商標拒絶査定不服審判
2016-013036
オハシ、オーハシ
- 審判番号
- 2016-013036
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2015-065438
- 請求日
- 2016年08月30日
- 審決日
- 2017年05月30日
- 公報発行日
- 2017年07月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社大橋
- 【請求人代理人】有吉 修一朗
- 【請求人代理人】森田 靖之
- 【請求人代理人】筒井 宣圭
- 【請求人代理人】遠藤 聡子
- 【請求人代理人】梶原 圭太
- 審判長/審判官
- 審判長 今田 三男
- 審判官 酒井 福造
- 審判官 藤田 和美
- 分類
- T18 .14 -WY (W07) / T18 .17 -WY (W07)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第4号、商標法第3条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
商願2015-65438拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
【理 由】
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第7類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成27年6月26日に登録出願されたものであり、その指定商品については、原審における同28年1月22日付け及び当審における同29年5月11日付けの手続補正書により、第7類「農業用・廃棄物処理用の樹木・竹粉砕機,農業用・廃棄物処理用の木粉・竹粉製造機」となったものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、東京23区、50音別電話帳により、多数存在し、我が国においてありふれた氏と認められる『大橋』に通ずる『ohashi』の文字をローマ字で表示してなるものであるから、ありふれた氏を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における審尋(要旨)
当審において、請求人に対し、平成29年4月17日付けの審尋により、本願の指定商品との関係において、本願商標が商標法第3条第1項第4号に該当し、かつ、請求人の提出した証拠によっては、本願商標が同条第2項の要件を具備するとは認められない旨の見解を示し、請求人に対し意見を求めた。
4 審尋に対する請求人の回答の要点
請求人は、本願の指定商品を前記1のとおりに補正し、また、本願商標は、その指定商品について、請求人により長年使用された結果、需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識することができる商標となっている旨主張した。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第4号該当性について
本願商標は、別掲のとおり、「ohashi」の欧文字を横書きしてなるところ、その態様はやや肉太ではあるものの一般によく使用されているゴシック体で表されてなるものであるから、普通に用いられる方法で表された標章といえるものである。
そして、「大橋」の文字が、株式会社岩波書店発行「広辞苑第六版」に「姓氏の一つ。」として掲載されている。また、東日本電信電話株式会社発行の「ハローページ東京都23区全区版(あ~そ)上」に、「オオハシ」と読まれる「大橋」の氏を有する者が約1,500人以上掲載されていること、さらに、原審における平成28年5月26日付け拒絶査定で示したとおり、「姓名分布&ランキング」のウェブサイト(http://www2.nipponsoft.co.jp/bldoko/index.asp)によれば、全国で約26,120件存在し、146番目に多い氏であること、「全国の苗字(名字)」のウェブサイト(http://www2s.biglobe.ne.jp/~suzakihp/index40.html)によれば、全国で約34,332件存在し、147番目に多い氏であることが認められる。
そうすると、「大橋」の氏は、我が国においては、氏を表す語として広く一般に用いられているものとみるのが相当であり、また、一般の商取引においては、氏は必ずしも漢字だけで表すものではなく、ローマ字で表す場合も決して少なくないものである。
してみれば、本願商標に接する取引者、需要者は、これをありふれた氏である「大橋」をローマ字で表したもの、すなわち、ありふれた氏を普通に用いられる方法で表示したものと理解し、認識するにすぎないといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。
(2)商標法第3条第2項について
ア 請求人は、本願商標は、商標法第3条第2項の規定により、商標登録を受けることができる旨主張し、証拠方法として参考資料2ないし8(枝番号を含む。括弧内における証拠番号は、以下「参考2」、「参考3-1」のように省略して記載する。)を提出している。
そこで、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するか否かについて、請求人の主張及び提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(ア)請求人は、自社のハウスマークとして、本願商標と同一と認められる文字を一部に含む商標を2004年5月から採択し(参考資料2-2)、請求人の業務に係る商品を掲載したカタログ及び会社パンフレットに記載している(参考資料2-2~4)。
(イ)請求人は、2009年1月頃から、主に農業分野の新聞及び雑誌の広告並びに請求人作成のチラシにおいて、本願商標と同一と認められる商標を請求人の業務に係る「農業用・廃棄物処理用の樹木・竹粉砕機,農業用・廃棄物処理用の木粉・竹粉製造機」(以下「請求人商品」という。)について使用し、請求人商品は多数の新聞記事により紹介されている(参考資料2-5、参考資料3-1、参考資料3-3、参考資料3-11、参考資料3-13、参考資料4-25、参考資料4-56、参考資料4-72、参考資料4-74~94他)。
(ウ)請求人の取扱いに係る商品は、日本全国に販売されている(参考資料5)。
(エ)請求人は、2000年頃から環境展、また、2010年頃から林業展等の展示会に毎年出展し、請求人商品の宣伝を行っている(参考資料6-1~6)。
イ 上記アの事実からすれば、請求人は、2009年から約8年間継続して、請求人商品について、本願商標と実質的に同一と認められる商標を使用したものであり、主に農業分野の新聞及び雑誌の広告、請求人作成のチラシ並びに展示会において、継続してその宣伝広告を行い、請求人商品は多数の新聞記事により紹介され、請求人の取扱いに係る商品は、日本全国に販売されていることが認められる。
そして、請求人商品は、本願の補正後の指定商品と同一である。
さらに、職権調査によれば、出願人以外の者が「ohashi」の文字を本願の補正後の指定商品について使用している事実は発見できなかった。
してみれば、本願商標は、その指定商品「農業用・廃棄物処理用の樹木・竹粉砕機,農業用・廃棄物処理用の木粉・竹粉製造機」について、請求人により使用された結果、需要者が出願人の業務に係る商品であることを認識するに至ったものと判断するのが相当であるから、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備している。
(3)むすび
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当するものの、同法第3条第2項の規定により商標登録を受けることができるものであるから、原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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