・バッグ」のサイトには91アイテム,「ウェア」のサイトには310ものアイテムが掲載され,それらのアイテムには,引用商標を構成する引用図形が付されている(甲13)。 オ 以上より,引用商標は,かばん類,登山用具及び各種被服等について,日本も含めた世界各国において使用されている商標であることは明らかであり,申立人の業務に係る商品,即ち,かばん類,登山用具,及び各種被服等を表示するものとして,需要者・取引者の間に広く認識されている商標である。 (2)商標法第4条第1項第10号について 引用商標1及び引用商標2は,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,日本も含めた世界各国の需要者の間に広く認識されている商標である。 そして,本件商標は,引用商標1及び引用商標2に類似する商標であって,その商品又はこれに類似する商品について使用するものである。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。 (3)商標法第4条第1項第11号について ア 商標の類似 本件商標と引用商標1及び引用商標2は,アルファベットの大文字の「K」を反転させた文字及びアルファベットの大文字の「K」を左右に配置した図形からなる点で共通する。 そして,本件商標と引用商標1及び引用商標2とは,本件商標のアルファベットの大文字の「K」を反転させた文字及びアルファベットの大文字の「K」が黒字で構成される点,引用商標1及び引用商標2のアルファベットの大文字の「K」を反転させた文字及びアルファベットの大文字の「K」が,それぞれ,黒の線又は白の線で縁取りされる点で異なるものの,いずれも鮮明に2つの「K」の文字が浮かび上がるよう構成されている。そして,この浮かび上がった「KK」の図形は,需要者・取引者が本件商標と引用商標1及び引用商標2とを混同するほどに似通った印象を与えるものである。 よって,本件商標と引用商標1及び引用商標2とは,類似する商標と認定すべきである。 イ 指定商品の類似 (ア)本件商標の全指定商品は引用商標1の全指定商品と同一である。 (イ)本件商標の指定商品のうち「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」は,引用商標2の指定商品と同一であり,また,本件商標の指定商品のうち「被服」は,引用商標2の指定商品の指定商品「防水・防風・保温機能を備えた被服・その他の被服」と類似する商品である。 ウ 以上より,本件商標は,引用商標1及び引用商標2に類似する商標であって,引用商標1及び引用商標2に係る指定商品又はこれに類似する商品について使用をするものである。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 (4)商標法第4条第1項第15号について 引用商標は,申立人の事業に係る表示,かばん類,登山用具及び各種被服等の商標として,広く一般に知られている商標である。 一方,本件商標は,申立人の商品出所標識として広く認識されている引用商標に類似する。 そして,本件商標の指定商品は,引用商標1及び引用商標2が使用されている商品と同一又は類似である。また,各種被服等を提供するブランドや製造メーカーは,これらの被服等の製造・販売のみに留まることなく,幅広い分野に進出し,商品を提供する傾向にある。 申立人は,引用商標を,第25類の商品の他,第18類のかばん類や登山用ステッキ,第22類のキャンプ用テント等に使用しており,引用商標が付されたかばん類や登山用ステッキ,キャンプ用テントに接した需要者・取引者は,これらの商品が同一人により提供される商品だと連想することは容易に推測できる。よって,本件商標の指定商品は,引用商標が使用されている商品と極めて密接な関係性を有しているものである。 そうすると,本件商標をその指定商品に使用したときには,当該商品が申立人の商品に係るものであると誤信されるおそれがあるのみならず,当該商品が申立人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係等にある者の業務に係る商品であると誤信されるおそれがあるものである。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。 (5)商標法第4条第1項第19号について ア 引用商標の周知性 引用商標が,本件商標の出願時には既に日本国内及び外国において,申立人の業務に係る商品であるかばん類,登山用具及び各種被服等の商標として広く認識されていた。 イ 商標の類似 本件商標と引用商標1及び引用商標2とは,互いに類似する商標である。 ウ 不正の目的 本件商標の商標権者は,アルファベットの大文字「K」の二文字を左右に並べ,敢えて,二文字のうち左側の「K」を左右反転させた「シンメトリー」のデザインロゴを構成する表現方法を,引用商標から窃用したものであることは明らかである。 特に,第25類の指定商品「被服」の分野において,アルファベットの大文字「K」の二文字を左右に並べ,敢えて,二文字のうち左側の「K」を左右反転させた「シンメトリー」のデザインロゴを表現した登録商標は,引用商標以外に存在しない。かかる事実からも,本件商標の商標権者は引用商標を悪意で窃用し,狡猾に修正を加えて本件商標のデザインを制作し本件商標の登録に至ったものである。 そして,申立人が提供する商品と同一又は類似若しくは密接な関連性を有する指定商品を取り扱う商標権者が,本件商標の登録出願時に,申立人の業務に係るかばん類,登山用具及び各種被服等の名称として世界的に広く知られている引用商標について不知であったとは到底考えられない。 むしろ,引用商標に依拠し,引用商標に類似するようアルファベットの大文字の「K」を反転させた文字及びアルファベットの大文字の「K」を左右に配置した図形である本件商標を,引用商標の名声にただ乗りすべく採択したものと推認せざるを得ないものである。 よって,本件商標は,引用商標に化体した信用にただ乗りして採択されたものと考えられ,本件商標の使用により引用商標の出所表示機能を希釈化しその名声を毀損させるおそれがあり,不正の目的があると推認し得るものである。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。 (6)結語 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第10号,同項第11号,同項第15号及び同項第19号に違反してされたものであるから,取り消されるべきである。 第3 当審の判断 1 引用商標の周知性について (1)証拠及び申立人の主張並びに職権調査によれば,次のとおりである。 ア 申立人は,引用図形からなる商標,又は引用図形と「karrimor」の欧文字とを結合してなる商標について,我が国を除く61の国(地域)で商標登録を保有している(甲7)。 イ 遅くとも,平成26年頃に,申立人のライセンシーである株式会社エスビーエイ(以下「エスビーエイ社」という。)は,引用商標3(白色部分と黒色部分を反転させて表したものを含む。以下同じ。)が付された運動用被服を我が国で広告・販売していた(甲10の1,職権調査:http://www.amazon.co.jp/dp/B01FSVRATO)。 ウ カリマージャパン株式会社(「エスビーエイ社」が平成29年12月に名義変更したもの)は,自身のウェブページ(甲13,職権調査:https://www.karrimor.jp/,https://全国法人データベース.com/companies/7010001012128)において,引用商標2又は引用商標3が表示されたリュックサックなどのかばん類,運動用被服,及びTシャツ及び帽子などの被服の広告・販売を行っている。 エ しかしながら,本件商標の登録出願の日前(出願後も)における,我が国及び外国での引用商標を使用した商品(以下,「引用商標使用商品」という。)の販売額,シェアなどの販売実績,新聞・雑誌などの掲載事実や申立人のホームページ及びSNSへのアクセス状況などの広告宣伝の実績に係る証左はいずれも見いだせない。 (2)上記(1)の事実からすれば,遅くとも平成26年頃に,申立人のライセンシーであるエスビーエイ社により,引用商標2又は引用商標3が付された運動用被服が,我が国で広告・販売されていたことは認められるものの,我が国及び外国での引用商標使用商品の販売実績,広告宣伝の実績に係る証左は見いだせないから,引用商標は,本件商標の登録出願の日前ないし登録査定時において,申立人の業務に係る商品又は役務であることを表示するものとして,我が国及び外国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。 なお,申立人は,上記1のとおり,引用図形からなる商標,又は引用図形と「karrimor」の欧文字とを結合してなる商標について,世界各国において商標登録を所有していることから,それら登録商標を各国で使用していること(甲7),また,世界各国(特に英国内)に多数のショップを有していることがうかがえる(甲8)ものの,申立人の諸外国における商標の登録例は,引用商標の周知・著名性を直接的に裏付けるものではなく,また,引用商標使用商品の販売実績,広告宣伝の実績等が明らかでない以上,当該登録例によっては,引用商標が外国(特に英国)又は我が国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。 2 本件商標と引用商標の類似性について (1)本件商標 本件商標は,上記第1のとおり,左に欧文字「K」を左右反転させた図形を,右に欧文字「K」を,同じ書体と大きさで線対称に配した構成からなるところ,その構成態様は,特定の事物・事象を想起させるとは認めがたいものであるから,これよりは特定の称呼及び観念は生じないものとみるのが自然である。 (2)引用商標 ア 引用商標1は,上記第2,1(1)のとおり,引用図形からなるもの,すなわち,中央に太さの異なる縦の線を2本,及びその左右に太さの異なる複数の斜めの線を配し(線が交わる部分は,結合して表している。),図形の左半分を白色の背景で,右半分を黒色の背景で表したものであり,その構成全体をもって幾何学的図形の一種を表したと理解される場合が多いとみるのが相当であるから,これよりは特定の称呼及び観念は生じない。 イ 引用商標2及び引用商標3は,上記第2,1(2)及び(3)のとおり,引用図形と「karrimor」の欧文字とを,幅をそろえて上下に配した構成からなるものであり(引用商標2は,引用商標3において黒色で表された部分を濃い灰色で,白色で表された部分を薄い灰色で表している。),その構成態様から,引用図形及び文字部分ともに独立して自他商品・役務識別標識としての機能を果たし得るものである。 引用商標2及び引用商標3の構成中の引用図形は,上記のとおり,特定の称呼及び観念は生じないものとみるのが自然である。また,その構成中の文字部分「karrimor」の欧文字は,一般的に使用されている英語等の辞書等には掲載されていない語であり,特定の意味合い想起させない造語と認められる。そして,このような文字に接する取引者,需要者は,我が国において広く親しまれている英語読みに倣って称呼するのが自然であるから,本件商標からは,「カリマー」又は「カリモア」の称呼を生じ得るものである。なお,申立人提出の証拠によれば,当該文字部分は,「カリマー」と称呼されているといえる(甲9,甲10の1及び甲12)。 (3)本件商標と引用商標の類似性 ア 本件商標と引用商標1 本件商標と引用商標1とは,上記とおり,本件商標が左側に欧文字「K」を左右反転させた図形を,右側に欧文字「K」を同じ書体と大きさで線対称に配した構成からなるのに対し,引用商標1が垂直の線と斜線で構成される幾何学的図形からなるものであるから,外観上,その構成態様の相違より,明らかに相違する。 そして,両者とも特定の称呼及び観念は生じないから,称呼及び観念においては比較できない。 したがって,両商標は外観,称呼及び観念いずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって,別異の商標というべきものである。 イ 本件商標と引用商標2及び引用商標3 本件商標と引用商標2及び引用商標3とは,その全体の外観においては,構成文字の有無,及び構成態様の相違により相紛れるおそれのないことが明らかである。そして,本件商標と,引用商標2及び引用商標3の引用図形とは,上記アと同様の理由により,外観,称呼及び観念の点においても相紛れるおそれのない非類似のものであって別異のものということができる。 したがって,両商標は,外観,称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって,別異の商標であること明らかである。 ウ 申立人の主張 申立人は,本件商標は「K」の欧文字を反転させた文字及び「K」の欧文字を左右に配置した図形からなる商標であり,引用商標1,及び引用商標2の構成中の引用図形は,黒の線で縁取りしたアルファベットの大文字の「K」を反転させた文字及び黒の背景部分に白の線で縁取りしたアルファベットの大文字の「K」を左右に配置した図形からなる商標であるところ,これらの商標は,アルファベットの大文字の「K」を反転させた文字及びアルファベットの大文字の「K」を左右に配置した図形からなる点で共通し,いずれも鮮明に2つの「K」の文字が浮かび上がるよう構成されているから似通った印象を与えるため,本件商標と引用商標1,及び引用商標2とは,類似している旨主張している。 しかしながら,たとえ引用商標1,及び引用商標2の引用図形が,「KK」の欧文字を,冒頭の「K」を反転させて左右対称に表し図案化したものと理解される場合があったとしても,上記イのとおり,その構成全体をもって幾何学的図形の一種を表したと理解される場合が多いとみるのが相当であるから,これよりは特定の称呼及び観念は生じない。そして,本件商標は,上記(1)のとおり,左に欧文字「K」を左右反転させた図形を,右に「K」の欧文字を,同じ書体と大きさで線対称に配した構成からなるところ,これよりは特定の称呼及び観念は生じないものとみるのが自然である。そうすると,本件商標と引用商標1,及び引用商標2の引用図形とは,上記アないしイのとおり,外観上明らかに相違するものであり,また,いずれも特定の称呼及び観念は生じないから称呼及び観念においては比較できない。したがって,本件商標と引用商標1,及び引用商標2の引用図形とは,外観,称呼及び観念いずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって,別異の商標というべきものである。 よって,申立人のかかる主張は採用できない。 なお,仮に引用商標が我が国及び外国の需要者の間に広く認識されているとしても,上記判断を左右するものではない。 エ してみれば,本件商標と引用商標とは,非類似の商標であって別異の商標というべきものである。 その他,両商標が類似するというべき事情も見いだせない。 3 商標法第4条第1項第11号について 申立人が,本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は,引用商標1及び引用商標2であり,これらは,上記2のとおり,本願商標と相紛れるおそれのない非類似の商標であるから,その指定商品の類否について判断するまでもなく,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 4 商標法第4条第1項第10号について 上記1のとおり,申立人が,本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当するとして引用する商標である引用商標1及び引用商標2は,提出された資料からは,これらが本件商標の出願時及び査定時において,他人(申立人)の業務に係る商品又は役務であることを表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないものである。 また,上記2のとおり,本件商標と引用商標1及び引用商標2とは相紛れるおそれのない非類似の商標であって,別異の商標というべきものである。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。 5 商標法第4条第1項第15号について 上記1のとおり,引用商標は,提出された資料からは,これが本件商標の出願時及び査定時において,他人(申立人)の業務に係る商品又は役務であることを表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないものである。 また,上記2のとおり,本件商標と引用商標とは,互いに非類似の商標であって,別異の商標というべきものである。 そうすると,本件商標は,これに接する取引者,需要者が引用商標を連想又は想起することのないものといわなければならない。 してみれば,本件商標は,商標権者がこれをその指定商品について使用しても,取引者,需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく,その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。 6 商標法第4条第1項第19号について 上記2のとおり,本件商標と引用商標とは,相紛れるおそれのない非類似の商標であり,上記1のとおり,引用商標は,いずれも申立人の業務に係る商品等を表示するものとして我が国及び外国の需要者の間に広く認識されているものと認められないものであるから,これに接する取引者,需要者が引用商標を連想又は想起するものということはできないものである。 また,申立人の提出に係る全証拠を勘案しても,本件商標権者が引用商標の顧客吸引力を利用する,又は,顧客吸引力を希釈化させる等,不正の目的をもって本件商標を出願し,登録を受けて使用していると認めるに足る具体的事実を見いだすことができない。 そうすると,本件商標は,引用商標の名声にただ乗りするなど不正の目的をもって使用をするものと認めることもできない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当しない。 7 むすび 以上のとおりであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第10号,同第11号,同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。 よって,結論のとおり決定する。

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