特許拒絶査定不服審判
2015-008417
航空機着陸装置の車輪用の電動機
- 審判番号
- 2015-008417
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2012-276351外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2015年05月07日
- 審決日
- 2017年05月08日
- 公報発行日
- 2017年06月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】スティーブン・サリヴァン
- 【請求人代理人】丹羽 宏之
- 【請求人代理人】中村 英子
- 分類
- P18 .121-WY (B64C) / P18 .537-WY (B64C)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第6項第1号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2012-276351号「航空機着陸装置の車輪用の電動機」拒絶査定不服審判事件〔平成25年3月21日出願公開、特開2013-52874号、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、2004年(平成16年)12月15日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2003年12月15日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願である特願2006-545805号の一部を平成24年12月19日に新たな出願としたものであって、平成25年3月21日に手続補正書が提出され、平成26年1月6日付けで拒絶理由が通知され、同年7月14日に意見書及び手続補正書が提出され、同年12月25日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、これに対し、平成27年5月7日に拒絶査定不服審判の請求がされ、平成28年3月31日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由1」という。)が通知され、同年10月5日に意見書及び手続補正書が提出され、同年12月27日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由2」という。)が通知され、平成29年3月21日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 本願発明
本願の請求項1~9に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明9」という。)は、平成29年3月21付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1~9に記載された事項により特定されるとおりの発明であると認められるところ、本願発明1は次のとおりの発明である。
「 【請求項1】
複数の車輪を備えた航空機着陸装置の車輪用の電動機であって、
前記複数の車輪は、空隙を介して配置された、少なくとも1つの回転子および少なくとも1つの固定子を内包し、
前記回転子が回転するように前記車輪内で前記車輪に結合され、前記固定子は、回転しないように非回転基部分に結合されて、
より小さな旋回半径で旋回するために、前記複数の車輪が差動回転するように電動機化されて航空機が地上において旋回され、及び、摩擦制動を軽減するために、前記複数の車輪が逆回転方向に電動機化されて着陸後に地上滑走中の航空機が制動されることを特徴とする電動機。」
なお、本願発明2~9は、本願発明1を直接又は間接的に引用しており、本願発明1を減縮した発明である。
第3 原査定の概要
原査定(平成26年12月25日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願の各請求項に係る発明は、以下の刊行物(引用文献A~J)に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
A.特開平2-246898号公報
B.特開平4-193698号公報
C.特公昭38-12555号公報
D.国際公開第93/23266号
E.特開平11-196558号公報
F.特開2003-341935号公報
G.特開2003-300420号公報
H.特開2000-210352号公報
I.特開2000-316272号公報
J.特開平11-318069号公報
第4 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は、以下のとおりである。
1 当審拒絶理由1の概要
[理由1]
この出願は、特許請求の範囲の記載が明確でないから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
[理由2]
本願の各請求項に係る発明は、以下の刊行物(引用文献1~7)及び周知技術(引用文献8~15)に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特開平4-193698号公報 (拒絶査定時の引用文献B)
2.特開平2-246898号公報 (拒絶査定時の引用文献A)
3.特公昭38-12555号公報 (拒絶査定時の引用文献C)
4.国際公開第93/23266号 (拒絶査定時の引用文献D)
5.特開平11-196558号公報 (拒絶査定時の引用文献E)
6.特開2003-341935号公報 (拒絶査定時の引用文献F)
7.特開2003-300420号公報 (拒絶査定時の引用文献G)
8.特開2000-210352号公報 (拒絶査定時の周知文献H)
9.特開2000-316272号公報 (拒絶査定時の周知文献I)
10.特開平11-318069号公報(拒絶査定時の周知文献J)
11.特開平8-25903号公報
(当審において新たに引用した周知文献)
12.特開平4-145805号公報
(当審において新たに引用した周知文献)
13.特開平8-70505号公報
(当審において新たに引用した周知文献)
14.特開平11-168802号
(当審において新たに引用した周知文献)
15.特開平9-117017号公報
(当審において新たに引用した周知文献)
2 当審拒絶理由2の概要
[理由1]
請求項7に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでないから、この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
[理由2]
この出願は、特許請求の範囲の記載が明確でないから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
第5 当審拒絶理由1の理由2(特許法第29条第2項)について
1 本願発明
上記第2のとおりである。
2 引用文献に記載された事項及び発明
(1)引用文献1について
ア 引用文献1に記載された事項
当審拒絶理由1に引用された特開平4-193698号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。
なお、下線は、当審が加筆した。以下同様である。
(1a)
「本発明は、航空機の降着装置に取り付けた動力装置と、これらの装置に適用した接続回路、及び制御装置を操縦装置に連動させて自動制御する、航空機の降着装置及び制御システムに関する。」(第2頁左上欄第11~14行)
(1b)
「この発明は、上記に述べた主に陸上機の離陸時に際し、推進装置の推進力に車輪動力を併用して滑走速度を加速することにより離陸条件を速やかに安定し離陸に要する時間と滑走距離を短縮する目的と、着陸時に際しては着陸速度に合わせて車輪を回転させることにより着地条件の安定と降着装置の破損や機体の衝撃緩和及び着地点の滑走路の摩耗等を軽減することを目的としている。」(第2頁右上欄第19行~左下欄第6行)
(1c)
「また、本発明の車輪装置を航空機が降着する際に使用すれば、通常着陸体制で定常降下する航空機は、降着装置を機体から引き出し車輪を停止した状態で走路に進入し着陸するため、着地の際にタイヤは激しい衝撃摩擦を受け一瞬白煙をあげて滑走する。しかし、前記着陸体制で定常降下する航空機が走路に進入する際に空気圧源装置の制御弁を開き空気圧モータを作動させ、着陸進入速度に合わせて車輪を回転すれば、降着する航空機の機体は走路上を同じ速度で疾走する車の上に舞い降りた状態で着地し、そのまま滑走して定常停止すれば、着陸時におけるタイヤのスリップや路面の焼き付き、及び機体の衝撃緩和、降着装置の破損等を軽減することができる。」(第4頁左上欄第2~15行)
(1d)
「よって降着時において車輪を回転させ安全に着陸するための手段は重要課題である。
次に、その手段のうち駆動モータに電動機を使用した場合の実施例について簡単に説明する。
第9図示は電動機40を車輪のホイールまたはハブの部分に直接取り付けた場合の一例である。
電動機を使用する場合は構造が比較的簡単で、回転子を軸に固定したリニアモータ方式やホイール部分に直接回転子を設けた誘導モータ、または超電導モータ、超音波モータ、パルスモータ等、適用範囲は広い、また極力小型化して車輪内部に組み込み一体成形すれば最も効果的である。」(第5頁右上欄第6~17行)
(1e)
「第12図示は、駆動モータ71をフレーム70の内部に取り付け差動装置72を用いて各車輪を同時に回転させる構造で、公知の自動車システムと同様に地上において本格的に自走し、機体の移動に大変便利で、従来のジェット噴射による熱流や騒音などによる空港条件の一部を改善することができる(但し、上記実施例のうち、第7図~第12図示の各実施例には制動装置、接続回路、回転計等は省略し記載されていない)。」(第5頁左下欄第15行~右下欄第3行、第9図及び第12図)
イ 引用文献1に記載された発明
(ア)
上記ア(1a)及び(1d)を参照すると、引用文献1の第9図から、「複数の車輪を備えた航空機の降着装置の車輪用の電動機40」が看取できる。
(イ)
上記(ア)、上記ア(1a)~(1e)、及び、第1~15図の図示内容を総合し、本願発明1の記載に則って整理すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
[引用発明]
「複数の車輪を備えた航空機の降着装置の車輪用の電動機40であって、
車輪のホイール部分に直接回転子を設けた誘導モータ。」
(2)引用文献2について
ア 引用文献2に記載された事項
当審拒絶理由1に引用された特開平2-246898号公報(以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。
(2a)
「本発明は、飛行機の着陸方法に関する。」(第1頁左下欄第9行)
(2b)
「上記のように構成された飛行機の着陸方法においては、脚輪はあらかじめ機体の着地速度に極めて近い着地時回転速度で正回転されているので、脚輪回転速度が機体の着地速度に達するまでの時間は、従来に比べて大巾に短縮され、したがって、その分、タイヤのスリップが減少して発熱が低減し、タイヤの摩損、溶融やこれらによるパースが防止される。」(第2頁左上欄第9~16行)
(2c)
「第1図には、本発明を実施する装置が示されている。
図において、脚1のボス部2には一対のベアリング3、3を介してシャフト4が回転自在に支持され、そのシャフト4の両端部には、タイヤ5、5がダブルに装着されている。
このシャフト4の中央部には、DCモータ6を構成する回転子7が一体に設けられ、ボス部2には磁界8が設けられている。したがって、電動機6に通電してシャフト4を介してタイヤ5、5を回転でき、また、モータ6を発電制動に用いることができるようになっている。」(第2頁右上欄第6~17行)
(2d)
「また、着地後の制動において、DCモータ6に発電制動の作用をさせることにより、従来の制動装置の発熱が減少される。」(第2頁右下欄第9~11行)
イ 引用文献2に記載された技術事項
上記ア(2a)~(2d)及び第1図から、上記引用文献2には、次の技術事項(以下、「引用文献2に記載された技術事項」という。)が記載されていると認められる。
「脚1のボス部2には一対のベアリング3、3を介してシャフト4が回転自在に支持され、そのシャフト4の両端部には、タイヤ5、5がダブルに装着され、このシャフト4の中央部には、DCモータ6を構成する回転子7が一体に設けられ、ボス部2には磁界8が設けられ、着地後の制動において、DCモータ6に発電制動の作用をさせること。」
(3)引用文献3~7について
当審拒絶理由1に引用された、特公昭38-12555号公報、国際公開第93/23266号、特開平11-196558号公報、特開2003-341935号公報、及び、特開2003-300420号公報 (以下、それぞれ「引用文献3、4、5、6及び7」という。)には、それぞれ、図面とともに次の技術事項が記載されていると認められる。
ア
引用文献3には、自走車両用の電動機に関し、車輪68、70の差動回転機能が記載されている(第1頁左欄第13~15行、第1頁右欄第26~31行、第3頁左欄第19~22行、第5頁左欄第10行~右欄第3行、第2~3図参照)。
イ
引用文献4には、電気自動車用のモータ6に関し、動力伝達機構9を介して車輪4と結合される、NS交番の永久磁石を備えるロータ29、コイル28を備えるステータ13が記載されるとともに、地上滑走機能があることが記載され、制御装置を備え、ブラシレス、接線方向磁束モータ6であり且つ発電機であること、ホールIC35が回転位置を検出して制御装置8に送ること、フォトカプラ226により通電信号126を送ること、回生動作があること、電力散逸が可変抵抗値で制御されていること等が記載されている(明細書第1頁第4~6行、第21頁第20~25行、第24頁第16行~第25頁第7行、第32頁第5~19行、第36頁第8~25行、第40頁第10~11行、第41頁第10~13行、第43頁第29行~第45頁第10行、第52頁第23~25行、第68頁第7~22行、第77頁第4~20行並びに図1、2、6、16、17、26、41、42及び61~63参照)。
ウ
引用文献5には、回転電機のステータコイルに関し、三相交流電動機において、永久磁石31~33は軸線方向に整列し、NS交番となっていることが記載され(段落【0001】、【0042】、図13~14参照)、ブラシレス発電機において、第1及び第2の回転ホルダ13、14/固定ホルダ17の相対運動で電力が生成されること、永久磁石15、16は軸線方向に整列し、NS交番となっていることが記載されている(段落【0001】、【0014】~【0018】及び図1参照)。
エ
引用文献6には、パーマネントマグネット型モータ11に関し、永久磁石が軸線方向に整列し、NS交番となっていること、ロータが正逆回転可能となっていることが記載されている(段落【002】、【0008】、【0011】、【0029】、【0033】、【0040】及び図3、5参照)。
オ
引用文献7には、電気自動車のインホイールモータが記載されている(段落【0001】、【0014】~【0016】及び図1参照)。
3 対比・判断
(1)本願発明1について
ア 対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
(ア)
引用発明の「複数の車輪を備えた航空機の降着装置の車輪用の電動機40」は、本願発明1の「複数の車輪を備えた航空機着陸装置の車輪用の電動機」に相当する。
(イ)
電動機が、「空隙を介して配置された、少なくとも1つの回転子および少なくとも1つの固定子を含み、前記固定子は、回転しないように非回転基部分に結合されている」構成を備えることは技術常識であるから、引用発明の「電動機40」も、当該構成を備えているといえる。
(ウ)
引用発明の「誘導モータ」は、引用発明の「電動機40」の一態様であるといえるから、本願発明1の「電動機」に相当する。
(エ)
引用発明の「車輪のホイール部分に直接回転子を設けた誘導モータ」は、車輪が回転するから、「車輪のホイール部分に直接」「設けた」「回転子」も回転し、本願発明1の「回転子が回転するように車輪に結合され」ている「電動機」に相当する。
(オ)
上記(イ)~(エ)から、「車輪のホイール部分に直接回転子を設けた誘導モータ」と、本願発明1の「前記複数の車輪は、空隙を介して配置された、少なくとも1つの回転子および少なくとも1つの固定子を内包し、前記回転子が回転するように前記車輪内で前記車輪に結合され、前記固定子は、回転しないように非回転基部分に結合されて」いる「電動機」とは、「空隙を介して配置された、少なくとも1つの回転子および少なくとも1つの固定子を含み、前記回転子が回転するように前記車輪に結合され、前記固定子は、回転しないように非回転基部分に結合されて」いる「電動機」の限りで共通しているといえる。
以上から、本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「複数の車輪を備えた航空機着陸装置の車輪用の電動機であって、
空隙を介して配置された、少なくとも1つの回転子および少なくとも1つの固定子を含み、
前記回転子が回転するように前記車輪に結合され、前記固定子は、回転しないように非回転基部分に結合されている電動機。」
<相違点1>
本願発明1は、「複数の車輪は」、少なくとも1つの回転子および少なくとも1つの固定子を「内包し」、前記回転子が回転するように「前記車輪内で」前記車輪に結合されているのに対して、引用発明は、回転子と車輪との関係が、そのように特定されていない点。
<相違点2>
本願発明1は、「より小さな旋回半径で旋回するために、前記複数の車輪が差動回転するように電動機化されて航空機が地上において旋回され、及び、摩擦制動を軽減するために、前記複数の車輪が逆回転方向に電動機化されて着陸後に地上滑走中の航空機が制動される」のに対して、引用発明は、そのように特定されていない点。
イ 判断
以下、事案に鑑み、相違点2から検討する。
<相違点2について>
(ア)
上記相違点2に係る本願発明1の構成の「複数の車輪が差動回転するように電動機化されて旋回され」ること(以下、「構成A」という。)、及び、「複数の車輪が逆回転方向に電動機化されて制動される」こと(以下、「構成B」という。)は、それぞれ、公知技術ないし周知技術であるといえるが(第4 1[理由2]の引用文献11~15(引用文献11の段落【0022】、引用文献12の第3頁左下欄第1~12行、引用文献13の段落【0008】~【0011】、引用文献14の段落【0012】、及び、引用文献15の段落【0033】)、いずれも航空機以外の技術分野に属するものである。
(イ)
ところで、本願明細書には、航空機の旋回について、「航空機の従来式の操舵方法は、前脚の差動制動および/または旋回によるものである。差動制動は、手回しハンドルおよび/または舵入力による前脚方位に関する操縦士からの入力に加えて、航空機を旋回させるために必要に応じて航空機の一方の側または他方の側を制動することを利用する。差動制動は地面または滑走路の激しい浸食を引き起こし、常時使用は着陸装置の故障原因になり得る。」(段落【0053】)と記載されているように、航空機の旋回時の差動制動に係る課題が示されているところ、本願発明1は、かかる課題を解決するために、上記相違点2に係る本願発明1の構成の「構成A」を採用したものということができる。
(ウ)
上記(ア)のとおり、航空機以外の技術分野では旋回時に差動回転を行う技術は存在するとしても、それらは差動制動による課題を解決するために採用された技術ではないから、引用発明において、構成Aを備えるものとすることの動機付けを与えるものではないといえる。
また、構成A及び構成Bの両方を備えるものが、公知技術ないし周知技術であるといえる根拠も無い。
してみると、引用発明に上記(ア)に示す技術を適用する動機付けは存在しないから、上記相違点2に係る本願発明1の構成を想到することを、当業者が容易になし得たとはいえない。
(オ)
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、引用発明、引用文献1~7に記載された技術事項、及び、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。
(2)本願発明2~9について
本願発明2~9は、本願発明1を直接又は間接的に引用するもので、本願発明1を減縮した発明であるから、上記相違点2に係る本願発明1の構成と同一の構成を備えるものであり、本願発明1と同じ理由により、引用発明、引用文献1~7に記載された技術事項、及び、周知技術に基いて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。
4 小括
本願の請求項1~9に係る発明(本願発明1~9)は、その出願前において頒布された刊行物である引用文献1に記載された発明(引用発明)、引用文献1~7に記載された技術事項、及び、周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとはいえない。
第6 原査定についての判断
原査定で提示した文献A~Jは、全て、当審拒絶理由1の理由2でも提示しているところ(上記第4 1[理由2])、本願発明1~9は、それぞれ上記相違点2に係る本願発明1の構成を有するものとなっており、上記第5のとおり、本願発明1~9は、上記引用文献1に記載された発明(引用発明)、上記引用文献1~7に記載された技術事項、及び、周知技術に基いて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第7 当審拒絶理由2について
1 理由1(特許法第36条第6項第1号)について
平成29年3月21日付けの手続補正により、補正前の上記請求項7は削除されたから、拒絶理由は解消した。
2 理由2(特許法第36条第6項第2号)について
(1)
平成29年3月21日付けの手続補正により、「前記複数の車輪は、空隙を介して配置された、少なくとも1つの回転子および少なくとも1つの固定子を内包し、」及び「より小さな旋回半径で旋回するために、前記複数の車輪が差動回転するように電動機化されて航空機が地上において旋回され、及び、摩擦制動を軽減するために、前記複数の車輪が逆回転方向に電動機化されて着陸後に地上滑走中の航空機が制動される」と補正された結果、拒絶理由は解消した。
(2)
平成29年3月21日付けの手続補正により、補正前の上記請求項7、9及び11は削除されたから、拒絶理由は解消した。
(3)
なお、上記(1)により、当審拒絶理由1の理由1(特許法第36条第6項第2号)についても拒絶理由は解消した。
第8 むすび
以上のとおり、原査定の拒絶理由及び当審の拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2015-008417