商標拒絶査定不服審判
2018-012477
エイエフワン、エイエフイチ
- 審判番号
- 2018-012477
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2016-050237
- 請求日
- 2018年09月18日
- 審決日
- 2019年12月16日
- 公報発行日
- 2020年02月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ナイキ イノベイト シーブイ
- 【請求人代理人】特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 木村 一弘
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T18 .15 -WY (W25) / T18 .17 -WY (W25)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第5号、商標法第3条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
商願2016-50237拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。
理由
【理 由】
1 本願商標
本願商標は,「AF1」の文字を標準文字で表してなり,第25類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成28年5月9日に登録出願されたものである。
その後,当審における平成30年9月18日付けの手続補正書により,その指定商品は,第25類「履物,運動用特殊靴」と補正された。
2 原査定の拒絶の理由
本願商標は,「AF1」の文字を標準文字で表示してなるところ,その構成文字は,ローマ字の2字「AF」の次に数字1字「1」を組み合わせてなるから,極めて簡単で,かつ,ありふれた標章のみからなる商標に該当する。
また,本願商標の指定商品を扱う業界において,上記構成のように,欧文字2字及び数字1字を組み合わせた表示は,商品の規格,品番等を表示するものとして使用されている。
そうすると,欧文字2字及び数字1字から構成される本願商標を,その指定商品に使用しても,これに接する需要者,取引者は,その商品の規格,型式又は品番等を表示するための記号・符号の一類型を表示したものと認識するにとどまり,自他商品の識別標識とは認識し得ない。
そのため,本願商標は,商標法第3条第1項第5号に該当する。
3 当審における審尋
当審において,本願商標は,その需要者,取引者をして,単に商品の品番,型番,等級等を表すための記号,符号の一類型を表したものと理解されるにとどまるものであって,極めて簡単で,かつ,ありふれた標章のみからなる標章であるから,商標法第3条第1項第5号に該当する旨,加えて,同法第3条第2項に基づく主張をするのであれば,その主張立証をするよう審尋し,請求人に回答を求めた。
4 審尋に対する請求人の回答
請求人は,上記3の審尋に対して,本願商標が商標法第3条第1項第5号に該当するものではないこと,仮に該当するにしても,請求人による使用実績から,同法第3条第2項の規定に該当することを主張し,それを証明するための証拠を提出した。
5 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第5号該当性
本願商標は,「AF1」の文字を標準文字で表してなるところ,欧文字2字と数字1字を字間なく横並びに配置したもので,その書体や表示態様に特段の特徴はない。
そして,「一般に,欧文字や数字は,製品や役務の管理のための符号として用いられることがあること,欧文字と数字の組合せも上記の符号として用いられることがあることは,公知の事実」(平成19年(行ケ)第10050号,平成19年10月31日知財高裁判決)であり,現に,本願商標の指定商品のような履物等と関連する商品分野においても,例えば「AF1」,「AI1」,「AH1」,「AB1」などのように,欧文字2字と数字1字の結合が,商品の管理の便宜のため,型式,規格等を表すものとして用いられている。
そうすると,本願商標は,特段特徴を有しない書体(標準文字)で表されていることも相まって,これに接する需要者,取引者をして,単に商品の品番,型番,等級等を表すための記号,符号の一類型を表したものと理解されるにとどまるものであって,極めて簡単で,かつ,ありふれた標章のみからなる標章である。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第5号に該当する。
(2)本願商標の商標法第3条第2項該当性
ア 請求人の主張及び提出証拠によれば,本願商標と関連して,以下の事実が認められる。
(ア)請求人は,1982年に米国で「AIR FORCE 1」の名称のシューズ(以下「請求人商品」という。)を発売し,毎年新製品を販売するなど,現在に至るまで37年間にわたり,世界各国で同製品の製造,販売を行っている(甲45の1,2)。
我が国において,請求人商品は,遅くとも1994年から,全国に所在する店舗で販売されている(甲45の1,2)。
(イ)請求人商品の我が国における売上げは,26年間(1994年~2019年)で約5億9千万米ドル(約649億円。1ドル110円で試算。)とされる(甲45の1,2)。
(ウ)本願商標は,請求人商品の名称の頭文字となる欧文字及び数字により構成されており,例えば,「AF1 Newspaper(エア フォース 1 ニュースペーパー)」,「AF1(エアフォース1)」などのように略称として使用される場合(甲6の1,甲20),「SF AF-1」,「AF-1 LOW NBA」,「AF1 レベルXX」,「AF1 ラバーXX」,「AF1 エクスプローラー XX」,「AF1 セージXX」,「AF1 ULTRA FLYKNIT」などの請求人の製造,販売する靴の名称と関連して使用される場合(甲7,甲16,甲23の1,3,5,7,甲24の1),請求人の製造,販売する靴の一部(シューレースのタグ,シューズのタン,バックステイなど)に「AF1」又は「AF-1」の文字が表示される場合(甲16)がある。
イ 以上によれば,請求人商品は,我が国において25年以上にわたり,全国的に継続して販売され,その売上げは発売以降,約649億円にも達するなど,大規模な販売実績があるもので,我が国において請求人の取り扱う代表的な商品の一つとして広く知られている商品といえる。そして,本願商標は,請求人商品の名称の頭文字からなり,請求人商品の略称や,請求人商品の派生商品の名称として採択され,請求人商品にもロゴとして表示される場合もあることをも踏まえると,本願商標に接するその指定商品に係る需要者をして,その文字を単なる商品の品番や型番などの表示ではなく,広く知られた請求人商品の略称又はその派生商品の名称であることを想起させる程度には知られているというべきである。
そうすると,本願商標は,請求人による使用の結果,需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識することができるに至っているものだから,商標法第3条第2項の要件を具備する。
(3)結論
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第5号に該当するものの,同法第3条第2項の要件を具備する。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2018-012477