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商標異議申立

2016-900386

マックリンクス、マック、エムエイシイ、リンクス

審判番号
2016-900386
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2016-028746
登録番号
商標登録第5878382号(T5878382)
請求日
2016年12月05日
審決日
2017年06月22日
公報発行日
2017年11月24日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】前田建設工業株式会社
  • 【異議申立人】アップル インコーポレイテッド
  • 【異議申立人代理人】特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 酒井 福造
  • 審判官 今田 三男
  • 審判官 田中 幸一
分類
T1652.271-ZC (W09)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項15号商標法43条の3第2項商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第15号、商標法第43条の2第1号、商標法第43条の3第4項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

登録第5878382号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 登録第5878382号商標の指定商品及び指定役務中、第9類「コンピュータプログラム」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由

【理 由】 第1 本件商標 本件登録第5878382商標(以下「本件商標」という。)は、「マックリンクス」の片仮名及び「MAC-Links」の欧文字と記号からなる表示を二段に表してなり、平成28年3月15日に登録出願、第9類「粒度分布測定装置,水分測定装置,その他の測定装置,コンピュータプログラム」並びに第7類、第37類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年8月5日に登録査定、同年9月2日に設定登録されたものである。 第2 登録異議申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第43条の2第1号により、本件商標の指定商品及び指定役務中、第9類「全指定商品」の登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。 1 申立人商標の周知著名性について 米国カリフォルニア州に本社を置く申立人、アップル インコーポレイテッ ド(Apple Inc.)は、「世界の最も価値あるブランドランキング」で首位を獲得する(甲2)など、高い知名度を誇る米国の法人であり、当該ランキングにおいては、2011年から6年連続で首位の座を維持している世界的に有名な企業である(甲3、甲4)。 申立人は、コンピュータ機器のほか、スマートフォン、スマートウォッチ、ソフトウェア、テレビ、音楽、ヘッドフォン等の分野で世界のリーディングカンパニーとなっており、スマートフォン「iPhone」、タブレットコンピュータ「iPad」、パーソナルコンピュータの「Mac」シリーズ等を製造・販売している会社として著名である(甲5)。特に、「Mac」シリーズは、申立人の代表製品の一つであって、デスクトップ型コンピュータ「iMac」「Mac Pro」「Mac mini」、ラップトップ型コンピュータ「MacBook」等といった製品名で販売されている(甲5)。 「MAC」の文字は、申立人のコンピュータ「Macintosh」の通称・略称として「Mac」(マック)に何らかの文字を加えた「Mac」シリーズとして用いられている(甲6、甲7)。または、マイクロソフト社のオペレーティングシステム「Windows」に対する申立人のオペレーティングシステム「Mac OS」の意味合いでも「Mac」が使用されている(甲8)。 また、異議申立人の「Mac(マック)」を題材とした書籍も多数販売されている(甲9)。 以上のとおり、「Mac」ないし「マック」は、申立人のコンピュータないしオペレーティングシステムを示す商標として我が国において広く知られている。 2 本件商標が取り消されるべき理由 本件商標は、片仮名「マックリンクス」及び欧文字「MAC-Links」からなり、欧文字の「MAC」と「Links」がハイフンで結合されており、視覚上、本件商標は2つの語「MAC」と「Links」からなることが容易に理解できる。 上記のとおり、「Mac」の語が申立人の商標として広く一般に理解されているものであるのに対し、「Links」の語は「結合、関連性」等の意味を有する平易な英単語であることからしても、本件商標は、申立人の著名商標「Mac」と既成語「Links」を組み合わせた構成からなるものと容易に理解されるものである。そして、全体から「申立人のMAC製品に接続できる」如き意味が容易に把握される。 特許庁の審査基準において「他人の著名な商標と他の文字又は図形等と結合した商標は、その外観構成がまとまりよく一体に表されているもの又は観念上の繋がりがあるものなどを含め、原則として、商品又は役務の出所の混同を生ずるおそれがあるものと推認して、取り扱うものとする。」と規定されていることからも、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当することが明らかである。 また、その他の指定商品又は役務についても、コンピュータで制御、管理することが広く行われているから、やはり、本件商標に接した需要者は申立人の出所又は関連性や認可を受けた商品・役務と誤認し、出所について混同を生ずるおそれがあることは明らかである。 3 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 第3 取消理由の通知 審判長は、本件商標権者に対して、「本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中、第9類『コンピュータプログラム』について、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものと認める。」旨の取消理由を平成29年4月20日付けで通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。 第4 本件商標権者の意見 本件商標権者は、上記第3の取消理由の通知に対し、指定した期間を経過するも何ら意見を述べていない。 第5 当審の判断 1 申立人に係る「Mac」及び「マック」商標の周知著名性について (1)申立人の提出した証拠によれば、以下の事実を認めることができる。 ア 申立人は、米経済誌フォーブスの2016年版「世界の最も価値のあるブランド」ランキング(2016年5月12日)によると、依然として首位を維持している旨の記載があり(甲2、甲3)、「fashionsnap.com」のウェブサイト(2016年5月14日)には、「アップル(Apple)は、6年連続で1位の座をキープしている。」の記載がある(甲4)。 イ 申立人の開発及び販売に係るパーソナルコンピュータである「Macintosh」(マッキントッシュ)は、「Mac(マック)」と通称・略称されている(甲6)。 ウ IT用語事典weblio辞書のウェブサイトには、「Macintosh」の項があり、「別名:Mac,マック」、「Macintoshは、基本的に、独自開発のハードウェアとOS(Mac OS)をセットで提供している。」及び「2008年8月現在、発売されているのは、デスクトップパソコンのMacPro、iMac、Mac mini、ノートパソコンであるMacBook Pro、MacBook、MacBook Airである。」(甲7)の記載がある。 エ 申立人のウェブサイトには、申立人が開発・販売するコンピュータとして、「MacBook」、「MacBook Air」、「MacBook Pro」、「iMac」、「Mac Pro」、「Mac mini」が掲載され、これら商品について「Macのモデルを比較する。あなたにぴったりのMacを見つける」、「Macのためのアクセサリ」、「教育のためのMac」等のように「Mac」と略称している(甲5)。 また、フリー百科事典「ウィキペディア」においては、申立人が開発・販売する、オペレーティングシステム「macOS(マックオーエス)」、「Mac OS X(マック オーエス テン)」等について、「Macのオペレーティングシステム」のように「Mac」と略称した記載がある(甲8)。 (2)職権による調査によれば、以下の事実を認めることができる。 ア 新聞記事データベース (ア)2005年3月8日付け毎日新聞東京夕刊2頁には、「特集WORLD:アップルコンピュータ、続く大攻勢 その背景と行方は」の見出しの下、「『04年10~12月期だけで全世界のマック(Mac)の出荷台数が初めて100万台を突破しました』とアップル日本法人の竹林賢(たかし)広報部長。マックは104万6000台(前年同期比26%増)、iPodは458万台(同525%増)。米アップルはこの時期に売上高で過去最高の34億9000万ドル(前年同期比74%増)を達成した。」の記載がある。 (イ)2010年2月11日付け日刊工業新聞13頁には、「主要地区・中古パソコン/東京-『Mac』販売好調」の見出しの下、「【東京】1月の東京地区はアップルの『Mac』デスクトップパソコンが好調だった。」の記載がある。 (ウ)2015年6月27日付け朝日新聞東京朝刊13頁には、「(てくの生活入門)パソコンの夏モデルを選ぶ 無料アップグレードにも対応」の見出しの下、「ウィンドウズパソコンではありませんが、iPhoneやiPadでおなじみのアップル製『Mac』も独自の使いやすさがあります。『オフィス』のMac版も発売されています。」の記載がある。 (エ)2015年12月21日付け日本証券新聞2面には、「IPO社長会見 アークン・サクサと提携して販売拡大、IoT対応も視野に」の見出しの下、「・・・当社製品はパソコンに多用されるWindows向けだが、現在はMacやAndroidなどへの対応も開発中。」の記載がある。 (オ)2016年2月1日付け外食レストラン新聞には、「飲食店のデジタル活用(51)タブレット端末が出荷台数を逆転」の見出しの下、「●今が中古ノートパソコン購入に最適 数年前とほぼ変わらぬ性能・・・販売台数を伸ばしているのはアップルのMacぐらいだ。」の記載がある。 (カ)2016年4月4日付け外食レストラン新聞には、「飲食店のデジタル活用(53)マイクロソフトが新型ノートPC」の見出しの下、「●アップルのマックに負けぬデザイン ウィンドウズの救世主となるか・・・いま、特に若い人たちの間では、『Windowsパソコンはダサい、格好良いのはアップルのMacパソコン』という評価が定着している。」の記載がある。 イ 辞書類 (ア)「日経パソコン用語事典 2009年版」(日経BP社 2008年10月20日発行)の248頁には、「Mac/マック」の項があり、「Macintoshの略称。Macintosh用のソフトやハードは、Mac OSやiMac、MacBookなどのように、この略称を用いた製品名が多い。」の記載がある。 (イ)「標準パソコン用語事典 最新2009~2010年版」(株式会社秀和システム 2009年1月15日発行)の1014頁には、「Mac(マック)」の項があり、「米国Apple社で製造、販売するパーソナルコンピュータMacintoshシリーズの略称、または愛称。」の記載がある。 (ウ)「現代用語の基礎知識」(自由国民社 2013年1月1日発行)の682頁には、「マック(マッキントッシュ)[Mac;Macintosh]」の項があり、「アップル社が発売している独自仕様のパソコン。」の記載がある。 (エ)「最新/一目でわかる商品・ブランド地図」(株式会社日本実業出版社 1995年8月20日発行)の198頁及び199頁には、「パーソナルコンピュータ」(NEC・PC-98の独走続く/アップルのマックも台頭)の見出しのもと、「一部マニアの間で人気のあった米国アップル社のマッキントッシュは、90年代に入って低価格路線を推進。グラフィック処理の弱いPC-98の間隙を縫って、マック・クラシック、マックLCが国内市場にも浸透し始めた。」の記載がある。 ウ インターネットの情報 (ア)マイナビニュースのウェブサイト(http://news.mynavi.jp/news/2012/07/10/043/)には、「WindowsとMacのシェア、27年間の推移を比較したデータが話題に」(2012年7月10日)の見出しのもと、「1984年の初代Macintosh登場以来、Windowsを含むPCマシンにシェアの差を広げられ続けていたMacだが、2004年からその関係が反転し、その差をピーク時の3分の1まで縮めている。」の記載がある。 (イ)ASCIIのウェブサイト(http://ascii.jp/elem/000/001/104/1104481/)には、「2015年の全世界のPC出荷台数が明らかに/PC市場でMacのシェアが拡大!Windows10でもPC総出荷台数は伸びず」(2016年1月13日)の見出しのもと、「さて本日、調査会社であるIDCとガートナーの両者が2015年のPCマーケットシェアを発表しました。・・・Macのシェアは7%強とほぼ同じですね。」の記載がある。 (3)上記(1)及び(2)の事実からすれば、申立人は、ブランドランキングにおいて2010年頃から1位をキープしている会社であって、申立人が製造、販売するパーソナルコンピュータ「Macintosh」は、本件商標の登録出願時及び登録査定時より前から、「Mac」及び「マック」と略称されている。 そして、申立人は、Macintoshのシリーズ商品として「MacBook」、「MacBook Air」、「MacBook Pro」、「iMac」、「Mac Pro」、「Mac mini」等の「Mac」シリーズを製造、販売しており、これらのハードウェアと「Mac」シリーズのオペレーティングシステム(OS)として、「macOS(マックオーエス)」、「Mac OS X(マック オーエス テン)」も製造、販売している。 また、PC市場において、「Mac」シリーズ商品のシェアも相当程度占めているといい得るものである。 そうとすると、申立人が製造、販売するパーソナルコンピュータの略称である「Mac」及び「マック」は、申立人の業務に係る商品「パーソナルコンピュータ」(以下「申立人商品」という。)を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において需要者の間に広く認識されていたというべきである。 2 本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について 本件商標は、前記第1のとおり、「マックリンクス」の片仮名及び「MAC-Links」の欧文字と記号からなる表示を二段に表してなるものである。 そして、下段が、大文字のみで表した「MAC」の欧文字と、大文字及び小文字混じりで表した「Links」の欧文字とをハイフンで結合してなるところ、大文字のみで表された「MAC」の欧文字が強調されて看取されるとするのが相当である。 また、本件商標の上段の片仮名は、下段の文字の読みを特定したものと容易に認識され、上段の「マックリンクス」の片仮名及び下段の「MAC-Links」の表示は、辞書等に掲載が認められないものであって、特定の意味を持つものとはいえない。 さらに、本件商標中の「マック」及び「MAC」の文字部分は、前記1(3)のとおり、申立人商品を表すものとして、本件商標の登録出願時はもとより、登録査定時においても、既に、我が国のコンピュータ関連の分野の取引者、需要者の間に広く認識されている「マック」及び「Mac」と、その称呼及び綴りを同じくするものである。 そして、本件商標の指定商品中、「コンピュータプログラム」と申立人商品とは、その製造販売者、取引者、需要者層、販売場所等を共通にするというべきであるから、両者は、類似する商品というのが相当である。 そうすると、本件商標をその指定商品中、「コンピュータプログラム」について使用した場合、本件商標に接した取引者、需要者は、本件商標全体として特定の意味を把握できないこと、本件商標構成中注意を惹きやすい語頭に「マック」及び「MAC」の文字を有していること、申立人商品に使用している「Mac」及び「マック」が著名であることから、本件商標の構成中「マック」及び「MAC」の文字部分に強く印象づけられ、該商品が申立人又は同人と営業上何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。 3 本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当する指定商品以外の申立てに係る指定商品について 本件商標は、本件登録異議の申立てに係る指定商品中、「コンピュータプログラム」以外の指定商品については、その取引者又は需要者、流通経路及び販売場所等は、「コンピュータプログラム」に係るそれとは異なるものであって、両者間における関連性が高いとまではいい難いことを総合勘案すれば、本件商標をその指定商品中、「コンピュータプログラム」以外の申立てに係る指定商品について使用したとしても、他人の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないというのが相当であり、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものとは認められない。 また、その他、それらの指定商品についての登録を取り消すべき理由を見いだせない。 4 むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中、第9類「コンピュータプログラム」について、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものと認められるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。 しかしながら、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、その登録を取り消す理由がないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持するべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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