特許拒絶査定不服審判
2018-005048
連結器具
- 審判番号
- 2018-005048
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-551957外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年04月12日
- 審決日
- 2019年10月07日
- 公報発行日
- 2019年11月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ニプロ株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人深見特許事務所
- 分類
- P18 .121-WY (A61J)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014-551957「連結器具」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 6月19日国際公開、WO2014/091912、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2013年(平成25年)11月25日(優先権主張 平成24年12月10日)を国際出願日とする出願であって、平成29年8月1日付けで拒絶理由通知がされ、平成29年10月6日付けで手続補正がされ、平成30年1月11日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、これに対し、平成30年4月12日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。
本願請求項1-3に係る発明は、以下の引用文献1-3に記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.国際公開2011/007760号
2.国際公開2008/006439号
3.特開2004-194953号公報
第3 本願発明
本願請求項1-3に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明3」という。)は、平成29年10月6日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-3に記載された事項により特定されるとおりの発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
注射器とバイアルとを接離させる保持手段と、
前記注射器に装着された注射器蓋部材と前記バイアルに設けられたリング部材に装着されたバイアル蓋部材との間に位置し、前記注射器蓋部材および前記バイアル蓋部材に貫通可能な双頭カヌラと、含み、
前記保持手段が前記注射器と前記バイアルとを離隔させて、前記双頭カヌラが記注射器蓋部材および前記バイアル蓋部材を貫通しない使用前状態から、前記保持手段が前記注射器と前記バイアルとを接近させて、前記双頭カヌラが前記注射器蓋部材および前記バイアル蓋部材を貫通して前記注射器および前記バイアルの内部空間を連通させた使用状態へと切り替える連結器具であって、
前記保持手段は、前記注射器が装着される注射器保持部材と、
前記双頭カヌラを有し、前記使用前状態では前記注射器保持部材に対して後退した後退位置に位置し、前記使用状態では前記注射器保持部材に当接した前進位置に前進するカヌラ保持部材と、
前記カヌラ保持部材が前記後退位置に位置している状態で、前記注射器に係合して前記注射器保持部材から前記注射器が離脱するのを阻止し、前記カヌラ保持部材が前記前進位置に位置すると前記注射器との係合状態を解除して前記注射器保持部材から前記注射器が離脱するのを許容する離脱防止手段と、を備え、
前記注射器保持部材は、前記後退位置側が開放し、前記カヌラ保持部材を前記後退位置と前記前進位置との間を移動可能に収容する外筒部を有し、
前記カヌラ保持部材は、前記後退位置側が開放し、前記外筒部の内側に収容され、前記バイアルの前記リング部材を保持する内筒部を有し、
前記カヌラ保持部材が前記使用状態においては、前記外筒部の前記後退位置側の端部の位置は、前記内筒部の前記後退位置側の端部の位置に対して、前記後退位置側には突出していない、連結器具。」
本願発明2、3は、それぞれ本願発明1を引用し、さらに構成を特定する発明である。
第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。
「[0001]
本発明は連結器具に関し、詳しくは注射器とバイアルとを離隔させて双頭カヌラが注射器およびバイアルの蓋部材を貫通しない使用前状態から、注射器とバイアルとを接近させて、上記双頭カヌラが上記蓋部材を貫通させる使用状態へと切り替え可能な連結器具に関する。」
「[0005]
すなわち、請求項1にかかる連結器具は、注射器とバイアルとを接離させる保持手段と、上記注射器およびバイアルに装着された蓋部材の間に設けられてこれらを貫通する双頭カヌラとを備え、上記保持手段が注射器とバイアルとを離隔させて、上記双頭カヌラが上記注射器およびバイアルの蓋部材を貫通しない使用前状態から、上記保持手段が注射器とバイアルとを接近させて、上記双頭カヌラが上記注射器およびバイアルの蓋部材を貫通して注射器およびバイアルの内部空間を連通させた使用状態へと切り替える連結器具において、上記保持手段は、上記注射器に装着される注射器保持部材と、上記双頭カヌラを備えるとともに、上記使用前状態では注射器保持部材に対して後退した後退位置に位置し、上記使用状態では注射器保持部材に当接した前進位置に前進するカヌラ保持部材とから構成され、さらに、上記カヌラ保持部材が後退位置に位置している状態で、注射器に係合して注射器保持部材から注射器が離脱するのを阻止する離脱防止手段を設け、この離脱防止手段は、カヌラ保持部材が上記前進位置に位置されると注射器との係合状態を解除して注射器保持部材から注射器が離脱するのを許容することを特徴としている。」
「[0011]
注射器保持部材6は、上記カヌラ保持部材7を覆うように設けられた円筒状の外筒部31と、該外筒部31よりも小径で上記注射器2の連結部12と連結される装着部32とから構成され、外筒部31と装着部32との間には段差部33が形成されている。 上記外筒部31には前後方向に形成された4つのスリットにより4つのフラップ31bを備えており、対向する1対のフラップ31bには前後方向にガイド突起34が形成され、別の対向する1対のフラップ31bの後端部近傍には円弧状にストッパ突起35が形成されている。・・・」
「 [0012]
上記カヌラ保持部材7は、上記双頭カヌラ5を中央に設けた有底筒状の内筒部41と、上記使用前状態において注射器2が注射器保持部材6から離脱するのを防止する離脱防止手段42とを備えている。・・・」
「[0013]
・・・ 一方、使用前状態に対してバイアル3を相対的に前進させると、バイアル3のリング部材23が保持突起45を押し広げた後、内筒部41の底部および上記保持突起45との間に保持され、その間に双頭カヌラ5がバイアル3の蓋部材22を貫通して、図4(e)、図5(e)に示す使用後状態となる。」
「[0015]
以下、上記構成を有する連結器具1の使用方法を図4、図5の各図を用いて説明する。
まず、図4(a)、図5(a)は、連結器具1の組立状態を示しており、このとき連結器具1には注射器2およびバイアル3は接続されていない。
ここでは、上記注射器保持部材6の外筒部31に上記カヌラ保持部材7の内筒部41を挿入し、上記カヌラ保持部材7を第2後退位置で停止させる作業を行うようになっている。
具体的には、外筒部31の内周面に形成したガイド突起34の位置と、内筒部41の外周面に形成したガイド溝43とを係合させてから、カヌラ保持部材7を注射器保持部材6に挿入する。
すると、外筒部31の内周面に形成したストッパ突起35が内筒部41の外周面に形成したストッパ溝44のうち、注射器2側に位置するストッパ溝44に係合し、これによりカヌラ保持部材7は上記第2後退位置で停止することとなる。
一方、カヌラ保持部材7を第2後退位置まで挿入すると、上記離脱防止手段42の挿入片42aが上記注射器保持部材6における装着部32の溝32bに挿入され、上記部分ねじ部42bは上記雌ねじ部32aの後方に位置するようになっている。
[0016]
次に、図4(b)、図5(b)は、連結器具1に注射器2を連結した装着状態を示しており、この作業は薬剤メーカ等で行い、医療従事者による作業は不要となっている。
ここでは、上記注射器保持部材6における装着部32の雌ねじ部32aに、上記注射器2の連結部12に形成した雄ねじ部12cを螺合する作業を行うようになっている。
その結果、雄ねじ部12cと雌ねじ部32aとを最後まで螺合させると、これら雄ねじ部12cおよび雌ねじ部32aに形成した溝12d、32bが重なり合うこととなる。
一方、上記離脱防止手段42の部分ねじ部42bは、上記雌ねじ部32aの後方に位置していることから、注射器2の雄ねじ部12cとは干渉しないようになっており、注射器2と注射器保持部材6との螺合を阻止しないようになっている。
[0017]
次に、図4(c)、図5(c)は、注射器2を接続した連結器具1をバイアル3にセットした使用前状態を示し、医療現場にはこの使用前状態で提供されるようになっている。
上記装着状態から上記使用前状態とするには、上記カヌラ保持部材7を注射器保持部材6に対して上記第2後退位置から第1後退位置まで前進させ、さらにバイアル3を上記カヌラ保持部材7の保持突起45に当接させればよい。
カヌラ保持部材7を第1後退位置まで前進させると、上記双頭カヌラ5の注射器側カヌラ5aが注射器2の蓋部材13を貫通しない程度の位置まで前進し、上記離脱防止手段42の部分ねじ部42bは雌ねじ部32aに対してずれた位置に停止する。
その結果、この使用前状態で注射器2と注射器保持部材6とを回転させようとすると、注射器2の雄ねじ部12cが部分ねじ部42bに干渉することとなり、注射器2と注射器保持部材6との回転が阻止されて、注射器2を注射器保持部材6から離脱させることができなくなる。
[0018]
次に、図4(d)、図5(d)は、上記注射器2とバイアル3とを接近させて、上記注射器側カヌラ5aが注射器2の蓋部材13を貫通した注射器側貫通状態を示している。
なお、実際の操作においては、上記図4(c)、図5(c)の使用前状態から、図4(e)、図5(e)の使用状態へと一気に操作することができ、図4(d)、図5(d)の状態で停止させる必要はない。
注射器2とバイアル3と相互に接近させると、上記カヌラ保持部材7はバイアル3に押圧されて前進位置へと移動しようとし、またバイアル3はカヌラ保持部材7の保持突起45を乗り越えて前方に移動しようとする。
ここで、上記注射器側カヌラ5aがバイアル側カヌラ5bより細く、穿刺抵抗が小さい上に、上記バイアル3が上記保持突起45を乗り越えるための抵抗力が必要であることから、最初にカヌラ保持部材7が注射器保持部材6に対して前進位置へと移動し、注射器側カヌラ5aが注射器2の蓋部材13を貫通することとなる。
なお、このとき上記注射器側カヌラ5aが注射器2の蓋部材13を貫通するより先に、バイアル側カヌラ5bが蓋部材22を貫通してもよい。
[0019]
そして、図4(e)、図5(e)は、上記注射器側貫通状態からさらに注射器2とバイアル3とを接近させて、注射器2とバイアル3との内部空間を連通させた使用状態を示している。
上記図4(d)、図5(d)の注射器側貫通状態からさらにバイアル3を前進させると、バイアル3は上記保持突起45を外側へと押しやり、これによりカヌラ保持部材7のフラップ31aと注射器保持部材6のフラップ41aとが一体的に変形してバイアル3の通過を許容する。
そして、バイアル3のリング部材23が上記保持突起45を通過して内筒部41の底部に当接することで、バイアル3が保持突起45によってカヌラ保持部材7から脱落しないように保持され、またカヌラ保持部材7は、フラップ41aの下端がストッパ突起35に係合することによって後退が阻止される。
一方、バイアル3が前進することにより、上記双頭カヌラ5のバイアル側カヌラ5bがバイアル3の蓋部材22を貫通し、これにより注射器2の内部空間とバイアル3の内部空間とが連通することとなる。
ここで、あらかじめ双頭カヌラ5により注射器2側の蓋部材13を貫通させ、その後バイアル3の蓋部材22を貫通させることで、負圧とされたバイアル3の内部に注射器2内部の溶解液を引き込むことが可能となっている。
そして、この使用状態としたら、使用者は上記注射器2を操作して溶解液をバイアル3に注入するとともに、バイアル3内で該溶解液によって薬剤を溶解させたら、再び溶解させた薬剤を注射器2に吸引する操作を行う。
このようにして混合した薬剤を注射器2に吸引したら、使用者は連結器具1から注射器2を離脱させるとともに、注射器に穿刺用のカヌラを装着し、該注射器2を用いて薬剤を患者に投与することが可能となる。」
「[請求項1]
注射器とバイアルとを接離させる保持手段と、上記注射器およびバイアルに装着された蓋部材の間に設けられてこれらを貫通する双頭カヌラとを備え、
上記保持手段が注射器とバイアルとを離隔させて、上記双頭カヌラが上記注射器およびバイアルの蓋部材を貫通しない使用前状態から、
上記保持手段が注射器とバイアルとを接近させて、上記双頭カヌラが上記注射器およびバイアルの蓋部材を貫通して注射器およびバイアルの内部空間を連通させた使用状態へと切り替える連結器具において、
上記保持手段は、上記注射器に装着される注射器保持部材と、上記双頭カヌラを備えるとともに、上記使用前状態では注射器保持部材に対して後退した後退位置に位置し、上記使用状態では注射器保持部材に当接した前進位置に前進するカヌラ保持部材とから構成され、
さらに、上記カヌラ保持部材が後退位置に位置している状態で、注射器に係合して注射器保持部材から注射器が離脱するのを阻止する離脱防止手段を設け、
この離脱防止手段は、カヌラ保持部材が上記前進位置に位置されると注射器との係合状態を解除して注射器保持部材から注射器が離脱するのを許容することを特徴とする連結器具。」
「[図1]
」
「[図4]
」
上記記載事項並びに図1及び図4より、注射器保持部材は、後退位置側が開放し、カヌラ保持部材を後退位置と前記前進位置との間を移動可能に収容する外筒部を有していることがわかる。
上記記載事項並びに図1及び図4より、カヌラ保持部材は、後退位置側が開放し、外筒部の内側に収容され、バイアルのリング部材を保持する内筒部を有していることがわかる。
したがって、上記引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「注射器とバイアルとを接離させる保持手段と、上記注射器およびバイアルに装着された蓋部材の間に設けられてこれらを貫通する双頭カヌラとを備え、
上記保持手段が注射器とバイアルとを離隔させて、上記双頭カヌラが上記注射器およびバイアルの蓋部材を貫通しない使用前状態から、
上記保持手段が注射器とバイアルとを接近させて、上記双頭カヌラが上記注射器およびバイアルの蓋部材を貫通して注射器およびバイアルの内部空間を連通させた使用状態へと切り替える連結器具において、
上記保持手段は、上記注射器に装着される注射器保持部材と、上記双頭カヌラを備えるとともに、上記使用前状態では注射器保持部材に対して後退した後退位置に位置し、上記使用状態では注射器保持部材に当接した前進位置に前進するカヌラ保持部材とから構成され、
さらに、上記カヌラ保持部材が後退位置に位置している状態で、注射器に係合して注射器保持部材から注射器が離脱するのを阻止する離脱防止手段を設け、
この離脱防止手段は、カヌラ保持部材が上記前進位置に位置されると注射器との係合状態を解除して注射器保持部材から注射器が離脱するのを許容し、
前記注射器保持部材は、前記後退位置側が開放し、前記カヌラ保持部材を前記後退位置と前記前進位置との間を移動可能に収容する外筒部を有し、
前記カヌラ保持部材は、前記後退位置側が開放し、前記外筒部の内側に収容され、前記バイアルの前記リング部材を保持する内筒部を有する連結器具。」
2.引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、次の事項が記載されている(ウムラウトは「e」を付けて代用した。エスツエットは「ss」で代用した。以下同様である。)。
「Fig. 1 zeigt ein rohrfoermiges Teil 2, das beweglich und axial gefuehrt eine Flasche 4 haelt, die durch einen Stopfen 6 verschlossen ist und in der Praxis eine Fluessigkeit enthaelt. An seinem der Flasche 4 abgewandten Ende haelt das rohrfoermige Teil 2 eine Flasche 8, die durch einen Stopfen 10 verschlossen ist und in der Praxis ein trockenes Medikament unter Unterdruck enthaelt. Am Ende der Muendung 12 der Flasche 8 befindet sich ein aeusserer Kragen 14, der hinter einen Haken 16 am Ende eines Halteteils 18 greift, in dem sich eine zylindrische Ausnehmung 20 befindet, in der ein Flansch 22 am hinteren Ende eines Dornes 24 mit seinem aeusseren Rand gefuehrt ist. Auf der dem Dorn 24 abgewandten Seite des Flansches 22 befindet sich ein Fortsatz 26 mit einem weiblichen Innenkegel 28, in den ein maennlicher Kegel 30 eingreift, an dem sich ein Flansch 32 befindet, von dem aus sich auf der dem maennlichen Kegel 30 abgewandten Seite ein Dorn 34 erstreckt. Spitze 36 des Dornes 34 ist ueber einen Kanal 38 und einen Kanal 40 mit einer Spitze 42 des Dornes 24 verbunden.
Von dem unteren Ende des rohrfoermigen Teils 2 erstreckt sich eine Zunge 44, die radial nach aubeen federn kann und einen radial nach innen gerichteten Vorsprung mit einer schraegen Flaeche 46 aufweist, die sich in dem dargestellten Ruhezustand der Zunge 44 in den Bewegungsbereich einer Kante 48 des Stopfens 6 erstreckt .
In dem oberen Ende des rohrfoermigen Teils 2 befin- den sich axiale Schlitze, so dass dieser Bereich des rohrfoermigen Teils 2 nach aussen federn kann. Dies erfolgt dann, wenn bei Bewegung der Flasche 4 in der Zeichnung nach unten eine Kante 52 gegen eine konische Flaeche 54 an einem radial inneren Vorsprung an einem durch die Schlitze 50 gebildeten Wandungsteil 56 des rohrfoermigen Teils 2 stoesst und so die Muendung der Flasche 4 radial fuehrt. Aus dem in Fig. 2 ersichtlichen, um 90° axial gedrehten Schnitt ist zu ersehen, dass sich an dem Wandungsteil 56 radial innen Vorspruenge 58 erstrecken, die an der aeusseren Wandung der Flasche 4 anliegen, die somit insgesamt bei axialer Bewegung in dem rohrfoermigen Teil 2 gefuehrt ist. Die Wandungsteile 56 mit ihren Vorspruengen 58 erstrecken sich rund um den gesamten Umfang des rohrfoermigen Teils 2.
An der Innenseite der Zungen 44 befindet sich ein Anschlag 60, der in der in Fig. 1 dargestellten Ausgangslage an einem Gegenanschlag 62 anliegt und somit verhindert, dass sich das rohrfoermige Teil 2, von dem die Zungen 44 ein Teil sind oder mit ihm verbunden sind, nicht in Richtung auf die Flasche 8 bewegen kann und somit ein Einstechen der Spitze 42 des Domes 24 in den Stopfen 10 verhindert, gleichzeitig aber das Eindringen der Spitze 36 des Dornes 34 durch den Stopfen 6 in das Innere der Flasche 4 sicherstellt. Dieser Zwischenzustand ist in Fig. 3 dargestellt. Fig. 4 zeigt den weiteren Zwischenzustand, in dem der Dorn 34 voellig den Stopfen 6 durchdrungen hat und in das Innere der Flasche 4 eingetreten ist. Dabei liegt der Flansch 32 an dem Stopfen 6 an. In diesem Zustand hat sich der Anschlag 60 voellig nach aussen von dem Gegenanschlag 62 wegbewegt, so dass das rohrfoermige Teil 2 sich weiter in Richtung auf die Flasche 8 bewegen kann. Bei dieser Bewegung drueckt der Stopfen 6 gegen den Flansch 32, wodurch der Flansch 22 mit seinem Dorn 24 nach unten bewegt wird, so dass dessen Spitze 42 den Stopfen 10 in der Flasche 8 durchsticht, wie das in Fig. 5 dargestellt ist. In diesem Zustand kann Fluessigkeit aus der Flasche 4 in die Flasche 8 gelangen, in der sich ein Medikament befindet. Dieser Vorgang wird insbesondere bewirkt durch einen Unterdruck in der Flasche 8. In diesem Zustand kann das rohrfoermige Teil 2 mit der Flasche 4 nach oben abgezogen werden, wobei auch der Dorn 34 mit dem maennlichen Kegel 30 mitgenommen wird, so dass der weibliche Innenkegel 28 freikommt, in den ein maennlicher Kegel 64 einer Spritze 66 einsteckbar ist, um die Fluessigkeit aus der Flasche 8 zu entnehmen, die sich inzwischen mit dem in dieser Flasche 8 befindlichen Medikament vermischt hat. Wie aus Fig. 6 ersichtlich ist, wird hierzu vorher die Flasche 8 mit den daranhaengenden Teilen umgekehrt, so dass sie zur Entnahme oben liegt. 」(公報4ページ6行-6ページ末行)
「当審仮訳:図1は、栓6により密閉されて実際に液体を含んでいる容器4を移動して軸方向に導くように固定する管形状部2を示す。容器4の反対の端では管形状部2は、栓10により密閉されて実際に乾燥した薬を負圧で含んでいる容器8を保持している。容器8の口12の端において、保持部18の端においてフック16の後ろで嵌合する外側カラー14があり、そこには円筒形状のくぼみがあり、前記くぼみにおいてフランジ22は針24の後端においてその外縁で導かれる。針24に対して容器22の反対側には雌の内側円錐28を備える突起26を有し、そこにおいて雄の円錐30と嵌合し、前記雄の円錐にはフランジ32があり、前記フランジから雄の円錐30と反対側に針34が伸びている。針34の先端36はチャネル38及びチャネル40を通じて針24の先端42と結合されている。
管形状部2の下部から、放射方向で外側に弾むことができ、図示されているリード44の静止状態において栓6の角48の移動領域に伸びている傾斜面46を備える放射方向内側に向いている突出部を有しているリード44が伸びている。
管形状部2の上端において軸方向のスリットがあるため、管形状部2のこの領域は外側に弾むことができる。このことにより、図において下側に容器4が移動する場合に、角52は円錐面54に対してスリット50により形成される管形状部2の壁部56における放射方向内側の突出部を押し、そのため容器4の口を放射方向に導く。軸方向で90°に回転させた図2から分かるように、壁部56において放射方向内側の突出部58が伸び、前記突出部は全体として管形状部2において軸方向に移動する場合に導かれる容器4の外壁に配置される。突出部58を備える壁部56は管形状部2の外周全体において周りに伸びている。
リード44の内側にはストッパ60があり、それは対抗ストッパ62において図1に示されている出口位置に配置されているため、リード44が1つの部品であるか、それと結合している管形状部2が容器8の方向に動くことができず、それによって針24の先端42が栓10に突き刺さることを防ぐが、同時に針34の先端36が栓6を通じて容器4の内側に突き刺さることを保証する。この中間状態は図3に示されている。図4はさらなる中間常置を示し、針34は完全に栓6を貫通して容器4の内側に入っている。その場合にフランジ32は栓6の場所に配置されている。この状態においてストッパ60は完全に外側に対抗ストッパ62により移動するので、管形状部2はさらに容器8の方向に移動することができる。この移動により栓6はフランジ32に対して押し、フランジ22はその針24と下向きに移動するので、図5に示されているように、その先端42は容器8における栓10を突き刺す。この状態において、液体は容器4から、薬が入っている容器8に達する。このステップは特に容器8における負圧により作用する。この状態において管形状部2は容器4と上向きに引き抜くことができ、さらに針34は雄円錐30と一緒にあるため、雌の内側円錐28は解放され、注射器66の雄円錐64は挿入可能になり、前記容器8にあった薬と混合した液体を容器8から抽出することができる。図6から分かるように、容器8をそこに固定した部分とひっくり返すので、抽出するために置く。」
「Patentansprueche
1. Transfervorrichtung zur Uueberleitung einer Fluessigkeit aus einer ersten, durch einen durchstechbaren Stopfen (6) verschlossenen Flasche (4) in eine zweite, durch einen durchstechbaren Stopfen (10) verschlossene und ein zu loesendes Medikament enthaltende Flasche (8) ,
mit einem rohrfoermigen Teil (2) zur axial beweglichen Halterung der die Fluessigkeit enthaltenden Flasche (4) und zur Haltung der das Medikament enthaltenden Flasche (8) in einer mit ihren Muendungen aufeinanderzu gerichteten Lage, und
mit einem in dem rohrfoermigen Teil (2) angeordneten, in dem rohrfoermigen Teil (2) axial beweglichen Ueberleitungsteil mit einem ersten Dorn (34), der auf den die Flasche (4) mit der Fluessigkeit verschliessenden Stopfen (6) gerichtet ist, und einem zweiten Dorn (24) , der auf den die Flasche (8) mit dem Medikament verschliessenden Stopfen (10) gerichtet ist, wobei die Dorne (34, 10) jeweils Spitzen (36, 42) aufweisen, die durch einen Kanal (38, 40) miteinander verbunden sind,
gekennzeichnet durch Blockademittel (60, 62), die die Bewegung des Ueberleitungsteils in Richtung auf die das Medikament enthaltende Flasche (8) formschluessig blok- kieren und erst freigeben, wenn der erste Dorn (34) den Stopfen (6) der Flasche (4) mit der Fluessigkeit durchstochen hat . 」(特許請求の範囲の請求項1)
(当審仮訳:特許請求の範囲
1.液体を含む容器(4)の軸方向の移動を保持し、薬を含む容器(8)をその口と相接して向けられている位置に固定するための管形状部(2)と、
液体を備える容器(4)を密閉する栓(6)に向けられている第1の針(34)及び薬を備える容器(8)を密閉する栓(10)に向けられている第2の針を備える管形状部(2)において配置されて管形状部(2)において軸方向に移動する搬送部であり、針(34,10)はそれぞれチャネル(38,40)を通じて互いに結合されている先端(36,42)を有するものと、を備えるものであり、
第1の針(34)が液体を備える容器(4)の栓(6)を突き刺した場合に、ブロック手段(60,62)は搬送部の移動を、薬を含む容器(8)の方向において連結してブロックした後に解放することを特徴とする、第1の突き刺すことが可能な栓(6)により密閉される容器(4)から第2の突き刺すことが可能な栓(10)により密閉されて溶解した薬を含む容器(8)に液体を移すための搬送装置。)
「 FIG.5
」
図5によれば、「針(24)の先端(42)が容器(8)の栓(32)を突き刺した状態において、管形状部(2)の容器(8)側の端部は、保持部(18)のフック(16)における容器(8)側の端部より突出していないこと」が看取できる。
したがって、上記引用文献2には、「液体を含む容器(4)の軸方向の移動を保持し、薬を含む容器(8)をその口と相接して向けられている位置に固定するための管形状部(2)と、
液体を備える容器(4)を密閉する栓(6)に向けられている第1の針(34)及び薬を備える容器(8)を密閉する栓(10)に向けられている第2の針(24)を備える管形状部(2)において配置されて管形状部(2)において軸方向に移動する搬送部であり、針(34,24)はそれぞれチャネル(38,40)を通じて互いに結合されている先端(36,42)を有しているものであり、
第1の針(34)が液体を備える容器(4)の栓(6)を突き刺した場合に、ブロック手段(60,62)は搬送部の移動を、薬を含む容器(8)の方向において連結してブロックした後に解放し、第1の突き刺すことが可能な栓(6)により密閉される容器(4)から第2の突き刺すことが可能な栓(10)により密閉されて溶解した薬を含む容器(8)に液体を移すための搬送装置において、針(24)の先端(42)が容器(8)の栓(32)を突き刺した状態において、管形状部(2)の容器(8)側の端部は、保持部(18)のフック(16)における容器(8)側の端部より突出していないこと。」という技術的事項が記載されていると認められる(以下「引用文献2記載の技術的事項」という。)。
3.引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には、次の事項が記載されている。
「【請求項1】
天面とスカート部を有するキャップ状の外側ガイド部材と、該外側ガイド部材に挿着された筒状の内側ガイド部材と、前記外側ガイド部材の天面を貫通して設けられた穿刺部材を含んでなり、該穿刺部材は、基端にシリンジのチップを装着可能なチップ装着部を有するとともに、先端に穿刺針を有する管状部材であり、該穿刺針は気体通路と液体通路を備えており、液体通路とチップ装着部が連通するとともに、気体通路がエアフィルターを通して外部に開放されてなり、前記内側ガイド部材は、前記穿刺針の先端が該内側ガイド部材の内側に後退した位置から外側に突出する位置まで、前記外側ガイド部材のスカート部の内壁に沿ってスライド可能であり、穿刺針の先端が内側ガイド部材の内側に後退した位置で、外側ガイド部材と内側ガイド部材がスライド不能に係合され、バイアルの口部を内側ガイド部材に挿着することにより該係合が解除されるようにされてなる、液体移注具。」
「【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例を示す平面図であり、図2~図4はそれぞれ図1の底面図、正面図、左側面図、図5は図1のX-X線断面図、図6、図7はそれぞれ図1に示す内側ガイド部材の左側面図および要部斜視図である。また、図8は本発明の他の実施例を示す図5と同様の断面図であり、図9は本発明の液体移注具の使用状況を説明する図である。
図1~図5に示すように、本発明の液体移注具は、キャップ状の外側ガイド部材1と、筒状の内側ガイド部材2と、穿刺部材3を含んでなる。穿刺部材3は、基端にチップ装着部31を有するとともに先端に穿刺針32を有する管状部材であり、開口部324にエアフィルター33を備えた気体通路322とチップ装着部31と連通する液体通路321を備えている。また、内側ガイド部材2は、穿刺針32の先端が内側ガイド部材2の内側に後退した位置から外側に突出する位置まで、外側ガイド部材1のスカート部12内壁に沿ってスライド可能であり、穿刺針32の先端が内側ガイド部材2の内側に後退した位置で、外側ガイド部材1と内側ガイド部材2がスライド不能に係合され、バイアルの口部を内側ガイド部材2に挿着することによりこの係合が解除されるようになっている。
【0010】
外側ガイド部材1は、通常、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂などの可撓性樹脂で形成されたキャップ状部材であり、天面11とスカート部12を有しており、スカート部12には内側ガイド部材2が挿着され、天面11にはその天面11を貫通して穿刺部材3が設けられている。
内側ガイド部材2を手で把持すると、手が邪魔になって内側ガイド部材2をスライドさせにくいことから、外側ガイド部材1のスカート部12の先端には、バイアル挿着時に、内側ガイド部材2を把持することが無いように、先端方向外側に傾斜する、例えばラッパ状の、鍔13を設けてもよい。
内側ガイド部材2は外側ガイド部材1と同様の材料で形成された筒状部材であり、外側ガイド部材1のスカート部12の内壁に沿ってスライド可能なように、スカート部12の内径より僅かに小さな外径を有している。
外側ガイド部材1と内側ガイド部材2は、使用前は、穿刺針32の先端が内側ガイド部材2の内側に後退した位置で、相互にスライド不能に係合されており、この係合は、内側ガイド部材2にバイアル4(図9のbを参照)の口部41を挿着することにより解除されるようになっている。外側ガイド部材1と内側ガイド部材2の係合が解除されると、内側ガ
イド部材2が、穿刺針32の先端が内側ガイド部材2の内側に後退した位置から外側に突出する位置まで、外側ガイド部材1のスカート部12内壁に沿ってスライド可能になっている。」
したがって、上記引用文献3には、「天面とスカート部を有するキャップ状の外側ガイド部材と、該外側ガイド部材に挿着された筒状の内側ガイド部材と、前記外側ガイド部材の天面を貫通して設けられた穿刺部材を含んでなり、該穿刺部材は、基端にシリンジのチップを装着可能なチップ装着部を有するとともに、先端に穿刺針を有する管状部材であり、該穿刺針は気体通路と液体通路を備えており、液体通路とチップ装着部が連通するとともに、気体通路がエアフィルターを通して外部に開放されてなり、前記内側ガイド部材は、前記穿刺針の先端が該内側ガイド部材の内側に後退した位置から外側に突出する位置まで、前記外側ガイド部材のスカート部の内壁に沿ってスライド可能であり、穿刺針の先端が内側ガイド部材の内側に後退した位置で、外側ガイド部材と内側ガイド部材がスライド不能に係合され、バイアルの口部を内側ガイド部材に挿着することにより該係合が解除されるようにされてなる、液体移注具。」という技術的事項が記載されていると認められる(以下「引用文献3記載の技術的事項」という。)。
第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明における「注射器とバイアルとを接離させる保持手段」は、その機能、作用等により本願発明1における「注射器とバイアルとを接離させる保持手段」に相当する。
同様に、「前記注射器およびバイアルに装着された蓋部材の間に設けられてこれらを貫通する双頭カヌラ」は「前記注射器に装着された注射器蓋部材と前記バイアルに設けられたリング部材に装着されたバイアル蓋部材との間に位置し、前記注射器蓋部材および前記バイアル蓋部材に貫通可能な双頭カヌラ」に、「上記保持手段が注射器とバイアルとを離隔させて、上記双頭カヌラが上記注射器およびバイアルの蓋部材を貫通しない使用前状態から、
上記保持手段が注射器とバイアルとを接近させて、上記双頭カヌラが上記注射器およびバイアルの蓋部材を貫通して注射器およびバイアルの内部空間を連通させた使用状態へと切り替える連結器具」は「前記保持手段が前記注射器と前記バイアルとを離隔させて、前記双頭カヌラが記注射器蓋部材および前記バイアル蓋部材を貫通しない使用前状態から、前記保持手段が前記注射器と前記バイアルとを接近させて、前記双頭カヌラが前記注射器蓋部材および前記バイアル蓋部材を貫通して前記注射器および前記バイアルの内部空間を連通させた使用状態へと切り替える連結器具」に、「保持手段」が「上記注射器に装着される注射器保持部材と、上記双頭カヌラを備えるとともに、上記使用前状態では注射器保持部材に対して後退した後退位置に位置し、上記使用状態では注射器保持部材に当接した前進位置に前進するカヌラ保持部材とから構成され」る態様は、保持手段が「双頭カヌラを有し、前記使用前状態では前記注射器保持部材に対して後退した後退位置に位置し、前記使用状態では前記注射器保持部材に当接した前進位置に前進するカヌラ保持部材と、前記カヌラ保持部材が前記後退位置に位置している状態で、前記注射器に係合して前記注射器保持部材から前記注射器が離脱するのを阻止し、前記カヌラ保持部材が前記前進位置に位置すると前記注射器との係合状態を解除して前記注射器保持部材から前記注射器が離脱するのを許容する離脱防止手段と、を備え」ている態様に、「注射器保持部材は、前記後退位置側が開放し、前記カヌラ保持部材を前記後退位置と前記前進位置との間を移動可能に収容する外筒部を有し」ている態様は「注射器保持部材は、前記後退位置側が開放し、前記カヌラ保持部材を前記後退位置と前記前進位置との間を移動可能に収容する外筒部を有し」ている態様に、「前記カヌラ保持部材は、前記後退位置側が開放し、前記外筒部の内側に収容され、前記バイアルの前記リング部材を保持する内筒部を有し」ている態様は「前記カヌラ保持部材は、前記後退位置側が開放し、前記外筒部の内側に収容され、前記バイアルの前記リング部材を保持する内筒部を有し」ている態様にそれぞれ相当する。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「 注射器とバイアルとを接離させる保持手段と、
前記注射器に装着された注射器蓋部材と前記バイアルに設けられたリング部材に装着されたバイアル蓋部材との間に位置し、前記注射器蓋部材および前記バイアル蓋部材に貫通可能な双頭カヌラと、含み、
前記保持手段が前記注射器と前記バイアルとを離隔させて、前記双頭カヌラが記注射器蓋部材および前記バイアル蓋部材を貫通しない使用前状態から、前記保持手段が前記注射器と前記バイアルとを接近させて、前記双頭カヌラが前記注射器蓋部材および前記バイアル蓋部材を貫通して前記注射器および前記バイアルの内部空間を連通させた使用状態へと切り替える連結器具であって、
前記保持手段は、前記注射器が装着される注射器保持部材と、
前記双頭カヌラを有し、前記使用前状態では前記注射器保持部材に対して後退した後退位置に位置し、前記使用状態では前記注射器保持部材に当接した前進位置に前進するカヌラ保持部材と、
前記カヌラ保持部材が前記後退位置に位置している状態で、前記注射器に係合して前記注射器保持部材から前記注射器が離脱するのを阻止し、前記カヌラ保持部材が前記前進位置に位置すると前記注射器との係合状態を解除して前記注射器保持部材から前記注射器が離脱するのを許容する離脱防止手段と、を備え、
前記注射器保持部材は、前記後退位置側が開放し、前記カヌラ保持部材を前記後退位置と前記前進位置との間を移動可能に収容する外筒部を有し、
前記カヌラ保持部材は、前記後退位置側が開放し、前記外筒部の内側に収容され、前記バイアルの前記リング部材を保持する内筒部を有している連結器具。」
(相違点)
本願発明1は、「保持手段」が「双頭カヌラ」を保持し、「前記カヌラ保持部材が前記使用状態においては、前記外筒部の前記後退位置側の端部の位置は、前記内筒部の前記後退位置側の端部の位置に対して、前記後退位置側には突出していない」という構成を備えるのに対し、引用発明はそのような構成を備えていない点。
(2)相違点についての判断
上記相違点について検討すると、引用文献2には、「「第4 引用文献、引用発明等」の「2.引用文献2について」及び「3.引用文献3について」に記載のとおり、「針(24)の先端(42)が容器(8)の栓(32)を突き刺した状態において、管形状部(2)の容器(8)側の端部は、保持部(18)のフック(16)における容器(8)側の端部より突出していないこと」が記載されており、その形状・構造からみて引用文献2の「管形状部(2)」及び「保持部(18)」は、本願発明1の「外筒部」及び「内筒部」に相当するといえるから、引用文献2記載の「管形状部(2)」と、「保持部(18)」の位置関係が「保持部(18)のフック(16)における容器(8)側の端部より突出していないこと」すなわち、上記相違点に係る本願発明1の構成を一応備えているものとして捉えることができる。
そこで、引用発明に引用文献2記載された上記構成を適用し得るかについて検討すると、引用発明は、「上記保持手段は、上記注射器に装着される注射器保持部材と、上記双頭カヌラを備えるとともに、上記使用前状態では注射器保持部材に対して後退した後退位置に位置し、上記使用状態では注射器保持部材に当接した前進位置に前進するカヌラ保持部材とから構成され」ているのに対して、引用文献2記載された技術的事項は、保持部(18)が針(24),(34)を保持するものでなく、また、第1の針(34)が液体を備える容器(4)の栓(6)を突き刺す際に、容器(4)及び栓(6)が針(34)に向かって移動する構造のものであるから、両者は共に薬剤の容器を連結する連結器具であるものの、その基本構造が全く異なるタイプのものである。
そして、薬剤の容器を連結する連結器具において、外筒部と内筒部の相対的な位置関係がどのようにあるかは、それぞれ同じタイプの連結器具相互の構造との関係において技術的な意味合いを生じさせることはあっても、タイプの異なる連結器具相互の関係においては、何らの示唆を与えるものとはならないと当業者は理解するものであるから、たとえ引用文献2記載の連結器が「針(24)の先端(42)が容器(8)の栓(32)を突き刺した状態において、管形状部(2)の容器(8)側の端部は、保持部(18)のフック(16)における容器(8)側の端部より突出していないこと」という構成を一応備えていたとしても、そのことを以てタイプの異なる連結器具である引用発明に何らの示唆を与えるものではなく、引用発明において、引用文献2記載の上記構成を採用しようとする動機が当業者に生じるとはいえない。
また、上記相違点に係る本願発明1の構成は、引用文献3には記載されておらず、本願出願前において周知技術であるともいえず、さらには、単なる設計事項ということもできない。
したがって、上記相違点は、引用発明並びに引用文献2及び3に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に想到し得たものとはいえない。
そして、本願発明1は、相違点に係る本願発明1の構成を備えることによって、「バイアルの大きさに関係なく、バイアルを保持手段に保持することが可能な構造を備える連結器具を提供することを可能とする。」(【0015】)との効果を奏するものである。
したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明並びに引用文献2及び3に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。
2.本願発明2、3について
本願発明2、3も、本願発明1の上記相違点に係る構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明並びに引用文献2及び3に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明1-3は、引用発明並びに引用文献2及び3に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2018-005048