審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
商標拒絶査定不服審判

2018-014086

フリーフロアー、フリー

審判番号
2018-014086
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2017-072200
請求日
2018年10月24日
審決日
2019年06月06日
公報発行日
2019年09月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】フクビ化学工業株式会社
  • 【請求人代理人】戸川 公二
  • 【請求人代理人】戸川 委久子
審判長/審判官
  • 審判長 早川 文宏
  • 審判官 榎本 政実
  • 審判官 大森 友子
分類
T18 .13 -Z (W0619) / T18 .17 -Z (W0619)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法3条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項、商標法第4条第1項第16号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

商願2017-72200拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は,成り立たない。

理由

【理 由】 1 本願商標 本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第6類「二重床用の床面レベルを調節する金属製支持脚」及び第19類「二重床の床面レベルを調節する合成樹脂製支持脚,二重床用の木製床パネル,二重床用の合成樹脂製床パネル,制振用のゴム製建築又は構築用の専用材料」を指定商品として,平成29年5月30日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由(要点) 原査定は,「本願商標は,『フリーフロアー』の文字を普通に用いられる態様により表示してなるところ,インターネット情報によると,本願の指定商品を取り扱う分野においては,『床組の一種で,支持脚を床全面に配置し,二重の床にすること』を『フリーフロア(フリーフロアー)』と称して広く取引されている実情からすれば,本願商標に接する需要者及び取引者は,それが,例えば『フリーフロアーに使用する支持脚』であることを理解し,その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるといえる。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記商品以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので,商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は,別掲1のとおり「フリーフロアー」の文字を,ややデザイン化された右に傾いた太字で書された構成からなるところ,この程度のデザイン化は,商品の表示として普通に採択,使用されるものであり,その構成が決して特殊な態様からなるものということはできないというのが相当である。 そして,原審において提示した事実(別掲2(1))に加え,当審における職権調査(別掲2(2))によれば,「フリーフロアー」の文字は,リフォーム工事や建築工事に関するウェブサイトにおいて,「建物のコンクリートのスラブとは別に設置する置き床」の名称として広く使用されている実情がある。 そうすると,「フリーフロアー」の文字は,建物のコンクリートのスラブとは別に設置する置き床の名称であることを表示するものとして一般的に使用されているものであって,本願の指定商品との関係においては,建物コンクリートのスラブとは別に設置する置き床用の商品,すなわち商品の用途を表示するものとして理解,認識されるというのが相当である。 したがって,本願商標は,商品の用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであり,商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)商標法第3条第2項の要件を具備するかについて 請求人は,「本願商標は,昭和54年(1979年)以降,現在に至るまで40年近く,請求人によって使用されてきた。」また,「請求人が『集合住宅の床下地システム』として,昭和63年(1988年)に『フリーフロアーKSS』を開発し販売してきたこと等をみれば,請求人は,『乾式二重床システム』のパイオニアであり,開発当初から本願商標を使用し続けている事情がある。・・・本願商標は,その指定商品について,請求人に独占使用を認める適応性があるというべきである。」旨を主張し,その主張に係る証拠として,甲第1号証ないし甲第37号証を提出した(証拠番号については,以降,証拠1を甲第1号証とし,以下の証拠番号についても同様とし,甲第1号証ないし甲第37号証と読み換える。)。 そこで,請求人提出の証拠の内容に照らし,本願商標が,使用をされた結果,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているか否かについて,以下検討する。 ア 本願商標の使用実績について 請求人の提出に係る証拠及びその主張によれば,以下のとおりである。 (ア)請求人について 請求人は,昭和28年(1953年)5月25日に設立された会社であり,事業内容は,建築資材の製造販売,樹脂製産業資材の製造販売を行っており,本社,及び支店は札幌から沖縄まで広く全国に及んでいる(甲6,甲36,甲37)。 (イ)本願商標の使用方法及び使用開始時期について 請求人は,昭和54年(1979年)の製品一覧表に本願商標又は「フクビ」の文字をやや小さく書して本願商標と一行に配した商標(以下「使用商標」という。)を「建物のコンクリートのスラブとは別に設置する置き床に使用する支持脚」(以下「使用商品」という。)に使用し,2017年(平成29年)9月に作成されたカタログ(「フクビ/CP-EP工法/シリーズカタログ:甲36)及びカタログ(「FUKUVI/建材総合カタログ/’17-‘18」:甲37)には,本願商標が使用されている。 具体的には,請求人は,本願商標又は使用商標を「‘79年の製品一覧表」(甲31)及びカタログ(「フクビ/CP-EP工法/シリーズカタログ」:甲36)に使用し,本願商標又は一般に用いられる書体で記載されている「フリーフロアー」の文字を「FUKUVI/建材総合カタログ/’17-‘18」:甲6,甲37)に使用し,本願商標,使用商標又は一般に用いられる書体で記載されている「フリーフロアー」の文字を雑誌の広告(「床の総合専門誌『ゆか』」,1988年1月,同年10月,1989年8月,1990年8月,同年12月:甲32,「日経アーキテクテュア」,1988年1月11日号,同月25日号,同年3月7日号,同月21日号,同年5月2日号,同月16日号,同年6月27日号,同年7月25日号,同年10月17日号,同年11月28日号,1989年1月9日号,同年2月6日号,同年3月6日号,同年4月3日号,同年5月1日号,同年6月12日号,同年7月10日号,同年8月7日号:甲33,「ゆかmonthly11月号増刊『フローリング騒音対策技術マニュアル(平成7年11月1日発行)』」:甲35)に使用している。 また,新聞記事(1988年9月29日,「日本経済新聞」,「日刊工業新聞」,「福井新聞」,「日刊福井」:甲34)には,一般に用いられる書体で記載されている「フリーフロアー」又は「フリーフロア」の文字を使用している。 したがって,請求人は,昭和54年(1979年)の製品一覧表、1988年(昭和63年)年ないし1990年(平成2年)の雑誌の広告,1988年(昭和63年)の新聞記事,平成7年(1995年)11月1日発行の雑誌及び2017年(平成29年)から2018(平成30年)年の建材総合カタログに,本件商標,使用商標,一般に用いられる書体で記載されている「フリーフロアー」又は「フリーフロア」の文字を,使用商品に使用している。 (ウ)広告宣伝の方法,回数及び内容について a 請求人は,請求人の製品一覧表及びカタログに本願商標,使用商標又は一般に用いられる書体で記載されている「フリーフロアー」の文字を使用している(甲31,甲36,甲37)。 b 請求人は,1988年(昭和63年)及び1990年(平成2年)の雑誌の広告(「床の総合専門誌『ゆか』」,「日経アーキテクテュア」)並びに,平成7年(1995年)11月1日発行「ゆかmonthly11月号増刊『フローリング騒音対策技術マニュアル』」の雑誌に合計24回の広告を掲載し,これらに本願商標,使用商標又は一般に用いられる書体で記載されている「フリーフロアー」の文字を使用している(甲32,甲33,甲35)。 c 請求人は,1988年(昭和63年)9月29日の新聞記事(「日本経済新聞」,「日刊工業新聞」,「福井新聞」,「日刊福井」)にそれぞれ,新聞記事中に「フリーフロアーKSS(フリーフロアKSS)」の文字や「フリーフロアー(フリーフロア)」の文字を一般に用いられる書体で使用している(甲34)。 しかしながら,上記製品一覧表及びカタログには,本願商標が使用されているが,雑誌の広告には,本願商標が,1988年(昭和63年)ないし1990年(平成2年)の3年間で,これらの中に本願商標が単独で使用されているものは少なく,掲載されている商標のほとんどが会社名である「フクビ」の文字と共に「フリーフロアー」の文字が使用されている使用商標である。 (エ)売上高について 請求人は,本願商標の指定商品に係る売上高,生産,販売数量,市場シェア及び広告宣伝費等について確認できる証拠は提出していない。 イ 本件商標がいわゆる使用による特別顕著性を獲得しているかについて 上記アによれば,請求人は,建築資材の製造販売,樹脂製産業資材の製造販売業として,昭和54年(1979年)以降,断片的に本願商標及び使用商標をカタログや雑誌の広告の一部等に使用していることは認められるが、継続的に使用しているとは認めらない。 また,請求人は,広告宣伝(雑誌)においては,使用商標を使用商品に多く使用していることが認められる。 そして,雑誌の広告においては、本願商標と同じ書体で「フクビ」の文字をやや小さく書して本願商標の前に一連に一行で「フクビフリーフロアー」(使用商標)の文字を使用しているものがほとんどであり,単独で本願商標を使用しているものは,請求人の製品一覧表及びカタログに使用されている3件と,3年間(1988年~1990年)における雑誌の広告の一部に使用されているのみである。 また,請求人は,本願商標の指定商品に係る売上高,生産,販売数量,市場シェア及び広告宣伝費等の証拠は提出していない。 さらに,上記(1)のとおり,「フリーフロアー」の文字は、「建物のコンクリートのスラブとは別に設置する置き床」の名称として広く使用されている実情がある。 以上よりすると,本願商標は,これに接する取引者,需要者をして,これが何人かの業務に係る商品であることを認識させるということはできず,本願商標についての需要者の認識を客観的に把握することもできないことから,本願商標が使用された結果,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものとは認められないから,本願商標が,商標法第3条第2項の要件を具備するものではない。 (3)請求人の主張について ア 請求人は,「本願商標の構成は,丸みを帯びた太文字斜体の片仮名7文字が,上下の仮想線の間隔内にピッタリ収まるように同書同大等間隔に配されている。上下の仮想線を二重床のラインに見立てると,二重床の間隔に配された斜字の片仮名7文字が上下の床の間を支えているように見ることができ,本願指定商品である『二重床の床面レベルを調節する支持脚』を表現したものと見られる構成であって,非常にユニークな外観を呈する。」旨を主張している。 しかしながら,本願商標のようにやや右に傾いた太字の文字は,本願の指定商品に係る建築工事業界において,この程度のデザイン化は,商品の表示として普通に採択,使用されるものであり,その構成が決して特殊な態様からなるものということはできないというのが相当である。 そして,請求人が,どのような意図をもって本願商標を採択したものとしても,本願商標がそのような意図に添ってのみ本願商標を取引者,需要者が理解,認識するものともいい難い。 イ 請求人は,「本願商標は,『フリーフロアー(FREE FLOOR)』,即ち,『Free』(自由な,障害のない,制約・負担のない)と,『FLOOR』(床,床面)を組み合わせて,「自由な制限を受けない床面」,ひいては,「広がりにおいても,間隔や高さにおいても無制限で自由な床」をイメージしてネーミングした造語商標である。」旨を主張している。 しかしながら,たとえ,「フリーフロアー」の文字が,請求人に係る一種の造語だとしても,上記(1)のとおり,原審において提示した事実及び当審における職権調査によれば,「フリーフロアー」の文字は,リフォーム工事や建築工事に関するウェブサイトにおいて,「建物のコンクリートのスラブとは別に設置する置き床」の名称として使用されている実情があるから,本願商標に接する取引者,需要者は,これが「フリーフロアーに使用する支持脚」であることを理解し,その商品の用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるといえる。 ウ 請求人は,「本願商品の取引者・需要者は,『乾式二重床』構造を必要とする大型集合住宅の建築を請け負う建築業者であって,いわゆる大手の建築会社(ゼネコン等)が主たる取引者・需要者に当たり,戸建て建築を請け負う工務店や大工は通常含まれないことになる。」旨を主張している。 しかしながら,上記(1)のとおり,原審において提示した事実及び当審における職権調査によれば,「フリーフロアー」の文字は,リフォーム工事や建築工事に関するウェブサイトにおいて,「建物のコンクリートのスラブとは別に設置する置き床」の名称として使用されている実情があるから,たとえ,請求人が主張するように「戸建て建築を請け負う工務店や大工は通常含まれない」としても,リフォーム工事や建築工事においては,これに係る建築業者は「建物のコンクリートのスラブとは別に設置する置き床」の名称として理解,認識するものである。 エ 請求人は,「・・・上記7つの登録例は,いずれも片仮名部分『フリーフロアー』を含み,そのうち,商標登録第6016638号『フリーフロアー/MPR』と,商標登録第6016642号『フリーフロアー/MPF』とは,本願商標と同一の態様の片仮名部分『フリーフロアー』を含んでいる。・・・片仮名『フリーフロアー』と英大文字3文字部分とから構成される結合商標であるところ,英文字部分は,アルファベット3文字の簡単な構成であって,商品の型番を示す部分と考えられるので識別力は弱く,出所表示の識別力を専ら発揮するのは,『フリーフロアー』の部分であるというべきである。・・・商標登録第6016638号『フリーフロアー/MPR』と,商標登録第6016642号『フリーフロアー/MPF』は,いずれも平成30年2月2日というごく最近の登録例であって,しかも本願商標とほぼ同じ態様の『フリーフロアー』を含んだ商標である。本願商標がそれ自体で識別力を有する商標であることは,これら登録例から明らかである。」旨を主張している。 しかしながら,請求人は,自社が所有する7つ登録例を挙げて,本願商標も「フリーフロアー」の文字部分が出所表示の識別力を発揮する部分であると主張するが,商標の登録の判断は,その案件ごとにおいて個別具体的に判断されるべきものであるところ,上記登録例は,商標の具体的構成等において本願商標とは事案を異にするものであり,本願商標については,上記(2)においてした判断のとおりであるから,当該登録例をもってその判断が左右されるものではない。 オ 請求人は、審判請求書において,本件の拒絶理由通知書に引用された証拠は,請求人の主要な取引先の一つであったり、請求人の商品を紹介したものであったり、請求人の顧客の記事であり、すべて、請求人の商品に関する記事であるから,これらの証拠から,取引者,需要者が「フリーフロアー」の名称を「床組の一種で、支持脚を床全面に配置し、二重床とすること」として広く一般に使用されていることの根拠にはならない旨を主張している。 しかしながら,本件の拒絶理由通知書で引用した上記証拠からは,請求人とこれらの社の関係を示す記載はなく,取引関係者等であるかは上記証拠からは不明であり、仮に,そうであったとしても,他の証拠からは,本願商標が「建物のコンクリートのスラブとは別に設置する置き床」であることを表していることから,リフォーム工事や建築工事においては、上記のものを示すものとして一般に使用されているものである。 カ したがって,上記請求人の主張は,いずれも採用することができない。 (4)まとめ 以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,かつ,同条第2項に規定する要件を具備するものではないから,登録することができない。 よって,結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2018-014086

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存