商標拒絶査定不服審判
2018-650044
ナインワンワン、キューイチイチ、キューヒャクージューイチ
- 審判番号
- 2018-650044
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 1199656
- 請求日
- 2018年07月05日
- 審決日
- 2019年04月19日
- 公報発行日
- 2019年08月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
- 【請求人代理人】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
- 【請求人代理人】山崎 和香子
- 審判長/審判官
- 審判長 小出 浩子
- 審判官 豊田 純一
- 審判官 瀬戸 俊晶
- 分類
- T18 .15 -WY (W12) / T18 .17 -WY (W12)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第5号、商標法第3条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
国際登録第1199656号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。
結論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
1 本願商標
本願商標は、「911」の数字を横書きしてなり、第12類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、2014年(平成26年)3月15日に国際商標登録出願されたものである。
その後、その指定商品については、原審における2015年(平成27年)8月10日付けで国際登録簿に記録された限定の通報があった結果、第12類「Sports cars.」となったものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『911』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、本願商標に接する取引者、需要者は、商品の品番、等級等を表示するための記号・符号の一類型と認識・把握するというのが相当であり、そうとすると、本願商標は、全体として、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標というのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当し、かつ、同条第2項に該当しない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第5号について
本願商標は、上記1のとおり、「911」の数字を一般に用いられる書体により横書きしてなるところ、数字の組み合わせは製品の管理のための記号又は符号として一般に用いられているものといえる。そして、3字からなる数字は、商品の品番、型番、種別、形式、規格等として、取引上普通に採択・使用されているのが実情であることからすると、一般的な書体で表した「911」の数字を横書きしたにすぎない本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が商品の記号又は符号の一類型を表示したものと理解するにとどまるものであって、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。
(2)商標法第3条第2項について
請求人は、「本願商標は、数字の組み合わせであっても、請求人の永年の使用の結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っており、商標法第3条第2項により商標登録が認められるべきものである。」旨主張し、証拠方法として平成30年8月6日付けの手続補正書に添付の甲第1号証ないし甲第45号証を提出している。
そこで、本願商標が、使用をされた結果、需要者又は取引者が何人かの業務に係る商品であることを認識するに至っているか否かについて、以下検討する。
ア 請求人は、1964年(昭和39年)から、高級スポーツカーのブランドとして「911」と称する商品(以下「請求人商品」という。)の販売を開始した。請求人商品の販売以降、請求人は「911」の表示を請求人商品に継続的に使用し、以後現在まで継続して販売している(甲1~14、職権調査)。
イ 請求人商品は、我が国において1997年(平成9年)までは独占販売契約を締結した代理店、1998年(同10年)からは日本法人「ポルシェジャパン株式会社」により全国において販売され、直近の2016年(同28年)には1,420台、2017年(同29年)には1,543台の販売された(甲43~45、職権調査)。
ウ 請求人商品について、2010年(平成22年)から4年間に、プレスリリース、広告、カタログ、雑誌、新聞に、毎年250から300回程度その広告又は紹介記事が掲載された(甲10~14)。
エ 上記アないしウを総合して勘案すれば、「911」は、「ポルシェ911」及び「Porsche911」というように社名である「ポルシェ」等と一体としてのみ使用されるものではなく、「911」のみが、独立して、指定商品の商品名を表すものとしても使用され、広告されているものと認められる。そして、本願商標が使用された請求人商品は、請求人により、1964年(昭和39年)の販売開始当初から現在に至るまで、雑誌における多数の広告をはじめ、各種媒体を通じて宣伝広告されている。また、請求人の製造した自動車の中でも請求人商品は、911シリーズとして、自動車に相当程度の関心がある需要者・取引者の間で知られており、かつ全国的に、相当の数が販売されていることからすれば、請求人商品は、需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識することができるに至っているものと判断するのが相当である。
そうすると、本願商標は、その指定商品について使用をされた結果、請求人の業務に係る商品であることを認識することができるものであって、商標法第3条第2項の要件を具備するものというべきである。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当するものの、同条第2項の規定により商標登録を受けることができるものであるから、原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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