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商標拒絶査定不服審判

2017-008195

カテキンリョクチャ

審判番号
2017-008195
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2015-100830
請求日
2017年06月07日
審決日
2018年09月14日
公報発行日
2018年10月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
  • 【請求人】株式会社 伊藤園
  • 【請求人代理人】特許業務法人RIN IP Partners
審判長/審判官
  • 審判長 山田 正樹
  • 審判官 榎本 政実
  • 審判官 木住野 勝也
分類
T18 .13 -WY (W30) / T18 .17 -WY (W30)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法3条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第2項、商標法第3条第1項第3号、商標法第10条第1項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

商願2015-100830拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 本願商標 本願商標は、「カテキン緑茶」の文字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品とし、平成27年2月3日に登録出願された商願2015-9779に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同年10月20日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における同29年7月18日付け及び同30年7月31日付けの手続補正書により、最終的に、第30類「ガレート型カテキンを80%以上含有し、脂肪吸収抑制効果を有するペットボトル入りの緑茶飲料」と補正されたものである。 第2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、『カテキン緑茶』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、『カテキン』の文字は、『カテキュー(阿仙薬)から精製する黄色の非結晶化合物。ポリフェノールの一種で、紅茶・緑茶の渋み成分。植物界に広く存在し、タンニンの成分となる。抗酸化作用・抗菌作用をもつ。』とされるもので、緑茶に含まれるものとして知られているので、本願商標は、その構成文字から、「カテキンを含む緑茶」程の意味合いを理解させるものといえる。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、「カテキンを含む緑茶」といった意味合いを認識するにすぎないものといえる。したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、出願人は、本願商標は、取引者及び需要者の間に広く知られたものとなっているから、同条第2項の規定に該当し、商標登録されるべき旨述べているが、提出された資料によれば、本願商標が出願人の業務に係る商品であることを認識し得るほどに周知となっているとは認められないから、同条第2項の規定に該当するとの出願人の主張を採用することはできない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 第3 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、「カテキン緑茶」の文字からなるところ、その構成中「カテキン」の文字は、「ポリフェノールの一種で、紅茶・緑茶の渋み成分。」の意味を有し、「緑茶」の文字は、「製茶の一種。茶の若葉を収穫後に熱処理をし酸化発酵を止め、みどり色を維持させる。その茶葉、また飲料。」の意味を有する語(いずれも、株式会社岩波書店発行「広辞苑第七版」)であって、これらの語は、いずれもよく知られた語といえるものである。 そうすると、本願商標は、その構成文字全体として「カテキンを含む緑茶」程の意味合いを容易に理解させるものである。 してみれば、本願商標をその指定商品である「ガレート型カテキンを80%以上含有し、脂肪吸収抑制効果を有するペットボトル入りの緑茶飲料」に使用しても、これに接する需要者は、「カテキンを含む緑茶飲料」を表したものとして理解し、自他商品の識別標識としては認識し得ないものであるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 2 商標法第3条第2項該当性について 請求人は、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するとしても、請求人が使用をした結果、現在では取引者及び需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識する状態に至っていることから、商標法第3条第2項に該当する旨を主張し、証拠方法として、原審において甲第1号証ないし甲第29号証(枝番号を含む。以下、枝番号を含む号証で枝番号の全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。)及び当審において甲第30号証ないし甲第238号証を提出している。 ところで、商標法第3条第2項の判断については、「商標登録出願された商標が、商標法第3条第2項の要件を具備し、登録が認められるか否かは、使用に係る商標及び商品、使用開始時期及び使用期間、使用地域、当該商品の販売数量等並びに広告宣伝の方法及び回数等を総合考慮して、出願商標が使用された結果、判断時である審決時において、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものと認められるか否かによって決すべきものであり、・・・」(知財高等裁判所 平成21年(行ケ)第10388号判決)と判示されているところである。 そこで、以上の観点を踏まえて、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するか否かについて、以下検討する。 (1)使用に係る商標及び商品並びに使用開始時期及び使用期間について 請求人の提出した証拠によれば、請求人は、平成20年頃から本願商標が登録出願された時点まで、請求人の製造、販売に係る商品である「緑茶飲料」に「カテキン緑茶」の文字からなる本願商標と同一といえる標章を使用していることが認められる(甲5、甲8、甲93、甲104、甲120、甲133、甲138、甲165、甲170、甲183、甲237等)。 (2)売上高、販売数量、使用地域等について 請求人の平成21年から平成28年までの売上高は、188億2,118万円であり、本願商標の使用に係る商品(以下「使用商品」という。)の販売数量は、同期間までで1億204万本であって、該商品は全国に流通している(甲42~甲44)。 また、使用商品の平成21年1月から平成26年12月までの売上金額の累計実績における特定保健用食品(トクホ)緑茶市場での市場占有率は、第3位であること、ウーロン茶やジャスミン茶等を含むトクホ無糖茶市場での市場占有率は、第5位であること(甲24)が認められる。 (3)広告宣伝の方法、期間、地域及び規模について 請求人は、全国規模で広告宣伝活動を行っており、演技派俳優を起用したCMなどのテレビCM(甲50、甲65~甲70、甲197~甲224)、「日本経済新聞」、「日本食糧新聞」、「帝飲食料新聞」等の新聞各紙、「週刊現代」、「週刊商業経済」、「週刊ポスト」等の雑誌(甲71~甲190、甲225~甲234)などにより使用商品を積極的に広告宣伝し、これらの広告宣伝費は、平成20年から同30年1月(平成22年1月~同年12月を除く。)までの10年間で、約15億4,400万円である(甲235)。 (4)小括 上記(1)ないし(3)を総合して考察すれば、請求人は、平成20年頃から本願商標が登録出願されるまでの約7年間継続して本願の指定商品について、本願商標と実質的に同一と認められる商標を使用したものであり、テレビCM、新聞、雑誌等において、継続してその広告宣伝を行い、使用商品は、多数の新聞、雑誌記事により紹介され、全国に販売されていることが認められる。 また、職権調査によれば、本願商標と同一の構成からなる商標を、「ペットボトル入りの緑茶飲料」について使用する者は、請求人以外見いだせない。 そうすると、本願商標は、その指定商品について、請求人により長年にわたり継続的に使用された結果、需要者が、請求人の業務に係る商品を表示する商標として認識されるに至ったものとみるのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものというべきである。 3 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものの、同条第2項の規定により商標登録を受けることができるものであるから、原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 なお、本願は、商願2015-9779に係る分割出願として登録出願されたものであるが、本願の指定商品には、本願の登録出願と同時になされた原出願の補正後の指定商品が含まれているため、商標法第10条第1項の規定による商標登録出願とは認められないものであるから、通常の商標登録出願として処理した。

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