特許拒絶査定不服審判
2016-011581
異なる硬度の不織布複合層製品の製造方法
- 審判番号
- 2016-011581
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-502033外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年08月02日
- 審決日
- 2018年05月28日
- 公報発行日
- 2018年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】三香科技股▲ふん▼有限公司
- 【請求人代理人】あいわ特許業務法人
- 分類
- P18 .537-WZF(D04H) / P18 .121-WZF(D04H)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-502033「異なる硬度の不織布複合層製品の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成26年1月3日国際公開、WO2014/000120、平成27年6月18日国内公表、特表2015-517036〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
(1)本願は、平成24年6月26日を国際出願日とする特許出願であって、平成27年10月29日付けで拒絶理由通知がされ、平成28年1月25日に手続補正がされ、平成28年3月29日付けで拒絶査定がなされ(謄本送達日同年4月5日)、それに対して、平成28年8月2日に審判請求がなされたものである。
(2)これに対して、平成29年12月27日付けで拒絶理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、請求人からは何らの応答もない。
第2 特許請求の範囲の記載
平成28年1月25日に補正された請求項1の記載は以下のとおりのものである。
「【請求項1】
異なる硬度の不織布複合層製品の製造方法であって、不織布複合層製品は、少なくとも、一つの硬質層及び一つの軟質層で構成され、該不織布複合層製品の製造ステップは、
(1)まず、硬質層を予備成形して形成する第1不織布材を完成し、及び、軟質層を予備成形して形成する第2不織布材を完成する、
(2)第1不織布材と第2不織布材を貼り合わせることで積層し中間品を形成する、
(3)該中間品を恒温炉に送り、該第1不織布材と該第2不織布材を十分に加熱し軟化させ、且つ貼り合わせた表面を加熱融解させることで、相互に接合する、
以上を含む、異なる硬度の不織布複合層製品の製造方法において、
(4)中間品を恒温炉より送り出して、異なる材料厚さの型内に送り込み、一次性加熱加圧成形を行ない、該第1不織布材を成形して硬質層となし、該第2不織布材を成形して軟質層となし、こうして硬質層と軟質層を包含する不織布複合層製品の製造を完成する、
ステップを、さらに含むことを特徴とする、異なる硬度の不織布複合層製品の製造方法。」
第3 平成29年12月27日付け拒絶理由について
当審からの平成29年12月27日付け拒絶理由通知は、以下のとおりのものである。
「1 本件出願は、明細書、特許請求の範囲及び図面の記載が後記(1)ないし(3)の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
(1)異なる材料厚さの型について
ア 請求項1、6ないし9に記載された「異なる材料厚さの型」という用語の意味が不明確である。何が何に対して「異なる」のかが後記イのように明細書を参照しても理解できない。
イ 本件明細書の記載事項について
(ア)段落【0008】の2.
「異なる材料厚さの型17内の加熱加圧成形過程は、もともと平面状の第2不織布材13’を、型の内壁の曲面(及び曲率)に合わせて押動してすでに定型されている硬質層11と同じ曲面形状となして密着させ接着させなければならず、これは、すなわち、異なる材料厚さの型17内の加熱加圧成形過程で、すでに定型されている硬質層11を第2不織布材13’に合わせて変形させることはできず、ただ第2不織布材13’をなんとか変形させて、硬質層11に合わせるしなかい、ということである。また、このため、異なる材料厚さの型17内の加熱加圧成形過程中に、該第2不織布材13’はその曲率が及ばずに(曲率が比較的大きいため)、硬質層11とに、その部分の密着性が不良となり、中空の現象を発生し、そのため予期された吸音及び防音効果が低下し得る。」
(イ)段落【0029】の2.
「異なる材料厚さの型27で加熱加圧成形される過程中に、該第1不織布材21’と第2不織布材23’の両者は、共同で型内壁の曲面(及び曲率)による押動を受け硬質層21と軟質層23が成形され、これにより、該第1不織布材21’と第2不織布材23’の両者が受ける曲げ(成形)圧力は同じであり、ゆえに、自動車内装材料20の硬質層21と軟質層23へと成形された後、両者間は緊密に接合されて造形及び曲率がいずれも同じであり、ゆえに、硬質層21と軟質層23は、共同湾曲部分であろうが、接合性不良の中空現象は発生せず、本発明は製造完成後の製品は、明らかに品質が優れており、完全に自動車内装材料20製品の予期された吸音及び防音効果を達成し、並びに使用寿命を延長する。」
(ウ)上記記載からは、「異なる材料厚さの型」の内面には、曲面が存在することが前提となっていると解されるが、「異なる材料厚さ」が曲面とどのように関連するかは理解できない。
(2)「一次性加熱加圧成形」について
加熱加圧成形の際に、「一次性」とはどのような技術的意味を有するのかが、不明確である。
(3)製造ステップ(1)について
「硬質層」及び「軟質層」とは、請求項1の製造ステップ(4)において、加熱加圧された後の不織布複合層製品における層であると解される。ところが、請求項1の記載では、製造ステップ(1)において、「硬質層を予備成型」及び「軟質層を予備成型」と記載されており、「硬質層」及び「軟質層」の語句が請求項1の中で一貫して用いられていない。したがって、請求項1の発明特定事項は不明確である。
2 審尋
(1)留意事項
上記1(1)ないし(3)において検討したように前提となる本願発明の請求項の記載が不明確であるため、合議体は、原査定でなされた原審の進歩性判断については、判断を保留している。
(2)審尋事項
原審での引用文献1及び引用文献2に記載された発明との、相違点に関し、「異なる材料厚さの型」以外の相違点について、主張があるかどうか、あるとすればその主張を回答されたい。」
第4 まとめ
請求人からの応答がない限り、上記第3の拒絶理由は妥当なものと認められるので、本願は、この拒絶理由によって拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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