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特許拒絶査定不服審判

2015-019091

ビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒

審判番号
2015-019091
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2012-260309
請求日
2015年10月05日
審決日
2016年11月29日
公報発行日
2017年10月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】橋本 正徳
審判長/審判官
  • 審判長 酒井 伸芳
  • 審判官 清水 稔
  • 審判官 関根 洋之
分類
P18 .121-WZ (G01F) / P18 .537-WZ (G01F) / P18 .55 -WZ (G01F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条の2、特許法第29条、特許法第69条第1項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2012-260309「ビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 5月22日出願公開、特開2014- 95681〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は平成24年11月9日の出願であって、平成26年9月24日付けで拒絶理由が通知され、平成26年11月27日(手続補正書に【提出日】として記載された差出日(以下、「差出日」という。):平成26年11月26日)に手続補正がなされたが、平成27年6月26日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成27年10月6日(審判請求書に【提出日】として記載された差出日(以下、「差出日」という。):平成27年10月5日)に拒絶査定不服審判が請求され、当審において、平成28年4月28日付けで拒絶理由が通知され、平成28年7月15日(意見書に【提出日】として記載された差出日(以下、「差出日」という):平成28年7月15日)に意見書が提出されたものである。 第2 当審における拒絶理由とその判断 1 当審における拒絶理由の概要 当審において平成28年4月28日付けで通知した拒絶理由の概要は、次のとおりである。 「理由1 平成26年11月27日付け(手続補正書に【提出日】として記載された差出日(以下、「差出日」という。):平成26年11月26日)でした手続補正は、下記の点で願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 記 平成26年11月27日付け(差出日:平成26年11月26日)手続補正書によって、 (1)請求項2に、ビニールチューブについて、「内径6-8mm位」との技術的事項が追加された。 (2)請求項2に、溝穴の平行な切り口について、「幅約2mm間隔」とする技術的事項が追加された。 (3)請求項3に、測定対象液とビニールチューブ被膜付液面検出電極棒の間の導通値について、「20KΩ以下」とする技術事項が追加された。また、ビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒の固有抵抗と測定対象液とについて、「20KΩ以下」とする技術的事項が追加された。 (4)請求項3に、オムロン製フロートなしスイッチについて、「型式61F-i及び61F-G」とする技術的事項が追加された。 これらの技術的事項は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)に明示されておらず、また、出願時の技術常識に照らしても、自明な事項であるとはいえない。 よって、平成26年11月27日付け(差出日:平成26年11月26日)手続補正書による補正は、当業者によって、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。 理由2 この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 記 請求項1~3について、 (1)請求項1、2に係る発明が、物の発明(例えば、「液面検出電極棒」の発明)なのか、物を生産する方法の発明(例えば、「液面検出電極棒を製造する方法」の発明)なのか、不明確である。 (2)請求項3に係る発明が、物の発明(例えば、「液面継電器」の発明)なのか、物を生産する方法の発明(例えば、「液面継電器を製造する方法」の発明)なのか、不明確である。 (3)請求項1、2の「液面検出電極棒(鋼棒又はステンレス丸棒)」との記載は、「鋼棒又はステンレス丸棒」が「液面検出電極棒」の単なる例示であるのか、「液面検出電極棒」が「鋼棒又はステンレス丸棒」に特定されることを意味しているのか、不明確である。 (4)請求項3の「又図1a 2aの内1aではビニールチューブの先端部開放形で浸漬けする前の状態で有り2aは浸漬け乾燥後の状態の図である。図2a、2bの内2aの図はビニールチューブの先端部を接着または溶着した密閉形で有りポリアニリン高分子溶液に浸漬けする前の構造図である。図2bは2aの密閉形のものをポリアニリン高分子溶液に浸漬け乾燥したものである。」との記載は、請求項3の記載が「図1a 2a」「図2a、2b」の記載で代用されている結果、発明の範囲が不明確である。 (5)請求項1の「・・・発見」、「・・・数年間の実験により発見し着眼」との記載は、発明の経緯についての記載なのか、発明の技術的事項(ビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒の構造や性質等)を特定する記載なのか不明確である。 理由3 この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記   (引用文献等については引用文献等一覧参照) 1 本願発明について 本願の請求項1~3に係る発明は、上記理由1に示したとおり、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内ではない、新たな技術的事項を含み、また、上記理由2に示したとおり、不明確であるが、平成26年11月27日付け(差出日:平成26年11月26日)手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~3に記載された事項により特定される、次のとおりのものであるとして、以下、請求項1~3に係る発明の進歩性について判断する。 (中略) 2 引用例 (中略) 上記記載事項ア、イ、エより、引用例1には、次の発明が記載されているものと認められる(以下、「引用発明1a」という。)。 (中略) また、上記記載事項ア~エより、引用例1には、次の発明が記載されているものと認められる(以下、「引用発明1b」という。)。 3 対比・判断 (請求項1に係る発明について) (中略) オ したがって、本願の請求項1に係る発明は、引用発明1a及び引用例3に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (請求項2に係る発明について) (中略) したがって、本願の請求項2に係る発明は、引用発明1a、引用例3に記載された技術及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (請求項3に係る発明について) (中略) したがって、本願の請求項3に係る発明は、引用発明1b、引用例3に記載された技術、引用例5に記載されている事項及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (中略) 4 まとめ 以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用発明1a及び引用例3に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、本願の請求項2に係る発明は、引用発明1a、引用例3に記載された技術及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、本願の請求項3に係る発明は、引用発明1b、引用例3に記載された技術、引用例5に記載されてる事項及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (中略) 引 用 文 献 等 一 覧 引用例1:オムロン株式会社「総合カタログ2004」p.96~97(<URL:https://web.archive.org/web/20050309233330/http://www.fa.omron.co.jp/data_pdf/cat/257.pdf>) なお、上記pdfファイルが「総合カタログ2004」の一部であることは、カタログダウンロード画面<URL:https://web.archive.org/web/20050309142711/http://www.fa.omron.co.jp/product/detail/257/cat_jpn_index.html>で、カタログ名称「形61F/漏液検出器 総合カタログ2004」のダウンロードボタンをクリックすると、上記pdfファイルがダウンロードできることから、明らかである。 引用例2:特開2010-174273号公報 引用例3:特開2005-172778号公報 引用例4:「機種選定の目安」、p.118~121(<URL:https://web.archive.org/web/20050309210926/http://www.fa.omron.co.jp/data_pdf/selection/switch/61f/61f_selection_1.pdf>) なお、上記pdfファイルが、「フロートなしスイッチ」の機種選定の目安であることは、機種選定の目安(PDF)のダウンロード画面<URL:https://web.archive.org/web/20050319120753/http://www.fa.omron.co.jp/product/switch/61f/ >において、「【フロートなしスイッチ】61F機種選定の目安(PDF)」をクリックすると、上記pdfファイルがダウンロードできることから、明らかである。 引用例5:オムロン株式会社「総合カタログ2004」p.36~43(<URL:https://web.archive.org/web/20050125075058/http://www.fa.omron.co.jp/data_pdf/cat/244.pdf>) なお、上記pdfファイルが「総合カタログ2004」であることは、カタログダウンロード画面<URL:https://web.archive.org/web/20050309230510/http://www.fa.omron.co.jp/product/detail/244/cat_jpn_index.html>で、カタログ名称「形61F/漏液検出器 総合カタログ2004」のダウンロードボタンをクリックすると、上記pdfファイルがダウンロードできることから、明らかである。」 2 平成26年11月27日(差出日:平成26年11月26日)の手続補正における新規事項の追加について (1)請求項2に、ビニールチューブについて、「内径6-8mm位」との技術的事項を追加する補正について 本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「出願当初明細書等」という。)には、「ビニールチューブ被覆金属棒」との記載はあるが(段落【0009】、【0010】)、ビニールチューブの内径についても、ビニールチューブが被覆される金属棒の外径についても、何ら記載されていない。 よって、請求項2に、ビニールチューブについて、「内径6-8mm位」との技術的事項を追加することは、出願当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。 (2)請求項2に、溝穴の平行な切り口について、「幅約2mm間隔」とする技術的事項を追加する補正について 本願の出願当初明細書等には、ビニールチューブに作る溝穴の「平行な切り口」について、次の記載がある。 ア 「ビニールチューブ被膜付電極棒の先端部から5mmの処から刃物又はカッター等で長さ15mm位を対面、反対面を約1mm間隔の平行な切り口をカッター等で引き溝穴作る」(【請求項2】) イ 「また請求項2の発明はビニールューブ付電極棒のビニールチューブの先端部分から約10mm程の処から幅1mm長さ約1,5cmをカッター等の刃物で対面或いは反対面を切り矩形の切り口による溝穴を作ったもの」(段落【0005】) ウ 「ビニールチューブ被膜3の先端部から10mmの点から対面或いは反対部分をカッター等で長さ1、5cm幅1ミリ位の平行間隔で2本の切り口から矩形の溝穴を開ける」(段落【0008】) エ 「図1aはビニールチューブ被覆金属棒のビニールチューブの先端部よりカッター等で10mmの点から約長さ1.5cm幅1mmの切り口を若干切開いた溝穴を作った」(段落【0009】) オ 「図3はビニールチューブに溝穴を開けたところの斜視図でありカッター等で容易に開けることができ溝穴の寸法は幅約1mm長さ1.5cm位のものである。」(段落【0011】) よって、本願の出願当初明細書等には、ビニールチューブに作る溝穴の平行な切り口について、「幅約1mm間隔」とすることは記載されているものの、「幅約2mm間隔」とする点は何ら記載されていない。 従って、請求項2に、溝穴の平行な切り口について、「幅約2mm間隔」とする技術的事項を追加することは、出願当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。 (3)請求項3に、「測定対象液とビニールチューブ被膜付液面検出電極棒の間」の導通値を、「20KΩ以下」とする技術的事項を追加する補正について 本願の出願当初明細書等には、次の記載がある。 ア 「ポリアニリン高分子液は導電性があり乾燥した時点で固有抵抗15KΩ位であり此れプラス対象液は、液面継電器(オムロン)の動作点50KΩ以下の範囲内である」(【請求項3】) イ 「電極式液面継電器の動作点は0~50kΩ設定でき本発明のビニルチューブ導電被膜付液面検出部電極棒の固有抵抗5~15KΩプラス酸、アルカリ溶液はこの電極式液面継電器(オムロン)の動作点の範囲に充分入り液面自動制御系に採用できる。」(段落【0006】) ウ 「即ちタンク内の酸、アルカリ液の導電抵抗値+ビニールチューブ導電被膜付電極棒の固有抵抗約15KΩはオムロンフロートレス継電器の動作点0~50KΩの範囲に入るため充分な液面自動制御が可能となった。」(段落【0010】) よって、出願当初明細書等には、測定対象液とビニールチューブ被膜付液面検出電極棒の間の導通値について、「5~15KΩ」(上記「イ」より)~50KΩ(上記「ア」、「ウ」より)であることは記載されているものの、特に「20KΩ以下」とすることは、記載されていない。 従って、請求項3に、測定対象液とビニールチューブ被膜付液面検出電極棒の間の導通値について、「20KΩ以下」という「特徴もつた」との技術的事項を追加することは、出願当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。 (4)請求項3に、オムロン製フロートなしスイッチについて、「型式61F-i及び61F-G」とする技術的事項を追加する補正について 本願の出願当初明細書等には、「液面継電器(オムロン)」(【請求項3】)、「電極式液面継電器(オムロン)」(段落【0006】)、「オムロンフロートレス継電器」(段落【0010】)、「フロートレス継電器(オムロン)」(段落【0013】)と記載されているが、オムロン製フロートなしスイッチの具体的型式については、何ら記載されていない。 よって、オムロン製フロートなしスイッチについて、「型式61F-i及び61F-G」とする技術的事項を追加することは、出願当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。 (5)まとめ 以上のとおり、平成26年11月27日(差出日:平成26年11月26日)の手続補正は、出願当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 3 特許請求の範囲の記載不備について (1)請求項1、2について ア 請求項1には、「ポリアニリン高分子溶液にビニールチューブを浸液し其の後浸液部分を抜き上げ乾燥する工程を経る事でその入れた部分はビニールチューブと固着及び同化作用が生じる事を発見又此の部分は導電性も有り又酸アルカリ溶液に対し溶けたり、剥がれたりしない耐腐食及び耐摩耗性もある事を数年間の実験により発見し着眼此れをビニールチューブ導電被膜としたものである。更に此のビニールチューブに液面検出電極棒(鋼棒又はステンレス丸棒)を一杯に挿入」と、液面検出電極棒を製造する方法が記載されている一方で、「ビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒として提供する」との記載もなされている。 よって、請求項1に係る発明が、物の発明(例えば、「液面検出電極棒」の発明)なのか、物を生産する方法の発明(例えば、「液面検出電極棒を製造する方法」の発明)なのか、不明確である。 イ 請求項2には、「ビニールチューブの内径6-8mm位の一本を先端部から5mmの処を刃物又はカッター等で長さ15mm位を対面において幅約2mm間隔の平行な切り口を刃物又はカッター等で引き裂き矩形の形をした溝穴を作る、更に此のビニールチューブの先端部から約15cmの処まで用意していたポリアニリン導電高分子液に浸し(溝穴の部分も隠れるように液漬けされる)又更に此のビニールチューブに液面検出電極としての芯棒(鋼棒又はステンレスの丸棒)を一杯に通す、次に此れの液漬け後全体を液から他へ移し液漬けした部分を乾燥工程にいれる、自然乾燥でも良い、又更に此れの液漬け、乾燥を二から三度繰り返す」と、液面検出電極棒を製造する方法が記載されている一方で、「この様にして、加工し仕上がったもの及び溝穴を具備したもの、即ちビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒として提供する」との記載もなされている。 よって、請求項2に係る発明が、物の発明(例えば、「液面検出電極棒」の発明)なのか、物を生産する方法の発明(例えば、「液面検出電極棒を製造する方法」の発明)なのか、不明確である。 ウ よって、請求項1、2に係る発明が、物の発明(例えば、「液面検出電極棒」の発明)なのか、物を生産する方法の発明(例えば、「液面検出電極棒を製造する方法」の発明)なのか、不明確である。 (2)請求項3について 請求項3には「当発明であるビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒は・・・又此の発明のビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒を3本位を測定対象液の入って居るタンク等に設置し上記液面継電器のONOFF操作回路に繋いだ」と、当発明であるビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒を用いて液面継電器を製造する方法が記載されている一方で、「タンク内の対象液の上限中限下限レベルの安定したONOFF信号を得る事が出来る」「液面継電器」と解される記載もなされている。 よって、請求項3に係る発明が、物の発明(例えば、「液面継電器」の発明)なのか、物を生産する方法の発明(例えば、「液面継電器を製造する方法」の発明)なのか、不明確である。 この点について、審判請求人は、平成28年7月15日(差出日:平成28年7月15日)の意見書において「(2)請求項3に係る発明はビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒である物を制作した発明であり「液面継電器」の発明では無い」と述べているが、請求項3における「此の発明のビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒を3本位を測定対象液の入って居るタンク等に設置し上記液面継電器のONOFF操作回路に繋いだ場合そのタンク内の対象液の上限中限下限レベルの安定したONOFF信号を得る事が出来る。」との記載は、液面継電器を製造する方法、あるいは液面継電器を特定する記載とも解されるから、審判請求人の主張は採用できない。 (3)請求項1、2には、「液面検出電極棒(鋼棒又はステンレス丸棒)」と記載されている(正確には、請求項2には、「液面検出電極としての芯棒(鋼棒又はステンレスの丸棒)」と記載されている)が、該記載における「鋼棒又はステンレス丸棒」は、「液面検出電極棒」の単なる例示であるのか、「液面検出電極棒」が「鋼棒又はステンレス丸棒」に特定されることを意味しているのか、不明確である。 この点について、審判請求人は、平成28年7月15日(差出日:平成28年7月15日)の意見書において「(3)「液面検出電極棒は (鋼棒) とする。」と述べているが、これに対応する手続補正はなされておらず、審判請求人の主張は、特許請求の範囲の記載に基づくものではない。 (4)請求項3には、「又図1a 2aの内1aではビニールチューブの先端部開放形で浸漬けする前の状態で有り2aは浸漬け乾燥後の状態の図である。図2a、2bの内2aの図はビニールチューブの先端部を接着または溶着した密閉形で有りポリアニリン高分子溶液に浸漬けする前の構造図である。図2bは2aの密閉形のものをポリアニリン高分子溶液に浸漬け乾燥したものである。」との記載されている。 該記載は、請求項3に係る発明についての特定を「図1a 2a」「図2a、2b」の記載で代用するものであるが、「図1a 2a」「図2a、2b」に記載されたいかなる構成により請求項3に係る発明について特定しているか明らかでない。 よって、上記記載を含む請求項3の記載は不明確である。 (5)請求項1の「・・・事を発見」、「・・・数年間の実験により発見し着眼」との記載は、発明の経緯についての記載なのか、発明の技術的事項(ビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒の構造や性質等)を特定する記載なのか不明確である。 (6)まとめ 以上のとおり、この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 4 進歩性について (1)本願発明について 上記「2」及び「3」で述べたとおり、本願の請求項1~3に係る発明は、出願当初明細書等に記載した事項の範囲内ではない、新たな技術的事項を含み、また、不明確であるが、平成26年11月27日(差出日:平成26年11月26日)の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~3に記載された事項により特定される、次のとおりのものであるとして、以下、請求項1~3に係る発明の進歩性について判断する。 「【請求項1】 ポリアニリン高分子溶液にビニールチューブを浸液し其の後浸液部分を抜き上げ乾燥する工程を経る事でその入れた部分はビニールチューブと固着及び同化作用が生じる事を発見又此の部分は導電性も有り又酸アルカリ溶液に対し溶けたり、剥がれたりしない耐腐食及び耐摩耗性もある事を数年間の実験により発見し着眼此れをビニールチューブ導電被膜としたものである。更に此のビニールチューブに液面検出電極棒(鋼棒又はステンレス丸棒)を一杯に挿入としてビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒として提供するものである。又此れの電極棒は長さの減らない、変わらない特徴を持つものである。 【請求項2】 ビニールチューブの内径6-8mm位の一本を先端部から5mmの処を刃物又はカッター等で長さ15mm位を対面において幅約2mm間隔の平行な切り口を刃物又はカッター等で引き裂き矩形の形をした溝穴を作る、更に此のビニールチューブの先端部から約15cmの処まで用意していたポリアニリン導電高分子液に浸し(溝穴の部分も隠れるように液漬けされる)又更に此のビニールチューブに液面検出電極としての芯棒(鋼棒又はステンレスの丸棒)を一杯に通す、次に此れの液漬け後全体を液から他へ移し液漬けした部分を乾燥工程にいれる、自然乾燥でも良い、又更に此れの液漬け、乾燥を二から三度繰り返す、この様にして、加工し仕上がったもの及び溝穴を具備したもの、即ちビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒として提供するものである。又更に此のビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒を外部酸またはアルカリの測定溶液に入れた時に其処での溝穴に溶液が侵入電気的導通路が出来(又は液絡部となるもの)る。即ち此の構成を特徴とするものである。電極棒と酸またはアルカリ測定溶液間をテスター(電気抵抗測定器)で測った時には導通値Ωが示される。 【請求項3】 当発明であるビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒はビニールチューブの導電被膜表面と溝穴での導通路を電荷が伝わり電極棒(鋼棒又はステンレス棒)とで固有抵抗15KΩ以下に加工具備出来たものである。即ち此れの電気的導通値(テスターで測った値)は15KΩ以下であり此れを外部測定対象液(酸及びアルカリ溶液)に入れた時には測定対象液―ビニールチューブ導電被膜ー溝穴の中に固着しているポリアニリン導電高分子―電極棒と伝わりテスターで測定した導通値は測定対象液とビニールチューブ被膜付液面検出電極棒の間で20KΩ以下の安定した数値を具備出来るものである。液面継電器(オムロン製フロートなしスイッチ型式61F-i及び61F-G)の動作点は50KΩ以下の範囲内であることから此のビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒は耐腐食摩耗性有る事から固有抵抗と測定対象液とで20KΩ以下と言う特徴をもつたである。即ち此の数値が50KΩ以上だと液面継電器は動作しない。又此の発明のビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒を3本位を測定対象液の入って居るタンク等に設置し上記液面継電器のONOFF操作回路に繋いだ場合そのタンク内の対象液の上限中限下限レベルの安定したONOFF信号を得る事が出来る。又図 1a 2aの内1aではビニールチューブの先端部開放形で浸漬けする前の状態で有り2aは浸漬け乾燥後の状態の図である。 図2a、2bの内2aの図はビニールチューブの先端部を接着または溶着した密閉形で有りポリアニリン高分子溶液に浸漬けする前の構造図である。 図2bは2aの密閉形のものをポリアニリン高分子溶液に浸漬け乾燥したものである。」 (2)引用例 (引用例1) 本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、オムロン株式会社「総合カタログ2004」p.96~97(<URL:https://web.archive.org/web/20050309233330/http://www.fa.omron.co.jp/data_pdf/cat/257.pdf>)(以下、「引用例1」という。)には、次の技術事項が記載されている。 ア 「形F03-□ 電極棒および周辺部品 信頼性を永く保つための豊富なバリエーションを用意。 ●標準電極棒は浄水等に使用できるステンレス製(SUS304)。 ●耐食性が要求される場合にSUS316を、耐酸性が要求される場合にチタン電極棒とハステロイ電極棒を用意。 ●長い電極棒が必要な場合は1mごとに接続ナットとロックナット(2個)で延長可能。」(第96頁) イ 「◆電極棒特殊品 電極棒どうしの接触、またはゴミ付着物等による誤動作防止のために電極棒を被覆した商品です。ただし、ご使用に際しては導通確保のため、電極棒先端を10cm程度、剥いてご使用下さい。 注.長さは1m、被覆の厚さは約0.5mmです。 ※1.テフロンは三井デュポンフロロケミカル(株)のフッ素樹脂の登録商標です。」(第96頁) ウ 引用例1の第97頁右上には、3本の電極棒を、セパレータを使用し、電極保持器に保持した図が記載されている。 エ 引用例1の第97頁の「■電極棒・付属品 外形寸法」には、「◆電極棒 形F03 - 01」の外形寸法について、「φ5.23」と記載されている。 上記記載事項ア、イ、エより、引用例1には、次の発明が記載されているものと認められる(以下、「引用発明1a」という。)。 「耐食性が要求されるステンレス製の電極棒であって、直径がφ5.23であり、ビニールチュービングがなされ、使用に際しては導通確保のため、電極棒先端を10cm程度、剥いて使用する、電極棒。」 また、上記記載事項ア~エより、引用例1には、次の発明が記載されているものと認められる(以下、「引用発明1b」という。)。 「耐食性が要求されるステンレス製の電極棒であって、直径がφ5.23であり、ビニールチュービングがなされ、使用に際しては導通確保のため、電極棒先端を10cm程度、剥いて使用する、電極棒を3本、セパレータを使用し、電極保持器に保持した部品。」 (引用例2) 本願の出願前に頒布された刊行物である、特開2010-174273号公報(以下、「引用例2」という。)には、 「【0009】 ポリアニリンは、特許文献1~4に示すように、導電性、耐食性等の機能を有し、その機能を利用した多様な耐食性に優れる材料が提案されている。しかしながら、特許文献1~4に示すような従来技術は、ポリアニリン自体の耐食機能を利用するだけにとどまり、さらにその機能を向上させた材料等の開示はない。 【0010】 ポリアニリンは、種々の機能を有する有用な材料であり、ポリアニリンと組み合わせるものによって、ポリアニリンを利用した材料の性質をさらに向上させることができるならば、ポリアニリンの利用性を一層高めることができる。本発明は、かかる観点から、ポリアニリンを利用した従来の防食被膜、防食塗料組成物、あるいは耐食材料よりも優れた防食被膜及び耐食性金属材料を提供することを目的とする。」 と記載されている。 よって、本願の出願前において、ポリアニリンを利用した、導電性を有する防食塗料は、周知の塗料であったものと認められる。 (引用例3) 本願の出願前に頒布された刊行物である、特開2005-172778号公報(以下、「引用例3」という。)には、図面とともに、次の記載がある(下線は、当審で付与した。)。 ア 「【解決手段】本発明の電極式液面計用液面検出電極チップ13はビニールチューブ5に対照的に2から5個のポンチ孔3を開け更にはポリアニリン塗料の中に浸漬けし乾燥したものと更には数ミリ¢の全ネジステンレスの棒片4を浸漬け乾燥したものを組み付け二三回浸漬け加熱乾燥を繰り返し固形化したものである。図1此の事により金属に近い導電固体を形成する。 浸漬け中に於てはポンチ孔3からとチューブ5と棒片4の隙間から全ネジの谷間に添ってポリアニリン塗料が流れ出て隙間を充満す事になる。 此のポリアニリン塗料はビニールと同化、導電耐食性に選れ此に着眼した。」(第1頁、【要約】) イ 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 電極式液面計の電極棒の先端部に取り付けられる100ミリX9ミリ¢位の寸法の物体で表面の層にはポリアニリン塗料に浸漬後乾燥した液絡部孔を2-5個設けた塩化ビニールチューブで出来ており又中層には切削加工を施した全ネジの金属棒6ミリ¢を浸漬けし中芯としております。従って此のチューブに此の中芯とする金属棒差し込んだものを更にポリアニリン塗料液に数分浸漬けし液垂の無いよう抜き上げし加熱乾燥し此の工程を数回繰り返す事により固形化状に仕上げる工法を経たものを特徴とする。電極式液面計用液面検出電極チップ。 【請求項2】 此のポリアニリン塗料は塩化ビニールチューブとの同化作用の有るものでアルカリ及び酸濃度の各液に接液しても実験の結果長期間に亘って変質や剥離に依る導電度の異状無い固有抵抗5KΩ以下のものを特徴としている。又電極棒本体との接続は接続ナットによるネジ込み又は溶接接続を施し更に此の周囲にポリアニリン塗料を塗り付け乾燥後此の接続部分及び周りを熱収縮チューブで加熱覆い此の塗料でシール対策を施したものである。」 ウ「【課題を解決するための手段】 【0004】 前述から中芯の全ネジのステンレスの棒片4をポリアニリン塗料に浸漬けした後加熱乾燥させ此の表面に導電被膜を作ります。又此のポリアニリン塗料の被膜は耐酸、耐アルカリ性が有り棒片4の腐食を防止できます。更に此の棒片4を覆っているビニールチューブ5には、2から5個の対照的にポンチ孔3ミリ¢3を開けております、そして此のチューブ5をポリアニリン塗料に浸漬けした後乾燥した事でチューブ5全体に被膜を造ります。 又此のポリアニリン塗料は塩化ビニール材と同化作用が有り此に着眼した、従って此の被膜は酸、アルカリ溶液に溶けたり、剥離する事等は長時間に亘っても無い、更に次の工程では此被膜の付着したチューブ5と全ネジステンレス棒片4を組み付け再びポリアニリン塗料に浸漬けする、此の工程ではポリアニリン塗料はビニールチューブ5と電極棒片4との隙間を流入し又もう一方では液絡部孔3即ちビニールチューブ5に開けたポンチ孔(3ミリ¢を2から5個)3から流入し中芯である全ネジステンレス棒片4のネジ部を伝わる事によりチューブ5と棒片4との隙間をポリアニリン塗料で充満することになる。 次に此の組み付けしたものを塗料が垂れないように静かに引き上げ加熱乾燥する。此工程を二三回繰り返すことで強固な固形状となる。此れが導電性のある酸、アルカリ各濃度液に強い電極式液面計用液面検出電極チップである。 エ 「【0007】・・・液絡部孔3にポリアニリン塗料を充満乾燥させる事で耐摩耗性が出来電極棒20等が磨り減る事も無くなると同時に此の孔からの電極の抵抗値は5キロΩ以下で有り微少電流は安定して流れ易くなっている、・・・」 上記記載から、引用例3は、次の技術(以下、「引用例3に記載された技術」という。)が記載されているものと認められる。 「中芯の全ネジのステンレスの棒片4をポリアニリン塗料に浸漬けした後加熱乾燥させ此の表面に導電被膜を作り、又此のポリアニリン塗料の被膜は耐酸、耐アルカリ性が有り棒片4の腐食を防止でき、更に此の棒片4を覆っているビニールチューブ5には、2から5個の対照的にポンチ孔3ミリ¢3を開けており、そして此のチューブ5をポリアニリン塗料に浸漬けした後乾燥した事でチューブ5全体に被膜を造り、又此のポリアニリン塗料は塩化ビニール材と同化作用が有り、従って此の被膜は酸、アルカリ溶液に溶けたり、剥離する事等は長時間に亘っても無く、更に次の工程では此被膜の付着したチューブ5と全ネジステンレス棒片4を組み付け再びポリアニリン塗料に浸漬けする、此の工程ではポリアニリン塗料はビニールチューブ5と電極棒片4との隙間を流入し又もう一方では液絡部孔3即ちビニールチューブ5に開けたポンチ孔(3ミリ¢を2から5個)3から流入し中芯である全ネジステンレス棒片4のネジ部を伝わる事によりチューブ5と棒片4との隙間をポリアニリン塗料で充満することになり、次に此の組み付けしたものを塗料が垂れないように静かに引き上げ加熱乾燥し、此工程を二三回繰り返すことで強固な固形状となり、此れが導電性のある酸、アルカリ各濃度液に強く(上記「ウ」段落【0004】より)、液絡部孔3にポリアニリン塗料を充満乾燥させる事で耐摩耗性が出来電極棒20等が磨り減る事も無くなると同時に此の孔からの電極の抵抗値は5キロΩ以下で有り微少電流は安定して流れ易くなっている(上記「エ」段落【0007】より)、 電極式液面計の電極棒の先端部に取り付けられる、電極式液面計用液面検出電極チップ(上記「イ」【請求項1】より)。」 (引用例4) 本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、「機種選定の目安」、p.118~121(<URL:https://web.archive.org/web/20050309210926/http://www.fa.omron.co.jp/data_pdf/selection/switch/61f/61f_selection_2.pdf>)(以下、「引用例4」という。)には、「<付表4>各種液体-電極材の耐食性」に、SUS 304、SUS 316を含む電極材について、酸、アルカリの液体に対する耐食性がA~Eで示されると共に、「注3.耐食性については、上表を参考にして電極棒を選定しますが、耐食性十分または耐食性ありの場合でもまったく浸食させないということではありません。」(第121頁)と記載されている。 (引用例5) 本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、オムロン株式会社「総合カタログ2004」p.36~43(<URL:https://web.archive.org/web/20050125075058/http://www.fa.omron.co.jp/data_pdf/cat/244.pdf>)(以下、「引用例5」という。)には、次の記載がある。 ア 「■定格/性能 ◆基本形」の表には、「一般用 形61F-□(TDL)」のタイプの「電極間動作抵抗(推奨値)」が「0~約4kΩ」であることが記載されている。 イ 第43頁の「液面の表示と警報」には、検出電極棒を3本、水槽に設置し、「ベースタイプ形61F-I」のリレーユニットのONOFF操作回路に繋いでその水槽内の水面の上限中間下限に対応したONOFF信号を得ることが記載されている。 (3)対比・判断 (請求項1に係る発明について) ア 本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)と引用発明1aとを対比する。 引用発明1aの「電極棒」が、液位検出のための電極棒であるあることは、電極棒F-03□が、<URL:https://web.archive.org/web/20050319120753/http://www.fa.omron.co.jp/product/switch/61f/>に「形61Fフロートなしスイッチ」「導電(電極)式の液位検出器」の商品として掲載されているとおり、当業者に明らかなことである。 よって、引用発明1aの「耐食性が要求されるステンレス製の電極棒であって」、「ビニールチュービングがなされ、使用に際しては導通確保のため、電極棒先端を10cm程度、剥いて使用する、電極棒。」と本願発明の「ビニールチューブに液面検出電極棒(鋼棒又はステンレス丸棒)を一杯に挿入としてビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒」とは、「ビニールチューブに液面検出電極棒(鋼棒又はステンレス丸棒)を一杯に挿入した液面検出電極棒」の点で共通する。 次に、引用発明1aのステンレス製の電極棒が「耐食性が要求される」ものであることと、本願発明1の「電極棒は長さの減らない、変わらない特徴を持つものである。」こととは、「電極棒は長さの減らない、変わらないことが要求されるものである」点で共通する。 イ 以上より、本願発明1と引用発明1aとの一致点及び相違点は、次のとおりである。 (一致点) 「ビニールチューブに液面検出電極棒(鋼棒又はステンレス丸棒)を一杯に挿入した液面検出電極棒であって、電極棒は長さの減らない、変わらないことが要求されるものである。」 (相違点) 本願発明1の液面検出電極棒は、「ポリアニリン高分子溶液にビニールチューブを浸液し其の後浸液部分を抜き上げ乾燥する工程を経る事でその入れた部分はビニールチューブと固着及び同化作用が生じる事を発見又此の部分は導電性も有り又酸アルカリ溶液に対し溶けたり、剥がれたりしない耐腐食及び耐摩耗性もある事を数年間の実験により発見し着眼此れをビニールチューブ導電被膜としたものである。更に此のビニールチューブ」に液面検出電極棒(鋼棒又はステンレス丸棒)を一杯に挿入として「ビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒」として提供するものであって、「電極棒は長さの減らない、変わらない特徴を持つ」のに対し、引用発明1aの電極棒は、「ビニールチュービングがなされ」たステンレス製の電極棒であって、「耐食性が要求される」ものの、本願発明1のような「ビニールチューブ導電被膜」を付けることも、「電極棒は長さの減らない、変わらない特徴を持つ」ことも示されていない点。 ウ そこで、上記相違点について検討すると、引用例3に記載された技術には、 「中芯の全ネジのステンレスの棒片4をポリアニリン塗料に浸漬けした後加熱乾燥させ此の表面に導電被膜を作り、又此のポリアニリン塗料の被膜は耐酸、耐アルカリ性が有り棒片4の腐食を防止でき、更に此の棒片4を覆っているビニールチューブ5には」、「ポンチ孔」「を開けており」、「更に此の棒片4を覆っているビニールチューブ5」を「ポリアニリン塗料に浸漬けした後乾燥した事でチューブ5全体に被膜を造り、又此のポリアニリン塗料は塩化ビニール材と同化作用が有り、従って此の被膜は酸、アルカリ溶液に溶けたり、剥離する事等は長時間に亘っても無く、更に次の工程では此被膜の付着したチューブ5と全ネジステンレス棒片4を組み付け」、「液絡部孔3にポリアニリン塗料を充満乾燥させる事で耐摩耗性が出来電極棒20等が磨り減る事も無くなると同時に此の孔からの電極の抵抗値は5キロΩ以下で有り微少電流は安定して流れ易くなっている」ことが示されている。 そして、引用発明1aのステンレス製の電極棒は、「耐食性が要求される」ものとして選定されたとしても、酸、アルカリの液体に対しては、まったく浸食させないということでないこと(引用例4参照。)、本願の出願前において、ポリアニリンを利用した、導電性を有する防食塗料は、周知の塗料であったこと(引用例2参照。)、及び、引用発明1aと引用例3に記載された技術とは、電極式の液位検出器という共通の技術分野に属することを考慮すれば、引用発明1aに引用例3に記載された技術を適用することは、当業者に動機付けられていたことといえる。 よって、引用発明1aに引用例3に記載された技術を適用し、引用発明1aにおいて、ステンレス製の電極棒をポリアニリン塗料に浸漬けした後加熱乾燥させ此の表面に導電被膜を作り、又此のポリアニリン塗料の被膜は耐酸、耐アルカリ性が有り電極棒の腐食を防止でき、更に此の電極棒を覆っているビニールチューブには、ポンチ孔を開けており、更に此の電極棒のビニールチューブをポリアニリン塗料に浸漬けした後乾燥した事でチューブ全体に被膜を造り、又此のポリアニリン塗料はビニール材と同化作用が有り、従って此の被膜は酸、アルカリ溶液に溶けたり、剥離する事等は長時間に亘っても無く、更に次の工程では此被膜の付着したチューブとステンレス製の電極棒を組み付け、液絡部孔にポリアニリン塗料を充満乾燥させる事で耐摩耗性が出来電極棒等が磨り減る事も無くなると同時に此の孔からの電極の抵抗値は5キロΩ以下で有り微少電流は安定して流れ易くなっているようにして、上記相違点に係る本願発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 エ そして、本願発明1の奏する作用効果は、引用発明1a及び引用例3に記載された技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 オ したがって、本願の請求項1に係る発明は、引用発明1a及び引用例3に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (請求項2に係る発明について) 本願の請求項2に係る発明(以下、「本願発明2」という。)と引用発明1aとを対比すると、上記「(請求項1に係る発明について)」「ア」で述べた点、及び、引用発明1aの電極棒の直径が「φ5.23」であることから、引用発明1aのビニールチューブの内径が6mm位であると認められる点より、両者の一致点、相違点は次のとおりである。 (一致点) 「内径6-8mm位のビニールチューブの一本に液面検出電極としての芯棒(鋼棒又はステンレスの丸棒)を一杯に通した、液面検出電極棒。」 (相違点) 本願発明2では、液面検出電極としての芯棒(鋼棒又はステンレスの丸棒)を一杯に通されるビニールチューブが、「先端部から5mmの処を刃物又はカッター等で長さ15mm位を対面において幅約2mm間隔の平行な切り口を刃物又はカッター等で引き裂き矩形の形をした溝穴を作る、更に此のビニールチューブの先端部から約15cmの処まで用意していたポリアニリン導電高分子液に浸し(溝穴の部分も隠れるように液漬けされる)」ものであって、さらに、ビニールチューブに液面検出電極としての芯棒(鋼棒又はステンレスの丸棒)を一杯に通してから、「此れの液漬け後全体を液から他へ移し液漬けした部分を乾燥工程にいれる、自然乾燥でも良い、又更に此れの液漬け、乾燥を二から三度繰り返す、この様にして、加工し仕上がったもの及び溝穴を具備したもの、即ちビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒として提供するものである。又更に此のビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒を外部酸またはアルカリの測定溶液に入れた時に其処での溝穴に溶液が侵入電気的導通路が出来(又は液絡部となるもの)る。即ち此の構成を特徴とするものである。電極棒と酸またはアルカリ測定溶液間をテスター(電気抵抗測定器)で測った時には導通値Ωが示される。」ものであるのに対し、引用発明1aでは、「耐食性が要求されるステンレス製の電極棒であって」、「ビニールチュービングがなされ」るものの、ビニールチューブに特定の寸法の矩形の形をした溝穴を作ることも、ポリアニリン導電高分子の導電被膜を付けることも、電極棒を外部酸またはアルカリの測定溶液に入れた時の電気的特性についても示されていない点。 そこで上記相違点について検討すると、引用例3に記載された技術には、「ステンレスの棒片4」を「覆っているビニールチューブ5には、2から5個の対照的にポンチ孔3ミリ¢3を開けており、そして此のチューブ5をポリアニリン塗料に浸漬けした後乾燥した事でチューブ5全体に被膜を造り」、此被膜の付着したチューブ5と全ネジステンレス棒片4を組み付けてから、「再びポリアニリン塗料に浸漬けする」、「次に此の組み付けしたものを塗料が垂れないように静かに引き上げ加熱乾燥し、此工程を二三回繰り返すことで強固な固形状となり、此れが導電性のある酸、アルカリ各濃度液に強く、液絡部孔3にポリアニリン塗料を充満乾燥させる事で耐摩耗性が出来電極棒20等が磨り減る事も無くなると同時に此の孔からの電極の抵抗値は5キロΩ以下で有り微少電流は安定して流れ易くなっている」ことが示されている。 そして、引用発明1aに引用例3に記載された技術を適用する動機付けがあることは上記「(請求項1に係る発明について)」「ウ」で述べたとおりであるから、引用発明1aに引用例3に記載された技術を適用し、引用発明1aにおいて、「ステンレス製の電極棒」を「覆っているビニールチューブには、2から5個の対照的にポンチ孔3ミリ¢3を開けており、そして此のチューブ5をポリアニリン塗料に浸漬けした後乾燥した事でチューブ全体に被膜を造り」、此被膜の付着したチューブとステンレス製の電極棒を組み付けてから、「再びポリアニリン塗料に浸漬けする」、「次に此の組み付けしたものを塗料が垂れないように静かに引き上げ加熱乾燥し、此工程を二三回繰り返すことで強固な固形状となり、此れが導電性のある酸、アルカリ各濃度液に強く、液絡部孔にポリアニリン塗料を充満乾燥させる事で耐摩耗性が出来電極棒等が磨り減る事も無くなると同時に此の孔からの電極の抵抗値は5キロΩ以下で有り微少電流は安定して流れ易くなっている」ようにすることは、当業者が容易になし得たことである。 また、その際、穴を開ける際には、ポンチ孔より、刃物又はカッター等で矩形の形をした溝穴を開ける方が開けやすいことは周知の事項であるから、ポンチ孔に代え、ビニールチューブの先端部から5mmの処から、長さ15mm位を対面において幅約2mm間隔の平行な切り口を有する矩形の形をした溝穴を、刃物又はカッター等で開けるようにすることも、当業者が適宜なし得たことである。 さらに、導通値をテスター(電気抵抗測定器)で測ることも、周知の事項である。 よって、引用発明1aに引用例3に記載された技術を適用し、その際、周知の事項を用いて、本願発明2に係る上記相違点に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 そして、本願発明2の奏する作用効果は、引用発明1a、引用例3に記載された技術及び周知の事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 したがって、本願の請求項2に係る発明は、引用発明1a、引用例3に記載された技術及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (請求項3に係る発明について) 本願の請求項3に係る発明(以下、「本願発明3」という。)と引用発明1bとを対比する。 上記「(請求項1に係る発明について)」「ア」で述べたのと同様に、引用発明1bの「電極棒を3本、セパレータを使用し、電極保持器に保持した部品。」が、「導電(電極)式の液位検出器」として用いられることは明らかであるから、引用発明1bの該部品と、本願発明3の「電極棒(鋼棒又はステンレス棒)」であって、「耐腐食摩耗性有る」「ビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒を3本位を測定対象液の入って居るタンク等に設置」したものとは、ビニールチューブを被せた耐食性有る電極棒(鋼棒又はステンレス棒)3本位を測定対象液の入って居るタンク等に設置する点で共通する。 よって、本願発明3と引用発明1bとの一致点、相違点は次のとおりである。 (一致点) 「ビニールチューブを被せた耐食性有る電極棒(鋼棒又はステンレス棒)3本位を測定対象液の入って居るタンク等に設置する」点。 (相違点1) 本願発明3では、ビニールチューブを被せた耐食性有る電極棒(鋼棒又はステンレス棒)が「ビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒」であって「ビニールチューブの導電被膜表面と溝穴での導通路を電荷が伝わり電極棒(鋼棒又はステンレス棒)とで固有抵抗15KΩ以下に加工具備出来たものである。即ち此れの電気的導通値(テスターで測った値)は15KΩ以下であり此れを外部測定対象液(酸及びアルカリ溶液)に入れた時には測定対象液―ビニールチューブ導電被膜ー溝穴の中に固着しているポリアニリン導電高分子―電極棒と伝わりテスターで測定した導通値は測定対象液とビニールチューブ被膜付液面検出電極棒の間で20KΩ以下の安定した数値を具備出来るものである。」のに対し、引用発明1bでは、「電極棒」が「耐食性が要求されるステンレス製の電極棒であって」、「ビニールチュービングがなされ」ているものの、ポリアニリン導電高分子による導電被膜付のものではなく、また、固有抵抗や、外部測定対象液(酸及びアルカリ溶液)に入れた時の電気的導通値(テスターで測った値)についても示されていない点。 (相違点2) 本願発明3では、「ビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒」を3本位を測定対象液の入って居るタンク等に設置し、「液面継電器(オムロン製フロートなしスイッチ型式61F-i及び61F-G)の動作点は50KΩ以下の範囲内であることから此のビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒は耐腐食摩耗性有る事から固有抵抗と測定対象液とで20KΩ以下と言う特徴をもつたである。即ち此の数値が50KΩ以上だと液面継電器は動作しない。上記液面継電器のONOFF操作回路に繋いだ場合そのタンク内の対象液の上限中限下限レベルの安定したONOFF信号を得る事が出来る。」のに対し、引用発明1bでは、耐食性が要求されるステンレス製の電極棒であって、ビニールチュービングがなされた電極棒を3本、セパレータを使用し、電極保持器に保持した部品であって、該部品は導電(電極)式の液位検出器に用いられることは明らかであるものの、液面継電器との接続や動作については示されていない点。 (相違点3) 本願発明3では、「又図 1a 2aの内1aではビニールチューブの先端部開放形で浸漬けする前の状態で有り2aは浸漬け乾燥後の状態の図である。図 2a、2bの内 2aの図はビニールチューブの先端部を接着または溶着した密閉形で有りポリアニリン高分子溶液に浸漬けする前の構造図である。図2bは2aの密閉形のものをポリアニリン高分子溶液に浸漬け乾燥したものである」との特定がなされているのに対し、引用発明1bにはかかる特定がなされていない点。 そこで上記相違点について検討すると、 (相違点1)について 引用例3に記載された技術には、「ステンレスの棒片4」を「覆っているビニールチューブ5」の「表面に導電被膜」として「ポリアニリン塗料」の「被膜を造り」、「ビニールチューブ5」の「液絡部孔3にポリアニリン塗料を充満乾燥させる事で」「此の孔からの電極の抵抗値は5キロΩ以下で有り微少電流は安定して流れ易くなっている」ことが示されている。 そして、引用発明1bに引用例3に記載された技術を適用する動機付けがあることは上記「(請求項1に係る発明について)」「ウ」で述べたのと同様であるから、引用発明1bに引用例3に記載された技術を適用し、引用発明1bにおいて、「ステンレス製の電極棒」を「覆っているビニールチューブ」の「表面に導電被膜」として「ポリアニリン塗料」の「被膜を造り」、「ビニールチューブ」の「液絡部孔にポリアニリン塗料を充満乾燥させる事で」「此の孔からの電極の抵抗値は5キロΩ以下で有り微少電流は安定して流れ易くなっている」ようにすることは、当業者が容易になし得たことである。 また、引用例4の「〈付表3〉各種液体の固有抵抗」(第120頁)に と記載されているとおり、酸、アルカリ溶液に導電性のあることは周知の事項であるから、引用発明1bに引用例3に記載された技術を適用した電極棒を、酸及びアルカリ溶液に入れた時に、酸及びアルカリ溶液―ビニールチューブの表面の導電被膜-液絡部孔に充満乾燥させたポリアニリン塗料―電極棒と伝わりテスターで測定した導通値を、酸、アルカリ溶液と、表面に導電被膜が作られ、ビニールチューブで覆われたステンレス製の電極棒の間で20KΩ以下の安定した数値を具備出来るようにし、上記相違点1に係る本願発明3の構成とすることは、当業者が適宜なし得たことである。 (相違点2)について 引用例3には、「ポリアニリン塗料の被膜は耐酸、耐アルカリ性が有り棒片4の腐食を防止でき」、「液絡部孔3にポリアニリン塗料を充満乾燥させる事で耐摩耗性が出来電極棒20等が磨り減る事も無くなる」と記載されているから、引用発明1bに引用例3に記載された技術を適用した電極棒が「腐食を防止」でき「耐摩耗性」を有することは明らかである。 そして、引用例5には、検出電極棒を3本、水槽に設置し、「ベースタイプ型61F-I」のリレーユニットのONOFF操作回路に繋いでその水槽内の水面の上限中間下限に対応したONOFF信号を得ること、及び、一般用 形61F-□(TDL)タイプの「電極間動作抵抗(推奨値)」が「0~約4kΩ」であることが記載されているから、引用発明1bに引用例3に記載された技術を適用した電極棒を3本、水槽に設置し、引用例5に記載されているように、オムロン製フロートなしスイッチである「ベースタイプ形61F-I」のリレーユニットのONOFF操作回路に繋いでその水槽内の水面の上限中間下限に対応したONOFF信号を得ること、及び、電極間動作抵抗を「(推奨値)」に従って0~約4kΩとし、上記相違点2に係る本願発明3の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 (相違点3)について 引用例3に記載された技術のビニールチューブは、「先端部開放形」であるから、引用発明1bに引用例3に記載された技術を適用し、本願発明3の相違点3に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本願発明3の奏する作用効果は、引用発明1b、引用例3に記載された技術、引用例5に記載されている事項及び周知の事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 したがって、本願の請求項3に係る発明は、引用発明1b、引用例3に記載された技術、引用例5に記載されている事項及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (4)まとめ 以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用発明1a及び引用例3に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、本願の請求項2に係る発明は、引用発明1a、引用例3に記載された技術及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、本願の請求項3に係る発明は、引用発明1b、引用例3に記載された技術、引用例5に記載されている事項及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 5 審判請求人の主張について (1)審判請求書における主張について 審判請求人は、審判請求書の「3.立証の趣旨」において、「第29条2では、日前に提出された特願第2005-172778号公報(電極式液面計用液面検出電極チップ )と後である当該特願第2012-260309(ビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒)は同一の発明で有る場合は特許を受ける事は出来ない、となって居ます、此れには但し書きが付いており即ち但し当該特許出願(第2012-260309号ビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒 )の時にその出願人と当該日前の他の特許出願第2005-172778号公報(電極式液面計用液面検出チップ)の出願人とが同一の者で有る時はこの限りでは無いとある。 従って特願2012-260309(ビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒)と日前の特開2005-172778公報(電極式液面計用電極チップ)の発明は同一人の者であります従って特許法第29の2は前条の拒絶した関連ある項目を救済して居ると理解し特願2012-260309(ビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒)は特許を受ける事は出来るとおもいます。」と主張している。 しかし、特許法第29条第2項と、特許法第29条の2とは、条文も、規定が設けられた趣旨も異なるから、特許法、第79~89頁参照。)、特許法第29条の2の「ただし書き」は、特許法第29条第2項の規定には適用されない。 (2)平成28年7月15日(差出日:平成28年7月15日)の意見書(以下、「意見書」という。)における主張について ア 審判請求人が、意見書において主張している趣旨は、次のとおりである。 (ア)「特許法第29条第2項の規定により特許を受ける事はできない、とありますが今回の特願(2012-260309)ビニールチューブ導被膜付液面検出電極棒にある請求項のポリアニリン導電高分子溶液は特開(2005-172778)電極チップの請求項にあるポリアニリン塗料と全く同一のものであり塩化ビニールチューブ(管材)とに同化作用や固着するものです又此の事は当時第三者特許調査機関より領布、周知されていないものとして確認を受けて出願をした特願(2006-49208)即ち特許第4403416号識別番号598043629液水流検出器であり此れの中の請求項及び解決手段での導電高分子塗料は特許が成立しているものであります即ち特願(2012-260309)のビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒の発明は特許である領布、周知されない導電高分子塗料で加工して出来た液面検出電極棒である。従って引用発明1a,1bとは異なる発明品です。」 (イ)「(引用例2) 特開(2010-174273)は審査未請求でありナノテク時代の樹脂塗料に貴金属微粉末を混合したもので金属棒表面の導電被膜のもので高価なものです。」 (ウ)「(引用例3) 特開(2005-172778)電極式液面計用液面検出電極チップでの[課題を解決するための手段]及び[0007]にあるポリアニリン塗料は塩化ビニール材と同化作用のあるもので特許第4403416号にある導電高分子で塩化ビニールと同化する導電塗料と同一のものです。又此れの導電高分子塗料は今回の特願(2012-260309)ビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒の請求項にあるポリアニリン導電高分子溶液と同一のもので特許になっているものである。従って周知のものとは違います。」 (エ)「(引用例4) ビニールチューブ導電被膜付電極棒の耐食性はA-EランクのうちEのランクであり弱酸、弱アルカリ液に効果があります、耐食の度合いは経年劣化で炭化ぎみなり再生技法として液浸乾燥を繰り返し再生復活が出来る。」 (オ)「ビニールチューブに液面検出電極棒はオムロン株式会社「総合カタログ」での商品化されているとある、しかしながら本願では請求項1としてビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒として提供する物であります。」 (カ)「引用発明1aとは別に本願の出願前に於いてのポリアニリンを利用した導電性を有する防食塗料は領布又は周知れて居ないものとして第三者の特許調査機関を経て証明されいた特開(2007-206043)識別番号598043629は特許第4403416号液水流検出器の中での特許と成って居ります、従って本特願(2012-260309)識別番号598043629の発明はポリアニリンを利用した導電性を有する防食塗料を手法に取り入れビニールチューブ導電被膜を作ったもので領布又は周知されない即ち特許第4403416号の特許期間中は当業者は此れを容易に発明することは出来ない」 (キ)「請求項2についてビニールチューブ及び丸棒等は適格品として積算資料から仕入れ出来るものである。」 (ク)「特許第4403416号識別番号598043629の特許期間中は本願である(特願2012-260309)識別番号598043629の請求項に係るものについては(補正含)当業者は容易になし得る事は出来ない。即ち此れの識別番号からして同一人の者である、又此れらの請求項にあるポリアニリン(高分子)導電塗料は特許第4403416号特許と成っております。従って当業者容易になし得た事では無い、」 (ケ)「引用発明1b手続き補正書でビニールチューブ導電被膜は弱酸、弱アルカリとの間でテスターで測った値20kΩ以下となっています。」 (コ)「本願発明3のビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒の導電被膜作りに使用する高分子導電塗料は前文に示したように特許庁より特許になって居るものです、従って此れ等の手法を行う事は特許期間中は当業者が容易になし得る事は出来無いものです。 従って導電被膜造りによって電極の抵抗値5KΩにすることは特許期間中は当業者が容易になし得る事ではありません又同様に、特許第4403416号の特許効力のある期間中は当業者が容易に発明する事は出来ない、但し本願は同一人に依るためこの限りでは無い。」 (サ)「まとめ  高分子導電塗料は2008年頃迄は領布又は周知されていない、しかしながら領布、周知されていないものとして第三者特許調査機関の認定を受けた特願(2006-49208)液水流検出器、識別番号598043629は特許4403416号識別番号598043629となって居ります又この中の請求項に高分子導電塗料は記述して有り特許となって居ります。従って日前の特願2003-436380失効識別番号598043629と特願2006-49208特許、識別番号598043629は本願である特願2012-260309ビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒識別番号598043629とは同一人物で有りそのため特許法第29条2にの但し書きにより特許を受けることが出来ると思います。」 イ 「ア」「(ア)」について 本願と特願2006-49208号とは別出願であるから、特願2006-49208号に係る発明が、液水流検出器に係るものであり、特許第4403416号として特許を受けているとしても、本願の請求項1~3に係る発明が進歩性を有することにはならない。 同様に、本願と引用例3(特開2005-172778号公報)に係る出願とは別出願であるから、引用例3(特開2005-172778号公報)に係る発明が特許を受けており、引用発明1a,1bとは異なる発明品であるとしても、これにより、本願の請求項1~3に係る発明が進歩性を有することにはならない。 なお、特許法第69条第1項には「特許権の効力は、試験又は研究のためにする特許発明の実施には、及ばない。」と規定されている。以下の「エ」、「キ」、「ケ」、「サ」についても同様である。 ウ 「ア」「(イ)」について 引用例2(特開2010-174273号公報)は、その段落【0009】、【0010】の記載により、ポリアニリンを利用した、導電性を有する防食塗料が、周知の塗料であることを示すために引用した刊行物である。なお、導電性を有する防食塗料が、周知の塗料であることとは、他にも、特開2005-41212号公報の段落【0030】の「また、コーティングを用いることによって、プリント流体による腐食から電極材料を保護するというさらなる利点も提供することが可能となる。好適な導電性コーティングの例としては、テフロンをベースにしたコーティング(カーボンで改質してもよい)、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、共役ビチアゾール、およびビス-(チエニル)ビチアゾールが含まれるが、これに限定されるものではない。さらに、コーティングは、選択的に架橋して、吸着されるプリント流体成分のレベルおよびタイプを少なくしてもよい。」(下線は当審で付与した。)との記載からも裏付けられる。 また、引用例2(特開2010-174273号公報)に係る出願について審査の請求がなされていないとしても、引用例2(特開2010-174273号公報)が本願の出願前に頒布されていることに変わりはない。 エ 「ア」「(ウ)」について 引用例3(特開2005-172778号公報)に記載されたポリアニリン導電高分子が本願の請求項1~3に係る発明のポリアニリン導電高分子溶液と同一のもので、引用例3(特開2005-172778号公報)に係る発明が特許を受けているとしても、上記「ア」で述べたとおり、これにより本願の請求項1~3に係る発明が進歩性を有することにはならない。 オ 「ア」「(エ)」について 引用例4には、耐食性のランクについて、「耐食性十分または耐食性ありの場合でもまったく浸食させないということではありません。」と記載されている。よって、本願の請求項1~3に係る発明の「ビニールチューブ導電被膜付電極棒」の耐食性がEのランクであったとしても、引用発明1に引用例3に記載された技術を適用する動機付けはあるものと認められる。 カ 「ア」「(オ)」について 本願の請求項1に係る発明が「ビニールチューブ導電被膜付液面検出電極棒」てあって、引用発明1aに示された「ビニールチューブビング」された「耐食性が要求されるステンレス製の電極棒」と異なるとしても、本願の請求項1に係る発明に進歩性が認められないことは、上記「(3)対比・判断」「(請求項1に係る発明について)」「ウ」で述べたとおりである。 キ 「ア」「(カ)」について 本願と特許第4403416号に係る出願とは別出願であるから、特開2007-206043号公報に係る液水流検出器の発明が特許第4403416号として特許を受けており、本願の出願がその特許権の存続期間中になされたものであったとしても、これにより、本願の請求項1~3に係る発明が進歩性を有することにはならない。 ク 「ア」「(キ)」について ビニールチューブ及び丸棒等が、適格品として積算資料から仕入れ出来るものであるとしても、本願の請求項2に係る発明が進歩性を有することにはならない。 ケ 「ア」「(ク)」について 本願の出願が特許第4403416号の特許権の存続期間中になされ、特許権者が審判請求人と同一人であったとしても、このことから本願の請求項1~3に係る発明が進歩性を有することにはならないことは、上記「キ」で述べたとおりである。 なお、特許第4403416号公報には、「此れに使用する導電高分子は塩化ビニールと同化する導電塗料である。」(段落【004】)と記載されているものの、該導電塗料が「ポリアニリン(高分子)導電塗料」であることは記載されていない。 コ 「ア」「(ケ)」について ビニールチューブで覆われたステンレス製の電極棒の間で20KΩ以下の安定した数値を具備出来るようにすることが、当業者が適宜なし得たことであることは、上記「(3)対比・判断」「(請求項3に係る発明について)」「(相違点1)について」にて述べたとおりである。 サ 「ア」「(コ)」及び「(サ)」について 特願2006-49208号に係る発明が、特許第4403416号として特許を受けており、本願の出願がその特許権の存続期間中になされたものであったとしても、これにより、本願の請求項1~3に係る発明が進歩性を有することにはならないこと、特許第4403416号公報には導電塗料として「ポリアニリン(高分子)導電塗料」が記載されていないことは、上記「キ」及び「ケ」で述べたとおりである。 また、特願2003-436380号(特開2005-172778号)、特願2006-49208号(特開2007-206043号)について、本願の請求項1~3に係る発明の進歩性の判断にあたり、特許法第29条の2における「ただし書き」の適用がないことは、上記「5 審判請求人の主張について」「(1)」にて述べたのと同様である。 6 まとめ 以上のとおり、本願について、平成26年11月27日(差出日:平成26年11月26日)の手続補正は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 また、本願は特許請求の範囲(請求項1~3)の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 さらに、本願の請求項1に係る発明は、引用発明1a及び引用例3に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、本願の請求項2に係る発明は、引用発明1a、引用例3に記載された技術及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、本願の請求項3に係る発明は、引用発明1b、引用例3に記載された技術、引用例5に記載されている事項及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願の請求項1~3に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 よって、本願は拒絶すべきものである。 従って、結論のとおり審決する。

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2015-019091

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