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特許拒絶査定不服審判

2016-016843

通信システム、通信制御装置、無線通信装置および通信方法

審判番号
2016-016843
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-553905外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年11月09日
審決日
2017年11月07日
公報発行日
2018年02月23日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (H04W) / P18 .572-Z (H04W)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第159条第1項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014-553905「通信システム、通信制御装置、無線通信装置および通信方法」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 7月 3日国際公開、WO2014/102891〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2012年(平成24年)12月25日を国際出願日とする出願であって、平成28年3月23日付け拒絶理由の通知に対し、平成28年5月27日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、平成28年8月2日に拒絶査定がされ、これに対して平成28年11月9日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正がなされたものである。 第2 平成28年11月9日付けの手続補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成28年11月9日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1 補正の内容 平成28年11月9日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲の請求項4は、次のとおり補正された。(以下、この記載事項により特定される発明を「本願補正発明」という。) 「  【請求項4】 無線通信装置および通信制御装置を含む通信システムの通信方法であって、 前記無線通信装置が、 前記無線通信装置の位置および前記無線通信装置の予測経路を示す経路情報を前記通信制御装置へ送信し、 前記通信制御装置が、 前記無線通信装置の位置と前記無線通信装置が使用可能な周波数との対応情報と、前記無線通信装置によって送信された経路情報と、に基づいて、前記無線通信装置の位置において前記無線通信装置が使用可能な周波数のそれぞれを対象に、対象の周波数を前記無線通信装置が使用不可となるまでの予測時間または予測移動距離を算出し、 算出した予測時間または予測移動距離に基づいて、前記無線通信装置の位置において前記無線通信装置が使用可能な周波数の中から前記無線通信装置が使用する第1周波数を選択し、 選択した第1周波数を前記無線通信装置が使用不可となる位置において前記無線通信装置が前記第1周波数以外の使用可能な周波数のそれぞれを対象に、第1周波数で前記無線通信装置が使用不可となってから、前記無線通信装置で使用不可となるまでの予測時間または予測移動距離を算出し、 算出した予測時間または予測移動距離に基づいて、前記第1周波数が使用不可となる位置において前記無線通信装置が使用可能な周波数の中から前記無線通信装置が使用する第2周波数を選択し、 選択した第1周波数と第2周波数とを示す周波数情報を前記無線通信装置へ送信し、 前記無線通信装置が、 前記通信制御装置によって送信された周波数情報が示す前記第1周波数を使用して無線通信を行い、前記第1周波数が使用不可となると前記周波数情報が示す前記第2周波数を使用して無線通信を行う、 ことを特徴とする通信方法。」(下線は、手続補正書の記載のとおり。) 2 補正の適合性 本件補正は、平成28年5月27日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項4に記載した発明を特定するために必要な事項である通信制御装置の、選択した第1周波数を前記無線通信装置が使用不可となる位置において予測時間または予測移動距離を算出する対象の周波数を「前記無線通信装置が使用可能な周波数」から「無線通信装置が前記第1周波数以外の使用可能な周波数」へ、また、算出について「第1周波数を前記無線通信装置が使用不可となってから、対象の周波数を前記無線通信装置が使用不可となるまでの予測時間または予測移動距離を算出し」から「第1周波数で前記無線通信装置が使用不可となってから、前記無線通信装置で使用不可となるまでの予測時間または予測移動距離を算出し」へ、さらに、第2周波数を選択する際の無線通信装置が使用可能な周波数について「前記使用不可となる位置において」から「前記第1周波数が使用不可となる位置において」へと、限定する補正であり、特許法17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本願補正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。 (1) 引用例 原査定の拒絶の理由で引用された国際公開第2010/109526号(以下、「引用例」という。)には次の事項が開示されている。(下線は、当審にて付与。) ア 「 [0012] 携帯端末の普及に伴い、乗り物に乗っている利用者の携帯端末に、乗り物に積載された送信機から無線通信によりコンテンツを配信するサービスに対する需要も今後高まってゆくと考えられる。しかしながら、そのような乗り物内でのコンテンツ配信サービスにおいては、従来は想定されていない、次のような問題が予測される。 [0013] 新たな通信のために利用することが可能なチャネルである空きチャネルに関する状況は様々な要因の影響を受けるが、主要な要因の1つは、受信機が存在する場所である。したがって、乗り物内でのコンテンツ配信サービスでは、乗り物が移動するにつれて、空きチャネルに関する状況も変化しうる。 [0014] 空きチャネルに関する状況が変化すれば、例えば、「同一チャネルを使って品質を保ちながらコンテンツ配信サービスを続けることが困難になる」といった問題が生じうる。しかし、空きチャネルに関する状況が変化するたびに配信のためのチャネルを切り替え、サービスの利用者に携帯端末の受信チャネルを変更するよう要求することは、利用者に不便を強いることであり、好ましいことではない。よって、たとえサービスの途中でチャネルの切り替えが生じるとしても、利用者にかける不便を少なくすることが望ましい。 [0015] そこで本発明の目的は、上記のように予測される問題を軽減するために、乗り物内での無線によるコンテンツ配信に適したチャネル設定パターンを提示することである。 開示の技術の第1の態様によれば、コンピュータに参照ステップと絞り込みステップと提示ステップを実行させるチャネル設定パターン提示プログラムが提供される。」 イ 「[0022] 以下では、図1~図15Dを参照して第1実施形態および第1実施形態の変形例について説明し、図16~図17を参照して第2実施形態について説明する。 図1は、第1実施形態における放送システムの構成図である。図1において、放送システム100は、ローカルTV(television)送信機110とTV付き携帯端末140とチャネル設定パターン提示装置150を備える。 [0023] ローカルTV送信機110は、バス、列車、定期航路船などの、特定の経路に沿って移動する乗り物に積載され、乗り物内でのローカルなTV放送を行う。ローカルTV送信機110は、複数のアンテナ(図1には代表としてアンテナ111と112のみを図示してある)と、TV送信装置113と、TV受信装置114と、コンテンツ記憶部115を備える。 [0024]ないし[0026] (省略) [0027] チャネル設定パターン提示装置150は、ローカルTV送信機110がどこでどのチャネルを使って放送を行うかという組み合わせパターンであるチャネル設定パターンを提示する。チャネル設定パターン提示装置150は、ローカルTV送信機110との間でのデータ通信が可能であれば、ローカルTV送信機110やTV付き携帯端末140と同じ乗り物内に積載されていてもよいし、乗り物とは離れた場所にあってもよい。 [0028]ないし[0038] (省略) [0039] 目的を達成するため、第1実施形態では、チャネル設定パターン提示装置150が、潜在的に可能な多数のチャネル設定パターンを絞り込み、絞り込みの結果得られた適切な1つ以上のチャネル設定パターンを提示する。そして、ローカルTV送信機110が、提示されたチャネル設定パターンにしたがってローカル放送を行う。なお、詳しくは後述するが、個々の「チャネル設定パターン」は、ローカル放送に用いるチャネルをバスの走行につれてどのように切り替えるかを表す組み合わせパターンである。」 ウ 「[0067] 図5は、空きチャネル計測情報を記憶する空きチャネル計測情報テーブル201の例を示す図である。空きチャネル計測情報テーブル201は図1の記憶装置151に記憶される。 [0068] 空きチャネル計測情報は、後述の図9の処理により空きチャネル計測情報テーブル201に追加され、蓄積されてゆく。また、空きチャネル計測情報は、地点IDとチャネルIDに「クリアレベル」(clearness level)を対応付ける情報である。 [0069] ここで、地点IDは、バスが移動する経路上の複数の地点を識別する地点識別子の具体例である。そして、チャネルIDは、ローカル放送に使用される可能性のある、放送電波の複数のチャネルを識別するチャネル識別子の具体例である。 [0070] また、以下の説明において、ある地点におけるチャネルXの「クリアレベル」とは、チャネルXの当該地点における利用可能性を表すレベルであり、換言すれば、チャネルXを使ったローカル放送の当該地点における受信品質を表すレベルである。免許を受けた放送局がチャネルXを使ってワンセグ放送を行っていたり、チャネルXが周囲の環境から大きな影響を受けたりする場合に、チャネルXを用いてローカル放送を行うとすると、受信品質は低いと予測される。よって、この場合はチャネルXのクリアレベルは低い。逆に、チャネルXが放送局によるワンセグ放送に使われておらず、チャネルXに大きな影響を与えるノイズ源も近くにない場合、チャネルXのクリアレベルは高い。 [0071] 換言すれば、チャネルXの受信強度(より正確には、チャネルXの13のセグメントのうち、微弱電波によるワンセグ放送であるローカル放送に用いられる中央のセグメトの電波の受信強度)が強ければ、チャネルXのクリアレベルは低い。逆に、チャネルXの受信強度が弱ければ、チャネルXのクリアレベルは高い。」 エ オ 「[0089] 以下、第1実施形態の説明においては、適切な大きさのエリアが定義されているものと仮定する。 図7は、運行情報を記憶する運行情報テーブル203の例を示す図である。運行情報テーブル203も、予め作成されて図1の記憶装置151に記憶される。第1実施形態では、バスが毎日同じ時刻表にしたがって運行するものと仮定しているので、運行情報テーブル203は「経路ID」列と「通過地点ID」列と「地点通過予定時刻」列を含む。 [0090] 第1実施形態における経路IDは、バスの運行経路(つまり路線。以下では単に「経路」ともいう)を識別するとともに、1つの同じ路線を走る複数の便をも識別する識別子である。 [0091] 例えば、図7の運行情報テーブル203には、経路IDが「1」の行が4行ある。これら4行は、経路IDの「1」により識別される経路が、「地点P1を出発し、地点P2と地点P7を経由し、地点P8に到着する経路」であることを示している。また、これら4行は、経路IDの「1」により識別される便が、「地点P1を9時ちょうどに出発し、地点P2を9時0分50秒に通過し、地点P7を9時1分20秒に通過し、地点P8に9時3分20秒に到着する予定の便」であることも示している。」 カ キ 「[0103] 例えば、バスが出発する前に、これからバスが走行する予定の経路および便を識別する経路IDが、バスの運転手から図2のテンキー124を介して入力される。CPU/DSP119は、入力された経路IDをテンキー124から受け取る。 [0104] そして、CPU/DSP119は、入力された経路IDと対応付けられた複数の地点IDを、図1のチャネル設定パターン提示装置150を介して記憶装置151内の運行情報テーブル203(図7を参照)から読み出す。 [0105] なお、図1に太い矢印で示すように、ローカルTV送信機110とチャネル設定パターン提示装置150は、WLAN、BT、またはその他の無線通信網により接続されており、相互にデータを交換することができる。よって、CPU/DSP119は、図2のGPS/WLAN/BT処理部116または通信用RF処理部118を介してチャネル設定パターン提示装置150と通信することにより、記憶装置151からデータを取得することができる。同様に、CPU/DSP119は、GPS/WLAN/BT処理部116または通信用RF処理部118を介してチャネル設定パターン提示装置150と通信することにより、記憶装置151にデータを書き込むこともできる。」 ク 「[0152] ステップS302でチャネル設定パターン提示装置150は、ステップS301で入力された経路IDに基づいて、通過地点ID、受信影響時間、受信影響距離、および地点通過予定時刻を抽出して経路情報テーブルとして展開する。 [0153] 具体的には、チャネル設定パターン提示装置150は、図7の運行情報テーブル203から、入力された経路IDに対応する通過地点IDと地点通過予定時刻を抽出する。また、チャネル設定パターン提示装置150は、運行情報テーブル203から抽出した複数の通過地点IDにそれぞれ対応する受信影響時間と受信影響距離を、図8の影響範囲情報テーブル204から抽出する。そして、チャネル設定パターン提示装置150は、抽出した各通過地点IDに受信影響時間と受信影響距離と地点通過予定時刻を対応付けて、例えば図12のような形式に展開し、メモリ領域126に記憶する。」 ケ 「[0163] ここで図11の説明に戻る。次のステップS303で、チャネル設定パターン提示装置150は、図7の運行情報テーブル203と図5の空きチャネル計測情報テーブル201に基づいて、各通過地点でのクリアレベルを、図13Aのような空きチャネル情報テーブル206aとして展開する。空きチャネル情報テーブル206aは、例えば図4のRAM163などのRAM上に展開される。 [0164] 図13Aは、展開された空きチャネル情報テーブルの第1の例を示す図である。なお、図13Aには参照の便宜のため、図12の経路情報テーブル205もあわせて表示してある。 [0165] 以下、説明の便宜上、地点P1、地点P2、地点P7および地点P8によりそれぞれ代表されるエリアが存在する地域では、50の物理チャネルのうちチャネル13~16以外は、空きチャネルでないことが予め判明しているものとする。換言すれば、地点P1、地点P2、地点P7および地点P8のいずれにおいても、サーチ対象はチャネル13~16であるとする。なお、例えば放送局により使われているチャネルは、空きチャネルでないことが予め判明しているチャネルの例である。 [0166]ないし[0178] (省略) [0179] 図13Bは、展開された空きチャネル情報テーブルの第2の例を示す図である。図13Bの空きチャネル情報テーブル206bは、各クリアレベルの値以外は図13Aの空きチャネル情報テーブル206aと同じなので詳しい説明は省略する。また、図13Bにも参照の便宜のために経路情報テーブル205があわせて表示してある。」 コ サ 「[0199] ステップS308でチャネル設定パターン提示装置150は、提示対象として選択されたチャネル設定パターンの情報をローカルTV送信機110に転送する。ローカルTV送信機110への転送は、チャネル設定パターンを提示する具体的方法の一例である。 [0200] 例えば、チャネル設定パターン提示装置150が図4のコンピュータ160により実現される場合、CPU161は、提示対象として選択されたチャネル設定パターンの情報を、通信インタフェイス164とネットワーク171を介してローカルTV送信機110に転送する。つまり、データ送信装置としての通信インタフェイス164がチャネル設定パターンの提示に使われてもよい。 [0201] また、チャネル設定パターン提示装置150が図4のコンピュータ160により実現される場合、CPU161は、さらに出力装置166にチャネル設定パターンを出力することで、選択されたチャネル設定パターンを視覚的または聴覚的に提示してもよい。出力装置166は、具体的にはディスプレイ、プリンタまたはスピーカなどである。 [0202] あるいは、上記のように、ローカルTV送信機110がチャネル設定パターン提示装置150を兼ねていてもよい。その場合、図2に示すローカルTV送信機110のCPU/DSP119は、ディスプレイ125またはスピーカ122に、選択されたチャネル設定パターンを視覚的または聴覚的に提示してもよい。 [0203] ステップS308でチャネル設定パターンが提示されると、図11の処理は終了する。 なお、提示されたチャネル設定パターンは、自動的にローカルTV送信機110に設定されてもよい。あるいは、チャネル設定パターン提示装置150により提示されたチャネル設定パターンは、ローカルTV送信機110のディスプレイ125またはスピーカ122に出力されてもよい。そして、バスの運転手または車掌などの操作者が、出力されたチャネル設定パターンを確認し、例えば図2のテンキー124などの入力装置を介して、チャネル設定パターン提示装置150により提示されたチャネル設定パターンを承認する入力を行ってもよい。そして、CPU/DSP119が、承認されたチャネル設定パターンを、TV送信装置113の制御のためのチャネル設定パターンとして設定してもよい。 [0204] ローカルTV送信機110は、上記のようにして設定されたチャネル設定パターンにしたがって、図1および図3のTV送信装置113によりローカル放送を行うことができる。設定されたチャネル設定パターンにしたがって、例えば車掌がチャネルの切り替えについて口頭で乗客に通知してもよい。よって、第1実施形態によれば、移動するバスの中において、バスの乗客に大きな負担をかけることなく、ローカル放送によるコンテンツ配信サービスを提供することが可能となる。」 シ 「[0233] 続いて、ステップS311で算出される上記(b)の同一チャネル連続時間について説明する。チャネル設定パターン提示装置150は、「チャネルIDに対応するクリアレベルが閾値以上である」という上記と同じ条件を満たし、かつ同じチャネルIDが連続する長さを、受信影響時間を用いて算出する。以下に説明するように、個々のチャネル設定パターンについて1つ以上の算出結果が得られ、得られた算出結果のうちの最大値が同一チャネル連続時間である。 [0234]ないし[0240](省略) [0241] 以上のようにして、ステップS311では、チャネル設定パターン提示装置150がt(=256)個のチャネル設定パターンのすべてについて上記(a)~(c)を算出してチャネル設定パターンテーブル207に書き込む。なお、実施形態によっては、受信影響時間の代わりに受信影響距離を用いて、上記(b)の代わりに同一チャネル連続距離が算出されてもよく、上記(c)の代わりに同一チャネル総距離が算出されてもよい。」 ス 「[0274] 図16は、第2実施形態におけるパターン決定処理のフローチャートである。第2実施形態では、チャネル設定パターン提示装置150が、第1実施形態における図11の処理の代わりに図16の処理を実行することで、バス内でのローカル放送に適したチャネル設定パターンを生成する。そして、チャネル設定パターン提示装置150は、生成したチャネル設定パターンを提示する。提示の具体的方法は、第1実施形態と同様に様々である。 [0275] 図16に示すように、チャネル設定パターン提示装置150は、ステップS401で経路IDの入力を受け取り、ステップS402で経路IDを元に経路情報テーブルと空きチャネル情報テーブルを展開する。ステップS401およびS402の詳細は、図11のステップS301~S303と同様なので、説明を省略する。 [0276] 続いてステップS403でチャネル設定パターン提示装置150は、ステップS401で指定された経路の開始点を「注目点」として設定する。 例えば、ステップS401で「1」という経路IDが入力され、ステップS402で図12の経路情報テーブル205と図13Bの空きチャネル情報テーブル206bが展開されたとする。この場合、「1」という経路IDで識別される経路R1=(P1,P2,P7,P8)の開始点は地点P1である。よって、ステップS403でチャネル設定パターン提示装置150は、地点P1を注目点として設定する。 [0277] そして、ステップS404でチャネル設定パターン提示装置150は、展開された空きチャネル情報テーブル206bにおける各チャネルについて、注目点からの「みなし連続空き区間」の長さを調べる。みなし連続空き区間は、実施形態により、時間により規定される区間であってもよく、距離により規定される区間であってもよい。第2実施形態では、みなし連続空き区間が時間により定義されるものとして説明する。 [0278] 図17は第2実施形態で定義される「みなし連続空き区間」について説明する図である。図17において、縦軸はクリアレベルであり、横軸は時間である。第1実施形態と同様に第2実施形態でも「2」以上のクリアレベルのチャネルが空きチャネルと見なされる。すなわち、クリアレベルは、ローカル放送に用いることができる利用可能性を示すレベルであり、「2」という値は、ローカル放送に用いるための許容レベルを示す閾値である。」 セ 「[0288] ここで図16の説明に戻ると、ステップS404でチャネル設定パターン提示装置150は、上記のとおり、空きチャネル情報テーブル206bにおける各チャネルについて、注目点からのみなし連続空き区間の長さを調べる。つまり、チャネル設定パターン提示装置150は、各チャネルについて、注目点により代表されるエリアに対応して始まるみなし連続空き区間の長さを調べる。 [0289] 続いてステップS405でチャネル設定パターン提示装置150は、ステップS404で調べたみなし連続空き区間が最長のチャネルを選択する。 そして、ステップS406でチャネル設定パターン提示装置150は、みなし連続空き区間内(両端を含む)の各点の地点IDに、選択したチャネルを対応付けて、チャネル設定パターンを成長させる。 [0290] 式(2)に示すように、N個の地点IDにより規定される経路Rに関するチャネル設定パターンPATは、チャネルIDのNタプルで表される。図16の処理は、N個のチャネルIDを前から順に決定していく処理である。 [0291] 現在、チャネル設定パターンPATを表すNタプルにおいて第j要素(0≦j≦N-1)までが決定されているとする。ステップS406が1回目に実行されるときはj=0である。また、ステップS405で「最長」と判定されたみなし連続空き区間の長さは、k個(1≦k≦N)の地点IDに対応する受信影響時間の和であるとする。そして、ステップS405で選択されたチャネルIDをc sel とする。 [0292] このとき、ステップS406の処理は、チャネル設定パターンPATを表すNタプルの第(j+1)要素から第(j+k)要素までを、c sel と決定する処理である。その結果、チャネル設定パターンPATは、第j要素までしか決定されていない状態から、第(j+k)要素まで決定された状態へと成長する。 [0293] そして、ステップS407でチャネル設定パターン提示装置150は、ステップS406による成長が、終了点への到着と見なすことのできる範囲に到達しているか否かを判断する。つまり、チャネル設定パターン提示装置150は、経路の始点から、経路の終点または終点の近傍と見なせる地点までの範囲で、ローカル放送に用いるチャネルが決定済みか否かを判断する。 [0294] 例えば、チャネル設定パターン提示装置150は、閾値T e1 (1<T e1 ≦N)を用いて、「T e1 ≦(j+k)ならば、ステップS406による成長は、終了点への到着と見なすことのできる範囲に到達している」と判断してもよい。例えば、T e1 =N-1などと決められていてもよい。 [0295] あるいは、チャネル設定パターン提示装置150は、閾値T e2 を用いて、「ステップS401で指定された経路R=(p 1 ,p 2 ,……,p N )上の、1番目の地点ID・p 1 から(j+k)番目の地点ID・p j+k までの各々に対応する受信影響時間の和がT e2 以上ならば、ステップS406による成長は、終了点への到着と見なすことのできる範囲に到達している」と判断してもよい。例えば、閾値T e2 は、N個の地点IDの各々に対応する受信影響時間の総和に0.9を掛けた値などでもよい(ここで「0.9」という値は単なる例示である)。 [0296] 「ステップS406による成長が、終了点への到着と見なすことのできる範囲に到達している」と判断されると、図16の処理は終了する。なお、この場合、チャネル設定パターン提示装置150は、チャネル設定パターンPATの第(j+k+1)要素から第N要素までのそれぞれに任意のチャネルID(例えばc sel )を対応付けて、チャネル設定パターンPATを完成させることができる。 [0297] 逆に、「ステップS406による成長が、終了点への到着と見なすことのできる範囲に到達していない」と判断されると、処理はステップS408に移行する。 ステップS408でチャネル設定パターン提示装置150は、ステップS405で選択したチャネルでみなし連続空き区間が終了する地点の次の地点を、新たな注目点として設定する。すなわち、チャネル設定パターン提示装置150は、ステップS401で指定された経路R=(p 1 ,p 2 ,……,p N )上の(j+k+1)番目の地点ID・p j+k+1 により表される地点を、新たな注目点として設定する。そして、処理はステップS404に戻る。」 ソ タ 「[0320] また、第1実施形態における同一チャネル連続時間は、第2実施形態と同様のみなし連続空き区間に置き換えられてもよい。逆に、第2実施形態において、みなし連続空き区間の代わりに同一チャネル連続時間が用いられてもよい(つまり、閾値T t =0でもよい)。」 チ 「[0323] 例えば、タクシーに、チャネル設定パターン提示装置150を兼ねるローカルTV送信機110と、カーナビゲーションシステムとが積載されているとする。カーナビゲーションシステムは、例えば運転手から目的地の入力を受け付け、経路を設定することができる。例えば、経路は、交差点の位置を示す地点IDのタプルとして定義されていてもよい。 [0324] 設定された経路に沿ってタクシーが走行する間、経路上の複数の地点(例えば経路上の各交差点)に関してローカルTV送信機110が図9と類似の処理を行うことにより、図5の空きチャネル計測情報テーブル201には空きチャネル計測情報が蓄積される。 [0325] 多数のタクシーにおいて上記の処理が行われれば、データスパースネス(data sparseness)問題を無視することができる程度に、十分な数の地点について様々な計測時刻における空きチャネル計測情報が蓄積されると期待される。カーナビゲーションシステムは、例えば運転手から入力される目的地に基づいて経路を設定し、設定した経路をチャネル設定パターン提示装置150に指示してもよい。チャネル設定パターン提示装置150は、指示された経路に基づいてチャネル設定パターンを提示し、ローカルTV送信機110は、提示されたチャネル設定パターンにしたがってローカル放送を行ってもよい。」 (2) 引用発明 ア 引用例の上記(1)イ段落0022には、「以下では、図1~図15Dを参照して第1実施形態および第1実施形態の変形例について説明し、図16~図17を参照して第2実施形態について説明する。」と、また、上記(1)ス段落0274には、「図16は、第2実施形態におけるパターン決定処理のフローチャートである。第2実施形態では、チャネル設定パターン提示装置150が、第1実施形態における図11の処理の代わりに図16の処理を実行することで、バス内でのローカル放送に適したチャネル設定パターンを生成する。そして、チャネル設定パターン提示装置150は、生成したチャネル設定パターンを提示する。提示の具体的方法は、第1実施形態と同様に様々である。」と記載されているから、引用例に記載された第2実施形態は、図16の処理により代替される図11に示される処理以外は第1実施形態と同様の処理が行われているといえる。 そして、引用例の上記(1)イ段落0022、0023、0027、及び0039には、第1実施形態における放送システムについて「図1において、放送システム100は、ローカルTV(television)送信機110とTV付き携帯端末140とチャネル設定パターン提示装置150を備える。」、「ローカルTV送信機110は、バス、列車、定期航路船などの、特定の経路に沿って移動する乗り物に積載され、乗り物内でのローカルなTV放送を行う。」、「チャネル設定パターン提示装置150は、ローカルTV送信機110がどこでどのチャネルを使って放送を行うかという組み合わせパターンであるチャネル設定パターンを提示する。」、及び、「そして、ローカルTV送信機110が、提示されたチャネル設定パターンにしたがってローカル放送を行う。」と記載されているから、引用例には 「ローカルTV送信機110とチャネル設定パターン提示装置150を備える放送システム100における通信方法であって、 ローカルTV送信機110は、乗り物に積載され、 チャネル設定パターン提示装置150が、ローカルTV送信機110へチャネル設定パターンを提示し、 ローカルTV送信機110は、提示されたチャネル設定パターンにしたがってローカル放送を行い、 チャネル設定パターン提示装置において、第2実施形態として図16に示される、提示するチャネル設定パターンを生成する処理が行われる」方法が記載されているといえる。 イ  上記(1)イ段落0027には、「チャネル設定パターン提示装置150は、ローカルTV送信機110との間でのデータ通信が可能であれば、ローカルTV送信機110やTV付き携帯端末140と同じ乗り物内に積載されていてもよいし、乗り物とは離れた場所にあってもよい。」と、また、上記(1)キ段落0105には、「ローカルTV送信機110とチャネル設定パターン提示装置150は、WLAN、BT、またはその他の無線通信網により接続されており、相互にデータを交換することができる。」と記載されているから、引用例に記載された上記方法において、チャネル設定パターン提示装置150は乗り物とは離れた場所に設置され、チャネル設定パターン提示装置150とローカルTV送信機110とが、無線通信網により接続され、相互にデータを交換することができることは、引用例に記載されているのも同然の事項といえる。 ウ 引用例の上記(1)ス、及びセには、第2実施形態として、チャネル設定パターン提示装置において提示するチャネル設定パターンを生成する処理として、上記(1)ソの図16のステップS401ないしS408として示される処理が記載されている。 (ア) ステップS402について 上記(1)ス段落0275には、「ステップS401およびS402の詳細は、図11のステップS301~S303と同様なので、説明を省略する。」と記載され、上記(1)ク段落0152には、「ステップS302でチャネル設定パターン提示装置150は、ステップS301で入力された経路IDに基づいて、通過地点ID、受信影響時間、受信影響距離、および地点通過予定時刻を抽出して経路情報テーブルとして展開する。」と記載されているから、上記(1)ス段落0275記載の「ステップS402で経路IDを元に経路情報テーブルと空きチャネル情報テーブルを展開する。」との処理における「経路情報テーブル」は、通過地点ID、受信影響時間、受信影響距離、および地点通過予定時刻を抽出したテーブルといえる。 また、上記(1)ス段落0276には、「例えば、ステップS401で「1」という経路IDが入力され、ステップS402で図12の経路情報テーブル205と図13Bの空きチャネル情報テーブル206bが展開されたとする。この場合、「1」という経路IDで識別される経路R1=(P1,P2,P7,P8)の開始点は地点P1である。」と記載されているから、上記「経路情報テーブル」は、入力された経路IDを元に識別される経路R1=(P1,P2,P7,P8)の各通過地点ID(P1は経路R1の開始点)、受信影響時間、受信影響距離、および地点通過予定時刻を抽出したものといえる。 一方、上記(ケ)段落0163には、「次のステップS303で、チャネル設定パターン提示装置150は、図7の運行情報テーブル203と図5の空きチャネル計測情報テーブル201に基づいて、各通過地点でのクリアレベルを、図13Aのような空きチャネル情報テーブル206aとして展開する。」と記載されているから、上記(1)ス段落0275記載のステップ402における「空きチャネル情報テーブル」は、運行情報テーブル203と空きチャネル計測情報テーブル201とに基づいて、各通過地点でのクリアレベルを展開したテーブルといえる。 そして、上記(1)ウ段落0068には、「空きチャネル計測情報は、地点IDとチャネルIDに「クリアレベル」(clearness level)を対応付ける情報である。」と、上記(1)ウ段落0070には、「また、以下の説明において、ある地点におけるチャネルXの「クリアレベル」とは、チャネルXの当該地点における利用可能性を表すレベルであり、換言すれば、チャネルXを使ったローカル放送の当該地点における受信品質を表すレベルである。」と記載されているから、上記ステップ402で「空きチャネル情報テーブル」の展開に用いられる「空きチャネル計測情報テーブル201」は、地点IDとチャネルIDに当該地点におけるチャネルの利用可能性を表すクリアレベルを対応させたテーブルといえる。 また、「ローカルTV送信機110は、乗り物に積載され」ていることを踏まえると、地点IDで示される地点はローカルTV送信機110の位置といえるから、「空きチャネル計測情報テーブル201」は、ローカルTV送信機110の位置とチャネルIDに、当該ローカルTV送信機110の位置におけるチャネルの利用可能性を表すクリアレベルを対応させたテーブルといえる。 加えて、展開された空きチャネル情報テーブルについての上記(1)ケ段落0165の「地点P1、地点P2、地点P7および地点P8によりそれぞれ代表されるエリアが存在する地域では、50の物理チャネルのうちチャネル13~16以外は、空きチャネルでないことが予め判明しているものとする。換言すれば、地点P1、地点P2、地点P7および地点P8のいずれにおいても、サーチ対象はチャネル13~16であるとする。なお、例えば放送局により使われているチャネルは、空きチャネルでないことが予め判明しているチャネルの例である。」との記載によれば、「空きチャネル情報テーブル」は、通過地点IDがそれぞれ表す各通過地点においてサーチ対象となる空きチャネル(放送局により使われていないチャネル)について、各通過地点でのクリアレベルを展開したものといえる。 また、上記(1)ス段落0278の「第1実施形態と同様に第2実施形態でも「2」以上のクリアレベルのチャネルが空きチャネルと見なされる。すなわち、クリアレベルは、ローカル放送に用いることができる利用可能性を示すレベルであり、「2」という値は、ローカル放送に用いるための許容レベルを示す閾値である。」との記載を踏まえると、上記(1)コ図13Aに示される空きチャネル情報テーブル206aには、クリアレベルが閾値未満のチャネルが含まれているといえる。 以上を踏まえると、引用例に記載された上記「ステップS402で経路IDを元に経路情報テーブルと空きチャネル情報テーブルを展開する」との処理は、ステップ402で、「入力された経路IDを元に識別される経路R1=(P1,P2,P7,P8)の各通過地点ID(P1は経路R1の開始点)、受信影響時間、受信影響距離、および地点通過予定時刻を抽出した経路情報テーブル、及び、運行情報テーブル203と、ローカルTV送信機110の位置とチャネルIDに、当該ローカルTV送信機110の位置におけるチャネルの利用可能性を表すクリアレベルを対応させた空きチャネル計測情報テーブル201とに基づいて展開したテーブルであって、通過地点IDがそれぞれ表す各通過地点において、クリアレベルが閾値未満のチャネルを含めたサーチ対象となる空きチャネル(放送局により使われていないチャネル)について、各通過地点でのチャネルの利用可能性を表すクリアレベルを展開した空きチャネル情報テーブルを展開する」処理といえる。 (イ) ステップS404、S405、及びS408について 上記(1)タ段落0320には、「第2実施形態において、みなし連続空き区間の代わりに同一チャネル連続時間が用いられてもよい(つまり、閾値T t =0でもよい)。」と記載され、また、上記(1)シ段落0233には「(b)の同一チャネル連続時間について説明する。チャネル設定パターン提示装置150は、「チャネルIDに対応するクリアレベルが閾値以上である」という上記と同じ条件を満たし、かつ同じチャネルIDが連続する長さを、受信影響時間を用いて算出する。」と、段落0241には「なお、実施形態によっては、受信影響時間の代わりに受信影響距離を用いて、上記(b)の代わりに同一チャネル連続距離が算出されてもよく」と記載されているから、上記(1)ス段落0277記載のステップS404における「注目点からの「みなし連続空き区間」の長さを調べる」との処理、及び上記(1)セ段落段落0289記載のステップS405における「ステップS404で調べたみなし連続空き区間が最長のチャネルを選択する」との処理、及び上記(1)セ段落0297のステップS408における「ステップS405で選択したチャネルでみなし連続空き区間が終了する地点の次の地点を、新たな注目点として設定する」との処理にそれぞれ対応する、「注目点からの同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離の長さを調べる」との処理、「ステップS404で調べた同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離が最長のチャネルを選択する」との処理、及び「ステップS405で選択したチャネルで同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離が終了する地点の次の地点を、新たな注目点として設定する」との処理は引用例に記載されているのも同然の事項といえる。 そして、上記(1)ケ段落0179には、「図13Bの空きチャネル情報テーブル206bは、各クリアレベルの値以外は図13Aの空きチャネル情報テーブル206aと同じなので詳しい説明は省略する。」と記載されており、上記(1)ス段落0277記載のステップS404における「空きチャネル情報テーブル206b」は、上記(1)ケ段落0163記載のステップS303で展開される「空きチャネル情報テーブル206a」と同じように展開されたものであるから、上記ステップS404は、「ステップS404でチャネル設定パターン提示装置150は、展開された空きチャネル情報テーブルにおける各チャネルについて、注目点からの同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離の長さを調べる。」処理といえる。 以上を踏まえると、引用例には以下のとおりの発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。 「ローカルTV送信機110とチャネル設定パターン提示装置150を備える放送システム100における無線通信方法であって、 ローカルTV送信機110は、乗り物に積載され、 チャネル設定パターン提示装置150は乗り物とは離れた場所に設置され、 チャネル設定パターン提示装置150とローカルTV送信機110とが、無線通信網により接続され、相互にデータを交換することができ、 チャネル設定パターン提示装置150が、ローカルTV送信機110へチャネル設定パターンを提示し、 ローカルTV送信機110は、提示されたチャネル設定パターンにしたがってローカル放送を行い、 チャネル設定パターン提示装置150において提示するチャネル設定パターンを生成する処理であって、 同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離は、チャネルIDに対応するクリアレベルが閾値以上であるという条件を満たし、かつ同じチャネルIDが連続する長さを、それぞれ受信影響時間、又は受信影響距離を用いて算出されるものであり、 ステップS401で、経路IDの入力を受け取り、 ステップ402で、 (i)入力された経路IDを元に識別される経路R1=(P1,P2,P7,P8)の各通過地点ID(P1は経路R1の開始点)、受信影響時間、受信影響距離、および地点通過予定時刻を抽出した経路情報テーブル、及び、 (ii)運行情報テーブル203と、ローカルTV送信機110の位置とチャネルIDに、当該ローカルTV送信機110の位置におけるチャネルの利用可能性を表すクリアレベルを対応させた空きチャネル計測情報テーブル201とに基づいて展開したテーブルであって、通過地点IDがそれぞれ表す各通過地点において、クリアレベルが閾値未満のチャネルを含めたサーチ対象となる空きチャネル(放送局により使われていないチャネル)について、各通過地点でのチャネルの利用可能性を表すクリアレベルを展開した空きチャネル情報テーブル、を展開し、 S403でチャネル設定パターン提示装置150は、ステップS401で指定された経路の開始点を「注目点」として設定し、 ステップS404でチャネル設定パターン提示装置150は、展開された空きチャネル情報テーブルにおける各チャネルについて、注目点からの同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離の長さを調べ、 ステップS405でチャネル設定パターン提示装置150は、ステップS404で調べた同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離が最長のチャネルを選択し、 ステップS406の処理は、チャネル設定パターンPATを表すNタプルの第(j+1)要素から第(j+k)要素までを、c sel と決定し、 ステップS407でチャネル設定パターン提示装置150は、ステップS406による成長が、終了点への到着と見なすことのできる範囲に到達しているか否かを判断し、 「ステップS406による成長が、終了点への到着と見なすことのできる範囲に到達していない」と判断されると、処理はステップS408に移行し、 ステップS408でチャネル設定パターン提示装置150は、ステップS405で選択したチャネルで同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離が終了する地点の次の地点を、新たな注目点として設定し、 処理はステップS404に戻り、 「ステップS406による成長が、終了点への到着と見なすことのできる範囲に到達している」と判断されると処理を終了する 方法。」 (3) 対比 ア 引用発明の「放送システム100」、「ローカルTV送信機110」、及び「チャネル設定パターン提示装置150」は、本願補正発明の「通信システム」、「無線通信装置」、及び「通信制御装置」にそれぞれ対応するから、「ローカルTV送信機110とチャネル設定パターン提示装置150を備える放送システム100における無線通信方法」である引用発明は、本願補正発明と「無線通信装置および通信制御装置を含む通信システムの通信方法」である点で共通する。 イ (ア) 放送が属する技術分野において「チャネル」が周波数を含むことが技術常識であることを踏まえると、空きチャネル情報テーブルにおいて、チャネルIDに対応する利用可能性を表すクリアレベルが閾値以上であるという条件を満たし、かつ同じチャネルIDが連続する長さを、それぞれ受信影響時間、又は受信影響距離を用いて算出する引用発明の「同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離」は、本願補正発明の「対象の周波数を無線通信装置が使用不可となるまでの予測時間または予測移動距離」と対応する。 (イ) 引用発明の「経路情報テーブル」には、経路R1=(P1,P2,P7,P8)の情報が含まれるところ、経路R1の開始点である地点P1は、ローカルTV送信機110を積載した乗り物の出発点に他ならないから、引用発明の「地点P1」及び「経路R1」は、それぞれ本願補正発明の「無線通信装置の位置」及び「無線通信装置の予測経路」に相当する。 そして、引用発明の「経路ID」又は、それによって特定される「地点P1を開始点とする経路R1=(P1,P2,P7,P8)」の情報は、「無線通信装置」から送信されたものかどうかは別として、本願補正発明にいう「無線通信装置の位置および前記無線通信装置の予測経路を示す経路情報」といえる。 (ウ) 引用発明の「ローカルTV送信機110の位置とチャネルIDに、当該ローカルTV送信機110の位置におけるチャネルの利用可能性を表すクリアレベルを対応させた空きチャネル計測情報テーブル201」は、本願補正発明の「無線通信装置の位置と前記無線通信装置が使用可能な周波数との対応情報」に対応するといえる。 上記(イ)、及び(ウ)を踏まえると、「 ステップ402で、 (i)入力された経路IDを元に識別される経路R1=(P1,P2,P7,P8)の各通過地点ID(P1は経路R1の開始点)、受信影響時間、受信影響距離、および地点通過予定時刻を抽出した経路情報テーブル、及び、 (ii)運行情報テーブル203と、ローカルTV送信機110の位置とチャネルIDに、当該ローカルTV送信機110の位置におけるチャネルの利用可能性を表すクリアレベルを対応させた空きチャネル計測情報テーブル201とに基づいて展開したテーブルであって、通過地点IDがそれぞれ表す各通過地点において、クリアレベルが閾値未満のチャネルを含めたサーチ対象となる空きチャネル(放送局により使われていないチャネル)について、各通過地点でのチャネルの利用可能性を表すクリアレベルを展開した空きチャネル情報テーブル、を展開し、」との処理における「空きチャネル情報テーブル」は、「無線通信装置の位置と前記無線通信装置が使用可能な周波数との対応情報」と、「無線通信装置の位置および前記無線通信装置の予測経路を示す経路情報」とに基づいて展開されたテーブルといえる。 (エ) 引用発明の「S403でチャネル設定パターン提示装置150は、ステップS401で指定された経路の開始点を「注目点」として設定し、 ステップS404でチャネル設定パターン提示装置150は、展開された空きチャネル情報テーブルにおける各チャネルについて、注目点からの同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離の長さを調べ、」との処理における長さを調べる対象を、本願補正発明の「対象の周波数を前記無線通信装置が使用不可となるまでの予測時間または予測移動距離を算出」する対象と対比すると、引用発明では、本願補正発明にいう「無線通信装置の位置」に相当する注目点(経路の開始点)、及び、本願補正発明にいう「選択した第1周波数を前記無線通信装置が使用不可となる位置」に相当する新たな注目点(ステップS405で選択したチャネルで同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続拒理が終了する地点の次の地点)において、それぞれ注目点及び新たな注目点におけるクリアレベルが閾値未満のチャネルを含めたサーチ対象となる全ての放送局により使われていないチャネルを対象としているのに対し、本願補正発明では、「前記無線通信装置が使用可能な周波数」及び「前記無線通信装置が前記第1周波数以外の使用可能な周波数」を対象としているものの、それぞれ所定の「候補となる周波数」を対象としている点で両者は共通している。 以上(ア)ないし(エ)を踏まえると、引用発明の「S403でチャネル設定パターン提示装置150は、ステップS401で指定された経路の開始点を「注目点」として設定し、 ステップS404でチャネル設定パターン提示装置150は、展開された空きチャネル情報テーブルにおける各チャネルについて、注目点からの同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離の長さを調べ、」との一連の処理は、「無線通信装置の位置と前記無線通信装置が使用可能な周波数との対応情報と、前記無線通信装置の位置および前記無線通信装置の予測経路を示す経路情報と、に基づいて、前記無線通信装置の位置において候補となる周波数のそれぞれを対象に、対象の周波数を前記無線通信装置が使用不可となるまでの予測時間または予測移動距離を算出」する処理といえる点で本願補正発明と共通する。 ウ 引用発明の「S403でチャネル設定パターン提示装置150は、ステップS401で指定された経路の開始点を「注目点」として設定し、 ステップS404でチャネル設定パターン提示装置150は、展開された空きチャネル情報テーブルにおける各チャネルについて、注目点からの同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離の長さを調べ、 ステップS405でチャネル設定パターン提示装置150は、ステップS404で調べた同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離が最長のチャネルを選択し、」との一連の処理におけるステップS405での処理において選択される、経路の開始点からの同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離が最長のチャネルは、本願補正発明の無線通信装置の位置において選択される「第1周波数」に対応し、前記ステップS405での処理は、「算出した予測時間または予測移動距離に基づいて、前記無線通信装置の位置において候補となる周波数の中から前記無線通信装置が使用する第1周波数を選択」する処理といえる点で本願補正発明と共通する。 エ 引用発明の「ステップS408でチャネル設定パターン提示装置150は、ステップS405で選択したチャネルで同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離が終了する地点の次の地点を、新たな注目点として設定し」との処理は、ステップS408の直前に行われるステップS405で選択した第1周波数といえるチャネルが使用不可となる位置を新たな注目点として設定する処理といえるから、引用発明の「ステップS408でチャネル設定パターン提示装置150は、ステップS405で選択したチャネルで同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離が終了する地点の次の地点を、新たな注目点として設定し、 処理はステップS404に戻り、」戻った後に行われる「ステップS404でチャネル設定パターン提示装置150は、展開された空きチャネル情報テーブルにおける各チャネルについて、注目点からの同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離の長さを調べ」との一連の処理は、「選択した第1周波数を無線通信装置が使用不可となる位置において候補となる周波数のそれぞれを対象に、第1周波数で前記無線通信装置が使用不可となってから、前記無線通信装置で使用不可となるまでの予測時間または予測移動距離を算出」する処理といえる点で本願補正発明と共通する。 オ 引用発明において、ステップS408からステップS404に戻った後に行われる「ステップS405でチャネル設定パターン提示装置150は、ステップS404で調べた同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離が最長のチャネルを選択」する処理において、選択される、新たな注目点(上記ステップS408の直前のステップS405で選択された第1周波数といえるチャネルで同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離が終了する地点の次の地点)からの同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離が最長のチャネルは、本願補正発明の第1周波数が使用不可となる位置において選択される「第2周波数」に対応し、前記ステップS405での処理は、「算出した予測時間または予測移動距離に基づいて、前記第1周波数が使用不可となる位置において候補となる周波数の中から前記無線通信装置が使用する第2周波数を選択」する処理といえる点で本願補正発明と共通する。 カ 上記(1)イ段落0027には、「チャネル設定パターン」について「ローカルTV送信機110がどこでどのチャネルを使って放送を行うかという組み合わせパターンである」と記載されている。 そして、「チャネル設定パターン提示装置150は、チャネル設定パターンを提示し、 ローカルTV送信機110が、提示されたチャネル設定パターンにしたがってローカル放送を行」う引用発明において、ローカルTV送信機110が、経路の開始点において第1周波数といえる経路の開始点からの同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離が最長のチャネルを使ってローカル放送を行い、当該チャネルが使用不可となる、第1周波数といえるチャネルで同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離が終了する地点の次の地点から、第2周波数といえる新たな注目点からの同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離が最長のチャネルを使ってローカル放送を行うことは明らかであるから、引用発明は、本願補正発明と「無線通信装置が、 第1周波数を使用して無線通信を行い、前記第1周波数が使用不可となると第2周波数を使用して無線通信を行う」点で共通する。 以上を踏まえると、両者の一致点及び相違点は以下のとおりである。 【一致点】 「 無線通信装置および通信制御装置を含む通信システムの通信方法であって、 前記通信制御装置が、 前記無線通信装置の位置と前記無線通信装置が使用可能な周波数との対応情報と、前記無線通信装置の位置および前記無線通信装置の予測経路を示す経路情報と、に基づいて、前記無線通信装置の位置において候補となる周波数のそれぞれを対象に、対象の周波数を前記無線通信装置が使用不可となるまでの予測時間または予測移動距離を算出し、 算出した予測時間または予測移動距離に基づいて、前記無線通信装置の位置において候補となる周波数の中から前記無線通信装置が使用する第1周波数を選択し、 選択した第1周波数を前記無線通信装置が使用不可となる位置において候補となる周波数のそれぞれを対象に、第1周波数で前記無線通信装置が使用不可となってから、前記無線通信装置で使用不可となるまでの予測時間または予測移動距離を算出し、 算出した予測時間または予測移動距離に基づいて、前記第1周波数が使用不可となる位置において候補となる周波数の中から前記無線通信装置が使用する第2周波数を選択し、 前記無線通信装置が、 前記第1周波数を使用して無線通信を行い、前記第1周波数が使用不可となると前記第2周波数を使用して無線通信を行う、 通信方法。」 【相違点】 相違点1:無線通信装置の位置および前記無線通信装置の予測経路を示す経路情報が、本願補正発明では、「通信制御装置へ」、「無線通信装置によって送信された」ものであるのに対し、引用発明では、無線通信装置から送信されたものではない点。 相違点2:無線通信装置の位置において「候補となる周波数」、及び、選択した第1周波数を前記無線通信装置が使用不可となる位置において「候補となる周波数」が、本願補正発明では、それぞれ「前記無線通信装置が使用可能な周波数」及び「前記無線通信装置が前記第1周波数以外の使用可能な周波数」であるのに対し、引用発明では、クリアレベルが閾値未満のチャネルを含めたサーチ対象となる全ての空きチャネル(放送局により使われていないチャネル)である点。 相違点3: 本願補正発明では、通信制御装置が、「選択した第1周波数と第2周波数とを示す周波数情報を無線通信装置へ送信し」、前記無線通信装置が使用して無線通信を行う第1周波数、及び第2周波数は「前記通信制御装置によって送信された周波数情報が示す」ものであるのに対し、引用発明では、そのような構成を有するか明らかでない点。 (4) 判断 ア 相違点1について 「ローカルTV送信機110は、乗り物に積載され、 チャネル設定パターン提示装置150は乗り物とは離れた場所に設置され、 チャネル設定パターン提示装置150とローカルTV送信機110とが、無線通信網により接続され、相互にデータを交換することができ」る引用発明において、チャネル設定パターン提示装置150で必要な任意のデータを、乗り物に積載されたローカルTV送信機110から送信し得ることは当業者にとって明らかな事項であり、また、経路が乗り物の運転手により設定され得る情報であることを踏まえると、引用発明において、「無線通信装置の位置および前記無線通信装置の予測経路を示す経路情報」といえる経路IDを、乗り物に積載された「無線通信装置」といえるローカルTV送信機110に入力し、乗り物とは離れた場所に設置された「通信制御装置」といえるチャネル設定パターン提示装置150へ「送信」することは、当業者が容易に想到し得る事項といえる。 また、引用例の上記(1)チ段落0325には、「カーナビゲーションシステムは、例えば運転手から入力される目的地に基づいて経路を設定し、設定した経路をチャネル設定パターン提示装置150に指示してもよい。チャネル設定パターン提示装置150は、指示された経路に基づいてチャネル設定パターンを提示し、ローカルTV送信機110は、提示されたチャネル設定パターンにしたがってローカル放送を行ってもよい。」と、カーナビゲーションシステムにより設定された経路を、チャネル設定パターンを生成するための経路情報として用いる事項も記載されている。 そして、カーナビゲーションシステムにより設定される経路が、経路設定時の車両(すなわち車両に積載されたローカルTV送信機110)の位置を開始点として、目的地へ至る予定経路として設定されることが技術常識であることを踏まえると、引用発明の「経路ID」に替えて、「無線通信装置の位置および前記無線通信装置の予測経路」を直接的に示す、開始点を地点P1とする経路R1=(P1,P2,P7,P8)を経路情報として、「無線通信装置」といえるローカルTV送信機110から「通信制御装置」といえるチャネル設定パターン提示装置150へ「送信」することも当業者が適宜なし得る事項といえる。 イ 相違点2について 同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離を調べる際に、ある注目点における、空きチャネル情報テーブルにおいてクリアレベルが閾値未満のチャネルが使用不可であり、ステップS404において、当該注目点における当該チャネルの同一チャネル連続時間の長さが0となり、後続するステップS405で当該チャネルが選択され得ないことは当業者にとって明らかな事項である。 そして、結果が後続する処理に影響を及ぼさない処理を省略することは当業者が適宜採用し得る常套手段であるから、引用発明のステップS404において、設定された注目点からの同一チャネル連続時間、又は同一チャネル連続距離を調べる際に、空きチャネル情報テーブルにおける各チャネルのうち、後続するステップS405で選択され得ないことが明らかな、設定された注目点におけるクリアレベルが閾値未満のチャネルを調べる対象から除外した「無線通信装置が使用可能な周波数」を「候補となる周波数」とすることは、当業者が容易に想到し得る事項といえる。 この場合、「選択した第1周波数を前記無線通信装置が使用不可となる位置」に相当する新たな注目点において候補となる周波数には、「第1周波数」といえるステップ405で選択したチャネルが含まれないことは明らかであるから、「選択した第1周波数を前記無線通信装置が使用不可となる位置」において候補となる周波数を、「無線通信装置が記第1周波数以外の使用可能な周波数」とすることも、同様に当業者が容易に想到し得る事項といえる。 ウ 相違点3について 上記(1)ス段落0274には、「図16は、第2実施形態におけるパターン決定処理のフローチャートである。第2実施形態では、チャネル設定パターン提示装置150が、第1実施形態における図11の処理の代わりに図16の処理を実行することで、バス内でのローカル放送に適したチャネル設定パターンを生成する。そして、チャネル設定パターン提示装置150は、生成したチャネル設定パターンを提示する。提示の具体的方法は、第1実施形態と同様に様々である。」と記載されているから、引用例の第2実施形態に基づく引用発明においても、第1実施形態と同様に様々な方法で、生成したチャネル設定パターンを提示できることは明らかである。 一方、引用例には、第1実施形態として、上記(1)サ段落0199に「ステップS308でチャネル設定パターン提示装置150は、提示対象として選択されたチャネル設定パターンの情報をローカルTV送信機110に転送する。」、段落0203に「なお、提示されたチャネル設定パターンは、自動的にローカルTV送信機110に設定されてもよい。」、段落0204に「ローカルTV送信機110は、上記のようにして設定されたチャネル設定パターンにしたがって、図1および図3のTV送信装置113によりローカル放送を行うことができる。」と記載されているから、「ローカルTV送信機110は、乗り物に積載され、 チャネル設定パターン提示装置150は乗り物とは離れた場所に設置され、 チャネル設定パターン提示装置150とローカルTV送信機110とが、無線通信網により接続され、相互にデータを交換することができ」る引用発明において、生成したチャネル設定パターンを提示する方法として、上記第1実施形態として記載された方法を採用し、引用発明において、「通信制御装置」といえるチャネル設定パターン提示装置150が、「選択した第1周波数と第2周波数とを示す周波数情報」といえるチャネル設定パターンを「無線通信装置」といえるローカルTV送信機110に「送信し」、「無線通信装置」といえるローカルTV送信機110が、「通信制御装置」といえるチャネル設定パターン提示装置150によって「送信された」チャネル設定パターンを自動的に設定し、設定されたチャネル設定パターンにしたがってローカル放送を行うことは、当業者が容易に想到し得る事項といえる。 そして、これらの相違点1ないし3を総合的に考慮しても当業者が容易になし得ることといえ、一方、本願補正発明の奏する効果は、引用発明、及び、引用例に記載された事項から想定できる程度のものにすぎず、格別なものとはいえない。 よって、本願補正発明は、引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。 3 結論 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 平成28年11月9日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし4に係る発明は、平成28年5月27日付けで補正された特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項4に係る発明(以下、「本願発明」という。)は以下のとおりのものである。 「  【請求項4】 無線通信装置および通信制御装置を含む通信システムの通信方法であって、 前記無線通信装置が、 前記無線通信装置の位置および前記無線通信装置の予測経路を示す経路情報を前記通信制御装置へ送信し、 前記通信制御装置が、 前記無線通信装置の位置と前記無線通信装置が使用可能な周波数との対応情報と、前記無線通信装置によって送信された経路情報と、に基づいて、前記無線通信装置の位置において前記無線通信装置が使用可能な周波数のそれぞれを対象に、対象の周波数を前記無線通信装置が使用不可となるまでの予測時間または予測移動距離を算出し、 算出した予測時間または予測移動距離に基づいて、前記無線通信装置の位置において前記無線通信装置が使用可能な周波数の中から前記無線通信装置が使用する第1周波数を選択し、 選択した第1周波数を前記無線通信装置が使用不可となる位置において前記無線通信装置が使用可能な周波数のそれぞれを対象に、第1周波数を前記無線通信装置が使用不可となってから、対象の周波数を前記無線通信装置が使用不可となるまでの予測時間または予測移動距離を算出し、 算出した予測時間または予測移動距離に基づいて、前記使用不可となる位置において前記無線通信装置が使用可能な周波数の中から前記無線通信装置が使用する第2周波数を選択し、 選択した第1周波数と第2周波数とを示す周波数情報を前記無線通信装置へ送信し、 前記無線通信装置が、 前記通信制御装置によって送信された周波数情報が示す前記第1周波数を使用して無線通信を行い、前記第1周波数が使用不可となると前記周波数情報が示す前記第2周波数を使用して無線通信を行う、 ことを特徴とする通信方法。」 2 引用例・引用発明 原査定の拒絶の理由に引用された引用例、及び引用発明は、前記第2「2」(1)及び(2)に記載したとおりである。 3 対比・判断 本願発明は、前記第2で検討した本願補正発明の通信制御装置の、選択した第1周波数を前記無線通信装置が使用不可となる位置において予測時間または予測移動距離を算出する対象の周波数を「前記無線通信装置が使用可能な周波数」から「無線通信装置が前記第1周波数以外の使用可能な周波数」へ、また、算出について「第1周波数を前記無線通信装置が使用不可となってから、対象の周波数を前記無線通信装置が使用不可となるまでの予測時間または予測移動距離を算出し」から「第1周波数で前記無線通信装置が使用不可となってから、前記無線通信装置で使用不可となるまでの予測時間または予測移動距離を算出し」へ、さらに、第2周波数を選択する際の無線通信装置が使用可能な周波数について「前記使用不可となる位置において」から「前記第1周波数が使用不可となる位置において」へとの限定を省いたものである。 そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、更に他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記第2で判断したとおり、引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 4 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-016843

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