審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許無効審判

2015-800035

ブルニアンリンク作成デバイスおよびキット

審判番号
2015-800035
法域
特許
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
特願2014-014615
登録番号
特許第5575340号(P5575340)
請求日
2015年02月23日
審決日
2015年12月28日
公報発行日
2017年11月24日
結論
訂正認容・請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社 ハナヤマ
  • 【請求人代理人】鳥海 哲郎
  • 【請求人代理人】塩月 秀平
  • 【請求人代理人】松山 智恵
  • 【請求人代理人】栗林 知広
  • 【請求人代理人】金田 周二
  • 【請求人代理人】稲葉 大輔
  • 【被請求人】ング,チェン チューン
  • 【被請求人代理人】伊藤 正和
  • 【被請求人代理人】原 裕子
審判長/審判官
  • 審判長 長屋 陽二郎
  • 審判官 平瀬 知明
  • 審判官 竹下 和志
分類
P1123.113-YAA(A44C) / P1123.121-YAA(A44C) / P1123.536-YAA(A44C) / P1123.537-YAA(A44C) / P1123.55 -YAA(A44C)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法169条2項民事訴訟法61条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第134条の2第1項、特許法第36条第6項第1号、特許法第123条第1項第2号、特許法第36条第4項第1号、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第44条第1項、特許法第17条の2第3項、特許法第123条第1項第1号、特許法第123条第1項第4号、特許法第123条第4号、特許法第131条の2第1項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

上記当事者間の特許第5575340号発明「ブルニアンリンク作成デバイスおよびキット」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 1 請求のとおり訂正を認める。 2 本件審判の請求は、成り立たない。 3 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 平成23年 6月23日   原国際出願 (優先日平成22年11月5日) (特願2013-537663号) 平成26年 1月29日   本件分割出願 (特願2014-14615号) 平成26年 7月11日   特許権の設定登録 (特許第5575340号) 平成27年 2月23日   本件無効審判請求 (無効2015-800035号) 平成27年 4月10日   請求人による手続補正書 (以下単に「補正書」という。)提出 平成27年 6月 5日   被請求人による審判事件答弁書 (以下単に「答弁書」という。)提出 平成27年 6月 5日   被請求人による訂正請求書提出 平成27年 7月16日   請求人による審判事件弁駁書 (以下単に「弁駁書」という。)提出 平成27年 8月18日付け 審理事項通知 平成27年 9月24日   請求人による口頭審理陳述要領書提出 平成27年 9月24日   被請求人による口頭審理陳述要領書提出 平成27年 9月25日付け 審理事項(2)通知 平成27年10月 5日   請求人による口頭審理陳述要領書(2)提出 平成27年10月 8日   第1回口頭審理 平成27年11月 9日   被請求人による上申書提出 平成27年11月24日   請求人による上申書提出 なお、本審決において、記載箇所を行により特定する場合、行数は空行を含まない。また、特許法の条文を指摘する際に「特許法」という表記を省略することがある。 第2 平成27年6月5日付け訂正請求について 1 訂正事項 請求項1及び3からなる一群の請求項、請求項2、請求項4、請求項5、請求項6~8、10及び11からなる一群の請求項、請求項9、請求項12並びに請求項13についての平成27年6月5日付け訂正請求(以下「本件訂正」という。)は、以下のとおりである(下線は訂正部分を示す。)。 (1)請求項1及び3からなる一群の請求項に係る訂正 (1-1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「一連のリンクからなるアイテムを作成するための装置であって、ベースと、」とあるのを、「一連のリンクからなるアイテムを作成するための装置であって、前記リンクはブルニアンリンクであり、前記アイテムはブルニアンリンクアイテムであり、ベースと、」に訂正する。 (1-2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1に「当該複数のピンの各々の前面側の開口部」とあるのを、「当該複数のピンの各々の、ピンの列の方向の前面側の開口部」に訂正する。 (1-3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に「複数のピンの少なくとも1つ上でリンクをその場に保持するためのフレアー状部分」とあるのを、「複数のピンの少なくとも1つの上でリンクをその場に保持するためのフレアー状部分」に訂正する。 (2)請求項2に係る訂正 (2-1)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項2について、「開口部が、上部部分からベースに向けて伸びているスロットである、請求項1記載の装置。」を、 「一連のリンクからなるアイテムを作成するための装置であって、 ベースと、 ベース上にサポートされた複数のピンと、を備え、 前記複数のピンの各々は、リンクを望ましい向きに保持するための上部部分と、当該複数のピンの各々の前面側の開口部とを有し、複数のピンは、複数の列に配置され、相互に離間され、且つ、前記ベースから上方に伸びており、 開口部が、上部部分からベースに向けて伸びているスロットである、装置。」に訂正する。 (3)請求項4に係る訂正 (3-1)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項4について、「複数のピンの各々が、上部部分から離された下部フレアー状部分と、リンクを保持するための中央部分を含む、請求項1記載の装置。」を、 「一連のリンクからなるアイテムを作成するための装置であって、 ベースと、 ベース上にサポートされた複数のピンと、を備え、 前記複数のピンの各々は、リンクを望ましい向きに保持するための上部部分と、当該複数のピンの各々の前面側の開口部とを有し、複数のピンは、複数の列に配置され、相互に離間され、且つ、前記ベースから上方に伸びており、 複数のピンの各々が、上部部分から離された下部フレアー状部分と、リンクを保持するための中央部分を含む、装置。」に訂正する。 (4)請求項5に係る訂正 (4-1)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項5について、「追加のベースと追加の複数のピンを組み合わせるための嵌合特徴を含む、請求項1記載の装置。」を、 「一連のリンクからなるアイテムを作成するための装置であって、 ベースと、 ベース上にサポートされた複数のピンと、を備え、 前記複数のピンの各々は、リンクを望ましい向きに保持するための上部部分と、当該複数のピンの各々の前面側の開口部とを有し、複数のピンは、複数の列に配置され、相互に離間され、且つ、前記ベースから上方に伸びており、 追加のベースと追加の複数のピンを組み合わせるための嵌合特徴を含む、装置。」に訂正する。 (5)請求項6~8、10及び11からなる一群の請求項に係る訂正 (5-1)訂正事項7 特許請求の範囲の請求項6に「一連のリンクからなるアイテムを作成するためのキットであって、リンクを望ましい向きに保持するための上部部分と、」とあるのを、「一連のリンクからなるアイテムを作成するためのキットであって、前記リンクはブルニアンリンクであり、前記アイテムはブルニアンリンクアイテムであり、リンクを望ましい向きに保持するための上部部分と、」に訂正する。 (5-2)訂正事項8 特許請求の範囲の請求項6に「複数のピンの各々の前面側の開口部」とあるのを、「複数のピンの各々の、ピンの列の方向の前面側の開口部」に訂正する。 (5-3)訂正事項9 特許請求の範囲の請求項11に「複数のピンの少なくとも1つ上でリンクをその場に保持するためのフレアー状部分」とあるのを、「複数のピンの少なくとも1つの上でリンクをその場に保持するためのフレアー状部分」に訂正する。 (6)請求項9に係る訂正 (6-1)訂正事項10 特許請求の範囲の請求項9について、「開口部が、上部部分からベースに向けて伸びているスロットである、請求項6記載のキット。」を、 「一連のリンクからなるアイテムを作成するためのキットであって、 リンクを望ましい向きに保持するための上部部分と、複数のピンの各々の前面側の開口部を含み、ベースによりお互いに対してサポートされた複数のピンを備え、 前記複数のピンは、複数の列に配置され、相互に離間され、且つ、前記ベースから上方に伸びており、 開口部が、上部部分からベースに向けて伸びているスロットである、キット。」に訂正する。 (7)請求項12に係る訂正 (7-1)訂正事項11 特許請求の範囲の請求項12について、「複数のピンの各々が、上部部分から離された下部フレアー状部分と、リンクを保持するための中央部分を含む、請求項6記載のキット。」を、 「一連のリンクからなるアイテムを作成するためのキットであって、 リンクを望ましい向きに保持するための上部部分と、複数のピンの各々の前面側の開口部を含み、ベースによりお互いに対してサポートされた複数のピンを備え、 前記複数のピンは、複数の列に配置され、相互に離間され、且つ、前記ベースから上方に伸びており、 複数のピンの各々が、上部部分から離された下部フレアー状部分と、リンクを保持するための中央部分を含む、キット。」に訂正する。 (8)請求項13に係る訂正 (8-1)訂正事項12 特許請求の範囲の請求項13について、「追加のベースと追加の複数のピンを組み合わせるための嵌合特徴を含む、請求項6記載のキット。」を、 「一連のリンクからなるアイテムを作成するためのキットであって、 リンクを望ましい向きに保持するための上部部分と、複数のピンの各々の前面側の開口部を含み、ベースによりお互いに対してサポートされた複数のピンを備え、 前記複数のピンは、複数の列に配置され、相互に離間され、且つ、前記ベースから上方に伸びており、 追加のベースと追加の複数のピンを組み合わせるための嵌合特徴を含む、キット。」に訂正する。 2 訂正請求についての当審の判断 (1)訂正事項1 訂正事項1は、請求項1の「リンク」が「ブルニアンリンク」であり、「アイテム」が「ブルニアンリンクアイテム」である、とそれぞれ訂正するものであって、「リンク」が「ブルニアンリンク」であり、「アイテム」が「ブルニアンリンクアイテム」であることを特定することによって、不明瞭となっている記載が正されその本来の意が明らかにされているから、特許法第134条の2第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。 また、訂正事項1は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内で行われたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことは明らかである。 (2)訂正事項2 訂正事項2は、請求項1の「複数のピンの各々の前面側の開口部」を、「複数のピンの各々の、ピンの列の方向の前面側の開口部」に訂正するものであって、「前面」が「ピンの列の方向の前面」であることを特定することによって、不明瞭となっている記載が正されその本来の意が明らかにされているから、特許法第134条の2第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。 また、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内で行われたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことは明らかである。 (3)訂正事項3 訂正事項3は、請求項3の「ピンの少なくとも1つ上で」を、「ピンの少なくとも1つの上で」に訂正するものであり、特許法第134条の2第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものに該当する。 また、訂正事項3は、本件特許の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件出願当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内で行われたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことは明らかである。 (4)訂正事項4~6 訂正事項4~6は、本件訂正前の請求項2、4、5において、それぞれ請求項1の記載を引用する記載であったものを、当該請求項の記載を引用しないものとする訂正であるから、特許法第134条の2第1項ただし書第4号に規定する、いわゆる請求項間の引用関係の解消を目的とするものに該当する。 また、訂正事項4~6は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内で行われたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことは明らかである。 (5)訂正事項7 訂正事項7は、請求項6の「リンク」が「ブルニアンリンク」であり、「アイテム」が「ブルニアンリンクアイテム」である、とそれぞれ訂正するものであって、「リンク」が「ブルニアンリンク」であり、「アイテム」が「ブルニアンリンクアイテム」であることを特定することによって、不明瞭となっている記載が正されその本来の意が明らかにされているから、特許法第134条の2第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。 また、訂正事項7は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内で行われたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことは明らかである。 (6)訂正事項8 訂正事項8は、請求項6の「複数のピンの各々の前面側の開口部」を、「複数のピンの各々の、ピンの列の方向の前面側の開口部」に訂正するものであって、「前面」が「ピンの列の方向の前面」であることを特定することによって、不明瞭となっている記載が正されその本来の意が明らかにされているから、特許法第134条の2第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。 また、訂正事項8は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内で行われたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことは明らかである。 (7)訂正事項9 訂正事項9は、請求項11の「ピンの少なくとも1つ上で」を、「ピンの少なくとも1つの上で」に訂正するものであり、特許法第134条の2第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものに該当する。 また、訂正事項9は、本件出願当初明細書等に記載した事項の範囲内で行われたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことは明らかである。 (8)訂正事項10~12 訂正事項10~12は、本件訂正前の請求項9、12、13において、それぞれ請求項6の記載を引用する記載であったものを、当該請求項の記載を引用しないものとする訂正であるから、特許法第134条の2第1項ただし書第4号に規定する、いわゆる請求項間の引用関係の解消を目的とするものに該当する。 また、訂正事項10~12は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内で行われたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことは明らかである。 (9)小括 したがって、本件訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書き、並びに、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、上記訂正を認める。 なお、請求人は、本件訂正についての被請求人の主張には反論していない(弁駁書第5ページ第12~13行)。 第3 本件訂正発明 本件特許の特許請求の範囲は、上記のとおり訂正が認められるから、本件訂正後の本件特許の請求項1~16に係る発明(以下「本件訂正発明1」等という。また、これらをまとめて単に「本件訂正発明」ということがある。)は、本件訂正により訂正した特許請求の範囲の記載及び本件特許明細書等からみて、その特許請求の範囲の請求項1~16に記載された次のとおりのものと認める。 なお、本件訂正発明1、3、6~8、10及び11に付したアルファベットは、請求人が分説した構成要件を表す。 「【請求項1】 A 一連のリンクからなるアイテムを作成するための装置であって、 A-1 前記リンクはブルニアンリンクであり、前記アイテムはブルニアンリンクアイテムであり、 B ベースと、 C ベース上にサポートされた複数のピンと、を備え、 D 前記複数のピンの各々は、リンクを望ましい向きに保持するための上部部分と、当該複数のピンの各々の、ピンの列の方向の前面側の開口部とを有し、複数のピンは、複数の列に配置され、相互に離間され、且つ、前記ベースから上方に伸びている E 装置。 【請求項2】 一連のリンクからなるアイテムを作成するための装置であって、 ベースと、 ベース上にサポートされた複数のピンと、を備え、 前記複数のピンの各々は、リンクを望ましい向きに保持するための上部部分と、当該複数のピンの各々の前面側の開口部とを有し、複数のピンは、複数の列に配置され、相互に離間され、且つ、前記ベースから上方に伸びており、 開口部が、上部部分からベースに向けて伸びているスロットである、装置。 【請求項3】 F 上部部分が、複数のピンの少なくとも1つの上でリンクをその場に保持するためのフレアー状部分を含む、請求項1記載の装置。 【請求項4】 一連のリンクからなるアイテムを作成するための装置であって、 ベースと、 ベース上にサポートされた複数のピンと、を備え、 前記複数のピンの各々は、リンクを望ましい向きに保持するための上部部分と、当該複数のピンの各々の前面側の開口部とを有し、複数のピンは、複数の列に配置され、相互に離間され、且つ、前記ベースから上方に伸びており、 複数のピンの各々が、上部部分から離された下部フレアー状部分と、リンクを保持するための中央部分を含む、装置。 【請求項5】 一連のリンクからなるアイテムを作成するための装置であって、 ベースと、 ベース上にサポートされた複数のピンと、を備え、 前記複数のピンの各々は、リンクを望ましい向きに保持するための上部部分と、当該複数のピンの各々の前面側の開口部とを有し、複数のピンは、複数の列に配置され、相互に離間され、且つ、前記ベースから上方に伸びており、 追加のベースと追加の複数のピンを組み合わせるための嵌合特徴を含む、装置。 【請求項6】 G 一連のリンクからなるアイテムを作成するためのキットであって、 G-1 前記リンクはブルニアンリンクであり、前記アイテムはブルニアンリンクアイテムであり、 H リンクを望ましい向きに保持するための上部部分と、複数のピンの各々の、ピンの列の方向の前面側の開口部を含み、ベースによりお互いに対してサポートされた複数のピンを備え、 I 前記複数のピンは、複数の列に配置され、相互に離間され、且つ、前記ベースから上方に伸びている、 J キット。 【請求項7】 K 望ましい向きに保持されたリンクを、複数のピンの少なくとも1つの上で操作するためのフックツールを含む、請求項6記載のキット。 【請求項8】 L 一連のリンクの端部を接続するための少なくとも1つのクリップを含み、該クリップは、各リンクをクリップの内側エリア内に捕捉するための内向きに面した端部を含む、請求項6記載のキット。 【請求項9】 一連のリンクからなるアイテムを作成するためのキットであって、 リンクを望ましい向きに保持するための上部部分と、複数のピンの各々の前面側の開口部を含み、ベースによりお互いに対してサポートされた複数のピンを備え、 前記複数のピンは、複数の列に配置され、相互に離間され、且つ、前記ベースから上方に伸びており、 開口部が、上部部分からベースに向けて伸びているスロットである、キット。 【請求項10】 M 開口部が、複数のピンの各々の少なくとも1つのサイドに沿って配置されたアクセス溝である、請求項6記載のキット。 【請求項11】 N 上部部分が、複数のピンの少なくとも1つの上でリンクをその場に保持するためのフレアー状部分を含む、請求項6記載のキット。 【請求項12】 一連のリンクからなるアイテムを作成するためのキットであって、 リンクを望ましい向きに保持するための上部部分と、複数のピンの各々の前面側の開口部を含み、ベースによりお互いに対してサポートされた複数のピンを備え、 前記複数のピンは、複数の列に配置され、相互に離間され、且つ、前記ベースから上方に伸びており、 複数のピンの各々が、上部部分から離された下部フレアー状部分と、リンクを保持するための中央部分を含む、キット。 【請求項13】 一連のリンクからなるアイテムを作成するためのキットであって、 リンクを望ましい向きに保持するための上部部分と、複数のピンの各々の前面側の開口部を含み、ベースによりお互いに対してサポートされた複数のピンを備え、 前記複数のピンは、複数の列に配置され、相互に離間され、且つ、前記ベースから上方に伸びており、 追加のベースと追加の複数のピンを組み合わせるための嵌合特徴を含む、キット。 【請求項14】 リンクされたアイテムを作成するためのキットを組み立てる方法であって、 ピンの間に望ましい空間的な関係を規定するように、複数のピンをサポートするステップと、 複数のピンの1つ上にサポートされたリンクをつかむためにフックツールのためのアクセスを提供するように、複数のピンの各々上にアクセス開口部を提供するステップと、 前記リンクされたアイテムのための複数の弾性バンドを、望ましいパターンに従って複数のピンへ提供するステップと、 一旦望ましいパターンが完成されるとリンクを一緒に保持するための複数のクリップを提供するステップと、 を含む方法。 【請求項15】 複数のピンの1つ上にサポートされたリンクを操作するためのアクセス開口部中への挿入のためのフックツールを提供するステップを含む、請求項14記載の方法。 【請求項16】 一連のリンクからなるアイテムを作成するための装置であって、 ベースと、 ベース上にサポートされた複数のピンと、を備え、 前記複数のピンの各々は、リンクを望ましい向きに保持するための上部部分と、複数のピンの各々の前面側の開口部とを含み、且つ、 追加のベースと追加の複数のピンを組み合わせるための嵌合特徴を含む、 装置。」 第4 請求人の主張 1 要点 請求人の主張する請求の趣旨は、本件訂正発明1、3、6~8、10及び11についての特許を無効にする、との審決を求めるものである。 また、その請求の理由については、次のとおり整理できる。 すなわち、審判請求時には、無効理由1、2及び4(新規性欠如)、無効理由3及び5(進歩性欠如)、無効理由6(新規事項追加)並びに無効理由7(記載不備)が主張されていた。このうち、無効理由2及び4については、請求人は、本件訂正が認められる場合は、取り下げるとしており(第1回口頭審理調書【無効2015-800035について】請求人側項目「7」参照)、上記第2において本件訂正が認められることから、請求人の主張する請求の理由は、無効理由1、3、5~7であると整理することができる。 そして、かかる無効理由の要点は、審判請求書(以下単に「請求書」という。)、補正書、弁駁書、並びに平成27年9月24日付け及び平成27年10月5日付け口頭審理陳述要領書等の記載内容からみて、以下のとおりである。 (1)無効理由1(新規性欠如) 本件特許出願は、分割要件を欠く違法なものであって、出願日は遡及せず、本件訂正発明1、3、6~8、10及び11は、現実の出願日前に公開された甲第1号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものであり、本件特許は、特許法第123条第1項第2号に該当し無効にすべきものである。 (2)無効理由3(進歩性欠如) 本件訂正発明1、3、6~8、10及び11は、甲第2号証に記載された発明、甲第2及び3号証に記載された発明、又は、甲第2号証に記載された発明と周知慣用技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件特許は、特許法第123条第1項第2号に該当し無効にすべきものである。 (3)無効理由5(進歩性欠如) 本件訂正発明1、3、6~8、10及び11は、甲第10号証に記載された発明、甲第10及び3号証に記載された発明、又は、甲第10号証に記載された発明と周知慣用技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件特許は、特許法第123条第1項第2号に該当し無効にすべきものである。 (4)無効理由6(新規事項追加) 本件特許出願の請求項1及び6について、平成26年1月30日付け及び平成26年6月4日付けの手続補正書による補正は、本件出願当初明細書等に記載した事項の範囲内でなされたものではなく、新規事項の追加に該当するものであるから、本件特許は、特許法第17条の2第3項の規定に違反する補正をした特許出願に対してされたものであり、特許法第123条第1項第1号に該当し無効にすべきものである。 (5)無効理由7(記載不備) 本件訂正発明が本件特許明細書等の発明の詳細な説明に記載したものではないから、その特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしておらず、本件特許は、特許法第123条第1項第4号に該当し無効にすべきものである。 また、本件特許明細書等の発明の詳細な説明の記載は、当業者が本件訂正発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものではないから、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしておらず、本件特許は、特許法第123条第4号に該当し無効にすべきものである。 なお、弁駁書における無効理由8は、新たな無効理由の追加であり実質的に請求理由の要旨変更(特許法第131条の2第1項)に該当する旨通知(平成27年8月18日付け審理事項通知)されたところ、取り下げられた(平成27年9月24日付け口頭審理陳述要領書第6ページ下から第3行)。 2 証拠方法 請求人が提出した証拠方法は、以下のとおりである。 甲第1号証   特表2013-544587号公報 甲第2号証   「Knitty:Spring 2007」と題するウェブページ (http://www.knitty.com/ISSUEspring07/ FEATloomknitting.html) をプリントアウトしたもの、及び抄訳 甲第3号証   米国特許第5、231、742号公報、及び翻訳 甲第4号証   米国特許第5、426、788号公報、及び抄訳 甲第5号証   米国意匠第D592、537S号公報、及び抄訳 甲第6号証   米国特許第1、994、659号公報、及び抄訳 甲第7号証   米国特許第7、040、120号公報、及び抄訳 甲第8号証   実用新案登録第3108472号公報 甲第9号証   米国特許第3、758、923号公報 甲第10号証  英国特許出願公開2147918号公報、及び翻訳 甲第11号証  本件特許に関する出願関係書類(明細書、特許請求 の範囲、要約書及び図面) 甲第12号証  本件特許公報(特許第5575340号公報) 甲第13号証  本件原出願に関する出願関係書類(明細書、特許請求 の範囲、要約書) 甲第14号証の1 インターネットアーカイブによる甲第2号証のア ドレスの収集日の検索結果を表示するウェブページ (http://web.archive.org/web/20070310205702*/ http://knitty.com/ISSUEspring07/ FEATloomknitting.html) をプリントアウトしたもの 甲第14号証の2 甲第14号証の1に表示されたアドレス収集日のう ち「2007年3月10日」をクリックして表示され た画面をプリントアウトしたもの 甲第15号証  小学館プログレッシブ英和中辞典第4版(1117 頁及び奥付) 甲第16号証  リーダーズ英和辞典第3版(1386頁及び奥付) 甲第17号証  現代英和辞典携帯版第5刷(748頁及び奥付) 甲第18号証  米国特許第7、578、146号公報 甲第19号証  米国特許第7、506、524号公報 甲第20号証  米国意匠第D563、997S号公報 甲第21号証  SIMM MARKETING GMBH 2007年発行カタログ (表紙、13頁及び背表紙) 甲第22号証  本件特許の平成26年1月30日付け手続補正書 甲第23号証  本件特許の平成26年6月4日付け手続補正書 甲第24号証  「レインボールームスターターキット活用ブック」 (表紙、6~12頁及び奥付) 甲第25号証  「Rainbow Loom公式ガイド はじめてでもかんたん !かわいい!!レインボールームアクセサリー」( 表紙、14頁、42~45頁、62~65頁及び奥 付) 甲第26号証  特許・実用新案審査基準(第II部第2章「新規性・ 進歩性」1~8頁) 甲第27号証  請求人が甲第21号証に開示された編み機(商品名 「Wool Designer」)と同じ形状を有すると主張する編 み機(商品名「Wool Designer」)の写真撮影報告書 甲第28号証  被請求人の実施品であるレインボールームの製品説 明書 甲第29号証  CD-R(動画)【撮影対象】甲第27号証の編み 機を用いて「ブルニアンリンク」からなるアクセサ リーである「“シングル”パターン輪ゴムリンク」 を作成している様子。 【撮影日時】平成27年5月28日 【撮影場所】請求人本社内 甲第30号証  「Rainbow loom公式ガイド かんたんかわいい!レ インボールームおしゃれアクセサリーLESSON BOOK」(表紙、10頁、11頁、34~37頁 、76~79頁、並びに奥付) 甲第31号証  CD-R(動画)【撮影対象】甲第27号証の編み 機を用いて「ブルニアンリンク」からなるアクセサ リーである「フィッシュテイル」を作成している様 子。 【撮影日時】平成27年5月28日 【撮影場所】請求人本社内 甲第32号証  CD-R(動画)【撮影対象】甲第27号証の編み 機を用いて「ブルニアンリンク」からなる複雑な形 状のアクセサリーを作成している様子。 【撮影日時】平成27年5月28日 【撮影場所】請求人本社内 甲第33号証  PCT国際調査及び予備審査ガイドライン(日本語 仮訳)(表紙、148~157頁) 甲第34号証  甲第2号証の2頁の編み機の写真画像を電子コピー して記録したCD 甲第35号証  請求人のホームページにおける「ファンルームプラ ス」と題するウェブページ (http://www.hanayamatoys.co.jp/product/category /hobby/funloom/fl-plus.html) をプリントアウトしたもの 以上の証拠方法のうち、甲第1~23号証は、請求書に添付され、甲第24~32号証は、弁駁書に添付され、甲第33~35号証は、平成27年10月5日付け口頭審理陳述要領書(2)に添付されたものである。これらの証拠方法のうち、甲第2号証については、被請求人はその成立を否認しており、その他の証拠方法については、当事者間に争いはない(第1回口頭審理調書【無効2015-800035について】被請求人側項目「5」「6」参照)。 3 主張の概要 請求人の主張の概要は、以下のとおりである。 (1)無効理由1について ア 「a 分割要件 特許法第44条第1項に規定する分割出願は、同条2項本文に規定する出願日の遡及の効果を受けるためには、分割出願に係る発明が、原出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、『当初明細書等』という。)に記載されていること、又はこれらの記載から自明であることが必要である(・・・)。なお、特許審査基準・・・にも、分割出願が適法となる要件として・・・、『分割出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項が、原出願の出願当初の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内であるか否かの判断は、新規事項の判断と同様に行う。』ことも明記されている。」(請求書第30ページ下から第10行~第31ページ第10行、補正書第31ページ下から第10行~第32ページ第10行) イ 「本件無効審判の対象としている本件特許発明1、3、6、7、8、10、11は、『ピンバー』という構成に関する記載は一切なく、『ピンバー』を備えない技術的思想も含むものである。」(請求書第31ページ第12~14行、補正書第32ページ第12~14行) ウ 「本件原出願の当初明細書等の全体の記載から、本件原出願に係る発明の技術的課題は、これまで提供されてきた編み機では制作することができなかった無尽のバリエーションの編み物製品を容易に制作できるような編み機を提供することである。これに加え、本件原出願の当初明細書等には、当該技術的課題を解決する手段として、完成されたリンクの向きの無尽のバリエーションを提供するために、『ピンバー』及び『ベース』を、様々な組み合わせ及び向きに組み立てることのできる構成の発明が記載されており、『ピンバー』と『ベース』が別体で存在しなければ当該技術的課題は解決できない記載になっている。以上より、本件原出願に係る発明において『ピンバー』は必須の発明特定事項であることが明らかである。 以上より、本件原出願の当初明細書等のいかなる部分を参酌しても、『ピンバー』を必須の構成としない技術思想(上位概念たる技術思想)は、一切記載されていない。よって、『ピンバー』を必須の構成としない技術思想を含む本件特許発明は、本件原出願の当初明細書等に記載されておらず、またそれらの記載から自明でもない。」(請求書第32ページ下から第9行~第33ページ第5行、補正書第33ページ下から第9行~第34ページ第5行) エ 「本件特許出願は、本件特許出願に係る発明が本件原出願の当初明細書に記載されておらず、又はこれらの記載から自明であるものではないから、特許法第44条第1項に規定する分割要件を欠く不適法なものであり、その本件特許出願の出願日は遡及せず、現実の出願日である平成26年1月29日となる。」(請求書第33ページ第7~10行、補正書第34ページ第7~10行) オ 「本件原出願は、本件公表特許公報(甲第1号証)により、本件特許出願の現実の出願日である平成26年1月29日より前の平成25年12月19日に公開されており、甲第1号証は、本件特許の出願前に頒布された先行技術文献となる。」(請求書第33ページ第12~14行、補正書第34ページ第12~14行) カ 「本件特許発明は、本件原出願の本件公表特許公報(甲第1号証)に開示された発明(『ピンバー』を必須の構成とした技術的思想)を上位概念化したもの(『ピンバー』を必須の構成から外した技術的思想)であるため、甲第1号証には、本件特許発明1、3、6、7、8、10及び11の構成が全て開示されている。」(請求書第33ページ下から第9~6行、補正書第34ページ下から第9~6行) キ 「『・・・現実に記載されたものから自明な事項であるというためには、現実には記載がなくとも、現実に記載されたものに接した当業者であれば、だれもが、その事項がそこに記載されているのと同然であると理解するような事項であるといえなければならず、その事項について説明を受ければ簡単に分かる、という程度のものでは、自明ということはできないというべきである。』とされている(東京高等裁判所平成15年7月1日判決・平成14年(行ケ)第3号)。 複数のピンが一列に一体となってバー状になった構成以外の構成(『ピンバー』が存在しない構成)は、明らかに、原出願の現実に記載されたものに接した当業者であれば、だれもが、その事項がそこに記載されているのと同然であると理解するような事項ではないから、原出願の当初明細書の記載から自明な事項でなく、原出願に記載されていたものと認められるものではない。」(弁駁書第12ページ第9~20行) (2)無効理由3について ア 「(ア)甲第2号証に記載された発明 甲第2号証の第2頁の写真・・・には、ベース上に複数のペグ(pegs)が2列に並べられた編み機が開示されている。また、甲第2号証の第2頁第5段落(第16行乃至第32行)には、ペグが互いに向かい合うように2列に敷き詰められることが開示されている。複数の各ペグは、ベースから上方に直立し、正面側にペグの直立方向に沿った溝と、他の部分よりも径が大きくなった上端部を備えている。溝には、かぎ針を挿入して、ペグに掛けられた編み目を引っ掛けることができる。上端部は、他の部分よりも径が大きいので、編み目がペグから外れるのを防止できる。甲第2号証の第2頁第6段落(第33行乃至第36行)には、ペグからループを持ち上げてはずし網み目を作るために使用される編み具(かぎ針)について開示されている。」(請求書第36ページ第2~12行、補正書第37ページ第2~12行) イ 「甲第2号証には、手編み用の編み機が開示されており、この編み機は、編み物製品を作成するための装置である。この編み機は、発明特定事項Aにおける『一連のリンクからなるアイテムを作成するための装置』に相当する。 なお、発明特定事項Aの『一連のリンクからなるアイテムを作成するための』は、本件特許発明1の『装置』の使用目的を示しているにすぎず、物の発明である『装置』自体の構成を示す部分ではない。 また、『リンク』とは、英単語の『link』を日本語読みしたものであるところ、『link』とは、『編み物の目』の意味である(甲第15号証乃至甲第17号証)。よって、『一連のリンクからなるアイテム』とは、一連の編み物の目からなるアイテム、すなわち、編み物製品のことを意味する。 ・・・ 甲第2号証には、複数のペグが立設されたベースが開示されており、これは発明特定事項Bの『ベース』に相当する。 ・・・ 甲第2号証には、ベース上に立設された複数のペグが開示されており、これは発明特定事項Cの『複数のピン』に相当する。 ・・・ 甲第2号証に記載の各ペグは、他の部分よりも径の大きい上端部を有し、この上端部は、ペグに掛けられた編み目を保持できるので、これは発明特定事項Dの『上部部分』に相当する。 甲第2号証に記載の各ペグの各前面には、溝が形成されており、これは、発明特定事項Dの『前面側の開口部』に相当する。 甲第2号証に記載の複数のペグは、2列に配置され、相互に離間され、且つ、ベースから上方に伸びている。 ・・・ 甲第2号証には、『装置』である編み機が開示されており、この編み機は、発明特定事項Eに相当する。」(請求書第37ページ下から第1行~第39ページ第8行、補正書第38ページ第10行~第39ページ下から第5行) ウ 「ア 訂正後本件特許発明1 ・・・被請求人は、訂正後本件特許発明1と甲第2号証との相違点について、訂正事項1及び2に相当する次の2点を挙げている(答弁書16頁14行目乃至19行目)。 (相違点1)本件発明1は、ブルニアンリンクならなるブルニアンリンクアイテムを作成するための装置であるのに対し、甲2発明は、編み糸からなる編み物を作成するための編み機である点。 (相違点2)本件発明1では、複数のピンの各々が、ピンの列の方向の前面側の開口部を含むのに対し、甲2発明のペグには溝は存在しない点。」(弁駁書第13ページ第1~13行) エ 「(ア)被請求人主張の相違点1について a.訂正事項1(被請求人が主張する相違点1)が発明の特定事項とならないこと 被請求人は訂正事項1を相違点1として主張するが、訂正事項1は発明を特定する事項ではない。よって、相違点となるものでもない。 ・・・『ブルニアンリンクアイテムを作成するための(キット)』という部分は、単に使用目的を示しているに過ぎず、物の発明である『キット』の構成を示すものではないので、訂正事項1は、何ら発明を特定する事項ではないのである。」(弁駁書第13ページ第14行~第14ページ第13行) オ 「平成27年6月5日最高裁判決(平成24年(受)1204号事件、裁判所HP)は、・・・特許請求の範囲に、物の発明において物自体の構造や特性等を特定する記載の他、その製法が記載されている場合についてのものであるところ、これは、物の発明において物自体の構造や特性等を特定する記載の他、その用途(使用目的)が記載されている場合についても同様の解釈がなされるべきである。よって、物の発明において用途が限定されていても、その部分は発明の特定事項としては解釈されないのである。 従って、最高裁判決の理解に従って考えた場合にも、ブルニアンリンクからなるブルニアンリンクアイテムを作成するためという用途限定部分は、訂正後本件特許発明1の発明特定事項となるものではないことは明らかである。」(弁駁書第15ページ第1~20行) カ 「訂正後本件特許発明における編み機の構造自体が、明細書及び図面の記載並びに出願時の技術常識を考慮しても、編み機が、『ブルニアンリンクアイテム』なるものを作成するという用途に特に適した物を意味していると解することはできないのであるから、この点においても、かかる用途限定部分が発明特定事項とならないことは明らかである。」(弁駁書第16ページ第3~7行) キ 「製造方法の発明についてではあるが、特許請求の範囲に記載された『子供乗物用タイヤ』の解釈が問題となった事案において、昭和55年10月31日大阪地裁判決(昭和50年(ワ)第3925号、裁判所HP)は、・・・特許請求の範囲に記載されていても『子供乗物用』に限定して解釈されない旨を判示した。 本件においても、訂正後本件特許発明は、編み機の構造に特徴がある物の発明であり、用途に発明の特徴を有するいわゆる用途発明などではないのであるから、かかる裁判例からしても、『ブルニアンリンクアイテム』なるものを作成するためのという部分が発明特定事項とならないことは明らかである。」(弁駁書第16ページ第8~19行) ク 「b.甲第2号証と同一の構成を有する編み機によっても「ブルニアンリンク」なるものを容易に制作することができること ・・・ 甲第2号証と全く同一の構造を有する編み機によって『ブルニアンリンク』を作成し、また、『ブルニアンリンク』からなるアクセサリーを容易に作成できることは明らかであり、そもそもその編み機を用いて何を作成するかは、編み手が自由に決めるものであるから、いずれにしても、訂正事項1は甲第2号証との相違点とならないことは明らかである。」(弁駁書第16ページ第20行~第24ページ第5行) ケ 「c.被請求人自身が甲第2号証に開示された編み機と同一の構造を有する編み機で『ブルニアンリンク』が編めると自認していること ・・・ 甲第2号証と全く同一の構造を有する編み機によって『ブルニアンリンク』を作成し、また、『ブルニアンリンク』からなるアクセサリーを容易に作成できることは被請求人自身も認めるところであり、いずれにしても、訂正事項1は甲第2号証との相違点とならないことは明らかである。」(弁駁書第24ページ第6行~第25ページ第3行) コ 「(イ)被請求人主張の相違点2について a.甲第2号証のペグには溝が存在すること 被請求人は、相違点2として、訂正後本件特許発明1では、複数のピンの各々がピンの列の方向の前面側の開口部を含む(発明特定事項Dの訂正事項2)のに対し、甲2発明のペグには溝は存在しない点を挙げている(答弁書19頁下から10行及び下から9行目)。 しかしながら、この点、審判請求書手続補正書の第37頁図1の写真、あるいは甲第2号証の『Knitty:Spring 2007』と題するウェブページ・・・から明らかなように、甲第2号証のペグにはアクセス溝(開口部)が開示されており、被請求人の主張は明らかに誤りである。」(弁駁書第25ページ第4~14行) サ 「b.開口部の位置は単なる設計事項であること ・・・ (a).弾性バンドを編む方向と同じ方向に開口部が存在する必要はないこと ・・・そもそも、訂正後本件特許発明は、複数のピンが配置されたピンバーを、(1本の場合を含むにしても)複数本備える編み機、すなわち、本件特許公報の図1、図12、図13及び図17のとおり、複数のピンバーからなる編み機であり、横に並んでいる隣の列のピンに弾性バンドを掛けることや、斜めの方向に存在するピンに弾性バンドを掛けること等様々な場合が想定されており、被請求人が敢えて取り上げた列方向に編む場合の他、列方向に対して直角方向に編む場合、また、斜めに編む場合と様々な向きに編むことが想定されている・・・ (b).弾性バンドを編む方向と直角の方向に開口部が存在しても容易に編めること ・・・開口部が外側を向いていようが、ピンの列の方向の前面上に位置させようが、容易にブルニアンリンクを作成できることに違いはないのであるから、開口部をどの方向に位置づけるかは当業者の通常の創作能力の発揮の範疇であることは明らかである。 以上のとおり、開口部の位置がいずれの向きであるかは、ブルニアンリンクからなるアイテムを作成するにあたり何の技術的意義を有さず、開口部の位置は、当業者が編み機を製造するにあたり適宜選択する事項に過ぎず、単なる設計事項に過ぎないことは明らかである。」(弁駁書第25ページ第15行~第29ページ下から第10行) シ 「c.被請求人の主張が失当であること この点、上記のとおり、被請求人の主張は、ピンの列方向に沿って弾性バンドを編んでいくという特定の方法のみを想定した主張であるところ、上記図13乃至図15のとおり、開口部が外側を向いていてもピンの列方向に沿って弾性バンドを編むことは容易である上、そもそも、上記図1乃至図11のとおり、ピンの列方向に沿って弾性バンドを編む以外にもブルニアンリンクからなるアイテムを作成する方法は無限に存在する。そしてブルニアンリンクからなる無尽のバリエーションのアイテムを作成するという本件特許発明の目的を考えれば、ほぼ無限に想定されるブルニアンリンクの編み方のうち、特定の編み方に適合するように編み機の構造を設計する必要は全くない。」(弁駁書第29ページ下から第9行~第30ページ第1行) ス 「(ウ)相違点1に係る構成(訂正事項1)は甲第3号証に記載された構成又は周知慣用技術であること ・・・被請求人が主張するところの相違点1は、相違点ではないことは明らかであるが、仮にこの点を相違点ととらえたとしても、かかる相違点は当事者において容易に想到できるものであり、進歩性がないことは明らかである。 すなわち、平成15年8月27日東京高裁判決(平成14年(行ケ)第376号、裁判所HP)は、・・・『しかして、特定の発明に係る物の新しい性質、機能を発見し、これを本来想定していた用途と異なる用途に利用することが、用途発明として上記物の発明とは別異の発明としての評価を受けることはあり得ることである。しかしながら、特定の発明に係る物が有する本来の性質、機能と異なる性質、機能を利用するといっても、その性質、機能が従来の公知技術から当業者において容易に想到できるものである場合や、それらが周知事項に属するものである場合には、少なくとも、その用途に係る発明に進歩性を認めることはできないというべきである。』と判示している。 この点、本件においては、・・・そもそも、用途発明として評価を受けるようなものでないことは明らかな上、仮に、そのような評価を受けるとしても、従来から存在する構造の編み機でブルニアンリンクアイテムなるものを作成する(すなわち、被請求人の主張によると、閉じたループを編むこと)ということは、以下のとおり甲第3号証に閉じたループ材料を編み機で編むことが開示されていることや、周知慣用技術(甲第3号証乃至甲第6号証)からすると、当業者が容易に想到できるものであることは明らかであり、進歩性がない。」(弁駁書第31ページ第3行~第32ページ第7行) セ 「d 本件特許発明の構成が本件特許出願の優先日前に周知であったこと ・・・本件特許発明1は、当業者が、その特許出願前に頒布された甲第2号証に記載された発明に基づいて用意に発明することができたものであるが、甲第2号証は、数ある無効資料のうちの1つに過ぎず、甲第2号証と同様の構造を有する編み機は、以下のとおり、本件特許出願の優先日前から、多数の刊行物に開示されており、また昭和54年ころから今日に至るまで長年に亘り市場で多数販売されている。」(補正書第53ページ第6~12行) ソ 「イ 訂正後本件特許発明3 審判請求書において詳述したとおり、甲第2号証には、訂正後本件特許発明3の発明特定事項Fが開示されている。」(弁駁書第34ページ第12~14行) タ 「ウ 訂正後本件特許発明6 ・・・ 上記訂正後本件特許発明1と同様に、訂正後本件特許発明6の訂正事項1(発明特定事項G-1)は発明の特定事項ではないから、訂正後本件特許発明6と甲第2号証との相違点は発明特定事項Hにおける訂正事項2のみであり、訂正事項2は単なる設計事項であるから、訂正後本件特許発明6は、甲第2号証に基づいて進歩性がない。 また仮に訂正事項1が発明の特定事項であるとしても、訂正事項1は、甲第3号証に記載された構成であるか、または周知慣用技術であるから、訂正後本件特許発明6は、依然として、甲第2号証及び甲第3号証、又は甲第2号証及び周知慣用技術(甲第3号証乃至甲第6号証)に基づいて進歩性がない。」(弁駁書第34ページ第19行~第35ページ第5行) チ 「エ 訂正後本件特許発明7 審判請求書において詳述したとおり、甲第2号証には、訂正後本件特許発明7の発明特定事項Kが開示されている。」(弁駁書第35ページ第6~8行) ツ 「オ 訂正後本件特許発明8 ・・・審判請求書において詳述したとおり、甲第4号証には、一連のリンクの端部を留める『a connecting loop 24』(甲第4号証記載のFIG.3、第3欄42行乃至46行参照)が開示され、甲第5号証には、クリップ(甲第5号証記載のFIG.1乃至FIG.12参照、これらの図のリングの上部には、ゴムバンドのリンクの両端を留めているクリップがある。)が開示され、甲第7号証には、フック(甲第7号証記載のFIG.1参照)が開示されている。さらに甲第8号証には、環状体を連結したリンクの両端を留めるU字型の『弾性杆14』(甲第8号証記載の図1及び図3参照)が開示されている。内向きに面した端部を有するクリップの形状は、甲第7号証の『フック』及び甲第8号証の『弾性杆14』に加えて、甲第9号証にも開示されており、きわめてありふれた技術である。 以上により、発明特定事項Lの『クリップ』は、訂正後本件特許発明8の特許出願前の周知慣用技術であることが明らかである。」(弁駁書第35ページ第13行~第36ページ第2ページ) テ 「カ 訂正後本件特許発明10 審判請求書において詳述したとおり、甲第2号証には、訂正後本件特許発明10の発明特定事項Mが開示されている。」(弁駁書第36ページ第13~15行) ト 「キ 訂正後本件特許発明11 審判請求書において詳述したとおり、甲第2号証には、訂正後本件特許発明11の発明特定事項Nが開示されている。」(弁駁書第36ページ下から第7~5行) ナ 「ウェイバック・マシンとは、世界中のウェブ情報を代表とする様々なデジタル情報をアーカイブ(保存)している非営利法人であるインターネットアーカイブが提供するサービスであり、ウェブページを収集、アーカイブ(保存)し、収集時点のウェブページを閲覧に供するサービスである。・・・ウェイバック・マシンにより取得されたウェブアーカイブは、民事訴訟手続上、一般的に証拠として採用されており・・・、また、世界知的所有権機構作成に係る平成26年7月1日付け『PCT国際調査及び予備審査ガイドライン』(甲第33号証:154頁)では、ウェブサイトの公開日を知るための技術的手段として、ウェイバック・マシン上を利用して取得したウェブページ情報を掲げており、ウェイバック・マシンを利用して取得した過去のウェブページ情報は、国際調査及び国際予備審査の実務においても一般的に信用性が認められているものである。 ・・・そもそも、甲第14号証の1及び2は、甲第2号証が2007年3月頃に公開されていたことを補強するための証拠であるところ、上記のとおり、甲第2号証自体に『Kinitty : Spring 2007』と印字されており、このことのみをもっても、甲第2号証が、2007年春には作成、公開されていることが十分に推認できるものである」(平成27年10月5日付け口頭審理陳述要領書(2)第3ページ第10行~第4ページ第11行) (3)無効理由5について ア 「(イ)甲第10号証に記載された発明 ・・・甲第10号証には、手編み用の編み機であって、フレーム部材1と、フレーム部材1上にサポートされた複数のピン5と、を有し、複数のピン5の各々は、糸を保持するための平板状の部分9と、複数のピン5の各々の前面の溝7と、を有し、複数のピン5は、2列に配置され、相互に離間され、且つフレーム部材1から上方に伸びている編み機に係る発明が開示されている。」(請求書第68ページ第1~7行、補正書第68ページ第1~7行) イ 「甲第10号証には、手編み用の編み機が開示されており、この編み機は、編み物製品を作成するための装置である。この編み機は、発明特定事項Aにおける『一連のリンクからなるアイテムを作成するための装置』に相当する。 ・・・ 甲第2号証(当審注:甲第10号証の誤記)には、複数のピン5が立設されたフレーム部材1が開示されており、これは発明特定事項Bの『ベース』に相当する。 ・・・ 甲第10号証には、フレーム部材上に立設された複数のピンが開示されており、これは発明特定事項Cの『複数のピン』に相当する。 ・・・ 甲第10号証に記載の各ピン5は、上部に、他の部分よりも径の大きい平板状の部分9を有し、この平板状の部分9は、ピン5に掛けられた糸を保持できるので、これは発明特定事項Dの『上部部分』に相当する。 甲第10号証に記載の各ピン5の各前面には、溝7が形成されており、これは、発明特定事項Dの『前面側の開口部』に相当する。 甲第10号証に記載の複数のピン5は、2列に配置され、相互に離間され、且つ、フレーム部材1から上方に伸びている。 ・・・ 甲第10号証には、『装置』である編み機が開示されており、この編み機は、発明特定事項Eに相当する。」(請求書第68ページ第15行~第69ページ下から第3行、補正書第68ページ第15行~第69ページ下から第3行) ウ 「ア 訂正後本件特許発明1 ・・・被請求人は、訂正後本件特許発明1と甲第10号証との相違点について、訂正事項1及び2に対応する次の2点を挙げている(答弁書24頁14行目乃至20行目)。 (相違点1)本件発明1は、ブルニアンリンクならなるブルニアンリンクアイテムを作成するための器具であるのに対し、甲10発明は、毛糸からなる編み物を作成するための編み機である点。 (相違点2)本件発明1では、複数のピンの各々が、ピンの列の方向の前面上の開口部を含むのに対し、甲10発明では、複数のピンの各々が、ピンの列の方向の横面上の開口部を含む点。」(弁駁書第37ページ第11~24行) エ 「(ア)被請求人主張の相違点1について ・・・『前記リンクはブルニアンリンクであり、前記アイテムはブルニアンリンクアイテムであり、』の限定は、『装置』の用途限定であり、訂正後本件特許発明1の構成となるものではなく、訂正事項1は甲第10号証との相違点となるものではない。また、甲第10号証に記載された編み機においてもブルニアンリンクなるものを作成することは容易であり、かかる観点からも相違点となり得ないことは、上記・・・において主張した内容と同様である。」(弁駁書第37ページ下から第2行~第38ページ第6行) オ 「仮に、訂正事項1が相違点として捉えられるとしても、訂正後本件発明1は、依然として、甲第10号証及び甲第3号証、又は甲第10号証及び周知慣用技術(甲第3号証乃至甲第6号証)に基づいて進歩性がない。すなわち、この場合においても、訂正事項1は、上記・・・で述べたとおり、甲第3号証には、閉じたループ材料を使用して編むことができる手編み機が開示されており、甲第3号証乃至甲第6号証には、複数のループ状のものを編んで繋げることが開示されているから、甲第3号証に記載された構成であるか、又は周知慣用技術である。」(弁駁書第39ページ第2~8行) カ 「(イ)被請求人主張の相違点2について ・・・甲第32号証や甲第25号証に示されるように、ピンの横面に溝がある甲10発明と同一構成の編み機を用いてブルニアンリンクを容易に作成でき、開口部の向きは何ら技術的意義を有さないから、被請求人の主張は誤りである。よって、訂正事項2は、単なる設計事項であり、訂正後本件特許発明1は、甲第10号証に基づいて進歩性がない。」(弁駁書第38ページ第7行~第39ページ第1行) キ 「イ 訂正後本件特許発明3 審判請求書において詳述したとおり、甲第10号証には、訂正後本件特許発明3の発明特定事項Fが開示されている。」(弁駁書第39ページ第12~14行) ク 「ウ 訂正後本件特許発明6 ・・・ 上記訂正後本件特許発明1と同様に、訂正後本件特許発明6の訂正事項1(発明特定事項G-1)は発明の特定事項ではないから、訂正後本件特許発明6と甲第10号証との相違点は発明特定事項Hにおける訂正事項2のみであり、訂正事項2は単なる設計事項であるから、訂正後本件特許発明6は、甲第10号証に基づいて進歩性がない。 また仮に訂正事項1が発明の特定事項であるとしても、訂正事項1は、甲第3号証に記載された構成であるか、または周知慣用技術である」(弁駁書第39ページ下から第7行~第40ページ第5行) ケ 「エ 訂正後本件特許発明7 審判請求書において詳述したとおり、甲第10号証には、訂正後本件特許発明7の発明特定事項Kが開示されている。」(弁駁書第40ページ第8~10行) コ 「オ 訂正後本件特許発明8 審判請求書において詳述したとおり、訂正後本件特許発明8の発明特定事項Lは、甲第4号証乃至甲第9号証に開示されており、周知慣用技術である。」(弁駁書第40ページ第15~17行) サ 「カ 訂正後本件特許発明10 審判請求書において詳述したとおり、甲第10号証には、訂正後本件特許発明10の発明特定事項Mが開示されている。」(弁駁書第40ページ下から第5~3行) シ 「キ 訂正後本件特許発明11 審判請求書において詳述したとおり、甲第10号証には、訂正後本件特許発明11の発明特定事項Nが開示されている。」(弁駁書第41ページ第3~5行) (4)無効理由6について ア 「本件特許出願の当初明細書等(甲第11号証)には、上記・・・において同じ内容の本件原出願の当初明細書等について述べたとおり、『ピンバー』の構成を欠く装置やキットに関する記載は一切ない。すなわち、本件特許出願の出願時の特許請求の範囲、明細書の発明の詳細な説明、図面等には、『ピンバー』を必須の構成とする発明しか開示されておらず、これらのいかなる部分を参酌しても、『ピンバー』を必須の構成としない技術思想(上位概念たる技術思想)は、一切記載されていない。」(請求書第82ページ下から第7~1行、補正書第82ページ下から第7~1行) イ 「本件特許出願において行われた補正は、上述のとおり、『ピンバー』の構成を削除し、『発明特定事項を概念的に上位の事項に補正』しており、複数のピンがばらばらにベース上にサポートされる場合など、『当初明細書等に記載した事項以外のものが追加』されている。また、ピンバーをベースに取り付けて、ピンバーとベースの組み合わせを図るものだけではなく、各ピンをばらばらの状態でベースに取り付けるものも含み、ピンのベースに対する配置例が増すことは明らかであるから、『補正により新たな技術上の意義が追加されないことが明らかな場合』には相当しない。 よって、本補正は、発明特定事項を削除し上位概念化して、当初明細書等に記載した事項以外のものが追加されることになる場合であり、当初明細書等に明示的に記載した事項及び当初明細書等の記載から自明な事項に補正するものではないから、当初明細書等の記載の範囲内においてするものではない。」(請求書第83ページ第5~16行、補正書第83ページ第5~16行) (5)無効理由7について ア 「ア サポート要件違反による無効 ・・・請求項1及び6における補正によって追加された、『ピンバー』の構成を欠く発明は、そもそも、本件特許の出願当初明細書等に一切記載されていないのであるから、明細書(甲第12号証)の発明の詳細な説明に記載されたものではない。」(請求書第84ページ第2~6行、補正書第84ページ第2~6行) イ 「イ 実施可能要件違反による無効 『ピンバー』の構成を欠く発明について、本件特許の明細書の発明の詳細な説明には一切記載されていない。すなわち、本件特許の明細書の発明の詳細な説明において、『ピンバー』の構成を欠く発明についての具体的な実施の形態や実施例が全く記載されていない。」(請求書第84ページ第9~13行、補正書第84ページ第9~13行) 第5 被請求人の主張 1 要点及び証拠方法 これに対し、被請求人は、以下の理由、証拠方法に基づき、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めている。 乙第1号証 Dale Rolfsen, “Knots and links”, AMS Chelsea Publishing, Reprinted with corrections by American Mathematical Society, 2003、中表紙、中表紙裏、67頁 乙第2号証 平成2年(ワ)2886号、平成3年(ワ)9996号判 決文 乙第3号証 請求人の製品「ファンルーム」に同梱された「ファンルー ム取扱説明書」 乙第4号証 被請求人の別製品「モンスターテイル」に同梱された「説 明書」 以上の証拠方法は、平成27年9月24日付け口頭審理陳述要領書に添付されたものである。また、これらの証拠方法の成立については、当事者間に争いはない(第1回口頭審理調書【無効2015-800035について】請求人側項目「6」参照)。 2 主張の概要 被請求人の主張の概要は、以下のとおりである。 (1)無効理由1に対する反論 ア 「a 原出願に記載された発明の課題 ・・・原出願の発明の課題は、ブルニアンリンクないしブルニアンリンクアイテムを容易に作成できる装置を提供することである。 ・・・ベースとピンバーを様々に組み合わせ、『無尽のバリエーション』を提供することは、本件原出願の一実施形態における追加の効果であるに過ぎない。」(答弁書第8ページ第1~35行) イ 「b 原出願に記載された発明の構成 前記原出願に記載された発明の課題に鑑みれば、本件発明1の構成『ベース上にサポートされた複数のピン』は原出願の明細書に記載されたものである。その理由1及び2は、以下の通りである。 (b-1)理由1 原出願において、ピンはピンバーに含まれる(段落0011)。したがって、ピンバーがベースに支持される場合、ピンとベースの関係に着目すれば、ピンはベースに支持されるものである。 一方、原出願に記載の装置を用いてブルニアンリンクを作成する場合、ピンバーは常にベースに支持されているものである。したがって、ブルニアンリンクアイテムを作成する場合、ピンはベースに支持されるものである。 ・・・ (b-2)理由2 ・・・原出願に記載されたブルニアンリンクアイテム作成原理においては、ピンが相互に不動の関係にあれば足り(すなわちピンがベースに対して固定されていれば良く)、ピンバーが存在するか否かとは無関係である。実際、段落0020及び段落0021の記載にピンバーの文字は現れない。 換言すれば、図14A~14Cに記載されたキットは、その技術思想を見るとき、図1に記載された図1、図4乃至図12に記載されたキットのように、ピンがピンバーを介してベースに支持されているものと見ることができるが、ピンが個々にベースに支持されているものと見ることもできるのである。」(答弁書第9ページ下から第2行~第12ページ下から第13行) ウ 「本件発明1は、原出願(特願2013-537663)の出願当初の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項である。 ・・・ 以上のとおり、本件発明1、3、6、7、8、10、11の出願日は何れも、原出願の出願日の平成23年6月23日と見なされ、甲第1号証は本件発明1、3、6、7、8、10、11の先行技術文献とはならない。」(答弁書第14ページ第1~26行) エ 「訂正後本件発明の構成が、原出願に記載されているか否かの判断については、明細書及び特許請求の範囲の補正に関する『新規事項』の判断と同様に、当該発明の構成が、『当初明細書等に記載した事項』の範囲内であるか否かにより判断されるべきものである。 ここで、『当初明細書等に記載した事項』とは、当業者によって、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項であると解される(『明細書又は図面に記載した事項』とは、当業者によって、明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項であり、補正が、このようにして導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるときは、当該補正は、『明細書又は 図面に記載した事項の範囲内において』するものということができる。」(平成27年9月24日付け口頭審理陳述要領書第7ページ下から第14~3行) オ 「前記明細書の記載から理解されるように、原出願の当初明細書の記載を総合することにより導かれる技術的事項は、複数のピンを一列に配置し、当該ピンの列の方向の前面側に開口部(アクセス溝)を設けた装置を用いることにより、一連のブルニアンリンクからなるブルニアンリンクアイテムを容易に作成することができる、ということである。」(平成27年9月24日付け口頭審理陳述要領書第8ページ下から第17~13行) (2)無効理由3に対する反論 ア 「請求人は、甲第2号証の公知性を、甲第14号証の1及び2によって立証しようとしている。しかし、ウェイバック・マシンについては、その正確性が保証されるものではないため、甲第14号証の1及び2をもって直ちに、甲第2号証が2007年3月頃から閲覧可能な状態となっていたことを認めることはできないと考える(平成18年(行ケ)第10358号審決取消請求事件、裁判所ホームページ)。」(平成27年9月24日付け口頭審理陳述要領書第2ページ第5~10行) イ 「(3)本件発明1と甲2発明との対比 a 一致点及び相違点 本件発明1と甲2発明とは、ベースと、ベース上にサポートされた複数のピンを備えた器具であって、ピンは上部部分を有し、相互に離間されて複数の列に配置されている点で一致するが、以下の点において相違する。 (相違点1)本件発明1は、ブルニアンリンクからなるブルニアンリンクアイテムを作成するための装置であるのに対し、甲2発明は、編み糸からなる編み物を作成するための編み機である点。甲第2号証には、ブルニアンリンクについて記載も示唆もない。 (相違点2)本件発明1では、複数のピンの各々が、ピンの列の方向の前面側の開口部を含むのに対し、甲2発明のペグには溝は存在しない点。」(答弁書第16ページ第9~19行) ウ 「b 相違点1について ・・・ 本件発明1は、使用目的が限定された用途発明であり、本件発明1においてこの用途は、装置の単なる有用性を示すものではなく、請求項1に記載された具体的構成に示されるとおり、その用途に特に適した形状と構造を意味するものである。よって、この用途が、本件発明1を特定するための構成として実質的な意義を有することは明らかである。」(答弁書第16ページ第21行~第17ページ第18行) エ 「相違点1に関し、甲第2号証に、ブルニアンリンクに関する記載も示唆も無いことは上記のとおりであるが、加えて、甲2発明により本件明細書に記載のブルニアンリンクを作成することは、実用性が無い。 ・・・弾性バンドを引き出して装着を外すためには、フックツール(図14の符号16)が使用されるが、このフックツールを挿入するための開口部を、ピンの列方向の前面に設けることにより、ブルニアンリンクを簡便に作成することができる。 これに対し、甲2発明のペグには、開口部が存在しないため、フックツールを挿入して弾性バンドを引き出すことができない。仮に、甲2発明のペグに開口部が存在したとしても、それは、請求人も認めるとおり、ピンの列方向に対して横面である。 ・・・各ピンにおいてピンの列の方向の横面では、前後の弾性バンドが重なっている。したがって、ピンの横面に溝がある場合には、当該溝にフックを挿入しても、ピンの下方に掛かった弾性バンドを、ピンの上方に掛かった弾性バンドを避けて上方へ引き出すことは極めて困難であり、実用性が無い。 したがって、甲2発明をブルニアンリンクアイテムの作成に用いることは、意図されておらず、採用することがあり得ないことは明らかであり、当業者において動機付けが無いばかりか、阻害要因があると言わざるを得ない。」(答弁書第19ページ第14行~第20ページ第8行) オ 「上記相違点2について、上記のとおり、甲第2号証においては、甲第19号証の図1及び図2に記載されていると同様の編み方をすることが想定される。そうとすると、溝は必要な構成ではない。」(答弁書第21ページ第2~4行) カ 「(3)本件発明3と甲2発明との対比 本件発明3は、本件発明1の構成を全て備えた発明であるから、本件発明1と同様に、当業者が容易になし得た発明ではない。」(答弁書第21ページ第16~18行) キ 「(4)本件発明6と甲2発明aとの対比 上記のとおり、本件発明6と甲2発明aとの相違点は、本件発明1と甲2発明との相違点と実質的に同じである。 したがって、甲2発明aに基づき、相違点1a及び2aの構成を有する本件発明6に想到することは、当業者において容易になし得たことではない。」(答弁書第21ページ第19~23行) ク 「(5)本件発明7、8、10及び11と甲2発明aとの対比 本件発明7、8、10及び11は、いずれも、本件発明6の構成を全て備えた発明であるから、本件発明6と同様に当業者が容易になし得た発明ではない。」(答弁書第21ページ第24~26行) (3)無効理由5に対する反論 ア 「(3)本件発明1と甲10発明との対比 a 一致点及び相違点 本件発明1と甲10発明とは、開口部と上部部分を有し、列状に配置されたピンをサポートするベースを含む器具である点で一致するが、以下の点において相違する。 (相違点1)本件発明1は、ブルニアンリンクからなるブルニアンリンクアイテムを作成するための器具であるのに対し、甲10発明は、毛糸からなる編み物を作成するための編み機である点。甲第10号証には、ブルニアンリンクについて記載も示唆もない。 (相違点2)本件発明1では、複数のピンの各々が、ピンの列の方向の前面上の開口部を含むのに対し、甲10発明では、複数のピンの各々が、ピンの列の方向の横面上の開口部を含む点。」(答弁書第24ページ第9~20行) イ 「相違点1に関し、甲第10号証に、ブルニアンリンクに関する記載も示唆も無いことは上記のとおりであるが、加えて、甲10発明により本件明細書に記載のブルニアンリンクを作成することは、実用性が無い。・・・ 仮に、甲10発明の編み機を用いて困難な作業のうえブルニアンリンクを作成することができたとしても、それは、甲10発明の課題である『特定の種類の障害を持つ人が容易に使用できる』ものではないことは一目瞭然である。 したがって、甲10発明をブルニアンリンクアイテムの作成に用いることは、意図されておらず、採用することがあり得ないことは明らかであり、当業者において動機付けが無いばかりか、阻害要因があると言わざるを得ない。」(答弁書第26ページ下から第9行~第27ページ第5行) ウ 「上記相違点2について、甲10発明においては、甲第10号証の請求項1において特定されるとおり、開口部がピンの横面に形成されることは、甲10発明の課題を解決するために必要な構成である。 すなわち、甲10発明は、手の動きを強調させることが難しいような、障害を持つ人を含めて、編む人が、各ピンの溝にかぎ針を正しく置いて、編み目ルーを容易に係合させ得るような導入ガイドを提供することを課題とする発明であり、この課題を解決するために、具体的には、ピンの溝7に繋がる溝13が設けられ、これによりユーザが、かぎ針をピンの溝7に置くことが助けられるように構成されているのである(請求項1) そうすると、溝13を必須の構成とする甲10発明において、溝13に繋がる溝7を、本件発明1のようにピンの前面に形成することが不可能であることは明らかである。」(答弁書第27ページ下から第14~3行) エ 「(2)本件発明3と甲10発明との対比 本件発明3は、本件発明1の構成を全て備えた発明であるから、本件発明1と同様に、当業者が容易になし得た発明ではない。」(答弁書第28ページ第1~3行) オ 「(3)本件発明6と甲10発明aとの対比 上記のとおり、本件発明6と甲10発明aとの相違点は、本件発明1と甲10発明との相違点と実質的に同じである。 したがって、甲10発明aに基づき、相違点1a及び2aの構成を有する本件発明6に想到することは、当業者において容易になし得たことではない。」(答弁書第28ページ第4~8行) カ 「(4)本件発明7、8、10及び11と甲10発明aとの対比 本件発明7、8、10及び11は、いずれも、本件発明6の構成を全て備えた発明であるから、本件発明6と同様に当業者が容易になし得た発明ではない。」(答弁書第28ページ第9~11行) (4)無効理由6に対する反論 ア 「本件特許出願の出願当初の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項は、原出願(特願2013-537663)の出願当初の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項と同一である。 したがって、上記・・・で述べたと同じ理由により、本件発明1は、本件特許出願の出願当初の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内である。 ・・・ 上記述べたとおり、本件発明1は、ブルニアンリンクからブルニアンリンクアイテムを作成する装置であり、本件特許出願の出願当初の明細書、特許請求の範囲又は図面を見れば、このような装置において『ピンバー』が不要であることは自明である。 ・・・本件発明1では、『複数のピンは、複数の列に配置され』とされているのであり、『複数のピンがばらばらにべ一ス上にサポートされる場合』は排除されている。」(答弁書第28ページ下から第4行~第29ページ下から第7行) イ 「本件発明6も、上記本件発明1の場合と同様の理由により、本件特許出願の出願当初の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内である。」(答弁書第29ページ下から第2~1行) (5)無効理由7に対する反論 ア 「このサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明であって、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。 本件明細書に記載された発明の課題、及びプルニアンリンクの作成方法からすれば、本件原出願当初の請求項1記載の発明に規定されるとおり、ピンバーはベース上にサポート(支持)されたものであれば良いことは明らかである。つまり、『ベース』と『ピンバー』が一体構造であっても別体構造であっても、何ら変わることなく、ブルニアンリンクを容易に作成するとの本件発明の課題を解決できることを、本件明細書の発明の詳細な説明に基づき、当業者は認識するものである。両者が別体であるか一体であるかは、本件発明の技術的思想ないし本質とは無関係である。」(答弁書第30ページ第7~20行) イ 「この実施可能要件は、当業者が、明細書および図面に記載した事項と出願時の技術常識とに基づき、請求項に係る発明を実施することができる程度に、発明の詳細な説明を記載しなければならないことを求めるものであるところ、当業者がその技術常識に基づいても、ベースとピンバーが一体である、本件明細書に図示されたとおりの装置ないしキットを作り使用することができないとする理由が不明である。」(答弁書第30ページ下から第4行~第31ページ第2行) 第6 無効理由1、6及び7についての当審の判断 事案に鑑み、本件特許出願の出願日を確定するため、無効理由1における分割出願の適否について判断し、その後、無効理由1、6及び7を検討し、最後に、無効理由3及び5を検討する。 1 分割出願の適否について (1)前提 分割出願が適法であるためには、原出願の分割直前の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明の全部を分割出願に係る発明としたものでないことに加え、分割出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項が、原出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「原出願当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内であることが必要である。 その解釈は、後述する新規事項の解釈と同様に、分割出願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項が、原出願当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入したものと解されない場合であれば、原出願当初明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものというべきである(第4の3(1)ア、第5の2(1)エ)。 (2)本件原出願の記載事項 本件特許の原出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件原出願明細書等」という。)には、以下の記載がある。なお、下線は理解の便のため、当審にて付したものである。 A「【背景技術】 【0003】 独自に色付けされたブレスレットまたはネックレスを作るための材料を含むキットは、常にいくらかの人気を博してきた。しかしながら、そのようなキットは通常、異なる色に色付けされた糸およびビーズのような原材料を含むだけで、使用可能で望ましいアイテムを構築することは個人の技量と才能に依存する。従って、独自の装着可能なアイテムを作成するための材料を提供するのみでなく、望ましく耐久性のある装着可能なアイテムを成功裡に作成することを多くの技量および芸術的レベルの人々にとって容易するするように構築を簡略化もするキットについての必要と願望がある。」 B「【発明の概要】 【0004】 ブルニアンリンク(Brunnian link)とは、チェインを形成するために、別の閉じたループを捕捉するようにそれ自体上で二重化された閉じたループから形成されたリンクである。そのようなリンクを望ましいやり方で形成するのに、弾性バンドが利用されることができる。例示的キットおよびデバイスは、複雑な構成のブルニアンリンク物品の作成を提供する。しかも、例示的キットは、ブルニアンリンク組み立て技術を使って独自の装着可能な物品の成功する作成を提供する。」 C「【0005】 例示的キットは、少なくとも1つのベースによって望ましい特別な向きにサポートされたいくつかのピンバーを含む。望ましい特別な方向は、完成品の望ましいリンクされた構成に依存する。ベースとピンバーは、完成されたリンクの向きの無尽のバリエーションを提供するように、様々な組み合わせおよび向きに組み立てられ得る。しかも、可能な完成品の作成を更に拡張するために、追加のベースとピンバーが追加されることができる。」 D「【0006】 ピンバーの各々は、弾性バンドをその場に保持するためのフランジ状の上部部分と、前方アクセス溝を含む。前方アクセス溝は、ブルニアンリンクを形成するために、より下のバンドが掴まれて隣接するバンドの上で引っ張られることができるように、一番上の弾性バンドの下にフックが挿入されることを提供する。開示されたキットは、隣接するピンの多くの可能な向きと、従って完成されたリンクされた物品についての異なる向きおよびデザインを提供する。」 E「【発明を実施するための形態】 【0009】 図1を参照すると、図2に示されたブレスレット、ネックレスおよびその他の装着可能なまたは装飾的なアイテムのようなブルニアンリンクアイテムを作成するための例示的キットが10で指し示されている。」 F「【0010】 図3を参照すると、ブルニアンリンク20が、実際の結び目を形成することなく、連続的なループ状構造から形成されている。いくつかのリンクが、円形構造を形成するようにチェインに形成されている。端部がそれからしっかり留められて、耐久性のある装着可能なアイテムが作成される。この例では、3つの閉じたループ状のゴムバンドのような弾性アイテム20が単一のチェインを形成しているのが示されている。各リンクは、系列中の別のループ構造の中央部分24で1つのループ構造の端部22を捕捉することによって形成される。各リンクは、望ましい形状と一体性を維持することを前および後続のリンクに依存する。1つのリンク20を取り除くことは、全てのリンクがお互いからはずれるようになることに結果としてなる。」 G「【0011】 図1を参照すると、例示的キット10は、その各々が複数のピン26を含むピンバー14をサポートするベース12を含む。フックツール16が、バンドを1つのピン26から別のものへ掴んで動かすために含まれている。クリップ18は、リンクされたアイテムを完成してしっかり留めるために完成したリンクの端部を受け取る。ピンバー14と対応するピン26を望ましい揃えでサポートするために、示されたように1つまたはいくつかのピンバー14がいくつかのベース12に載置されている。この例では、中央のピンバー14が、2つの最も外側のピンバー14から1つ先にされている。この揃えは、望ましいリンクされたアイテムの作成を提供する。この例では、ピンバー14を望ましい相対的な向きにサポートするために、3つのベース12が利用されている。」 H「【0014】 ピンバー14は、単一の列に規定された複数のピン26を有する一体構造である。ピン26の各々は等距離Aの間隔を空けられている。ピン26の各々は、フランジ状上部38と前方アクセス溝40を含む。 【0015】 図6、7、8および9を参照すると、各ピン26は、バー部分42から上向きに伸長し、ゴムバンドを保持して間隔を空けるための特徴を含む。各ピン26は、リンクの作成中にゴムバンドの誤った開放を防止するために外向きにフレアー状になったフランジ状上部38を含む。アクセス溝40は、ピン26の中心に向けて内向きに伸長する縦方向の溝である。アクセス溝40は、バー部分42からフランジ状上部38との開放端まで伸長する。溝40は、ピン26の間でゴムバンドの端部を動かすために利用されるフックツール16(図1)の挿入のための間隙を提供する。」 I「【0020】 図14A-Cを参照すると、例示的キットによって提供されるブルニアンリンクを形成する方法は、弾性バンドを隣接するピン26上に装填する最初のステップを含む。この例では、一番右の端部で始まって各ゴムバンドが隣接するピンに渡って引き伸ばされ中央部分において保持される。第1の弾性バンド52が、隣接するピン26の第1のペアの間に置かれる。第2の弾性バンド54がそれから、前に組み立てられた第1の弾性バンド52の一端の上に置かれ、それから第3の弾性バンド56等々、望ましい数のゴムバンドが対応するピンバー14上に置かれるまで、となる。これらの例では、3つの弾性バンド52、54および56のみが説明の目的で示されているが、実際には、完成品の望ましい長さを提供するために多くの弾性バンドが利用され得ることに注意されたい。 【0021】 一旦弾性バンド52、54および56がピン26の各々の上に置かれると、フック16が、アクセス溝40中に挿入され、一番上の弾性バンド56を通り過ぎて下向きに動かされる。フック16はそれから、弾性バンド54の一端がフック端中に捕捉されることを許容するのに十分な距離だけ矢印58によって指し示された方向に溝から外向きに動かされる。更なる持ち上げは、図14Bに示されるように別の隣接するピン26上での組み立てのために第3の弾性バンド56の端部を通して60によって指し示された方向に第2の弾性バンド54の捕捉された端部を引っ張り上げる。捕捉された端部は、フランジ状上部38の上を越えて引っ張り上げられ、隣接するピン上に引っ張り戻されて、単一のリンクを形成する。弾性バンド54の捕捉された端部はそれから、隣接するピン26と係合するように開放される。このプロセスが、望ましい長さのリンクのチェインが得られるまで繰り返される。」 J「【0022】 図14A、14Bおよび14Cに描かれた例は、リンクの単一の列から形成されたチェインを描いている。リンク構成および組み合わせの幅広い種類を形成するように、例示的ベーステンプレート12は多くのピンバー14をサポートするように配列されることができ、従ってリンクは隣接するピンバー14に跨って縦方向および横方向に形成されることができる。」 K「【0027】 従って、例示的キットおよび方法は、ブレスレット、ネックレスおよびその他の装着可能なアイテムの作成のためにブルニアンリンクの多くの異なる組み合わせおよび構成の作成を提供する。しかも、例示的キットは、潜在的なブルニアンリンク作成の能力を更に作り出して拡張するために拡張可能である。更には、例示的キットは、そのようなリンクおよびアイテムの簡単なやり方での作成を提供して、様々な技量レベルの人々に独自の装着可能なアイテムを成功裡に作成することを許容する。」 L「【請求項1】 一連のリンクからなるアイテムを作成するためのキットであって、 ベースと、 ベース上にサポートされた少なくとも1つのピンバーであって、ピンバーは、各々がリンクを望ましい向きに保持するための上部フレアー状部分を含んだ複数のピンと、複数のピンの各々の前面上の開口部を含むものと、 を含むキット。」 (3)検討 記載事項Aには、背景技術として、ブレスレット又はネックレスといった独自の装着可能なアイテムを作成するキットは、従来、アイテムの原材料を含むだけであって、アイテムの作成は、個人の技量と才能に依存するという問題があったところ、個人の技量に依存することなく、様々な技量レベルの人々に、独自の装着可能なアイテムを簡単に作成するキットについての要望がある旨記載されている。 そして、記載事項B、E及びKをも踏まえれば、かかる背景技術は、「ブルニアンリンク」からなるアイテムである「ブルニアンリンクアイテム」を作成するキットについても当てはまるものと認める。すなわち、「ブルニアンリンクアイテム」を作成するキットは、従来、アイテムの原材料となる弾性バンドを含むだけであり、特にアイテムを作成するための装置は含まなかったことから、「ブルニアンリンクアイテム」の作成は、個人の技量に依存するという問題があったものと認める。 してみれば、本件原出願明細書等に記載された発明(以下「本件原出願発明」という。)のうち「キット」の発明の課題は、かかる問題を解決し、個人の技量に依存することなく、様々な技量レベルの人々に、「ブルニアンリンクアイテム」を簡単に作成するキットを提供することにあるものと認める(以下「本件課題」という。)。 ここで、「ブルニアンリンク」とは、記載事項B及びFによれば、「チェインを形成するために、別の閉じたループを捕捉するようにそれ自体上で二重化された閉じたループから形成されたリンク」(記載事項B)を意味し、「各リンクは、系列中の別のループ構造の中央部分24で1つのループ構造の端部22を捕捉することによって形成される」(記載事項F)ものであって、「各リンクは、望ましい形状と一体性を維持することを前および後続のリンクに依存」し「1つのリンク20を取り除くことは、全てのリンクがお互いからはずれるようになることに結果としてなる」(記載事項F)ものを意味すると解する。そして、かかる「ブルニアンリンク」の意味内容、及び記載事項Iの「ブルニアンリンクを作成する方法」に照らせば、「ブルニアンリンク」に該当するのは、複数の閉じたループないしリンクからなる「単一の列から形成されたチェイン」(記載事項J、閉じたループの数が3つの例は、下記図3を参照。)であって、閉じたループの数に応じたバリエーションのものだけが「ブルニアンリンク」に含まれるものと解する。 なお、「ブルニアンリンク」は、数学の位相幾何学の分野では、リンク全体としては絡み合いがあるが、これを構成する個々のループは絡み合いのない単純ループからなり、しかも、ループの任意の一つを切断すると他の全てのループもバラバラになるリンクを意味するものとして、公知の用語である(乙第1号証)。 そして、本件原出願発明のうち「キット」の発明についても、「例示的キットは、ブルニアンリンク組み立て技術を使って独自の装着可能な物品の成功する作成を提供する」(記載事項B)及び「例示的キットは、そのようなリンクおよびアイテムの簡単なやり方での作成を提供して、様々な技量レベルの人々に独自の装着可能なアイテムを成功裡に作成することを許容する」(記載事項K)との記載に照らせば、本件課題を解決するために、個人の技量に依存することのない「ブルニアンリンク」作成方法を「提供」するところに、その本質があり、かかる「ブルニアンリンク」作成方法の具体的内容は、記載事項I及び図14A~Cに記載されたとおりのものであると認める(以下「本件作成方法」という。)。 ここで、本件作成方法と本件原出願発明の「キット」の構造との関係について子細に検討する。本件作成方法(上記図14A~C参照)は、概略、列になって並んで、相互に不動の関係にある複数のピンに順次(例えば、図14Aに示すように右から順に)、弾性バンドを装填し、その後、当該弾性バンドを順に(図14では左から2番目から順に)、その装着を外して右のピンへ掛け戻していくことにより作成するものである。 本件作成方法においては、作成プロセスの全体にわたって、「ブルニアンリンク」の材料となる弾性バンドを「保持」(記載事項H)するものが各「ピン」であり、複数の弾性バンドないしリンクを「望ましい向き」(記載事項L)、すなわち「ピンの列の方向」(図14A~C)に「保持する」(記載事項L及びH)ものが列に配置された「複数のピン」であり、かかる機能を果たすことができるように、列に配置された「複数のピン」を「望ましい揃えでサポート」(記載事項G)するものが「ベース上にサポートされた」(記載事項L及びG)「ピンバー」であり、「ベース」である。 また、「ピンの列の方向」に「保持」された弾性バンドの装着を外して掛け戻していくステップにおいて、弾性バンドの「誤った開放を防止する」(記載事項H)ものが「上部部分」(記載事項D)ないし「フランジ状上部」(記載事項H)であり、弾性バンドの端部を動かすフックの「挿入のための間隙を提供する」(記載事項H)ものが「複数のピンの各々」の「ピンの列の方向」の前面側の「開口部」(記載事項L)ないし「前方アクセス溝」(記載事項H)である。 ここで、「複数のピン」と「ベース」の構造的関係について更に検討する。「複数のピン26を含むピンバー14をサポートするベース12を含む」(記載事項G)において「ベース」が「サポート」機能を有していることが記載されていること、「ピン26を望ましい揃えでサポートする」(記載事項G)において「ピン」が「サポート」される対象であることが記載されていること、及び、上記のとおり、複数のピンが列になって並んで相互に不動の関係にあることが本件作成方法の前提であること、を総合すれば、「ベース上にサポートされた複数のピン」(以下「本件技術的事項」という。)を導くことができる。 してみると、本件原出願明細書等に記載した事項から、本件原出願発明のうち「キット」の発明として、個人の技量に依存することのない「ブルニアンリンク」作成方法たる本件作成方法を「提供」するために、列に配置された「複数のピン」、「ベース」、「上部部分」、及び「複数のピンの各々」の「ピンの列の方向」の前面側の「開口部」の構成を全て併せ持つ装置であって、更に「ベース上にサポートされた」「ピンバー」を持つ装置の発明(以下「本件原出願発明A」という。)の群と、更に上記本件技術的事項を有する装置の発明(以下「本件原出願発明B」という。)の群の2つの発明群を導き出すことができる。 そうすると、本件原出願明細書等には、本件原出願発明A及びBの発明の群が開示されているところ、本件原出願発明Bの群を分割出願に係る発明としたものが本件特許出願であるといえるとともに、本件訂正発明1、3、6~8、10及び11が本件原出願発明Bの群に含まれることは明らかである。よって、本件特許出願は、適法な分割出願である。 請求人は、(a)本件原出願発明の課題は、これまで提供されてきた編み機では制作することができなかった無尽のバリエーションの編み物製品を容易に制作できるような編み機を提供することあること、及び、(b)本件原出願明細書等では、上記(a)の課題を解決する手段として、「ピンバー」及び「ベース」を様々な組み合わせ及び向きに組み立てることのできる構成の発明が記載されていることから、本件原出願発明において「ピンバー」は必須の発明特定事項であることは明らかである。「ピンバー」を必須の構成としない技術的思想を含む本件訂正発明は、本件原出願明細書等に記載されておらず、またそれらの記載から自明でもないから、本件特許出願は、分割要件を欠く不適法なものである旨主張する(第4の3(1)イ~エ参照)。 しかしながら、本件原出願発明の課題について、「ベースとピンバーは、完成されたリンクの向きの無尽のバリエーションを提供するように、様々な組み合わせおよび向きに組み立てられ得る」(記載事項C)という記載に照らして、請求人の指摘する課題が存在するとしても、かかる課題が唯一のものではないことは、本件課題に照らして明らかであるから、本件原出願発明において「ピンバー」は必須の発明特定事項であるという主張は、その前提において誤りである。また、本件原出願明細書等には、本件原出願発明Aの群のみならず、本件原出願発明Bの群が開示されているのは、上記検討のとおりである。したがって、請求人の主張は理由がない。 また、請求人は、平成15年7月1日東京高等裁判所判決を根拠として、「ピンバー」が存在しない構成は、本件原出願明細書等の記載から自明な事項ではない旨主張する(第4の3(1)キ参照)。しかしながら、「自明な事項」の解釈について判示した当該判決は、本件とはその前提(上記(1)参照)を異にするものであり、当審の判断を左右しない。 (4)小括 したがって、本件特許出願は、適法な分割出願であるから、本件原出願の出願日である平成23年6月23日に出願されたものとみなされる。 以下、本件特許出願はこの出願日に出願されたものとして、無効理由を判断する。 2 無効理由1について 上記1で検討したとおり、本件特許出願は適法な分割出願であるから、特許法第29条第1項第3号の規定の適用については、本件特許出願は、本件原出願の出願日である平成23年6月23日に出願されたものとみなされる。そうすると、それより後の平成25年12月19日に公表された甲第1号証を出願日前に公知となった文献として主張(第4の3(1)オ)する無効理由1はその前提において誤りであり、理由がない。 よって、無効理由1によっては、本件訂正発明1、3、6~8、10及び11に係る特許を無効にすることはできない。 3 無効理由6について (1)前提 新規事項か否かの判断は、補正が、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「出願当初明細書等」という。)のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入したものと解されない場合であれば、当該補正は、出願当初明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものというべきである(知的財産高等裁判所特別部判決平成18年(行ケ)第10563号、第5の2(1)エ)。 (2)本件特許出願の記載事項 本件出願当初明細書等に記載した事項は、本件原出願明細書等に記載した事項と同一である(甲第11及び13号証)。 (3)検討 上記1(1)及び上記(1)のとおり、「原出願当初明細書等に記載した事項の範囲内」の解釈と「出願当初明細書等に記載した事項の範囲内」の解釈は同じであるのに加えて、上記(2)のとおり、本件出願当初明細書等に記載した事項は、本件原出願明細書等に記載した事項と同一である。 そうすると、上記本件技術的事項を有する本件訂正発明は、上記1(3)で検討した理由と同様の理由により、本件出願当初明細書等に記載した事項から導き出すことができるといえる。 よって、本件出願当初明細書等の特許請求の範囲に記載された発明について、上記本件技術的事項を有する発明に変更する、平成26年1月30日付け及び平成26年6月4日付け手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)は、本件出願当初明細書等に記載した事項の範囲内でなされたものであるから、新規事項の追加に該当するものではない。 請求人は、本件補正は、各ピンをばらばらの状態でベースに取り付けて、ピンのベースに対する配置例を増すという新たな技術的事項を導入するものであるから、本件出願当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものではない旨主張する(第4の3(4)イ)。しかしながら、本件訂正発明1及び6の「複数のピン」は「複数の列に配置され、相互に離間され」るものであり、本件補正により、ピンのベースに対する配置例が増すことにはならない。よって、請求人の主張は理由がない。 (4)小括 以上のとおり、無効理由6によっては、本件訂正発明に係る特許を無効にすることができない。 4 無効理由7について (1)特許法第36条第6項第1号(サポート要件)違反について ア 前提 特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号で規定するサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである(知的財産高等裁判所特別部判決平成17年(行ケ)第10042号、第5の2(5)ア)。 イ 本件特許明細書等の発明の詳細な説明 本件特許明細書等の発明の詳細な説明の記載は、本件原出願明細書等の発明の詳細な説明の記載、及び、本件出願当初明細書等の発明の詳細な説明の記載と同一である(甲第11~13号証)。 以下では、上記記載事項A~Kは、本件特許明細書等の発明の詳細な説明の記載であるものとみなして、検討を行う。 ウ 検討 上記イのとおり、本件特許明細書等の発明の詳細な説明の記載は、本件原出願明細書等の発明の詳細な説明の記載と同一であるから、上記1(3)で検討した理由と同様の理由により、本件特許明細書等の発明の詳細な説明には、上記本件技術的事項を有する本件原出願発明Bと同じ発明(以下「本件特許明細書発明」という。)の群が開示されているものと認める。 そして、本件特許明細書発明は、本件原出願発明Bと同様に、上記本件技術的事項を有するものであるから、本件特許明細書発明の群に、上記本件技術的事項を有する本件訂正発明が含まれることは明らかである。 そうすると、本件訂正発明が、発明の詳細な説明に記載された発明であって、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件課題を解決できると認識できる範囲のものであると認められることから、本件特許に係る特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号で規定するサポート要件に適合する。 (2)特許法第36条第4項第1号(実施可能要件)違反について 上記本件技術的事項を有する本件訂正発明については、本件課題を解決するために、個人の技量に依存することのない「ブルニアンリンク」作成方法を「提供」するところにその本質があるのは、上記1(3)の検討から明らかであるところ、かかる「ブルニアンリンク」作成方法、すなわち本件作成方法は、記載事項I及び図14A~Cに、当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に記載されている。また、ベース、ピンといった、本件作成方法を「提供」する装置の各構成についても、本件特許明細書等に当業者が実施することができる程度に明確かつ十分に記載されている。 してみれば、本件技術的事項たる「ベース上にサポートされた複数のピン」の構造についても、本件特許明細書等の記載と技術常識を踏まえて、当業者がその実施をすることができるものであるから、本件特許明細書等の発明の詳細な説明の記載は、特許法第36条第4項第1号で規定する実施可能要件に適合する。 請求人は、本件特許明細書等には、「ピンバー」の構成を欠く発明についての具体的な実施の形態や実施例が全く記載されていないことをもって、実施可能要件を満たさない旨主張する(第4の3(5)イ)。しかしながら、具体的な実施の形態や実施例が記載されていないとしても、技術常識を踏まえれば実施可能なものであるから、請求人の主張は理由がない。 (3)小括 以上のとおり、無効理由7によっては、本件訂正発明に係る特許を無効にすることはできない。 第7 無効理由3及び5についての当審の判断 1 各甲号証の記載内容 請求人が提出した証拠である、甲第2~10号証には、以下の発明又は事項が記載されている。なお、下線は理解の便のため、当審にて付したものである。 (1)甲第2号証 甲第2号証は、「Knitty:Spring 2007」と題するウェブページ(http://www.knitty.com/ISSUEspring07/FEATloomknitting.html)をプリントアウトしたものであって、「How to knit needle-free」(編み針を使わずに編む方法)に関して、図面とともに、以下の事項が記載されている。 なお、記載箇所の特定は、甲第2号証として提出された、当該ウェブページをプリントアウトしたものによる。また、括弧内の日本語は、請求人による仮訳である。 ア 甲第2号証に記載された事項 (ア)第1ページ下から第2段落 「The term “knitting loom” is a broad name that covers the three types of looms available: rounds, single-sided rakes, and knitting boards. 」 (「編み物用編み機」という用語は、丸型、片面レーキ、編みボードという市販されている3つのタイプの編み機を含む広義の名称です。) (イ)第2ページ第4段落 「However, you will also find Single Sided Rakes as part of a the loom knitting world: It is a single bed of pegs, used specifically to make flat panels.」 (けれども、編み機編みの世界の一つとして、「片面レーキ」もあります。これは、一列に敷き詰められたペグで、特に、平らなパネル状のものを作るために使われます。) (ウ)第2ページ第5段落 「The Knitting Board is part of the family but it creates a fascinating fabric. This loom has a double bed of pegs facing each other, picture two Single Sided Rakes in front of each other with a small center gap that allows the knitting to pass through. Knitting boards are known by different names: double sided rakes, knitting frames or just frames. They produce a fabric that is double sided: no wrong side. Stitches are made by weaving the yarn from one side of the board to the other. 」 (「編みボード」も仲間の一つですが、非常に面白い編み地を作り出します。この編み機には、ペグがお互いに向かい合うように2列に敷き詰められています。2つの「片面レーキ」がお互いに向かい合い、その中心にはわずかな隙間があって、編んだものがそこを通ることができる様子を思い描いてください。編みボードは、両面レーキ、編み物用フレーム、あるいは単にフレームなど、様々な名称で知られています。編みボードからは、裏面のない両面編み地ができます。ボードの片側からもう片方へと糸をかけることで編み目ができます。) (エ)第2ページ第6段落 「Knitting Tool: a knitting tool is used to lift off the loops off the pegs to create stitches. It is a long piece of metal with an angled tip similar to a crochet hook.」 (編み具:編み具は、ペグからループを持ち上げて外し、編み目を作るために使われます。金属製の細長いもので、かぎ針と同様の曲がった先端部分があります。) (オ)第2ページ上から2番目の写真(以下「甲2写真」という。) 甲2写真は、「Knitting Board」(編みボード)の編み機を撮影したものと認められるところ、甲2写真から、ベース上に隙間を挟んで複数のペグが2列に並べられた編み機であって、複数のペグの各々は、上方に直立しており、他の部分よりも径が大きくなった上端部を備えているものが看取できる。 また、甲2写真からは、直接看取できないものの、甲第34号証(甲2写真の画像を電子コピーして記録したCD)によれば、間接的に、2列に並べられた複数のペグのうち、ベースの隙間手前の列にあって左端から少なくとも数本のペグには、ベースの隙間とは反対側のペグの面側にペグの直立方向に沿って形成された溝が看取できる。 (甲2写真に請求人が構成部分の名称を付した図) (カ)上記摘記事項(ウ)及び(エ)並びに技術常識に照らせば、上記認定事項(オ)の「溝」には、かぎ針を挿入して、ペグに掛けられた編み目を引っ掛けることができること、また、上記認定事項(オ)の「上端部」は、編み目がペグから外れるのを防止できるものと認められる。 イ 甲第2号証記載の発明 そこで、上記摘記事項(ア)~(エ)並びに上記認定事項(オ)及び(カ)を、図面を参照しつつ技術常識を踏まえて、本件訂正発明1に照らして整理すると、甲第2号証には、以下の発明が記載されているものと認める(以下「甲2発明」という。)。 「編み物を作成するための編み機であって、 ベースと、 ベース上に2列に並べられた複数のペグと、を備え、 複数の各ペグは、編み目がペグから外れるのを防止するための、他の部分よりも径が大きくなった上端部と、ベースの隙間とは反対側のペグの面側にペグの直立方向に沿って形成された溝であって、かぎ針を挿入して、ペグに掛けられた編み目を引っ掛けることができる溝とを有し、複数の各ペグは、ベースから上方に直立している、 編み機。」 (2)甲第3号証 ア 甲第3号証に記載された事項 甲第3号証には、「Hand twining looms」(手編み用の編み機)に関して、図面とともに、以下の事項が記載されている。なお、括弧内の日本語は、請求人による仮訳である。 (ア)「ABSTRACT」(要約) 「An apparatus and method for twining or weaving. The apparatus includes a plurality of elongated loom fingers and a loom. Each of the loom fingers is elongated, has first and second symmetrical tapered ends, and has an elongated groove running the entire length thereof. The loom includes: a first support that includes at least one plate-like member having a plurality of through holes therein which loosely support the loom fingers in a substantially parallel manner; a second support that has a finger engagement surface which, in the assembled form, is adopted to engage one of the ends of each loom finger being used; and structure for detachably supporting the plate-like member altitudinally with respect to the second support. In operation, to disengage the loom fingers, the plate-like member is moved relative to the second support and, then, the plate-like member is moved toward the end of the loom fingers which had previously been in contact with the finger engagement surface.」 (巻付け又は織りのための装置及び方法である。当該装置は、複数の細長い編み機フィンガと編み機とを含む。編み機フィンガのそれぞれは、細長くされ、第1及び第2の左右対称テーパ端を有し、また、その全長に延在する細長い溝を有する。編み機は、編み機フィンガを実質的に平行に緩く支持する複数の貫通孔をその中に有する少なくとも1つのプレート状部材を含む第1の支持体と、組み立てられた状態では、使用されている各編み機フィンガの端のそれぞれに係合するように適用されたフィンガ係合面を有する第2の支持体と、プレート状部材を第2の支持体に対して高さ方向に取り外し可能に支持する構造体とを含む。動作時、編み機フィンガを外すためには、プレート状部材は、第2の支持体に対して動かされ、次に、プレート状部材は、フィンガ係合面とそれまで接触していた編み機フィンガの端に向かって動かされる。) (イ)第1欄第5~7行 「The present invention relates generally to devices for performing handicraft activities, and more particularly to hand weaving looms.」 (本発明は、概して、手工芸活動を行うためのデバイス、より具体的には、手編み機に関する。) (ウ)第3欄第21~24行 「The invention also contemplates the use of closed loop material as the weft, wherein the finger on which one loop ends is the same finger for starting the next loop.」 (本発明は更に、横糸として閉じたループ材料を使用することも想定し、1つのループが終わるフィンガは、次のループを始めるためのフィンガと同じである。) (エ)第3欄第59~62行 「With reference to FIGS. 1-3, loom 11 includes a base 13, two loom finger positioning end plates 151-2, intermediate loom finger positioning plates 171-4, and a plurality of loom fingers 191,2,3...n.」 (図1ないし図3を参照するに、編み機11は、ベース13と、2つの編み機フィンガ位置決めエンドプレート151、2と、中間編み機フィンガ位置決めプレート171-4と、複数の編み機フィンガ191、2、3、…nとを含む。) (オ)第4欄第48~52行 「As is evident from FIGS. 2 and 3, each loom finger 19 has symmetrical ends 731 and 732, symmetrical tapered portions 751, 752 and an elongated groove 77 running the entire length thereof, which results in a C-shaped cross-section.」 (図2及び図3から明らかなように、各編み機フィンガ19は、左右対称端731、732と、左右対称テーパ部751、752と、その全長に延在し、C字型断面をもたらす細長い溝77とを有する。) (カ)第5欄第24~27行 「it is preferred to use closed loop material made from fabric which has some elasticity, such as closed loops made from T-shirt type material.」 (Tシャツタイプの材料から作られる閉じたループといった、幾らか弾性のある布から作られる閉じたループ材料を使用することが好適である。) (キ)第5欄第28~45行 「With reference to FIGS. 7A, 7B, 7C and 7D, the preferred and what is believed to be a unique weaving technique is illustrated. As illustrated in FIGS. 7A and 7B the closed loop weft 1011 is simultaneously wrapped around opposite sides of each loom finger 191,2. When the user reaches the end of a row, Weft 1011 is double turned around loom finger 193, as illustrated in FIG. 7C. Weaving or twining of weft 1011 can proceed from left-to-right and then back (i.e., from right-to-left), which encourages the user to use opposite hands. Alternately, the position of loom 11 can be rotated 180°, as illustrated in FIG. 7C. The ending of weft 1011 is illustrated in FIG. 7D, as is the starting of a second weft 1012. The first loop of the second weft 1012 always goes on the same loom finger 193 as the previous weft 1011 ended on. This procedure eliminates two of the major chores of conventional weaving: knotting and burying ends.」 (図7A、図7B、図7C及び図7Dを参照するに、好適であり、かつ、優れた織り技術であると考えられるものが説明される。図7A及び図7Bに示されるように、閉じたループの横糸1011が、各編み機フィンガ191、2の両側の周りに同時に巻付けられる。ユーザが列の最後に到達すると、横糸1011は、図7Cに示されるように、フィンガ193の周りを二重に巻かれる(double turn)。横糸1011の織り又は巻付けは、左から右に進んで戻ってもよく(つまり、右から左に進む)、ユーザに、両手を使用することを促す。或いは、編み機11の位置を、図7Cに示すように、180°回転されてもよい。図7Dに、横糸1011の終点、更には第2の横糸1012の始点が示される。第2の横糸1012の最初のループは、先の横糸1011が終わった編み機フィンガと同じ編み機フィンガ193に常に重なる。この手順は、従来の織りの主な面倒な作業のうちの2つ、即ち、節止め及び端の埋め込みを取り除く。) (ク)第5欄第62行~第6欄第4行 「With reference to FIG. 8, after removal of loom fingers 191-n from plates 15 and/or 17, warp thread 103 or other suitable material is inserted in the weft formation by attaching such warp to a conventional hook 105 which is passed through channels 77 of loom fingers 19. Preferably the hook portion 107 of hook 105 faces the inside of channel 77. After the warp has been added, each loom finger 19 can quickly and easily be removed on an individual basis, rather than trying to remove all loom fingers simultaneously, as required by Bacheller, U.S. Pat. No. 2,065,498.」 (図8を参照するに、プレート15及び/17から編み機フィンガ191-nを取り外した後、縦糸103又は他の適切な材料を、編み機フィンガ19のチャネル77を通される従来のかぎ針105に取付けることによって、当該縦糸が横糸構造内に差し込まれる。かぎ針105のかぎ部107は、チャネル77の内側に面していることが好適である。縦糸が追加された後、各編み機フィンガ19は、バッチェラ(Bacheller)による米国特許第2065498号では必要とされるようにすべての編み機フィンガを同時に取り外すことを試みるのではなく、個別に、迅速かつ簡単に取り外すことができる。) イ 甲第3号証記載の発明 そこで、上記摘記事項(ア)~(ク)を、図面を参照しつつ技術常識を踏まえて整理すると、甲第3号証には、以下の発明が記載されているものと認める(以下「甲3発明」という。)。 「編み物などの手工芸活動を行うための手編み機であって、複数の編み機フィンガ191、2、3、…nと、複数の編み機フィンガ191、2、3、…nを取り外し自在に支持するエンドプレート151、2、171-4と、を有し、各編み機フィンガ191、2、3、…nは、その全長に延在する溝77を有し、編み機フィンガ191、2、3、…nを使用して、閉じたループ材料を含む材料を編む手編み機。」 (3)甲第4号証 甲第4号証には、「Ring-like headwear ornament」(リング状頭飾り)に関して、図面とともに、以下の事項が記載されている。なお、括弧内の日本語は、請求人による仮訳である。 (ア)「ABSTRACT」(要旨) 「An ornament, e.g., a hair band, headband, hat band, etc., and method of making it. The ornament comprises a plurality of looped links and a looped connecting member. Each of the looped links is formed of an flexible, somewhat elastic, e.g., knitted, material in the nominal shape of a toroidal loop, but bent into a shape having a bridging midsection and a pair of openings on each side of the bridging midsection. The looped connecting member is in the form of a loop of the same material and has a central opening. The looped links are interconnected with one another so that the bridging midsection of one looped link extends through the openings in the immediately adjacent looped link to form an elongated chain-link strip having a pair of ends. One of the ends of the chain-linked strip comprising the looped connecting member and the other end comprises the looped link forming that end. The looped connecting member is extended through the open ends of the looped link forming the other end of the chain-linked strip and is folded back over itself and secured, e.g, glued, to a portion of it to convert the chain-link strip into a ring. The looped connecting member simulates the shape of the other looped links of the ring.」 (例えば、ヘアバンド、ヘッドバンド、帽子用バンドなどの装飾品と、それを製作する方法。装飾品は、複数のループ状リンクと、ループ状の連結部材とを備える。ループ状リンクのそれぞれは、可撓性で、ある程度弾性のある、例えば編材料などから形成され、名目上はトロイド状ループの形状を有するが、架橋中央部を有し、この架橋中央部の各側に一対の開口部を有する形状に折り込まれている。ループ状の連結部材は、同一材料のループの形態であり、中央開口部を有する。複数のループ状リンクは、一方のループ状リンクの架橋中央部が直接隣接するループ状リンクの開口部を貫通し、一対の端部を有する細長いチェーンリンクストリップを形成するように、互いに連結されている。チェーンリンクストリップ一方の端部はループ状の連結部材を含み、他方の端部はその端部を形成するループ状リンクを含む。ループ状の連結部材は、チェーンリンクストリップの他方の端部を形成するループ状リンクの開口した端部を貫通し、該ループ状の連結部材自体を巻き込んで折り返され、その一部に例えば糊付けなどで固定されることで、チェーンリンクストリップがリングに変換される。ループ状の連結部材は、リングの他方のループ状リンクの形状を模倣する。) (イ)第6ページ第3欄第42~46行 「The looped links 22A-22H are interconnected, as will be described later, to form a chain-linked strip, having a pair of ends which are connected together by the connecting loop 24 to close the ring.」 (ループ状リンク22A~22Hは、後述するようにチェーンリンクストリップを形成するために連結され、当該チェーンリンクストリップは、連結ループ24によって互いに連結された一対の端部を備えている。) (4)甲第5号証 甲第5号証には、「Bracelet」(ブレスレット)に関して、図面とともに、以下の事項が記載されている。なお、括弧内の日本語は、請求人による仮訳である。 (ア)「CLAIM」(請求の範囲) 「I claim the ornamental design for a bracelet, as shown and described.」 (図示および説明されるようなブレスレットの装飾的設計。) (イ)「DESCRIPTION」(説明)第17行 「The bracelet is comprised of linked rubber bands.」 (ブレスレットは、連結されたゴムバンドから構成される。) (ウ)FIG.7には、ゴムバンドのリンクの両端を留めているクリップが看取できる。 (5)甲第6号証 甲第6号証には、「CARPET MADE OF THE CLIPPINGS OF A KNITTED TEXTURE」(編織物の切出し片から製作されるカーペット)に関して、図面とともに、以下の事項が記載されている。なお、括弧内の日本語は、請求人による仮訳である。 (ア)第1欄第27~39行 「As it will be seen from Fig.1, the strand or chain for the carpet texture is obtained by passing ring 2 through the lower portion 4 of ring 1, then bringing forward and downward the portion 5 of said ring 2, so that this ring will form a double link 6, which secures ring 2 to the ring 1. Through the lower portion 7 of ring 2 is inserted a ring 3, the portion 8 of which is then brought forward and downward. This portion 8 forms also a double link 9 to secure ring 3 to ring 2 and this operation is repeated until a suitable chain is formed required for the size of the carpet to be woven.」 (図1からわかるように、カーペット地のより糸またはチェーンは、リング1の下方部分4にリング2を通し、このリング2の一部分5を前方および下方に引くことにより、このリングが、リング2をリング1に固定するための二重連結部6を形成するようにして得られる。リング2の下方部分7にリング3が挿入され、その後リング3の一部分8が前方および下方に引かれる。この部分8も、リング3をリング2に固定するための二重連結部9を形成し、この動作は、織られるカーペットのサイズに必要とされる適当なチェーンが形成されるまで繰り返される。) (6)甲第7号証 甲第7号証には、「Flexible piece of jewelry」(可撓性のジュエリー)に関して、図面とともに、以下の事項が記載されている。なお、括弧内の日本語は、請求人による仮訳である。 (ア)「ABSTRACT」(要旨) 「A flexible piece of jewelry, such as a charm bracelet or necklace, that utilizes non-continuous chain links that constitute the continuous chain of the piece of jewelry. This link design allows more non-continuous links to be added to the bracelet as the child grows and the need for a larger piece of jewelry evolves and minimizes damage to the piece of jewelry caused by the addition of additional charms or links.」 (チャームブレスレットまたはネックレスなどの可撓性のジュエリーであって、このジュエリーの連続的なチェーンを構成する非連続的なチェーンリンクを利用したジュエリーである。このリンク設計により、こどもが成長し、より大きなジュエリーの必要性が生じた際に、より多くの非連続的なリンクをブレスレットに追加することができ、かつ追加のチャームまたはリンクを追加することにより引き起こされるジュエリーの損傷を最小限に抑えることができる。) (7)甲第8号証 甲第8号証には、「ネックレスを兼ねた眼鏡保持具」に関して、図面とともに、以下の事項が記載されている。 (ア)「【0012】 また、ネックレス紐状装飾体1の両端部にそれぞれ設けられた眼鏡保持部材6は、図3に示すように合成ゴムなどの伸縮性を有する環状の弾性紐7の中央部を金属、合成樹脂などの締め付け環8にて締め付けて、ネックレス紐状装飾体1の連結部材5に連結する連結環部9と眼鏡10のつる部11を挿脱可能に挿通保持する環状の挿通部12が形成されている。 【0013】 さらに、前記両眼鏡保持部材6を互いに係脱自在に連結する結合具13は、図3に示すように、金属または合成樹脂などにて形成した弾性杆14とこの弾性杆14の両端部にそれぞれ一体に結合した抜け止め球状部15とにて構成され、この弾性杆14は円弧状に湾曲され、この両抜け止め球状部15間に小間隙16が形成されている。この弾性杆14と両抜け止め球状部15とは金属または合成樹脂などにて一体に形成されている。」 (8)甲第9号証 甲第9号証のFIG.1には、「circlip」(サークリップ)が開示されている。 (9)甲第10号証 ア 甲第10号証に記載された事項 甲第10号証には、「Knitting apparatus」(編み機)に関して、図面とともに、以下の事項が記載されている。なお、括弧内の日本語は、請求人による仮訳である。 (ア)要約 「Apparatus for hand knitting comprises hooked pins 5 arranged in two spaced parallel rows on a frame 1 with a slot 3 between the rows for the passage of knitted material. The pins 5 are formed with grooves 7 to receive a knitting hook and to facilitate the entry of the latter into the grooves sloping surfaces 11 of the frame are formed with lead-in grooves 3. In an alternative embodiment the pins which comprise base members forming the lead-in grooves are independently and detachably clipped onto longitudinal bars of the frame. The frame may have selectable detent positions round pivots 15.」 (手編み用の装置は、フレーム1上に2つの離間された平行列に配置されたフック状ピン5を含み、当該フレーム1は、当該列間に、編み物材料の通過のためのスロット3を有する。ピン5には溝7が形成され、当該溝は、編み物用かぎ針を受け取り、当該かぎ針の溝への侵入を容易にする。フレームの傾斜面11には、導入溝3が形成される。代替実施形態では、導入溝を形成するベース部材を含むピンは、フレームの長手方向バーに独立して且つ取り外し可能にクリップされる。フレームは旋回軸15周りに選択可能な制止子位置を有してもよい。) (イ)第1頁第5~39行 「This invention is concerned with knitting apparatus particularly apparatus for knitting by hand. It is known to provide a knitting apparatus (particularly for use by children) comprising an elongate frame member, conveniently made of plastics material, having a slot extending lengthwise of the frame member (the slot extending completely through the frame member) and the latter being provided with two rows of pins arranged to extend upwardly from the frame member at evenly spaced localities along the opposite sides of the slot. The pins each have a groove extending along the pin at a locality opposite to the slot and the pins have a hooked formation, each hook being formed by a small plate-like member which caps the grooved portion of each pin. In using the known apparatus the wool (or other cord-like material) to be used in the knitting operation is first passed around the required number of upstanding pins in the two rows thereof twice (the free end of the wool being anchored eg. to one of the pins) and, by means of a suitable hand-held hook, the second strand is raised over the hooked portion of each pin in turn to form a stitch loop around each pin. The wool is then laid around the pins again and the loops are lifted over the newly laid strand and the process is repeated to form a knitted fabric which passes downwardly through the slot as the operation proceeds. Conveniently the upstanding pins are spaced from each other by spaces approximately equal to the width of the pins.」 (本発明は、編み機、特に手編み用の編み機に関する。細長いフレーム部材を含む(特に子供による使用のための)編み機を提供することが知られている。当該フレーム部材は、好都合にはプラスチック材料で形成され、当該フレーム部材の縦方向に延在するスロットを有し(当該スロットは、フレーム部材を貫通して延在する)、フレーム部材には、スロットの両側に沿って、等間隔の場所に、フレーム部材から上方向に延在するように配置された2列のピンが設けられている。各ピンは、スロットとは反対の場所に、ピンに沿って延在する溝を有し、ピンは、フック状構造を有し、各フックは、各ピンの溝部の頂上を覆う小さい板状の部材によって形成されている。既知の装置を使用する場合、編み動作において使用される毛糸(又は他のひも状材料)が、まず、その2列のうちの必要な数の直立ピンの周りに2回通され(毛糸の自由端は、例えばピンのうちの1つに固定される)、適切な手持ち式かぎ針によって、第2のより糸が、各ピンのフック状部上に上げられ、これにより、各ピンの周りに編み目ループが形成される。次に、毛糸は、再びピンの周りに置かれ、ループは新しく置かれたより糸の上に持ち上げられる。このプロセスは繰り返され、動作が進むにつれてスロットを下方向に通り抜ける編地が形成される。直立ピンは、当該ピンの幅にほぼ等しい空間によって互いから離間されていることが好都合である。) (ウ)第2ページ第11~29行 「As will be seen in Figure 1, the apparatus comprises an elongate frame member 1, preferably of die-cast aluminium, having a slot 3 extending lengthwise of the frame member, the groove extending completely through the frame member. Upstanding from the frame member, at opposite sides of the slot 3, are two rows of spaced pins 5 having grooves 7 extending lengthwise of the pins (ie. heightwise) at outwardly facing sides thereof. The pins are hooked as shown in the drawing, the hooked formation being provided by small plate-like portions 9 which cap the upper ends of the grooves 7. The frame member 1 is provided with sloping upper surfaces 11 (ie. the depth, or thickness, of the frame member increases from its outside edges to the slot 3) in which are formed grooves 13 leading into the corresponding grooves 7 in the pins 5.」 (図1において見られるように、当該装置は、好適にはダイカストアルミニウムでできている細長いフレーム部材1を含み、当該フレーム部材は、当該フレーム部材の縦方向に延在するスロット3を有し、当該溝は、フレーム部材を貫通して延在している。スロット3の両側において、ピンの外側に面している側面に、ピンの縦方向(即ち、高さ方向)に延在する溝7を有する2列の離間されたピン5が、フレーム部材から直立している。ピンは、図面に示されるように、フック状にされ、フック状構造は、溝7の上端を覆う小さい平板状の部分9によって提供される。フレーム部材1には、傾斜上面11(即ち、フレーム部材の深度、即ち、厚さは、その外側の縁からスロット3へと増加する)が設けられ、傾斜上面には、ピン5の対応する溝7につながる溝13が形成されている。) (エ)第2頁第114~127行 「As will be clear from Figures 2 and 3 each hook 5' comprises an upwardly extending portion 39 terminating in an upper plate-like overhanging portion 32 providing the hook proper for retaining the wool on the hooks until lifted thereoff during the knitting operation by manipulation of a hand-held knitting hook (not shown). For guiding the latter each hook 5' is provided with a groove 7 extending along the upstanding portion 39, while a base portion 34 of each hook has a lead-in guide groove 13 which leads into the groove 7 for the purpose described above in relation to Figure 1.」 (図2及び図3から明らかなように、各フック5’は、上方向に延在する部分39を含み、当該上方向に延在する部分39は、上部の平板状の張出部32において終端し、当該張出部32は、手持ち式の編み物用かぎ針(図示せず)を操ることによる編み動作の間に、フックから持ち上げられるまで毛糸をフックに保持するのに適したフックを提供する。手持ち式の編み物用かぎ針をガイドするために、各フック5’には、直立部39に沿って延在する溝7が設けられる一方で、各フックのベース部34には、図1に関連して上で説明した目的のために、溝7につながる導入ガイド溝13を有する。) (オ)第1頁第116~123行 「Sets of teeth of different pitch may be provided to provide for different sized stitches in knitted articles made on the apparatus. The teeth may be clipped on to the two supporting bars either in staggered or opposed relationship. Gaps may be left between adjacent teeth if required to provide readily for different stitch patterns.」 (装置で作られる編み物製品の異なるサイズの編み目に対応するために、異なるピッチの歯のセットが提供されてもよい。歯は、交互に又は対向する関係で、2つの支持バーにクリップされてよい。異なる編み目パターンに容易に対応できるように、必要に応じて、隣接する歯の間には、間隙が残されてもよい。) イ 甲第10号証記載の発明 そこで、上記摘記事項(ア)~(オ)を、図面を参照しつつ技術常識を踏まえて、本件訂正発明1に照らして整理すると、甲第10号証には、以下の発明が記載されているものと認める(以下「甲10発明」という。)。 「編み物製品を作成するための手編み用の編み機であって、 フレーム部材1と、 フレーム部材1上にサポートされた複数のピン5と、を有し、 複数のピン5の各々は、糸を保持するための平板状の部分9と、複数のピン5の各々の、ピン5の外側に面している側面側の溝7とを有し、複数のピン5は、2列に配置され、相互に離間され、且つ、フレーム部材1から上方に伸びている 編み機。」 2 無効理由3について (1)甲第2号証の公知性について 被請求人は、甲第2号証の公知性を争っていることから、まず、この点について検討する。甲第2号証は、「Knitty Spring:2007」と題するウェブページ(http://www.knitty.com/ISSUEspring07/FEATloomknitting.html)をプリントアウトしたものであるところ、甲第2号証の上記タイトル、及び、ウェイバック・マシンに関する補強証拠たる甲第14号証の1及び2によれば、甲第2号証に示されるウェブページは、2007年3月頃からインターネット上に公開されていたものであると推認される。 被請求人は、ウェイバック・マシンについては、その正確性が保証されるものではないため、甲第14号証の1及び2をもって直ちに、甲第2号証が2007年3月頃から閲覧可能な状態となっていたことを認めることはできないと主張し、平成18年(行ケ)第10358号審決取消請求事件をその根拠に挙げる(第5の2(2)ア)。 しかしながら、ウェイバック・マシンを利用して取得した過去のウェブページ情報は、国際調査及び国際予備審査の実務において一般的に信用性が認められているものである(甲第33号証第154ページ)。また、被請求人が根拠に挙げる裁判例は、ウェイバック・マシンについて「利用規約に記録内容の正確性について保証しないことが記載されている」としつつも、その他の事情を総合して、ウェブサイトが閲覧可能な状態となった時期を判断していることに照らせば、ウェイバック・マシンの信用性を完全に否定したものと考えることはできない。公知性が問題となるウェブページ自体について、ウェイバック・マシンの記録内容に事実と異なる内容が含まれるといった事情がある場合は格別、甲第2号証にそのような事情を示す証拠はないのであるから、被請求人の主張は採用できない。 そこで、甲第2号証により示されるウェブページが、本件優先日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったものとして、以下の検討を行う。 (2)本件訂正発明1 ア 対比 本件訂正発明1と甲2発明とを対比する。 甲2発明の「編み物」は、「リンク」が「編み物の目」を意味する英単語の「link」(甲第15~17号証)を日本語読みしたもので、「一連のリンクからなるアイテム」が「編み物」を意味するから、本件訂正発明1の「一連のリンクからなるアイテム」に相当し、甲2発明の「編み機」は、本件訂正発明1の「装置」に相当するから、甲2発明の「編み物を作成するための編み機」は、本件訂正発明1の「一連のリンクからなるアイテムを作成するための装置」に相当する。 また、甲2発明の「ベース」、「ペグ」、「他の部分よりも径が大きくなった上端部」、「ペグの直立方向に沿って形成された溝であって、かぎ針を挿入して、ペグに掛けられた編み目を引っ掛けることができる溝」は、それぞれ、本件訂正発明1の「ベース」、「ピン」、「上部部分」、「開口部」に相当する。 また、甲2発明の「2列に並べられた複数のペグ」は、本件訂正発明1の「複数の列に配置され、相互に離間され」た「複数のピン」に相当するとともに、「ベース上にサポートされた」ものともいえる。 さらに、甲2発明の「編み目がペグから外れるのを防止するための」は、本件訂正発明1の「リンクを望ましい向きに保持するための」に相当し、以下同様に、「ベースから上方に直立している」は「ベースから上方に伸びている」に相当する。 したがって、本件訂正発明1と甲2発明とは、以下の点で一致しているということができる。 <一致点> 「一連のリンクからなるアイテムを作成するための装置であって、 ベースと、 ベース上にサポートされた複数のピンと、を備え、 前記複数のピンの各々は、リンクを望ましい向きに保持するための上部部分と、当該複数のピンの各々の開口部とを有し、複数のピンは、複数の列に配置され、相互に離間され、且つ、前記ベースから上方に伸びている 装置。」 そして、本件訂正発明1と甲2発明とは、以下の点で、少なくとも形式的に相違する。 <相違点1> 本件訂正発明1は、「ブルニアンリンク」からなる「ブルニアンリンクアイテム」を作成するための装置であるのに対し、甲2発明は、編み物を作成するための編み機である点。 <相違点2> 本件訂正発明1の開口部は、ピンの列の方向の前面側にあるのに対し、甲2発明の溝は、ベースの隙間とは反対側のペグの面側にある点。 イ 相違点についての判断 (ア)本件訂正発明1の技術的意義について 事案に鑑み、まず、相違点1及び2に係る本件訂正発明1の発明特定事項について、その技術的意義を述べる。 本件訂正発明1の技術的意義は、第6の1(3)の検討から明らかなとおり、個人の技量に依存することのない「ブルニアンリンク」作成方法たる本件作成方法を実現する手段として、列に配置された「複数のピン」、「ベース」、「上部部分」、及び「複数のピンの各々、のピンの列の方向の前面側の開口部」の構成を全て併せ持つ装置であって、更に「ベース上にサポートされた複数のピン」の技術的事項を有する装置を提供することにあるといえる。 ここで、相違点2の「ピンの列の方向の前面側の開口部」について更に検討する。 第6の1(3)のとおり、「ピンの列の方向の前面側の開口部」は、本件作成方法によって「ブルニアンリンク」を作成するに当たり、弾性バンドの端部を動かすフックの「挿入のための間隙を提供する」ものである。 そして、開口部の位置を「ピンの列の方向の前面」とした理由は、次のように考えるのが合理的である。 すなわち、「ピンの列の方向」に「保持」された弾性バンドの装着を外して掛け戻していくステップ(FIG.14A)において、各ピンの表面であって「ピンの列の方向の前面」側の部分には、装着された2本の弾性バンドのうち、装着を外す弾性バンドのみが位置している(FIG.14A)。したがって、開口部の位置が「ピンの列の方向の前面」にある方が、当該ステップにおいて、開口部の間隙にフックを挿入する際に、本来、装着を外すことのない弾性バンドを誤って「開放」することを起こし難く、技量の乏しい者であっても、容易に「ブルニアンリンク」を作成することができるためである。 つまり、相違点2に係る「開口部」の位置は、個人の技量に依存することなく、様々な技量レベルの人々に「ブルニアンリンクアイテム」を簡単に作成する装置を提供するという、本件課題を解決するために最適なものである。 (イ)相違点1の存否について 請求人は、相違点1に関して、本件訂正発明1の「ブルニアンリンクからなるブルニアンリンクアイテムを作成するため」という用途限定部分(以下「本件用途限定」という。)が実質的な発明特定事項とはならず、また、甲2発明との相違点にもならない旨主張する(第4の3(2)エ~ケ)ので、この点について検討する。 用途限定に係る発明特定事項については、用途限定が、明細書及び図面の記載並びに出願時の技術常識をも考慮して、その用途に特に適した形状、構造、組成等(以下「構造等」という。)を意味すると解することができる場合のように、用途限定が付された物が、その用途に特に適した物を意味すると解される場合は、その物は用途限定が意味する構造等を有する物であると解するべきである。 この前提に立って、請求人の上記主張について検討するに、上記(ア)のとおり、列に配置された「複数のピン」、「ベース」、「上部部分」及び「複数のピンの各々の、ピンの列の方向の前面側の開口部」の構成を全て併せ持つ装置であって、「ベース上にサポートされた複数のピン」の技術的事項を有する装置は、個人の技量に依存することのない「ブルニアンリンク」作成方法たる本件作成方法を「提供」するものであるから、当該装置は、「ブルニアンリンクアイテムを作成する」用途に特に適した物であって、「用途限定が意味する構造等を有する物」であると解する。したがって、本件用途限定は、実質的な発明特定事項であると解する。 また、甲2発明は、編み物を作成するための編み機の発明であるところ、甲第2号証には、「ブルニアンリンク」に関する記載も示唆もないのは、上記1(1)アのとおりである。その上、本件作成方法はもとより、個人の技量に依存することのない「ブルニアンリンク」の作成方法や、「ブルニアンリンク」を作成する装置を用いて本件課題を解決することが本件優先日当時に技術常識であったことを示す証拠方法は、提示されていない。そうすると、「ブルニアンリンクからなるブルニアンリンクアイテムを作成するための装置」が甲第2号証に記載されているに等しい事項であるということはできない。 したがって、本件訂正発明1と甲2発明との間には、実質的にも、相違点1が存在する。 この点、請求人は、平成27年6月5日最高裁判所判決を根拠として、本件用途限定が発明特定事項ではない旨主張する(第4の3(2)オ)。しかしながら、当該最高裁判所判決の射程は、プロダクト・バイ・プロセス・クレームの解釈に及ぶのは当然のこととしても、その判示内容に照らせば、直ちに、用途限定が付された物の発明の解釈に及ぶということはできず、請求人の主張は理由がない。 また、請求人は、昭和55年10月31日大阪地方裁判所判決を根拠として、本件用途限定が発明特定事項ではないとも主張する(第4の3(2)キ)。しかしながら、当該判決は、タイヤの製造手段に特徴を有し、用途に特徴を有しない発明について、用途のみに限定して解釈することは相当ではないと判示した事案であって、用途と装置の構造に特徴のある本件とは事案を異にするものであり、当審の判断を左右しない。 さらに、請求人は、甲第27~32号証を提出して、甲2発明のものも「ブルニアンリンク」を作成することができるとし、甲第25号証を提出して、被請求人自身が甲2発明と同一構造の編み機で「ブルニアンリンク」を作成できることを自認しているとして、甲2発明との相違点にならない旨主張する(第4の3(2)ク~ケ)。しかしながら、上記のとおり、かかる甲号証は、いずれも、「ブルニアンリンク」の作成方法について本件優先日当時の技術常識を示すものではないから、当審の判断を左右しない。 (ウ)相違点1及び2の進歩性について 上記(ア)の検討から明らかなとおり、相違点1及び2は、技術的関連性を有するものである。そこで、これらの相違点を併せてその進歩性を検討する。 まず、甲第2号証には、上記(イ)で述べたとおり、「ブルニアンリンク」に関する記載も示唆もなく、また、本件課題である、様々な技量レベルの人々に「ブルニアンリンクアイテム」を簡単に作成する装置を提供することを解決するために、甲2発明の溝の位置を最適化すること、すなわち「ピンの列の方向の前面」とすることを示唆するものも見当たらない。そうすると、甲第2号証には、相違点1及び2に係る本件訂正発明1の発明特定事項に至る動機となるものはないのであるから、甲2発明に基づいて、相違点1及び2に係る本件訂正発明1の発明特定事項に想到することが容易であるとはいえない。 次に、甲第3~6号証について検討する。 請求人は、相違点1に係る構成は甲第3号証に記載された構成又は周知慣用技術である旨主張し、当該周知慣用技術を開示するものとして、甲第3~6号証を挙げる(第4の3(2)ス)。 甲第3号証には、上記1(2)イに示したとおり、甲3発明が記載されているところ、甲3発明の手編み機を用いて、「閉じたループ材料」で編まれた編み物が「ブルニアンリンクアイテム」であることを示す記載は、甲第3号証にはない。むしろ、甲第3号証のFIG7A~7D、8に図示された編み手順、及び関連する記載箇所を参酌するに、甲3発明により作成されるものは、横糸と縦糸から構成される「織物」であると認められ、それは、「ブルニアンリンクアイテム」と同じであるどころか、全く異なるものである。 更に進んで甲第3号証について検討するに、甲3発明の編み機フィンガ191、2、3、…nは、その全長に延在する溝77を有する。仮に、溝77に縦糸103を取り付けたかぎ針105が通されることをもって、本件訂正発明1の「開口部」に相当するとしても、かぎ針105が溝77に通されるのは、プレート15、17(エンドプレート151、2、171-4と同一のものと認める。)から編み機フィンガ191-nを取り外した後であるから(上記1(2)ア摘記事項(ク))、少なくとも、溝77の向きが編み機フィンガ191-nの「列の方向の前面側」にあるということはできない。 また、本件課題である、様々な技量レベルの人々に「ブルニアンリンクアイテム」を簡単に作成する装置を提供することを解決するために、甲3発明の溝77の位置を最適化すること、すなわち「ピンの列の方向の前面」とすることを示唆するものも見当たらない。そうすると、甲第3号証には、相違点2に係る本件訂正発明1の発明特定事項について、開示されているとも、動機があるともいえない。 甲第4号証には、複数のループ状リンク22A~22Hを互いに連結して形成したチェーンリンクストリップと、当該チェーンリンクストリップの一対の端部を連結ループ24により互いに連結して形成した装飾品が記載されているところ、FIG.3等の記載に照らせば、前者は「ブルニアンリンク」に相当し、後者は「ブルニアンリンクアイテム」に相当する。しかしながら、甲第4号証には、本件作成方法はもとより、「ブルニアンリンク」を作成する装置を用いて本件課題を解決することは開示されていない。 甲第5号証には、連結されたゴムバンドから構成されるブレスレットが記載されているところ、FIG.7等の記載に照らせば、当該ブレスレットは「ブルニアンリンクアイテム」に相当する。しかしながら、甲第5号証にも、本件作成方法はもとより、「ブルニアンリンク」を作成する装置を用いて本件課題を解決することは開示されていない。 甲第6号証には、二重連結部を形成してリンクを隣接するリンクに固定することにより形成されるカーペット地のチェーンが記載されており、FIG.1の記載に照らせば、当該チェーンは、「ブルニアンリンク」に相当する。しかしながら、甲第6号証にも、本件作成方法はもとより、「ブルニアンリンク」を作成する装置を用いて本件課題を解決することは開示されていない。 以上のことから、甲第4~6号証には、「ブルニアンリンク」ないしは「ブルニアンリンクアイテム」自体は開示されているものの、「ブルニアンリンクからなるブルニアンリンクアイテムを作成するための装置」は、甲第3~6号証のいずれにも開示されておらず、甲第3~6号証から周知慣用技術であるともいえない。また、甲第3号証には、編み機フィンガの溝77は記載されているものの、「ピンの列の方向の前面側の開口部」は、甲第3~6号証のいずれにも開示されていない。 このように、甲第3~6号証のいずれにも、相違点1及び2に係る本件訂正発明1の発明特定事項は開示されておらず、動機となるものもないことから、甲2発明と甲第3~6号証に記載のものをどのように組み合わせても、相違点1及び2に係る本件訂正発明1の発明特定事項に想到することが容易であるとはいえない。 請求人は、開口部の位置がいずれの向きであるかは何ら技術的意義もなく、単なる設計事項にすぎないと主張している(第4の3(2)サ)。しかしながら、開口部の位置が本件課題との関連において技術的意義を有しているのは、上記(ア)で検討したとおりであるから、請求人の主張は理由がない。 請求人は、上記主張の根拠として、更に、弾性バンドを編む方向と同じ方向に開口部が存在する必要はないこと、弾性バンドを編む方向と直角の方向に開口部が存在していても容易に編めること、ピンの列方向に沿って弾性バンドを編んでいくという特定の方法のみを想定した主張は失当であることを主張し(第4の3(2)サ~シ)、甲第24~25、30、32号証を挙げる。 確かに、弾性バンドを編む方向と直角の方向に開口部が存在していても「ブルニアンリンク」が編めるのは、請求人の主張のとおりであり、その意味では、「ブルニアンリンク」を編むために、弾性バンドを編む方向と同じ方向に開口部が存在する必要はないという主張は「ブルニアンリンク」の作成方法についての一つの分析結果としては傾聴に値する。 しかしながら、開口部の位置を「ピンの列の方向の前面」から変更した場合には、開口部が向いている場所で「装着を外す弾性バンドのみが位置している」状態が実現できるとは必ずしもいえず、技量レベルに関わりなく誰でも容易に「ブルニアンリンク」を作成できるとは限らない。また、そもそも、本件特許出願後に知り得たかかる知見は、進歩性の判断とは相容れないものである。したがって、請求人の主張は理由がない。 また、請求人は、相違点1に係る構成に進歩性がないことは明らかであると主張し、その根拠として、平成15年8月27日東京高等裁判所判決を挙げる(第4の3(2)ス)。しかしながら、当該判決は、消波構造物の構成には相違点がなく、当該消波構造物の用途に相違点がある事案について、用途の進歩性を判断したものであって、用途及び装置の構成に相違点がある本件とは事案を異にするものであり、当審の判断を左右しない。 さらに、請求人は、無効理由3について、甲2発明と同様の構造を有する編み機が本件優先日前に周知であったことを主張し(第4の3(2)セ)、甲第18~21号証を挙げる。しかしながら、仮に、請求人の主張が正しいとしても、相違点1及び2に直接関係のない事情は、当審の判断を左右しない。 そして、本件訂正発明1は、相違点1及び2に係る本件訂正発明1の発明特定事項を採用することによって、「例示的キットは、そのようなリンクおよびアイテムの簡単なやり方での作成を提供して、様々な技量レベルの人々に独自の装着可能なアイテムを成功裡に作成することを許容する。」(記載事項K)という作用効果を発揮することができるものである。 ウ 小括 したがって、本件訂正発明1は、甲2発明、甲2発明及び甲3発明、又は、甲2発明及び周知慣用技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (3)本件訂正発明3 本件訂正発明3は、直接、本件訂正発明1を引用するものであるところ、本件訂正発明1に係る特許を無効理由3によっては無効にすることができないことは、上記(2)にて説示したとおりであるから、本件訂正発明1を引用する本件訂正発明3に係る特許も、無効理由3によっては無効にすることはできない。 (4)本件訂正発明6 ア 対比 本件訂正発明6と甲2発明とを対比する。 甲2発明の「編み物」は、「リンク」が「編み物の目」を意味する英単語の「link」(甲第15~17号証)を日本語読みしたもので、「一連のリンクからなるアイテム」が「編み物」を意味するから、本件訂正発明6の「一連のリンクからなるアイテム」に相当し、甲2発明の「編み機」は、「かぎ針」及び「糸」とセットのものと解すれば、本件訂正発明6の「キット」に相当するから、甲2発明の「編み物を作成するための編み機」は、本件訂正発明6の「一連のリンクからなるアイテムを作成するためのキット」に相当する。 また、甲2発明の「ベース」、「ペグ」、「他の部分よりも径が大きくなった上端部」、「ペグの直立方向に沿って形成された溝であって、かぎ針を挿入して、ペグに掛けられた編み目を引っ掛けることができる溝」は、それぞれ、本件訂正発明6の「ベース」、「ピン」、「上部部分」、「開口部」に相当する。 また、甲2発明の「2列に並べられた複数のペグ」は、本件訂正発明6の「複数の列に配置され、相互に離間され」た「複数のピン」に相当するとともに、「ベースによりお互いに対してサポートされた」ものともいえる。 さらに、甲2発明の「編み目がペグから外れるのを防止するための」は、本件訂正発明6の「リンクを望ましい向きに保持するための」に相当し、以下同様に、「ベースから上方に直立している」は「ベースから上方に伸びている」に相当する。 したがって、本件訂正発明6と甲2発明とは、以下の点で一致しているということができる。 <一致点> 「一連のリンクからなるアイテムを作成するためのキットであって、 リンクを望ましい向きに保持するための上部部分と、複数のピンの各々の開口部を含み、ベースによりお互いに対してサポートされた複数のピンを備え、 前記複数のピンは、複数の列に配置され、相互に離間され、且つ、前記ベースから上方に伸びている、 キット。」 そして、本件訂正発明6と甲2発明とは、以下の点で、少なくとも形式的に相違する。 <相違点3> 本件訂正発明6は、「ブルニアンリンク」からなる「ブルニアンリンクアイテム」を作成するためのキットであるのに対し、甲2発明は、編み物を作成するための編み機である点。 <相違点4> 本件訂正発明6の開口部は、ピンの列の方向の前面側にあるのに対し、甲2発明の溝は、ベースの隙間とは反対側のペグの面側にある点。 イ 相違点についての判断 相違点3及び4は、実質的に、上記(2)で検討した相違点1及び2と同じものであるから、そうすると、同様の理由により、相違点3及び4を想到容易とすることはできないことになる。 ウ 小括 したがって、本件訂正発明6は、甲2発明、甲2発明及び甲3発明、又は、甲2発明及び周知慣用技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (5)本件訂正発明7、8、10及び11 本件訂正発明7、8、10及び11は、それぞれ、直接、本件訂正発明6を引用するものであるところ、本件訂正発明6に係る特許を無効理由3によっては無効にすることができないことは、上記(4)にて説示したとおりであるから、本件訂正発明6を引用する本件訂正発明7、8、10及び11に係る特許も、無効理由3によっては無効にすることはできない。 (6)まとめ 以上によれば、本件訂正発明1、3、6~8、10及び11は、甲2発明、甲2発明及び甲3発明、又は、甲2発明及び周知慣用技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえず、無効理由3によっては、本件訂正発明1、3、6~8、10及び11に係る特許を無効にすることはできない。 3 無効理由5について (1)本件訂正発明1 ア 対比 本件訂正発明1と甲10発明とを対比する。 甲10発明の「編み物製品」は、「リンク」が「編み物の目」を意味する英単語の「link」(甲第15~17号証)を日本語読みしたもので、「一連のリンクからなるアイテム」が「編み物製品」を意味するから、本件訂正発明1の「一連のリンクからなるアイテム」に相当し、甲10発明の「編み機」は、本件訂正発明1の「装置」に相当するから、甲10発明の「編み物製品を作成するための手編み用の編み機」は、本件訂正発明1の「一連のリンクからなるアイテムを作成するための装置」に相当する。 また、甲10発明の「フレーム部材1」、「ピン5」、「糸を保持するための平板状の部分9」、「溝7」は、それぞれ、本件訂正発明1の「ベース」、「ピン」、「リンクを望ましい向きに保持するための上部部分」、「開口部」に相当する。 したがって、本件訂正発明1と甲10発明とは、以下の点で一致しているということができる。 <一致点> 「一連のリンクからなるアイテムを作成するための装置であって、 ベースと、 ベース上にサポートされた複数のピンと、を備え、 前記複数のピンの各々は、リンクを望ましい向きに保持するための上部部分と、当該複数のピンの各々の開口部とを有し、複数のピンは、複数の列に配置され、相互に離間され、且つ、前記ベースから上方に伸びている 装置。」 そして、本件訂正発明1と甲10発明とは、以下の点で、少なくとも形式的に相違する。 <相違点5> 本件訂正発明1は、「ブルニアンリンク」からなる「ブルニアンリンクアイテム」を作成するための装置であるのに対し、甲10発明は、編み物製品を作成するための手編み用の編み機である点。 <相違点6> 本件訂正発明1の開口部は、ピンの列の方向の前面側にあるのに対し、甲10発明の溝7は、ピン5の外側に面している側面側にある点。 イ 相違点についての判断 相違点5及び6は、実質的に、上記2(2)で検討した相違点1及び2と同じものであるから、そうすると、同様の理由により、相違点5及び6を想到容易とすることはできないことになるが、以下では、上記2(2)イで示した相違点の判断のうち、甲第2号証の記載内容に関する部分について、同様に、甲第10号証の記載内容について検討する。 まず、請求人は、相違点5に関して、甲10発明との相違点にならない旨主張する(第4の3(3)エ)。この点、甲第10号証には、甲第2号証と同様に、「ブルニアンリンク」に関する記載も示唆もないのは、上記1(9)アのとおりである。そうすると、甲第2号証と同様に、「ブルニアンリンクからなるブルニアンリンクアイテムを作成するための装置」が甲第10号証に記載されているに等しい事項であるということはできず、請求人の主張は理由がない。 次に、相違点5及び6の進歩性について、甲第10号証には、甲第2号証と同様に、「ブルニアンリンク」に関する記載も示唆もなく、また、甲10発明の溝7の向きを変更することを示唆するものも見当たらない。そうすると、甲第10号証には、相違点5及び6に係る本件訂正発明1の発明特定事項に至る動機となるものはないのであるから、甲10発明に基づいて、相違点5及び6を想到容易とすることはできない。 ウ 小括 したがって、本件訂正発明1は、甲10発明、甲10発明及び甲3発明、又は、甲10発明及び周知慣用技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (2)本件訂正発明3 本件訂正発明3は、直接、本件訂正発明1を引用するものであるところ、本件訂正発明1に係る特許を無効理由5によっては無効にすることができないことは、上記(1)にて説示したとおりであるから、本件訂正発明1を引用する本件訂正発明3に係る特許も、無効理由5によっては無効にすることはできない。 (3)本件訂正発明6 ア 対比 本件訂正発明6と甲10発明とを対比する。 甲10発明の「編み物製品」は、「リンク」が「編み物の目」を意味する英単語の「link」(甲第15~17号証)を日本語読みしたもので、「一連のリンクからなるアイテム」が「編み物製品」を意味するから、本件訂正発明6の「一連のリンクからなるアイテム」に相当し、甲10発明の「編み機」は、「編み物用かぎ針」及び「糸」とセットのものと解すれば、本件訂正発明6の「キット」に相当するから、甲10発明の「編み物製品を作成するための手編み用の編み機」は、本件訂正発明6の「一連のリンクからなるアイテムを作成するためのキット」に相当する。 また、甲10発明の「フレーム部材1」、「ピン5」、「糸を保持するための平板状の部分9」、「溝7」は、それぞれ、本件訂正発明6の「ベース」、「ピン」、「リンクを望ましい向きに保持するための上部部分」、「開口部」に相当する。 さらに、甲10発明の「フレーム部材1上にサポートされた」は、本件訂正発明6の「ベースによりお互いに対してサポートされた」に相当する。 したがって、本件訂正発明6と甲10発明とは、以下の点で一致しているということができる。 <一致点> 「一連のリンクからなるアイテムを作成するためのキットであって、 リンクを望ましい向きに保持するための上部部分と、複数のピンの各々の開口部を含み、ベースによりお互いに対してサポートされた複数のピンを備え、 前記複数のピンは、複数の列に配置され、相互に離間され、且つ、前記ベースから上方に伸びている、 キット。」 そして、本件訂正発明6と甲10発明とは、以下の点で、少なくとも形式的に相違する。 <相違点7> 本件訂正発明6は、「ブルニアンリンク」からなる「ブルニアンリンクアイテム」を作成するためのキットであるのに対し、甲10発明は、編み物製品を作成するための手編み用の編み機である点。 <相違点8> 本件訂正発明6の開口部は、ピンの列の方向の前面側にあるのに対し、甲10発明の溝7は、ピン5の外側に面している側面側にある点。 イ 相違点についての判断 相違点7及び8は、実質的に、上記2(2)で検討した相違点1及び2と同じものであるから、そうすると、同様の理由により、相違点7及び8を想到容易とすることはできないことになる。 ウ 小括 したがって、本件訂正発明6は、甲10発明、甲10発明及び甲3発明、又は、甲10発明及び周知慣用技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (4)本件訂正発明7、8、10及び11 本件訂正発明7、8、10及び11は、それぞれ、直接、本件訂正発明6を引用するものであるところ、本件訂正発明6に係る特許を無効理由5によっては無効にすることができないことは、上記(3)にて説示したとおりであるから、本件訂正発明6を引用する本件訂正発明7、8、10及び11に係る特許も、無効理由5によっては無効にすることはできない。 (5)まとめ 以上によれば、本件訂正発明1、3、6~8、10及び11は、甲10発明、甲10発明及び甲3発明、又は、甲10発明及び周知慣用技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえず、無効理由5によっては、本件訂正発明1、3、6~8、10及び11に係る特許を無効にすることはできない。 第8 むすび 以上のとおりであるから、請求人主張の理由及び証拠方法によっては、本件訂正発明1、3、6~8、10及び11に係る特許を無効にすることはできない。 審判費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2015-800035

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ出願・登録の審決1件(出願 特願2014-014615、登録 5575340)
  • 2018-800023無効審判 / 2019-08-26 / 訂正認容ブルニアンリンク作成デバイスおよびキット
    同じ出願番号
同じ当事者の審決1件(ング,チェン チューン、株式会社 ハナヤマ)
  • 2018-800023無効審判 / 2019-08-26 / 訂正認容ブルニアンリンク作成デバイスおよびキット
    同じ当事者: 株式会社 ハナヤマ
同じ論点・分野の審決(審決分類)63件(113・A44C、121・A44C、536・A44C ほか)
  • 2023-007675拒絶査定不服審判 / 2025-04-18 / 請求不成立放射状形態を有する5弁状ペンダントトップ
    共通の審決分類: 113・A44C、121・A44C、537・A44C、55・A44C
  • 2023-004209拒絶査定不服審判 / 2025-02-17 / 請求不成立放射状形態を有する6弁状ペンダントトップ
    共通の審決分類: 113・A44C、121・A44C、537・A44C、55・A44C
  • 2018-800016無効審判 / 2019-04-16 / 請求不成立装身具
    共通の審決分類: 113・A44C、121・A44C、537・A44C
  • 2024-017734拒絶査定不服審判 / 2026-05-25 / 原査定取消(特許/登録すべき)刺繍アクセサリ
    共通の審決分類: 113・A44C、121・A44C、537・A44C
  • 2024-007015拒絶査定不服審判 / 2025-08-22 / 原査定取消(特許/登録すべき)バンド及びリスト機器
    共通の審決分類: 121・A44C、537・A44C、55・A44C

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存