審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2016-005963

リフロ処理ユニット及び基板処理装置

審判番号
2016-005963
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-150061外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年04月21日
審決日
2017年03月21日
公報発行日
2017年05月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .537-WY (H05K) / P18 .113-WY (H05K) / P18 .121-WY (H05K)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014-150061「リフロ処理ユニット及び基板処理装置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 2月16日出願公開、特開2015- 32829、請求項の数(15)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1.手続の経緯 本願は、平成26年7月23日(パリ条約による優先権主張2013年8月1日、米国)の出願であって、平成27年2月20日付けで拒絶理由が通知され、同年6月23日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年12月21日付け(発送日:同年12月22日)で拒絶査定がなされ、これに対し、平成28年4月21日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出され、同年7月6日に前置報告がされ、同年10月17日付けで上申書が提出された後、当審において同年12月9日付けで拒絶理由が通知され、平成29年2月9日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2.本願発明 本願の請求項1ないし15に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明15」という。)は、平成29年2月9日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし15に記載された事項のとおりの以下のものである。下線は、請求人が付したものである。 「 【請求項1】 基板を収納するキャリヤーを備えるロードポートと、 前記基板にリフロ工程を遂行する1つ又は複数個のリフロ処理ユニットを含む基板処理モジュールと、 前記ロードポートと前記基板処理モジュールとの間に位置する基板搬送モジュールと、を含み、 前記基板搬送モジュールは、前記基板を前記ロードポートと前記基板処理モジュールとの間に搬送する搬送ロボットを有し、 前記リフロ処理ユニットは、 内部に処理空間を有する工程チャンバーと、 前記処理空間に位置してなり、前記基板を支持する支持部材と、 前記工程チャンバー上面と連結されてなり、前記処理空間に真空圧を提供して前記処理空間を排気する排気部材と、 前記支持部材上部に離隔されて位置し、一定な厚さを有する平板形状に提供される吸着防止板と、を含み、 前記吸着防止板は、円形形状の輪郭および一定な厚さを有する平板形状の1つのみの水平部と、前記水平部の底面縁領域を囲み、垂直下方に延長された垂直部と、を含み、 前記排気部材は、前記水平部の中央に接続されており、 前記垂直部は、平面視において、前記支持部材の縁領域と一致するように位置している、基板処理装置。 【請求項2】 前記リフロ処理ユニットは、前記吸着防止板を加熱する加熱部材をさらに含む請求項1に記載の基板処理装置。 【請求項3】 前記排気部材は、前記工程チャンバー上面と連結され、排気される流体が移動する排気ラインを含み、 前記排気ラインは、前記工程チャンバーを通過して前記吸着防止板と直接連結される請求項2に記載の基板処理装置。 【請求項4】 前記加熱部材は、前記排気ラインを複数回囲むテープ形状に提供されるヒーターを含み、 前記ヒーターは、前記排気ラインを加熱し、前記排気ラインから前記吸着防止板を加熱する請求項3に記載の基板処理装置。 【請求項5】 前記吸着防止板は、上部から見る時、前記支持部材と重なるように位置する請求項1~4のいずれか1つに記載の基板処理装置。 【請求項6】 前記工程チャンバーは、 下部ハウジングと、 前記下部ハウジングと対向するように位置する上部ハウジングと、を含み、 前記リフロ処理ユニットは、 前記基板が固定される基板ホールが1つ又は複数個提供され、前記上部ハウジングと前記下部ハウジングとの間に位置する回転板と、 前記回転板を回転させる駆動器と、 前記下部ハウジングを昇下降させることによって、前記工程チャンバーを開くか、あるいは閉じる昇下降部材と、をさらに含む請求項1~5のいずれか1つに記載の基板処理装置。 【請求項7】 前記基板ホールは、複数個提供されるとともに、互に一定な間隔を有し、環形のリング形状に配置され、 前記回転板は、前記環形のリング形状に配置された前記複数の前記基板ホールの配置の中心を基準に回転する請求項6に記載の基板処理装置。 【請求項8】 前記基板処理モジュールは、複数個の前記リフロ処理ユニットを有し、 前記回転板には、前記基板ホールが複数個提供され、 前記複数個の前記リフロ処理ユニットが有する前記工程チャンバーは、上部から見る時、前記複数個の前記基板ホールと重なる位置に提供される請求項6または請求項7に記載の基板処理装置。 【請求項9】 内部に処理空間を有する工程チャンバーと、 前記処理空間に位置してなり、前記基板を支持する支持部材と、 前記工程チャンバー上面と連結されてなり、前記処理空間に真空圧を提供して前記処理空間を排気する排気部材と、 前記支持部材上部に離隔されて位置し、一定な厚さを有する平板形状に提供される吸着防止板と、を含み、 前記吸着防止板は、円形形状の輪郭および一定な厚さを有する平板形状の1つのみの水平部と、前記水平部の底面縁領域を囲み、垂直下方に延長された垂直部と、を含み、 前記排気部材は、前記水平部の中央に接続されており、 前記垂直部は、平面視において、前記支持部材の縁領域と一致するように位置している、リフロ処理ユニット。 【請求項10】 前記リフロ処理ユニットは、前記吸着防止板を加熱する加熱部材をさらに含む請求項9に記載のリフロ処理ユニット。 【請求項11】 前記排気部材は、前記工程チャンバー上面と連結され、排気される流体が移動する排気ラインを含み、 前記排気ラインは、前記工程チャンバーを通過して前記吸着防止板と直接連結される請求項10に記載のリフロ処理ユニット。 【請求項12】 前記加熱部材は、前記排気ラインを複数回囲むテープ形状に提供されるヒーターを含み、 前記ヒーターは、前記排気ラインを加熱し、前記排気ラインから前記吸着防止板を加熱する請求項11に記載のリフロ処理ユニット。 【請求項13】 前記吸着防止板は、 上部から見る時、前記支持部材と重なるように位置する請求項10~12のいずれか1つに記載のリフロ処理ユニット。 【請求項14】 前記工程チャンバーは、 下部ハウジングと、 前記下部ハウジングと対向するように位置する上部ハウジングと、を含み、 前記工程チャンバーの前記処理空間は、基板にリフロ工程を遂行する処理空間であり、 前記リフロ処理ユニットは、 前記基板が固定される基板ホールが1つ又は複数個提供され、前記上部ハウジングと前記下部ハウジングとの間に位置する回転板と、 前記回転板を回転させる駆動器と、 前記下部ハウジングを昇下降させることによって、前記工程チャンバーを開くか、あるいは閉じる昇下降部材と、をさらに含む請求項10~13のいずれか1つに記載のリフロ処理ユニット。 【請求項15】 前記基板ホールは、複数個提供されるとともに、互に一定な間隔を有し、環形のリング形状に配置され、 前記回転板は、前記環形のリング形状に配置された前記複数の前記基板ホールの配置の中心を基準に回転し、 前記工程チャンバーは、複数個提供され、 前記複数個の前記工程チャンバーは、上部から見る時、前記複数個の前記基板ホールと重なる位置に提供される請求項14に記載のリフロ処理ユニット。」 第3.原査定の拒絶理由の概要 (理由2)平成27年6月23日付け手続補正により補正されたこの出願の請求項9,10,13ないし15に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 (理由3)平成27年6月23日付け手続補正により補正されたこの出願の下記の請求項1ないし15に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 刊行物1:米国特許第6827789号明細書 刊行物2:米国特許第7682454号明細書 刊行物3:特開平8-124866号公報 (理由2) 刊行物1(特に、明細書第1欄第20~25行、第6欄第24~26行、第8欄第1~13行、第1図、第5図を参照。)に記載の「processing module 25」は本願発明の「リフロ処理ユニット」に相当し、以下同様に、「processing arrangement 10」は「基板処理モジュール」に、「robot arrangement 16」は基板搬送モジュールにおける「搬送ロボット」に、「treatment plate 60」は「支持部材」に、「port 80」は「排気部材」に、「treatment apparatus 63」は「吸着防止板」に、それぞれ相当する。また、刊行物1に記載の「heating elements 74」は本願発明の「加熱部材」に相当する。 さらに、刊行物1に記載の「isolation housing 62」は本願発明の「下部ハウジング」に相当し、以下同様に、「housing cover 18」は「上部ハウジング」に、「rotatory index plate 24」は「回転板」に、「openings 34」は「基板ホール」に、「support column 54」は「昇下降部材」に、それぞれ相当する。 (理由3) 刊行物1については、(理由2)と同様。 刊行物2(特に、第8図を参照。)には、基板処理装置において、基板を FOUP 795(ロードポート)と system chamber 750(基板処理モジュール)との間に搬送する atmospheric robot 793(搬送ロボット)を設けた点が、記載されている。 刊行物1記載の発明においても、刊行物2のように、ロードポートを設け、搬送ロボットを、ロードポートと基板処理モジュールとの間で搬送させることは、当業者であれば容易に想到可能である。 また、刊行物1の明細書第8欄第7行には、treatment apparatus 63(吸着防止板)が、排気の機能を有する点が、記載されている。 ここで、treatment apparatus 63(吸着防止板)と、treatment apparatus 63と同様の排気の機能を有する port 80(排気部材)とを、直接連結させることは、当業者が部品点数の削減などを考慮して適宜なし得た設計変更に過ぎない。 刊行物3には、基板処理モジュールに設けた排気管51(排気ライン)に、テープヒータ7(テープ形状に提供されるヒータ)を設けた点が、記載されている(特に、段落【0026】、【図1】を参照。)。 第4.刊行物の記載について 1.刊行物1(米国特許第6827789号明細書) 原査定において引用された刊行物1には、「電子産業用半導体ウエハのシリアル処理の為の隔離室手配」に関し、明細書6欄19行~8欄13行、Fig.1、2、及び5の記載を踏まえ、本願発明1の記載ぶりに則って整理すると、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。(当審の訳による。) 「ウエハWにリフロ工程を遂行する複数個の処理モジュール25を含むウエハプロセステーブル14と、 ウエハWをウエハプロセステーブル14に搬送するウエハ供給除去ロボット16を有し、 前記処理モジュール25は、 内部に処理空間を有するハウジングカバー18と、 前記処理空間に位置してなり、前記ウエハWを支持する処理プレート60と、 前記ハウジングカバー18上面と連結されてなり、前記処理空間に真空圧を提供して前記処理空間を排気する処理ポート80と、を含む ウエハ処理装置10。」 2.刊行物2(米国特許第7682454号明細書) 原査定において引用された刊行物2には、「保護されたシール及び関連する小サイズ処理チャンバ及び複数のチャンバシステムを有する周辺仕切り弁」に関し、明細書16欄29-57行、FIG.8の記載を踏まえ、本願発明1の記載ぶりに則って整理すると、次の事項(以下、「刊行物2に記載された事項」という。)が記載されている。(当審の訳による。) 「ウエハを収納するキャリヤーを備えるフロント開口一体化ポッド795と、 前記ウエハにリフロ工程を遂行する複数個のプロセスステーション730、740、760、770を含むシステムチャンバ750と、 前記フロント開口一体化ポッド795と前記システムチャンバ750との間に位置する装置フロントエンドモジュール790と、を含み、 前記装置フロントエンドモジュール790は、前記ウエハを前記フロント開口一体化ポッド795と前記プロセスステーション730、740、760、770との間に搬送する大気搬送ロボット793を有する処理システム700。」 3.刊行物3(特開平8-124866号公報) 原査定において引用された刊行物3には、「真空処理装置及びその方法」に関し、図面(特に、図1)と共に以下の記載がある。 (1)「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、真空処理装置に関するものである。」 (2)「【0022】 【実施例】以下本発明の実施例について説明する。図1は本発明の第1実施例に係る真空処理装置例えばプラズマCVD装置の全体構成を示す略断面図である。図中1は気密構造の処理室であり、この処理室1の一側壁面には図示しないロードロック室との間を気密にシールするゲートバルブ11、12が設けられると共に、処理室1内の底面中央部には、例えばアルミナなどよりなる、例えば円柱状の絶縁部材2が配設されている。 【0023】絶縁部材2の上には、プラズマを生起するための一方の電極として導電性金属例えばアルミニウム等よりなり、下部電極をなすサセプタ3が配設されており、半導体ウエハWはこのサセプタ3上に載置される。なおサセプタ3は500KHz~200MHz高周波電源E例えば13.56MHz電源の一端側に接続されている。 【0024】サセプタ3の上方には、ガス導入部を兼用する接地された上部電極41がこれと対向するように配設されている。この上部電極41には、例えばSiH2 Cl2 ガスやNH3 ガス等の処理ガスを処理室1内に供給するためのガス供給管42が接続されると共に、上部電極41の下面側には、処理ガスを処理室1内に例えばシャワー状に供給するためのガス拡散板43が設けられている。 【0025】また処理室1の下部には、排気口50を介して排気管51が設けられており、この排気管51の端部は反応副生成物の回収手段としてのトラップ52を介して真空排気手段、例えば真空ポンプ6に接続されている。ここで排気管51はこの実施例では複数の配管を接続してなり、排気管51の途中にはバルブ53が介装されていて、これら排気管51やバルブ53により排気路が構成されている。(以下略)」 (3)「【0026】排気管51の外周囲には、各配管毎に分割された排気管51の長さ方向の全体に亘って、第1の加熱手段例えばテープヒータ7が設けられている。ここでテープヒータ7は例えば各配管毎に分割されて排気管51の外周面に巻装されており、各テープヒータ71 ~7n は図2に示すように並列に接続されると共に電源部8が接続されている。また各テ-プヒ-タ71 ~7n は並列接続であるため、各テ-プヒ-タの両端の電位は同じであり、従って各テ-プヒ-タの長さを変えることにより抵抗値を変え発熱量を変えることができる。(以下略) 【0027】次に上述実施例の作用について述べる。先ず被処理体である半導体ウエハWを、図示しない搬送アームによりゲートバルブ11を介して、処理室1内に搬入し、サセプタ3のウエハ載置面に載置する。そしてガス供給管42より、上部電極41、ガス拡散板43を介して処理室1内に例えばSiH2 Cl2 ガス及びNH3 ガス等の成膜ガスを所定の流量で供給すると共に、排気管51を介して真空ポンプ6により排気し、処理室1内を所定の真空度例えば1Torrに維持しながら、更にサセプタ3と上部電極41との間に、高周波電圧を印加し、上部電極41の下にプラズマを発生させ、ウエハWに対して成膜処理を行なう。」 4.刊行物4(実願平4-17801号(実開平5-84462号)のCD-ROM) 前置報告において引用された刊行物4には、「ハンダ装置の排気装置」に関し、図面と共に以下の記載がある。 (1)「【0001】 【産業上の利用分野】 この考案は、ハンダ付けする際に生じるフラックスミストなどを含んだ汚染気体を外部に排気する排気手段を有するハンダ装置の排気装置の改良に関する。」 (2)「【0003】 そのリフローハンダ装置に広く用いられる方法として、図2で示すような赤外線加熱式リフロ-ハンダ装置がある。 【0004】 この図2において、隔壁2によって予備加熱部3と、リフロー部5および冷却部6とに区分される。 【0005】 上記の炉本体1は、矢印方向に走行するコンベア7が中段に配設されている。 【0006】 炉本体1の予備加熱部3は、電子部品中例えばアルミニウム電解コンデンサ等の耐熱弱部品が急加熱によって破損したり、特性が劣化するのを防止すると共に、フラックスを活性化させるために設けられたもので、熱コントロールができるようにパネルヒータ12がこの例の場合3セクションに分割され設けられている。 【0007】 そして、この予備加熱部3において、走行するコンベア7に載置されたプリント配線板10が順次加熱されるために、コンベア7を挟んでパネルヒータ12が熱源として配置され、加熱した空気を対流させるファン13a,13bが配設され、プリント基板10が常温から160℃の加熱温度で2~3分程度加熱される。 【0008】 コンベア7に載置されるプリント配線板10は、例えば、前工程においてプリント基板にクリームハンダが供給され電子部品が搭載されたものである。 【0009】 リフロー部5は、クリームハンダを溶かし電子部品をプリント基板に接合する。この場合遠赤外線ランプ16がコンベア7を挟んで対設され、加熱した空気を対流させるファン17a,17bが配設され、ハンダ溶融温度183℃の場合に約220℃で10~30秒間加熱する。 【0010】 また、冷却部6は、コンベア7を挟んでファン18a,18bが対設されリフロー部での工程終了後のプリント配線板10を急冷する。 【0011】 尚、8は、強制排気(図示せず)により炉内のフラックス煙やハンダガスなどからなるフラックスミストを含んだ汚染気体を炉外に排出するための排気ダクト81などからなる排気装置である。」 (3)「【0022】 すなわち、排気装置9の排気ダクト91において、ハンダ装置の炉本体1から導出された部分にヒータなどの加熱手段(図示せず)を設けた第1排気部92領域と、この第1排気部92から連接し水冷などの冷却手段(図示せず)を有する第2排気部93領域とを設けるとともに、前記第1排気部92と第2排気部93の境界部分にフラックスミストなどの回収部となるドレインパン94を設ける。ドレインパン94は排気ダクト91に対して取り外し可能となっている。 【0023】 上記構成により、炉内のフラックス煙やハンダガスなどからなるフラックスミストを含んだ汚染気体が炉外に排気されるとき、第1排気部92領域では加熱されているため、フラックスミストを含んだ汚染気体がこの領域で液化または固化することがないので、排気ダクト91内壁に固着することがない。 【0024】 また、前記第1排気部92と第2排気部93の境界部分では、フラックスミストを含んだ汚染気体が急激に冷却され液化または固化することとなるが、ここにはフラックスミストなどの回収部となるドレインパン94が設けられているので、このドレインパン94で回収される。 【0025】 ドレインパン94を排気ダクト91から取り外し定期的に清掃することにより排気ダクト91内は清潔に保たれる。」 第5.当審の判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比する。 引用発明の「ウエハ」は、その機能・構成からみて、本願発明1の「基板」に相当し、同様に、「処理モジュール25」は「リフロ処理ユニット」に、「ウエハプロセステーブル14」は「基板処理モジュール」に、「ウエハ供給除去ロボット16」は「搬送ロボット」に、「ハウジングカバー18」は「工程チャンバー」に、「処理プレート60」は「支持部材」に、「処理ポート80」は「排気部材」に、「ウエハ処理装置10」は「基板処理装置」に、それぞれ相当する。 以上の点からみて、本願発明1と引用発明とは、以下の一致点及び相違点を有すると認められる。 [一致点] 「基板にリフロ工程を遂行する1つ又は複数個のリフロ処理ユニットを含む基板処理モジュールと、 前記基板を前記基板処理モジュールに搬送する搬送ロボットを有し、 前記リフロ処理ユニットは、 内部に処理空間を有する工程チャンバーと、 前記処理空間に位置してなり、前記基板を支持する支持部材と、 前記工程チャンバー上面と連結されてなり、前記処理空間に真空圧を提供して前記処理空間を排気する排気部材と、を含む基板処理装置。」 [相違点1] 本願発明1は、「基板を収納するキャリヤーを備えるロードポートと、」「前記ロードポートと前記基板処理モジュールとの間に位置する基板搬送モジュールと、を含み、前記基板搬送モジュールは、前記基板を前記ロードポートと前記基板処理モジュールとの間に搬送する搬送ロボットを有」するのに対して、引用発明は、ロードポートを有するものではなく、ウエハWをウエハプロセステーブル14に搬送するウエハ供給除去ロボット16を有する点。 [相違点2] 本願発明1は、リフロ処理ユニットが、「前記支持部材上部に離隔されて位置し、一定な厚さを有する平板形状に提供される吸着防止板と、を含み、前記吸着防止板は、円形形状の輪郭および一定な厚さを有する平板形状の1つのみの水平部と、前記水平部の底面縁領域を囲み、垂直下方に延長された垂直部と、を含み、前記排気部材は、前記水平部の中央に接続されており、前記垂直部は、平面視において、前記支持部材の縁領域と一致するように位置している」のに対して、引用発明は、かかる構成を有するものではない点。 (2)判断 ア.相違点1について 刊行物2に記載された事項は、「ウエハを収納するキャリヤーを備えるフロント開口一体化ポッド795と、前記ウエハにリフロ工程を遂行する複数個のプロセスステーション730、740、760、770を含むシステムチャンバ750と、前記フロント開口一体化ポッド795と前記システムチャンバ750との間に位置する装置フロントエンドモジュール790と、を含み、前記装置フロントエンドモジュール790は、前記ウエハを前記フロント開口一体化ポッド795と前記プロセスステーション730、740、760、770との間に搬送する大気搬送ロボット793を有する処理システム700」である。 本願発明1と刊行物2に記載された事項とを対比すると、刊行物2に記載された事項の「ウエハ」は、その機能・構成からみて、本願発明1の「基板」に相当し、同様に、「フロント開口一体化ポッド795」は「ロードポート」に、「プロセスステーション730、740、760、770」は「リフロ処理ユニット」に、「システムチャンバ750」は「基板処理モジュール」に、「装置フロントエンドモジュール790」は「基板搬送モジュール」に、「大気搬送ロボット793」は「搬送ロボット」に、それぞれ相当する。 したがって、刊行物2に記載された事項を、本願発明1の記載ぶりに則って整理すると、「基板を収納するキャリヤーを備えるロードポートと、前記基板にリフロ工程を遂行する1つ又は複数個のリフロ処理ユニットを含む基板処理モジュールと、前記ロードポートと前記基板処理モジュールとの間に位置する基板搬送モジュールと、を含み、前記基板搬送モジュールは、前記基板を前記ロードポートと前記基板処理モジュールとの間に搬送する搬送ロボットを有する処理システム700」であると認められる。 引用発明及び刊行物2に記載された事項は、ともに基板(ウエハ)の処理ステムに関するものであるので、相違点1に係る本願発明1の構成は、引用発明に刊行物2に記載された事項を適用することにより、当業者が容易に想到し得たものと認められる。 イ.相違点2について 引用発明における処理ポート80(port 80)は、処理空間に真空圧を提供するものであるが、刊行物1には、ウエハWの上方に設けられた部材であるtreatment apparatus 63が、吸着防止板であることは記載されていない。 刊行物3には、第4.3.(2)及び(3)によれば、真空処理装置において、処理室1の下部に排気口50を介して排気管51を設け、真空排気手段により排気した点が記載されているが、これに留まり、相違点2に係る本願発明1の構成は記載されていない。 刊行物4には、第4.4.(2)及び(3)によれば、リフローハンダ装置において、炉本体1にフラックスミストを排出するための排気ダクト81(91)などからなる排気装置8(9)を設けた点が記載されているが、これに留まる。すなわち、刊行物4における図1または図2において、排気ダクト81(91)に連なり、炉本体1の上部に設けられたカバー状の部材が示されているが、符号が付されておらず、刊行物4には、当該部材に関して何ら記載がなく、また、技術常識を踏まえても、当該部材が、本願発明1における「吸着防止板」に相当するとは認めることはできない。 したがって、刊行物4には、相違点2に係る本願発明1の構成は記載されていない。 また、相違点2に係る本願発明1の構成が、周知の技術であるとも設計事項であるとも認められない。 よって、相違点2に係る本願発明1の構成は、引用発明及び刊行物2ないし4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 以上であるから、本願発明1は、引用発明及び刊行物2ないし4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 2.本願発明9について 本願発明9は、「リフロ処理ユニット」に係り、本願発明1を構成する「リフロ処理ユニット」と同じ構成である。 本願発明9と引用発明と対比すると、本願発明9は、少なくとも前記相違点2において引用発明と相違しており、本願発明9が引用発明と同一であるとはいえない。 また、第5.1.(2)イ.に示したように、「リフロ処理ユニット」に係る前記相違点2の判断により、本願発明1は、引用発明及び刊行物2ないし4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないので、同様に、本願発明9も、引用発明及び刊行物2ないし4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 3.本願発明2ないし8、本願発明10ないし15について 本願発明2ないし8は、本願発明1を直接又は間接に引用するものであり、本願発明1が引用発明及び刊行物2ないし4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないので、同様に、本願発明2ないし8も、引用発明及び刊行物2ないし4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 本願発明10ないし15は、本願発明9を直接又は間接に引用するものであり、本願発明9が引用発明と同一であるとはいえず、また、引用発明及び刊行物2ないし4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえないので、本願発明10、13ないし15は、引用発明と同一であるとはいえず、また、本願発明10ないし15は、引用発明及び刊行物2ないし4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 第6.当審の拒絶理由の概要 本件出願は、平成28年4月21日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 記 請求項1及び請求項9において、「吸着防止板」と他の構成部材(例えば、「排気部材」、「支持部材」)との関係構成が不明瞭である。 よって、請求項1及び9に係る発明、請求項1を直接的に又は間接的に引用する請求項2ないし8,請求項9を直接的に又は間接的に引用する請求項10ないし15は不明確である。 第7.当審の拒絶理由の判断 平成29年2月9日付け手続補正により、請求項1及び9は、リフロ処理ユニットについて、「内部に処理空間を有する工程チャンバーと、前記処理空間に位置してなり、前記基板を支持する支持部材と、前記工程チャンバー上面と連結されてなり、前記処理空間に真空圧を提供して前記処理空間を排気する排気部材と、前記支持部材上部に離隔されて位置し、一定な厚さを有する平板形状に提供される吸着防止板と、を含み、前記吸着防止板は、円形形状の輪郭および一定な厚さを有する平板形状の1つのみの水平部と、前記水平部の底面縁領域を囲み、垂直下方に延長された垂直部と、を含み、前記排気部材は、前記水平部の中央に接続されており、前記垂直部は、平面視において、前記支持部材の縁領域と一致するように位置している、」と補正され、「吸着防止板」と「排気部材」及び「支持部材」との関係構成が明確になり、当該拒絶理由は解消した。 第8.むすび 以上のとおり、本願発明9,10、13ないし15は、刊行物1に記載された発明であるとはいえず、また、本願発明1ないし15は、刊行物1ないし4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2016-005963

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ論点・分野の審決(審決分類)839件(113・H05K、121・H05K、537・H05K)
  • 2025-000871拒絶査定不服審判 / 2026-05-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)保護部材
    共通の審決分類: 113・H05K、121・H05K、537・H05K
  • 2025-001656拒絶査定不服審判 / 2026-02-16 / 原査定取消(特許/登録すべき)金属樹脂複合電磁波シールド材料
    共通の審決分類: 113・H05K、121・H05K、537・H05K
  • 2024-010368拒絶査定不服審判 / 2026-01-30 / 原査定取消(特許/登録すべき)トレイ式部品供給装置
    共通の審決分類: 113・H05K、121・H05K、537・H05K
  • 2024-008703拒絶査定不服審判 / 2026-01-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)積層板、パターニング基板の製造方法、電子装置及び実装装置
    共通の審決分類: 113・H05K、121・H05K、537・H05K
  • 2024-018511拒絶査定不服審判 / 2026-01-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)低周波磁気シールド材の製造方法
    共通の審決分類: 113・H05K、121・H05K、537・H05K

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存