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商標拒絶査定不服審判

2018-012897

審判番号
2018-012897
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2017-007646
請求日
2018年09月28日
審決日
2021年07月21日
公報発行日
2022年01月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】アマゾン テクノロジーズ インコーポレイテッド
  • 【請求人代理人】田中 克郎
  • 【請求人代理人】稲葉 良幸
  • 【請求人代理人】押野 雅史
  • 【請求人代理人】廣中 健
  • 【請求人代理人】小林 彰治
  • 【請求人代理人】小林 奈央
審判長/審判官
  • 審判長 岩崎 安子
  • 審判官 小田 昌子
  • 審判官 茂木 祐輔
分類
T18 .15 -Z (W093536394142434445) / T18 .91 -Z (W093536394142434445)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項5号商標法6条1項商標法6条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第6条第1項、商標法第3条第1項第5号、特許法第150条第5項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2017-7646拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は,成り立たない。

理由

理 由 第1 本願商標 本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第9類,第35類,第41類,第42類及び第45類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とし,2016年7月29日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,平成29年1月30日に登録出願されたものである。その後,指定商品及び指定役務については,原審における同30年1月10日受付及び当審における同年11月8日受付の手続補正書により,第9類,第35類,第36類,第39類,第41類,第42類,第43類,第44類及び第45類に属する別掲2のとおりの商品及び役務に補正されたものである。 第2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は,以下のとおり認定,判断し,本願を拒絶したものである。 1 商標法第6条第1項について 本願に係る指定商品又は指定役務のうち,第9類「音声で制御されアプリを通じて提供されるサービスを統合するスタンドアローン型パーソナルアシスタントデバイス,スマートオーディオスピーカー,スタンドアローン型の音声で制御される情報機械器具及びパーソナルアシスタントデバイス用のコンピュータソフトウェア」は,その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。したがって,本願は,商標法第6条第1項の要件を具備しない。 2 商標法第6条第1項及び第2項について 本願に係る指定役務のうち,第45類「他人のためのパーソナルコンシェルジュサービス」は,その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められないものであり,また,そのため,本願は,政令で定める商品及び役務の区分に従って第45類の役務を指定したものと認めることもできない。したがって,本願は,商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しない。 3 商標法第3条第1項第5号について 本願商標は,願書の商標記載欄の5枚の図面,動き商標である旨の記載,及び商標の詳細な説明の記載から把握されるところ,これらの記載及び標章が時間の経過に伴って変化する状態を考慮すると,変化する状態が軌跡として線で表されることで円形の標章が描かれるものであり,また,このような円形は,輪郭として一般的に用いられるものであるから,本願商標は,極めて簡単で,かつ,ありふれた標章のみからなる商標である。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第5号に該当する。 第3 当審における証拠調べ通知 本願商標が商標法第3条第1項第5号に該当するか否かについて,職権に基づく証拠調べをした結果,別掲3に示すとおりの事実を発見したので,同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,請求人に対して,令和3年2月4日付け証拠調べ通知書によって通知し,期間を指定して,これに対する意見を求めた。 第4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要旨 1 色彩を有する線が現れ,時間と共に変化し円形等の標章が描かれる事例又は当該色彩が変化する事例について 別掲3(1)ア~エ及びカの事例は,本願商標の動きとは異なるものであり,また別掲3(1)オの事例は,点滅を繰り返す過程において,点滅一回の中の光の動きや変化を捉えて他と比較することは不可能であるから,これらの事例をもって,本願商標の動きがありふれたものであることや,自他商品及び役務の識別力がないことにはならない。 2 パソコン等での待ち受け画面に使用されるアニメーション画像(ローディング画像)の種類が分かるインターネット情報について (1)「みんなの知識 ちょっと便利帳」のウェブサイト(別掲3(2)ア)に掲載されているローディング画像について,上から9段目左側の図形は,円の下端部から上端部に向かって線が伸びていき,上端に達すると同時に消滅し,即座に,逆に上端から下端に向かって,線が伸びていき,下端に達すると同時に消滅し,また円の下端部から上端部に向かって線が伸びていくという動きが反復連続するというものであるが,本願商標のように色彩と結合した標章ではなく,また本願商標には同じ動きが反復するという要素はなく,一回限りの一連の特徴ある動きによって構成されるものであるなど,いずれの画像も本願商標の動きとは異なる。 (2)「Preleaders.net」のウェブサイト(別掲3(2)イ)に掲載されているローディング画像は,165種類あり,これらすべてが実際に使用されているか不明であり,また本願商標と同じ動きの画像は3つのみであるから,本願商標の動きは市場において珍しいというべきである。 第5 当審の判断 1 商標法第6条第1項及び第2項について 本願は,上記第2の1及び2に係る指定商品及び指定役務について,上記第1のとおり補正された結果,商品及び役務の内容及び範囲が明確なものになったと認められる。 その結果,本願の指定商品及び指定役務は,商標法第6条第1項及び第2項の規定の要件を具備するものとなった。 2 商標法第3条第1項第5号該当性について (1)本願商標について 本願商標は,別掲1のとおり,時間の経過に伴う標章の変化の状態を示す5枚の図からなる動き商標である。商標の動きは,中央から両端に向かって濃い青色から水色になるグラデーションで表された短い線が現れ(図1),当該線の両端が左右対称に曲線を描きながら上昇し,やがて頂点部分で接続して円形の輪郭が形成される(図2~図4)。また,当該線の色は,円形の輪郭の下側から上側に向かって濃い青色から濃い紫色へと徐々に変化し,最終的に全体が濃い紫色となる(図2~図5)。 そして,これらの動きは,全体として約1秒である。 (2)本願商標を構成する標章及びその動きについて ア 商取引における円形の輪郭 レンズ,ランプ,スピーカー,ボタン(スイッチ)等,本願の指定商品又は指定役務を取り扱う業界をはじめ,多くの商品や商品の包装,役務の提供の用に供する物(以下,「商品等」という。)の形状若しくはその構成物(パーツ),商品等に施された図形や模様又は商品等に投影される画像等に円形の輪郭が使用されており,商取引において円形の輪郭が一般的に用いられている。また,機能上又は装飾上の観点から,円形の輪郭部分に色彩が施されることも多々あるというべきである。 イ 円形の輪郭の動きについて 別掲3(1)に示す事実からすれば,商品等の形状等において,色彩を有する線等が,時間の変化と共に動きを伴って変化して円形の輪郭を形成し,またその色彩が変化する手法が用いられていることが確認できる。そして,円形の輪郭を形成するものは,一本の線からなるもの,複数の線からなるもの(別掲3(1)エ),複数の球状のものからなるもの(同ウ)等があり,またその動きについても,一方向に動くもの(同ウ),複数の線のうちその一つの線に変化があるもの(同エ),円を形成する過程が本願の動きの過程と共通するもの(同オ),本願と同様の動きをするもの(同エ(ア),カ),色彩が複数の色に不規則に変化するもの(同イ),複数の線が現れて最終的に一つの円を形成するもの(同ア)がある。 また,パソコン等での待ち受け画面に使用されるアニメーション画像(ローディング画像)は,日常業務や日常生活において多く触れるものであるところ,ローディング画像は,様々な形状及び動きからなるものが見られるものの,別掲3(2)で確認できるように,多くが円の軌跡を描く等により円形又は円状の輪郭を形成するものである。そして,画像を構成する形状は,一本の線や複数の線,複数の球体によって構成されたもののほか,複雑な形状によるものなど多様にあり,また,その動きに関しても,一方向に動くもの,本願と同様の動きを見せるもの(別掲3(2)イ(1頁あたり32画像で表示したときの(以下,別掲3(2)イにおいて同じ。)3頁目,上から1段目,左から1列目のもの,同じく上から3段目,左から1列目のもの)),本願と同様の動きをした後,上から下に逆の動きをし,それを上下に繰り返すもの(同ア(上から9段目,左側のもの),イ(4頁目,上から1段目,左から1列目のもの)),複数の線が異なる方向に回転するもの(同ア(上から7段目,右側のもの),同イ(3頁目,上から4段目,左から2列目のもの)),線が伸びることで輪郭を形成するもの(同ア(上から6段目,左側のもの)),円状を構成する複数の線の色が順番に灰色から黒色に変化して最終的に黒色の円状を形成するもの(同ア(下から1段目,左側のもの)),複数の球状のものの大きさが変化することで全体が弧を描いているように描写するもの(同イ(1頁目,上から1段目,左から4列目のもの)),一部が欠けた線が回転しているとも,黒色線上を白色線が移動しているとも捉えられるもの(同イ(3頁目,上から4段目,左から1列目のもの))等様々である。 以上よりすれば,本願商標の動きと同様のものも含め,線等による円形の輪郭の形成や,輪郭の色彩の変化など,円形の輪郭に関する多様な動きが商取引において見られ,また,日常的に触れるローディング画像では,円形又は円状の輪郭を形成するものが多く見られ,かつ,構成する線等について多様な形状や動きが見られる。そうすると,何らかの動きを伴う円形の輪郭等は,商取引や日常生活において様々な形で存在しているというべきであり,本願の指定商品及び指定役務の取引者,需要者をはじめ,多くの者にとって見慣れたものというべきである。 ウ 本願商標を構成する標章及び標章の動き(変化) 本願商標は,標章の変化によって最終的に円形の輪郭を形成するものであるところ,その標章は一本の線よりなり,その線の太さは一定であり,最終的に形成される輪郭も単純な円である。 そして,標章の変化は,下から現れる短い線が左右に伸びて上昇し円形の輪郭を形成するものであるが,その変化は,左右対称に,左右が同一,かつ,一定の速度でなされるものであり,不規則に変化するような複雑なものではない。 そうすると,上記イのとおり,商取引や日常生活において,本願商標と同様の動きも含め,様々な形状や動きで形成される円形の輪郭等が多く見られることからすれば,本願商標は,その構成する標章は一本線であって,その標章の変化も格別特異なものではなく,むしろイの状況に照らせば単純というべきである。そして,最終的に形成される形状は円形の輪郭であり,上記アの実情に照らせば単純な円形の輪郭というべきである。 さらに,本願商標の色彩の変化は,水色から青色,紫色に変化をするものであるが,いずれの色彩も青色系統であり,その色彩の変化が強く印象に残るほど特徴的なものとはいい難い。 以上よりすれば,本願商標を構成する標章及びその動き(変化)は,単純な円形の輪郭を単純な動きで形成するものというべきである。 エ 本願商標の動きに要する時間 動き商標が自他商品又は自他役務の識別力を有するか否かは,動き商標を構成する図形等の標章と,その標章が時間の経過に伴って変化する状態とを総合して商標全体として考察すべきと考えられるところ,その考察にあたっては,各図それぞれの態様や各図間の変化の状態に加え,全体に要する時間をも考慮して考察すべきと考える。 そこで考察するに,本願の「商標の詳細な説明」によれば,本願商標は,一連の動き全体に要する時間は約1秒である。このようなわずか1秒の間に,本願商標の各態様の変化を子細に捉えるのは困難というべきであり,看者にしてみれば,一瞬のうちに円形の輪郭が形成された状態を認識するにとどまるというのが相当であるから,本願商標に接する取引者,需要者が本願商標を構成する標章の動きに着目し,またその動きが取引者,需要者の印象に残るとはいい難いというべきである。 (3)小括 上記(2)よりすれば,本願商標は,単純な円形の輪郭を,単純な動きによって形成するものであり,色彩の変化も特徴的なものとはいえない。しかもその動きは,わずか1秒間になされるものであるから,本願商標に接する取引者,需要者は,本願商標の円形の輪郭が形成されるまでの動きに着目するというよりは,円形の輪郭が一瞬のうちに形成されたことを認識するにとどまるというのが相当である。 そうすると,本願商標は,商標を構成する標章と,その標章が時間の経過に伴って変化する状態とを総合して考察すれば,全体として,極めて簡単で,かつ,ありふれた標章のみからなるものというべきである。 したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第5号に該当する。 3 請求人の主張について (1)請求人は,本願商標は円形の輪郭のみからなるものではなく,標章の動きの態様にその特徴がみられるものであり,本願商標の構成中において自他商品又は自他役務の識別機能を発揮する要部というべき部分は,時間の経過に伴う標章の変化にある旨を主張する。 しかしながら,上記2のとおり,本願商標を構成する標章及びその動き,色彩の変化は,他の事例と比較してもむしろ単純というべきものである。そして,本願商標の動き全体に要する時間は約1秒であり,しかも,本願商標を構成する図の数は5であることからすれば,約1秒の間に複数標章が変化していくことが認識されるというよりは,円形の輪郭は一瞬のうちに形成されることが認識されるというべきであるから,その動きが時間差を伴って看者の印象に残ることはないというべきである。 (2)請求人は,本願商標の動きは,時計回り又は反時計回りのように,ありふれた,容易に予想可能な単純な動きではなく,本願商標に特有の,特徴あるものである旨主張する。 しかしながら,上記2で示す事例のように,本願商標と同様の変化を伴うものも確認されるばかりか,本願商標の動きと比較して複雑なものもあり,またそのようなものが自他商品又は自他役務の識別標識として機能しているという事情も見られないことから,本願商標の標章及びその動きが特段特徴的であると認めることはできない。 (3)したがって,請求人の主張は,いずれも採用することはできない。 4 まとめ 以上のとおり,本願商標は,商標法第6条第1項及び第2項の規定の要件を具備するとしても,商標法第3条第1項第5号に該当するから,これを登録することはできない。 よって,結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

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2018-012897

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