審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
商標異議申立

2016-900126

審判番号
2016-900126
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2015-030605
請求日
2016年05月20日
審決日
2017年01月30日
公報発行日
2017年06月30日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】サンスター株式会社
  • 【権利者代理人】鮫島 睦
  • 【権利者代理人】川本 真由美
  • 【権利者代理人】市川 久美子
  • 【異議申立人】野田 澄子
審判長/審判官
  • 審判長 青木 博文
  • 審判官 酒井 福造
  • 審判官 真鍋 伸行
分類
T1652.13 -ZC (W0321) / T1652.17 -ZC (W0321)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法43条の3第2項商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項、商標法第43条の2第1号、商標法第5条第2項第1号、商標法第43条の3第2項、商標法第43条の3第4項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

登録第5827541号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 登録第5827541号商標の指定商品中、第3類「歯磨き,洗口液,口臭用消臭剤」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由

【理 由】 第1 本件商標 本件登録第5827541号商標(以下「本件商標」という。)は、後掲1のとおりの構成からなり、商標に係る文字、図形、記号、立体的形状又は色彩が変化するものであって、その変化の前後にわたるその文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合からなる商標のうち、時間の経過に伴って変化するもの(以下「動き商標」という。)として、平成27年4月1日に登録出願され、第3類「歯磨き,洗口液,口臭用消臭剤,せっけん類,化粧品,香料,薫料」及び第21類「歯ブラシ,電気式歯ブラシ,化粧用具,デンタルフロス」を指定商品として、同28年1月29日に登録査定、同年2月19日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由(要旨) 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第14号証を提出した。 本件商標は、後掲1に示す3枚の図(以下、各図については、右下に付された番号に則して「図1」、「図2」、「図3」という。また、3枚の図をまとめて「本件各図」という場合がある。)のとおり、歯周病菌が死滅する様子を示す動きを表したものであり、また、本件各図に記載された各文字も指定商品の品質、効果を示す語にすぎないものである。 そして、本件商標の指定商品中、第3類「歯磨き,洗口液,口臭用消臭剤,せっけん類」及び第21類「歯ブラシ,電気式歯ブラシ,化粧用具,デンタルフロス」は、歯周病菌を死滅させることが作用効果となる商品であるから、本件商標を上記商品に使用しても、商品の品質及び効果を普通に用いられる方法で表示する標章と認識されるにすぎず、自他商品識別標識として機能を果たし得ない。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものであるから、商標法第43条の2第1号の規定により、その登録は取り消されるべきである。 第3 本件商標に対する取消理由 当審において、商標権者に対し、平成28年8月30日付けで通知した本件商標の指定商品中、第3類「歯磨き,洗口液,口臭用消臭剤」についての登録が商標法第3条第1項第3号に違反してされたものである旨の取消理由(以下「本件取消理由」という。)は、要旨次のとおりである。 1 動き商標について 商標法第5条第2項第1号の規定により動き商標として商標登録出願される商標は、同条第4項の規定による商標の詳細な説明の記載(以下「商標の詳細な説明」という。)が、同条第1項第2号の規定による商標登録を受けようとする商標(以下「商標記載欄の商標」という。)を特定するものでなくてはならず(同条第4項及び第5項)、その登録商標の範囲は、商標の詳細な説明の記載を考慮して、商標記載欄の商標の意義が解釈されるものである(同法第27条第3項)。また、商標法施行規則第4条は、動き商標の商標記載欄の商標の記載について、「その商標の時間の経過に伴う変化の状態が特定されるように表示した一又は異なる二以上の図又は写真によりしなければならない」と規定する。 2 本件商標について 本件商標(動き商標)を構成する標章(以下「本件標章」という。)は、図1において、極細の毛状の線を外周に有するピンク色の楕円形状の図形を大きく中央に1つ、その周辺に同様の特徴を有する図形を小さく4つ配し、左下に「歯周病予防」と「(殺菌+抗炎症)」の文字を2段に、右下に「イメージ図」の文字をいずれも白色で書し、これらを灰色で彩色された横長矩形内に表したものであり、図2において、中央の楕円形状の図形が白く破裂し、図3において、これが粉砕して消滅しかかるとともに、周辺の2つの楕円形状の図形も白く破裂するように変化する様子が表されたものである(その他の図形、文字等に特段の変化は見受けられない。)。 そして、商標の詳細な説明には、「図1から図3にかけて、細菌を模した物体が破裂する様子を表し」、「全体として約1秒間である」との記載がある。 そうすると、本件商標は、線毛の生えた楕円形状からなる細菌の図形と「歯周病予防」、「(殺菌+抗炎症)」及び「イメージ図」の文字とを横長矩形内に表した標章(本件標章)について、その細菌が破裂する変化を約1秒間で表した動き商標と認められる。 3 歯周病及びその原因となる細菌並びに歯周病等の原因となる細菌の殺菌等を特徴とする商品について 申立人の提出に係る甲各号証及び当審における調査によれば、以下の事実が認められる。 (1)歯周病は、歯と歯茎の境目の汚れに含まれる細菌を原因として、炎症、出血、口臭などの症状が生じる歯の周囲組織の疾患の総称であって(甲4、6)、顕微鏡で撮影された歯周病の原因となる細菌には楕円形状からなるものがあり、これを詳細に表した写真からは線毛が確認できる(甲2、3、7、後掲2(1))。 (2)歯周病やその原因となる細菌について説明するイメージ図(イラスト等)においては、通常、その原因となる細菌について、線毛を有すること、楕円形状であることが特徴として描かれ、ピンク色を含め何らかの着色がされている(甲2、3,後掲2(2))。 (3)歯周病等の疾患、口臭の原因となる細菌の殺菌等を特徴とする商品について、その商品を紹介するウェブサイトにおいて、疾患、口臭の原因(細菌等)やそれが商品の効能により解消される仕組みを表したイメージ図が普通に使用されている実情がある(後掲3(1))。 また、歯周病等の疾患や口臭・体臭の原因となる細菌の殺菌等を特徴とする商品の宣伝広告において、原因となる細菌が破裂又は消滅する変化を表した動画が、その商品の効能を説明し、印象付けるために採用され、一般にテレビ放送又はインターネットを利用して公開されている実情がある(後掲3(2))。 そして、これらの動画においては、商品の効能を紹介する映像部分以外に、商品の出所識別標識として、商品名、メーカー名、商品(商品の包装)等の映像が表示されるのが一般的であり、商品の効能を紹介するイメージ図や映像(動画)においては、その図や映像が商品の効能を抽象的に表したものであることを示すために、「イメージ(図)」の文字を表示することや、その図や映像が示す商品の効能をより明確にするために、「殺菌」、「口臭・歯肉炎予防」等の文字を表示することが普通に行われている(後掲3)。 4 本件標章(本件商標(動き商標)を構成する標章)の自他商品識別機能について 本件標章は、上記2のとおり、線毛の生えた楕円形状からなる細菌の図形と「歯周病予防」、「(殺菌+抗炎症)」及び「イメージ図」の文字とを横長矩形内に表したものである。 上記文字部分についてみるに、「歯周病予防」、「(殺菌+抗炎症)」及び「イメージ図」の文字は、その構成及び上記3(3)で述べた「イメージ図」等の文字の使用に係る実情に照らせば、図1ないし図3における細菌の図形が殺菌と抗炎症による歯周病の予防に関するイメージ図であることを説明するものと容易に理解される。 次に、構成中の図形部分についてみるに、図1において、横長矩形内中央に大きく表された細菌の図形は、上記3(1)で述べた歯周病の原因となる細菌の写真と外見上の特徴を共通にし、これを写実的に描いたものと容易に理解される形状からなるものであって、たとえ、その色彩や形状において多少の図案化が施されているとしても、その程度は、上記3(2)で述べた一般的なイメージ図の範ちゅうを超えるほど特徴的なものとはいい難いものである。また、図2及び図3においても、図1の細菌の図形が白く破裂し、あるいは粉砕して消滅しかかっているところを表したにすぎないものであるから、図1と同様に特徴的といえる構成要素を見いだすことができないものである。 そして、本件商標の指定商品中、第3類「歯磨き,洗口液,口臭用消臭剤」は、歯周病の原因となる細菌の殺菌等を効能とする商品であるところ、このような細菌の殺菌等を特徴とする商品について、その細菌及びそれが殺菌されて破裂、消滅する様子を表したイメージ図又は映像(動画)が商品の効能を分かりやすく紹介するために使用されている実情があることは、上記3(3)で述べたとおりである。 してみれば、本件標章は、上記指定商品との関係において、図1ないし図3の文字部分及び細菌の図形のいずれも商品の出所識別機能を有するとはいい難いものであり、むしろ文字部分により図1ないし図3における細菌の図形が殺菌と抗炎症による歯周病の予防に関するイメージ図であることが説明されていることとも相まって、その商品が歯周病の原因となる細菌の殺菌等の効果があることを表したイメージ図と看取されるものというべきである。 したがって、本件標章は、商品の効能を普通に用いられる方法で表したものにすぎないというべきであるから、自他商品の識別標識としての機能を有さない。 5 本件商標(動き商標)に接する需要者の認識について 本件商標の指定商品中、第3類「歯磨き,洗口液,口臭用消臭剤」は、歯周病の原因となる細菌の殺菌等を効能とする商品であって、一般消費者を主たる需要者とするものである。 そして、一般消費者は、通常、歯周病の原因となる細菌の種類や細部の特徴まで把握しているとはいえず、約1秒間という動きの中で細菌の描写の特徴を記憶にとどめるともいい難いから、上記指定商品との関係において、細菌の形状からなる図形が、「歯周病予防」、「(殺菌+抗炎症)」及び「イメージ図」の文字とともに表され、その細菌が破裂する変化を約1秒間で表した本件商標に接する一般消費者は、その図形を歯周病の原因となる細菌を表したものと理解するにとどまるというべきである。 さらに、一般消費者が目にすることの多いテレビCM等の動画による宣伝広告において、上記3(3)のとおりの実情が認められることをも踏まえれば、仮に、上記の指定商品に係るテレビCM等の動画の一部に本件商標を使用したとしても、それが歯周病の原因となる細菌の殺菌に効果を発揮する仕組みを紹介したものと認識される使用態様であれば、これに接する一般消費者は、当該映像以外の商品名等が表示された映像部分をもって商品の出所識別標識と認識するというべきである。 6 まとめ 以上のとおり、本件標章(本件商標(動き商標)を構成する標章)は、第3類「歯磨き,洗口液,口臭用消臭剤」との関係においては、単に商品の効能を表したものと理解されるものであって、それが時間の経過に伴って変化する状態も、商品がその効果を発揮する仕組みを分かりやすく表したものにすぎないというべきである。 してみれば、本件標章と本件標章が時間の経過に伴って変化する状態とを総合して本件商標(動き商標)全体として考察すれば、本件商標は、これをその指定商品中の上記商品に使用しても、これに接する需要者に、その商品が歯周病の原因となる細菌の殺菌等に効果を発揮する仕組みを表した動画と理解されるものであって、その商品が歯周病の予防やその症状に効果があるという商品の効能を普通に用いられる方法で表したものにすぎないというべきであるから、自他商品の識別標識としての機能を有さないものというのが相当である。 したがって、本件商標の登録は、その指定商品中の第3類「歯磨き,洗口液,口臭用消臭剤」について、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものである。 第4 商標権者の意見 商標権者は、上記第3の取消理由に対して意見を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第18号証を提出した。 1 商標法第3条第1項第3号非該当性について 商標の識別性の有無の判断にあたっては、識別性を有しない要素を含んでいても、識別性を有する要素を含み、商標全体として識別性を有する場合は登録を認めるのが永年の実務であり(乙1~6)、本件商標の識別性の有無は、識別性を有しない要素を含むかどうかではなく、識別性を有する要素の有無を考慮して、商標全体として判断すべきである。 本件商標は、細菌を模した落花生状の物体の詳細な表現、1つの物体を大きく目立つように配して破裂する構図と表現に、独創的な特徴を有するものであり、実際に本件商標中の細菌を観察するために顕微鏡を使用する場合、一つが拡大されて他が縮小されて観察すること等は一般的ではなく、横長矩形内中央1つの落花生状の物体が目立つように配置されて当該物体が破裂し破片がその場に散らばるといった動きは、本件商標独特の表現であって、看者に強い印象を与える。 そして、本件取消理由に記載の動画(後掲3)及び申立人の提出に係る甲各号証と本件商標との間に、文字、線毛、細菌の丸み形状、当該細菌の爆発のいずれかの点で共通するとしても、上述した本件商標の特徴部分は共通せず、他の表現・構図は全く異なるのであって、本件商標は決して一般的なものではなく、本件商標の上記特徴を有する動画が広く一般に採用されている事実もない。 また、本件商標は、約1秒間という短い時間だからこそ、抽象的あるいは暗示的にしかその意味合いを伝えることができず、直ちに細菌の殺菌等に効果を発揮する仕組みを表した動画として理解させるものではない。 さらに、本件商標は、商標権者により、2015年3月頃からテレビCMや店頭でその指定商品に継続して使用されており、すでに出所識別標識として認知され、機能している。 以上より、本件商標は、その指定商品中「歯磨き,洗口液,口臭用消臭剤」について使用しても、自他商品識別標識として機能を発揮するものであり、その登録は商標法第3条第1項第3号に違反してされたものではない。 2 商標法第3条第2項該当性について 本件商標は、商標権者が取り扱うオーラルケアブランドの著名商標「GUM」を付した商品について使用されてきたもので、当該商品の著名性と共に、広く一般需要者に認識され、既に使用により識別力を獲得している。 また、2010年から2014年(見込みを含む。)における、商標権者の商品「歯磨き,洗口液」に関する市場占有率は、歯磨きが約8~9%前後(3位又は4位)、洗口液(液体歯磨きを含む)が約27%~28%(1位)であるところ(乙15~17)、オーラルケア商品は、ほとんどの需要者が日常的に使用する商品であり、多数の種類の商品が販売されている中で、本件商標を使用した商品の販売実績及び市場占有率は上記のとおりであることからも、本件商標を使用した商品は広く需要者に認知されているものといえる。 以上より、需要者が本件商標を目にし、出所表示として認識する機会は多く、さらに当該商品が毎年相当数の販売数を維持していることからも、本件商標が、登録査定時において、出所識別標識として認識され、機能していたことは明らかである。 3 結語 以上のことから、本件商標は、「歯磨き,洗口液,口臭用消臭剤」について、自他商品識別力を有するものであり、商標法第3条第1項第3号に該当するものではなく、万一該当したとしても、同条第2項により登録されるべきものである。 第5 当審の判断 1 本件商標の商標法第3条第1項第3号該当性について 本件商標の取消理由は、上記第3のとおりであり、本件商標が商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものであるとの認定、判断は、妥当なものである。 2 商標権者の意見について 商標権者は、上記第3の取消理由に対して、上記第4のとおり、意見を述べているが、以下の理由により採用することができない。 (1)商標権者は、本件商標は、細菌を模した落花生状の物体の詳細な表現、1つの物体を大きく目立つように配して破裂する構図と表現に、独創的な特徴を有するものであることから、自他商品識別標識として機能を発揮するものである旨主張する。 しかしながら、本件標章の構成中、横長矩形内中央に大きく表された細菌の図形は、その色彩や形状において多少の図案化が施されているとしても、その程度は、一般的なイメージ図の範ちゅうを超えるほど特徴的なものとはいい難いものであって、また、1つの物体を大きく目立つように配して破裂する構図についても、他にも複数の細菌のうちの一部が破裂する構図からなるテレビCM等の動画(本件取消理由に掲載した後掲3(2))が公開されている実情があることからすると、本件商標は、単に細菌が破裂し、あるいは粉砕して消滅しかかっているところを表したにすぎないものであるから、特徴的といえる構成要素を見いだすことができず、自他商品の識別標識としての機能を有するとまではいえないこと、上記第3の4で認定のとおりである。 (2)商標権者は、本件商標が、約1秒間という短い時間だからこそ、抽象的あるいは暗示的にしかその意味合いを伝えることができず、直ちに細菌の殺菌等に効果を発揮する仕組みを表した動画として理解させるものではなく、また、わずか1秒以内だからこそ、本件商標の特徴が強く需要者の印象に残る旨主張する。 しかしながら、本件商標に接する一般消費者は、細菌の形状からなる図形が、「歯周病予防」、「(殺菌+抗炎症)」及び「イメージ図」の文字とともに表されていることから、歯周病の原因となる細菌が破裂する変化を約1秒間で表したものと理解するにとどまるというべきであり、本件商標の指定商品中「歯磨き,洗口液,口臭用消臭剤」に係るテレビCM等の動画の一部に本件商標を使用したとしても、それが歯周病の原因となる細菌の殺菌に効果を発揮する仕組みを紹介したものと認識される使用態様であれば、当該映像以外の商品名等が表示された映像部分をもって商品の出所識別標識と認識するというべきであること、上記第3の5で認定のとおりである。 (3)さらに、商標権者は、本件商標は、商標権者が取り扱うオーラルケアブランドの著名商標「GUM」を付した商品について使用されてきたもので、当該商品の著名性と共に、広く一般需要者に認識され、既に使用により識別力を獲得していることから、万一商標法第3条第1項第3号に該当したとしても、同条第2項により登録されるべきである旨主張し、証拠方法として、乙第7号証ないし乙第18号証を提出しているので、この点について、以下検討する。 商標登録出願された商標が、商標法第3条第2項の要件を具備し、登録が認められるか否かは、使用に係る商標及び商品、使用開始時期及び使用期間、使用地域、当該商品の販売数量等並びに広告宣伝の方法及び回数等を総合考慮して、出願商標が使用された結果、判断時である審決時において、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものと認められるか否かによって決すべきものであり、商標法第3条第2項の要件を具備するためには、使用商標は、出願に係る商標と同一であることを要するものというべきであり(知財高裁平成21年(行ケ)第10388号平成22年6月29日判決参照)、動き商標についても同様であると解される。 そこで、これを本件についてみるに、商標権者から提出された証拠によれば、商標権者は、商品「歯磨き」について、テレビCMにおいて、本件標章を含む画像を2015年(平成27年)3月頃に使用していることや(乙7、乙18)、中央に1つの落花生状の物体が目立つように配置されて、当該物体が破裂し破片がその場に散らばるという本件標章と共通性を有する画像を2005年頃から使用していることが認められる(乙18)。 しかしながら、本件標章を含む画像を使用したテレビCM等については、使用開始からまだ2年足らずと短い期間であり、かつ、当該画像がテレビCM等で放送された回数、頻度、放送範囲、視聴率については何ら証明されていない。また、請求人が提出した乙第11号証ないし乙第17号証は、請求人のオーラルケア商品のブランドである「GUM(G・U・M)」の著名性について証明する資料とはなり得るものの、本件商標の著名性を直接証明するものであるとはいえず、これらの証拠をもって、本件商標が需要者の間で広く認識されているものであると判断することはできない。 以上からすると、本件商標が請求人の業務に係る商品に使用された結果、その指定商品について、需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識するに至っていると認めるに足る事実を見いだすことはできない。 したがって、本件商標は、これが使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っていたと認めることができない。 3 まとめ 以上のとおり、本件商標の指定商品中の第3類「歯磨き,洗口液,口臭用消臭剤」についての登録は、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものであるから、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。 しかし、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての登録は、取り消すべき理由が認められないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2016-900126

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存