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商標異議申立

2016-900208

ザウオータースイゲンスイ、ザウオーター、スイゲンスイ、スイゲン、ゲンスイ

審判番号
2016-900208
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2015-076239
登録番号
商標登録第5843682号(T5843682)
請求日
2016年07月29日
審決日
2017年03月15日
公報発行日
2017年06月30日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】株式会社21インコーポレーション
  • 【権利者代理人】櫻木 信義
  • 【異議申立人】エア・ウォーター 株式会社
  • 【異議申立人代理人】菊池 新一
  • 【異議申立人代理人】菊池 徹
  • 【異議申立人代理人】松本 英俊
審判長/審判官
  • 審判長 大森 健司
  • 審判官 田中 亨子
  • 審判官 原田 信彦
分類
T1651.261-Z (W3243) / T1651.262-Z (W3243) / T1651.263-Z (W3243)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法43条の3第2項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第43条の3第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

登録第5843682号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。

結論

【結 論】 登録第5843682号商標の商標登録を取り消す。

理由

【理 由】 第1 本件商標 本件登録第5843682号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,平成27年8月7日に登録出願,同28年4月6日に登録査定,第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」及び第43類「家庭用電気式冷水供給器及びその附属品の貸与」を指定商品及び指定役務として,同年4月22日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 商標異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件商標登録異議の申立ての理由として引用する登録商標は,以下のとおりであり,いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。 (1)登録第5779114号商標は,別掲2のとおりの構成からなり,平成27年1月29日に登録出願,第11類,第32類,第35類,第37類及び第43類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同年7月17日に設定登録されたものである。 (2)登録第5779115号商標は,別掲3のとおりの構成からなり,平成27年1月29日に登録出願,第11類,第32類,第35類,第37類及び第43類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同年7月17日に設定登録されたものである。 (3)登録第5779116号商標は,別掲4のとおりの構成からなり,平成27年1月29日に登録出願,第11類,第32類,第35類,第37類及び第43類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同年7月17日に設定登録されたものである。 (4)登録第5812403号商標(以下「引用商標」という。)は,「水源水」の文字を標準文字で表してなり,平成27年7月8日に登録出願,第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」,第35類「広告業,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,清涼飲料の小売又は卸売に関する情報の提供,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,広告用具の貸与,自動販売機の貸与,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,燃料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。),家庭用飲料ディスペンサーの貸与,家庭用電気トースターの貸与,家庭用電子レンジの貸与,家庭用ホットプレートの貸与,業務用飲料ディスペンサーの貸与,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用食器乾燥機の貸与,業務用食器洗浄機の貸与,加熱器の貸与,食器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与」のほか,第11類及び第37類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同年12月11日に設定登録されたものである。 第3 登録異議申立ての理由 申立人は,本件商標について,商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,その登録は取り消されるべきものである旨申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。 本件商標は,「The Water」の文字に水滴の図形を重ね合わせ,その横に「水源水」の文字と「Since1985」の文字を上下に並べて表示されて構成されているので,その構成中「水源水」の文字から「スイゲンスイ」の称呼を生じることは明らかである(甲1)。 他方,引用する登録第5779114号,登録第5779115号及び登録第5779116号商標は,「水源水」の漢字の一部を水滴で表して図形化し,又はこの漢字の左横(登録第第5779115号)又は上(登録第5779116号)に2つの山頂を横並びで表示したものであるから,いずれの商標もその「水源水」の漢字から「スイゲンスイ」の称呼を生じるものである。 また,引用商標は,「水源水」の文字からなり,同様に「スイゲンスイ」の称呼を生じるものである。 してみれば,本件商標と登録第5779114号,登録第5779115号,登録第5779116号及び引用商標は,共に「スイゲンスイ」の称呼を生じることが明らかであるから,その称呼において類似の商標である。 そして,本件商標と登録第5779114号,登録第5779115号,登録第5779116号及び引用商標の指定商品及び指定役務は,同一又は類似のものである。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 第4 当審における取消理由 当審において,本件商標権者に対して平成28年12月7日付けで通知した取消理由の内容は,要旨以下のとおりである。 1 本件商標は,「TheWater」及び「水源水」の各文字から「ザウォータースイゲンスイ」の称呼を生じるほか「水源水」の文字部分から,「スイゲンスイ」の称呼をも生じ,「河水の流れ出るみなもとの水」程の観念を生じるものである。 2 引用商標は,「水源水」の文字を標準文字で表してなり,これからは,「スイゲンスイ」の称呼を生じ,「河水の流れ出るみなもとの水」程の観念を生じるものである。 3 本件商標と引用商標との類否について 本件商標の「水源水」の文字部分と,引用商標の「水源水」の文字とは,その綴りを同じくするものであるから,構成全体として近似した印象を与えるものである。 そして,本件商標と引用商標は,称呼及び観念を同じくするものである。 また,本件商標の指定商品及び指定役務は,引用商標の指定商品及び指定役務と,同一又は類似のものと認められる。 4 まとめ 以上のとおり,本件商標は,引用商標と類似する商標であって,引用商標の指定商品及び指定役務と,同一又は類似の商品及び役務に使用をするものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。 第5 本件商標権者の意見 1 本件商標について (1)本件商標は,図形と文字とからなる結合商標であり,前半部分は,頭文字を大文字とする筆記体の英文字「The」と「Water」を前後に並べ,「W」の文字の一部を湾曲に延長して「The」の文字後半分を抱き込む極めてユニークな構成とし,これに水滴を表す図柄を重ね,水滴に重なる部分の英文字が透けて見える態様である。 後半部は,明朝体の漢字「水源水」の文字と,その下段中央部に小さく「Sincel985」の文字を配してなるものである。 その前半の図形部分は,本件商標権者の所有に係る登録第2008659号商標(乙1)と同一のものであり,透明で純粋な水滴からなるミネラルウォーターを表彰するデザインコンセプトの下に創作されたものである。 その後半部上段の文字「水源水」は,本件商標権者の旧社名「水源水株式会社」を表すハウスマークであると同時に,商品「ミネラルウォーター」に使用する商標である。その下段の「Sincel985」の文字は,本件商標権者の前身「水源水株式会社」が設立された1985年以来,上段の「水源水」が,ハウスマーク及び商品商標として使用されてきたことを示すものである。 (2)本件商標の前半部分と同一の図形商標,及び後半部分の文字商標は,いずれも,1985年(昭和60年)の本件商標権者の会社設立以来30年以上にわたって,そのハウスマークないし商品商標として使用されてきたものである。 その取引先は,木曽,東京,代理店を置く大阪を中心に,日本各地に及び,個人顧客に限らず,法人顧客等多岐にわたる。また,本件商標を付したミネラルウォーターは,設立翌年の1986年,東京サミットの公式飲料として採用され,航空会社の機内サービスとしても採用されて認知度を上げた。 平成8年3月20日国土庁長官官房水源部発行の「水の郷百選」には,木曽福島町の歴史・文化の特色のひとつとして「天然水をそのままパックした『水源水』」と紹介され,2002(平成14)年に東京書籍株式会社が発行した「ミネラルウォーター・パーフェクトガイド」では,「木曽の水源水」が紹介されている。 平成25年に木曽町が刊行した「木曽ノオト」でも「水源水株式会社は,今からおよそ25年以上も前,まだ水が商品になるとは誰も思っていなかった頃,木曽の自然環境の保全とその価値のアピールを目指して設立された,日本におけるミネラルウォーターのパイオニアです」と紹介されている。 最近では,国際優秀味覚賞2014で三ツ星を受賞したことが知られており,実施団体である,国際味覚審査機構(iTQi)のホームページに,受賞者として「Suigensui」,「KisoNaturalMineralWater」と表示されている(乙2ないし乙7)。 以上により,本件商標の前半部の図形商標は,本件商標権者のハウスマークとして,さらに,ミネラルウォーター及びウォーターサーバーの商品商標として,また,本件商標の後半部の文字商標「水源水」は,本件商標権者のミネラルウォーター及びウォーターサーバーの商品商標として,いずれも,需要者,取引者の間に広く認識された,いわゆる周知商標となっている。 なお,本件商標権者は,申立人の図案化された「水源水」商標出願に対して「刊行物提出書」を提出し,これに対するフィードバックとして,担当審査官より「利用状況のお知らせ」(平成27年6月25日)を受領した。 その内容には,「『水源水』の文字自体は,『水源から採取した水』程度の意味合いを看取させるものであり,『飲料』等との関係においては,そもそも,識別力の強い語ではない。本願商標は,図案化されたその構成において,識別力を発揮するものである。」旨のなお書きが付され,「水源水」は,識別力の強い語ではないとの認定を受けた(乙8)。 2 本件商標と引用商標の類否について (1)本件商標の称呼及び観念 本件商標は,前述のとおり,図形商標と文字商標を結合してなるものであり,前半部の図形商標は,その極めて顕著な外観構成及び使用実績による周知性からして,需要者,取引者に対して一見して強い印象を与えるものである。 これに対し,後半の「水源水」の文字は,本件商標権者の周知商標であるが,前記「刊行物提出書」に対する「フィードバック」により,「飲料」等との関係においては,識別力の強い語ではない旨認定されている。もちろん,「水源水」の語に識別力がないとは認定されておらず,この点については,本件商標権者も否定するものではない。 申立人は,「権利者は,この『利用状況のお知らせ』を援用して『水源水』には識別性がないことを認めているようである(もし,そうであれば,『水源水』の文字は誰でも使用できることになる。)」と主張しているが,この点は,申立人の誤解であって,本件商標権者は,「水源水」の語は識別力が強くないとの審査官認定に承服はしているが,識別力がないとは認識しておらず,そのような主張も一切行っていない。 かかる観点からすれば,本件商標における「水源水」の文字部分は,識別力が弱く,需要者,取引者に対して,特定的,限定的な印象を与える力を有するものとはいうことができないものというべきである。 また,本件取消理由通知書においても,「『水源水』の文字は,『水源』の文字が『河水の流れ出るもと。みなもと。』の意味を有する語(広辞苑第六版)」との参照がされており,ここからも「水源水」の文字が識別力の強いものでないことが認識される。 (2)識別力に強弱を有する結合商標の観察方法 識別力に強弱を有する結合商標の観察方法については,「SEIKO EYE」事件における最高裁判所の確立された判例がある(平成5年9月10日 最高裁第二小法廷判決 H03(行ツ)第103号)。 (3)本件商標の構成について 本件商標は,識別力の強い図形部分と識別力の弱い文字部分との結合からなるものであって,まさに,上記最高裁判決に示された観察方法が妥当する商標である。 これによれば,本件商標が,本件指定商品及び役務に使用された場合には,識別力の強い「TheWater図形」の部分が取引者,需要者に対して,商品の出所の識別標識として強く支配的な印象を与え,それとの対比において,識別力の弱い「水源水」の部分のみからは,出所の識別標識としての,称呼,観念は生じないというのが当を得た観察方法というべきである。 (4)引用商標の称呼及び観念 これに対して,本件取消理由通知書においては,「引用商標は,『水源水』の文字を標準文字で表わしてなるものであるから,『スイゲンスイ』の称呼を生じ,『河水の流れ出るみなもとの水』程の観念を生じる。」旨認定されている。 (5)本件商標と引用商標との類否 上記のとおり,引用商標からは「スイゲンスイ」の称呼が生じ,「河水の流れ出るみなもとの水」程の観念を生じる。 これに対して,本件商標は,上記のとおり,「水源水」の部分からは,称呼も観念も生じるものではない。 3 まとめ したがって,本件商標と引用商標とは,その外観,観念,称呼のいずれの点においても,混同することのない非類似の商標であり,商標法第4条第1項第11号に該当するものでないことは明らかである。 第6 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標について 本件商標は,別掲1のとおり,紺色で,デザイン化した「TheWater」の欧文字とその中程に大きくしずく様の形状(以下「図形」という。)を重ねて表し,その右には,上段に「水源水」の文字と下段にはこれに比べ小さく「Since1985」の文字を表した構成からなるものである。 そして,本件商標は,その構成中のデザイン化し図形を重ねて表した「TheWater」の欧文字部分と「水源水」等の文字部分とは,その間にスペースがあること,構成文字,文字種,書体及び態様が相違していることから,視覚上,分離して看取されるといえるものである。 また,「水源水」の文字部分とその下段の「Since1985」の文字部分とは,「水源水」の文字部分が,「Since1985」の文字部分より,大きく顕著に表されているのに対し,「Since1985」の文字は,小さく表され,かつ,「1985年以来,1985年から」程の意味を理解させ,事業の開始時期等を表す際に一般に用いられるものであるから,自他商品及び役務の識別標識としての機能を果たし得ないというべきである。 そうすると,本件商標は,「TheWater」及び「水源水」の各文字から「ザウォータースイゲンスイ」の称呼を生じるほか,独立して自他商品及び役務の識別標識としての機能を果たし得る「水源水」の文字部分から,「スイゲンスイ」の称呼をも生じ,「水源水」の文字は,「水源」の文字が「河水の流れ出るもと。みなもと。」の意味を有する語(広辞苑第六版)であるから,「河水の流れ出るみなもとの水」程の観念を生じるものである。 (2)引用商標について 引用商標は,「水源水」の文字を標準文字で表してなるところ,これからは,「スイゲンスイ」の称呼を生じ,本件商標と同様に「河水の流れ出るみなもとの水」程の観念を生じるものである。 (3)本件商標と引用商標との類否について 本件商標は,別掲1のとおりの構成態様により表してなるのに対し,引用商標は,「水源水」の文字を標準文字で表してなるものであるから,構成全体の外観においては相違するものの,本件商標の「水源水」の文字部分と,引用商標の「水源水」の文字とは,その綴りを同じくするものであるから,構成全体として近似した印象を与えるものである。 そして,本件商標と引用商標は,「スイゲンスイ」の称呼及び「河水の流れ出るみなもとの水」程の観念を同じくするものである。 また,本件商標の指定商品及び指定役務は,引用商標の指定商品及び指定役務中,第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」,第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第43類「家庭用飲料ディスペンサーの貸与,家庭用電気トースターの貸与,家庭用電子レンジの貸与,家庭用ホットプレートの貸与」と,同一又は類似のものと認められる。 (4)まとめ 以上のとおり,本件商標は,その商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の引用商標と類似する商標であって,引用商標の指定商品及び指定役務と,同一又は類似の商品及び役務に使用をするものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 本件商標権者の主張について 本件商標権者は,「本件商標が,本件指定商品及び役務に使用された場合には,識別力の強い『TheWater図形』の部分が取引者,需要者に対して,商品の出所の識別標識として強く支配的な印象を与え,それとの対比において,識別力の弱い『水源水』の部分のみからは,出所の識別標識としての,称呼,観念は生じない」旨主張する。 しかしながら,本件商標権者は,自身が提出した「刊行物提出書」についてフィードバックされた「『水源水』の文字自体は,『水源から採取した水』程度の意味合いを看取させるものであり,『飲料』等との関係においては,そもそも,識別力の強い語ではない。本願商標は,図案化されたその構成において,識別力を発揮するものである。」旨のなお書き(乙8)を理由にかかる主張をするのみであり,「水源水」の文字が,本件指定商品及び指定役務との関係においていかなる理由により識別力が弱いものであるかについて,具体的な証拠を提出していない。 そして,本件商標は,その構成態様から,これに接する者に,「TheWater」の文字及び図形からなる部分と,「水源水」の文字部分とに,視覚上,分離して看取されること,また,「水源水」の文字は,その指定商品及び指定役務との関係において,品質(質)等を表示する文字とはいえない以上,自他商品及び役務の識別標識としての機能を果たし得るものであるから,該文字部分と引用商標とを比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。 3 まとめ 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものと認められるから,商標法第43条の3第2項の規定により,取り消すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。

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