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特許拒絶査定不服審判

2017-006980

炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法

審判番号
2017-006980
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-165171外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年05月15日
審決日
2018年12月10日
公報発行日
2019年01月25日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H01L) / P18 .537-WY (H01L)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2016-165171「炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 8月10日出願公開,特開2017-139440,請求項の数(19)〕について,次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は,平成28年8月25日(優先権主張 平成28年2月1日,以下,「本願優先日」という。)の出願であって,同年11月29日付けで拒絶理由通知がされ,平成29年2月6日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたが,同年2月16日付けで拒絶査定(以下,「原査定」という。)がされ,これに対し,同年5月15日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたところ,当審から,平成30年7月13日付けで拒絶理由通知(以下,「当審拒絶理由」という。)がされ,同年9月18日に意見書が提出されるとともに手続補正(以下,「本件補正」という。)がされたものである。 第2 本願発明 本願請求項1ないし19に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明19」という。)は,本件補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし19に記載された事項により特定される発明であり,本願発明1は以下のとおりである。 「炭化珪素基板のおもて面に設けられた第1導電型の第1エピタキシャル成長層と, 前記第1エピタキシャル成長層の,前記炭化珪素基板側に対して反対側に設けられた第2導電型の第2エピタキシャル成長層と, 前記第2エピタキシャル成長層の内部に選択的に設けられた,前記第2エピタキシャル成長層よりも不純物濃度の高い第2導電型の第1半導体領域と, 前記第2エピタキシャル成長層の内部の,前記第1半導体領域よりも浅い位置に選択的に設けられた第1導電型の第2半導体領域と, 前記第2半導体領域,前記第1半導体領域および前記第2エピタキシャル成長層を貫通して前記第1エピタキシャル成長層に達するトレンチと, 前記トレンチの内部にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と, 前記第2半導体領域および前記第2エピタキシャル成長層に接する第1電極と, 炭化珪素基板の裏面に設けられた第2電極と, を備え, 前記第1半導体領域は,前記第2エピタキシャル成長層よりも不純物濃度の高いピークで深さ方向に高低差をもつ山型の第2導電型不純物濃度プロファイルを有し, 前記第2半導体領域と前記第1エピタキシャル成長層との間のチャネル長は,0.3μm以上1μm以下であり, 前記第1半導体領域は,前記第2半導体領域および前記第1エピタキシャル成長層と離して,前記炭化珪素基板のおもて面に平行な方向に一様に設けられており, 前記第1半導体領域と前記第2半導体領域との間,および,前記第1半導体領域と前記第1エピタキシャル成長層との間が,前記第1半導体領域よりも不純物濃度の低い第2導電型領域であることを特徴とする炭化珪素半導体装置。」 なお,本願発明2ないし8,12ないし16は,本願発明1を直接あるいは間接的に引用するものであって,本願発明1を減縮する発明であり,本願発明9は,おおむね本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明であり,本願発明10,11,17ないし19は,本願発明9を直接あるいは間接的に引用するものであって,本願発明9を減縮する発明である。 第3 引用文献,引用発明等 1 引用文献3について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3(特開2015-72999号公報)には,図面とともに次の事項が記載されている(下線加筆。以下,同様。)。 「【技術分野】 【0001】 本発明は,トレンチゲートを有する炭化珪素(以下,SiCという)半導体装置に関する。」 「【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら,SiCはワイドバンドギャップの材料であるため,その内部電位が3V以上と大きい。このため,ソースやドレインを0Vに接続しておいても,p型層の周り全域に,p型層に-3V程度を印加した程度の空乏層が自然に広がる。したがって,p型層から伸びた空乏層によって,各p型層の間における電流経路が狭まり,オン抵抗を上昇させるという問題が発生する。 【0007】 本発明は上記点に鑑みて,ゲート絶縁膜が破壊されることを防止しつつ,オン抵抗の上昇を抑制できるSiC半導体装置を提供することを目的とする。」 「【0013】 (第1実施形態) 本発明の第1実施形態について説明する。ここではSiC半導体装置に備えられる素子として反転型のトレンチゲート構造のMOSFETについて説明する。 【0014】 まず,図1を参照して,本実施形態にかかるトレンチゲート構造のMOSFETの断面構成について説明する。この図は,MOSFETの2セル分を抽出したものに相当する。本図ではMOSFETの2セル分しか記載していないが,図1に示すMOSFETと同様の構造のMOSFETが複数列隣り合うように配置されている。 【0015】 図1に示すMOSFETは,SiC基板などによって構成されたn+型層1を用いて形成されている。n+型層1は,リン等のn型不純物濃度が例えば5.0×1018~1.0×1020/cm3,厚さ100~400μmとされ,ここではn型不純物濃度を1.0×1019/cm3,厚さを100μmとしている。このn+型層1の表面には,SiCからなるn-型ドリフト層2が形成され,リン等のn型不純物濃度が例えば7.0×1015~1.0×1016/cm3,厚さ8~12μm,ここではn型不純物濃度を8.0×1015/cm3,厚さを10μmとしている。n-型ドリフト層2の不純物濃度は深さ方向において一定であっても良いが,濃度分布に傾斜を付け,n-型ドリフト層2のうちn+型層1側の方がn+型層1から離れる側よりも高濃度となるようにすることもできる。このようにすると,n-型ドリフト層2の内部抵抗を低減できるため,オン抵抗を低減することが可能となる。 【0016】 このn-型ドリフト層2の表層部にはn型電流分散層3およびp型ベース領域4が形成されており,さらに,p型ベース領域4の上層部分にはn+型ソース領域5およびp+型コンタクト層6が形成されている。 【0017】 n型電流分散層3は,リン等のn型不純物濃度が例えば5.0×1016~2.5×1017/cm3,厚さ0.7~1.2μm程度で構成され,ここではn型不純物濃度を1.0×1017/cm3,厚さを1.0μmとしている。n型電流分散層3の不純物濃度は,SiCの内部電位(約3V)においてn型電流分散層3に伸びる空乏層の距離の2倍よりも,p型ベース領域3とp型ボトム層10との間の距離の方が大きくなる濃度に設定されている。具体的には,SiCの内部電圧によってn型電流分散層に伸びる空乏層の距離Lは,数式1のように表される。数式1において,Ndは,n型電流分散層3の不純物濃度,ε0は,真空の誘電率(=8.854×10-14F/cm),qは素電荷(=1.6×10-19C),Ksは炭化珪素の比誘電率(=約10),Ψdは,炭化珪素の内部電位(=約3V)である。このため,p型ベース領域3とp型ボトム層10との間の距離の方が数式1で示されるLを2倍した値よりも大きくなるように,n型電流分散層3の不純物濃度を設定してある。例えば,Nd=1×1017/cm3の場合,数式1の右辺が0.364μmになる。なお,数式1は,n型電流分散層3側にのみ空乏層が伸びることを仮定した式であるため,実際に空乏層が伸びる距離は数式1よりも短くなる。 【0018】 【数1】 ・・・ p型ベース領域4は,ボロンもしくはアルミニウム等のp型不純物濃度が例えば1.0×1017~3.0×1017/cm3,厚さ1.0~1.4μm程度で構成され,ここではp型不純物濃度を2.0×1017/cm3,厚さを1.2μmとしている。 【0019】 n+型ソース領域5は,表層部におけるリン等のn型不純物濃度(表面濃度)が1.0×1020~3.0×1020/cm3(ここでは1.0×1020/cm3),厚さ0.5μm程度で構成されている。p+型コンタクト層6は,後述するソース電極12をp型ベース領域4に低抵抗で接触させるためのものであり,例えば表層部におけるボロンもしくはアルミニウム等のp型不純物濃度(表面濃度)が例えば1.0×1020~1.0×1021/cm3(ここでは1.0×1020/cm3),厚さ0.7μm程度で構成されている。n+型ソース領域5は,後述するトレンチゲート構造の両側に配置されており,p+型コンタクト層6は,n+型ソース領域5を挟んでトレンチゲート構造と反対側に備えられている。 【0020】 また,p型ベース領域4およびn+型ソース領域5を貫通してn型電流分散層3の厚みの途中位置に達するように,例えば幅が0.8~1.2μm,n+型ソース領域5の表面からの深さが1.7~2.1μmのトレンチ7が形成されている。ここでは,トレンチ7の幅を0.8μm,深さを1.9μmとしており,例えば隣り合うトレンチ7の間の間隔(ピッチ)を4.0μmとしている。このトレンチ7の側面と接するように上述したp型ベース領域4およびn+型ソース領域5が配置されている。 【0021】 さらに,トレンチ7の内壁面はゲート酸化膜8にて覆われている。ゲート酸化膜8の厚みは,例えば60~80nmとされ,ここでは75nmとしている。また,トレンチ7は,ゲート酸化膜8の表面に形成されたゲート電極8(審決注;「ゲート電極8」は「ゲート電極9」の誤記であると認められる。)によって埋め尽くされている。ゲート電極8(審決注;「ゲート電極8」は「ゲート電極9」の誤記であると認められる。)は,不純物をドープしたPoly-Siによって構成されている。 【0022】 このようにして,トレンチゲート構造が構成されている。このトレンチゲート構造は,図1の紙面垂直方向を長手方向として延設されている。そして,複数のトレンチゲート構造が図1中の左右方向において並列させられることでストライプ状とされている。また,上述したn+型ソース領域5およびp+型コンタクト層6もトレンチゲート構造の長手方向に沿って延設された構造とされている。 【0023】 また,トレンチ7の底部を覆いつつ,p型ベース領域4の下面から所定距離離間した位置よりn-型ドリフト層2に達するように,p型ボトム層10が形成されている。ここで,トレンチ7の底部を覆うとは,トレンチ7の底部におけるコーナー部を含めて覆うという意味であり,トレンチ7の底面から側面に至るようにp型ボトム層10が形成されていることを意味している。例えば,p型ボトム層10は,p型ベース領域4の底面から0.3~0.5μm離間して形成され,ここではその間隔を0.4μmとしている。また,p型ボトム層10は,例えば深さが0.8~1.0μm,幅がトレンチ7から両側に所定距離突き出す幅とされ,ここでは深さを0.9μm,幅をトレンチ7から両側に0.2μmずつ突き出す幅としている。p型ボトム層10のボロンもしくはアルミニウム等のp型不純物濃度は,例えば2.0×1017~5.0×1017/cm3(ここでは5.0×1017/cm3)としている。この濃度は,例えばn型電流分散層3の2倍以上の濃度とされ,逆バイアス時(後述するドレイン電極14に電圧が印加された時)にn型電流分散層3との境界部から広がる空乏層によって完全空乏化しないように,完全空乏化条件よりも高い濃度となっている。 【0024】 さらに,複数本が並列されたトレンチ7のうち隣り合うもの同士の間に,p型ベース領域4の底面に接しつつn-型ドリフト層2に達するように,p型層にて構成されたp型ディープ層11が形成されている。例えば,p型ディープ層11は,下面がp型ボトム層10と同じ深さとされ,ここではp型ベース領域4の下面からの深さを1.3μmとしている。p型ディープ層11におけるボロンもしくはアルミニウム等のp型不純物濃度は,p型ボトム層10と同じ濃度とされている。このため,p型ディープ層11の濃度も,逆バイアス時(後述するドレイン電極14に電圧が印加された時)にn型電流分散層3との境界部から広がる空乏層によって完全空乏化しないように,完全空乏化条件よりも高い濃度となっている。 【0025】 また,n+型ソース領域5およびp+型コンタクト層6の表面やゲート電極9の表面には,ソース電極12やゲート配線(図示せず)が形成されている。ソース電極12およびゲート配線は,複数の金属(例えばNi/Al等)にて構成されており,少なくともn型SiC(具体的にはn+型ソース領域5やnドープの場合のゲート電極9)と接触する部分はn型SiCとオーミック接触可能な金属で構成されている。また,これらのうち少なくともp型SiC(具体的にはp+型コンタクト層6やpドープの場合のゲート電極9)と接触する部分はp型SiCとオーミック接触可能な金属で構成されている。なお,これらソース電極12およびゲート配線は,層間絶縁膜13上に形成されることで電気的に絶縁されており,層間絶縁膜13に形成されたコンタクトホールを通じて,ソース電極12はn+型ソース領域5およびp+型コンタクト層6と電気的に接触させられ,ゲート配線はゲート電極9と電気的に接触させられている。 【0026】 そして,n+型層1の裏面側にはn+型層1と電気的に接続されたドレイン電極14が形成されている。このような構造により,nチャネルタイプの反転型のトレンチゲート構造のMOSFETが構成されている。」 「【0040】 次に,図1に示すトレンチゲート型のMOSFETの製造方法について,図4~図6を参照して説明する。 【0041】 〔図4(a)に示す工程〕 まず,n+型層1の上にn-型ドリフト層2が形成された構造のものを用意する。例えば,n+型層1としてn+型SiC基板を用意し,n-型ドリフト層2をエピタキシャル成長させる。 【0042】 〔図4(b)に示す工程〕 n-型ドリフト層2の表面に,n型電流分散層3の一部を形成する。例えば,n-型ドリフト層2の表層部に対してn型不純物(例えば窒素)をイオン注入すること,もしくはn-型ドリフト層2のエピタキシャル成長条件を途中で変更してn型不純物濃度を高めることにより,n型電流分散層3を形成する。 【0043】 〔図4(c)に示す工程〕 n型電流分散層3の表面にLTOなどで構成されるマスク20を形成したのち,フォトリソグラフィ工程を経て,p型ボトム層10およびp型ディープ層11の形成予定領域においてマスク20を開口させる。つまり,マスク20にp型ボトム層10およびp型ディープ層11と同じストライプ状のレイアウトの開口部が形成されるようにする。そして,マスク20上からp型不純物(例えばボロンやアルミニウム)のイオン注入を行った後,活性化を行うことでp型ボトム層10を形成すると共にp型ディープ層11の一部を形成する。その後,マスク20を除去する。 【0044】 〔図5(a)に示す工程〕 再び,p型ボトム層10およびp型ディープ層11の一部が形成されたn型電流分散層3の表面にさらにエピタキシャル成長させ,n型電流分散層3の残部を形成する。 【0045】 〔図5(b)に示す工程〕 n型電流分散層3の表面にLTOなどで構成されるマスク21を形成したのち,フォトリソグラフィ工程を経て,p型ディープ層11の形成予定領域においてマスク21を開口させる。つまり,マスク21にp型ディープ層11と同じストライプ状のレイアウトの開口部が形成されるようにする。そして,マスク21上からp型不純物(例えばボロンやアルミニウム)のイオン注入を行った後,活性化を行うことでp型ディープ層11の残部を形成する。その後,マスク21を除去する。 【0046】 〔図5(c)に示す工程〕 n型電流分散層3およびp型ディープ層11の表面に,p型ベース領域4をエピタキシャル成長させる。 【0047】 〔図6(a)に示す工程〕 図示しないが,n+型ソース領域5の形成予定領域が開口するマスクを形成したのち,このマスクの上からn型不純物(例えば窒素)をイオン注入し,その後,マスクを除去する。また,p+型コンタクト層6の形成予定領域が開口するマスクを形成したのち,このマスクの上からn型不純物(例えばボロンやアルミニウム)をイオン注入し,その後,マスクを除去する。そして,活性化を行うことで,n+型ソース領域5およびp+型コンタクト層6を形成する。 【0048】 〔図6(b)に示す工程〕 p型ベース領域4,n+型ソース領域5およびp+型コンタクト層6の上に,図示しないエッチングマスクを成膜したのち,トレンチ7の形成予定領域においてエッチングマスクを開口させる。そして,エッチングマスクを用いた異方性エッチングを行ったのち,必要に応じて等方性エッチングや犠牲酸化工程を行うことで,トレンチ7を形成する。この後,エッチングマスクを除去する。 【0049】 次に,ゲート酸化膜形成工程を行うことでゲート酸化膜8を形成する。具体的には,ウェット雰囲気を用いたパイロジェニック法によるゲート酸化(熱酸化)によりゲート酸化膜8を形成する。続いて,ゲート酸化膜8の表面にn型不純物をドーピングしたポリシリコン層を成膜したのち,エッチバック工程等を行うことにより,トレンチ7内にゲート酸化膜8およびゲート電極9を残す。 【0050】 この後の工程に関しては,従来と同様であるため図示しないが,層間絶縁膜12を成膜したのち,層間絶縁膜12をパターニングしてn+型ソース領域5やp+型コンタクト層6に繋がるコンタクトホールを形成すると共に,ゲート電極9に繋がるコンタクトホールを別断面に形成する。続いて,コンタクトホール内を埋め込むように電極材料を成膜したのち,これをパターニングすることでソース電極12やゲート配線を形成する。また,n+型層1の裏面側にドレイン電極14を形成する。これにより,図1に示したMOSFETが完成する。」 なお,上記【0016】,【0018】及び【0019】の記載によれば,厚さ1.2μmのp型ベース領域4は,n型電流分散層3の上に形成されており,n+型ソース領域5の厚さは0.5μmであるから,n+型ソース領域5とn型電流分散層3との間の長さは,0.7μm(=1.2μm-0.5μm)である。 したがって,上記引用文献3には次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「SiC基板で構成されたn+型層1の表面に形成されたn-型ドリフト層2と,該n-型ドリフト層2の表層部に形成されたn型電流分散層3と, 前記n-型ドリフト層2及びn型電流分散層3の,上に形成され,厚さ1.2μmのp型ベース領域4と, p型ベース領域4の上層部分に設けられ,厚さ0.5μmのn+型ソース領域5と, 前記n+型ソース領域5,および前記p型ベース領域4を貫通して前記n型電流分散層3に達するトレンチ7と, 前記トレンチ7の内壁面はゲート酸化膜8にて覆われており,該ゲート酸化膜8の表面に形成されたゲート電極9と, 前記n+型ソース領域5およびp+型コンタクト層6に接するソース電極12と, SiC基板で構成されたn+型層1の裏面側に形成されたドレイン電極14と, を備え, 前記n+型ソース領域5と前記n型電流分散層3との間の長さは,0.7μmである炭化珪素半導体装置。」 2 引用文献4について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4(特開2012-69933号公報)には,図面とともに次の事項が記載されている。 「【0039】 (1)半導体基体準備工程 図4(a)に示すように,n+型ドレイン層112となる第3半導体層,n-型ドリフト層114となる第1半導体層及びp型ボディ層120となる第2半導体層120’を備え,第3半導体層上に,第1半導体層及び第2半導体層120’がこの順序でエピタキシャル成長された構造の半導体基体を準備する。 【0040】 その後,図4(b)に示すように,第2半導体層120’の表面からp型不純物(例えばボロンイオン)を第2半導体層120’中に高加速電圧(例えば130keV),1×1012cm-2のドーズ量でイオン注入し,その後半導体基体に熱処理(例えば400℃)を施して,p型不純物を活性化させる。これにより,図4(c)に示すように,半導体基体が,p型ボディ層120におけるp型不純物の濃度が最大値を示す深さ位置(p型半導体層124)が,p型ボディ層120の表面(p-型半導体層122)とp型ボディ層120の底面(p-型半導体層126)との間に存在する半導体基体となる。」 3 その他の文献について (1) 本願優先日前に頒布された文献である特開2013-98315号公報(以下,「引用文献5」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。 「【0083】 実施例3の製造方法のように,酸化シリコン膜340を通して半導体基板100にボロンを注入すると,ボロンの注入深さのばらつきを抑制することができる。図19は,表面に酸化シリコン膜が形成されているSiC基板に対してボロンを注入した場合の,半導体基板中の深さ方向におけるボロンの濃度分布を示している。図19は,酸化シリコン膜を通してボロンを注入した場合のボロン濃度の深さ方向の分布を示している。図19では注入深さの差D1が,図13よりも小さくなっている。すなわち,実施例3の製造方法によれば,チルト角θ1が0度の場合でも,チルト角θ1が2度以上の場合に比べて,極端にボロンの注入深さが深くなるという現象が生じない。また,図19に示すように,実施例3の製造方法でも,チルト角θ1を10度にした場合に,ボロン濃度のピークが2つ形成される。図13,19の参照符号ΔNpは,ボロン濃度の第2のピークが形成される深さDpにおける,チルト角θ1が0度のときのボロン濃度とチルト角θ1が10度のときのボロン濃度の差を表している。図19では,図13よりも濃度差ΔNpが小さくなっている。このように,酸化シリコン膜を通してSiC基板にボロンを注入すると,その時のチルト角θ1に誤差が生じたとしても,ボロンの注入深さのばらつきが生じ難いとともに,深さDpにおけるボロンの濃度がばらつき難くなる。したがって,実施例3の製造方法によれば,量産されるMOSFETの特性のばらつきを抑制することができる。」 (2) 本願優先日前に頒布された文献である特開2014-49620号公報(以下,「引用文献6」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。 「【0005】 しかしながら,イオン注入対象となるSiウェハの結晶方位の傾きや,イオン注入装置毎の機械精度のバラツキ,つまりSiウェハの搭載面のバラツキなどにより,ウェハ面内,もしくは,ウェハ間で注入深さにバラツキが生じる。このため,注入したい狙い深さよりも浅く形成されるウェハが形成されることが懸念される。」 (3) 本願優先日前に頒布された文献である特開2011-134809号公報(以下,「引用文献7」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。 「【0006】 なお,特許文献1には,半導体層の上面に薄い酸化シリコン膜を形成し,その酸化シリコン膜越しに不純物イオンを注入する方法が開示されている。具体的には,図19に示すように,半導体層52の上面に酸化シリコン膜60,金属層62[モリブデン(Mo)又はタングステン(W)]及び酸化シリコン膜64を形成し,酸化シリコン膜64をマスクとして金属層62をエッチングし,そのエッチングされた金属層62を不純物注入用マスクとして不純物イオンを注入する。この方法では,半導体層52の上面に酸化シリコン膜60が形成されるため,金属層62をエッチングする際に,半導体層52の上面がエッチングされることが一応は防止される。しかしながら,金属層62をエッチングするためにはドライエッチングが用いられるため,そのドライエッチングによって酸化シリコン膜60もエッチングされる。上述したように,ドライエッチングによって酸化シリコン膜を面内で均一に除去することは難しい。このため,金属層62をドライエッチングすることによって,酸化シリコン膜60には厚さの厚い部分と薄い部分が生じ,場合によっては,酸化シリコン膜60の全てが除去された部分が生じ得る。酸化シリコン膜60が除去されてしまうと,半導体領域59の上面59aに段差が形成されることとなる。このように,特許文献1の方法では,上面に段差のない半導体領域を安定して形成することができない。なお,特許文献1の方法において,酸化シリコン膜60に厚さの厚い部分と薄い部分が生じた状態で不純物イオンが注入されると,不純物イオンの停止深さが面内でばらつき,半導体領域59の深さが面内でばらついてしまう。」 (4) 本願優先日前に頒布された文献である特開2015-41669号公報(以下,「引用文献8」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。 「【0006】 しかしながら,半導体基板を大口径化した場合,半導体基板を高温に加熱処理する工程において,半導体基板に生じる反りの量が顕著に増大する。そして,この反りに起因して半導体基板の平坦性が損なわれるため,高温下でイオン注入を行なうドーピング等の処理において,半導体基板をイオン注入装置の静電チャックに吸着させることが困難となる。このため,半導体基板面内に温度ばらつきが生じてしまう。 【0007】 さらに,平坦性の悪い半導体基板に対してイオン注入を行なうと,半導体基板に形成される不純物領域の形状にばらつきが生じる。これらのばらつきが半導体基板面内での素子特性のばらつきを増大させる要因となることにより,半導体装置の歩留まりの低下を招いてしまう。」 (5) 本願優先日前に頒布された文献である特開2013-8716号公報(以下,「引用文献9」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。 「【0031】 [第1の実施形態] 図1は,本発明の第1の実施形態のトレンチ構造型のパワーMOSFET11を示す平面図,図2は,図1のA-A線に沿う断面図である。 このMOSFET11においては,n型のSiC半導体基板(第1導電型炭化ケイ素半導体基板)12上に,不純物濃度がSiC半導体基板12より低濃度のn型(n-)のドレーン領域(第1の第1導電型炭化ケイ素半導体領域)13が形成され,このドレーン領域13上に,p型のチャネル領域(第1の第2導電型炭化ケイ素半導体領域)14が形成され,このチャネル領域14内に,不純物濃度がドレーン領域13より高濃度のn型(n+)のソース領域(第2の第1導電型炭化ケイ素半導体領域)15が形成され,このソース領域15側の主面16にドレーン領域13に達するトレンチ17が形成され,該トレンチ17内に絶縁膜18を介してゲート電極19が形成されている。 この絶縁膜18のうちゲート電極19上の上面は,ソース領域15の上面と面一とされている。 【0032】 ソース領域15は,トレンチ17の側壁表面に,上記主面16からトレンチ17の所定深さまで該トレンチ17の深さ方向に延在するように形成されている。ソース領域15は,隣接するMOSFETのソース領域と高濃度のp型(P+)半導体層20を介して接続されている。 ゲート電極19は,トレンチ17内に埋め込まれた導電材からなり,該導電材の上面位置がソース領域15の下端よりも上方かつ上記主面16よりも下方となるように形成されている。 そして,ソース領域15,絶縁膜18及びp型(P+)半導体層20の上面は平坦面とされ,この上面側にはソース電極21が,ドレーン領域13側にはドレーン電極22が,設けられている。 【0033】 このMOSFET11においては,ソース領域15を,トレンチ17の側壁表面に,主面からトレンチ17の所定深さまで該トレンチ17の深さ方向に延在するように形成し,ゲート電極19を,トレンチ内17に導電材が埋め込まれた構成とし,該導電材の上面位置がソース領域15の下端よりも上方かつ主面16よりも下方となるように形成したことにより,ソース領域15の抵抗を小さくすることが可能となり,よって,オン抵抗を小さくすることが可能になる。 また,ゲート電極19はトレンチ17内に埋め込まれているので,断面積がトレンチ17より狭くなる。したがって,特許文献2のようにゲート電極をトレンチ上部へ突出させてトレンチよりも幅広に形成する構成とは異なり,MOSFETの微細化を図ることが可能になる。 【0034】 また,ソース領域15の抵抗を小さくすることが可能であるから,オン抵抗を小さくすることも可能である。 さらに,ソース領域15を小さくすることができるので,このソース領域15に隣接するチャネル領域14を大きく確保することが可能になり,アバランシェ降伏時の破壊耐量を大きくすることが可能になる。」 (6) 原査定において提示された文献である特開2010-258387号公報(以下,「引用文献10」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。 「【0010】 また,p+型コンタクト層とコンタクト電極との界面における接触抵抗の低減を図るために,イオン注入するドーパント量を増やした場合,p+型コンタクト層に生じる結晶欠陥はさらに増大してしまう。この結晶欠陥は,半導体装置のオフ時,ドレイン-ソース間にリーク電流を発生させる原因となる。」 (7) 原査定において提示された文献である国際公開第2016/002769号(以下,「引用文献11」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。 「[0131] チャネルを形成する第2不純物領域13は,不純物濃度が低いほど移動度が高くなる。実施の形態2に示すMOSFETの構造によれば,第2不純物領域の不純物濃度を1×10 17 cm -3 以下にしても,第2不純物領域においてパンチスルーが発生することなく高い耐圧を維持することができる。第2不純物領域の不純物濃度を3×10 15 cm -3 まで下げた場合であっても耐圧を維持することが可能である。しかしながら,不純物濃度を3×10 15 cm -3 未満に低減しても,移動度を高くする効果がない一方で短チャネル効果が発生する。そのため,第2不純物領域13の不純物濃度は,3×10 15 cm -3 以上3×10 16 cm -3 以下であることが望ましい。第7領域17c,第3領域18bおよび第1領域17bの各々の不純物濃度は,耐圧を高く維持する観点から,1×10 18 cm -3 以上であることが好ましく,欠陥によるリーク電流を抑制する観点から,2×10 19 cm -3 以下であることが好ましい。」 第4 対比・判断 1 本願発明1について (1) 対比 本願発明1と引用発明とを対比する。 引用発明における「SiC基板」は,本願発明1における「炭化珪素基板」に相当する。 引用発明における「n-型ドリフト層2」及び「n型電流分散層3」は,本願発明1における「第1導電型の第1エピタキシャル成長層」に相当する。 引用発明における「p型ベース領域4」は,本願発明1における「第2導電型の第2エピタキシャル成長層」に相当する。 引用発明における「n+型ソース領域5」は,本願発明1における「第1導電型の第2半導体領域」に相当する。 引用発明における「トレンチ7」,「ゲート酸化膜8」及び「ゲート電極9」は,それぞれ,本願発明1における「トレンチ」,「ゲート絶縁膜」及び「ゲート電極」に相当する。 引用発明における「ソース電極12」及び「ドレイン電極14」は,本願発明1における「第1電極」及び「第2電極」に相当する。 引用発明における「前記n+型ソース領域5(第2半導体領域)」と「前記n型電流分散層3(第1エピタキシャル成長層)」との間の長さは,チャネル長であるといえるから,引用発明の「前記n+型ソース領域5と前記n型電流分散層3との間の長さは,0.7μm」であることは,本願発明1の「前記第2半導体領域と前記第1エピタキシャル成長層との間のチャネル長は,0.3μm以上1μm以下」であることに相当する。 したがって,本願発明1と引用発明とは,以下の一致点及び相違点を有する。 (一致点) 「炭化珪素基板のおもて面に設けられた第1導電型の第1エピタキシャル成長層と, 前記第1エピタキシャル成長層の,前記炭化珪素基板側に対して反対側に設けられた第2導電型の第2エピタキシャル成長層と, 前記第2エピタキシャル成長層の内部に設けられた第1導電型の第2半導体領域と, 前記第2半導体領域,および前記第2エピタキシャル成長層を貫通して前記第1エピタキシャル成長層に達するトレンチと, 前記トレンチの内部にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と, 前記第2半導体領域に接する第1電極と, 炭化珪素基板の裏面に設けられた第2電極と, を備え, 前記第2半導体領域と前記第1エピタキシャル成長層との間のチャネル長は,0.3μm以上1μm以下である炭化珪素半導体装置。」 (相違点) (相違点1) 本願発明1は,「前記第2エピタキシャル成長層の内部に選択的に設けられた,前記第2エピタキシャル成長層よりも不純物濃度の高い第2導電型」であり,「前記第2エピタキシャル成長層よりも不純物濃度の高いピークで深さ方向に高低差をもつ山型の第2導電型不純物濃度プロファイルを有し」,「前記第2半導体領域および前記第1エピタキシャル成長層と離して,前記炭化珪素基板のおもて面に平行な方向に一様に設けられて」いる「第1半導体領域」を備えているのに対し,引用発明は,そのような領域を備えていない点。 (相違点2) 「第2半導体領域」について,本願発明1は,「前記第2エピタキシャル成長層の内部の,前記第1半導体領域よりも浅い位置に選択的に設けられた第1導電型」の半導体領域であるのに対し,引用発明は,「前記第2エピタキシャル成長層の内部に設けられた第1導電型」の半導体領域であるものの,「第1半導体領域」を備えていないから,「前記第1半導体領域よりも浅い位置に選択的に設けられ」ていない点。 (相違点3) 本願発明1は,「前記第1半導体領域と前記第2半導体領域との間,および,前記第1半導体領域と前記第1エピタキシャル成長層との間が,前記第1半導体領域よりも不純物濃度の低い第2導電型領域」を有しているのに対し,引用発明は,「第1半導体領域」を備えていないから,「第1半導体領域」との関係で規定される「第2導電型領域」を有していない点。 (相違点4) 「第1電極」について,本願発明1は,「前記第2半導体領域および前記第2エピタキシャル成長層に接する」のに対し,引用発明は,「前記第2半導体領域(n+型ソース領域5)」及びp+型コンタクト層6には接するものの,「第2エピタキシャル成長層(p型ベース領域4)」には接していない点。 (2) 相違点についての判断 上記相違点1について検討するに,本願発明1は,従来の炭化珪素半導体装置の構造でも,p型ベース領域をエピタキシャル成長で形成することで結晶性の良好なチャネルが得られ,高キャリア移動度による低オン抵抗化が可能であったが,炭化珪素層のエピタキシャル成長での不純物濃度制御が非常に難しいという課題があったため,低オン抵抗を維持した状態でゲート閾値電圧のばらつきを低減することができ,かつリーク不良を低減することができる炭化珪素半導体装置を提供することを目的とし(本願明細書【0010】及び【0011】),相違点1に係る「第1半導体領域」を発明特定事項として備えるものである。これに対し,引用発明は,当該発明特定事項を備えておらず,引用文献3には,上記課題や目的について記載も示唆もされていない。そして,引用文献4をみても,相違点1に係る構成である「第1半導体領域」が,「前記第2半導体領域および前記第1エピタキシャル成長層と離して,前記炭化珪素基板のおもて面に平行な方向に一様に設けられて」いることは記載されていない。 そうすると,引用文献3に接した当業者であっても,引用発明において,相違点1に係る構成を採用することの動機付けがあるとはいえず,引用文献4の記載を参酌したとしても,当該構成を容易に想到し得るものであるとはいえない。また,上記引用文献5ないし11をみても,当該構成は記載されていない。 したがって,上記相違点2ないし4について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても引用発明,引用文献4ないし11に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 2 本願発明2ないし19について 本願発明2ないし8,12ないし16は,本願発明1の「第1半導体領域」と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明,引用文献4ないし11に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 また,本願発明9は,本願発明1に対応する製造方法の発明であって,本願発明1の「第1半導体領域」に対応する同様の構成を備えるものであり,さらに,本願発明10,11,17ないし19も,本願発明1の「第1半導体領域」に対応する同様の構成を備えるものであるから,本願発明1と同様の理由により,当業者であっても,引用発明,引用文献4ないし11に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第5 原査定の概要及び原査定についての判断 原査定は,請求項1ないし10,13ないし21について,上記引用文献3及び4に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。しかしながら,本件補正により補正された請求項1及び9は,それぞれ,上記相違点1に係る構成である「第1半導体領域」及び当該「第1半導体領域」に対応する同様の構成を有するものとなっており,上記のとおり,本願発明1ないし19は,上記引用文献3に記載された発明及び上記引用文献4に記載された技術的事項に基づいて,当業者が容易に発明できたものではない。したがって,原査定を維持することはできない。 第6 当審拒絶理由について 1 当審では,請求項1の「・・・前記第1半導体領域と前記第2半導体領域との間,および,前記第1半導体領域と前記第1エピタキシャル成長層との間が,前記第1半導体領域に接した,前記第1半導体領域よりも不純物濃度の低い第2導電型領域であることを特徴とする炭化珪素半導体装置。」(下線加筆。以下,同様。)という記載の意味が不明確であるから,請求項1を引用する請求項2ないし8,12ないし16を含め,いずれの請求項に係る発明も明確ではなく,本願は,特許法第36条第6項第2号の規定を満たしていないとの拒絶の理由を通知しているが,本件補正において,下線部が削除された結果,この拒絶の理由は解消した。 2 当審では,請求項9の「・・・当該第1半導体領域を,前記第1半導体領域と前記第2半導体領域との間,および,前記第1半導体領域と前記第1エピタキシャル成長層との間が,前記第1半導体領域に接した,前記第1半導体領域よりも不純物濃度の低い第2導電型領域であるように配置することを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。」という記載の意味が不明確であるから,請求項9を引用する請求項10,11,17ないし19を含め,いずれの請求項に係る発明も明確ではなく,本願は,特許法第36条第6項第2号の規定を満たしていないとの拒絶の理由を通知しているが,本件補正において,下線部が削除された結果,この拒絶の理由は解消した。 第7 むすび 以上のとおり,本願発明1ないし19は,当業者が引用発明及び引用文献4ないし11に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。 したがって,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。 また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。

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2017-006980

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