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商標取消審判

2018-300957

審判番号
2018-300957
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2015-085202
登録番号
5810622
請求日
2018年12月19日
審決日
2023年09月05日
公報発行日
2023年12月28日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【請求人】有限会社 ハーベイ・ボール・スマイル・リミテッド
  • 【被請求人】株式会社 子供玩具研究所
  • 【被請求人代理人】吉永 貴大
審判長/審判官
  • 審判長 矢澤 一幸
  • 審判官 豊田 純一
  • 審判官 小田 昌子
分類
T131 .1 -Z (W35)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法2条3号商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条、商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3項、商標法第50条第2項、商標法第2条第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第5810622号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第5810622号商標の商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第5810622号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成27年6月3日に登録出願、第35類「織物及び寝具類(まくら・マットレスを除く)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、布製身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として同年12月4日に設定登録されたものである。 その後、本件商標の商標権については、商標権の一部無効審判が請求され、平成30年1月15日に、指定役務中「寝具類(まくら・マットレスを除く)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,布製身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての登録を無効とする旨の審決の確定の登録がされているものであり、その結果、現在の本願商標の指定役務は、第35類「織物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」である。 そして、本件審判請求の登録は、平成31年1月9日にされたものであり、この登録前3年以内の期間を以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張の要点 請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書、平成31年3月1日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年4月1日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書1」という。)、令和3年4月9日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書2」)という。)及び同年11月11日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書3」という。)を提出し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第20号証(枝番号を含む。)を提出した。 なお、以下、甲第○号証を「甲○」のように省略して表示する場合があり、また、枝番号を含む号証で、枝番号の全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。 1 請求の理由. 請求人が調査した結果、本件商標は、本件商標の権利者(以下「本件商標権者」という。)により、少なくとも過去3年以内に日本国内で、本件商標の指定役務(以下「本件審判請求に係る指定役務」という。)には使用されていないことが判明した。 したがって、本件商標は取消されるべきものである。 2 弁駁書1による主張 (1)本件商標権者の行為は「不正」である。 本件商標は、あくまで有名な「スマイル商標」を剽窃し、その名声とブランド価値を利用して、自己の商品販売に「不正使用」したものであり、本件商標は請求人の登録商標「スマイル登録商標」の類似権範囲である。 (2)「スマイル」について 「スマイル」は1963年末、米国マサチューセッツ州ウスター市で「故ハーベイ・ボール」によって創作、著作されたものであり、世界的に「黄色い顔に小さい目」の「モナリザ以来の笑顔」として有名であり、知らない人はいないほどに名声を確立している(甲1)。 (3)請求人の立場について 「故ハーベイ・ボール」の2001年の死去後、息子を会長として「ハーベイ・ボール・財団」(以下「財団」という。)が設立され、全ての「スマイル」の権利が継承されている。 そして、「財団」の世界中の「知的財産権」(著作権、商標権、パブリシティの権利等)を管理、運営する日本法人が請求人である。 また「財団」の世界中の「スマイル商品化事業」を委託されているのが「ジャス・インターナショナル株式会社」(以下「ジャスインターナショナル社」といい、請求人とまとめていうときは、「請求人ら」という。)で、請求人らの我が国における努力の結果、「スマイル」は価値付けられ、我が国での「スマイル」は若い世代から「ニコちゃん」、「ニコ」と愛称され、人気を得ている。 それは、請求人らが平成10年から20年間、日本市場において、たゆまない努力と多額の投資を行い続けた結果であり、現在もその著名性の拡大に努めている(甲2)。 (4)請求人らの世界的努力について 「スマイル」は、権利者である「財団」が「スマイルを世界平和の礎にする」との目標で、20年前から年1回、世界的に有名な「ワールド・スマイル・デー」イベントを開催し、全世界で1億人の支持者を誇っており、そのイベント費用の全ては請求人らの国内での「スマイル商品化事業」の収益が充てられている。 本件商標権者の行為は、この事業を妨害し損失を与えるものであり容認できない(甲3)。 (5)本件商標権者の不正行為について 本件商標権者は、以前から「スマイル類似商品」の製造、販売や輸入商品に「スマイル・マーク」を付して国内で販売する等の行為を行っており、最近の本件商標権者のネットでの「スマイル」商品の販売状況を調べてみると、違反行為(他人の登録商標権の侵害)であることが明らかである。 すなわち、本件商標権者の本件商標の権利は、第35類であり、「商品」ではなく、「役務」であり「禁止権」を所有しても「専用権」を所有していない。 第35類についても現在は、「織物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」のみである。 主な不正使用の例として甲第4号証を提出する。 平成31年3月27日ないし28日の調査によれば、あたかも「専用権」を所有しているかのように、直接商品の製造や販売を行っているが、「遵法精神」があるとは思えない。 総合的に調査すると、全てが本件商標の指定役務での使用ではなく、あくまで「商品」の使用として「専用権」を無断で使用したものであり、このような本件商標の権利(以下「本件商標権」という。)を正確に活用するのではなく、強引に誤った使用の元に商品の製造、販売をするような「遵法精神」がない被請求人による答弁書の主張は受け入れることができない。 本件商標権者の本件商標権の誤った使用のため、請求人の「スマイル登録商標」を侵害し、請求人は多くの被害を受けていた。 その他の被請求人の「スマイル」商標の不正使用の例として、甲第5号証を提出する。 甲第5号証をみれば、他人の「スマイル登録商標」を無断で使用し「商標権侵害」をした商品ばかりであり、そもそも本件商標権者は基本的に「商標法の存在」や「遵法精神」に欠けるもので、答弁書の内容の信ぴょう性が疑われる。 請求人が「ライセンス契約」締結や「商標権許諾使用」等を行うように、本件商標権者を説得したが、聞き入れず(甲6)、本件商標を取得した。 また、その権利はあくまでも「禁止権」に限定されているにもかかわらず、あたかも「専用権」を得たかのように、第25類「被服」、第18類「鞄、バッグ」等、その他、多くの雑貨類を勝手に製造、販売し、インターネット上の全国の小規模小売店への卸売り等も併せて行っていた。 請求人は、本件商標が不当に登録されたものとして「無効審判請求」(無効2016-890057)を行い審決で無効となり(甲7)、本件商標権者は知的財産高等裁判所に審決取消を求めたが(平成29年(行ケ)第10141号)、平成29年11月28日に棄却されている(甲8)。 その審判の過程で、本件商標の「織物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び「清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」だけが分離し、権利が継続している。 その後、「正規スマイル商品」を専門に展開している請求人の他の登録出願に対して、毎回、本件商標が引用商標と指摘され、登録出願が困難になっているため、本件商標の取消審判の請求を行ったものである。 本件商標権者が、「他人の登録商標権」を無視して「スマイル商品」を製造、販売した事は、乙第1号証ないし乙第18号証でも証明されている。 (6)答弁について ア 乙第1号証について 「下げ札」等は、最近はパソコンで自由に誰でも制作でき、それを「使用実績」とするには不十分である。また、それが「第35類」のものである事も特定できない。 イ 乙第2号証について 「納品書」も上記アと同様、最近はパソコンで自由に誰でも制作でき、実際に使用したものとは考えられない。また、それが、第35類のものである事も特定できない。 ウ 乙第3号証について 「写真」を見る限り、これらは第18類(鞄・バッグ類)の商品である。 デザインに大きく「スマイル」の図形が描かれているだけであり、第35類「清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の商品であるとは思えない。 また、本件商標の権利範囲は、商品ではなく役務であるにもかかわらず、本件商標は商品として使用されていることから、乙第3号証は証拠として適切ではない。 エ 乙第4号証について 乙第3号証と同様、第35類の役務での使用ではなく、あくまで、第18類(鞄・バッグ類)の商品としての使用であると思われる。 オ 乙第5号証及び乙第6号証について 被請求人が提出したネットの広告をみると、取引業者が作成したものかどうかも分からないが、被請求人の考えや意向が反映されたものと考えられる。 「役務」ではなく「商品」についての証拠で、インターネット上の宣伝見本にすぎない。 パソコンで自由に誰でも作成できるもので、証拠として適切ではないと思われる。 また、「バスケット」、「バケツ」、「ランドリー」、「インテリア」、「雑貨」と書かれているが、それ等は「清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」にはあてはまらず、特に、強調されている「バスケット」と「バケツ」についても適切な商品とは思えない。 そもそも、「バスケット」とは、「竹や藤」で編んだ籠(かご)であって、「持ち手」がそれらと同一の材質で全てが作られたものであるが、被請求人が提出した商品は、本体が「プラスチック製」で「持ち手」部分は「繊維製」の縄で構成されており、「バスケット」とはいえず、証拠写真はあくまで鞄、バッグ類にすぎない。 さらに、証拠写真の商品が「洗濯用具及び清掃用具」として製造・販売されているとは思えず、あくまでも「バスケット」とは、宣伝用のキャッチフレーズにすぎない。 「バケツ」とは、液体や石炭やごみなどの固形物の一時的な保管や運搬に使われる便利な容器であり、一般に金属製商品を示すもので、本件商標が使用された「プラスチック製」の商品とは全く別物であり、あくまで、鞄、バッグ類にすぎない。 本件商標の写真は「バケツ」とはいえず、あくまで、鞄、バッグ類にすぎないものであり、これをあえて「ランドリー商品」、「洗濯物関係」で使用することを推奨した宣伝であり、第35類に属する役務の使用実績には当たらない。 カ 乙第7号証及び乙第8号証について 今回提出された資料でも、請求人らが、サーフィン用品、被服、鞄・バッグ類等の商品を「他人の商標権」を侵害しながら多数販売していた事が証明されている。 キ 乙第9号証ないし乙第11号証について 本件商標権者は、以前から請求人の各種分類の「登録商標」を侵害しており、海外から安い商品を輸入し、インターネット販売を行ってきた企業である事を証明している。 被請求人の提出した証拠は、全てが「役務」ではなく、商品としても第35類の役務とは、性質が異なり、あくまでも、鞄、バッグ類に該当する商品を提出しているにすぎず、それをもって「使用実績」とすることはできない。 3 弁駁書2による主張 (1)請求人は1960年末米国マサチューセッツ州ウスター市で「スマイリー・フェイス」(略称スマイル)を創作・著作した「故ハーベイ・ボール」を記念して設立された「ハーベイ・ボール・ワールド・スマイル財団」(以下「財団」という)の代理人の立場である。 (2)請求人は「財団」の意向に従い、米国「財団」の考えを述べる立場である。 (3)請求人(財団)の「ハーベイ」が最初に創作・著作した「スマイル商標」は別掲2のとおりのものである。 (4)請求人(審決注:「被請求人」の誤記と認める。)が、別掲2のとおり「スマイル商標」を剰窃して商標登録した「本件商標」は別掲1のとおりのものである。 (5)「本件商標」は明らかに「ハーベイ」の「スマイル」図形の外観を変形させ、口を長めにし、目を縦長にする等申し訳程度に修正したものにすぎず、その独自性やオリジナリティはない。 (6)使用商品は「清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」でない。 被請求人は「乙第1号証~乙第8号証」で使用商品と主張しているのはあくまでも「洗濯用に使用するのが便利である」との希望的宣伝活動を行ったにすぎない。 昔の流行かの様に貧乏なので「タオルをマフラーにして」のフレーズと同様の状況的説明にすぎない。 もし「洗濯用具」というのであれば、その商品を洗濯に使用するべき目的で製造されたものであることが必要である。 例えば、洗濯板、洗濯挟み、洗濯ロープ等の明らかに洗濯用具として全ての人が認める商品である必要がある。 単に洗濯用に対応出来るとして「第18類」のかばん類を販売したことは「使用証拠」とはならない。 (7)バスケットの表示も不適切である。 提出済の証拠以外の有名な辞書の「バスケット」の説明を提出する(甲12)。 辞書の大半の説明では「バスケット」は「蓋付き」であるとの条件が説明されている。 使用証拠はあくまでビニール製のバッグにすぎず、主な使用方法の大部分が洗濯用ではない。 主な使用例としては、ア 女性用の身近な商品(化粧品、ハンカチ、タオル等)を一時的に入れておくもの、イ 子供用の玩具等を一時的に収納するもの、ウ 果物入れ、エ 野菜入れ等小物入れで活用するのが主体である。 以上の説明のとおり被請求人の答弁の内容については信憑性がなく、受け入れるべきでなく、直ちに「本件商標」の取消を求める。 (8)「故ハーベイ・ボール」(以下「ハーベイ」という)が「スマイル」を創作・著作した事実は世界的に確立しており、これに対して「自分がスマイルを創作・著作した」と主張する人物は今迄世界中で名乗り出ていない。 上記については、国内活動として、東日本大震災、熊本大地震及び名誉スマイル大使社会貢献事業(甲13)、海外活動として、米国での21年間(21回)の「ワールド・スマイル・デー」の実施と全世界へのネットでの配信(甲14)、広報活動として、我が国で唯一のファッション業界日刊紙「繊研新聞」(同紙は発行部数20万部で業界の経営者がほとんど愛読している。)での年間8,000万円の広告掲載と啓蒙活動である(甲15)。 (9)上記の事実を考えると、被請求人が世界中で知られた請求人(財団)のスマイル図形を剰窃し、多少変更して我が国の特許庁の早い者勝ち、先願主義を悪用して商標登録し奪取した事はアメリカ国内でも大きな怒りを買っている。 特に「スマイル」は「アメリカの文化」であり「アメリカ人の誇り」である。 その中でも東海岸のハーバード大学やMITがあるマサチューセッツ州の学都「ボストン」に隣接するウスター市で「スマイル」が誕生したことは州全体の誇りであり州民の自慢となっている。 かつての大統領候補であり、上院議員であり、オバマ大統領時代の国務長官であったジョン・ケリー氏は前身のマサチューセッツ州副知事時代に「スマイルはアメリカの誇りでありウスター市の宝である」と議会で演説しており、現在も同氏はバイデン大統領の「気候問題担当大統領特別特使」であり、アメリカ国内で大きな影響力を持っており自身も「スマイル」の支持者でもある。 その他、前在日アメリカ大使の「キャロライン・ケネディ女士」も「スマイル」の支持者であり、米国内で「スマイル」について多くの発信を行っており有名であり、両氏も被請求人のやり方に不満を述べている。 現在は名門「レッドソックス」の関連マイナーリーグ球団のシンボルとしても使用されている(甲16)。 被請求人の行為はそれ等多くの米国人の支持者やファンを傷つける行為であり、行うべき行為でないと思われる。 (10)「財団」では「スマイルを世界平和の礎にする」の目標で20年以上にわたり各種の「社会貢献事業」や「ボランティア活動」を行っている。 日本国内では、ア 2011年3月11日東日本大震災支援活動(甲13)、イ 2016年4月14日熊本大地震支援活動(甲13)、その他我が国を代表する著名人(政財界人、文化人、芸能人)が「名誉スマイル大使」に就任してそれぞれの業界や地域での上記支援活動を行った。 海外では、アメリカを中心に「ワールド・スマイル・デー」は21年間10月の第一金曜日を期日として実施されており、それがネットで全世界に発信され1億人の支持者がいるといわれている。 請求人は上記の活動を日本国内で行う為に商品化事業の利益を上記の「社会貢献事業」や「スマイル活動」の資金として提供している。 (11)早い者勝ち先願主義の「商標法制度」について請求人の主張は全て上記の裏付けをするものであり、過去の明治時代の商標法の欠陥に付け込んだものにすぎない。 そもそも商標登録制度はそれを発案した者、それをさらに営業活動等で消費者に有名なものとして商品名(商標名)として確立する努力を認めて、その努力した者にその利益を保護する為のものであると思われる。 その制度を悪用し他人の成功を剰窃して上記の商標法の手続きの不備を突き、自己の権利として利益を得続ける事で、元々の創作・著作者の努力を無視し、その「社会貢献事業」「ボランティア活動」を妨害するのは日本人として恥ずかしい事と思う必要がある。 (12)上記の商標法の不備についての有名な話は過去に欧米の有名ブランド(グッチ、エルメス等)を我が国に輸出したいとして来日したところ、その全てが銀座に店を構える「S社」が所有しており、その商標譲渡を引換に我が国への輸入販売権を得たと噂されている。 請求人もその事をフランス訪問等で良く聞かされたものである(甲17)。 (13)そのようなやり方が原因かどうかは判明出来ないが、2019年10月1日に「S社」は破産しており、別紙の参考資料は「S社」とは断定出来ない。 その昔の常識が我が国でも現在は変わってしまい、国際的常識の国になってきている。 ところが現在中国では我が国の有名なブランド(商標)が次々商標登録され、有名な「神戸牛」や「松坂牛」も勝手に中国産の中国牛に付けられて売られているとの噂もある。 それぞれの商標は10件近くも出願されており、米の品種の「コシヒカリ」等は160件も出願されている様である。 これに対して中国側は中国の「商標法」の早い者勝ち、先願主義で自国法律で合法なので当然であり「正義」であるといっている様だがその報道を聞いた全ての日本人を不愉快にさせている。 その様な不合理が我が国では未だ被請求人によって引き継がれている事を疑問に思う。 (14)請求人(財団)は被請求人のスマイルの商品化事業に反対しているのでない。 もし、被請求人が本当に「スマイル」に興味があり、その商品化を行い、ビジネス的利益を求められるならば請求人は大歓迎するものである。 しかし、それは今迄説明した様に(甲13~甲15)を参考にし、膨大な資金の投入や人員を参加等させ「スマイルの価値」を高めた努力を認め、それに賛同して参加している他のライセンス企業と同一の条件でロイヤリティ等を支払うことが前提である。 (15)「財団」の「スマイル」と被請求人の「スマイル」は全く別ものである。 これまでの説明のとおり「財団」のスマイルは、お酒でいえば大麦を蒸留しそして20年、30年と寝かせた「ウィスキー」である。 しかし「グンゼ」のスマイルは戦後にあった「メチルアルコール」を使い飲んだら命の保証が出来ない「爆弾酒」と同じにすぎないものであり、到底ウィスキー等とは呼べない。 「財団」のスマイルは「故ハーベイ・ボール」の1963年の著作を元に誕生した歴史、全米の市民が当時の経済不況を乗り切る為に1億人の胸に「スマイル・バッジ」を付けた事実、そして世界的流行となり「黄色い顔に小さい目」の「モナリザ以来の笑顔」として現在でも知らない人がいない程となっている。 また、海外でも俳優の「ジャッキー・チェン」モナコ大公の「アルベール2世」その他多くの著名人や有名人が賛同し、我が国でも「著名人」(政財界人、文化人、芸能人)がその活動に協力し賛同している。 (16)既に「ハーベイ・ボール」の「著作権」は認められている。 アメリカでの「ハーベイ・ボール」が創作・著作したと報じた新聞記事を提出する。 合計1,172件であるがそれは一部であり、その他は収納出来ない為省略した。これで本人の「著作権」は公認されたと思われる(甲18)。 4 弁駁書3による主張 (1)被請求人は、乙第9号証において、「洗濯表示/」と表示しているが、それはあくまでも「衣類」の洗濯の仕方についての説明であり、誤解を招く表示であるが、本件商標権者が「洗濯用具」を目的として受注したものではない。 (2)証拠商品の製造メーカーは「八幡化成株式会社」(岐阜県郡上司市)である(甲19)。 上記会社に被請求人が特別に発注して商品表面に本件商標の「スマイル・マーク」を描かせたものにすぎない。 (3)その元の商品(八幡化成株式会社)のネットでの宣伝文は、「まるで船のようなカーブのカタチが愛らしい、バルコロールにあなたなら何を入れる?キッズのおもちゃ収納、キッチンやリビング、サニタリースペース、アウトドアなど・・・やわらか素材だから、どんなシーンでも優しく収納します。使わないときはスタッキングできるからコンパクトに。」のように書かれている。 上記の説明は一般的な「カゴ」、「物入」として、八幡化成株式会社のネットでの使用例写真(甲20)の様な使用を特徴付けている。 その使用方法を「洗濯」に限定させたり、それをイメージさせる説明は無い。 被請求人が強引にその様(洗濯用)に強調しているにすぎない。 (4)一般に「洗濯用具」といえば、物干し竿、物干しハンガー、たらい、洗濯ネット、洗濯板、洗濯ブラシ、洗濯器、たわし、洗濯挟み等」を指すのが普通である。 第3 被請求人の主張の要点 被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、答弁書、令和2年10月26日付け審尋(以下「審尋1」という。)に対する同11月30日付け回答書(以下「回答書1」という。)、同3年3月29日付け審尋(以下「審尋2」という。)に対する同年4月27日付け回答書(以下「回答書2」という。)。同年9月29日付け審尋(以下「審尋3」という。)に対する同年11月1日付け回答書(以下「回答書3」という。)にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第32号証を提出した。 なお、乙第24号証は、乙第24号証に次いで乙第24号証の1が提出されているため、乙第24号証を乙第24号証の1、乙第24号証の1を乙第24号証の2と読み替える。 また、以下、乙第○号証を「乙○」のように省略して表示する場合があり、さらに、枝番号を含む号証で、枝番号の全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。 1 答弁書による主張 本件商標は、本件商標権者によって、本件審判請求に係る指定役務中、「清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、要証期間に、日本国内において使用されている。 (1)本件商標権者について 本件商標権者は、2005年から主に米国テイストの被服、アクセサリー、小物等のアイテムを販売する小売業及び卸売業を営む日本法人である。 卸売業に関しては、北海道から九州にかけて、多くの小売店(ディーラー)に商品を卸売販売している。 (2)使用証拠 被請求人は乙第1号証ないし乙第11号証を提出する。 これらの証拠は、本件商標権者が、本件商標を第35類の指定役務「清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について要証期間内に使用していたことを立証するものである。 ア 乙第1号証は、商品に付ける下げ札の全体を写した画像である。 なお、納品時は下げ札の裏面は無地であるが、販売時は商品に応じて、適宜、裏面表示がなされる。 本件商標権者は、小売及び卸売の際、商品にこの下げ札を付して役務を提供している。 イ 乙第2号証は、乙第1号証に示す下げ札が印刷会社から本件商標権者に納品された際に同封されていた納品書の写しである。 日付は2017年7月26日、品番・品名は「Original Tag」と記載されている。 なお、納品書に記載されている担当者に確認したところ、この会社が作成する納品書には、担当者の捺印は行わないとのことである。 ウ 乙第3号証は、洗濯用具のひとつであるバスケットの仕様確認書の写しである。 具体的には、2018年のSpring&SummerCollectionのラインナップのひとつとして、メーカーに製造を依頼する際に使用された書類の写しである。 この仕様確認書には、商品のプロトタイプの画像が大きく印刷されており、その商品の中心部に、本件商標が大きく描かれたデザインとなっている。 そのほか、「Item No.:JZ18SS003」、「DESCRIPTION:BALCOLORE×JM Multi-Basket M」、「2017年10月13日(金)/UNITE NINE showroom 必着にて」、「発注依頼者 (株)子供玩具研究所 JACKSON MATISSE 事業部」等の文字の記載が認められる。 エ 乙第4号証は洗濯用具のひとつであるバスケットの仕様確認書の写しである。 乙第3号証に示す商品の別バージョンの商品に関する仕様確認書である。 この仕様確認書には、商品のプロトタイプの画像が大きく印刷されており、その商品の中心部に、本件商標が大きく描かれたデザインとなっている。 そのほか、「Item No.:JZ18SS004」、「DESCRIPTION:BALCOLORE×JM Multi-Basket L」、「2017年10月13日(金)/UNITE NINE showroom 必着にて」、「発注依頼者 (株)子供玩具研究所 JACKSON MATISSE 事業部」等の文字の記載が認められる。 オ 乙第5号証は、当時、乙第3号証及び乙第4号証に示される商品の完成品がインターネットにおける商品販売ページに掲載されていたことを示す証拠の一であり、具体的には、オンラインショッピングサイト「SLOW LIFE」における本件商標権者の商品販売ページの写しである。 当該ページに要証期間内の日付は記載されていないが、乙第9号証の「顧客名」に「株式会社SLOW LIFE/S(Sは個人名称であり、以下「S氏」という。)」の記載があり、乙第5号証のページ最下段に記載されている「株式会社SLOW LIFE S氏」の記載と符合する。 また、乙第9号証において、Grayが「2」、カフェオレが「2」の計「4」の受注があったことが記載されており、この商品の納期が「2018年3月上旬」と記載されていることから、要証期間内に乙第5号証の当該ページが掲載されていたことが推認できる。 なお、左上に記載されている「2019/2/22」は当該商品販売ページを印刷した日付であり、要証期間を記載したものではない。 カ 乙第6号証は、当時、乙第3号証及び乙第4号証の商品の完成品が本件商標権者を介して販売されていたことを示す証拠であり、具体的には、ブログ「gigile blog」における本件商標権者の商品を取り上げたブログ記事の写しである。 このブログ記事の日付は「2018年03月12日」と記載されている。 グレーのバスケットに掛けられている下げ札は、乙第1号証の下げ札(裏面側)である。 キ 乙第7号証は、当時、乙第3号証及び乙第4号証の商品の完成品が本件商標権者を介して販売されていたことを示す証拠の一であり、具体的には、ウェブマガジン「OCEANS」における本件商標権者の商品を取り上げた記事の写しである。 この記事の日付は「2018.02.18」と記載されている。 ク 乙第8号証は、当時、乙第3号証及び乙第4号証の商品の完成品が本件商標権者を介して販売されていたことを示す証拠であり、具体的には、「JEANS FACTORY(ジーンズファクトリー)公式サイト」における本件商標権者の商品を取り上げた記事の写しである。 この記事の日付は「2018.03.27」と記載されている。 ペールオレンジのバスケットに掛けられている下げ札は、乙第1号証の下げ札(裏面側)である。 ケ 乙第9号証は、乙第5号証ないし乙第8号証に示す商品の受注リストの写しである。 「品番/JZ18SS003」、「品名/BALCOLORE×JM Multi-Basket M」の記載は、乙第3号証の「Item No.:JZ18SS003」、「DESCRIPTION:BALCOLORE×JM Multi-Basket M」にそれぞれ符合する。 なお、バスケットの画像は他の商品の受注リストと識別するための便宜的なものであり、実際に販売された商品の画像とは異なる。 コ 乙第10号証は、乙第5号証ないし乙第8号証に示す商品の受注リストの写しである。「品番/JZ18SS004」、「品名/BALCOLORE×JM Multi-Basket L」の記載は、乙第4号証の「Item No.:JZ18SS004」、「DESCRIPTION:BALCOLORE×JM Multi-Basket L」にそれぞれ符合する。 なお、バスケットの画像は他の商品の受注リストと識別するための便宜的なものであり、実際に販売された商品の画像とは異なる。 サ 乙第11号証は、清掃用具のひとつであるごみ箱がインターネットにおける商品販売ページに掲載されていたことを示す証拠であり、具体的には、オンラインショッピングサイト「ZOZOTOWN」における本件商標権者の商品販売ページの写しである。 この商品販売ページの日付は「2016/10/26」と記載されている。 (3)本件商標と使用されている商標の同一性について ア 本件商標は、円状輪郭内が黄色に塗られており、円輪郭、円輪郭内部に配された2つの小さい黒塗りの縦長楕円形及びその下方に配した両端上がりの弧線によって、円形の顔に目と口を有する人の笑顔を、簡潔かつ、象徴的に描写した図形(以下「スマイルマーク」ということがある。)である。 イ 乙第1号証、乙第6号証ないし乙第10号証に使用されている商標は、円状輪郭内の色が無色又は黄色以外の色が着色されている点で本件商標と相違するものの、いずれもその構成態様より、円形の顔に目と口を有する人の笑顔を、簡潔かつ、象徴的に描写したものと看取される点において外観的な印象を共通にするから、本件商標と社会通念上同一の商標といえるものである。 ウ 乙第5号証に使用されている商標は、大きさの異なるスマイルマークを2つ並べた態様のものが使用されている点で本件商標と相違するものの、乙第5号証に使用されている商標は2つのスマイルマークが一体不可分の関係にあるとはいい難く、また、スマイルマークが2つ並んで表示されていたとしても、個々のスマイルマークの基本構成は外観的な印象を共通にするから、独立したスマイルマークが並記されていると考えられるものである。 エ 乙第11号証に使用されている商標は、円状輪郭の上下左右の一部がカットされている点で相違するものの、本件商標の外観的な印象を損なうほどの変更は加えられておらず、その基本構成は本件商標と社会通念上同一の範囲内にある商標であることは一見して明らかである。 (4)まとめ 以上のことから、本件商標と社会通念上同一の範囲内にある商標が、「清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について使用されていることは明白であり、かつ、かかる便益の提供が、本件審判の請求の登録前3年以内になされていることも明らかである。 2 回答書1による主張 (1)当審における審尋 合議体は、被請求人に対し、審尋1にて、被請求人が答弁書で提出した乙各号証によっては、要証期間に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件審判請求に係る指定役務について本件商標を使用していることを証明していない旨の合議体の暫定的見解を示し、これに対する回答及び弁駁書1に対する回答を求めた。 (2)回答書1による主張 ア 審尋1に対する回答 (ア)審尋1の(1)において、「被請求人が、本件下げ札が商品に掛けられていると主張する乙第6号証及び乙第8号証においては、商品に下げ札が付されていることは確認できるが、これが、本件下げ札と同一のものであることが確認できない。」とされた。 確かに、乙第6号証及び乙第8号証では、本件下げ札において本件商標が印刷されている面が確認できないため、本件商標を使用している直接的な証拠とはいえない。 しかしながら、乙第2号証により、乙第1号証に示す下げ札の納品書が示されていることから、乙第1号証に示す下げ札が本件商標権者の販売する商品に使用されたと推認するには十分である。 また、乙第6号証及び乙第8号証に示されている商品が本件商標権者の製造販売している商品であることは明らかであるし、その商品に付されている下げ札の大きさ、色、形からして、乙第1号証に示す下げ札とはまったく異なる別の下げ札であると考えるには不自然である。 そのため、乙第6号証及び乙第8号証に示されている商品に、本件商標が記載された下げ札が使用されている蓋然性が高いというべきである。 (イ)審尋1の(2)前段において、「商品そのものに商標を直接表示するような表示態様は、商品が小売及び卸売の流通過程に置かれてから事後的に小売業者等が表示したものとして認識されるとは考え難く、商品に係る商標としてのみ認識されるといえるものであるから、商品に直接商標が描かれている証拠によっては、本件商標を本件審判請求に係る指定役務について使用したものと認めることができない。」とされた。 しかしながら、乙第3号証ないし乙第9号証、乙第13号証、乙第15号証ないし乙第18号証における本件商標の表示態様は、単なるデザインと認識されるだけではなく、商品の出所識別標識としても認識され得る。 そして、平成28年(行ケ)第10086号(知財高裁平成28年9月14日判決)において、「商標法第50条の主な趣旨は、登録された商標には、その使用の有無にかかわらず、排他的独占的な権利が発生することから、長期間にわたり全く使用されていない登録商標を存続させることは、当該商標に係る権利者以外の者の商標選択の余地を狭め、国民一般の利益を不当に侵害するという弊害を招くおそれがあるので、一定期間使用されていない登録商標の商標登録を取り消すことについて審判を請求できるというものである。 上記趣旨に鑑みれば、商標法第50条所定の『使用』は、当該商標がその指定商品又は指定役務について何らかの態様で使用(商標法第2条第3項各号)されていれば足り、出所表示機能を果たす態様に限定されるものではないというべきである。」と判示されていることから、仮に、本件商標が、対象商品のデザインとして使用されているとしても、同条所定の使用については、その使用が、商標的な使用態様であるか否かは問題とはならないというべきである。 (ウ)審尋1の(2)後段において、「SLOW LIFEのウェブサイト(乙5)の印刷日である2019年(平成31年)2月22日は、要証期間外であり、また、当該ウェブサイトに掲載されている商品画像と、被請求人が他の商品の受注リストとを識別するための便宜的な画像である旨主張している、商品の受注リスト(乙9、乙10)中の商品画像とが、同一であることが確認できず、さらに、ウェブサイト(乙5)の商品コードと受注リスト(乙9、乙10)の品番も一致していないことから、これらが同じ商品であることは確認できません。」とされた。 確かに、「株式会社SLOW LIFE」(以下「SLOW LIFE社」という。)のウェブサイト(乙5)には、「商品コード:jackson-180413-4」と記載され、受注リスト(乙9)には、「品番/JZ18SS003」、「品名/BALCOLORE JM Multi-×Basket M」と記載されているため一致していない。 しかしながら、甲第5号証の商品画像の上部及び画像右の「商品名」には、「Jackson Matisse ジャクソンマティス BACOLORE Basket サイズM にこちゃん バスケット バケツ ランドリー インテリア 雑貨 おしゃれ」と記載されている。 この乙第5号証において、「Jackson Matisse」及び「ジャクソンマティス」の記載が、本件商標権者が所有する商標登録第5736395号(乙12)のテキスト文字表記と片仮名表記であり、乙第6号証の画像中にも、商標登録第5736393号の商標の白黒が反転した社会通念上同一の商標が表記されており、「BALCOLORE」の記載が、乙第9号証の「品名」に記載されている「BALCOLORE」の記載と符合しており、「Basket」及び「バスケット」の記載が、乙第9号証の「品名」に記載されている「Basket」の文字と符合しており、「サイズM」の記載が、乙第9号証の「品名」に記載されている「SIZEM」の文字と符合しており、「にこちゃん」の記載が、乙第9号証のバスケットのデザインの画像と観念が符合しており、「価格:4,104円(税込)」の記載が、乙第9号証の「上代/¥3800+税」の税込価格(当時、消費税率は8%)と符合しており、「01.グレー」及び「02.カフェオレ」のカラーラインナップが、乙第9号証の「COLOR Gray カフェオレ」に符合しており、素材に関する記載の「本体:ポリエチレン 100%」及び「持ち手:コットン」が、乙第9号証の「混率/本体:ポリエチレン/持ち手 綿」の文字と符合している。 そのため、これらの事実から、乙第5号証に掲載されている商品と、受注リスト(乙9)における商品が同一の商品であることは明らかである。 さらに、上記の事実を補完するものとして、乙第13号証ないし乙第18号証を提出する。 乙第13号証は、ターミナル株式会社(東京都渋谷区桜丘町31-14 SLACK SHIBUYA 501)が運営し、アパレル企業が商品の仕入れ/販売のために開いている展示会運営を支援するためのBtoB向けウェブサイト「TERMINAL ORDER」を介して作成された発注書の写しである。 本件商標権者は、当ウェブサイトのサービスを利用して商品を受注しており、例えば、SLOW LIFE社のウエブサイト(乙5)で購入者から商品を注文されると、SLOW LIFE社のウェブサイトを管理運営する同社がTERMINAL ORDERを介して、本件商標権者宛に発注書(乙13)が送信され、本件商標権者は発注書に基づき、商品を納付する。 乙第14号証は、上述したTERMINAL ORDERから出力された納品書(伝票No.00000111)の写しである。 本件商標権者が発注者に商品を納品すると納品書が作成されるようになっている。 ここで、乙第14号証の左上部には、商品の発注者情報が記載され、そこには「(株)SLOW LIFE T様 御中」の文字が記載されている。 その右欄には、受注者である「(株)子供玩具研究所 JACKSON MATISSE 事業部」の文字が記載されている。 そして、納品した商品を示す「JZ18SS003 GM BALCOLORE Basket/Gray M ¥3800」が記載されている。これは乙第5号証の商品のうち、カラーが「Gray」、サイズが「M」の商品を意味している。 また、「JZ18SS003 CFM BALCOLORE Basket/カフェオレ M ¥3800」は、乙第5号証の商品のうち、カラーが「カフェオレ」、サイズが「M」の商品を意味している。 なお、SLOW LIFEのウエブサイト(乙5)の下部右に「Lサイズ Mサイズ」の記載があり、商品には2つのサイズが存在することが記載されているが、乙第9号証がMサイズの商品の受注書、乙第10号証がLサイズの商品の受注書である。 乙第15号証は、上述したTERMINAL ORDERから出力された商品別売上明細書(売上伝票一覧)の写しである。これは、商品である「JZ18SS003 GM BALCOLORE Basket /Grey M ¥3800」が得意先に何個販売されたかを一覧形式で表示したものである。ここで、「得意先名」のひとつに、「(株)SLOWLIFE」と記載されており、SLOW LIFE社との間で、本件商標権者の商品が取引されたことを示している。 乙第16号証は、TERMINAL ORDERから出力された商品別売上明細書(売上伝票一覧)の写しである。これは、商品である「JZ18SS003 GM BALCOLORE Basket /カフェオレ M ¥3800」が得意先ごとに、商品の販売個数と売上額を一覧形式で表にしたものである。 ここで、「得意先名」のひとつに、「(株)SLOWLIFE」と記載されており、SLOW LIFE社との間で、本件商標権者の商品が取引されたことを示している。 乙第17号証は、乙第15号証の商品(カラー:Gray)のサイズがLになったものである。 乙第18号証は、乙第16号証の商品(カラー:カフェオレ)のサイズがLになったものである。 これらの証拠から、本件商標権者の商品が、SLOW LIFE社のウエブサイト(乙5)で販売されていたこと及び当ウェブサイトを運営する同社との間で商品の取引があったことが明らかである。 そして、SLOW LIFE社のウェブサイトに本件商標を表示することは、商標法第2条第3項第8号の行為に該当する。 (エ)審尋1の(3)において、乙第11号証は「ZOZOTOWN」のウェブサイトにおける本件商標権者の商品販売ページとされるものであるが、当該ウェブサイトの店舗名と思われる「ROOP TOKYO/ループトーキョー」と本件商標権者の関係が明らかではないとされた。 そこで、ZOZOTOWNのウェブサイト(乙11)の「ROOPTOKYO/ループトーキョー」と本件商標権者との関係について説明する。 乙第19号証は、株式会社absolute(以下「absolute社」という。)の担当者から本件商標権者宛に送信された電子メールを本件商標権者が代理人に転送したものの写しであり、電子メールの件名は、「2018年10月委託商品販売数量」と記載され、本件商標権者が、absolute社に商品の販売を委託していたことがわかる。 乙第20号証は、乙第19号証の電子メールに添付されていたファイルを印刷したものであり、第1頁の項目に「仕入れ先」、「委託在庫上代計」、「委託在庫下代計」の記載があることから、absolute社は、本件商標権者から商品を仕入れていること、本件商標権者と委託関係にあることがわかる。 また、ZOZOTOWNのウェブサイト(乙11)に掲載されていた商品は、第8頁に商品名「Rubbermaid Container JZ18AW011」として記載されている。 乙第21号証は、「ROOPTOKYO」の会社概要が記載されたウェブサイトの写しである。ここで、「販売業者 株式会社absolute」と記載されていることから、「ROOPTOKYO」はabsolute社が運営するECサイトの名称であることがわかる。 このように、ZOZOTOWNのウェブサイト(乙11)の「ROOPTOKYO/ループトーキョー」と本件商標権者との関係は、ZOZOTOWNのウェブサイト(乙11)にabsolute社が運営するECサイト「ROOPTOKYO/ループトーキョー」があり、要証期間中、本件商標権者はこの「ROOPTOKYO/ループトーキョー」に商品の販売を委託していたものである。 乙第22号証は、TERMINAL ORDERを介して作成された納品書(伝票No.00000747)の写しである。 ここで、乙第22号証の左上部には、商品の発注者情報が記載され、そこには「(株)absolute 御中」の文字が記載され、その右欄には、受注者である「(株)子供玩具研究所」の文字が記載され、第7頁には納品した商品を示す「JZ18AW011BO Rubbermaid Container/Blue ONE ¥5800」が記載され、第10頁には「10月委託販売分」と記載されている。 これらの記載からも、本件商標権者がabsolute社に商品の販売を委託したことがうかがえる。 乙第23号証は、TERMINAL ORDERから出力された商品別売上明細書(売上伝票一覧)の写しである。 これは、商品である「JZ18AW011BO Rubbermaid Container/Blue ONE ¥5800」が得意先に何個販売されたかを一覧形式で表にしたものである。 ここで、「得意先名」のひとつに、「(株)absolute」と記載されており、absolute社との間で、本件商標権者の商品が取引されたことを示している。 これらの証拠から、本件商標権者の商品が、ZOZOTOWNのウェブサイトの「ROOPTOKYO/ループトーキョー」(乙11)で販売されていたこと、及び当ウェブサイトを運営するabsolute社との間で商品の取引があったことは明らかであり、当ウェブサイトに本件商標を表示することは、商標法第2条第3項第8号の行為に該当する。 イ 弁駁書1に対する意見 (ア)本件商標権者の不正行為に対して 請求人は本件商標権者が販売している商品について、あたかもそれらの商品が他者の商標権を侵害しているがごとく主張しているが、それらの主張は本件とは無関係である。 また、無効審判及び審決取消訴訟に関する主張も同様に無関係である。 (イ)答弁書の疑問に対して 本件商標は要証期間内に商標法第2条第3項第8号等の行為に該当する使用をしている。 そのため、取消事由には当たらない。 3 回答書2による主張 (1)当審における審尋 合議体は、被請求人に対し、審尋2にて、提出された証拠によっては、本件商標権者が本件商標を要証期間内に、「ごみ箱の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に使用したと認めるに足らない旨の合議体の暫定的見解を示し、これに対する回答を求めた。 (2)回答書2による主張 ア 審尋2の1の(1)において、「ROOP TOKYO」のウェブサイトに青色容器の商品が販売のために掲載されていることはうかがえるが、当該商品には、商品名及び商品説明といった商品を特定できる情報の記載がないことから、これが被請求人の主張する「ごみ箱」であることが確認できず、たとえ、これが「ごみ箱」であり、当該商品が、「ROOP TOKYO」のウェブサイトにおいて販売されていたとしても、当該ウェブサイトは、乙第21号証によれば、absolute社が運営するものであり、本件商標権者が、いわゆる小売等役務である本件審判請求に係る指定役務について、本件商標を使用していたということはできないとされた。 イ そこで、被請求人は、乙第11号証に掲載されている青色商品が「ごみ箱」であることを明らかにする客観的な証拠として、乙第24号証ないし乙第27号証を提出する。 乙第24号証は、乙第11号証に掲載されていた青色商品を検索するため、同ウェブサイト上部におけるサイト内検索「ZOZOTOWN なにかお探しですか?」において「ダストボックス」と入力して検索した結果を表示するウェブサイトであり、その第2頁目には、乙第11号証に掲載されている青色商品が掲載されている。 乙第24号証の2は、乙第24号証の1に掲載されている青色商品をクリックしたあとに表示される商品紹介ページである。 なお、「Rubbermaid-Container」の文字は、米国のラバーメイド社製のコンテナ(廃棄物容器)の意である。 乙第25号証は、楽天ウェブサイトにおいて、「ラバーメイドゴミ箱」と検索した結果を示すウェブサイトである。検索結果において、ラバーメイド社製のコンテナがごみ箱として販売されていることが示されている。 乙第26号証は、Google検索で、「ラバーメイドゴミ箱」と検索した結果を示すウェブサイトである。 検索結果において、ラバーメイド社製のコンテナがごみ箱として販売されていることが示されている。 乙第27号証は、乙第25号証でヒットしたラバーメイド社製のコンテナの商品紹介ページの一例である。 当該ページ上部には「「ゴミ箱ラバーメイドダストボックス26L清掃用品キッチンリビング収納アメリカ製アメリカ雑貨RUBBERMAIDDUST BOX」」の記載が認められる。 また、ごみ箱としての使用例として、デスクの下に青色商品が設置されている画像も認められる。 さらに、「【スペック】サイズ:高さ38×幅37.5×奥行き26cm」という記載から、ごみ箱として実用的な容量を備えていることも認められる。 以上のように、乙第11号証に掲載されている青色商品は「ごみ箱」であることが客観的に明らかである。 ウ 本件商標権者とabsolute社との間に、明示的な使用許諾契約は存在しない。 しかしながら、回答書1で明らかにしたように、要証期間中、本件商標権者はabsolute社に商品の販売を委託しており、同者、自身が運営するECサイト「ROOP TOKYO/ループトーキョー」において、本件商標権者が卸した商品を販売していた(乙19~乙23)。 このように、本件商標権者とabsolute社との間には、卸売業者(本件商標権者)と小売業者(absolute社)という関係が存在するため、本件商標権者は、absolute社に対して、青色商品が本件商標権者の扱う商品であることを表示させるために、本件商標の使用を事実上許容していたものである。 通常使用権の法的性質は債権であるから、通常使用権者は、商標権者に対し使用を容認すべきことを請求する権利を有するにすぎない。 したがって、商標権者が、その商標を他人が使用していることを黙認していれば、黙示に許諾しているといえる。 また、今回のケースのように、乙第11号証に掲載されている青色商品は本件商標権者が卸売販売しているものであるため、品質についての誤認も生じない。 このように、本件商標権者はabsolute社に対して、本件商標に係る商標権についての通常使用権を許諾していたものと推認されるべきである。 エ 乙第11号証に掲載されている使用商標は、確かに両端が欠けているものであり、本件商標と同ーとはいえない。 しかしながら、これはZOZOTOWNの商品販売プラットフォームにabsolute社が本件商標を掲載する際、画像掲載フォームで予め定められた枠内に本件商標の画像が収まりきらなかっただけである。 このことは、両端が欠けている部分以外は、本件商標とその構成が一致し、本件商標の外観的な印象を損なうほどの変更は加えられていないことからも明らかである。 したがって、乙第11号証に掲載されている使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標である。 4 回答書3による主張 (1)当審における審尋 合議体は、被請求人に対し、審尋3にて、平成30年9月ないし11月頃に本件商標権者とabsolute社が取引関係にあったことはうかがわれるものの、上記時期は、「ROOP TOKYO」のウェブサイトの掲載日と推認される、同28年10月26日の約2年後のものであり、提出された証拠を総合してみても、両者が、当該ウェブサイトの掲載時に取引関係にあったことを確認できない旨の合議体の暫定的見解を示し、これに対する回答を求めた。 (2)回答書3による主張 ア 被請求人は、2016年10月26日前後に本件商標権者がabsolute社と取引関係にあったことを示す証拠として、乙第28号証ないし乙第32号証を提出する。 乙第28号証は、本件商標権者からabsolute社へ宛てた平成28年9月30日締切分の納品書の写しであり、その第2頁の左下段には「8月委託販売分」の記載があり、平成28年8月から9月にかけて、absolute社が、本件商標権者の商品を委託販売していた事実がうかがえる。 なお、この納品書は販売管理ソフト「弥生販売」(弥生株式会社)の出カフォーマットにしたがっている。 乙第29号証は、本件商標権者からabsolute社へ宛てた平成28年10月31日締切分の納品書の写しであり、その第2頁の左中段には「9月委託-販売分」の記載があり、平成28年9月から10月にかけて、absolute社が、本件商標権者の商品を委託販売していた事実がうかがえる。 なお、この納品書は販売管理ソフト「弥生販売」(弥生株式会社)の出カフォーマットにしたがっている。 乙第30号証は、本件商標権者からabsolute社へ宛てた平成28年10月31日締切分の納品書の写しであり、その第9頁の左最下段には「10月委託販売分」の記載があり、平成28年10月から11月にかけて、absolute社が、本件商標権者の商品を委託販売していた事実がうかがえる。 なお、この納品書は販売管理ソフト「弥生販売」(弥生株式会社)の出カフォーマットにしたがっている。 乙第31号証は、平成27年3月12日から令和3年4月22日にかけて、本件商標権者がabsolute社に委託販売した商品の売上を集計した得意先別売上明細表の写しである。 ここで、乙第31号証の第26頁の「日付」欄に「28.09.02」と記載され、第33頁の「日付」欄に「28.12.27」と記載されていることから、少なくともZOZOTOWNのウェブサイトの「ROOPTOKYO/ループトーキョー」(乙11)の掲載時期である2016年10月26日の前後数か月間に、本件商標権者とabsolute社との間で取引関係があったことが推認できる。 なお、この得意先別売上明細表は販売管理ソフト「弥生販売」(弥生株式会社)の出カフォーマットにしたがっている。 乙第32号証は、被請求人が税務署に提出した平成29年4月期(平成28年5月1日~平成29年4月30日)の売掛金補助元帳の写しである。 売掛金元帳は取引先ごとに売掛金勘定を分類し記帳するものであり、この売掛金補助元帳はabsolute社についてのものである。 この売掛金補助元帳からも明らかなように、ZOZOTOWNのウェブサイトの「ROOPTOKYO/ループトーキョー」(乙11)の掲載時期である2016年10月26日を含む、平成28年5月1日ないし同29年4月30日の時期中、本件商標権者がabsolute社と取引していたことが確認できる。 イ absolute社が本件商標権者から通常使用権を得ていることを推認し得る事情 上記証拠書類に基づき、ZOZOTOWNのウェブサイトの「ROOPTOKYO/ループトーキョー」(乙11)の掲載時期である2016年10月26日に、absolute社が本件商標権者から通常使用権を得ていることを推認し得る事情について説明する。 本件商標権者とabsolute社との間に、明示的な使用許諾契約は存在しない。 しかしながら、2016年10月26日に、absolute社が運営するECサイト「ROOPTOKYO/ループトーキョー」を通じて、本件商標権者が卸した商品を販売していた事実が認められ、また、乙第28号証ないし乙第32号証において明らかなように、2016年10月26日を含む前後の期間において、本件商標権者とabsolute社との間で継続的な取引関係が認められる。 このように、本件商標権者とabsolute社との間には、卸売業者(本件商標権者)と小売業者(absolute社) という関係が存在するため、本件商標権者は、absolute社に対して、青色商品が本件商標権者の扱う商品であることを表示させるために、本件商標の使用を事実上許容していたものである。 通常使用権の法的性質は債権であるから、通常使用権者は、商標権者に対し使用を容認すべきことを請求する権利を有するにすぎない。 したがって、本件商標権者が、本件商標を他人が使用していることを黙認していれば、黙示に許諾しているといえる。 また、今回のケースのように、乙第11号証に掲載されている青色商品は本件商標権者が卸売販売しているものであるため、品質についての誤認も生じない。 以上を総合的に勘案すれば、absolute社は本件商標権者から通常使用権を得ていることを推認し得るものである。 第4 当審の判断 1 被請求人の立証責任 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。 すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、ア 要証期間に、イ 日本国内において、ウ 商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、エ 本件審判請求に係る指定役務のいずれかについての、オ 本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。 2 被請求人の主張及び同人が提出した乙各号証によれば、以下のとおりである。 (1)乙第1号証について 乙第1号証は、被請求人が、下げ札の全体を写した画像と主張するものであり、下げ札と思しき画像の右上にスマイル図形が描かれ、スマイル図形の下に「JackSon」の文字が記載されている。 なお、スマイル図形は、本件商標の特徴である黄色を基調とするものではない。 また、当該下げ札の作成日は明らかではなく、当該タグがいずれのどこに取り付けられたのかは確認することができない。 (2)乙第2号証について 乙第2号証は、有限会社GRAPHが本件商標権者あてに、2017年7月26日に発行した納品書であり、本号証の右上に「納品書」の記載、その下に「No.N00836」の記載、その下に「2017年7月26日」の記載、その下に「有限会社GRAPH」の記載、その下に「〒320-0837」の記載、「栃木県宇都宮市弥生1-3-6-101」の記載があり、本号証の左上に「〒253-0061」の記載、その下に「神奈川県茅ヶ崎市南湖4-16-8」の記載、その下に「(株)子供玩具研究所」の記載があり、表中の「品番・品名」の記載の下に「Original Tag」の記載、「数量」の記載の下に「25,000」の記載、「単価」の記載の下に「20」の記載、「金額」の記載の下に「500,000」の記載があるが、本件商標権者が、本件審判請求に係る指定役務を行っていたことを証明していない。 (3)乙第3号証及び乙第4号証について 乙第3号証及び乙第4号証は、被請求人が平成29年7月27日に作成したとするバスケットの仕様確認書であり、乙第3号証の左上部に「JACKSON MATISSE 仕様確認書(Take.1) 2018 Spring&Summer Collection」の記載、「Item NO:JZ18SS003」の記載、「DESCRIPTION:BALCOLORE×JM Multi-Basket M」の記載、「Designについて」の記載の下に「左写真参照/基本的には変更ありません」の記載、その左側に、スマイル図形のデザインのバスケットの写真が掲載されており、乙第4号証の上部に「JACKSON MATISSE 仕様確認書(Take.1) 2018 Spring&Summer Collection」の記載、「Item NO:JZ18SS004」の記載、「DESCRIPTION:BALCOLORE×JM Multi-Basket L」の記載、「Designについて」の記載の下に「左写真参照/基本的には変更ありません」の記載、その左側に、スマイル図形のデザインのバスケットの写真が掲載されているが、スマイル図形は、商品「バスケット」のデザインとして描かれているにすぎず、当該商品に使用される標章は、「JACKSON MATISSE」であることが確認でき、本件商標とは明らかに相違する。 (4)乙第5号証ないし乙第8号証について 乙第5号証は、被請求人が「SLOW LIFE」における本件商標権者の商品販売ページの写しと、乙第6号証は、被請求人が「gigile blog」における本件商標権者の商品を取り上げたブログ記事と、乙第7号証は、被請求人が「OCEANS」における本件商標権者の商品を取り上げた記事と、乙第8号証は、「JEANS FACTORY(ジーンズファクトリー)」公式サイトにおける本件商標権者の商品を取り上げた記事と主張するものであるが、これらの証拠に掲載されている商品「バスケット」には、スマイル図形がデザインとして描かれているものの、当該商品に使用される標章は、「Jackson Matisse ジャクソン マティス」(乙5)、「JACKSON MATISSE/ジャクソンマティス」(乙6)、「ジャクソン マティス」(乙7)及び「ジャクソンマティス」(乙8)であることが確認でき、本件商標とは明らかに相違する。 (5)乙第9号証及び乙第10号証について 乙第9号証及び乙第10号証は、被請求人がバスケットの受注リストと主張するものであり、乙第9号証において、「品番/JZ18SS003」の記載、「品名/BALCOLORE×JM Multi-Basket M」の記載及び「納期/2018年3月上旬」の記載があり、乙第10号証において、「品番/JZ18SS004」の記載、品名「BALCOLORE×JM Multi-Basket L」の記載及び「納期/2018年3月上旬」の記載がある。 (6)乙第11号証及び乙第21号証について 乙第11号証は、被請求人が清掃用具のひとつであるごみ箱がインターネットにおける商品販売ページに掲載されていたことを立証するとして提出された「ZOZOTOWN」における「ROOP TOKYO」のECサイトで、当該サイトには、「ROOP TOKYO」の標章が使用されている。 なお、本号証には、別掲3のとおり、両端の一部が切れた黄色基調のスマイル図形が掲載されているが、これがいかなる商品又は役務に使用されているのか明らかではなく、またこれが、特定の商品又は役務に使用する商標であると認定することもできない。 乙第21号証は、被請求人が「ROOP TOKYO」の会社概要が記載されたウェブサイトと主張するものであり、本号証の「販売業者」の欄に「株式会社absolute」の記載があることから、乙第11号証において、当該サイトの運営者の記載がないが、当該ECサイトはabsolute社が運営するECサイトであることが確認できる。 なお、被請求人は、当該ECサイトで、商品「ゴミ箱」の販売ページと主張しているが、商品「ごみ箱」に本件商標が使用されていることを何ら証明していない。 また、当該ウェブサイトで取引された商品に、本件商標の特徴である黄色を基調とするスマイル図形が使用されていることは確認できない。 さらに、当該ウェブサイトで使用されている標章は、「ROOP TOKYO」の欧文字であり、黄色を基調とするスマイル図形よりなる本件商標とは明らかに相違する。 (7)乙第13号証について 乙第13号証は、株式会社SLOW LIFEが2017年10月28日に発行した発注書であり、本号証の1葉目のタイトルに「発注書」の文字、その下に「JACKSON MATISSE」の文字が記載されている。 なお、これは、「SLOW LIFE」のECサイトで、本件商標権者の商品である「JACKSON MATISSE」の商標を使用する商品が取引されていたことを示すものであって、本件商標権者が本件審判請求に係る指定役務を行っていたことを証明するものではない。 (8)乙第14号証について 乙第14号証は、標題に「納品書」の記載がないが、被請求人が納品書と主張するものであり、本号証の上部に(「売上日 平成30年03月06日」の記載、左側に「(株)SLOW LIFE」の記載、右側に「(株)子供玩具研究所 JACKSON MATISSE事業部」の記載があり、要証期間に、本件商標権者の商品である「JACKSON MATISSE」の商標を使用する商品が、(株)SLOW LIFEに納品されたことを示すとしても、本件商標権者の商品である「JACKSON MATISSE」の商標を使用する商品が取引されていたことを示すにすぎず、本件商標権者が本件審判請求に係る指定役務を行っていたことを証明するものではない。 (9)乙第15号証ないし乙第18号証について 乙第15号証ないし乙第18号証は、本件商標権者が作成した「商品別売上明細表」を標題とするものであり、本件商標権者の商品が取引されていたことを示すものであって、本件商標権者が本件審判請求に係る指定役務を行っていたことを証明するものではない。 (10)乙第19号及び乙第20号証について 乙第19号証は、被請求人がabsolute社の担当者から本件商標権者に送信された電子メールと主張するものであり、乙第20号証は、乙第19号証の電子メールに添付されたファイルと主張するものである。 これらにより、absolute社と本件商標権者の取り扱う商品の取引が行われたことは推認できるが、本件商標権者が本件審判請求に係る指定役務を行っていたことを証明するものではない。 (11)乙第22号証について 乙第22号証は、標題に「納品書」の記載はないが、被請求人が納品書と主張するものであり、本号証の上部に「売上日 平成30年11月06日」の記載、左側に「(株)absolute 御中」の記載、右側に「(株)子供玩具研究所 JACKSON MATISSE事業部」の記載があり、要証期間に、本件商標権者の商品である「JACKSON MATISSE」の商標を使用する商品が、(株)absoluteに納品されたことを示すとしても、本件商標権者の商品である「JACKSON MATISSE」の商標を使用する商品が取引されていたことを示すにすぎず、本件商標権者が本件審判請求に係る指定役務を行っていたことを証明するものではない。 (12)乙第23号証について 乙第23号証は、本件商標権者が作成した「商品別売上明細表」を標題とするものであり、本件商標権者の商品が取引されていたことを示すものであって、本件商標権者が本件審判請求に係る指定役務を行っていたことを証明するものではない。 (13)乙第24号証について 乙第24号証の1は、被請求人がZOZOTOWNにおけるサイト内検索の出力結果と主張するものであり、乙第24号証の2は、被請求人が青色商品の紹介ページと主張するものであるが、青色商品に、本件商標の特徴である黄色を基調とするスマイル図形が使用されていることは確認できない。 また、本件商標権者が本件審判請求に係る指定役務を行っていたことを証明するものではない。 (14)乙第25号証ないし乙第27号証について 乙第25号証ないし乙第27号証は、被請求人が、青色商品は「ごみ箱」として販売されてることを立証するために提出した楽天ウェブサイトの検索結果(乙25)、Googleの検索結果(乙26)及びラバーメイド社製の商品紹介ページの一例の出力の結果(乙27)であるが、これらのサイトに掲載された青色商品に、本件商標の特徴である黄色を基調とするスマイル図形が使用されていることは確認できない。 また、本件商標権者が本件審判請求に係る指定役務を行っていたことを証明するものではない。 (15)乙第28号証ないし乙第32号証について 乙第28号証ないし乙第32号証は、被請求人が2016年10月30日前後に本件商標権者がabsolute社と取引関係にあったことを立証するとして提出したものであり、乙第28号証は平成28年9月30日締切分の納品書、乙第29号証は平成28年10月31日締切分の納品書、乙第30号証は平成28年11月30日締切分の納品書、乙第31号証は得意先別売上明細書、乙第32号証は平成29年4月期(平成28年5月1日~平成29年4月30日)の売掛金補助元帳であるが、これらの証拠は、本件商標権者の取扱う商品がabsolute社が運営する「ZOZOTOWN」における「ROOP TOKYO」のECサイト(乙11)で販売されたことを証明するにすぎず、本件商標権者が本件審判請求に係る指定役務を行っていたことを証明するものではない。 2 判断 (1)本件商標の使用者について 本件商標は、別掲1のとおり、黄色を基調とするスマイル図形であるところ、「バスケットの仕様確認書」(乙3、乙4)には、本件商標権者が取り扱う商品「バスケット」のデザインとして採用され、バスケットの受注リスト(乙9、乙10)には、バスケットの仕様確認書に基づき作成された商品が存在することは確認できるものの、バスケットの受注リストは、本件商標権者が作成したものであり、実際に、黄色を基調とするスマイル図形をデザインした商品「バスケット」が、「SLOW LIFE」のECサイト(乙5)、「gigile blog」(乙6)、「OCEANS」のECサイト(乙7)、「JEANS FACTORY(ジーンズファクトリー)」のECサイト(乙8)、「ZOZOTOWN」における「ROOP TOKYO」のECサイト(乙11)、楽天ウェブサイト(乙25)、Googleのウェブサイト(乙26)及びラバーメイド社のウェブサイト(乙27)において、実際に、取り扱われたことは確認できない。 また、本件商標権者の取り扱う商品「バスケット」等に使用される標章は、「Jackson Matisse ジャクソン マティス」、「JACKSON MATISSE/ジャクソンマティス」、「ジャクソン マティス」及び「ジャクソンマティス」等であることからすると、本件商標権者はもとより、上記の各ウェブサイトの管理運営者のいずれも、本件商標を使用していない。 さらに、「ZOZOTOWN」における「ROOP TOKYO」のECサイト(乙11)には、別掲3のとおりの黄色を基調とするスマイル図形が表示されているものの、当該図形が、具体的な商品や役務に識別力を有する商標として使用されていることが確認できない。 そうすると、本件商標は、その使用者が特定できず、本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが商標として使用しているとは認められない。 (2)使用役務について ア 商標法において保護対象となっている「小売等役務」とは、商品の品揃え、陳列、接客サービス等といった最終的に商品の販売により収益をあげる小売業者等の提供する総合的なサービス活動全体を一括りにして一つの小売等役務として保護されるものであるが、これらのサービスは、小売等の業務において商品販売に付随したサービスであることに変わりはなく、個々のサービス活動を独立したものとして個別に商標法上の役務として取り扱うものではない。 小売等役務の構成要素と考えられる商品の小売において小売業者が顧客に対して行う個々のサービス活動の代表的なものとして、顧客の商品選択の便宜のために、販売する商品のレイアウト等を工夫したカタログの提供、例えば商品「バスケット」の販売に関し、商品カタログへの商品の掲載方法を工夫することにより商品の選択の便宜を図ること等が挙げられる。 イ そこで、被請求人が提出した、「SLOW LIFE」のECサイト(乙5)、「gigile blog」(乙6)、「OCEANS」のECサイト(乙7)、「JEANS FACTORY(ジーンズファクトリー)」のECサイト(乙8)、「ZOZOTOWN」における「ROOP TOKYO」のECサイト(乙11)、楽天ウェブサイト(乙25)、Googleのウェブサイト(乙26)については、商品のレイアウト等を工夫して作成されていることから、商品「バスケット」等についての小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供を目的としたECサイトであると推認できる。 ウ しかしながら、各ECサイトの運営者と本件商標権者の関係が明らかではなく、また、各ECサイトを表示する商標として、黄色を基調とするスマイル図形である本件商標が使用されていることが確認できない。 そうすると、本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、本件審判請求に係る指定役務を提供しているとはいえない。 (3)使用商標及び使用標章について 本件商標権者が取り扱う商品には、「Jackson Matisse ジャクソン マティス」(乙5)、「JACKSON MATISSE/ジャクソンマティス」(乙6)、「ジャクソン マティス」(乙7)及び「ジャクソンマティス」(乙8)等の商標(以下これらをまとめて「使用商標」という。)が使用されており、使用商標は黄色を基調とするスマイル図形である本件商標とは明らかに相違する。 また、「SLOW LIFE」のECサイト(乙5)においては、「SLOW LIFE」の標章が、「OCEANS」のECサイト(乙7)においては、「OCEANS」の標章が、「JEANS FACTORY(ジーンズファクトリー)」のECサイト(乙8)においては、「JEANS FACTORY(ジーンズファクトリー)」の標章が、「ZOZOTOWN」における「ROOP TOKYO」のECサイト(乙11)には「ROOPTOKYO/ループトーキョー」の標章(以下これらをまとめて「使用標章」という。)が使用されており、使用標章は黄色を基調とするスマイル図形である本件商標とは明らかに相違する。 よって、本件商標と使用商標及び使用標章は、社会通念上同一の商標とはいえない。 (4)使用行為について 本件商標権者の取り扱う商品「バスケット」及び商品「ごみ箱」は、absolute社が運営する「ZOZOTOWN」における「ROOP TOKYO」のECサイト(乙11)等で販売されているにすぎず、この使用行為は、商品「バスケット」及び商品「ごみ箱」の譲渡にすぎず、本件審判請求に係る指定役務の範ちゅうには該当しない。 (5)小括 以上(1)ないし(4)のとおり、本件商標は、本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、要証期間に、これを商標として使用した事実は確認できず、本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、本件審判請求に係る指定役務を提供しているとはいえない。 また、本件商標と使用商標及び使用標章は社会通念上同一の商標とはいえず、さらに、本件商標権者の取り扱う商品「バスケット」及び商品「ごみ箱」は、本件審判請求に係る指定役務の範ちゅうに属するとは認められない。 その他、被請求人の提出した証拠を参照しても、本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、要証期間に、日本国内において、本件商標(社会通念上同一と認められるものを含む。)を本件審判請求に係る指定役務について使用したことを認めるに足る証拠は見いだせない。 3 被請求人の主張について (1)被請求人は、本件商標と社会通念上同一の範囲内にある商標が、本件審判請求に係る指定役務中の「清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について使用されていることは明白であり、かつ、かかる便益の提供が、本件審判の請求の登録前3年以内になされていることも明らかである旨主張する。 しかしながら、上記2(1)のとおり、本件商標は、これを商標として使用した事実は確認できないため、その使用者は特定できず、上記2(2)のとおり、本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、本件審判請求に係る指定役務を提供しているとはいえない。 また、上記2(3)のとおり、本件商標と使用商標及び使用標章が、社会通念上同一の商標とは認められず、上記2(4)のとおり、本件商標権者の取り扱う商品「バスケット」及び商品「ゴミ箱」は、本件審判請求に係る指定役務の範ちゅうには該当しない。 そうすると、本件商標と社会通念上同一の範囲内にある商標が、本件審判請求に係る指定役務中の「清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について使用されていることは明白であるとする主張は失当といわざるを得ない。 なお、仮に、本件商標権者の取り扱う商品「バスケット」のデザインとして使用された黄色を基調とするスマイル図形を商標として認識した場合であっても、あくまでも商品「バスケット」の出所表示として使用されたにすぎず、「清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について使用されているとはいえない。 (2)その他、被請求人の主張はいずれも採用できない。 4 むすび 以上のとおり、被請求人が提出した全証拠によっては、被請求人は、要証期間に、日本国内において、本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標又は本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、本件審判請求に係る指定役務のいずれかについて、商標法第2条第3号各号に規定する使用行為を行ったことを証明していない。 また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、本件商標についての登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2018-300957

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