特許拒絶査定不服審判
2018-006252
試料の画像形成のためのシステム
- 審判番号
- 2018-006252
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-077835
- 請求日
- 2018年05月08日
- 審決日
- 2020年03月03日
- 公報発行日
- 2020年09月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション
- 【請求人代理人】正林 真之
- 【請求人代理人】林 一好
- 審判長/審判官
- 審判長 伊藤 昌哉
- 審判官 福島 浩司
- 審判官 東松 修太郎
- 分類
- P18 .121-WZ (A61B) / P18 .113-WZ (A61B) / P18 .536-WZ (A61B) / P18 .537-WZ (A61B) / P18 .575-WZ (A61B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2016- 77835「試料の画像形成のためのシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 9月15日出願公開、特開2016-165478〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、2005年(平成17年)11月2日(パリ条約による優先権主張 2004年11月2日 米国)を国際出願日として出願した特願2007-539336号の一部を、平成24年8月21日に新たに出願した特願2012-182412号の一部を、さらに平成26年12月16日に新たに出願した特願2014-254146号の一部を、さらに平成28年4月8日に新たに出願したものであって、平成29年3月27日付けで拒絶理由が通知され、同年7月3日付けで意見書及び手続補正書が提出され、同年12月26日付けで拒絶査定されたところ、平成30年5月8日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。その後当審において平成31年3月14日付けで拒絶理由が通知され、令和元年6月6日付けで意見書及び手続補正書が提出され、当審において同年6月20日付けで拒絶理由(最後)が通知され、同年12月19日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 令和元年12月19日付け手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和元年12月19日付け手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)
「 【請求項1】
試料の画像を形成するためのシステムであって、
電磁放射を生成する放射源と、
前記電磁放射に関連する少なくとも1つの信号を受信する第1の光ファイバ及び第2の光ファイバであって、前記第2の光ファイバが回転可能とされたファイバと、
前記第1の光ファイバの遠位端及び前記第2の光ファイバの近位端に設けられる光学装置部と、
前記光学装置部の位置を制御して前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの長手方向の軸を少なくともそれらの端部で位置合わせすることを可能にする位置合わせ装置部であって、前記位置合わせ装置部は、
前記光学装置部を囲むハウジングであって、前記ハウジングに前記第2の光ファイバの近位端及び遠位端が内蔵された前記ハウジング、及び
内部に前記第2の光ファイバが配置される管状構造体と、を含み、
前記管状構造体は、前記ハウジングに内蔵されてベアリングを介して前記ハウジングに接続される、前記位置合わせ装置部と、
前記第2の光ファイバをカテーテル装置部に接続するための接続装置部と、
を備えるシステム。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和元年6月6日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「 【請求項1】
試料の画像を形成するためのシステムであって、
電磁放射を生成する放射源と、
前記電磁放射に関連する少なくとも1つの信号を受信する第1の光ファイバ及び第2の光ファイバであって、前記第2の光ファイバが回転可能とされたファイバと、
前記第1の光ファイバの遠位端及び前記第2の光ファイバの近位端に設けられる光学装置部と、
前記光学装置部の位置を制御して前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの長手方向の軸を少なくともそれらの端部で位置合わせすることを可能にする位置合わせ装置部であって、前記位置合わせ装置部は、
前記光学装置部を囲むハウジング、及び
内部に前記第2の光ファイバが配置される管状構造体と、を含み、
前記管状構造体は、前記ハウジングに内蔵されてベアリングを介して前記ハウジングに接続される、前記位置合わせ装置部と、
前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの一方をカテーテル装置部に接続するための接続装置部と、
を備えるシステム。」
2 補正の適否
本件補正は、「前記第2の光ファイバの近位端及び遠位端が」「前記ハウジングに」「内蔵された」旨の限定を付加するものであって、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献の記載事項
ア 引用文献1に記載された事項
当審において令和元年6月20日付けで通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)で引用された引用文献1(特開平11-337477号公報)には、以下の事項が記載されている。
(引1a)「【0073】(構成)図15に示す光断層画像装置301は、超高輝度発光ダイオード(以下、SLDと略記)等の低干渉性光源302を有する。この低干渉性光源2はその波長が例えば1300nmで、その可干渉距離が例えば17μm程度であるような短い距離範囲のみで干渉性を示す低干渉性光の特徴を備えている。つまり、この光を例えば2つに分岐した後、再び混合した場合には分岐した点から混合した点までの2つの光路長の差が17μm程度の短い距離範囲内の場合には干渉した光として検出され、それより光路長が大きい場合には干渉しない特性を示す。
【0074】この低干渉性光源302の光は第1のシングルモードファイバ303の一端に入射され、他方の端面(先端面)側に伝送される。この第1のシングルモードファイバ303は途中の光カップラ部304で第2のシングルモードファイバ305と光学的に結合されている。従って、この光カップラ304部分で2つに分岐されて伝送される。
【0075】第1のシングルモードファイバ303の(光カップラ部4より)先端側には、非回転部と回転部とで光を伝送可能な結合を行う光ロータリジョイント306が介挿され、この光ロータリジョイント306内の第3のシングルモードファイバ307を介して第1の実施の形態の光走査プローブ装置(以下、光走査プローブと略記)308内に挿通され、回転駆動される第4のシングルモードファイバ309に低干渉光源302の光が伝送(導光)される。」
(引1b)「【0083】また、光ロータリジョイント306と光走査プローブ308とは着脱自在に構成されており、光ロータリジョイント306と光走査プローブ308との接続状態を検出する、たとえば図示しないフォトセンサからなるプローブ接続状態検出部310が設けられている。このプローブ接続状態検出部310は、低干渉性光源302及び回転駆動装置313と電気的に接続されていて、プローブ接続状態を示す検出信号を低干渉性光源302及び回転駆動装置313に出力するようになっている。」
(引1c)「【0089】第1のシングルモードファイバ303の先端には回転子受け331が設けてあり、この回転子受け331の凹部に回転子332が嵌合し、両者の間に介挿した2箇所の軸受け333により回転子332は(回転されない回転子受け331側に対して)回転自在に支持されている。
【0090】回転子受け331及び回転子332の中心に沿ってそれぞれ第1のシングルモードファイバ3(当審注:「303」の誤記であると認められる。)及び第3のシングルモードファイバ307が挿通され、両ファイバ303、307が対向する端面にはそれぞれ凸レンズ334、335を配置して、回転されないファイバ3(当審注:「303」の誤記であると認められる。)と回転されるファイバ7(当審注:「307」の誤記であると認められる。)との間で効率良く光の伝送できるようにしている。
【0091】また、回転子332は例えばベルト336を介して回転駆動装置313を構成するモータ337のプーリ338と連結されている。モータ337の回転により、矢印bで示すように回転子332も回転され、従って第3のシングルモードファイバ307も共に回転される。モータ337は回転制御部339からのモータ駆動信号により、一定速度で回転駆動する。
【0092】この回転子332の先端には光走査プローブ308の後端に設けたコネクタ部341が接続される。」
(引1d)「【0097】このコネクタ本体343の後端面には凸部348が設けられ、一方回転子332の先端面にはこの凸部348に嵌合する凹部349が設けてあり、これらは互いに嵌合する。そして、両者を突き当てた状態で回転子332を回転した場合にはコネクタ本体343も回転する。この回転力がフレキシブルシャフト345の後端に付与され、このフレキシブルシャフト345によりその先端に伝達し、その先端に取り付けた先端本体344を回転させるようにしている。」
(引1e)「【図17】
」
(当審注:上記【図17】において、「304」は「303」の誤記であると認められる。)
イ 引用文献1に記載された発明
上記(引1a)~(引1e)より、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。
「低干渉性光源302を有し、
低干渉性光源302の光は第1のシングルモードファイバ303の一端に入射され、他方の端面(先端面)側に伝送され、
第1のシングルモードファイバ303の先端側には、非回転部と回転部とで光を伝送可能な結合を行う光ロータリジョイント306が介挿され、
光ロータリジョイント306内の第3のシングルモードファイバ307を介して光走査プローブ装置(以下、光走査プローブと略記)308内に挿通され、回転駆動される第4のシングルモードファイバ309に低干渉光源302の光が伝送(導光)され、
光ロータリジョイント306と光走査プローブ308とは着脱自在に構成され、
第1のシングルモードファイバ303の先端には回転子受け331が設けてあり、この回転子受け331の凹部に回転子332が嵌合し、両者の間に介挿した2箇所の軸受け333により回転子332は(回転されない回転子受け331側に対して)回転自在に支持され、
回転子受け331及び回転子332の中心に沿ってそれぞれ第1のシングルモードファイバ303及び第3のシングルモードファイバ307が挿通され、
両ファイバ303、307が対向する端面には、それぞれ凸レンズ334、335が配置されて、回転されないファイバ303と回転されるファイバ307との間で効率良く光の伝送できるようにし、
回転子332は、モータ337の回転により、第3のシングルモードファイバ307と共に回転され、
モータ337は回転制御部339からのモータ駆動信号により、一定速度で回転駆動され、
回転子332の先端には光走査プローブ308の後端に設けたコネクタ部341が接続され、
コネクタ本体343の後端面には凸部348が設けられ、一方回転子332の先端面にはこの凸部348に嵌合する凹部349が設けてあり、これらは互いに嵌合し、
両者を突き当てた状態で回転子332を回転した場合にはコネクタ本体343も回転することにより回転力がフレキシブルシャフト345の後端に付与され、
フレキシブルシャフト345によりその先端に伝達し、その先端に取り付けた先端本体344を回転させるようにした
光断層画像装置301。」
ウ 引用文献2に記載された事項
当審拒絶理由において引用された引用文献2(特開2000-321034号公報)には、以下の事項が記載されている。
(引2a)「【0007】図1に示す本発明の第1の実施の形態の光イメージング装置(光断層画像装置)1は超高輝度発光ダイオード(以下、SLDと略記)等の低干渉性光源2を有する。この低干渉性光源2はその波長が例えば1300nmで、その可干渉距離が例えば17μm程度であるような短い距離範囲のみで干渉性を示す低干渉性光の特徴を備えている。」
(引2b)「【0012】上記駆動部7には第1のシングルモードファイバ3の先端側の非回転部と、回転される回転部とで光を伝送可能な結合を行う光ロータリジョイント9が設けてあり、この光ロータリジョイント9により光走査プローブ8内に挿通されて、回転駆動される第3のシングルモードファイバ10に低干渉性光源2の光が伝送(導光)されるようにしている。」
(引2c)「【0014】また、駆動部7には光ロータリジョイント9のロータ側を回転駆動する回転駆動手段と、光ロータリジョイント9及び回転駆動手段をプローブ8の軸方向に進退移動する進退移動手段(リニア移動手段)とが設けてあり、これらは回転/進退制御装置13によって制御される。」
(引2d)「【0028】つまり、ビデオ同期回路29のビデオ同期信号はそれぞれガルバノメータコントローラ20と回転/進退制御装置13にも送られ、例えばガルバノメータコントローラ20はビデオ同期信号(より具体的には高速及び低速の2つのビデオ同期信号における高速の第1のビデオ同期信号)に同期した周期でガルバノメータミラー19を駆動し、このガルバノメータミラー19の1周期毎に回転駆動用モータ33を微小ステップで回転させ、その際の1回転の周期はビデオ同期信号(より具体的には低速の第2のビデオ同期信号)に同期した周期と同期させるようにする。本実施の形態における光走査プローブ8A及び駆動部7の構造を図2に示す。第1のシングルモードファイバ3の先端側はフレーム31内の光ロータリジョイント9を介して中空で柔軟性をもつ回転力伝達部材としてのフレキシブルシャフト32内に挿通光される柔軟性を有する光ファイバとしての第3のシングルモードファイバ10と光学的に結合される。
【0029】このフレーム31には回転(駆動)用モータ33が取り付けてあり、その回転軸にに取り付けたギヤ34等を介して光ロータリジョイント9のロータ9Aを回転駆動できるようにしている。
【0030】この回転はロータ9Aの中心軸に固定した第3のシングルモードファイバ10及びロータ9Aにその後端を取り付けたフレキシブルシャフト32に伝達され、第3のシングルモードファイバ10及びフレキシブルシャフト32は回転駆動される。」
(引2e)「【0035】また、上記駆動部7におけるフレーム31がリニア移動(或いは進退移動)支持部材38に取り付けてあり、このリニア移動支持部材38のネジ孔にはリニア移動用ボールネジ39が螺合している。
【0036】そして、このリニア移動用ボールネジ39の後端はリニア移動用モータ40の回転軸に取り付けてあり、このリニア移動用モータ40を回転駆動することにより、リニア移動支持部材38と共にフレーム31を前進移動或いは後退移動できるようにしている。」
(引2f)「【0037】上記光ロータリジョイント9は図3に示すような構造になっている。図3に示すように光ロータリジョイント9はロータ9Aの後端の円柱状の拡径部がその外側の円柱状のステータ9Bの凹部内に配置され、2箇所の軸受け41で回転自在に支持されている。
【0038】また、ロータ9Aの中心軸に沿って固定された第3のシングルモードファイバ10の後端にはロータ9Aの凹部内に設けたレンズ42と対向している。また、このレンズ42に対向する位置のステータ9Bの凹部内にもレンズ43が設けてあり、第1のシングルモードファイバ3の先端から出射される光は対向するレンズ43、42を経て第3のシングルモードファイバ10の後端に伝送されるし、生体組織11側からの戻り光は第3のシングルモードファイバ10から対向するレンズ42、43を経て第1のシングルモードファイバ3の先端面に伝送される。」
(引2g)「【図2】
」
(引2h)「【図3】
」
エ 引用文献2に記載された技術事項
(ア)上記(引2g)より、「光ロータリジョイント9」は、「フレーム31」に取り付けてある点が見て取れる。
(イ)すると、上記(引2a)~(引2h)より、引用文献2には、以下の技術事項(以下、「技術事項2」という。)が、記載されている。
「シングルモードファイバ3の先端側の非回転部と、回転される回転部とで光を伝送可能な結合を行う光ロータリジョイント9と、
光ロータリジョイント9のロータ側を回転駆動する回転駆動手段と、
光ロータリジョイント9及び回転駆動手段をプローブ8の軸方向に進退移動する進退移動手段とが設けられた駆動部7を有する光イメージング装置1において、
第1のシングルモードファイバ3の先端側はフレーム31内の光ロータリジョイント9を介して中空で柔軟性をもつ回転力伝達部材としてのフレキシブルシャフト32内に挿通光される柔軟性を有する光ファイバとしての第3のシングルモードファイバ10と光学的に結合され、
フレーム31には回転(駆動)用モータ33が取り付けてあり、その回転軸に取り付けたギヤ34等を介して光ロータリジョイント9のロータ9Aを回転駆動できるようにし、
この回転はロータ9Aの中心軸に固定した第3のシングルモードファイバ10及びロータ9Aにその後端を取り付けたフレキシブルシャフト32に伝達され、第3のシングルモードファイバ10及びフレキシブルシャフト32は回転駆動され、
フレーム31がリニア移動(或いは進退移動)支持部材38に取り付けてあり、このリニア移動支持部材38のネジ孔にはリニア移動用ボールネジ39が螺合し、
このリニア移動用ボールネジ39の後端はリニア移動用モータ40の回転軸に取り付けてあり、このリニア移動用モータ40を回転駆動することにより、リニア移動支持部材38と共にフレーム31を前進移動或いは後退移動できるようにし、
光ロータリジョイント9はロータ9Aの後端の円柱状の拡径部がその外側の円柱状のステータ9Bの凹部内に配置され、2箇所の軸受け41で回転自在に支持され、
ロータ9Aの中心軸に沿って固定された第3のシングルモードファイバ10の後端にはロータ9Aの凹部内に設けたレンズ42と対向し、
レンズ42に対向する位置のステータ9Bの凹部内にもレンズ43が設けてあり、
第1のシングルモードファイバ3の先端から出射される光は対向するレンズ43、42を経て第3のシングルモードファイバ10の後端に伝送されるし、生体組織11側からの戻り光は第3のシングルモードファイバ10から対向するレンズ42、43を経て第1のシングルモードファイバ3の先端面に伝送され、
光ロータリジョイント9が、フレーム31に取り付けてある光イメージング装置1」
オ 引用文献3に記載された事項
(ア)当審拒絶理由において引用された引用文献3(特開2002-263106号公報)には、以下の事項が記載されている。
(引3a)「【0010】図1に示す光イメージング装置(光断層画像装置)1は、観測装置27内に超高輝度発光ダイオード(以下、SLDと略記)等の低干渉性光源2を設けている。この低干渉性光源2は、その波長が例えば1300nmで、その可干渉距離が例えば17μm程度であるような短い距離範囲のみで干渉性を示す低干渉性光の特徴を備えている。
【0011】つまり、この光を例えば2つに分岐した後、再び混合した場合には分岐した点から混合した点までの2つの光路長の差が17μm程度の短い距離範囲内の場合には干渉した光として検出され、それより光路長が大きい場合には干渉しない特性を示す。
【0012】この低干渉性光源2の光は、第1のシングルモードファイバ3の一端に入射され、他方の端面(先端面)側に伝送される。この第1のシングルモードファイバ3は、途中の光カップラ部4で第2のシングルモードファイバ5と光学的に結合されている。従って、この光カップラ部4で2つに分岐されて伝送される。
【0013】第1のシングルモードファイバ3の(光カップラ部4より)先端側には、非回転部と回転部とで光を伝送可能な結合を行う光ロータリジョイント6が介挿され、この光ロータリジョイント6内の第3のシングルモードファイバ7の先端に第1の実施の形態の光プローブ装置(以下、光プローブとも略記)8Aのコネクタ部9が着脱自在で接続され、この光プローブ8A内に挿通され、回転駆動される第4のシングルモードファイバ10に低干渉性光源2の光が伝送(導光)される。
【0014】そして、伝送された光は、光プローブ8Aの先端側から被検体としての生体組織11側に走査されながら照射される。また、生体組織11側での表面或いは内部での散乱などした反射光の一部が取り込まれ、逆の光路を経て第1のシングルモードファイバ3側に戻り、光カップラ部4によりその一部が第2のシングルモードファイバ5側に移り、第2のシングルモードファイバ5の一端から光検出器としての例えばフォトダイオード12に入射される。なお、光ロータリジョイント6のロータ側は回転駆動装置13によって回転駆動される。」
(引3b)「【0033】挿入部33内には図示しないライトガイドが挿通され、このライトガイドの入射端を光源装置に接続し、照明光を伝送して挿入部33の先端部に設けた照明窓から出射し、患部等を照明する。また、照明窓に隣接して観察窓が設けられ、この観察窓には対物光学系が取り付けられ、照明された患部等を光学系に観察できるようにしている。そして、内視鏡31の先端部の観察光学系の観察の下で、患部等の注目する部分の生体組織11側に光プローブ8Aにより、低干渉性光を照射し、その生体組織11の内部の断層画像データを得て、モニタ26の表示面にOCT像26aを表示できるようにしている。」
(引3c)「【0042】コネクタ部9と回転駆動装置13との接続に関しては、図6に示すように、外筒部材103を回転駆動装置13の挿入口114に接合すると、その挿入量が外筒部材103の外周面に設けられたカムピン115と挿入口114内面に形成されたカム溝116の長軸方向距離で規定される。
【0043】一方、光ロータリジョイント6内の第3のシングルモードファイバ7の先端はフェルール117に高精度に中心に挿入され、フェルール117の先端面で光学研磨されている。
【0044】フェルール117は回転伝達コネクタ42と接続される接続部材118の中心軸に形成されたスリーブ119に固定され、接続部材118はモータ120により回転駆動される。詳細にはモータ120の回転軸に設けられたプーリ121と接続部材118の外周面に設けられたプーリ部122とが歯付きベルト123により接続されモータ120の回転が接続部材118に伝達されるようになっており、モータ120の回転軸に設けられたエンコーダ130により回転状態を検知している回転制御回路131によりモータ120の回転が制御されている。
【0045】そして、外筒部材103が回転駆動装置13の挿入口114の所定の位置に挿入されると、回転伝達コネクタ42の後端に設けられた回転伝達ピン124が接続部材118の先端に形成された伝達溝125に嵌合することで、回転伝達コネクタ42に回転力が伝達される。」
(引3d)「【図6】
」
(イ)上記(引3d)より、「回転駆動装置13」は、「光ロータリジョイント6」、「接続部材118」及び「第3のシングルモードファイバ7の先端」を内部に配置したハウジングを有している点及び「光ロータリジョイント6」が、該ハウジングに接続している点が見て取れる。
(ウ)上記(イ)を踏まえると、上記(引3a)~(引3d)より、引用文献3には、以下の技術事項(以下「技術事項3」という。)が、記載されている。
「低干渉性光源2を設けた光イメージング装置(光断層画像装置)1において、
低干渉性光源2の光は、第1のシングルモードファイバ3の一端に入射され、
第1のシングルモードファイバ3の先端側には、非回転部と回転部とで光を伝送可能な結合を行う光ロータリジョイント6が介挿され、
光ロータリジョイント6内の第3のシングルモードファイバ7の先端に、光プローブ装置8Aのコネクタ部9が着脱自在で接続され、
この光プローブ8A内に挿通され、回転駆動される第4のシングルモードファイバ10に低干渉性光源2の光が伝送(導光)され、
伝送された光は、光プローブ8Aの先端側から被検体としての生体組織11側に走査されながら照射され、
生体組織11側での表面或いは内部での散乱などした反射光の一部が取り込まれ、逆の光路を経て第1のシングルモードファイバ3側に戻り、
光ロータリジョイント6のロータ側は回転駆動装置13によって回転駆動され、
内視鏡31の先端部の観察光学系の観察の下で、患部等の注目する部分の生体組織11側に光プローブ8Aにより、低干渉性光を照射し、その生体組織11の内部の断層画像データを得て、モニタ26の表示面にOCT像26aを表示し、
回転駆動装置13は、光ロータリジョイント6、接続部材118及び第3のシングルモードファイバ7の先端を内部に配置したハウジングを有し、光ロータリジョイント6が、該ハウジングに接続している光イメージング装置(光断層画像装置)1」
カ 引用文献4に記載された事項
(ア)当審拒絶理由において引用された引用文献4(特表2005-533533号公報)には、以下の事項が記載されている。
(引4a)「【0002】
(背景)
光干渉断層撮影法(OCT)は、視像化技術であり、それは、患者の身体の断面像を非侵襲性で得る。OCTは、超音波画像診断法に似ているが、超音波ではなく、後方散乱赤外線の強度を測定するだけである。OCTを用いて患者の血管を撮像するために、光カテーテルが血管内に挿入される。光信号が、光カテーテル内の光ファイバーを通って伝わり、カテーテルの末端にて血管内に放射される。光信号は、レーザー、例えば半導体レーザーによって一般に造られる。血管及び周辺組織からカテーテルへ反射して戻った光信号は、光ファイバーを通って干渉計へ伝わる。干渉計は、反射してきた光信号を光学的に処理して血管の深部像を得る。」
(引4b)「【0030】
[好ましい実施形態の詳細な説明]
図1は、OCTカテーテル接続システムの第1実施形態の横断面図である。OCTカテーテル接続システムは、2つの結合する組立部品からなっており、それは、OCTカテーテルコネクタ1と、モーター及び光回転ジョイントユニット3と、であり、後者を、簡単のため、「モーターユニット」と呼ぶ。モーターユニット3の末端部は、図1に示されている。
【0031】
モーターユニット3は、その末端に開口13を有するモーターノーズ14と、モーターノーズ14内に収容された回転シャフト2と、回転シャフト2内に収容され且つ取り付けられたコネクタ組立部品6と、ねじを有し且つ回転シャフト2に取り付けられたファイバー対ファイバーアダプター10と、を備えている。回転シャフト2、コネクタ組立部品6,及びファイバー対ファイバーアダプター10は、全てモーターノーズ14内で共に回転し、モーターユニット3の機械的回転部分を形成している。また、モーターユニット3は、コネクタ組立部品6の回転軸を通るモーター光ファイバー4を備えている。モーター光ファイバー4は、単一モード又はマルチモードの光ファイバーである。ファイバー対ファイバーアダプター10は、分割スリーブ12を備えており、それは、セラミック又は金属でできている。モーター光ファイバー4の一端は、モーターファイバーフェルール8によって支持されており、それは、分割スリーブ12の一端に挿入されている。
【0032】
図2は、OCTカテーテルコネクタ1の拡大断面図、図3は同じく斜視図である。OCTカテーテルコネクタ1は、その基端に開口53を有する中空のカテーテルフェルール52と、カテーテルフェルール52内に収容されたコネクタブッシュ30と、を備えている。カテーテルフェルール52は、好ましくは、ポリカーボネート又は射出成形プラスチックでできている。コネクタブッシュ30がカテーテルフェルール52内で自由に回転できるように、コネクタブッシュ30とカテーテルフェルール52の内壁との間に、空間が設けられている。リテーナー26が、カテーテルフェルール52の開口53に沿って設けられており、コネクタブッシュ30がカテーテルフェルール52から落ちるのを、防止している。更に、OCTカテーテルコネクタ1は、例えば、エポキシにより、コネクタブッシュ30に取り付けられたファイバーコネクタ32と、カテーテルファイバーコネクタ32の回転軸を通るカテーテル光ファイバー60と、を備えている。カテーテルファイバー60の一端は、カテーテルファイバーコネクタ32に取り付けられたカテーテルファイバーフェルール24によって支持されている。カテーテルファイバーフェルール24は、カテーテルフェルール52の開口53から外側に延びている。また、OCTカテーテルコネクタ1は、好ましくは、カテーテルフェルール52の外表面に取り付けられたバネ錠タブを備えている。好ましくは、バネ錠タブ36は、例えば臨床医の指によって圧縮できるように、プラスチックのような半剛性材料でできている。バネ錠タブ36は、カテーテルフェルール52と同じ部品で作ることができ、又は、例えばエポキシによってカテーテルフェルール52に取り付けられた別の部品で作ることができる。
【0033】
図1を見ると、OCTカテーテルコネクタ1は、カテーテルファイバーコネクタ32をモーターノーズ14の開口13を通してファイバー対ファイバーアダプター10に挿入することによって、モーターユニット3と結合される。ファイバーコネクタ32がファイバー対ファイバーアダプター10に挿入される時、カテーテルファイバーフェルール24は、分割スリーブ12の他端に挿入される。分割スリーブ12は、2つのファイバー60とファイバー4との間の光信号を結合させるために、カテーテル光ファイバー60をモーター光ファイバー4に整列させる。例えばエポキシによってファイバー対ファイバーアダプター10に接合されたガイド20は、挿入中に少しずれる場合に備えて、カテーテルファイバーコネクタ32をファイバー対ファイバーアダプター10内へ案内する。ファイバー対ファイバーアダプター10は、適切な係合が達成されるとカテーテルファイバーコネクタ32を所定の位置にロックするための、リテーニングクリップ16を備えている。リテーニングクリップ16は、OCTコネクタ1のカテーテルシャフト56(後述する)を引っ張ることによってカテーテルファイバーコネクタ32がモーターユニット3から外れるのを、防止する。モーターノーズ14の開口13は、OCTカテーテルコネクタ1のバネ錠タブ36を受け入れるようになっているタブスロット18を有している。バネ錠タブ36は、タブスロット18上の隆起22によって、タブスロット18にロックされている。隆起22は、図5において最もよく示されており、図5はモーターユニット3に結合されたOCTコネクタ1の正面図である。各バネ錠タブ36は、隆起22に係合するようになっているフランジ37を備えている。バネ錠タブ36は、OCTコネクタ1がモーターユニット3に挿入される時に圧縮され、フランジ37がタブスロット18上の隆起22を解放できるようにする。バネ錠タブ36がタブスロット18内に挿入され解放されると、フランジ37は隆起22に係合し、それによって、タブスロット18のバネ錠タブ36をロックする。好ましくは、バネ錠タブ36がタブスロット18の場所に嵌り込む時、可聴クリックを実現する。OCTカテーテルコネクタ1がモーターユニット3に結合すると、モーター(図示せず)による回転シャフト2の回転は、ファイバー対ファイバーアダプター10を介して、カテーテルファイバーコネクタ32及びカテーテルファイバー60に、駆動トルクを与える。」
(引4c)「【0041】
図7は、OCT接続システムの横断面図であり、全モーターユニット3が示されている。例えばレーザーのような光源(図示せず)からの光は、光ファイバー80を通ってOCT接続システムに入る。そこは、コネクタ/ファイバー/レンズの組立部品82の一部分である。ファイバー80内の光は、GRINレンズ84によって視準される。レンズハウジング86が、エポキシ89によって、5軸ポジショナー88に取り付けられている。5軸ポジショナー88は、ねじによって、ポジショナーマウント90に取り付けられており、回転静止している。5軸ポジショナー88は、光軸が回転シャフト94の回転軸と同一線上となるように、レンズ84からの平行ビーム92の調節を可能としている。平行ビーム92は、モーターユニット3内で回転できるレンズ/ファイバー/コネクタの組立部品98のGRINレンズ96へ入る。レンズ/ファイバー/コネクタの組立部品98は、光軸が回転シャフト94の回転軸に対して同一線上及び同軸であるように、アクティブフィードバックによって調節される。GRINレンズ96は、モーターファイバー4に平行ビーム92の焦点を合わせる。モーターファイバー4は、2つのファイバー4、60が結合される時、カテーテル光ファイバー60からの光信号を伝える。また、モーターユニット3は、光ファイバー80への同じ光経路に沿ったカテーテル光ファイバー60から受けた反射ビームを伝える。そして、光ファイバー80は、処理される干渉計(図示せず)に反射ビームを伝える。
【0042】
回転シャフト2は、2つの精密なベアリング102によって回転し、モーター104によって回転される。モーター104は、シャフト2及びファイバー対ファイバーアダプター10を回転させるための、駆動トルクを提供する。モーターユニット3とOCTカテーテルコネクタ組立部品1とが結合すると、ファイバー対ファイバーアダプター10は、カテーテルファイバーコネクタ32とカテーテルファイバー60とカテーテルコネクタ1の可撓性の駆動シャフト56とを回転させるために、この駆動トルクを伝える。」
(引4d)「【FIG1】
」
(引4e)「【FIG7】
」
(イ)上記(引4c)中の、「回転シャフト94」及び「回転シャフト2」は、同じものを指していることは明らかであるから、「回転シャフト2」として整理する。「モーター及び光回転ジョイントユニット3」と、「モーターユニット3」とは、同じものを指していることが明らかであるから、「モーターユニット3」として整理する。また、「モーター光ファイバー4」と「モーターファイバー4」とは、同じものを指していることは明らかであるから、「モーターファイバー4」として整理する。
(ウ)上記(引4d)及び(引4e)より、FIG1及びFIG17において、「回転シャフト2」、「モーターファイバー4」の近位端及び遠位端、「コネクタ組立部品6」、「ファイバー対ファイバーアダプター10」、「GRINレンズ84」、「レンズハウジング86」、「ポジショナーマウント90」、「GRINレンズ96」及び「ベアリング102」が、「モーターノーズ14」を含むハウジング内に配置されている点、「モーターファイバー4」が、「回転シャフト2」内に配置されている点、「ポジショナーマウント90」が、「モーターノーズ14」を含むハウジングに接続されている点及び「回転シャフト2」が「ベアリング102」を介して「モーターノーズ14」を含むハウジングに接続されている点が見て取れる。
(エ)上記(イ)及び(ウ)を踏まえると、上記(引4a)~(引4d)より、引用文献4には、以下の技術事項(以下、「引用発明4」という。)が、記載されている。
「視像化技術である光干渉断層撮影法(OCT)のためのOCTカテーテル接続システムにおいて、
OCTカテーテル接続システムは、OCTカテーテルコネクタ1と、モーターユニット3との、2つの結合する組立部品からなり、
モーターユニット3は、その末端に開口13を有するモーターノーズ14と、モーターノーズ14内に収容された回転シャフト2と、回転シャフト2内に収容され且つ取り付けられたコネクタ組立部品6と、ねじを有し且つ回転シャフト2に取り付けられたファイバー対ファイバーアダプター10と、を備え、
回転シャフト2、コネクタ組立部品6,及びファイバー対ファイバーアダプター10は、全てモーターノーズ14内で共に回転し、
モーターユニット3は、モーターファイバー4を備え、
ファイバー対ファイバーアダプター10は、分割スリーブ12を備え、
モーターファイバー4の一端は、モーターファイバーフェルール8によって支持され、
モーターファイバーフェルール8、分割スリーブ12の一端に挿入され、
OCTカテーテルコネクタ1は、カテーテル光ファイバー60を備え、
カテーテルファイバー60の一端は、カテーテルファイバーフェルール24によって支持され、
カテーテルファイバーフェルール24は、分割スリーブ12の他端に挿入され、
分割スリーブ12は、2つのファイバー60とモーターファイバー4との間の光信号を結合させるために、カテーテル光ファイバー60をモーターファイバー4に整列させ、
レーザーのような光源からの光は、光ファイバー80を通ってOCT接続システムに入り、
ファイバー80内の光は、GRINレンズ84によって視準され、
レンズハウジング86が、5軸ポジショナー88に取り付けられ、
5軸ポジショナー88は、ポジショナーマウント90に取り付けられ、
5軸ポジショナー88は、光軸が回転シャフト2の回転軸と同一線上となるように、レンズ84からの平行ビーム92の調節を可能とし、
平行ビーム92は、モーターユニット3内で回転できる組立部品98のGRINレンズ96へ入り、
GRINレンズ96は、モーターファイバー4に平行ビーム92の焦点を合わせ、
モーターファイバー4は、2つのファイバー4、60が結合される時、カテーテル光ファイバー60からの光信号を伝え、
モーターユニット3は、光ファイバー80への同じ光経路に沿ったカテーテル光ファイバー60から受けた反射ビームを伝え、
回転シャフト2は、2つの精密なベアリング102によって回転し、モーター104によって回転され、
モーター104は、シャフト2及びファイバー対ファイバーアダプター10を回転させるための、駆動トルクを提供し、
回転シャフト2、モーターファイバー4の近位端及び遠位端、コネクタ組立部品6、ファイバー対ファイバーアダプター10、GRINレンズ84、レンズハウジング86、ポジショナーマウント90、GRINレンズ96及びベアリング102が、モーターノーズ14を含むハウジング内に配置され、
モーターファイバー4が、回転シャフト2内に配置され、
ポジショナーマウント90が、モーターノーズ14を含むハウジングに接続され、
回転シャフト2がベアリング102を介してモーターノーズ14を含むハウジングに接続されている
視像化技術である光干渉断層撮影法(OCT)のOCTカテーテル接続システム。」
(3)引用発明4との対比・判断
本件補正発明と、引用発明4とを対比する。
ア 引用発明4の「視像化技術である光干渉断層撮影法(OCT)のためのOCTカテーテル接続システム」は、本件補正発明の「試料の画像を形成するためのシステム」に相当する。
イ 引用発明4の「レーザーのような光源」、「光ファイバー80」及び「モーターファイバー4」は、それぞれ、本件補正発明の「電磁放射を生成する放射源」、「第1の光ファイバ」及び「第2の光ファイバ」に相当する。
ウ 引用発明4の「レーザーのような光源からの光は、光ファイバー80を通ってOCT接続システムに入り、ファイバー80内の光は、GRINレンズ84によって視準され」、「レンズ84からの平行ビーム92」は、「モーターユニット3内で回転できる組立部品98のGRINレンズ96へ入り、GRINレンズ96は、モーターファイバー4に平行ビーム92の焦点を合わせ、モーターファイバー4は、2つのファイバー4、60が結合される時、カテーテル光ファイバー60からの光信号を伝え、モーターユニット3は、光ファイバー80への同じ光経路に沿ったカテーテル光ファイバー60から受けた反射ビームを伝え」るから、引用発明4の「光ファイバー80」及び「モーターファイバー4」には、「カテーテル光ファイバー60から受けた反射ビーム」である「カテーテル光ファイバー60からの光信号」が伝えられている。そして、引用発明4の「カテーテル光ファイバー60からの光信号」は、「レーザーのような光源からの光」による「カテーテル光ファイバー60から受けた反射ビーム」であるから、本件補正発明の「前記電磁放射に関連する少なくとも1つの信号」に相当する。
そうすると、引用発明4の「カテーテル光ファイバー60からの光信号」が伝えられる「光ファイバー80」及び「モーターファイバー4」は、本件補正発明の「前記電磁放射に関連する少なくとも1つの信号を受信する第1の光ファイバ及び第2の光ファイバ」に相当する。
エ 引用発明4の「回転シャフト2、コネクタ組立部品6,及びファイバー対ファイバーアダプター10は、全てモーターノーズ14内で共に回転し」、「ファイバー対ファイバーアダプター10は、分割スリーブ12を備え、モーターファイバー4の一端は、モーターファイバーフェルール8によって支持され、モーターファイバーフェルール8、分割スリーブ12の一端に挿入され」ているから、「モーターファイバー4」は、回転するものであることは明らかである。すると、引用発明4の「モーターファイバー4」と本件補正発明の「前記第2の光ファイバ」とは、「回転可能とされたファイバ」である点で一致する。
オ 引用発明4の「GRINレンズ84」及び「GRINレンズ96」は、「光ファイバ-80」と「モーターファイバー4」との間を「平行ビーム92」により結合させるものであるから、それぞれ、「光ファイバ80」の遠位端及び「モーターファイバー4」の近位端に設けられていることは明らかである。そうすると、引用発明4の「光ファイバー80」の遠位端に設けられた「GRINレンズ84」と「モーターファイバー4」の近位端に設けられた「GRINレンズ96」は、本件補正発明の「第1の光ファイバの遠位端及び前記第2の光ファイバの近位端に設けられる光学装置部」に相当する。
カ 引用発明4の「5軸ポジショナー88は、光軸が回転シャフト2の回転軸と同一線上となるように、レンズ84からの平行ビーム92の調節を可能と」するものであって、「レンズハウジング86」は、「5軸ポジショナー88に取り付けられ」ていることから、「5軸ポジショナー88」は、「光ファイバー80」の端部にある「GRINレンズ84」の位置を制御することにより、「光ファイバー80」の端部にある「GRINレンズ84」の「光軸が回転シャフト2の回転軸と同一線上となるように、レンズ84からの平行ビーム92の調節を可能と」するものであることは明らかである。また、「回転シャフト2の回転軸」は、「回転シャフト2」内に配置された「モーターファイバー4」の端部にある「GRINレンズ96」の光軸であることは明らかである。
そうすると、引用発明4の「光ファイバー80」の端部にある「GRINレンズ84」の「光軸が」「モーターファイバー4」の端部にある「GRINレンズ96」の光軸と「同一直線上となるように」、「光ファイバー80」の端部にある「GRINレンズ84」の位置を制御する「5軸ポジショナー88」は、本件補正発明の「前記光学装置部の位置を制御して前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの長手方向の軸を少なくともそれらの端部で位置合わせすることを可能にする」ものに相当する。
キ 引用発明4の「モーターノーズ14を含むハウジング」は、本件補正発明の「ハウジング」に相当する。そして、引用発明4の「5軸ポジショナー88は、ポジショナーマウント90に取り付けられ」、「ポジショナーマウント90」は、「モーターノーズ14を含むハウジングに接続され」、また、「回転シャフト2は、2つの精密なベアリング102によって回転し」、回転シャフト2がベアリング102を介してモーターノーズ14を含むハウジングに接続されて」いるから、引用発明4の「5軸ポジショナー88」は、「モーターノーズ14を含むハウジング」に対して、「光ファイバー80」の端部にある「GRINレンズ84」の「光軸が」、「回転シャフト2」内に配置された「モーターファイバー4」の端部にある「GRINレンズ96」の光軸と「同一直線上となるように」、「光ファイバー80」の端部にある「GRINレンズ84」の位置を制御するものである。
ク 上記カ及びキより、引用発明4は、「モーターノーズ14を含むハウジング」、「ポジショナーマウント90」、「5軸ポジショナー88」、「レンズハウジング86」、「回転シャフト2」及び「ベアリング102」からなる装置により、「光ファイバー80」の端部にある「GRINレンズ84」の「光軸」と、「モーターファイバー4」の端部にある「GRINレンズ96」の光軸とを「同一直線上となるように」、「光ファイバー80」の端部にある「GRINレンズ84」の位置を制御するものであるから、該装置は、本件補正発明の「位置合わせ装置部」に相当する。そして、引用発明4の「光ファイバー80」の端部にある「GRINレンズ84」の「光軸が」「モーターファイバー4」の端部にある「GRINレンズ96」の光軸と「同一直線上となるように」、「光ファイバー80」の端部にある「GRINレンズ84」の位置を制御する「5軸ポジショナー88」を有する該装置は、本件補正発明の「前記光学装置部の位置を制御して前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの長手方向の軸を少なくともそれらの端部で位置合わせすることを可能にする位置合わせ装置部」に相当する。
ケ 引用発明4の「GRINレンズ84」、「GRINレンズ96」及び「モーターファイバー4の近位端及び遠位端」は、「モーターノーズ14を含むハウジング」内に配置されていることから、引用発明4の「GRINレンズ84」、「GRINレンズ96」及び「モーターファイバー4の近位端及び遠位端」を内部に配置した「モーターノーズ14を含むハウジング」は、本件補正発明の「前記光学装置部を囲むハウジングであって、前記ハウジングに前記第2の光ファイバの近位端及び遠位端が内蔵された前記ハウジング」に相当する。
コ 引用発明4の「回転シャフト2」は、本件補正発明の「管状構造体」に相当し、引用発明4の「モーターファイバー4は、回転シャフト2内に配置され」ているから、引用発明4の「モーターファイバー4」を内部に配した「回転シャフト2」は、本件補正発明の「内部に前記第2の光ファイバが配置される管状構造体」に相当する。
サ 引用発明4の「回転シャフト2」は、「モーターノーズ14を含むハウジング」内に配置され、「ベアリング102を介してモーターノーズ14を含むハウジングに接続され」ているから、本件補正発明の「前記管状構造体」とは、「前記ハウジングに内蔵されてベアリングを介して前記ハウジングに接続される」点で一致する。
シ 上記ケ~サより、引用発明4の「モーターノーズ14を含むハウジング」、「ポジショナーマウント90」、「5軸ポジショナー88」、「レンズハウジング86」、「回転シャフト2」及び「ベアリング102」からなる装置と、本件補正発明の「前記位置合わせ装置部」とは、「前記光学装置部を囲むハウジングであって、前記ハウジングに前記第2の光ファイバの近位端及び遠位端が内蔵された前記ハウジング、及び、内部に前記第2の光ファイバが配置される管状構造体と、を含み、前記管状構造体は、前記ハウジングに内蔵されてベアリングを介して前記ハウジングに接続される」点で一致する。
ス 引用発明4の「ファイバー対ファイバーアダプター10」は、本件補正発明の「接続装置部」に相当する。そして、引用発明4の「ファイバー対ファイバーアダプター10は、分割スリーブ12を備え、モーターファイバー4の一端は、モーターファイバーフェルール8によって支持され、モーターファイバーフェルール8、分割スリーブ12の一端に挿入され、OCTカテーテルコネクタ1は、カテーテル光ファイバー60を備え、カテーテルファイバー60の一端は、カテーテルファイバーフェルール24によって支持され、カテーテルファイバーフェルール24は、分割スリーブ12の他端に挿入され、分割スリーブ12は、2つのファイバー60とファイバー4との間の光信号を結合させるために、カテーテル光ファイバー60をモーターファイバー4に整列させ」ているから、引用発明4の「ファイバー対ファイバーアダプター10」は、「モーターファイバー4」を、「OCTカテーテルコネクタ1」に接続するためのものであり、「OCTカテーテルコネクタ1」は、カテーテル装置に接続するためのものであることは明らかであるから、引用発明4の「モーターファイバー4」を、「OCTカテーテルコネクタ1」に接続するための「ファイバー対ファイバーアダプター10」は、本件補正発明の「前記第2の光ファイバをカテーテル装置部に接続するための接続装置部」に相当する。
セ 上記ア~スより、引用発明4は本件補正発明の全ての発明特定事項を含んでいるといえる。
そうすると、本件補正発明は、引用発明4であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
(4)引用発明1との対比・判断
ア 対比
本願補正発明と引用発明1とを対比する。
(ア)引用発明1の「光断層画像装置301」及び「低干渉性光源302」は、それぞれ、本件補正発明の「試料の画像を形成するためのシステム」及び「電磁放射を生成する放射源」に相当する。
(イ)引用発明1の「低干渉性光源302の光」は、本件補正発明の「前記電磁放射に関連する少なくとも1つの信号」に相当する。そして、引用発明1の「低干渉性光源302の光は第1のシングルモードファイバ303の一端に入射され」、「第3のシングルモードファイバ307を介して」、「第4のシングルモードファイバ309に低干渉光源302の光が伝送(導光)され」るから、「第1のシングルモードファイバ303」及び「第3のシングルモードファイバ307」は、「低干渉性光源302の光」を受信していると認められる。
すると、「低干渉性光源302の光」を受信する「第1のシングルモードファイバ303」及び「第3のシングルモードファイバ307」は、本件補正発明の「前記電磁放射に関連する少なくとも1つの信号を受信する第1の光ファイバ及び第2の光ファイバ」に相当する。
また、「第3のシングルモードファイバ307」は回転されるファイバであるから、引用発明1の「第3のシングルモードファイバ307」と、本件補正発明の「第2の光ファイバ」とは、「回転可能とされたファイバ」である点で一致する。
(ウ)引用発明1の「凸レンズ334、335」は、本願補正発明の「光学装置部」に相当する。そして、引用発明1の「凸レンズ334、335」は、「両ファイバ303、307が対向する端面に」、「それぞれが配置されて」おり、引用発明1の「両ファイバ303、307が対向する端面」は、それぞれ本件補正発明の「前記第1の光ファイバの遠位端及び前記第2の光ファイバの近位端」に相当するから、引用発明1の「両ファイバ303、307が対向する端面に」、「それぞれが配置され」た「凸レンズ334、335」は、本件補正発明の「前記第1の光ファイバの遠位端及び前記第2の光ファイバの近位端に設けられる光学装置部」に相当する。
(エ)引用発明1は「第1のシングルモードファイバ303の先端には回転子受け331が設けてあり、この回転子受け331の凹部に回転子332が嵌合し、両者の間に介挿した2箇所の軸受け333により回転子332は(回転されない回転子受け331側に対して)回転自在に支持され、回転子受け331及び回転子332の中心に沿ってそれぞれ第1のシングルモードファイバ3及び第3のシングルモードファイバ307が挿通され、両ファイバ303、307が対向する端面には、それぞれ凸レンズ334、335が配置されて、回転されないファイバ303と回転されるファイバ307との間で効率良く光の伝送できるようにし」ていることから、引用発明1は、「第1のシングルモードファイバ303の先端には回転子受け331」と「この回転子受け331の凹部に」「嵌合」する「回転子332」とが「両者の間に介挿した2箇所の軸受け333により」、「それぞれ凸レンズ334、335」の位置を制御して、「第1のシングルモードファイバ303」と、「第3のシングルモードファイバ307」とが「対向する端面」の位置合わせをしていることは明らかである。
すると、引用発明1の「回転子受け331」、「回転子332」及び「両者の間に介挿した2箇所の軸受け333」は、本件補正発明の「前記光学装置部の位置を制御して前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの長手方向の軸を少なくともそれらの端部で位置合わせすることを可能にする位置合わせ装置部」に相当する。
(オ)引用発明1の「回転子332」は、「中心に沿って」「第3のシングルモードファイバ307が挿通され」ており、管状構造であることは明らかであるから、引用発明1の、「中心に沿って」「第3のシングルモードファイバ307が挿通され」た「回転子332」は、本願発明の、「内部に前記第2の光ファイバが配置される管状構造体」に相当する。
(カ)引用発明1は「光ロータリジョイント306と光走査プローブ308とは着脱自在に構成され」、「回転子332の先端には光走査プローブ308の後端に設けたコネクタ部341が接続され」ているから、この「コネクタ部341」は、本件補正発明の「前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの一方をカテーテル装置部に接続するための接続装置部」に相当する。
(キ)以上のことから、本件補正発明と引用発明1との一致点及び相違点は、次のとおりである。
(一致点)「試料の画像を形成するためのシステムであって、
電磁放射を生成する放射源と、
前記電磁放射に関連する少なくとも1つの信号を受信する第1の光ファイバ及び第2の光ファイバであって、前記第2の光ファイバが回転可能とされたファイバと、
前記第1の光ファイバの遠位端及び前記第2の光ファイバの近位端に設けられる光学装置部と、
前記光学装置部の位置を制御して前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの長手方向の軸を少なくともそれらの端部で位置合わせすることを可能にする位置合わせ装置部であって、前記位置合わせ装置部は、
内部に前記第2の光ファイバが配置される管状構造体と、を含む前記位置合わせ装置部と、
前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの一方をカテーテル装置部に接続するための接続装置部と、
を備えるシステム。」
(相違点1)前記位置合わせ装置部が、本件補正発明は「前記光学装置部を囲むハウジング」「を含み、前記管状構造体は、前記ハウジングに内蔵されてベアリングを介して接続される」のに対し、引用発明1は、そのような特定がされていない点。
(相違点2)前記第2の光ファイバの近位端及び遠位端が、本件補正発明は、「前記ハウジングに」「内蔵され」ているのに対し、引用発明1はそのような特定がされていない点。
イ 判断
(ア)相違点1について
技術事項2の「フレーム31」は、本件補正発明の「ハウジング」に相当する。そして、技術事項2の「ロータ9A」は、「中心軸に沿って」「第3のシングルモードファイバ10」が「固定され」、その「後端」には「円柱状の拡径部」があることから、本件補正発明の「前記管状構造体」に相当する。
また、技術事項2の「ロータ9Aの後端の円柱状の拡径部がその外側の円柱状のステータ9Bの凹部内に配置され、2箇所の軸受け41で回転自在に支持され」ており、「ロータ9A」及び「ステータ9B」からなる「光ロータリジョイント9」は、「フレーム31内」にあり、「フレーム31に取り付けてある」から、「ロータ9A」は、「2箇所の軸受け41で」「支持され」、「ステータ9B」は、「フレーム31に取り付けてある」ことは明らかである。
そして、引用発明1の「光ロータリジョイント306」は、通常ハウジングに収納されるものであり、「光ロータリジョイント306」の「回転子受け331」は固定していなければならないことは明らかであるから、技術事項2の構成を適用し、引用発明1の「凸レンズ334、335」が内部に配置された「光ロータリジョイント306」を収納したハウジングを有し、「回転子332」を「軸受け333」及び「回転子受け331」によりハウジングと取り付けてある構成、すなわち、「凸レンズ334、335」を囲むハウジングを含み、「回転子332」は「軸受け333」を介してハウジングと接続される構成とすることは、当業者が容易に想到できたことである。
(イ)相違点2について
a 技術事項3について
(a)技術事項3の「患部等の」「生体組織11」は、本件補正発明の「試料」相当し、技術事項3の「患部等の」「生体組織11の内部の断層画像データ」は、本件補正発明の「試料の画像」に相当する。そして、技術事項3の「光イメージング装置(光断層画像装置)1」は、「患部等の」「生体組織11の内部の断層画像データを得て、モニタ26の表示面にOCT像26aを表示する」装置であるから、本件補正発明の「試料の画像を形成するためのシステム」に相当する。
(b)技術事項3の「低干渉性光源2」、「第1のシングルモードファイバ3」及び「第3のシングルモードファイバ7」は、それぞれ、本件補正発明の「電磁放射を生成する放射源」、「第1の光ファイバ」及び「第2の光ファイバ」に相当する。
(c)技術事項3の「第1のシングルモードファイバ3の一端に」は、「低干渉性光源2の光」が「入射」し、「第1のシングルモードファイバ3の先端側には、非回転部と回転部とで光を伝送可能な結合を行う光ロータリジョイント6が介挿され、光ロータリジョイント6内の第3のシングルモードファイバ7の先端に、光プローブ装置8Aのコネクタ部9が着脱自在で接続され、この光プローブ8A内に挿通され、回転駆動される第4のシングルモードファイバ10に低干渉性光源2の光が伝送(導光)され、伝送された光は、光プローブ8Aの先端側から被検体としての生体組織11側に走査されながら照射され、生体組織11側での表面或いは内部での散乱などした反射光の一部が取り込まれ、逆の光路を経て第1のシングルモードファイバ3側に戻」るから、技術事項3の「第1のシングルモードファイバ3」及び「第3のシングルモードファイバ7」には、「生体組織11側での表面或いは内部での散乱などした反射光の一部」が、入射するものである。そして、技術事項3の「生体組織11側での表面或いは内部での散乱などした反射光の一部」は、「低干渉性光源2の光」が、「伝送(導光)され、伝送された光は、光プローブ8Aの先端側から被検体としての生体組織11側に走査されながら照射され」たことによるものであるから、本件補正発明の「前記電磁放射に関連する少なくとも1つの信号」に相当する。
すると、技術事項3の「生体組織11側での表面或いは内部での散乱などした反射光の一部」が入射する「第1のシングルモードファイバ3」及び「第3のシングルモードファイバ7」は、本件補正発明の「前記電磁放射に関連する少なくとも1つの信号を受信する第1の光ファイバ及び第2の光ファイバ」に相当する。
また、技術事項3の「第1のシングルモードファイバ3の先端側には、非回転部と回転部とで光を伝送可能な結合を行う光ロータリジョイント6が介挿され」、「光ロータリジョイント6内の第3のシングルモードファイバ7の先端に、光プローブ装置8Aのコネク、タ部9が着脱自在で接続され」、「光ロータリジョイント6内の第3のシングルモードファイバ7の先端と、この光プローブ8A内に挿通され、回転駆動される第4のシングルモードファイバ10とを」、「コネクタ部9」により「着脱自在で接続する」から、「第3のシングルモードファイバ7」が回転することは明らかである。よって、技術事項3の「第3のシングルモードファイバ7」と、本件補正発明の「前記第2の光ファイバ」とは、「回転可能とされたファイバ」である点で一致する。
(d)技術事項3の「第1のシングルモードファイバ3」及び「第3のシングルモードファイバ7」は、「光ロータリジョイント6」内で接続しており、光ファイバ同士を接続する際は、長手方向の軸を少なくともそれらの端部で位置合わせすることを可能にする何らかの位置合わせ装置が必要であることは明らかであるから、技術事項3の「光ロータリジョイント6」内には、「第1のシングルモードファイバ3」及び「第3のシングルモードファイバ7」の長手方向の軸を少なくともそれらの端部で位置合わせすることを可能にする位置合わせ装置部を有していることは明らかである。すると、技術事項3と本件補正発明とは、「前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの長手方向の軸を少なくともそれらの端部で位置合わせすることを可能にする位置合わせ装置部」を有している点で共通する。
(e)技術事項3の位置合わせ装置部を有する「光ロータリジョイント6」は、ハウジング内にあり、「光ロータリジョイント6」はハウジングに接続されているから、技術事項3の「光ロータリジョイント6」内にある位置合わせ装置部は、ハウジングを含んでいるといえる。また、技術事項3の「第3のシングルモードファイバ7の先端」は、ハウジングの中にあり、また、「第3のシングルモードファイバ7」の他の端部は「光ロータリジョイント6」内で「第1のシングルモードファイバ3」と接続し、「光ロータリジョイント6」はハウジングの中にあるから、技術事項3の「第3のシングルモードファイバ7」の両端は、いずれもハウジングの中にあるものである。
すると、技術事項3の位置合わせ装置部と本件補正発明の「位置合わせ装置部」とは、「前記ハウジングに前記第2の光ファイバの近位端及び遠位端が内蔵された前記ハウジング」「を含」んでいる点で一致する。
(f)技術事項3の「光プローブ装置8A」及び「コネクタ部9」は、それぞれ本件補正発明の「カテーテル装置部」及び「接続装置部」に相当する。そして、技術事項3の「コネクタ部9」は、「第3のシングルモードファイバ7の先端」と「光プローブ装置8A」とを、「着脱自在」に「接続」しているから、「第3のシングルモードファイバ7の先端」を「光プローブ装置8A」に、「着脱自在」に「接続」する「コネクタ部9」は、本件補正発明の「前記第2の光ファイバをカテーテル装置部に接続するための接続装置部」に相当する。
(g)以上(a)~(f)より、技術事項3は、本件補正発明における以下の技術事項を有しているといえる。
「試料の画像を形成するためのシステムであって、
電磁放射を生成する放射源と、
前記電磁放射に関連する少なくとも1つの信号を受信する第1の光ファイバ及び第2の光ファイバであって、前記第2の光ファイバが回転可能とされたファイバと、
前記第1の光ファイバ及び前記第2の光ファイバの長手方向の軸を少なくともそれらの端部で位置合わせすることを可能にする位置合わせ装置部であって、前記位置合わせ装置部は、
前記ハウジングに前記第2の光ファイバの近位端及び遠位端が内蔵された前記ハウジングを含み、
前記第2の光ファイバをカテーテル装置部に接続するための接続装置部と、
を備えるシステム。」
(h)上記のとおり、「回転可能とされた」「前記第2の光ファイバの近位端及び遠位端が」、「前記ハウジングに」「内蔵され」た構成は、技術事項2に含まれており、また、上記(3)で検討したとおり、引用発明4にも含まれている構成であるから、「回転可能とされた」「前記第2の光ファイバの近位端及び遠位端」を、「前記ハウジングに」「内蔵」する技術は、周知技術であるといえる。
b 相違点2についての判断
上記a(h)で検討したとおり、「回転可能とされた」「前記第2の光ファイバの近位端及び遠位端」を、「前記ハウジングに」「内蔵」する技術は、周知技術であるから、引用発明1に技術事項2を適用した場合の、引用発明1の「第3のシングルモードファイバ307」の近位端及び遠位端を、ハウジングに内蔵する構成とすることは、当業者が容易に想到できたものである。
よって、相違点2に係る構成は、引用発明1、技術事項2及び周知技術から、当業者が容易に想到できたものであるといえる。
ウ 効果について
本件補正発明の奏する作用効果は、引用文献1、2に記載された技術及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
エ したがって、本件補正発明は、引用発明1、技術事項2及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 本件補正についてのむすび
上記2で検討したとおり、本件補正発明は、特許法29条1項3号に該当し、または、同条2項の規定により、独立して特許を受けることができないいから、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反し、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和元年12月19日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和元年6月6日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 当審拒絶理由
本願発明に関する当審拒絶理由は以下のとおりである。
1.略
2.略
3.略
4.(進歩性)本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献1に記載された技術事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1:特開平11-337477号公報
引用文献2:特開2000-321034号公報
引用文献3:特開2002-263106号公報(周知技術を示す文献)
引用文献4:特表2005-533533号公報(周知技術を示す文献)
引用文献5:特開2000-262461号公報
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1、2及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「前記第2の光ファイバの近位端及び遠位端が」「前記ハウジングに」「内蔵された」旨の限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明と引用発明1とは、前記第2の[理由]2(3)ア(キ)に記載した(一致点)で一致し(相違点1)のみで相違することとなる。そして、前記第2の[理由]2(3)イ(ア)に記載したとおり、上記相違点1は、引用発明1及び引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に相当することができたものであり、その効果も、前記第2の[理由]2(3)ウに記載したとおり、引用文献1及び2に記載された技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできないから、本願発明も、引用発明1及び引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2018-006252