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特許無効審判

2013-800103

果菜自動選別送り出し方法及び果菜自動選別送り出し装置

審判番号
2013-800103
法域
特許
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
特願2010-294421
登録番号
特許第5255047号(P5255047)
請求日
2013年06月10日
審決日
2017年05月30日
公報発行日
2019年02月22日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】澁谷工業 株式会社
  • 【請求人代理人】永島 孝明
  • 【請求人代理人】安國 忠彦
  • 【請求人代理人】磯田 志郎
  • 【被請求人】日本協同企画 株式会社
  • 【被請求人代理人】小林 正治
  • 【被請求人代理人】小林 正英
  • 【被請求人代理人】鮫島 正洋
  • 【被請求人代理人】小栗 久典
審判長/審判官
  • 審判長 加藤 友也
  • 審判官 槙原 進
  • 審判官 三島木 英宏
分類
P1113.121-YAA(B65G)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項特許法123条1項2号特許法169条2項民事訴訟法61条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第134条の2第1項、特許法第123条第1項第2号、特許法第29条第2項、特許法第134条の2第9項、特許法第134条の2第6項、特許法第169条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

上記当事者間の特許第5255047号「果菜自動選別送り出し方法及び果菜自動選別送り出し装置」の特許無効審判事件についてされた平成26年 3月26日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において請求項1ないし4に係る発明に対する部分の審決取消しの判決(平成26年(行ケ)第10095号、平成26年12月24日)があったので、審決が取り消された部分の請求項に係る発明についてさらに審理のうえ、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 特許第5255047号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1及び2〕並びに〔3及び4〕について訂正することを認める。 特許第5255047号の請求項1ないし4に係る特許についての本件審判の請求は、成り立たない。 特許第5255047号の請求項5に係る特許についての本件審判の請求を却下する。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 特許第5255047号(以下、「本件特許」という。)についての出願(以下、「本件出願」という。)は、平成14年9月11日を出願日とする特願2008-151101号(以下、「原出願」という。)の一部を平成22年12月29日に新たな特許出願としたものであって、その請求項1ないし5に係る発明について、平成25年4月26日に特許権の設定登録がされたものである。 そして、請求人 澁谷工業株式会社(以下、単に「請求人」という。)より、被請求人 日本協同企画株式会社(以下、単に「被請求人」という。)が特許権者である本件特許に対して本件特許無効審判が請求されたところ、本件特許無効審判に係る手続の経緯は、概略以下のとおりである。 平成25年 6月10日 請求人より特許無効審判の請求書の提出 同年 9月13日 被請求人より審判事件答弁書の提出 同年 9月13日 被請求人より訂正請求書の提出 同年 9月13日 被請求人より訂正明細書及び訂正特許請求の範囲 の提出 平成26年 2月18日 請求人より口頭審理陳述要領書の提出 同年 3月 4日 第1回口頭審理 同年 3月26日付け審決(以下、「一次審決」という。) 同年12月24日 一次審決を取消す平成26年(行ケ)第1009 5号判決言渡 平成27年12月15日 平成27年(行ノ)第10002号上告受理申立 却下 同年12月22日 被請求人より訂正請求申立書の提出 平成28年 1月 7日 審理再開通知及び訂正請求のための期間指定通知 の発送 同年 1月18日 被請求人より訂正請求書の提出 同年 1月18日 被請求人より訂正特許請求の範囲の提出 同年 3月11日 請求人より審判事件弁駁書の提出 平成28年 6月14日付け審決の予告 平成28年 8月19日 被請求人より訂正請求書の提出 平成28年 9月30日 請求人より審判事件弁駁書(以下、「弁駁書」と いう。)の提出 平成28年11月22日付け訂正拒絶理由通知 平成28年12月26日 被請求人より意見書の提出 平成28年12月26日 被請求人より手続補正書の提出 平成28年12月26日 被請求人より審判事件答弁書(以下、「答弁書」 という。)の提出 当審注:以下の請求人又は被請求人の提出した書類の摘記箇所について、○付き数字は、「○数字」のように改め、太字等の文字飾りを除し、アンダーラインは一重線に統一し、さらに、各段落における記載の開始位置を改めた。 第2 訂正の請求について 1 訂正の請求の趣旨 被請求人(訂正の請求についての請求人)が平成28年8月19日提出の訂正請求書により請求する訂正(以下、「本件訂正」という。)は、本件出願の願書に添付した特許請求の範囲を、同訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1ないし4について訂正を求めるものであって、請求項1及び2からなる一群の請求項に係る訂正(以下、「本件訂正1」という。)並びに請求項3及び4からなる一群の請求項に係る訂正(以下、「本件訂正2」という。)を求めるものである。 なお、一次審決において、被請求人が平成25年9月13日提出の訂正請求書により請求した請求項5に係る訂正(請求項5を削除する訂正)は、適法にされたものと認められたところ、平成26年(行ケ)第10095号判決において、当該訂正を取り消す旨の判示はされておらず、請求項5に係る訂正(請求項5を削除する訂正)については既に確定している。 また、被請求人が平成28年1月18日提出の訂正請求書による請求項1ないし4についての訂正の請求は、特許法第134条の2第6項の規定に基づき、本件訂正の請求により取り下げたものとみなす。 2 訂正の請求についての当事者の主張の概要 (1)請求人の主張 ア 請求人は、平成28年9月30日提出の弁駁書において、本件訂正1について、訂正事項7、8、14及び20は、本件出願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「特許明細書等」という。また、請求人の主張においては、単に「明細書等」ともいう。)に記載した事項の範囲内においてしたものではなく、同法第134条の2第9項が準用する同法第126条第5項に違反するものであり、かつ同法第134条の2第1項ただし書で規定する事項を目的とするものではないとし、本件訂正1は、訂正要件を満たすものではないので認められるべきではない旨主張する。 イ 請求人は、平成28年9月30日提出の弁駁書において、本件訂正2について、訂正事項32、34、40、41及び45は、特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではなく、同法第134条の2第9項が準用する同法第126条第5項に違反するものであり、かつ同法第134条の2第1項ただし書で規定する事項を目的とするものではないとし、本件訂正2は、訂正要件を満たすものではないので認められるべきではない旨主張する。 (2)被請求人(訂正の請求についての請求人)の主張 被請求人は、平成28年8月19日提出の訂正請求書及び平成28年12月26日提出の意見書において、本件訂正1及び本件訂正2は、認められるべきものである旨主張する。 3 平成28年12月26日提出の手続補正書による補正について (1)補正の内容 平成28年8月19日提出の訂正請求書の請求の理由について、平成28年12月26日提出の手続補正書に添付された訂正請求書のとおり補正するものであって、その具体的内容は、平成28年12月26日提出の意見書に説明されているところ、訂正事項についての補正は次に示すとおりである。 ア 訂正事項8についての補正 平成28年8月19日提出の訂正請求書の4ないし5ページに、 「(8)訂正事項8 特許請求の範囲の請求項1に「前記搬送ベルトは、フレームの果菜送り出し方向先方側に設けられた先方側の回転ローラと、果菜送り出し方向後方側に設けられた後方側の回転ローラの外周に、平坦に一周巻かれて、その上側部分が常に前記回転ローラの外周に沿って平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面側が果菜搬送ラインの一側方のみに配置された果菜引受け体方向に移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり、」との事項を付加する。」とあるのを、 「(8)訂正事項8 特許請求の範囲の請求項1に「前記搬送ベルトは、フレームの果菜送り出し方向先方側に設けられた先方側の回転ローラと、果菜送り出し方向後方側に設けられた後方側の回転ローラの外周に、平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面側が果菜搬送ラインの一側方のみに配置された果菜引受け体方向に移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり、」との事項を付加する。」と補正する。 なお、平成28年8月19日提出の訂正請求書の15ページ27行ないし18ページ11行、80ページ21行ないし81ページ11行及び85ページ13行ないし86ページ24行には、訂正事項8の補正と整合させる補正がされている。 イ 訂正事項34についての補正 平成28年8月19日提出の訂正請求書の41ページに、 「(34)訂正事項34 特許請求の範囲の請求項3に「前記搬送ベルトは、前記先方側の回転ローラと、前記後方側の回転ローラの外周に平坦に一周巻かれて、その上側部分が常に前記回転ローラの外周に沿って平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、」との事項を付加する。」とあるのを、 「(34)訂正事項34 特許請求の範囲の請求項3に「前記搬送ベルトは、前記先方側の回転ローラと、前記後方側の回転ローラの外周に平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、」との事項を付加する。」と補正する。 なお、平成28年8月19日提出の訂正請求書の54ページ20行ないし56ページ3行、82ページ5行ないし同ページ24行には、訂正事項34の補正と整合させる補正がされている。 (2)補正の適否の判断 平成28年12月26日提出の手続補正書による補正は、平成28年8月19日提出の訂正請求書における訂正事項8及び34に関し、搬送ベルトの上側部分について、補正前に誤記により実現不可能な構成も含むものとなっていたものを、補正後に誤記の訂正をすることにより、実現可能なものに明確にするものであるから、軽微な瑕疵の補正ということができる。 (3)小括 したがって、平成28年12月26日提出の手続補正書による補正は、平成28年8月19日提出の訂正請求書の要旨を変更するものではなく、これを認める。 4 訂正の内容 本件訂正は、本件出願の願書に添付した特許請求の範囲を、平成28年12月26日提出の手続補正書により補正された平成28年8月19日提出の訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1ないし4について訂正を求めるものであって、本件訂正1及び本件訂正2の内容は以下のとおりである(下線は訂正箇所を示すために被請求人が付したものである。各訂正の内容を、以下、「訂正事項1」などという。)。 (1)本件訂正1 ア 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「果菜搬送ラインの幅方向側方から作業員が果菜を載せ、」とあるのを「果菜搬送ラインの幅方向側方から作業員がトマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を前記果菜キャリアに載せ、」と訂正する。 イ 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1に「前記果菜キャリアは無端搬送体にその走行方向に多数取付けられ、」とあるのを「前記果菜キャリアは果菜送り出し方向先方側と後方側に間隔をあけて平行に配置された二本のドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられて、果菜搬送ラインの搬送方向に一列に並んでおり、」と訂正する。 ウ 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項1に「無端搬送体」とあるのを「前記ドライブチェーン」と訂正する。 エ 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項1に「フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトを備えた往復回動式のベルトコンベアであり、」とあるのを「フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトと、搬送ベルトに連結されたスライドピンを備えた往復回動式のベルトコンベアであり、」と訂正する。 オ 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項1に「前記フレームは、果菜送り出し方向先方側と後方側に取付け部を備え、先方側の取付け部は前記先方側のドライブチェーンに、後方側の取付け部は前記後方側のドライブチェーンに取り付けられており、」との事項を付加する。 カ 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項1に「前記フレームは、その底面に、果菜送り出し方向に細長の開口を備え、」との事項を付加する。 キ 訂正事項7 特許請求の範囲の請求項1に「前記フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転ローラが回転可能に取り付けられ、先方側の回転ローラの少なくとも一部は前記フレームの果菜引受け体側の端部よりも果菜引受け体側に突出し、かつ前記先方側のドライブチェーンよりも果菜引受け体側に突出しており、」との事項を付加する。 ク 訂正事項8 特許請求の範囲の請求項1に「前記搬送ベルトは、フレームの果菜送り出し方向先方側に設けられた先方側の回転ローラと、果菜送り出し方向後方側に設けられた後方側の回転ローラの外周に、平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面側が果菜搬送ラインの一側方のみに配置された果菜引受け体方向に移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり、」との事項を付加する。 ケ 訂正事項9 特許請求の範囲の請求項1に「搬送ベルトの上側の一部に」とあるのを「搬送ベルトの上側部分の一部に」と訂正する。 コ 訂正事項10 特許請求の範囲の請求項1に「果菜を載せ置く果菜載置部が設けられ、」とあるのを「、トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を載せ置くことのできる果菜載置部が設けられ、」と訂正する。 サ 訂正事項11 特許請求の範囲の請求項1に「前記スライドピンはその下端側が前記開口を貫通してフレームの底面下方に突出しており、」との事項を付加する。 シ 訂正事項12 特許請求の範囲の請求項1に「前記仕分け部」とあるのを「前記仕分排出部」と訂正する。 ス 訂正事項13 特許請求の範囲の請求項1に「側方に、ベルトコンベア式の果菜引受け体が、果菜搬送方向に作業間隔をあけて二以上配置され、」とあるのを「一側方のみに、平ベルトが回転するベルトコンベア式の果菜引受け体が、果菜搬送方向に作業間隔をあけて二以上配置され、」と訂正する。 セ 訂正事項14 特許請求の範囲の請求項1に「平ベルトは、その上面が果菜を受ける窪みのない平面状であり、その上面が果菜キャリアの搬送ベルトの上面と同じ又は略同じ高さで水平又は略水平に配置され、果菜が果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り込まれるときに間欠運転して、当該果菜を前記平面状の上面に水平又は略水平に引き継いでプールすることができ、」との事項を付加する。 ソ 訂正事項15 特許請求の範囲の請求項1に「その果菜載置部を一列又は略一列に並べて、」とあるのを「その果菜載置部を果菜搬送ラインの搬送方向に一列又は略一列に並べて、」と訂正する。 タ 訂正事項16 特許請求の範囲の請求項1に「無端搬送体の走行により」とあるのを「前記ドライブチェーンの走行により」と訂正する。 チ 訂正事項17 特許請求の範囲の請求項1に「前記果菜載置部に載せた果菜を搬送方向に一列又は略一列に並べて搬送して等階級計測部を通過させて」とあるのを「前記果菜載置部に載せた果菜を搬送方向に一列又は略一列に並べて搬送して、画像処理による計測装置を備えた等階級計測部を通過させて」と訂正する。 ツ 訂正事項18 特許請求の範囲の請求項1に「果菜の少なくとも果菜の大きさと形状を」とあるのを「果菜の少なくとも大きさと形状を」と訂正する。 テ 訂正事項19 特許請求の範囲の請求項1に「計測し、」とあるのを「画像処理により計測し、」と訂正する。 ト 訂正事項20 特許請求の範囲の請求項1に「当該搬送ベルトの果菜載置部の上の果菜を、果菜搬送方向側方に配置された前記果菜引受け体に送り出し、」とあるのを「当該搬送ベルトの果菜載置部の上の果菜を水平又は略水平に移動させることにより、果菜搬送方向側方に配置された前記果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り出し、」と訂正する。 ナ 訂正事項21 特許請求の範囲の請求項1に「前記搬送ベルトの往回動は、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、果菜搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われ、」との事項を付加する。 ニ 訂正事項22 特許請求の範囲の請求項1に「前記果菜引受け体を、果菜が送り込まれるときに間欠運転させて果菜を引継ぎ、」とあるのを「前記果菜引受け体の平ベルトを、果菜が水平又は略水平に送り込まれるときに、果菜搬送ラインの搬送方向側方であって前記果菜が送り込まれる方向に果菜約1個分の距離だけ間欠運転させてその間欠運転による前記平ベルトの回転により、当該平ベルトの平面状の上面に水平又は略水平に送り込まれる果菜を水平又は略水平に引継ぎ、」と訂正する。 ヌ 訂正事項23 特許請求の範囲の請求項1に「果菜送り込み時の間欠運転の繰り返しにより、前記果菜キャリアの果菜載置部から送り込まれる果菜を前記果菜引受け体の上に二以上プールし、」とあるのを「果菜送り込み時の前記間欠運転の繰り返しにより、前記果菜キャリアの果菜載置部から送り込まれる果菜を前記果菜引受け体の平ベルトの前記平面状の上面に水平又は略水平に二以上プールし、」と訂正する。 ネ 訂正事項24 特許請求の範囲の請求項1に「前記搬送ベルトの復回動は、果菜送り出し後に、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、前記果菜搬送ラインの下方に設けられた戻りガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われ、」との事項を付加する。 ノ 訂正事項25 特許請求の範囲の請求項2に「果菜引受け体は、果菜キャリアから果菜が送り出されるときに間欠移動して、」とあるのを「果菜引受け体の平ベルトは、果菜キャリアから果菜が送り出されるときに間欠移動して、」と訂正する。 (2)本件訂正2 ア 訂正事項26 特許請求の範囲の請求項3に「無端搬送体」とあるのを「ドライブチェーン」と訂正する。 イ 訂正事項27 特許請求の範囲の請求項3に「等階級計測部で計測された果菜をその計測に基づく等階級判別結果に応じて果菜キャリアによって果菜搬送方向側方に送り出す仕分排出部が等階級計測部の先方に設けられた果菜自動選別送り出し装置において、」とあるのを「等階級計測部で計測された果菜をその計測に基づく等階級判別結果に応じて果菜キャリアによって果菜搬送方向の一側方のみに配置された果菜引受け体に送り出す仕分排出部が等階級計測部の先方に設けられた果菜自動選別送り出し装置において、」と訂正する。 ウ 訂正事項28 特許請求の範囲の請求項3に「前記ドライブチェーンは果菜キャリアの果菜送り出し方向先方側のドライブチェーンと、果菜送り出し方向後方側のドライブチェーンの少なくとも二本であり、それら両ドライブチェーンは果菜送り出し方向に間隔をあけて平行に配置されており、」との事項を付加する。 エ 訂正事項29 特許請求の範囲の請求項3に「前記果菜キャリアは無端搬送体にその走行方向に多数取付けられ、」とあるのを「前記果菜キャリアは間隔をあけて平行に配置された前記二本のドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられ、」と訂正する。 オ 訂正事項30 特許請求の範囲の請求項3に「前記果菜キャリアは無端搬送体に取付けるフレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトを備えた往復回動式のベルトコンベアであり、」とあるのを「前記果菜キャリアの夫々は前記ドライブチェーンに取付けるフレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトと、搬送ベルトに連結されたスライドピンを備えた往復回動式のベルトコンベアであり、」と訂正する。 カ 訂正事項31 特許請求の範囲の請求項3に「前記フレームは、前記ドライブチェーンに取付ける取付け部を備え、取付け部は果菜送り出し方向先方側と後方側に設けられており、」との事項を付加する。 キ 訂正事項32 特許請求の範囲の請求項3に「前記フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転ローラが回転可能に取り付けられ、先方側の回転ローラの少なくとも一部は前記フレームの前記果菜引受け体側の端部よりも当該果菜引受け体側に突出し、かつ前記先方側のドライブチェーンよりも当該果菜引受け体側に突出しており、」との事項を付加する。 ク 訂正事項33 特許請求の範囲の請求項3に「前記フレームはその底面に、果菜送り出し方向に細長の開口を備え、」との事項を付加する。 ケ 訂正事項34 特許請求の範囲の請求項3に「前記搬送ベルトは、前記先方側の回転ローラと、前記後方側の回転ローラの外周に平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、」との事項を付加する。 コ 訂正事項35 特許請求の範囲の請求項3に「前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面が果菜搬送ラインの一側方のみに配置された果菜引受け体方向へ移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面が当該往回動と反対方向に移動する回動であり、」との事項を付加する。 サ 訂正事項36 特許請求の範囲の請求項3に「搬送ベルトの上側の一部に」とあるのを「搬送ベルトの上側部分の一部に」と訂正する。 シ 訂正事項37 特許請求の範囲の請求項3に「果菜を載せ置く果菜載置部が設けられ、」とあるのを「、トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を載せ置くことのできる果菜載置部が設けられ、」と訂正する。 ス 訂正事項38 特許請求の範囲の請求項3に「前記スライドピンはその下端側が前記開口を貫通してフレームの底面下方に突出しており、」との事項を付加する。 セ 訂正事項39 特許請求の範囲の請求項3に「前記仕分け部」とあるのを「前記仕分排出部」と訂正する。 ソ 訂正事項40 特許請求の範囲の請求項3に「側方に、果菜引受け体が、果菜搬送方向に作業間隔をあけて二以上配置され、」とあるのを、「側方に、上面に果菜を受ける窪みがない平面状の平ベルトが回転する果菜引受け体が、果菜搬送方向に作業間隔をあけて二以上配置され、」と訂正する。 タ 訂正事項41 特許請求の範囲の請求項3に「前記果菜引受け体は、その平ベルトの上面が前記果菜キャリアの搬送ベルトの上面と同じ又は略同じ高さで水平又は略水平に配置されており、」との事項を付加する。 チ 訂正事項42 特許請求の範囲の請求項3に「前記多数の果菜キャリアは、その果菜載置部が一列又は略一列に並んで無端搬送体に配置されて、無端搬送体の走行により、」とあるのを、「前記多数の果菜キャリアは、その果菜載置部が果菜搬送ラインの搬送方向に一列又は略一列に並んで水平に搬送されるように、先方側の取付け部が前記先方側のドライブチェーンに、後方側の取付け部が前記後方側のドライブチェーンに取り付けられて配置されており、そのドライブチェーンの走行により」と訂正する。 ツ 訂正事項43 特許請求の範囲の請求項3に「前記等階級計測部は、」とあるのを「前記等階級計測部は画像処理による計測装置を備え、」と訂正する。 テ 訂正事項44 特許請求の範囲の請求項3に「搬送される果菜の少なくとも大きさと形状を計測でき、」とあるのを「搬送されるトマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜の少なくとも大きさと形状を画像処理により計測でき、」と訂正する。 ト 訂正事項45 特許請求の範囲の請求項3に「各々の果菜キャリアの搬送ベルトは、前記仕分排出部において果菜搬送ラインの側方に往回動して、果菜載置部に載せてある果菜を、前記計測に基づく等階級判別結果に応じて前記果菜引受け体に送り出し可能であり、」とあるのを「各々の果菜キャリアの搬送ベルトは、前記仕分排出部において果菜搬送ラインの側方の果菜引受け体側に往回動して、果菜載置部に載せてある果菜を、前記計測に基づく等階級判別結果に応じて前記果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り出し可能であり、」と訂正する。 ナ 訂正事項46 特許請求の範囲の請求項3に「前記搬送ベルトの往回動は、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、果菜搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われ、」との事項を付加する。 ニ 訂正事項47 特許請求の範囲の請求項3に「前記果菜引受け体は果菜が送り込まれるときに間欠運転して果菜を引継ぎ、」とあるのを「前記果菜引受け体の平ベルトは果菜が水平又は略水平に送り込まれるときに、果菜搬送ラインの搬送方向側方であって前記送り込み方向に間欠運転して、その間欠運転による前記平ベルトの回転により当該平ベルトの上面に果菜を水平又は略水平に引継ぎ、」と訂正する。 ヌ 訂正事項48 特許請求の範囲の請求項3に「前記果菜引受け体の上に」とあるのを「前記果菜引受け体の平ベルトの上面に」と訂正する。 ネ 訂正事項49 特許請求の範囲の請求項3に「き、前記搬送ベルトの復回動は、果菜送り出し後に、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、前記果菜搬送ラインの下方に設けられた戻りガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われる、」との事項を付加する。 ノ 訂正事項50 特許請求の範囲の請求項4に「果菜引受け体は、」とあるのを「果菜引受け体の平ベルトは、」と訂正する。 ハ 訂正事項51 特許請求の範囲の請求項4に「果菜キャリアのベルト」とあるのを「果菜キャリアの搬送ベルト」と訂正する。 5 平成28年11月22日付け訂正拒絶理由通知の概要 平成28年11月22日付け訂正拒絶理由通知の内容は、概ね次のとおりである。 (1)訂正事項8について 訂正事項8は、特許明細書等に記載されておらず、しかも、特許明細書等の記載から自明な事項であるともいえないのであるから、特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものとはいえず、特許明細書等の記載の範囲内においてしたものとはいえない。 また、搬送ベルトの上側部分は、回転ローラの外周に沿って移動すると、回転ローラの外周の円弧に沿って曲がることになり、平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動することはできないのであるから、訂正事項8は実現不可能な構成を含むものである。 そうすると、訂正事項8は、平成28年8月19日提出の訂正請求書の6.(1)ウ.〔1〕(8)a.において説明されているような特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるか不明であるから、特許法第134条の2第1項ただし書で規定する事項を目的とするものに該当しない。 (2)訂正事項34について 訂正事項34により請求項3に付加される事項は、訂正事項8により請求項1に付加される事項に含まれている内容である。 そうすると、請求項3に係る「果菜自動選別送り出し装置」についての発明は、請求項1に係る「果菜自動選別送り出し方法」についての発明を物の発明として表現したものといえることから、上記(1)の検討と同様の理由により、訂正事項34は、特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものとはいえず、また、特許法第134条の2第1項ただし書で規定する事項を目的とするものに該当しない。 (3)むすび したがって、訂正事項8及び訂正事項34は、特許法第134条の2第9項で準用する第126条第5項の規定に適合せず、また、特許法第134条の2第1項の規定に適合しないから、本件訂正1及び2は認められない。 6 訂正の適否についての判断 (1)本件訂正1について ア 訂正事項1について 訂正事項1は、訂正前の請求項1に係る発明における「果菜」について、「トマト、桃、梨、メロンのいずれか」であることを特定するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項1は、本件出願の願書に添付した明細書(以下、「特許明細書」という。)の段落【0001】における「本願発明は、 ・・・ 特にトマト、桃、梨、茄子、メロン、小玉西瓜などの果菜の選別に適したものである。」との記載を根拠とするものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 また、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 イ 訂正事項2について 訂正事項2は、訂正前の請求項1に係る発明における「無端搬送体」について、「果菜送り出し方向先方側と後方側に間隔をあけて平行に配置された二本のドライブチェーン」であることを特定するとともに、「果菜キャリア」の配列について、「果菜搬送ラインの搬送方向に一列に並んでおり」と特定するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項2は、特許明細書の段落【0020】における「図1、3の1は図示されていない駆動機構により図中の矢印a方向に進行される無端搬送帯(ドライブチェーン)であり、30m長の長尺なフレーム9に沿って2本設けられている。」との記載並びに本件出願の願書に添付した図面(以下、「特許図面」という、)の図1ないし3において、二本のドライブチェーンが、果菜キャリアの果菜送り出し方向先方側と後方側に間隔をあけて平行に配置されていることが示されていること及び特許図面の図1及び図3において、ドライブチェーンに取り付けられた多数の果菜キャリアが果菜搬送ラインの搬送方向に一列に並んでいることが示されていることを根拠とするものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 また、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ウ 訂正事項3について 訂正事項3は、訂正前の請求項1に係る発明における、果菜キャリアの夫々が備えたフレームを取付ける「無端搬送体」について、「ドライブチェーン」であることを特定するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項3は、特許明細書の段落【0020】における「図1、3の1は図示されていない駆動機構により図中の矢印a方向に進行される無端搬送帯(ドライブチェーン)であり、30m長の長尺なフレーム9に沿って2本設けられている。図1、3の2はトマト3を載せて搬送する果菜キャリアであり、ドライブチェーン1に連結されて図中の矢印a方向に走行される。」との記載及び同段落【0021】における「図1、3の果菜キャリア2は、詳細を図2(a)~(c)に示すように、長さ360mm、幅140mm、高さ50mmのステンレス製フレーム10と、同フレーム10の長手方向両端(軸間距離330mm)に回転自在に取り付けられた回転ローラ11a、11bと、これら回転ローラ11a、11b間に掛け渡された幅130mmの搬送ベルト12とを備えたベルトコンベア式のキャリアである。」との記載並びに特許図面の図1ないし3において、二本のドライブチェーンが、果菜キャリアの果菜送り出し方向先方側と後方側に間隔をあけて平行に配置されていることが示されていることを根拠とするものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 また、訂正事項3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 エ 訂正事項4について 訂正事項4は、訂正前の請求項1に係る発明における「往復回動式のベルトコンベア」について、「搬送ベルトに連結されたスライドピンを備えた」ことを特定するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項4は、特許明細書の段落【0022】における「このスライドピン15の上端15aは、搬送ベルト12に固定された金具16と連結されており、またスライドピン15の下端15bはフレーム10の下側に20mmほど突き出されている。」との記載を根拠とするものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 また、訂正事項4は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 オ 訂正事項5について 訂正事項5は、訂正前の請求項1に係る発明における「フレーム」について、「前記フレームは、果菜送り出し方向先方側と後方側に取付け部を備え、先方側の取付け部は前記先方側のドライブチェーンに、後方側の取付け部は前記後方側のドライブチェーンに取り付けられており、」との事項を付加するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項5は、特許図面の図1、図2(a)(b)及び図3において、果菜キャリアの果菜送り出し方向先方側と後方側の夫々にドライブチェーンへの取付け部を備えていること及び先方側の取付け部が先方側のドライブチェーンに取り付けられ、後方側の取付け部が後方側のドライブチェーンに取り付けられていることが示されていることを根拠とするものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 また、訂正事項5は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 カ 訂正事項6について 訂正事項6は、訂正前の請求項1に係る発明における「フレーム」について、「前記フレームは、その底面に、果菜送り出し方向に細長の開口を備え、」との事項を付加するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項6は、特許明細書の段落【0022】における「図2のフレーム10は、底面中央に、フレームの長手方向に沿って長さ170mm、幅10mmの長穴14が開口されている。」との記載及び特許図面の図2(b)の記載を根拠とするものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 また、訂正事項6は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 キ 訂正事項7について (ア)請求人の主張 請求人は、弁駁書において、訂正事項7について次の主張をする。 「訂正事項7は、「前記フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転ローラが回転可能に取り付けられ、先方側の回転ローラの少なくとも一部は前記フレームの果菜引受け体側の端部よりも果菜引受け体側に突出し、かつ前記先方側のドライブチェーンよりも果菜引受け体側に突出しており、」というものであるが、本件特許の明細書には、「先方側の回転ローラの少なくとも一部は前記フレームの果菜引受け体側の端部よりも果菜引受け体側に突出し、かつ前記先方側のドライブチェーンよりも果菜引受け体側に突出しており」という記載は存在しない。訂正事項7の「回転ローラの少なくとも一部は・・・突出しており」という記載は、「回転ローラの一部」が突出した構成だけではなく、「回転ローラの全部」が突出した構成も含むものであるが、「回転ローラの全部」が突出した構成は本件特許の明細書等に開示されていない。 この点、被請求人は、訂正事項7の根拠として明細書の【0021】並びに図2(a)(b)及び図5(a)(b)を挙げている(第2訂正請求書15頁8行~21行)。しかし、被請求人自身も「前方側の回転ローラ11aの一部がフレーム10の果菜引受け体4側よりも果菜引受け体側に突出し、かつ、先方側のドライブチェーン1よりも果菜引受け体側に突出していることが示されている」(強調付加)と述べるように、本件特許の明細書等には、せいぜい前方側の回転ローラ11aの一部が突出していることを看取できるだけであり、「回転ローラの少なくとも一部」が突出していることは開示されていない。 したがって、訂正事項7は、明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものであり、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではない。また、訂正事項7は、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではないので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものには該当せず、特許法第134条の2第1項ただし書で規定する事項を目的とするものに該当しない。」(弁駁書10ページ24行ないし11ページ20行) (イ)判断 訂正事項7は、訂正前の請求項1に係る発明における「フレーム」について、「前記フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転ローラが回転可能に取り付けられ、先方側の回転ローラの少なくとも一部は前記フレームの果菜引受け体側の端部よりも果菜引受け体側に突出し、かつ前記先方側のドライブチェーンよりも果菜引受け体側に突出しており、」との事項を付加するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項7は、特許明細書の段落【0021】における「図1、3の果菜キャリア2は、詳細を図2(a)~(c)に示すように、長さ360mm、幅140mm、高さ50mmのステンレス製フレーム10と、同フレーム10の長手方向両端(軸間距離330mm)に回転自在に取り付けられた回転ローラ11a、11bと、これら回転ローラ11a、11b間に掛け渡された幅130mmの搬送ベルト12とを備えたベルトコンベア式のキャリアである。」との記載並びに特許図面の図2(a)(b)及び図5(a)(b)において、フレーム10の果菜送り出し方向先方側と後方側に取り付けられた回転ローラ11a、11bのうち、前方側の回転ローラ11aの一部がフレーム10の果菜引受け体4側よりも果菜引受け体側に突出し、且つ、先方側のドライブチェーン1よりも果菜引受け体側に突出していることが示されていることを根拠とするものであり、前方側の回転ローラ11aのフレームの果菜引受け体側の端部及び先方側のドライブチェーンに対する突出の程度は適宜変更されることが想定されるから、特許明細書等に「回転ローラの全部」が突出した構成が明示されていないことをもって、「回転ローラの少なくとも一部」が突出していることを否定できるものではない。 そうすると、訂正事項7は、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 また、訂正事項7は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ク 訂正事項8について (ア)請求人の主張 請求人は、弁駁書において、訂正事項8について次の主張をする。 「訂正事項8は、「前記搬送ベルトは、フレームの果菜送り出し方向先方側に設けられた先方側の回転ローラと、果菜送り出し方向後方側に設けられた後方側の回転ローラの外周に、平坦に一周巻かれて、その上側部分が常に前記回転ローラの外周に沿って平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面が果菜搬送ラインの一側方のみに配置された果菜引受け体方向へ移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面が当該往回動と反対方向に移動する回動であり、」というものである。しかし、本件特許の明細書には、「その上側部分が常に前記回転ローラの外周に沿って平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり」という記載は存在しない。そもそも、回転ローラの外周は円弧状であるから、搬送ベルトの上側部分が回転ローラの外周に沿って移動すれば、円弧に沿って曲がるのであるから、平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動することはできないのであり、訂正事項8は実現不可能な構成である。 したがって、訂正事項8は、明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものであり、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではない。また、訂正事項8は、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではないので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものには該当せず、特許法第134条の2第1項ただし書で規定する事項を目的とするものに該当しない。」(弁駁書11ページ22行ないし12ページ12行) (イ)判断 訂正事項8は、訂正前の請求項1に係る発明における「搬送ベルト」について、「前記搬送ベルトは、フレームの果菜送り出し方向先方側に設けられた先方側の回転ローラと、果菜送り出し方向後方側に設けられた後方側の回転ローラの外周に、平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面側が果菜搬送ラインの一側方のみに配置された果菜引受け体方向に移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり、」との事項を付加するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項8のうち「前記搬送ベルトは、フレームの果菜送り出し方向先方側に設けられた先方側の回転ローラと、果菜送り出し方向後方側に設けられた後方側の回転ローラの外周に、平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、」は、特許明細書の段落【0021】における「図1、3の果菜キャリア2は、詳細を図2(a)~(c)に示すように、長さ360mm、幅140mm、高さ50mmのステンレス製フレーム10と、同フレーム10の長手方向両端(軸間距離330mm)に回転自在に取り付けられた回転ローラ11a、11bと、これら回転ローラ11a、11b間に掛け渡された幅130mmの搬送ベルト12とを備えたベルトコンベア式のキャリアである。」との記載及び特許図面の図2(a)において、両ローラの外周に沿って一周巻かれた搬送ベルトが示されており、搬送ベルトが両ローラに沿って往復回動し、搬送ベルトの上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動することは明らかであることを根拠とするものである。 また、訂正事項8のうち「前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面側が果菜搬送ラインの一側方のみに配置された果菜引受け体方向に移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり、」は、特許明細書の段落【0027】における「ロータリーソレノイド24は、・・・搬送ベルト12を矢印b方向に回動させ、その上に載せられているトマト3を排出する。」との記載及び同段落の「なお、この区間Cの搬送方向先端部には、斜めガイド溝20bにより、横スライドされたスライドピン15を元の位置に復帰させ、搬送ベルト12を戻すためのガイド25(図3)も設けられている。」との記載、特許図面の図1及び図3において、果菜キャリアと重なる位置に果菜引受け体側を向いた矢印bが示されており、果菜キャリアの往回動が、搬送ベルトの上面が果菜搬送ラインの一側方のみに配置された果菜引受け体方向へ移動する回動であることが示されていること並びに特許図面の図1及び図3に示された事項に加え、特許明細書の段落【0027】の「・・・搬送ベルト12を戻す・・・」との記載からすれば、果菜キャリアの復回動が、その搬送ベルトの上側部分が往回動と反対方向に移動する回動であることは明らかであることを根拠とするものである。 そうすると、訂正事項8は、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 さらに、訂正事項8は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 なお、平成28年12月26日提出の手続補正書により平成28年8月19日付け訂正請求書が補正されたことにより、前述のとおり、訂正事項8は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、また、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものとなったものである。 ケ 訂正事項9について 訂正事項9は、訂正前の請求項1において「搬送ベルトの上側」であったのを、特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0023】における「図2の搬送ベルト12は、詳細を図4に示すように、その上側部分のベルト表面のトマト3を載せ置く部分に、長さ200mm、幅130mmのシート状の受け部材13が貼付けられている。」との記載と整合を図るため、訂正後の請求項1において「搬送ベルトの上側部分の一部に」と訂正したものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものであり、本件出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内において行うものである。 また、訂正事項9は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 コ 訂正事項10について 訂正事項10は、訂正前の請求項1に係る発明における「果菜載置部」について、「果菜を載せ置く」という機能を「、トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を載せ置くことのできる」に限定するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項10は、特許明細書の段落【0001】における「本願発明は、・・・特にトマト、桃、梨、茄子、メロン、小玉西瓜などの果菜の選別に適したものである。」との記載を根拠とするものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 また、訂正事項10は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 サ 訂正事項11について 訂正事項11は、訂正前の請求項1に係る発明における「スライドピン」について、「前記スライドピンはその下端側が前記開口を貫通してフレームの底面下方に突出しており、」との事項を付加するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項11は、特許明細書の段落【0022】における「図2のフレーム10は、底面中央に、フレームの長手方向に沿って長さ170mm、幅10mmの長穴14が開口されている。」との記載及び段落【0022】における「スライドピン15の下端15bはフレーム10の下側に20mmほど突き出されている。」との記載並びに特許図面の図2(a)(b)の記載を根拠とするものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 また、訂正事項11は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 シ 訂正事項12について 訂正事項12は、訂正前の請求項1において「前記仕分け部」であったのを、訂正前の請求項1における「仕分排出部」との記載並びに特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0004】、【0010】、【0016】、【0027】、【0028】及び【0032】における「仕分排出部」との記載と整合を図るため、訂正後の請求項1において「前記仕分排出部」としたものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものであり、当初明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 また、訂正事項12は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ス 訂正事項13について 訂正事項13は、訂正前の請求項1に係る発明における「ベルトコンベア式の果菜引受け体」について、「平ベルトが回転するベルトコンベア式の果菜引受け体」に構成を限定するとともに、その配置位置を、「側方に」から「一側方のみに」に限定するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項13は、特許明細書の段落【0028】における「図3の各区間Cの各仕分排出部5の側方には、果菜キャリア2から送出されるトマト3を、果菜キャリア2の進行方向から斜め50度の方向に引き出して搬送する斜め引出しコンベア6が設けられている。」との記載及び同段落【0029】における「図3の各区間Cの斜め引出しコンベア6の先には、図1、3、5に示すように果菜引受け体(この場合は平ベルトコンベア)4を設けてある。」との記載並びに特許図面の図1、図3、図5(a)(b)及び図6において、果菜搬送ラインの仕分け排出部の一側方のみに設けられた果菜引受け体が示されていることを根拠とするものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 また、訂正事項13は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 セ 訂正事項14について (ア)請求人の主張 請求人は、弁駁書において、訂正事項14について次の主張をする。 「訂正事項14は、「平ベルトは、その上面が果菜を受ける窪みのない平面状であり、その上面が果菜キャリアの搬送ベルトの上面と同じ又は略同じ高さで水平又は略水平に配置され、果菜が果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り込まれるときに間欠運転して、当該果菜を前記平面状の上面に水平又は略水平に引き継いでプールすることができ、」というものであるが、本件特許の明細書には、「平ベルトは、その上面が果菜を受ける窪みのない平面状」であることも、「その上面が果菜キャリアの搬送ベルトの上面と同じ又は略同じ高さで水平又は略水平に配置され」ることも記載されていない。 そもそも「同じ又は略同じ高さ」という記載は、「同じ高さ」及び「略同じ高さ」を含むところ、明細書等を参酌しても「略」がどの程度の範囲を含むのか不明である。よって、訂正事項14は、本件特許の明細書及び図面から把握できない「略同じ高さ」という概念を新たに追加するものであり、この点において、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではない。さらに、訂正事項14の「水平又な略水平に配置され」という記載における「略」もどの程度の範囲を含むのか不明であり、本件特許の明細書等から把握できない「略水平に配置され」という概念を新たに追加するものである点においても、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではない。 また、訂正事項14は、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではないので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものには該当せず、特許法第134条の2第1項ただし書で規定する事項を目的とするものに該当しない。さらに、訂正事項14における「同じ又は略同じ高さ」及び「水平又は略水平に配置され」という記載の「略」がどの程度の範囲を含むものであるか不明であり、訂正事項14をもって、第2訂正発明1をいかに限定しようとするものであるかも不明であるので、かかる訂正事項14は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものには該当せず、特許法第134条の2第1項ただし書で規定する事項を目的とするものに該当しない。」(弁駁書12ページ14行ないし13ページ9行) (イ)判断 訂正事項14は、訂正前の請求項1に係る発明における「ベルトコンベア式の果菜引受け体」について、「平ベルトは、その上面が果菜を受ける窪みのない平面状であり、その上面が果菜キャリアの搬送ベルトの上面と同じ又は略同じ高さで水平又は略水平に配置され、果菜が果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り込まれるときに間欠運転して、当該果菜を前記平面状の上面に水平又は略水平に引き継いでプールすることができ、」との事項を付加するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項14のうち「平ベルトは、その上面が果菜を受ける窪みのない平面状であり」は、特許明細書には、段落【0029】において平ベルトコンベア4についての記載がを参酌しても、果菜引受け体の平ベルト4に果菜を受ける窪みが設けられていることは記載されていないこと並びに特許図面の図1、図3、図5(a)(b)及び図6において、果菜引受け体4の平ベルトには、果菜を受ける窪みは示されていないことを根拠とするものであり、「平ベルト」について何ら特定していない場合、一般的には窪みを有していないものが想定されることを合わせて考慮すると、特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。 また、訂正事項14のうち、「その上面が果菜キャリアの搬送ベルトの上面と同じ又は略同じ高さで水平又は略水平に配置され、」は、特許図面の図5(a)において、果菜キャリアと果菜引受け体の側面図が示され、果菜キャリアの搬送ベルトと果菜引受け体の平ベルトが同じ高さ或いは略同じ高さで水平又は略水平に配置されていることが示されていることを根拠とするものであり、「略同じ高さ」及び「略水平」は、実際に機器を設置する際に、厳密に同じ高さや水平にするのが困難であるという技術常識を考慮したものにすぎないから、特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。 また、訂正事項14のうち、「果菜が果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り込まれるときに間欠運転して、当該果菜を前記平面状の上面に水平又は略水平に引き継いでプールすることができ、」は、特許明細書の段落【0029】における「この平ベルトコンベア4は、間欠運転されるコンベアであり、果菜キャリア2から斜め引出しコンベア6を経てトマト3が送り込まれる時にだけ、トマト約1個分の距離だけ(トマト3が1個通過するに必要な時間)自動運転され、平ベルトコンベア4上に間隔を詰めてトマト3をプールすることができるようになっている。」との記載を根拠とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。 そうすると、訂正事項14は、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 さらに、訂正事項14は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ソ 訂正事項15について 訂正事項15は、訂正前の請求項1に係る発明における「その果菜載置部を一列又は略一列に並べて、」について、果菜載置部を並べる方向を「果菜搬送ラインの搬送方向」に限定するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項15は、特許明細書の段落【0020】における「図1、3の2はトマト3を載せて搬送する果菜キャリアであり、ドライブチェーン1に連結されて図中の矢印a方向に走行される。」との記載並びに特許図面の図1及び3において、矢印a方向、すなわち果菜搬送ラインの搬送方向に、果菜及び果菜載置部が一列又は略一列に並んだ状態が示されていることを根拠とするものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 また、訂正事項15は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 タ 訂正事項16について 訂正事項16は、訂正前の請求項1に係る発明における「無端搬送体」について、「ドライブチェーン」と特定するものであり、実質的に訂正事項2と同じ内容の訂正であるから、上記イにおける訂正事項2についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 チ 訂正事項17について 訂正事項17は、訂正前の請求項1に係る発明における「等階級計測部」について、「画像処理による計測装置を備えた」ものであることを特定するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項17は、特許明細書の段落【0026】における「図3の区間Bの計測部には、画像処理による計測装置8が設けられており、トマトの大きさ及び形状、傷や色などから、あらかじめ指定された条件に基づいて等階級を判別することができるようになっている。」との記載を根拠とするものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 また、訂正事項17は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ツ 訂正事項18について 訂正事項18は、訂正前の請求項1における「果菜の少なくとも果菜の大きさと形状を」との記載について、重複していた「果菜の」との記載(「少なくとも」のあとに続く「果菜の」との記載)を削除して「果菜の少なくとも大きさと形状を」とするものであり、明らかな誤記を正すものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものであり、当初明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 また、訂正事項18は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 テ 訂正事項19について 訂正事項19は、訂正前の請求項1に係る発明における「計測し、」について、「画像処理による」ものであることを特定するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項19は、特許明細書の段落【0026】における「図3の区間Bの計測部には、画像処理による計測装置8が設けられており、トマトの大きさ及び形状、傷や色などから、あらかじめ指定された条件に基づいて等階級を判別することができるようになっている。」との記載を根拠とするものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 また、訂正事項19は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ト 訂正事項20について (ア)請求人の主張 請求人は、弁駁書において、訂正事項20について次の主張をする。 「訂正事項20は、「当該搬送ベルトの果菜載置部の上の果菜を水平又は略水平に移動させることにより、果菜搬送方向側方に配置された前記果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り出し、」というものであるが、本件特許の明細書には、果菜キャリアの搬送ベルトを往回動させて、果菜載置部の上の果菜を移動させることにより、果菜を「果菜キャリアの搬送ベルト」から「斜め引出しコンベア6」に送り出すことは開示されているが、果菜を「果菜キャリアの搬送ベルト」から「果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平」に送り出すことは開示されていない。 被請求人は、訂正事項20の根拠として、図5(a)において果菜キャリアと果菜引受け体の上面が水平又は略水平であることが示されていることを挙げるが、図5(a)には、果菜キャリア2に隣接して斜め引出しコンベア6が設けられており、果菜3が果菜キャリア2から斜め引出しコンベア6に送り出されることが明示されている。そして、果菜引受け体4の平ベルトの上面には斜め引出しコンベア6から果菜3が送り出されるのである。この点、明細書の【0017】及び【0029】においても以下のように記載されている。 「本願発明は、果菜キャリア2が、ベルトコンベア式のキャリアであるため、果菜3の排出が水平に横移動されて斜め引出しコンベア6に送り出されるため、転倒式の果菜キャリア2に比べて大幅に果菜3の転倒を防止することができ、転がり等をほぼ防止できる安全な仕分けが可能となる。痛みが生じやすい、桃や梨などの選果にも利用することができる。」(【0017】)(強調付加) 「図3の各区間Cの斜め引出しコンベア6の先には、図1、3、5に示すように果菜引受け体(この場合は平ベルトコンベア)4を設けてある。この平ベルトコンベア4は、間欠運転されるコンベアであり、果菜キャリア2から斜め引出しコンベア6を経てトマト3が送り込まれる時にだけ、トマト約1個分の距離だけ(トマト3が1個通過するに必要な時間)自動運転され、平ベルトコンベア4上に間隔を詰めてトマト3をプールすることができるようになっている。」(【0029】)(強調付加) このように、【0017】には、果菜を「果菜キャリア」から「斜め引出しコンベア6」に送り出すことが記載されており、【0029】には、果菜を「斜め引出しコンベア6」から「果菜引受け体の平ベルトコンベア4」上に送り出すことが記載されているのであり、「斜め引出しコンベア6」を取り除いて、果菜を「果菜キャリアの搬送ベルト」から「果菜引受け体の平ベルトコンベア4」上に送り出すことは記載されていないのである。被請求人は、【0017】及び【0029】の記載から恣意的に「斜め引出しコンベア6」を省略し、明細書の開示内容を誤解させている。 したがって、訂正事項20は、明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものであり、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではない。 さらに、上記(ウ)と同様、「平ベルトの上面に水平又は略水平に送り出し」という記載は明細書等に存在せず、「略」もどの程度の範囲を含むのか不明であり、本件特許の明細書等から把握できない「略水平」という概念を新たに追加するものであるから、この点においても、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではない。 また、訂正事項20は、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではないので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものには該当せず、特許法第134条の2第1項ただし書で規定する事項を目的とするものに該当しない。さらに、訂正事項20の「略水平に移動させる」という記載における「略」もどの程度の範囲を含むのか不明であり、訂正事項20をもって、第2訂正発明1をいかに限定しようとするものであるかも不明であるので、かかる訂正事項20は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものには該当せず、特許法第134条の2第1項ただし書で規定する事項を目的とするものに該当しない。」(弁駁書13ページ11行ないし15ページ1行) (イ)判断 訂正事項20は、訂正前の請求項1に係る発明における「当該搬送ベルトの果菜載置部の上の果菜を、果菜搬送方向側方に配置された前記果菜引受け体に」送り出すことについて、当該搬送ベルトの果菜載置部の上の果菜を「水平又は略水平に移動させることにより」送り出すことを特定するとともに、果菜搬送方向側方に配置された「前記果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に」送り出すことを特定することにより、果菜載置部の上の果菜をどのように果菜引受け体に送り出すかについて、及び果菜を果菜引受け体のどこに送り出すかについて特定するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 次に、特許明細書の段落【0016】、【0017】及び【0029】の記載並びに特許図面の図1、3、5及び6の記載によれば、果菜3は、果菜キャリア2の搬送ベルト12から斜め引出しコンベア6を介して平ベルトコンベアである果菜引受け体4に排出されており、斜め引出コンベア6は、果菜3を搬送ベルト12から果菜引受け体4へ移すにあたり、転がり等を防止するための補助手段であるから、特許明細書等には、果菜を「果菜キャリアの搬送ベルト」から「果菜引受け体の平ベルト」の上に送り出すことが実質的に開示されているといえる。 また、上記クの訂正事項8についての判断も踏まえると、搬送ベルトの果菜載置部の上の果菜を「水平又は略水平に移動させること」は、特許明細書等に開示されているといえる。 加えて、上記セの訂正事項14についての判断も踏まえると、搬送ベルトの果菜載置部の上の果菜を「果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り出し」することは、特許明細書等に開示されているといえる。 そうすると、訂正事項20は、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 さらに、訂正事項20は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ナ 訂正事項21について 訂正事項21は、訂正前の請求項1に係る発明における「果菜キャリアの搬送ベルトを果菜搬送ラインの側方に往回動させ」ることについて、「前記搬送ベルトの往回動は、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、果菜搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われ、」との構成を付加するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項21は、特許明細書の段落【0020】における「図1、3の2はトマト3を載せて搬送する果菜キャリアであり、ドライブチェーン1に連結されて図中の矢印a方向に走行される。」との記載、段落【0022】の「この長穴14には、同長穴14に沿って図中の矢印e-f方向にのみ150mmの距離を移動可能なスライドピン15が取り付けられている。」との記載及び同段落【0027】における「直進ガイド溝20aを進行する果菜キャリア2のスライドピン15を斜めガイド溝20b(直進ガイド溝20aに対して30度の傾き)側に案内し、これによりスライドピン15を矢印g方向に横移動させて、搬送ベルト12を矢印b方向に回動させ、その上に載せられているトマト3を排出する。」との記載並びに特許図面の図5(a)(b)において、果菜搬送ラインの下方に設けられたガイド溝20が示されていることを根拠とするものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 また、訂正事項21は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ニ 訂正事項22について 訂正事項22は、訂正前の請求項1に係る発明における「前記果菜引受け体を、果菜が送り込まれるときに間欠運転させて果菜を」引継ぐことについて、間欠運転する対象が、「前記果菜引受け体の平ベルト」であること、果菜が「水平又は略水平に」送り込まれること、「果菜搬送ラインの搬送方向側方であって前記果菜が送り込まれる方向に果菜約1個分の距離だけ」間欠運転させること及び「その間欠運転による前記平ベルトの回転により、当該平ベルトの平面状の上面に水平又は略水平に送り込まれる果菜を水平又は略水平に」引継ぐことを特定することにより、果菜引受け体の何がどの方向に対してどの程度間欠運転されるのか、及び果菜が果菜引受け体のどこに対してどのように引き継がれるかについて特定するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項22は、特許明細書の段落【0029】における「図3の各区間Cの斜め引出しコンベア6の先には、図1、3、5に示すように果菜引受け体(この場合は平ベルトコンベア)4を設けてある。この平ベルトコンベア4は、間欠運転されるコンベアであり、果菜キャリア2から斜め引出しコンベア6を経てトマト3が送り込まれる時にだけ、トマト約1個分の距離だけ(トマト3が1個通過するに必要な時間)自動運転され、平ベルトコンベア4上に間隔を詰めてトマト3をプールすることができるようになっている。」との記載並びに特許図面の図1、3及び5の記載を根拠とするものであり、上記セの訂正事項14についての判断も踏まえると、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 また、訂正事項22は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ヌ 訂正事項23について 訂正事項23は、訂正前の請求項1に係る発明における「果菜送り込み時の間欠運転の繰り返しにより、前記果菜キャリアの果菜載置部から送り込まれる果菜を前記果菜引受け体の上に二以上プール」することについて、果菜送り込み時の前記間欠運転の繰り返しにより、前記果菜キャリアの果菜載置部から送り込まれる果菜を「前記果菜引受け体の平ベルトの前記平面状の上面に水平又は略水平に二以上プール」することを特定することにより、果菜が果菜引受け体のどの部分に対してどのようにプールされるかについて特定するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項23は、特許明細書の段落【0029】における「図3の各区間Cの斜め引出しコンベア6の先には、図1、3、5に示すように果菜引受け体(この場合は平ベルトコンベア)4を設けてある。この平ベルトコンベア4は、間欠運転されるコンベアであり、・・・平ベルトコンベア4上に間隔を詰めてトマト3をプールすることができるようになっている。」との記載並びに特許図面の図1、3及び5の記載を根拠とするものであり、上記セの訂正事項14についての判断も踏まえると、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 また、訂正事項23は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ネ 訂正事項24について 訂正事項24は、訂正前の請求項1に係る発明における「果菜送り出し後の移動中に前記往回動と反対側に復回動させ」ることについて、「前記搬送ベルトの復回動は、果菜送り出し後に、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、前記果菜搬送ラインの下方に設けられた戻りガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われ、」との構成を付加するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項24は、特許明細書の段落【0022】における「スライドピン15の下端15bはフレーム10の下側に20mmほど突き出されている。」との記載、同段落【0022】における「この長穴14には、同長穴14に沿って図中の矢印e-f方向にのみ150mmの距離を移動可能なスライドピン15が取り付けられている。」との記載及び同段落【0027】における「なお、この区間Cの搬送方向先端部には、斜めガイド溝20bにより、横スライドされたスライドピン15を元の位置に復帰させ、搬送ベルト12を戻すためのガイド25(図3)も設けられている。」との記載並びに特許図面の図3において、搬送ベルト12を戻すためのガイド25が示されていること及び図5(a)(b)において、果菜搬送ラインの下方に設けられたガイド溝20が示されていることを根拠とするものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 また、訂正事項24は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ノ 訂正事項25について 訂正事項25は、訂正前の請求項2に係る発明における「果菜引受け体は、果菜キャリアから果菜が送り出されるときに間欠移動することについて、「果菜引受け体の平ベルトは、果菜キャリアから果菜が送り出されるときに間欠移動して、」と特定することにより、果菜引受け体の平ベルトが間欠移動することを特定するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項25は、特許明細書の段落【0029】における「図3の各区間Cの斜め引出しコンベア6の先には、図1、3、5に示すように果菜引受け体(この場合は平ベルトコンベア)4を設けてある。」との記載を根拠とするものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 また、訂正事項25は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (2)本件訂正2について ア 訂正事項26について 訂正事項26は、訂正前の請求項3に係る発明における「無端搬送体」について、「ドライブチェーン」と特定するものであり、請求項1に係る発明における訂正事項3と実質的に同様の訂正をするものであるから、上記(1)ウにおける訂正事項3についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 イ 訂正事項27について 訂正事項27は、訂正前の請求項3に係る発明における「等階級計測部で計測された果菜をその計測に基づく等階級判別結果に応じて果菜キャリアによって果菜搬送方向側方に送り出す仕分排出部」について、「等階級計測部で計測された果菜をその計測に基づく等階級判別結果に応じて果菜キャリアによって果菜搬送方向の一側方のみに配置された果菜引受け体に送り出す仕分排出部」に限定するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項27は、上記(1)スの訂正事項13の検討を踏まえると、同様に、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ウ 訂正事項28について 訂正事項28は、訂正前の請求項3に係る発明において、「前記ドライブチェーンは果菜キャリアの果菜送り出し方向先方側のドライブチェーンと、果菜送り出し方向後方側のドライブチェーンの少なくとも二本であり、それら両ドライブチェーンは果菜送り出し方向に間隔をあけて平行に配置されており、」との事項を付加するものであり、請求項1に係る発明における訂正事項2と実質的に同様の訂正をするものであるから、上記(1)イにおける訂正事項2についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 エ 訂正事項29について 訂正事項29は、訂正前の請求項3に係る発明における「無端搬送体」について、「間隔をあけて平行に配置された前記二本のドライブチェーン」と特定するものであり、請求項1に係る発明における訂正事項2と実質的に同様の訂正をするものであるから、上記(1)イにおける訂正事項2についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 オ 訂正事項30について 訂正事項30は、訂正前の請求項3に係る発明におけるフレームを取付ける対象である「無端搬送体」について、「ドライブチェーン」と特定するとともに、「往復回動式のベルトコンベア」である「果菜キャリア」について、さらに「搬送ベルトに連結されたスライドピンを備えた」ことを特定するものであり、請求項1に係る発明における訂正事項4及び訂正事項5と実質的に同様の訂正をするものであるから、上記(1)エにおける訂正事項4についての検討及び上記(1)オにおける訂正事項5についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 カ 訂正事項31について 訂正事項31は、訂正前の請求項3に係る発明において、「前記フレームは、前記ドライブチェーンに取付ける取付け部を備え、取付け部は果菜送り出し方向先方側と後方側に設けられており、」との事項を付加するものであり、請求項1に係る発明における訂正事項5と実質的に同様の訂正をするものであるから、上記(1)オにおける訂正事項5についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 キ 訂正事項32について (ア)請求人の主張 請求人は、弁駁書において、訂正事項32について次の主張をする。 「訂正事項32は、「前記フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転ローラが回転可能に取り付けられ、先方側の回転ローラの少なくとも一部は前記フレームの前記果菜引受け体側の端部よりも当該果菜引受け体側に突出し、かつ前記先方側のドライブチェーンよりも当該果菜引受け体側に突出しており、」というものであり、訂正事項7と同一であり、前記○1ア(ア)の訂正事項7において詳述したとおり、訂正事項32は、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではなく、同法第134条の2第9項が準用する同法第126条第5項に違反するものであり、かつ同法第134条の2第1項ただし書で規定する事項を目的とするものではない。」(弁駁書15ページ11行ないし同ページ18行) (イ)判断 訂正事項32は、訂正前の請求項3に係る発明において、「前記フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転ローラが回転可能に取り付けられ、先方側の回転ローラの少なくとも一部は前記フレームの前記果菜引受け体側の端部よりも当該果菜引受け体側に突出し、かつ前記先方側のドライブチェーンよりも当該果菜引受け体側に突出しており、」との事項を付加するものであり、請求項1に係る発明における訂正事項7と実質的に同様の訂正をするものであるから、上記(1)キにおける訂正事項7についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ク 訂正事項33について 訂正事項33は、訂正前の請求項3に係る発明において、「前記フレームはその底面に、果菜送り出し方向に細長の開口を備え、」との事項を付加するものであり、請求項1に係る発明における訂正事項6と実質的に同様の訂正をするものであるから、上記(1)カにおける訂正事項6についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ケ 訂正事項34について (ア)請求人の主張 請求人は、弁駁書において、訂正事項34について次の主張をする。 「訂正事項34は、「前記搬送ベルトは、前記先方側の回転ローラと、前記後方側の回転ローラの外周に平坦に一周巻かれて、その上側部分が常に前記回転ローラの外周に沿って平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、」というものであり、訂正事項8の前半部分と同一であり、前記○1ア(イ)の訂正事項8において詳述したとおり、訂正事項34は、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではなく、同法第134条の2第9項が準用する同法第126条第5項に違反するものであり、かつ同法第134条の2第1項ただし書で規定する事項を目的とするものではない。」(弁駁書15ページ20行ないし同ページ27行) (イ)判断 訂正事項34は、訂正前の請求項3に係る発明において、「前記搬送ベルトは、前記先方側の回転ローラと、前記後方側の回転ローラの外周に平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、」との事項を付加するものであり、請求項1に係る発明における訂正事項8と実質的に同様の訂正をするものであるから、上記(1)クにおける訂正事項8についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 なお、平成28年12月26日提出の手続補正書により平成28年8月19日付け訂正請求書が補正されたことにより、前述のとおり、訂正事項8は、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、また、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものとなったものである。 コ 訂正事項35について 訂正事項35は、訂正前の請求項3に係る発明において、「前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面が果菜搬送ラインの一側方のみに配置された果菜引受け体方向へ移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面が当該往回動と反対方向に移動する回動であり、」との事項を付加するものであり、請求項1に係る発明における訂正事項8と実質的に同様の訂正をするものであるから、上記(1)クにおける訂正事項8についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 サ 訂正事項36について 訂正事項36は、訂正前の請求項3において「搬送ベルトの上側の一部に」であったのを、「搬送ベルトの上側部分の一部に」としたものであり、実質的に請求項1に係る発明における訂正事項9と同様の訂正をするものであるから、上記(1)ケにおける訂正事項9についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものであり、当初明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 シ 訂正事項37について 訂正事項37は、訂正前の請求項3に係る発明における「果菜を載せ置く果菜載置部」について、「トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を載せ置くことのできる果菜載置部」と特定するものであり、請求項1に係る発明における訂正事項10と実質的に同様の訂正をするものであるから、上記(1)コにおける訂正事項10についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ス 訂正事項38について 訂正事項38は、訂正前の請求項3に係る発明において、「前記スライドピンはその下端側が前記開口を貫通してフレームの底面下方に突出しており、」との事項を付加するものであり、請求項1に係る発明における訂正事項11と実質的に同様の訂正をするものであるから、上記(1)サにおける訂正事項11についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 セ 訂正事項39について 訂正事項39は、訂正前の請求項3において「前記仕分け部」であったのを、「前記仕分排出部」としたものであり、実質的に請求項1に係る発明における訂正事項12と同様の訂正をするものであるから、上記(1)シにおける訂正事項12についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものであり、当初明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ソ 訂正事項40について (ア)請求人の主張 請求人は、弁駁書において、訂正事項40について次の主張をする。 「訂正事項40は、「側方に、上面に果菜を受ける窪みがない平面状の平ベルトが回転する果菜引受け体が、果菜搬送方向に作業間隔をあけて二以上配置され、」というものであり、訂正事項41は、「前記果菜引受け体は、その平ベルトの上面が前記果菜キャリアの搬送ベルトの上面と同じ又は略同じ高さで水平又は略水平に配置されており、」というものであるが、前記○1ア(ウ)の訂正事項14において詳述したとおり、訂正事項40は、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではなく、同法第134条の2第9項が準用する同法第126条第5項に違反するものであり、かつ同法第134条の2第1項ただし書で規定する事項を目的とするものではない。」(弁駁書16ページ1行ないし同ページ8行) (イ)判断 訂正事項40は、訂正前の請求項3に係る発明における「果菜引受け体」について、「上面に果菜を受ける窪みがない平面状の平ベルトが回転する果菜引受け体」と特定するものであり、請求項1に係る発明における訂正事項13及び訂正事項14と実質的に同様の訂正をするものであるから、上記(1)スにおける訂正事項13についての検討及び上記(1)セにおける訂正事項14についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 タ 訂正事項41について (ア)請求人の主張 請求人は、弁駁書において、訂正事項41について次の主張をする。 「前記○1ア(ウ)の訂正事項14において詳述したとおり、訂正事項41は、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではなく、同法第134条の2第9項が準用する同法第126条第5項に違反するものであり、かつ同法第134条の2第1項ただし書で規定する事項を目的とするものではない。」(弁駁書16ページ5行ないし同ページ8行) (イ)判断 訂正事項41は、訂正前の請求項3に係る発明において、「前記果菜引受け体は、その平ベルトの上面が前記果菜キャリアの搬送ベルトの上面と同じ又は略同じ高さで水平又は略水平に配置されており、」との事項を付加するものであり、請求項1に係る発明における訂正事項14と実質的に同様の訂正をするものであるから、上記(1)セにおける訂正事項14についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 チ 訂正事項42について 訂正事項42は、訂正前の請求項3に係る発明における「果菜載置部が一列又は略一列に並んで無端搬送体に配置され」ることについて、「果菜載置部が果菜搬送ラインの搬送方向に一列又は略一列に並んで水平に搬送されるように、先方側の取付け部が前記先方側のドライブチェーンに、後方側の取付け部が前記後方側のドライブチェーンに取り付けられて配置され」ると特定するとともに、「無端搬送体の走行」について、「ドライブチェーンの走行」と特定するものであり、請求項1に係る発明における訂正事項2、訂正事項5、訂正事項15及び訂正事項16と実質的に同様の訂正をするものであるから、上記(1)イにおける訂正事項2についての検討、上記(1)オにおける訂正事項5についての検討、上記(1)ソにおける訂正事項15についての検討及び上記(1)タにおける訂正事項16についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ツ 訂正事項43について 訂正事項43は、訂正前の請求項3に係る発明における「等階級計測部」について、画像処理による計測装置を備え」たものであることを特定するものであり、請求項1に係る発明における訂正事項17と実質的に同様の訂正をするものであるから、上記(1)チにおける訂正事項17についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 テ 訂正事項44について 訂正事項44は、訂正前の請求項3に係る発明における「搬送される果菜の少なくとも大きさと形状を計測でき、」について、果菜が「トマト、桃、梨、メロンのいずれか」であることを特定するとともに、「計測」が「画像処理により計測」するものであることを特定するものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そして、訂正事項44は、上記(1)アにおける訂正事項1についての検討、上記(1)コにおける訂正事項10についての検討及び上記(1)テにおける訂正事項19についての検討を踏まえると、同様に、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ト 訂正事項45について (ア)請求人の主張 請求人は、弁駁書において、訂正事項45について次の主張をする。 「訂正事項45は、「各々の果菜キャリアの搬送ベルトは、前記仕分排出部において果菜搬送ラインの側方の果菜引受け体側に往回動して、果菜載置部に載せてある果菜を、前記計測に基づく等階級判別結果に応じて前記果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り出し可能であり、」というものであるが、前記○1ア(エ)の訂正事項20において詳述したとおり、本件特許の明細書等には、果菜キャリアの搬送ベルトを往回動させて、果菜載置部の上の果菜を移動させることにより、果菜を「果菜キャリアの搬送ベルト」から「斜め引出しコンベア6」に送り出すことは開示しているが、果菜を「果菜キャリアの搬送ベルト」から「果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平」に送り出すことは開示されていない。果菜を「果菜キャリアの搬送ベルト」から「果菜引受け体の平ベルト」の上面に送り出すことは開示していない。 したがって、訂正事項45は、明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものであり、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではない。また、訂正事項45は、明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではないので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものには該当せず、特許法第134条の2第1項ただし書で規定する事項を目的とするものに該当しない。」(弁駁書16ページ10行ないし同ページ25行) (イ)判断 訂正事項45は、訂正前の請求項3に係る発明における「果菜キャリアの搬送ベルト」について、「果菜搬送ラインの側方の果菜引受け体側に往回動」すること及び「果菜載置部に載せてある果菜を」、「果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り出し可能」であることを特定するものであり、請求項1に係る発明における訂正事項8及び訂正事項20と実質的に同様の訂正をするものであるから、上記(1)クにおける訂正事項8についての検討及び上記(1)トにおける訂正事項20についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ナ 訂正事項46について 訂正事項46は、訂正前の請求項3に係る発明において、「前記搬送ベルトの往回動は、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、果菜搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われ、」との事項を付加するものであり、請求項1に係る発明における訂正事項21と実質的に同様の訂正をするものであるから、上記(1)ナにおける訂正事項21についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ニ 訂正事項47について 訂正事項47は、訂正前の請求項3に係る発明における「前記果菜引受け体は果菜が送り込まれるときに間欠運転して果菜を引継」ぐことについて間欠運転する対象が、「前記果菜引受け体の平ベルト」であること、果菜が「水平又は略水平に」送り込まれること、「果菜搬送ラインの搬送方向側方であって前記送り込み方向に」間欠運転させること及び「その間欠運転による前記平ベルトの回転により当該平ベルトの上面に果菜を水平又は略水平に」引継ぐことを特定するものであり、請求項1に係る発明における訂正事項22と実質的に同様の訂正をするものであるから、上記(1)ニにおける訂正事項22についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ヌ 訂正事項48について 訂正事項48は、訂正前の請求項3に係る発明における「果菜引受け体の上」について、「果菜引受け体の平ベルトの上面」と特定するものであり、請求項1に係る発明における訂正事項23と実質的に同様の訂正をするものであるから、上記(1)ヌにおける訂正事項23についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ネ 訂正事項49について 訂正事項49は、訂正前の請求項3に係る発明において、「前記搬送ベルトの往回動は、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、果菜搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われ、」との事項を付加するものであり、請求項1に係る発明における訂正事項24と実質的に同様の訂正をするものであるから、上記(1)ネにおける訂正事項24についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ノ 訂正事項50について 訂正事項50は、訂正前の請求項4に係る発明における「果菜引受け体」について、「果菜引受け体の平ベルト」と特定するものであり、請求項2に係る発明における訂正事項25と実質的に同様の訂正をするものであるから、上記(1)ノにおける訂正事項25についての検討を踏まえると、同様に、特許法第134条の2第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、特許明細書等に記載した事項の範囲内において行うものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ハ 訂正事項51について 訂正事項51は、訂正前の請求項4において「果菜キャリアのベルト」であったのを、訂正前の請求項4において引用する訂正前の請求項3に記載された「果菜キャリアの搬送ベルト」と整合させるべく、「果菜キャリアの搬送ベルト」と訂正したものであるから、特許法第134条の2第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものであり、当初明細書等に記載した事項の範囲内において行うものである。 また、訂正事項51は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 7 請求人の平成28年3月11日提出の審判事件弁駁書における主張の援用について 請求人は、平成28年9月30日提出の弁駁書3ページ26行ないし4ページ5行において、「第2訂正発明は、第1訂正の内容(一重下線の記載)に加えて、第2訂正によって新しく記載(二重下線の記載)を追加したものであるところ、請求人は、第1訂正の内容(一重下線の記載)については、平成28年3月11日付審判事件弁駁書6(3)において、訂正要件を満たしていないこと(特許法第134条の2第9項が準用する同法第126条第5項及び第6項違反)を詳述したため、かかる主張を援用し、後記(3)では、第2訂正によって新しく追加された記載(二重下線の記載)についてのみ訂正要件違反(特許法第134条の2第9項が準用する同法第126条第5項違反)を主張することとする。」とし、平成28年3月11日提出の審判事件弁駁書における訂正請求についての主張を援用している。 そのうち、本件訂正1及び本件訂正2が、特許明細等に記載した事項の範囲内においてしたものではなく、特許法第134条の2第9項が準用する同法第126条第5項に違反するものであり、かつ同法第134条の2第1項ただし書で規定する事項を目的とするものではないから認められるべきではない旨の主張については、上記6の検討を踏まえると、首肯することができない。 そして、本件訂正1が、本件訂正前の請求項1に係る発明とは別の「搬送ベルトの回転機構」に関する発明に変更するものであり、請求項1の範囲を変更している旨の主張について検討すると、平成28年6月14日付け審決の予告において説示したとおり、本件訂正後の請求項1に係る発明において、本件訂正前の請求項1に係る発明に対して「搬送ベルトの回転機構」に関する事項が付加されたものであるとしても、本件訂正前の請求項1に係る発明特定事項を実質的に全て包含し、本件訂正後の請求項1の末尾の記載が「果菜自動選別送り出し方法。」となっていることを考慮すると、「果菜自動選別送り出し方法」としての発明が、「搬送ベルトの回転機構」に関する発明に変更されたということはできないから、本件訂正1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 また、本件訂正2が、本件訂正前の請求項3に係る発明とは別の「搬送ベルトの回転機構」に関する発明に変更するものであり、請求項3の範囲を変更している旨の主張についても、同様の理由により、本件訂正2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 8 訂正の請求についてのまとめ 以上のとおり、平成28年12月26日提出の手続補正書により補正された平成28年8月19日提出の訂正請求書により請求された本件訂正1及び本件訂正2は、特許法第134条の2第1項ただし書きに規定する目的に該当し、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合し、適法にされたものであるから、本件訂正1及び本件訂正2を認める。 第3 本件発明 上記第2のとおり、本件訂正1及び本件訂正2は認められるので、本件特許の請求項1ないし4に係る発明(以下、順に「本件発明1」ないし「本件発明4」という。)は、それぞれ、平成28年12月26日提出の手続補正書により補正された平成28年8月19日提出の訂正請求書に添付した特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「 【請求項1】 果菜キャリアが多数設けられた果菜搬送ラインの果菜供給部において、果菜搬送ラインの幅方向側方から作業員がトマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を前記果菜キャリアに載せ、前記果菜搬送ラインの等階級計測部において、果菜キャリアで搬送される果菜を計測して果菜の等階級を判別し、前記果菜搬送ラインの仕分排出部において、果菜搬送中の前記果菜キャリアを回動させてその上の果菜を前記等階級計測部での判別結果に応じて果菜搬送方向側方に送り出す、果菜自動選別送り出し方法において、 前記果菜キャリアは果菜送り出し方向先方側と後方側に間隔をあけて平行に配置された二本のドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられて、果菜搬送ラインの搬送方向に一列に並んでおり、 前記果菜キャリアの夫々は前記ドライブチェーンに取付けるフレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトと、搬送ベルトに連結されたスライドピンを備えた往復回動式のベルトコンベアであり、 前記フレームは、果菜送り出し方向先方側と後方側に取付け部を備え、先方側の取付け部は前記先方側のドライブチェーンに、後方側の取付け部は前記後方側のドライブチェーンに取り付けられており、 前記フレームは、その底面に、果菜送り出し方向に細長の開口を備え、 前記フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転ローラが回転可能に取り付けられ、先方側の回転ローラの少なくとも一部は前記フレームの果菜引受け体側の端部よりも果菜引受け体側に突出し、かつ前記先方側のドライブチェーンよりも果菜引受け体側に突出しており、 前記搬送ベルトは、フレームの果菜送り出し方向先方側に設けられた先方側の回転ローラと、果菜送り出し方向後方側に設けられた後方側の回転ローラの外周に、平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面側が果菜搬送ラインの一側方のみに配置された果菜引受け体方向に移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり、 夫々の果菜キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を載せ置くことのできる果菜載置部が設けられ、 前記スライドピンはその下端側が前記開口を貫通してフレームの底面下方に突出しており、 果菜搬送ラインの前記仕分排出部の一側方のみに、平ベルトが回転するベルトコンベア式の果菜引受け体が、果菜搬送方向に作業間隔をあけて二以上配置され、平ベルトは、その上面が果菜を受ける窪みのない平面状であり、その上面が果菜キャリアの搬送ベルトの上面と同じ又は略同じ高さで水平又は略水平に配置され、果菜が果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り込まれるときに間欠運転して、当該果菜を前記平面状の上面に水平又は略水平に引き継いでプールすることができ、 前記多数の果菜キャリアを、その果菜載置部を果菜搬送ラインの搬送方向に一列又は略一列に並べて、前記ドライブチェーンの走行によりその走行方向に移動させ、 前記移動中の果菜キャリアの果菜載置部の上に、前記果菜供給部において、作業員が、果菜搬送ラインの搬送方向側方から前記果菜を一つずつ載せて搬送方向に一列又は略一列に並べて搬送し、 前記果菜キャリアの移動により、前記果菜載置部に載せた果菜を搬送方向に一列又は略一列に並べて搬送して、画像処理による計測装置を備えた等階級計測部を通過させてその通過中に果菜の少なくとも大きさと形状を画像処理により計測し、 前記仕分排出部において、前記計測に基づく等階級判別に応じて、果菜キャリアの搬送ベルトを果菜搬送ラインの側方に往回動させて、当該搬送ベルトの果菜載置部の上の果菜を水平又は略水平に移動させることにより、果菜搬送方向側方に配置された前記果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り出し、 前記搬送ベルトの往回動は、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、果菜搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われ、 前記果菜引受け体の平ベルトを、果菜が水平又は略水平に送り込まれるときに、果菜搬送ラインの搬送方向側方であって前記果菜が送り込まれる方向に果菜約1個分の距離だけ間欠運転させてその間欠運転による前記平ベルトの回転により、当該平ベルトの平面状の上面に水平又は略水平に送り込まれる果菜を水平又は略水平に引継ぎ、果菜送り込み時の前記間欠運転の繰り返しにより、前記果菜キャリアの果菜載置部から送り込まれる果菜を前記果菜引受け体の平ベルトの前記平面状の上面に水平又は略水平に二以上プールし、 前記往回動させた果菜キャリアの搬送ベルトを、前記果菜送り出し後の移動中に前記往回動と反対側に復回動させて、当該搬送ベルトの果菜載置部を元の位置に復帰させることにより、前記多数の果菜キャリアの果菜載置部を搬送方向に一列又は略一列に並べ、 前記搬送ベルトの復回動は、果菜送り出し後に、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、前記果菜搬送ラインの下方に設けられた戻りガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われ、 それら復帰した果菜キャリアの果菜載置部に、前記果菜供給部において、作業員が、果菜搬送ラインの搬送方向側方から果菜を一つずつ載せることができるようにした、 ことを特徴とする果菜自動選別送り出し方法。 【請求項2】 請求項1記載の果菜自動選別送り出し方法において、 果菜引受け体の平ベルトは、果菜キャリアから果菜が送り出されるときに間欠移動して、果菜載置部から送り出される果菜を引き継いで二以上の果菜をプールする、 ことを特徴とする果菜自動選別における果菜自動選別送り出し方法。 【請求項3】 ドライブチェーンに果菜キャリアが多数設けられた果菜搬送ラインに、その幅方向側方から、作業員が、果菜キャリアに果菜を載せる果菜供給部が設けられ、果菜供給部で果菜キャリアに載せた果菜の等階級を判別する等階級計測部が果菜搬送ラインにおける果菜供給部の先方に設けられ、等階級計測部で計測された果菜をその計測に基づく等階級判別結果に応じて果菜キャリアによって果菜搬送方向の一側方のみに配置された果菜引受け体に送り出す仕分排出部が等階級計測部の先方に設けられた果菜自動選別送り出し装置において、 前記ドライブチェーンは果菜キャリアの果菜送り出し方向先方側のドライブチェーンと、果菜送り出し方向後方側のドライブチェーンの少なくとも二本であり、それら両ドライブチェーンは果菜送り出し方向に間隔をあけて平行に配置されており、 前記果菜キャリアは間隔をあけて平行に配置された前記二本のドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられ、 前記果菜キャリアの夫々は前記ドライブチェーンに取付けるフレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトと、搬送ベルトに連結されたスライドピンを備えた往復回動式のベルトコンベアであり、 前記フレームは、前記ドライブチェーンに取付ける取付け部を備え、取付け部は果菜送り出し方向先方側と後方側に設けられており、 前記フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転ローラが回転可能に取り付けられ、先方側の回転ローラの少なくとも一部は前記フレームの前記果菜引受け体側の端部よりも当該果菜引受け体側に突出し、かつ前記先方側のドライブチェーンよりも当該果菜引受け体側に突出しており、 前記フレームはその底面に、果菜送り出し方向に細長の開口を備え、 前記搬送ベルトは、前記先方側の回転ローラと、前記後方側の回転ローラの外周に平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面が果菜搬送ラインの一側方のみに配置された果菜引受け体方向へ移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面が当該往回動と反対方向に移動する回動であり、 夫々の果菜キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を載せ置くことのできる果菜載置部が設けられ、 前記スライドピンはその下端側が前記開口を貫通してフレームの底面下方に突出しており、 果菜搬送ラインの前記仕分排出部の側方に、上面に果菜を受ける窪みがない平面状の平ベルトが回転する果菜引受け体が、果菜搬送方向に作業間隔をあけて二以上配置され、各々の果菜引受け体は果菜載置部から送り出される果菜を引継いで二以上の果菜をプールできる長さのベルトコンベアであり、 前記果菜引受け体は、その平ベルトの上面が前記果菜キャリアの搬送ベルトの上面と同じ又は略同じ高さで水平又は略水平に配置されており、 前記多数の果菜キャリアは、その果菜載置部が果菜搬送ラインの搬送方向に一列又は略一列に並んで水平に搬送されるように、先方側の取付け部が前記先方側のドライブチェーンに、後方側の取付け部が前記後方側のドライブチェーンに取り付けられて配置されており、そのドライブチェーンの走行により夫々の果菜載置部に載せた果菜が等階級計測部を一列又は略一列に並んで通過することができ、 前記果菜載置部は、前記果菜供給部において、作業員が、果菜搬送ラインの搬送方向側方から果菜を一つずつ載せることができ、 前記等階級計測部は画像処理による計測装置を備え、果菜載置部に載せられて一列又は略一列に並んで搬送されるトマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜の少なくとも大きさと形状を画像処理により計測でき、 各々の果菜キャリアの搬送ベルトは、前記仕分排出部において果菜搬送ラインの側方の果菜引受け体側に往回動して、果菜載置部に載せてある果菜を、前記計測に基づく等階級判別結果に応じて前記果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り出し可能であり、 前記搬送ベルトの往回動は、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、果菜搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われ、 前記果菜引受け体の平ベルトは果菜が水平又は略水平に送り込まれるときに、果菜搬送ラインの搬送方向側方であって前記送り込み方向に間欠運転して、その間欠運転による前記平ベルトの回転により当該平ベルトの上面に果菜を水平又は略水平に引継ぎ、果菜送り込み時の間欠運転の繰り返しにより、前記果菜キャリアの果菜載置部から送り込まれる果菜を前記果菜引受け体の平ベルトの上面に二以上プールすることができる長さのベルトコンベアであり、 前記果菜送り出し後の搬送ベルトは、前記往回動方向と逆方向に復回動して、果菜載置部が元の位置に復帰して、前記多数の果菜キャリアの果菜載置部を搬送方向に一列又は略一列に並べることができ、 前記搬送ベルトの復回動は、果菜送り出し後に、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、前記果菜搬送ラインの下方に設けられた戻りガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われる、 ことを特徴とする果菜自動選別送り出し装置。 【請求項4】 請求項3記載の果菜自動選別送り出し装置において、 果菜引受け体の平ベルトは、果菜キャリアから果菜が送り出されるときに果菜1個分の距離だけ間欠移動して、果菜キャリアの搬送ベルトの往回動により果菜載置部から送り出される果菜を、二以上プールできる、 ことを特徴とする果菜自動選別における果菜自動選別送り出し装置。」 第4 請求人が主張する無効理由の概要 請求人は、平成25年6月10日に審判請求書とともに甲第1ないし6号証を提出して、本件特許の請求項1ないし5に係る発明についての特許を無効とするとの審決を求め、その後、平成26年2月18日に口頭審理陳述要領書を提出するとともに甲第7及び8号証を提出し、平成28年3月11日に審判事件弁駁書とともに甲第9ないし11号証を提出し、さらに、平成28年9月30日に弁駁書を提出した。 ここで、平成28年3月11日提出の審判事件弁駁書における請求人の主張は、甲第9ないし11号証を例証とした周知技術を引用する程度であるから、審判請求書における請求の理由の要旨を変更するものではなく、また、平成28年9月30日提出の弁駁書における請求人の主張は、参考文献1ないし4を例証とした周知技術ないし一般常識を引用する程度であるから、審判請求書における請求の理由の要旨を変更するものではない。 そして、請求人による証拠方法と無効理由は次のとおりである。 1 証拠方法 甲第1号証: 特開平3-256814号公報 甲第2号証: 特開平11-286328号公報 甲第3号証: 米国特許第3231068号明細書 甲第4号証: 特開平2-4488号公報 甲第5号証: 実願平4-39182号(実開平6-23936号)のCD-ROM 甲第6号証: 本件特許に係る平成24年8月8日付け手続補正書 甲第7号証: 特開2004-99285号公報 甲第8号証: 特願2010-294421号における平成22年12月29日付け上申書 甲第9号証: 特開平1-242316号公報 甲第10号証: 特公平6-10044号公報 甲第11号証: 特公平7-61810号公報 参考文献1: 特許第2754784号公報 参考文献2: 特開2001-130741号公報 参考文献3: 特許第2651470号公報 参考文献4: 実願昭62-53481号(実開昭63-161101号)のマイクロフィルム 2 無効理由の概要 (1)本件発明1に係る特許について 本件発明1は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証に記載された発明、甲第3号証に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の本件発明1に係る特許は、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 (2)本件発明2に係る特許について 本件発明2は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証に記載された発明、甲第3号証に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の本件発明2に係る特許は、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 (3)本件発明3に係る特許について 本件発明3は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証に記載された発明、甲第3号証に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の本件発明3に係る特許は、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 (4)本件発明4に係る特許について 本件発明4は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証に記載された発明、甲第3号証に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の本件発明4に係る特許は、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 (5)本件発明5に係る特許について 本件発明5は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証に記載された発明、甲第3号証に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の本件発明5に係る特許は、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。 3 平成28年9月30日提出の弁駁書における主張 請求人は、平成28年9月30日提出の弁駁書において、無効理由について次のとおり主張する。 「(4) 第2訂正発明の容易想到性 前記(2)記載のとおり、第2訂正発明は、第1訂正の内容(一重下線の記載)に加えて、第2訂正によって新しく記載(二重下線の記載)を追加したものであるところ、第1訂正発明の進歩性が欠如していることは、審決予告でも認められていることから、第2訂正によって新しく追加された記載(二重下線の記載)に係る構成要件について、念のため、当業者が容易に想到し得たものであることを主張しておく。 以下に述べるとおり、第2訂正によって新しく追加された記載(二重下線の記載)に係る構成要件は、甲1発明乃至甲3発明に、甲5発明又は周知技術を適用することにより、当業者が容易に想到し得たものである。 ○1 第2訂正発明1 ア 構成要件1B”及び1S” 1B”:前記果菜キャリアは果菜送り出し方向先方側と後方側に間隔をあけて平行に配置された二本のドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられて、果菜搬送ラインの搬送方向に一列に並んでおり、 1S”:前記フレームは、果菜送り出し方向先方側と後方側に取付け部を備え、先方側の取付け部は前記先方側のドライブチェーンに、後方側の取付け部は前記後方側のドライブチェーンに取り付けられており、 甲第1号証には、「受け台8はガイドチェーン7にその走行方向に多数取付けられ」ることは開示されているが、具体的なガイドチェーン7の本数や取付け構造が明らかではない点において、構成要件1B”及び1S”と相違する。 また、甲第2号証においては、「搬送レール12上を転動する車輪20を備えたユニットフレーム21」(【0016】)を採用しており、図2によれば、搬送レール12は送り出し方向先方側と後方側に間隔をあけて平行に二本配置されている。甲第3号証においても、プラットホームのホイールによって、平行に配置された二本のトラック12上を移動できるように構成されている。 甲2発明の搬送レール12及び甲3発明のトラック12は、無端搬送体である点で第2訂正発明1のドライブチェーンと共通する部材であり、甲2発明の車輪20及び甲3発明のホイールは、無端搬送体に取り付けるという点において、第2訂正発明1の取付け部と一致するが、無端搬送体がドライブチェーンである点において相違する。 しかし、構成要件1B”及び1S”にかかる構成は、本件特許出願当時の周知技術に過ぎない。 甲第5号証には、その従来の技術の欄において、従来の装置として図6及び図7の傾動式の自動選別装置を例示し、「この自動選別装置は、平行な2本のチェーンA間に果菜Bを1つ1つ載せて運搬するコンテナCが多数取り付けられている」(【0002】)と記載されており、図7によれば、2本のチェーンAが果菜送り出し方向先方側と後方側に間隔をあけて平行に配置されており、コンテナCの移動台Dが果菜送り出し方向先方側と後方側の両方でチェーンAに取り付けられていることが開示されている。つまり、構成要件1B”及び1S”にかかる構成は、甲第5号証の従来技術において採用されていた周知技術なのである。 さらに、甲第5号証には、「同図[図1]に示す1は前記搬送路5に沿ってゆっくりと移動する走行体であり、この実施例では平行に配置した2本の金属チェーン20をスプロケットギアとモータとからなる(図示していない)駆動装置で駆動している。この走行体1としてはチェーン20によるもの以外であってもよく、要は下記に説明する小型のベルトコンベア3を前記搬送路5に沿って巡回するように移動させることができるものであれば、例えばベルトコンベア等であってもよい。」(【0011】)という記載があり、移動手段として、搬送路に沿って巡回するように移動させることができるものであれば、チェーン20だけではなく種々の移動手段が相互に適用可能であることも開示されている。 したがって、構成要件1B”及び1S”にかかる構成は、単なる周知技術に過ぎず、甲1発明、甲2発明及び甲3発明における移動手段として、周知技術を参照して構成要件1B”及び1S”にかかる構成とすることは、当業者にとって容易に想到し得る事項である。 イ 構成要件1T” 1T”:前記フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転ローラが回転可能に取り付けられ、先方側の回転ローラの少なくとも一部は前記フレームの果菜引受け体側の端部よりも果菜引受け体側に突出し、かつ前記先方側のドライブチェーンよりも果菜引受け体側に突出しており、 甲2発明の搬送ユニット1では、下に引用する図2(なお、固定チェーンホイール40の外側端部に赤線を追記した。)に示すように、ユニットフレーム21の左右位置に一対の固定チェーンホイール40,40が設けられ、固定チェーンホイール40(「先方側の回転ローラ」に相当する。)が搬送レール12(搬送レール12は、無端搬送体である点で第2訂正発明1のドライブチェーンと共通する部材である。)よりも外側に突出している。したがって、甲2発明は、構成要件1T”と対比すると、「先方側の回転ローラの少なくとも一部は前記フレームの果菜引受け体側の端部よりも果菜引受け体側に突出」する構成を具備していない点で相違する。 ・・・<甲第2号証の図2は省略>・・・ また、甲3発明のプラットホーム60,160では、両端に一対のロール68,166のまわりにエンドレス・ウェブ66,168が延在する構造である。したがって、甲3発明は、構成要件1T” と対比すると、「先方側の回転ローラの少なくとも一部は前記フレームの果菜引受け体側の端部よりも果菜引受け体側に突出し、かつ前記先方側のドライブチェーンよりも果菜引受け体側に突出」する構成を具備していない点で相違する。 しかし、本件特許の明細書等には、構成要件1T”に関する技術的意義が一切記載されておらず、構成要件1T”に係る構成を採用することは、単なる設計事項に過ぎない。 例えば、甲第5号証には、「同図[図1]に示す3はベルトコンベアであり、選別する果菜2を載せて運ぶことができるように前記果菜2より少し大きな面積を有した小型のベルトコンベア3である。このベルトコンベア3は、ベルト23を回転させるローラー24と同ローラー24を駆動させるためのモータが内蔵されているもので、図2に示すようにチェーン20にピン21で連結された固定具22に取り外し可能に固定することができる。なお、このベルトコンベア3はチェーン20の走行方向に対して横向きになる。そして、このチェーン20に多数のベルトコンベア3を同チェーン20の移動方向に沿って取り付ける。」(【0012】)という記載があり、その図2及び図3(なお、固定具22及びローラー24の端部に赤線を追記した。)は以下のとおりである。なお、図3から明らかであるが、図2及び図3において、果菜の送り出し方向は右下である。 ・・・<甲第5号証の図2及び図3は省略>・・・ 以上の記載によれば、甲第5号証には、チェーン20にピン21で連結された固定具22に固定されたベルトコンベア3について、固定具22の果菜送り出し方向先方側と後方側にベルト23を回転させるローラー24が回転可能に取り付けられ、図中赤線で示すように、先方側(右下)のローラー24の少なくとも一部は固定具22の果菜選別籠11側の端部よりも果菜選別籠11側に突出している。また、回転ローラを無端搬送体よりも載置された物品の排出方向側に突出させることは、例えば、特許2754784号公報などにも開示されている周知技術に過ぎない。 よって、甲2発明の搬送ユニット1において、甲5発明のローラー24の少なくとも一部がチェーン20よりも果菜選別籠11側に突出させる構成を参酌して、ユニットフレーム21の左右位置において、固定チェーンホイール40,40をユニットフレーム21よりも外側に突出させる構成を採用することは、単なる設計事項に過ぎない。また、甲3発明において、甲2発明の固定チェーンホイール40,40が搬送レール12よりも外側に突出した構成及び甲5発明のローラー24の少なくとも一部がチェーン20よりも果菜選別籠11側に突出させる構成を参酌して、構成要件1T”に係る構成を採用することは、単なる設計事項に過ぎない。 この点、被請求人は、「果菜を送り出す位置と果菜を引き継ぐ側の位置を接近させることが可能となり、果菜をスムーズにかつ水平又は略水平に送り出し、引き継ぐようにすることができる」(第2訂正請求書81頁6行~8行)(強調付加)と主張するが、かかる効果は本件特許の明細書等に記載されておらず、第2訂正発明の効果ではない。そもそも、前記○1ア(エ)の訂正事項20において詳述したとおり、本件特許の明細書等は、「果菜キャリアの搬送ベルト」から「斜め引出しコンベア6」に送り出す構成しか開示しておらず、「斜め引出しコンベア6」を構成要件としていない第2訂正発明の効果は本件特許の明細書等に開示されていないのである。 ウ 構成要件1O” 1O”:前記搬送ベルトは、フレームの果菜送り出し方向先方側に設けられた先方側の回転ローラと、果菜送り出し方向後方側に設けられた後方側の回転ローラの外周に、平坦に一周巻かれて、その上側部分が常に前記回転ローラの外周に沿って平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面側が果菜搬送ラインの一側方のみに配置された果菜引受け体方向に移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり、 甲2発明の搬送ユニット1では、移送シート49は、両側縁がチェーンベルト42に軸止された左右一対のバー48a、48bに結着され、チェーンベルト42がユニットフレーム21の左右位置に設けられた一対の固定チェーンホイール40,40の外周に巻かれ、さらに一対の可動チェーンホイール32と下位の固定チェーンホイール41も巻回して移動フレーム31に固着され、移送シート49の上側部分が固定チェーンホイール40の外周に沿って略平坦な状態で略水平に移動するように往復回動可能であり、往復回動のうち往回動は移送シート49の上面側が搬送方向側方に配置された仕分けシュートC方向に移動する回動であり、復回動は移送シート49の上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動である。構成要件1O”と対比すると、甲2発明では、チェーンベルト42が固定チェーンホイール40,40等に巻かれているのに対し、第2訂正発明1では搬送ベルトが回転ローラに平坦に一周巻かれている点と、甲2発明では、仕分けシュートCが両側に設けられている点で相違する。 甲3発明のプラットホーム60,160では、エンドレス・ウェブ66,168が両端に設けられた一対のロール68,166の外周に平坦に一周巻かれて、その上側部分が常にロール68,166の外周に沿って平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、往復回動のうち往回動はエンドレス・ウェブ66,168の上面側が物品搬送方向側方に配置されたステーション方向に移動する回動であり、復回動はエンドレス・ウェブ66,168の上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動である。構成要件1O”と対比すると、甲3発明では、ステーションが両側に設けられている点でのみ相違する。 まず、搬送ベルトが回転ローラに平坦に一周巻かれている構成は、甲3発明にも開示されており、さらに甲第5号証にも開示されているように周知技術である。次に、果菜搬送ラインの一側方のみに果菜引受け体を配置することも、例えば、甲第1号証及び甲第5号証に開示されているように周知技術である。 よって、構成要件1O”に係る構成は、甲1発明、甲2発明、甲3発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得る事項に過ぎない。 エ 構成要件1E” 1E”:果菜搬送ラインの前記仕分排出部の一側方のみに、平ベルトが回転するベルトコンベア式の果菜引受け体が、果菜搬送方向に作業間隔をあけて二以上配置され、平ベルトは、その上面が果菜を受ける窪みのない平面状であり、その上面が果菜キャリアの搬送ベルトの上面と同じ又は略同じ高さで水平又は略水平に配置され、果菜が果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り込まれるときに間欠運転して、当該果菜を前記平面状の上面に水平又は略水平に引き継いでプールすることができ、 甲1発明には、振分けコンベア2の前記振分け部4の一側方のみに、受けベルト15が回転するベルトコンベア式の整列コンベア5が、果菜物であるキューイK搬送方向に作業間隔をあけて二以上配置され、受けベルト15は、その上面が平面状であり、その上面が受け台8の上面と同じ又は略同じ高さで水平又は略水平に配置され、果菜が整列コンベア5の、受けベルト15の上面に水平又は略水平に送り込まれるときに間欠運転して、当該果菜を前記平面状の上面に水平又は略水平に引き継いでプールすることができることが開示されている。構成要件1E”と対比すると、甲1発明では、受けベルト15の搬送面上には1個のキューイKと対応する大きさであって、凹状の受け部15aが形成されている点及び受けベルト15の上面が傾動式の受け台8の上面と同じ又は略同じ高さで水平又は略水平に配置されている点において相違する。 しかし、上面が果菜を受ける窪みのない平面状の平ベルト自体は、例えば、特開2001-130741号公報に記載されているように、周知技術であり、甲1発明において、受けベルト15の上面を果菜を受ける窪みのない平面状とすることは周知技術を適用することにより当業者にとって容易に想到し得る。 さらに、甲1発明において、甲2発明の搬送ユニット1又は甲3発明のプラットホーム60,160を適用すれば、受けベルト15の上面が甲2発明の搬送ユニット1の移送シート49又は甲3発明のプラットホーム60,160のウェブ66,168の上面と同じ又は略同じ高さで水平又は略水平に配置される。なお、甲第5号証においても、果菜選別籠11の上面がベルトコンベア3のベルト23の上面と同じ又は略同じ高さで水平又は略水平に配置されており、また、ベルトコンベア等によって物品を搬送する際に搬送面を同じ又は略同じ高さで水平又は略水平に配置して高さを揃えることは一般常識に過ぎない(例えば、特許第2651470号公報)。 よって、構成要件1E”に係る構成は、甲1発明、甲2発明、甲3発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得る事項に過ぎない。 オ 構成要件1I” 1I”:前記仕分排出部において、前記計測に基づく等階級判別に応じて、果菜キャリアの搬送ベルトを果菜搬送ラインの側方に往回動させて、当該搬送ベルトの果菜載置部の上の果菜を水平又は略水平に移動させることにより、果菜搬送方向側方に配置された前記果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り出し、 甲1発明において、甲2発明の搬送ユニット1又は甲3発明のプラットホーム60,160を適用すれば、受けベルト15の上面が甲2発明の搬送ユニット1の移送シート49又は甲3発明のプラットホーム60,160のウェブ66,168の上面と同じ又は略同じ高さで水平又は略水平に配置され、甲2発明の搬送ユニット1の移送シート49又は甲3発明のプラットホーム60,160のウェブ66,168を側方に往回動させれば、果菜は、受けベルト15の上面に水平又は略水平に送り出される。なお、ベルトコンベア等によって物品を搬送する際に搬送面を同じ又は略同じ高さで水平又は略水平に配置して高さを揃え、物品を水平又は略水平に送り出すことは一般常識に過ぎない(例えば、特許第2651470号公報)。 よって、構成要件1I”に係る構成は、甲1発明、甲2発明、甲3発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得る事項に過ぎない。 カ 構成要件1J” 1J”:前記果菜引受け体の平ベルトを、果菜が水平又は略水平に送り込まれるときに、果菜搬送ラインの搬送方向側方であって前記果菜が送り込まれる方向に果菜約1個分の距離だけ間欠運転させてその間欠運転による前記平ベルトの回転により、当該平ベルトの平面状の上面に水平又は略水平に送り込まれる果菜を水平又は略水平に引継ぎ、果菜送り込み時の前記間欠運転の繰り返しにより、前記果菜キャリアの果菜載置部から送り込まれる果菜を前記果菜引受け体の平ベルトの前記平面状の上面に水平又は略水平に二以上プールし、 甲1発明では、整列コンベア5の受けベルト15を、果菜物であるキューイKが送り込まれるときに、振分けコンベア2の果菜物搬送方向側方であってキューイKが送り込まれる方向に1搬送ピッチ分(キューイK約1個分の距離)だけ間欠運転させてその間欠運動による受けベルト15の回転により、受けベルト15の平面状の上面に水平又は略水平に送り込まれるキューイKを水平又は略水平に引継ぎ、果菜物であるキューイK送り込み時の間欠運転の繰り返しにより、受け台8の果菜物を載置する部分から送り込まれる果菜物であるキューイKを整列コンベア5の受けベルト15の平面状の上面に水平又は略水平に二以上プールしたことが開示されている。なお、甲第1号証の第3図から、受けベルト15をキューイK約1個分の距離だけ間欠運転させていることは明らかである。 被請求人は、第2訂正請求書において、「甲1はキューイKが受けベルト15の凹状の受け部15aに移載されたことを光電センサ20で検知してから回転する(キューイKが受け部15aに移載されるときは停止している:回転していない)」(79頁16行~18行)と主張しているが、甲第1号証の記載を誤解したものである。甲第1号証には「始端部にキューイKが移載されると光電センサ20が検知し、この光電センサ20による検知に基づいて、キューイKが移載される毎に1搬送ピッチ分だけ受けベルト15を回転し、終端部にキューイKが到達するまで受けベルト15を間欠的に回転駆動する。」(3頁右下欄6行~11行)と記載されているとおり、受けベルト15は、キューイKが始端部に移載されると同時に回転しており、果菜が送り込まれるときに間欠運動させる第2訂正発明1と相違するものではない。しかも、果菜が送り込まれるときに選別コンベアを間欠駆動させる構成は、例えば実願昭62-53481号(実開昭63-161101号)のマイクロフィルムに開示されているように、本件特許出願当時の周知技術であったのである。 よって、構成要件1J”に係る構成は、甲1発明、甲2発明、甲3発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得る事項に過ぎない。 キ 小括 以上のとおり、第2訂正によって新しく追加された記載(二重下線の記載)に係る構成要件1B”、1S”、1T”、1O”、1E”、1I”及び1J”は、甲1発明乃至甲3発明に、甲5発明又は周知技術を適用することにより、当業者が容易に想到し得たものであり、第2訂正発明1は、甲1発明、甲2発明、甲3発明、甲5発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に想到し得たものである。 ○2 第2訂正発明3 第2訂正発明3は、果菜自動選別送り出し装置に関するものであるが、その構成要件3A”ないし3 U”は、第2訂正発明1の構成要件1Lを除いた構成要件1A”ないし1T”と実質的に同じである。上記のとおり、第2訂正発明1が、甲1発明、甲2発明、甲3発明、甲5発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に想到し得たものであるから、第2訂正発明3についても、甲1発明、甲2発明、甲3発明、甲5発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に想到し得たものである。」(弁駁書17ページ4行ないし26ページ8行) 第5 被請求人の主張の概要 被請求人は、平成25年9月13日に審判事件答弁書とともに乙第1ないし5号証を提出して、本件審判請求は成り立たないとの審決を求め、同日に訂正請求書及び同訂正請求書に添付した特許請求の範囲を提出して、特許明細書等の特許請求の範囲における請求項5を削除する訂正を求め、その後、平成26年3月4日に行われた第1回口頭審理において、乙第2号証を参考資料1、乙第3号証を参考資料2、乙第4号証を参考資料3、乙第5号証を参考資料4にそれぞれ訂正し、平成28年1月18日に訂正請求書及び同訂正請求書に添付した特許請求の範囲を提出し、平成28年8月19日に訂正請求書及び同訂正請求書に添付した特許請求の範囲を提出し、さらに、平成28年12月26日に意見書並びに平成28年8月19日提出の訂正請求書及び同訂正請求書に添付した特許請求の範囲について補正する手続補正書を提出するとともに、同日に答弁書を提出して、本件訂正前の特許請求の範囲における請求項1及び2からなる一群の請求項並びに請求項3及び4からなる一群の請求項を本件訂正後の請求項1ないし4に訂正することを求めるとともに、本件訂正後の本件発明1ないし4が、無効審判請求に係る甲号証との関係で、進歩性を有することを主張する。 そして、被請求人による証拠方法、参考資料及び無効理由に対する主張は、次のとおりである。 1 証拠方法 乙第1号証: 小学館ランダムハウス英和大辞典編集委員会編:「<パーソナル版>2冊組(上巻) 小学館ランダムハウス英和大辞典 SHOGAKUKAN RANDOM HOUSE ENGLISH-JAPANESE DICTIONARY」,小学館,第6刷(昭和55年2月26日) 2 参考資料 参考資料1(乙第2号証): トマトの写真 参考資料2(乙第3号証): ピアノ鍵盤方式(PK方式)の写真 参考資料3(乙第4号証): 横転方式の写真及び図 参考資料4(乙第5号証): フリートレー方式の写真 3 無効理由に対する主張 (1)平成28年8月19日提出の訂正請求書における主張の概要 被請求人は、平成28年8月19日提出の訂正請求書において、無効理由に対して概ね次の主張をする。 「訂正請求後の本件発明1及び本件発明3は甲1~5及び甲9~11をどのように組み合わせても完成されない。よって、訂正請求後の請求項1から請求項4の発明はいずれも特許維持されるに十分な進歩性を有し、特許維持されるべきである。また、訂正請求後の本件発明1に従属する訂正請求後の本件発明2及び本件発明3に従属する訂正請求後の本件発明4も特許維持されるべきである。」(第97ページ第9ないし14行) (2)平成28年12月26日提出の答弁書における主張の概要 被請求人は、平成28年12月26日提出の答弁書において、無効理由に対して概ね次の主張をする。 「甲1~甲5及び周知文献には組合せることについての動機付けが開示も示唆もされていないので、それら甲号証及び周知文献を組み合わせる動機付けがない。仮に、組み合わせる動機付けがあったとしても、前記したように、それら甲号証及び前記周知文献には組み合わせることに阻害要因があるため、本件特許発明を知ることなく、それら甲号証及び周知文献をどのように組み合わせたら本件特許発明を完成できるのかも不明である。このため、当業者であってもそれら甲号証及び周知文献を組み合わせて本件特許発明に容易に想到することは困難或いは不可能である。」(第25ページ第9ないし16行) 第6 無効理由についての当審の判断 1 甲第1号証 (1)甲第1号証に記載された事項 原出願の出願前に日本国内において頒布された刊行物である甲第1号証(特開平3-256814号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア 「(1)コンベアにより搬送される果菜物を箱詰めする果菜物整列箱詰装置であって、 上記コンベアの搬送面上に果菜物を所定間隔に離間した姿勢に保持する受け部を多数形成した果菜物整列箱詰装置。 (2)コンベアにより搬送される果菜物を吸着保持して箱詰めする果菜物整列箱詰装置であって、 上記コンベアの搬送面上に果菜物を所定間隔に離間した姿勢に保持する受け部を多数形成し、 上記コンベアの搬送面上方に、該コンベアにより搬送される果菜物を吸着保持して箱詰する吸着ユニットを対設した 果菜物整列箱詰装置。 (3)果菜物を搬送する搬送経路に沿って、該果菜物を等階級別に振分ける振分け部を複数設定し、該各振分け部に振分けられる果菜物を吸着保持して箱詰めする果菜物整列箱詰装置であって、 上記振分け部の一つに、該振分け部に振分けられる果菜物を吸着保持して箱詰する一つの吸着ユニットを対設すると共に、 上記吸着ユニットを各振分け部に移動する移動手段を設けた 果菜物整列箱詰装置。」(第1ページ左下欄第5行ないし同ページ右下欄第11行) イ 「(イ)産業上の利用分野 この発明は、例えば、キューイや茄子等の楕円形状を有する果菜物の箱詰に最適な果菜物整列箱詰装置に関する。」(第1ページ右下欄第13ないし16行) ウ 「(ハ)発明が解決しようとする問題点 しかし、上述のキューイKを転動させて受けボックス58内に整列させると、受けボックス58の下流側内壁面にキューイKが当接したり、或いは、整列されるキューイKの相互接触により、キューイKの外周面に打ち傷や擦り傷が付くことがあり、キューイKの商品価値が損なわれるという問題点を有している。 また、キューイKを相互接触させて整列するので、左右又は前後に隣接するキューイKの相互接触抵抗により、次列のキューイKの整列が妨げられ、吸着ユニット59に垂設した吸着子60とキューイKとの吸着位置がずれると、キューイKの吸着保持に充分な負圧が得られず、キューイKの吸着保持が困難であったり、移動中にキューイKが落下する等、箱詰ミスが生じるという問題点も有している。 (ニ)問題点を解決するための手段 この発明の第1発明は、コンベアの搬送面上に果菜物を所定間隔に離間した姿勢に保持する受け部を多数形成した果菜物整列箱詰装置であることを特徴とする。 第2発明は、コンベアの搬送面上に果菜物を所定間隔に離間した姿勢に保持する受け部を多数形成し、上記コンベアの搬送面上方に、該コンベアにより搬送される果菜物を吸着保持して箱詰する吸着ユニットを対設した果菜物整列箱詰装置であることを特徴とする。 第3発明は、コンベアの搬送途中に設けた判定部の後位に、該判定部の読取りデータと対応して果菜物を振分ける振分け部を複数配設し、上記振分け部の上方に、該振分け部に振分けられる果菜物を吸着保持して箱詰する一つの吸着ユニットを対設すると共に、上記吸着ユニットを各振分け部の上方に移動する移動手段を設けた果菜物整列箱詰装置であることを特徴とする。 (ホ)作 用 この発明の第1発明は、コンベアの搬送面上に形成した受け部に果菜物を個々に載置し、果菜物を所定間隔に離間した姿勢に保持して搬送することで、搬送中に於ける果菜物の接触及び衝突が防止される。 第2発明は、コンベアの搬送面上に形成した受け部に果菜物を個々に載置し、果菜物を所定間隔に離間した姿勢のまま搬送することで、吸着ユニットの吸着間隔と対応した位置及び間隔に果菜物が整列され、果菜物の吸着保持が正確に行える。 第3発明は、移動手段を駆動して、果菜物が集中して振分けられる一つの振分け部に吸着ユニットを移動させ、この振分け部に向けて振分けられる大量の果菜物を吸着ユニットにより吸着保持して箱詰する。 (へ)発明の効果 この発明の第1発明は、果菜物を所定間隔に離間した姿勢に保持して搬送するので、搬送中に於ける果菜物の接触及び衝突を確実に防止することができ、果菜物の商品価値を損ねること無く搬送することができる。 第2発明は、上述の第1発明の効果に加えて、果菜物を所定間隔に離間した姿勢のまま搬送するので、吸着ユニットの吸着間隔と対応した位置及び間隔に果菜物を整列させることができ、整列時に於ける果菜物の接触及び衝突を確実に防止され、整列された所定箱詰数の果菜物を吸着ユニットにより正確に吸着保持することができると共に、果菜物の箱詰作業が容易に行える。 第3発明は、第1及び第2発明の効果に加えて、果菜物が集中して振分けられる振分け部に吸着ユニットを移動して、この振分け部に振分けられる果菜物を吸着ユニットにより吸着保持して機械的に箱詰するので、搬送経路上に果菜物を停滞させること無く、振分け量に対応した速度で箱詰めすることができ、箱詰め作業の能率アップが図れると共に、一つの吸着ユニットを各振分け部に移動して箱詰するので、装置全体の構成が簡素化され、製作コストの低減を図ることができる。」(第2ページ左上欄第11行ないし第3ページ左上欄第6行) エ 「図面は果菜物の一例としてキューイを撰別及び箱詰めする果菜物整列箱詰装置を示し、第1図及び第2図に於いて、この果菜物整列箱詰装置1は、未撰別のキューイKを連続的に搬送する振分けコンベア2と、搬送されるキューイにのサイズ・品質・重量を読取る判定部3と、判定部3の読取りデータに基づいて品質及びサイズ別にキューイKを振分ける振分け部4と、振分けられるキューイKを所定間隔に離間した姿勢に保持して搬送する整列コンベア5と、整列コンベア5により整列搬送される4個のキューイKを3列箱詰めする箱詰装置6とから構成される。 上述の振分けコンベア2は、搬送方向aに張架したガイドチェーン7の長さ方向に受け台8を所定等間隔に隔てて多数配列し、この受け台8を後述する振分け側に向けて傾動可能に取付けると共に、駆動モータ(図示省略)によりガイドチェーン7を搬送方向aに回転して、受け台8に載置されたキューイKを搬送側始端部から終端部に向けて搬送する。 この振分けコンベア2の搬送経路上には、キューイKを供給する供給部9と、キューイKのサイズ・品質・重量を読取る判定部3と、判定部3の読取りデータに基づいてキューイKを品質及びサイズ別に振分ける振分け部4とを搬送方向aに設定している。」(第3ページ左上欄第10行ないし同ページ右上欄第15行) オ 「上述の判定部3は、キューイKが載置された受け台8の番地を読取る番地リーダ10と、この番地リーダ10による番地読取りと対応して、キューイKのサイズを読取るサイズセンサ11と、キューイKの品質を読取る品質センサ12と、キューイKの重量を計量する重量センサ13とから構成される。」(第3ページ右上欄第16行ないし同ページ左下欄第2行) カ 「前述の振分け部4は、例えば、振分けコンベア2の搬送経路上を秀・優・良・並の品質別に分割して品質振分け部A,B,C,Dを設定し、これら品質振分け部A,B,C,Dを、S・M・L・LLのサイズ別に分割してサイズ振分け部E,F,G,Hを設定すると共に、これらサイズ振分け部E,F,G,Hの一側部には、前述の振分けコンベア2と直交して整列コンベア5を夫々張架している。 なお、上述のサイズ振分け部E,F,G,Hと対向する振分けコンベア2の一側部には、受け台8の通過台数を計数するためのカウンタEa,Fa,Ga,Haを各振分け位置の前段に夫々配設している。 上述の整列コンベア5は、搬送側始端部及び終端部に軸支したローラ14,14間に合成ゴム製の受けベルト15を張架し、始端側下部に配設した第1モータ16によりスプロケット17,18及び起動チェーン19を介して受けベルト15を搬送方向bに回転させ、前述の振分けコンベア2から移載されるキューイKを終端部に向けて搬送すると共に、始端部及び終端部に配設した光電センサ20,21により回転を制御する。 すなわち、始端部にキューイKが移載されると光電センサ20が検知し、この光電センサ20による検知に基づいて、キューイKが移載される毎に1搬送ピッチ分だけ受けベルト15を回転し、終端部にキューイKが到達するまで受けベルト15を間欠的に回転駆動する。 一方、終端部にキューイKが搬送されると光電センサ21が検知し、この光電センサ21による検知に基づいて受けベルト15の回転を停止し、吸着位置IIに4個のキューイKを整列させる。 上述の受けベルト15の搬送面上には、第3図にも示すように、1個のキューイKと対応する大きさであって、凹状の受け部15aを所定等間隔に隔てて多数形威し、これら各受け部15a…に載置されたキューイKを所定間隔に離間した姿勢に保持して搬送する。 一方、終端側下部に立設したエアシリンダ22のシリンダロッド端部を、同側のローラ14の軸端部に嵌合したベアリング23に連結固定して、このエアシリンダ22の作動により、受けベルト15を水平姿勢と傾斜姿勢とに上下動する。」(第3ページ左下欄第3行ないし第4ページ左上欄第6行) キ 「先ず、第1図に示すように、供給部9に於いて、搬送方向aに移動する振分けコンベア2の各受け台8…に未撰別のキューイKを順次載置し、判定部3に於いて、番地リーダ10による番地読取りと対応して受け台8に載置されたキューイKのサイズ・品質・重量を読取り、振分け部4に於いて、判定部3の読取りデータに基づいて品質及びサイズ別にキューイKを振分け処理する。 例えば、受け台8上のキューイKが「秀」品質で「M」サイズであると判定された場合、判定データと対応する品質振分け部Aのサイズ振分け部Fに受け台8が移動するまでの通過台数をカウンタFaで計数し、対応するサイズ振分け部Fまで受け台8が移動すると、第2図に示すように、受け台8を振分け側に傾動して整列コンベア5の受けベルト15上にキューイKを移載する。 同時に、移載されるキューイKを光電センサ20が検知し、この光電センサ20による検知に基づいて、キューイKが移載される毎に1搬送ピッチ分だけ受けベルト15を間欠的に回転させ、この受けベルト15に形成した各受け部15a…にキューイKを個々に載置して、キューイKを所定間隔に離間した姿勢に保持して吸着位置IIまで搬送し、吸着位置IIにキューイKが搬送されると光電センサ21が検知し、この光電センサ21による検知に基づいて受けベルト15の回転を停止し、吸着位置IIに4個のキューイKを整列させる。 次に、箱詰装置6のエアシリンダ40を作動して、吸着位置IIの上方に待機する吸着ユニット35を垂直降下させ、吸着位置IIに整列された4個のキューイKに吸着子42を密着させて吸着保持した後、再び、エアシリンダ40を作動して、吸着位置IIの上方に吸着ユニット35を垂直上昇させて停止する。 この時、吸着位置IIからキューイKを取り除くと、整列コンベア5が回転駆動して、キューイKが移載される毎に1搬送ピッチ分だけ受けベルト15を間欠的に回転させ、吸着位置IIまでキューイKを自動供給する。 次に、エアシリンダ39を作動して、吸着ユニット35を吸着位置IIの上方から箱詰位置IIIの上方に水平移動させた後、エアシリンダ40を作動して、箱詰位置IIIの上方に移動した吸着ユニット35を垂直降下させ、箱詰位置IIIに装填された箱体Jに4個のキューイKを収納した後、吸着子42による吸着を解除してキューイKを分離し、再び、エアシリンダ39,40を作動して、吸着ユニット35を吸着位置IIの上方に復帰移動させ、吸着位置IIに自動供給される4個のキューイKを吸着保持すると共に、第2図に示すように、吸着ユニット35を左右方向に若干移動して、箱詰位置IIIに装填された箱体JにキューイKを千鳥状に箱詰することで箱詰作業が完了する。 この後、箱供給装置43のエアシリンダ54を作動して、昇降台53を垂直降下させ、キューイKが12個詰された箱体Jを搬送ベルト47上に移載し、この搬送ベルト47を搬送方向dに回転して、箱詰作業の完了した箱体Jを次の封函作業等に移送する。 同時に、次に待機する空の箱体Jを昇降台53上に移載し、再び、エアシリンダ54を作動して、箱詰位置IIIに箱体Jを装填すると共に、箱詰作業を継続して行う。 このように整列コンベア5によりキューイKを所定間隔に離間した姿勢に保持して搬送するので、搬送時及び整列時に於けるキューイKの接触及び衝突が確実に防止され、キューイKの商品価値を損ねること無く搬送することができる。 しかも、吸着ユニット35に垂設した各吸着子42・・・の吸着間隔と対応した位置及び間隔にキューイKを整列させることができ、吸着位置IIに整列された所定箱詰数のキューイKを吸着ユニット35の各吸着子42・・・により正確に吸着保持することができ、キューイKの箱詰作業が容易に行える。」(第5ページ左上欄第19行ないし第6ページ左上欄第13行) (2)甲第1号証に記載された事項から分かること ア 上記(1)アないしキ(特に、エないしキ)並びに第1及び2図の記載からみて、果菜物整列箱詰装置1は、ガイドチェーン7に受け台8が多数設けられた振分けコンベア2の供給部9において、受け台8の上に果菜物であるキューイKを載せ、供給部9の先方に設けられた判定部3において、受け台8で搬送される果菜物であるキューイKを計測して果菜物であるキューイKの等階級を判別し、判定部3の先方に設けられた振り分けコンベア2の振り分け部4において、判別部3での等階級判別結果に基づいて果菜物であるキューイKを搬送中の受け台8を傾動させてその上の果菜物であるキューイKを果菜物であるキューイKの搬送方向側方に送り出す、果菜物自動振り分け方法を行う装置であることが分かる。 してみると、甲第1号証には、果菜物自動振り分け方法又はそのための果菜物自動振り分け装置が記載されていることが分かる。 イ 上記(1)アないしキ(特に、エないしキ)並びに第1及び2図の記載からみて、果菜物自動振り分け方法又は果菜物自動振り分け装置において、受け台8の夫々は、ガイドチェーン7にその走行方向に多数取付けられ、振分けコンベア2の搬送方向側方に傾動可能な傾動式の台であり、受け台8の上側の一部は果菜物であるキューイKを載せおくことのできる「果菜物を載置する部分」であることが分かる。 ウ 上記(1)アないしキ並びに第1及び2図(特に、第2図)の記載からみて、果菜物自動振り分け方法又は果菜物自動振り分け装置において、多数の受け台8は、その果菜物を載置する部分を振分けコンベア2の搬送方向に一列又は略一列に並べて、ガイドチェーン7の走行によりその搬送方向に移動することが分かる。 エ 上記(1)アないしキ並びに第1及び2図(特に、第2図)の記載からみて、果菜物自動振り分け方法又は果菜物自動振り分け装置において、受け台8の果菜物を載置する部分の上に、供給部9において果菜物であるキューイKを一つずつ載せて搬送方向に一列又は略一列に並べて搬送することが分かる。 オ 上記(1)アないしキ(特に、エ及びオ)並びに第2図の記載からみて、果菜物自動振り分け方法又は果菜物自動振り分け装置において、果菜物を載置する部分に載せた果菜物であるキューイKを搬送方向に一列又は略一列に並べて搬送して、サイズを読取るサイズセンサ11と、品質を読取る品質センサ12と、重量を計量する重量センサ13を備えた判定部3を通過させてその通過中に果菜物であるキューイKの少なくともサイズ・品質・重量を計測することが分かる。 カ 上記(1)アないしキ(特に、カ)並びに第2図の記載からみて、果菜物自動振り分け方法又は果菜物自動振り分け装置において、夫々の受け台8は、振分け部4において、計測に基づく等階級判別に応じて、振分けコンベア2の側方に往傾動して、当該受け台8の果菜物を載置する部分の上の果菜物であるキューイKを移動させることにより、果菜物であるキューイKの搬送方向側方に配置された前記整列コンベア5の受けベルト15の上面に送り出すことが分かる。 キ 上記(1)アないしキ並びに第1ないし4図の記載からみて、果菜物自動振り分け方法又は果菜物自動振り分け装置において、振分けコンベア2の振分け部4の側方に、受けベルト15が回転するベルトコンベア式の整列コンベア5が、果菜物であるキューイKの搬送方向に作業間隔をあけて二以上配置されることが分かる。 そして、第1ないし4図によると、受けベルト15は、その上面が果菜物であるキューイKを受ける凹状の受け部15aを所定等間隔に隔てて形成した形状であることが分かる。 また、第1ないし4図によると、受けベルト15は、その上面が受け台8の果菜物を載置する部分より下位の高さで水平又は略水平に配置され、果菜物であるキューイKが整列コンベア5の受けベルト15の上面に形成された凹状の受け部15aにシュートを介して移載されることが分かる。 ク 上記(1)アないしキ(特に、カ及びキ)並びに第1ないし4図の記載からみて、果菜物自動振り分け方法又は果菜物自動振り分け装置において、整列コンベア5の受けベルト15は、果菜物であるキューイKが上面に形成された凹状の受け部15aにシュートを介して移載されると、光電センサ20による検知に基づいて間欠的な回転駆動して、当該果菜物であるキューイKを前記受けベルト15の上面に引き継いでプールすることが分かる。 そして、上記(1)カの記載によれば、整列コンベア5の受けベルト15は、果菜物であるキューイKが凹状の受け部15aにシュートを介して移載されると、振分けコンベア2の搬送方向側方であって前記果菜物であるキューイKが移載される方向に1搬送ピッチ分だけ間欠的な回転駆動することが分かる。 ケ 上記(1)アないしキ(特に、カ及びキ)並びに第1ないし4図の記載からみて、果菜物自動振り分け方法又は果菜物自動振り分け装置において、整列コンベア5の受けベルト15は、果菜物であるキューイKの移載時の間欠的な回転駆動の繰り返しにより、受け台8の果菜物を載置する部分から移載される果菜物であるキューイKを整列コンベア5の受けベルト15の上面(果菜物であるキューイKを受ける凹状の受け部15aを所定等間隔に隔てて形成した形状の上面)に水平又は略水平に二以上プールすることが分かる。 (3)甲1発明1 上記(1)及び(2)並びに図面の記載を総合して、本件発明1の表現に倣って整理すると、甲第1号証には以下の発明(以下、「甲1発明1」という。)が記載されていると認められる。 「受け台8が多数設けられた振分けコンベア2の供給部9において、果菜物であるキューイKを前記受け台8に載せ、前記振分けコンベア2の判定部3において、受け台8で搬送される果菜物であるキューイKを計測して果菜物であるキューイKの等階級を判別し、前記振分けコンベア2の振分け部4において、果菜物であるキューイKを搬送中の前記受け台8を傾動させてその上の果菜物であるキューイKを前記判定部3での判別結果に応じて果菜物であるキューイKの搬送方向側方に送り出す、果菜物自動振り分け方法において、 前記受け台8はガイドチェーン7にその走行方向に多数取付けられて、振分けコンベア2の搬送方向に一列に並んでおり、 前記受け台8の夫々は前記ガイドチェーン7に取り付ける傾動式の台であり、 夫々の受け台8の上側の一部に果菜物であるキューイKを載せ置くことのできる果菜物を載置する部分が設けられ、 振分けコンベア2の前記振分け部4の側方に、受けベルト15が回転するベルトコンベア式の整列コンベア5が、果菜物であるキューイKの搬送方向に作業間隔をあけて二以上配置され、受けベルト15は、その上面が果菜物であるキューイKを受ける凹状の受け部15aを所定等間隔に隔てて形成した形状であり、その上面が受け台8の果菜物を載置する部分より下位の高さで水平又は略水平に配置され、果菜物であるキューイKが整列コンベア5の受けベルト15の上面に形成された凹状の受け部15aにシュートを介して移載されると、光電センサ20による検知に基づいて間欠的な回転駆動して、当該果菜物であるキューイKを前記受けベルト15の上面に引き継いでプールすることができ、 前記多数の受け台8を、その果菜物を載置する部分を振分けコンベア2の搬送方向に一列又は略一列に並べて、前記ガイドチェーン7の走行によりその走行方向に移動させ、 前記移動中の受け台8の果菜物を載置する部分の上に、前記供給部9において、前記果菜物であるキューイKを一つずつ載せて搬送方向に一列又は略一列に並べて搬送し、 前記受け台8の移動により、前記果菜物を載置する部分に載せた果菜物であるキューイKを搬送方向に一列又は略一列に並べて搬送して、サイズを読取るサイズセンサ11と、品質を読取る品質センサ12と、重量を計量する重量センサ13を備えた判定部3を通過させてその通過中に果菜物であるキューイKの少なくともサイズ・品質・重量を計測し、 前記振分け部4において、前記計測に基づく等階級判別に応じて、受け台8を振分けコンベア2の側方に往傾動させて、当該受け台8の果菜物を載置する部分の上の果菜物であるキューイKを移動させることにより、果菜物であるキューイKの搬送方向側方に配置された前記整列コンベア5の受けベルト15の上面に送り出し、 前記整列コンベア5の受けベルト15を、果菜物であるキューイKが前記凹状の受け部15aにシュートを介して移載されると、振分けコンベア2の搬送方向側方であって前記果菜物であるキューイKが移載される方向に1搬送ピッチ分だけ間欠的な回転駆動させてその間欠的な回転駆動による前記受けベルト15の回転により、当該記受けベルト15の上面に移載される果菜物であるキューイKを引継ぎ、果菜物であるキューイKの移載時の間欠的な回転駆動の繰り返しにより、前記受け台8の果菜物を載置する部分から移載される果菜物であるキューイKを前記整列コンベア5の受けベルト15の前記果菜物であるキューイKを受ける凹状の受け部15aを所定等間隔に隔てて形成した形状の上面に水平又は略水平に二以上プールする、 果菜物自動振り分け方法。」 (4)甲1発明2 上記(1)及(2)並びに図面の記載を総合して、本件発明2の表現に倣って整理すると、甲第1号証には以下の発明(以下、「甲1発明2」という。)が記載されていると認められる。 「甲1発明1において、 整列コンベア5の受けベルト15は、受け台8から果菜物であるキューイKが前記凹状の受け部15aに移載されると、間欠的な回転駆動して、果菜物を載置する部分から送り出される果菜物であるキューイKを引き継いで二以上の果菜物であるキューイKをプールする、 果菜物自動振り分け方法。」 (5)甲1発明3 上記(1)及(2)並びに図面の記載を総合して、本件発明3の表現に倣って整理すると、甲第1号証には以下の発明(以下、「甲1発明3」という。)が記載されていると認められる。 「ガイドチェーン7に受け台8が多数設けられた振分けコンベア2に、受け台8に果菜物であるキューイKを載せる供給部9が設けられ、供給部9で受け台8に載せた果菜物であるキューイKの等階級を判別する判定部3が振分けコンベア2における供給部9の先方に設けられ、判定部3で計測された果菜物であるキューイKをその計測に基づく等階級判別結果に応じて受け台8によって果菜物であるキューイKの搬送方向側方に配置された整列コンベア5に送り出す振分け部4が判定部3の先方に設けられた果菜物自動振り分け装置において、 前記受け台8はガイドチェーン7にその走行方向に多数取付けられ、 前記受け台8の夫々は前記ガイドチェーン7に取り付ける傾動式の台であり、 夫々の受け台8の上側の一部に果菜物であるキューイKを載せ置くことのできる果菜物を載置する部分が設けられ、 振分けコンベア2の前記振分け部4の側方に、上面に果菜物であるキューイKを受ける凹状の受け部15aを所定等間隔に隔てて形成した形状の受けベルト15が回転する整列コンベア5が、果菜物であるキューイKの搬送方向に作業間隔をあけて二以上配置され、各々の整列コンベア5は果菜物を載置する部分から送り出される果菜物であるキューイKを引継いで二以上の果菜物であるキューイKをプールできる長さのベルトコンベアであり、 前記整列コンベア5は、その受けベルト15の上面が受け台8の果菜物を載置する部分より下位の高さで水平又は略水平に配置されており、 前記多数の受け台8は、その果菜物を載置する部分が振分けコンベア2の搬送方向に一列又は略一列に並んで搬送されるように、ガイドチェーン7に取り付けられて配置されており、そのガイドチェーン7の走行により夫々の果菜物を載置する部分に載せた果菜物であるキューイKが判定部3を一列又は略一列に並んで通過することができ、 前記果菜物を載置する部分は、前記供給部9において、果菜物であるキューイKを一つずつ載せることができ、 前記判定部3はサイズを読取るサイズセンサ11と、品質を読取る品質センサ12と、重量を計量する重量センサ13を備え、果菜物を載置する部分に載せられて一列又は略一列に並んで搬送される果菜物であるキューイKの少なくともサイズ・品質・重量を計測でき、 各々の受け台8は、前記振分け部4において振分けコンベア2の側方に往傾動して、果菜物を載置する部分に載せてある果菜物であるキューイKを、前記計測に基づく等階級判別結果に応じて前記整列コンベア5の受けベルト15の上面に送り出し可能であり、 前記整列コンベア5の受けベルト15は果菜物であるキューイKが前記凹状の受け部15aにシュート介して移載されると、振分けコンベア2の搬送方向側方であって前記果菜物であるキューイKが移載される方向に間欠的な回転駆動して、その間欠的な回転駆動による前記受けベルト15の回転により当該受けベルト15の上面に果菜物であるキューイKを引継ぎ、果菜物であるキューイKの移載時の間欠的な回転駆動の繰り返しにより、前記受け台8の果菜物を載置する部分から移載される果菜物であるキューイKを前記整列コンベア5の受けベルト15の上面に二以上プールすることができる長さのベルトコンベアである、 果菜物自動振り分け装置。」 (6)甲1発明4 上記(1)及(2)並びに図面の記載を総合して、本件発明4の表現に倣って整理すると、甲第1号証には以下の発明(以下、「甲1発明4」という。)が記載されていると認められる。 「甲1発明3において、 整列コンベア5の受けベルト15は、受け台8から果菜物であるキューイKが前記凹状の受け部15aに移載されると、1搬送ピッチ分だけ間欠的な回転駆動して、受け台8の往傾動により果菜物を載置する部分から送り出される果菜物であるキューイKを、二以上プールできる、 果菜物自動振り分け装置。」 2 甲第2号証 (1)甲第2号証に記載された事項 原出願の出願前に日本国内において頒布された刊行物である甲第2号証(特開平11-286328号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア 「【請求項1】 搬送路に沿って搬送ユニットを搬送し、その搬送過程において、搬送ユニット上の搬送物を搬送方向と直交方向に設けた仕分けシュートに搬出する小物類の仕分け装置において、搬送ユニットが、搬送方向と直交する方向に走行可能であって端部位置で巻回される搬送物を載置する移送シートを備えて成り、この移送シートは、常態で中間部で窪んであり、この状態で移送シートをを仕分けシュートに対応する位置で走行させることにより、搬送物を移送シートの走行方向の端部位置で仕分けシュートに搬出することを特徴とする小物類の仕分け装置。」(【特許請求の範囲】の【請求項1】) イ 「【0001】 【発明の属する技術分野】本願は、薄物や不定形品などの小物類を自動的に仕分ける装置に関する。」(段落【0001】) ウ 「【0002】 【従来の技術】従来、小物類を自動的に仕分ける装置として、搬送コンベアにより移送されてきた小物類を、指定された所定位置に備えたスクレーパをコンベア面上で水平回動することにより側方に押出す方式のもの、或いは搬送路に沿って多数配設され、搬送方向と直交する方向に傾動可能なトレイを指定された所定位置において傾動してトレイ上の小物類を自由落下により側方に移送する方式のもの、或いは搬送路に沿って多数配設され、搬送方向と直交する方向で水平回転するターンテーブルを指定された所定位置に至ったとき該ターンテーブルを水平回転してターンテーブル上の小物類を側方に移送する方式のものなどが存在する。」(段落【0002】) エ 「【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが上記した従来構成のものにおいて、スクレーパを用いる方式の場合は、スクレーパにより搬送物(小物類)を側方に押圧する構成であるため搬送速度が高速となるほど搬送物に対する衝撃が大きくなり搬送物に損傷を与える惧れがあるばかりでなく、ビンなどの破損し易い搬送物の搬送には不適当であり、また搬送面とスクレーパ下面との間に多少とも空隙が存在するので薄物の搬送物の搬送にも不適当であり、搬送物の種類が限定されるという不都合があった。 【0004】また傾動可能なトレイを備えた方式の場合は、トレイを傾動して搬送物を自由落下する構成であるから、落下する搬送物にスピードがついて仕分け受け口で搬送物同士の衝合による損傷や破損の生じる惧れがあり、従って破損し易い搬送物の搬送には不向きであると共に、底面の摩擦係数が大きい搬送物の場合、自由落下が円滑に行われないという不都合を有する。 【0005】さらにまた、移送ベルトを水平回転させる方式の場合、移送ベルトの表面が水平面であることにより搬送の過程でビンや缶などの円筒物が転動して落下する惧れがあり、また仕分け時に移送ベルトが静止状態から急回転するので、重心の不安定な搬送物は慣性により仕分け方向と反対方向に転動する惧れがあって仕分けの確実性が劣るなどの不都合があった。 【0006】 【課題を解決するための手段】本願発明は、上記した従来のものの不都合を解消するために、搬送路に沿って搬送ユニットを搬送し、その搬送過程において、搬送ユニット上の搬送物を搬送方向と直交方向に設けた仕分けシュートに搬出する小物類の仕分け装置において、搬送ユニットが、搬送方向と直交する方向に走行可能であって端部位置で巻回される搬送物を載置する移送シートを備えて成り、この移送シートは、常態で中間部で窪んであり、この状態で移送シートをを仕分けシュートに対応する位置で走行させることにより、搬送物を移送シートの走行方向の端部位置で仕分けシュートに搬出することを特徴とするものである。」(段落【0003】ないし【0006】) オ 「【0011】 【発明の実施の形態】以下図面にもとづいて本願発明の実施例を詳述する。図1は、本願装置の総体を示す概略平面図であって、横長楕円状の搬送路Aには、その搬送路Aに沿って多数の搬送ユニット1が密接状態にかつ走行可能に配置されており、また搬送路Aの途中には斜状に延びて仕分けしようとする搬送物の投入路Bと、搬送方向と直交する位置に配置されて例えば配送先別に搬送物を仕分ける複数の仕分けシュートCとが配置されている。 【0012】投入路Bには従来と同様に走行中の搬送ユニット1に搬送物Pが移送できるように、コンベア2が設けられていると共に、搬送物Pを指定された仕分けシュートCに搬出できるように搬送物Pに付された仕分けコード番号を読み取る読取り器3が装備されている。 【0013】しかして、投入路Bに搬入された搬送物Pは、コンベア2による走行中に読取り器3により当該搬送物Pに付された仕分けコード番号が読み取られると共に、任意の搬送ユニット1に移送され、搬送物Pを受け取った搬送ユニット1は搬送路Aに沿って搬送される。次いで、搬送物Pを載置した搬送ユニット1が仕分けコード番号の読み取り信号に対応する特定の仕分けシュートCの位置に至ったとき、搬送ユニット1に備えた移動機構が作動して搬送物Pは特定の仕分けシュートCに搬出される。このようにして投入路Bに投入された搬送物Pは、仕分けコード番号により特定位置の仕分けシュートCに自動的に仕分けられる。」(段落【0011】ないし【0013】) カ 「【0014】図2は総体の縦断面図、図3は搬送ユニット1の総体平面図、図4は搬送ユニット1の縦断した正面図を示している。 【0015】搬送ユニット1は、搬送路Aを形成する断面H型の装置機台10に設けた基盤11上に走行可能に配置されている。即ち基盤11上には、搬送ユニット1を搬送方向に走行するための搬送レール12と後述する作動機構15を構成するガイド板53などが配置されていると共に、載置機台10の側壁上面にはリニアモータ14がそれぞれ敷設されている。 【0016】搬送ユニット1は、下面に前記搬送レール12上を転動する車輪20を備えたユニットフレーム21と、このユニットフレーム21に設けられて搬送方向を直交する左右方向に走行自在の移動機構22と、前記移動機構22に連動機構23を介して搬送物Pを仕分けシュートCに搬出する搬出機構24とから構成されており、前記搬送ユニット1と前記基盤11との間には搬送ユニット1の走行に伴って移動機構22を左右方向に作動する作動機構15が設けてある。 【0017】前記ユニットフレーム21は、搬送方向で対峙する前後壁板25,25を有し、その下縁の左右位置に渡架されて前後方向に延び、かつ下面に前記走行レール12上を転動する車輪20を有した底板26と、前記左右位置の底板26の中央位置に渡架されて左右方向に延びる支持板27とが設けてある。 【0018】前記移動機構22は、前記支持板27上に案内手段30を介して左右方向に走行する移動フレーム31を有し、この移動フレーム31は前後方向に長く、その両端面に左右1対の可動チェーンホイール32,32がそれぞれ並設してある。 【0019】前記案内手段30は、移動フレーム31の中央下面に設けたガイドベアリング35と前記支持板27上に設けられて前記ガイドベアリング35を摺動案内する長尺のガイドレール36とから成り、この案内手段30は、支持板23と共に筒状の枠部材37内に介入されている。 【0020】前記連動機構23は、前記可動チェーンホイール32,32と、前記前後壁板25の内面にそれぞれ支承した複数の固定チェーンホイール40,41と各チェーンホイール32及び40,41に巻回されて両端が前記枠部材37に固着されたチェーンベルト42とから構成されている。 【0021】即ち図2で明らかなように、並列する左右1対の可動チェーンホイール32,32を中間にしてその上方左右位置と下方左右位置とに、それぞれ上位の固定チェーンホイール40,40と下位の固定チェーンホイール41,41とが対設してあると共に、上位の固定チェーンホイール40,40間に張架したチェーンベルト42の両側をそれぞれ可動チェーンホイール32,32に巻回して折り返したのち、下位の固定チェーンホイール41,41に巻回して再び折り返したのち、その両端部を移動フレーム31の両端部にそれぞれ固着する。 【0022】しかして、後述する作動機構15により連動機構23が連動し、これによって移動フレーム31は、案内手段30により案内されながら支持板27に沿って左右方向に往復作動する。」(段落【0014】ないし【0022】) キ 「【0023】前記搬出機構24は、前後壁板25の上部間のほぼ全平面を覆う大きさを有し、かつ上面に左右位置で傾斜して中央位置で窪む窪み面45を有すると共に、左右側面を円弧状に形成した受板46と、この受板46に重合されるゴム乃至スポンジなどから成る緩衝シート47と、左右で対向する上位の固定チェーンホイール40,40の間隔とほぼ等しい間隔をもって、両端がチェーンベルト42に軸止された左右1対のバー48a,48bに両側縁が結着された移送シート49とから成り、前記左右1対のバー48a,48bは、枠部材37が搬送ユニット1の左右幅の中央に位置する中立位置において前記緩衝シート47の面上よりもHに相当する高い位置で支持されており、この状態で移送シート49は、その中間部に前記緩衝シート47の面上に重合するように弛みを保有している。」(段落【0023】) ク 「【0024】前記移動フレーム31を左右方向に作動する作動機構15は、前記枠部材37の下面に設けたガイドローラ51と、その下段に設けた小径の補助ガイドローラ52とを含み、図5で示すように基盤11の左右幅の中間位置に設けられて前記ガイドローラ51の移動を案内する搬送方向に延びた左右1対の中央ガイド板53,53と、一端が前記中央ガイド板53,53の前端部間に臨んで搬送方向に延び、かつ中心長手方向に前記補助ガイドローラ52を案内する案内溝54を有した可動切換ガイド部片55と、この可動切換ガイド部片55の可動切換により、前記案内溝54と選択的に連通して、枠部材37の移送方向を中立位置及び左右の搬出位置の三方に方向切換する案内溝56,57,58を並設した固定切換ガイド部片59と、前記中央ガイド板53,53の後端に一端が連設されて側方に傾斜し、次いで直線状に延びて前記固定切換ガイド部片59の左右案内溝57及び58と補助ガイドローラ52との係合を介して方向切換されたガイドローラ51を案内するための左右1対の側方ガイド板60,61と、前記基盤11の左右側縁に設けられて前記側方ガイド板60,61の直線部分との間でガイドローラ51の移動を案内する補助ガイド板62とから成り、前記可動切換ガイド部片55は、一端が回動自在に枢着63された切換プレート64に設けてあり、この切換プレート64は、仕分けコード番号によって作動する例えばエアシリンダ65により回動操作される。 【0025】このように構成された作動機構15における中央ガイド板53,53、可動切換ガイド部片55、固定切換ガイド部片59及び側方ガイド板60,61は、仕分けシュートCに対応する各位置に設けられる。 【0026】しかして、搬送路Aに密接状態に配置された搬送ユニット1は、リニアモータ14により搬送レール12上を走行する。従って投入路Bから投入された搬送物Pは、走行中の搬送ユニット1における移送シート49上に移送されると共に、当該搬送物Pに付された仕分けコード番号が読取り器3により読取られ、この読取り信号により指定された指定位置の搬出シートCに対応する作動機構15のエアシリンダ62が作動して可動切換ガイド部片55が切換えられる。 【0027】他方搬送ユニット1に設けた枠部材37は、常態で図2で示すようにその前後幅の中央の中立位置にあり、この状態でガイドローラ51は、中央ガイド板53に案内されて直進する。」(段落【0024】ないし【0027】) ケ 「【0028】今図5において切換プレート64が仕分けコード信号により仮想線で示すように回動して案内溝54が搬出用の案内溝57と連通するように切換えられたとすると、中央ガイド板53に案内されたガイドローラ51と同軸の補助ガイドローラ52が案内溝54から案内溝57に導かれ、これによって枠部材37は側方に移動しながら前進すると共に、ガイドローラ51は側方ガイド板61の傾斜部によりさらに側方に誘導され、枠部材37が基盤11の一方の側部に充分移動したのち、ガイドローラ51は側方ガイド板51の直線部と補助ガイド板62との間を走行する。 【0029】このようにして枠部材37が中立位置から側方に充分移動したとき、移動シート49は走行して、移送シート49上の搬送物Pは仕分けシュートCに搬出されて搬送物Pの仕分けが行われる。そして搬送物Pの仕分けが終了したのち枠部材37は、搬送物の投入路Bに至る以前に図示しないが基盤11上に設けた復元用ガイド板とガイドローラ51との作用により、搬送ユニット1は再び中立位置に導かれ、以上の動作が繰り返される。」(段落【0028】及び【0029】) コ 「【0030】図6,7は移送シート49上の搬送物Pを仕分けシュートCに搬出する場合の態様を示している。即ち搬送物Pが移送シート49を介して緩衝シート47上の窪んだ中央部に位置し、かつ枠部材37も亦搬送ユニット1の中立位置にある図6仮想線の状態から、すでに述べたように、作動機構15により枠部材37が中立位置から図中右方向に移動すると、その移動に伴って移送シート49を支持している一方のバー48aがチェーンベルト42と共に上位の一方の固定チェーンホイール40の周りに沿って図中反時計方向に回転すると共に、他方のバー48bは高い位置Hを保持しながら図中左方向に移動する。 【0031】次いで、一方のバー48aがチェーンベルト42と共にさらに移動すると、移送シート49は受板46の丸味を帯びた側面に摺接しながら可動チェーンホイール32の方向に走行すると共に、他方のバー48bは高い位置Hを保持した状態でさらに左方向に移動する。 【0032】そして枠部材37が図7で示すように最も右側位置に至ったとき、他方のバー48bは図中最も左位置に達するので、移送シート49上に載置された搬送物Pは最終的には高い位置Hを保持した他方のバー48bに支持されて立ち上がる走行シート49の端部により押圧されながら、受板46の図中左側面から仕分けシュートCに移行する。 【0033】この作用は枠部材37が作動機構15により図中左方向に移動したときも同様であって、この場合は搬送物Pは受板46の右側面から仕分けシュートCに移行される。」(段落【0030】ないし【0033】) サ 「【0035】 【発明の効果】以上のように本願発明によれば、搬送ユニットに設けた移送シートを搬送方向と直交する方向に走行してその走行方向の端部位置で、搬送物を仕分けシュートに搬出する構成であるので、搬送物は移送シートの走行によって強制的に搬出でき、特に常態で中間部が窪んでいるので、その窪み部に搬送物が安定した状態で保持されると共に、移送シートの走行により、搬送物を円滑でかつ確実に搬出させることができる。」(段落【0035】) (2)甲第2号証に記載された事項から分かること ア 上記(1)アないしサ並びに図1ないし7(特に、【請求項1】、段落【0011】ないし【0013】及び図1)の記載からみて、甲第2号証には、「搬送ユニット1が多数設けられた搬送路Aの投入路Bから薄物や不定形品などの小物類である搬送物Pが移送される領域において、搬送物Pを前記搬送ユニット1に載せ、前記搬送路Aの仕分けシュートCの領域において、搬送物P搬送中の前記搬送ユニット1を回動させてその上の搬送物Pを仕分けコード番号に応じて搬送物P搬送方向側方に送り出す、搬送物Pを自動的に仕分ける方法」又は「搬送ユニット1が多数設けられた搬送路Aに、搬送ユニット1に薄物や不定形品などの小物類である搬送物Pを載せる投入路Bから搬送物Pが移送される領域が設けられ、搬送物Pを仕分けコード番号に応じて搬送ユニット1によって搬送物P搬送方向の側方に配置された仕分けシュートCに送り出す仕分けシュートCの領域が設けられた搬送物Pを自動的に仕分ける装置」が記載されていることが分かる。 イ 上記(1)カ、キ及びク並びに図2ないし7(特に、段落【0016】ないし【0024】並びに図2ないし4、6および7)の記載からみて、搬送ユニット1にはユニットフレーム21が設けられ、ユニットフレーム21の前後壁板25の内面に支承した左右で対向する固定チェーンホイール40,40間に張架したチェーンベルト42に軸止された左右一対のバー48a,48bに移送シート49の両側縁が結着され、チェーンベルト42は枠部材37に固着され、枠部材37の下面にガイドローラ51が設けられ、ガイドローラ51の下段に小径の補助ガイドローラ52が設けられているから、搬送物Pを自動的に仕分ける方法又は搬送物Pを自動的に仕分ける装置において、搬送ユニット1の夫々はユニットフレーム21と、ユニットフレーム21に往復回動可能に設けられた移送シート49と、移送シート49に左右一対のバー48a、48b、チェーンベルト42及び枠部材37を介して連結されたガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52と、を備えた往復回動式のベルトコンベアであることが分かる。 ウ 上記(1)カ並びに図1ないし4、6及び7(特に、段落【0016】、【0020】及び【0021】並びに図1ないし4、6及び7)の記載からみて、搬送物Pを自動的に仕分ける方法又は搬送物Pを自動的に仕分ける装置において、ユニットフレーム21の左右方向一方側と他方側にそれぞれ搬送物P搬送方向にみて一対の上位の固定チェーンホイール40が回転可能に取り付けられることが分かる。 エ 上記(1)カ並びに図1ないし4、6及び7(特に、段落【0016】及び【0020】ないし【0022】並びに図1ないし4、6及び7)の記載からみて、搬送物Pを自動的に仕分ける方法又は搬送物Pを自動的に仕分ける装置において、移送シート49は、ユニットフレーム21の左右方向一方側に設けられた一方側の上位の固定チェーンホイール40と左右方向他方側に設けられた他方側の上位の固定チェーンホイール40の間に張架され、両側をそれぞれ可動チェーンホイール32,32に巻回されて折り返されたのち、下位の固定チェーンホイール41,41に巻回されて再び折り返されたのち、両端部を移動フレーム31の枠部材37の両端部にそれぞれ固着した一対のチェーンベルト42,42に、左右方向で対向する上位の固定チェーンホイール40,40の間隔とほぼ等しい間隔をもって軸止した一対のバー48に両側縁が結着されて、上側部分が略平坦な状態で略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は移送シート49の上面側が搬送路Aの側方に配置された仕分けシュートC方向に移動する回動であり、復回動は移送シート49の上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であることが分かる。 オ 上記(1)キ及びコ並びに図6及び7(特に、段落【0023】及び【0030】並びに図6及び7)の記載からみて、搬送物Pを自動的に仕分ける方法又は搬送物Pを自動的に仕分ける装置において、搬送物Pは、中央位置で窪む窪み面45を有する左右方向を円弧状に形成した受板46とこの受板46に重合される緩衝シート47の面上に重合して左右方向に移動する移送シート49の上面領域からバー48a,48bと結着した両側縁領域を省いた領域である載置領域に載置されるものであることが分かる。 カ 上記(1)ク並びに図2及び4(特に、段落【0024】並びに図2及び4)の記載からみて、搬送物Pを自動的に仕分ける方法又は搬送物Pを自動的に仕分ける装置において、ガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52はユニットフレーム21の底板26より下方に突出していることが分かる。 キ 上記(1)ケ及びコ並びに図1ないし7(特に、段落【0023】及び【0029】ないし【0033】並びに図6及び7)の記載、さらに上記オによると、上記オにおける移送シート49の載置領域は、移送シート49の往回動に伴ってその往回動方向に移動し、復回動に伴ってその復回動方向に戻るものであって、略平坦な状態で略水平に移動することから、搬送物Pを自動的に仕分ける方法又は搬送物Pを自動的に仕分ける装置において、移送シート49は、その上側部分が略平坦な状態で略水平に移動するように往復回動可能であることが分かる。 ク 上記(1)ア、オ、ケ及びコ並びに図1ないし7(特に、【請求項1】、段落【0011】ないし【0013】、【0028】ないし【0033】並びに図1、6及び7)の記載、さらに上記オ及びキによると、搬送物Pを自動的に仕分ける方法又は搬送物Pを自動的に仕分ける装置において、搬送ユニット1の移送シート49を、仕分けシュートCの領域において仕分けコード番号に応じて搬送路Aの側方に往回動させて、当該移送シート49の載置領域の上の搬送物Pを略水平に移動させることにより、搬送物P搬送方向側方に配置された仕分けシュートCに送り出すことが分かる。 ケ 上記(1)ク及びケ並びに図1ないし7(特に、段落【0026】ないし【0028】及び図5ないし7)の記載、さらに上記オないしクによると、搬送物Pを自動的に仕分ける方法又は搬送物Pを自動的に仕分ける装置において、移送シート49の往回動は、移動される搬送ユニット1のガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52が、搬送路Aの下方に設けられた可動切換ガイド部片55、固定切換ガイド部片59及び側方ガイド板60,61に案内されて移動することにより行われることが分かる。 コ 上記(1)ケ並びに図1ないし7(特に、【0028】及び【0029】並びに図1及び5ないし7)の記載、さらに上記オ及びキによると、移送シート49の搬送物Pを載せる載置領域を元の位置に復帰させると、中央ガイド板53により搬送方向に一列又は略一列に並ぶことになるから、搬送物Pを自動的に仕分ける方法又は搬送物Pを自動的に仕分ける装置において、往回動させた搬送ユニット1の移送シート49を、搬送物P送り出し後の移動中に往回動と反対側に復回動させて、当該移送シート49の搬送物Pを載せる載置領域を元の位置に復帰させることにより、多数の搬送ユニット1の載置領域を搬送方向に一列又は略一列に並べ、それら復帰した搬送ユニット1の載置領域に、投入路Bから搬送物Pが移送される領域において、搬送物Pを一つずつ載せることができることが分かる。 サ 上記(1)ケ並びに図1ないし7(特に、【0029】)の記載、さらに上記オないしキ及びコによると、搬送物Pを自動的に仕分ける方法又は搬送物Pを自動的に仕分ける装置において、移送シート49の復回動は、搬送物P送り出し後に、移動される搬送ユニット1のガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52が、前記搬送路Aの下方に設けられた復元用ガイド板に案内されて移動することにより行われることが分かる。 (3)甲2技術1 上記(1)及び(2)並びに図面の記載を総合して、本件発明1の表現に倣って整理すると、甲第2号証には以下の技術(以下、「甲2技術1」という。)が記載されていると認められる。 「搬送ユニット1が多数設けられた搬送路Aの投入路Bから薄物や不定形品などの小物類である搬送物Pが移送される領域において、搬送物Pを前記搬送ユニット1に載せ、前記搬送路Aの仕分けシュートCの領域において、搬送物P搬送中の前記搬送ユニット1を回動させてその上の搬送物Pを仕分けコード番号に応じて搬送物P搬送方向側方に送り出す、搬送物Pを自動的に仕分ける方法において、 前記搬送ユニット1の夫々はユニットフレーム21と、ユニットフレーム21に往復回動可能に設けられた移送シート49と、移送シート49に左右一対のバー48a、48b、チェーンベルト42及び枠部材37を介して連結されたガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52と、を備えた往復回動式のベルトコンベアであり、 前記ユニットフレーム21の左右方向一方側と他方側にそれぞれ搬送物P搬送方向にみて一対の上位の固定チェーンホイール40が回転可能に取り付けられ、 前記移送シート49は、ユニットフレーム21の左右方向一方側に設けられた一方側の上位の固定チェーンホイール40と左右方向他方側に設けられた他方側の上位の固定チェーンホイール40の間に張架され、両側をそれぞれ可動チェーンホイール32,32に巻回されて折り返されたのち、下位の固定チェーンホイール41,41に巻回されて再び折り返されたのち、両端部を移動フレーム31の枠部材37の両端部にそれぞれ固着した一対のチェーンベルト42,42に、左右方向で対向する上位の固定チェーンホイール40,40の間隔とほぼ等しい間隔をもって軸止した一対のバー48に両側縁が結着されて、上側部分が略平坦な状態で略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は移送シート49の上面側が搬送路Aの側方に配置された仕分けシュートC方向に移動する回動であり、復回動は移送シート49の上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり、 夫々の搬送ユニット1の移送シート49の上側部分の一部に、搬送物Pを載せ置くことのできる中央位置で窪む窪み面45を有する左右方向を円弧状に形成した受板46とこの受板46に重合される緩衝シート47の面上に重合して左右方向に移動する移送シート49の上面領域からバー48a,48bと結着した両側縁領域を省いた領域である載置領域が設けられ、 前記ガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52はユニットフレーム21の底板26より下方に突出しており、 前記仕分けシュートCの領域において、前記仕分けコード番号に応じて、搬送ユニット1の移送シート49を搬送路Aの側方に往回動させて、当該移送シート49の載置領域の上の搬送物Pを略水平に移動させることにより、搬送物P搬送方向側方に配置された前記仕分けシュートCに送り出し、 前記移送シート49の往回動は、移動される搬送ユニット1のガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52が、搬送路Aの下方に設けられた可動切換ガイド部片55、固定切換ガイド部片59及び側方ガイド板60,61に案内されて移動することにより行われ、 前記往回動させた搬送ユニット1の移送シート49を、前記搬送物P送り出し後の移動中に前記往回動と反対側に復回動させて、当該移送シート49の搬送物Pを載せる載置領域を元の位置に復帰させることにより、前記多数の搬送ユニット1の載置領域を搬送方向に一列又は略一列に並べ、 前記移送シート49の復回動は、搬送物P送り出し後に、移動される搬送ユニット1のガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52が、前記搬送路Aの下方に設けられた復元用ガイド板に案内されて移動することにより行われ、 それら復帰した搬送ユニット1の載置領域に、前記投入路Bから搬送物Pが移送される領域において、搬送物Pを一つずつ載せることができるようにした技術。」 (4)甲2技術2 上記(1)及び(2)並びに図面の記載を総合して、本件発明3の表現に倣って整理すると、甲第2号証には以下の技術(以下、「甲2技術2」という。)が記載されていると認められる。 「搬送ユニット1が多数設けられた搬送路Aに、搬送ユニット1に薄物や不定形品などの小物類である搬送物Pを載せる投入路Bから搬送物Pが移送される領域が設けられ、搬送物Pを仕分けコード番号に応じて搬送ユニット1によって搬送物P搬送方向の側方に配置された仕分けシュートCに送り出す仕分けシュートCの領域が設けられた搬送物Pを自動的に仕分ける装置において、 前記搬送ユニット1の夫々はユニットフレーム21と、ユニットフレーム21に往復回動可能に設けられた移送シート49と、移送シート49に左右一対のバー48a、48b、チェーンベルト42及び枠部材37を介して連結されたガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52と、を備えた往復回動式のベルトコンベアであり、 前記ユニットフレーム21の左右方向一方側と他方側にそれぞれ搬送物P搬送方向にみて一対の上位の固定チェーンホイール40が回転可能に取り付けられ、 前記移送シート49は、前記一方側の上位の固定チェーンホイール40と前記他方側の上位の固定チェーンホイール40の間に張架され、両側をそれぞれ可動チェーンホイール32,32に巻回されて折り返されたのち、下位の固定チェーンホイール41,41に巻回されて再び折り返されたのち、両端部を移動フレーム31の枠部材37の両端部にそれぞれ固着した一対のチェーンベルト42,42に、左右方向で対向する上位の固定チェーンホイール40,40の間隔とほぼ等しい間隔をもって軸止した一対のバー48に両側縁が結着されて、上側部分が略平坦な状態で略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は移送シート49の上面側が搬送路Aの側方に配置された仕分けシュートC方向に移動する回動であり、復回動は移送シート49の上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり、 夫々の搬送ユニット1の移送シート49の上側部分の一部に、搬送物Pを載せ置くことのできる中央位置で窪む窪み面45を有する左右方向を円弧状に形成した受板46とこの受板46に重合される緩衝シート47の面上に重合して左右方向に移動する移送シート49の上面領域からバー48a,48bと結着した両側縁領域を省いた領域である載置領域が設けられ、 前記ガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52はユニットフレーム21の底板26より下方に突出しており、 各々の搬送ユニット1の移送シート49は、前記仕分けシュートCの領域において搬送路Aの側方に往回動して、載置領域に載せてある搬送物Pを、前記仕分けコード番号に応じて仕分けシュートCに送り出し可能であり、 前記移送シート49の往回動は、移動される搬送ユニット1のガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52が、搬送路Aの下方に設けられた可動切換ガイド部片55、固定切換ガイド部片59及び側方ガイド板60,61に案内されて移動することにより行われ、 前記搬送物P送り出し後の移送シート49は、前記往回動方向と逆方向に復回動して、載置領域が元の位置に復帰して、前記多数の搬送ユニット1の載置領域を搬送方向に一列又は略一列に並べることができ、 前記移送シート49の復回動は、搬送物P送り出し後に、移動される搬送ユニット1のガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52が、前記搬送路Aの下方に設けられた復元用ガイド板に案内されて移動することにより行われるようにした技術。」 3 甲第3号証 (1)甲第3号証に記載された事項 原出願の出願前に外国において頒布された刊行物である甲第3号証(米国特許第3231068号明細書)には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア 「This invention relates to a conveyer mechanism adapted to deliver articles in a unique manner. 」(第1欄第9及び10行) 〈甲第3号証の翻訳文〉 「本発明は、物品を独特の手法で配送するように適応されたコンベア機構に関する。」(第1ページ第11行) イ 「In a copending application of Walter G. Harrison and John Harrison, …(中略)…will take place at the proper time.」(第1欄第35ないし54行) 〈甲第3号証の翻訳文〉 「 Walter G. Harrison と John Harrison による「Automatic Sortation System 」と題する同時係属出願(1961年1月10日に出願された出願番号81,754号、1965年1月26日に登録され、現在は特許第3,167,192号)には、先行技術で遭遇した問題の多くを克服する構造が記載されている。この構造では、複数の傾斜可能なトレイが、コンベア経路に沿って移動可能に位置決めされている。コンベア経路の側部に複数のステーションが位置決めされ、トレイは、トレイ上の物品を特定のステーションに移したいときに傾くように適応される。コンベア経路に沿った幾つかのステーションのそれぞれには、トレイの傾斜運動を引き起こすように適応された手段が配置される。コンベア・システムと符号化操作が組み合わされることが好ましく、それにより、作動手段は、トレイが所望のステーションまで移動したときにトレイを自動的に傾ける。符号化手段は、各トレイ上に配置された各物品の符号を様々な作動装置に転送し、それによりトレイが適切な時間に傾斜されるように適応される。」(第1ページ第24行ないし第2ページ第7行) ウ 「It is a more particular object of this invention …(中略)… an ideally compact construction.」(第1欄第60ないし64行) 〈甲第3号証の翻訳文〉 「本発明のより特定の目的は、上記の目的を達成することができ、かつきわめて効率的に動作する機構並びに理想的に小型の構造を特徴とする装置を提供することである。」(第2ページ第11及び12行) エ 「The apparatus of this invention comprises …(中略)… An extension 50 of the shaft 36 provides a means for connecting the drive chain 21.」(第2欄第40行ないし第3欄第35行) 〈甲第3号証の翻訳文〉 「本発明の装置は、物品を受け取ってその物品をステーションに移すように適応された複数の相互接続されたプラットホームを含み、ステーションは、プラットホームの移動経路に沿って配置される。本発明の改良点は、特に、移動可能なコンベア手段を含み、それにより物品をプラットホームから取り出すことができる、物品搬送装置内のプラットホームの提供を対象とする。各プラットホームは、連結されたコンベアを移動させることができる駆動手段を含む。プラットホームの移動経路に沿って、駆動手段を作動させ、それによりプラットホーム・コンベアが物品を放出する働きをするように適応された手段が配置される。 本発明の概念にしたがって設計されたプラットホームは、特に、プラットホームの移動経路のどちらかの側に物品を移すのに適する。したがって、本発明の構造は、理想的には、プラットホームの移動経路に沿って両側に対で配置されたステーションを含む設備に適する。駆動手段は、プラットホーム上にある物品をどのステーションが受け取るかにより、それぞれのプラットホームのコンベアをどちらかの方向に移動させるように適応される。 ・・・(中略)・・・ プラットホームのホイール18は、トラック12上に乗って装置による物品の搬送を実現するように適応される。プラットホームを相互接続し、それによりプラットホームがトラック12に沿って一体で移動するように、エンドレス・チェーンや他の適切な手段21を利用することができる。 ・・・(中略)・・・ シャフト36にはピニオン46もキー結合され、ピニオン46と同じ平面内に1対のラック48が相補的に取り付けられる。シャフト36の拡張部50は、駆動チェーン21を接続する手段を提供する。」(第3ページ第5行ないし第4ページ第12行) オ 「FIGURES 7, 8 and 9 illustrate an alternative platform …(中略)… on which of the pins 84 is actuated.」(第3欄第59ないし第4欄第22行) 〈甲第3号証の翻訳文〉 「図7、図8及び図9は、ホイール62を備え、それによりプラットホームがトラック12に乗ることができるプラットホーム構造60の実施形態を示す。ホイール62は、プラットホームの水平フレーム部材64にジャーナル接続される。 フレーム部材64に垂直に延在するように配置された1対のロール68のまわりにエンドレス・ウェブ66が延在する。ウェブ66は、その表面の2分の1を横切って水平方向に延在するリブ70を備え、それによりウェブの把持操作が改善される。ウェブの反対側は、板71によって支持され、それによりウェブの弛みを防ぐことができる。 フレーム部材64の間に取付板72が固定され、シャフト74は、この板内でジャーナル接続される。このシャフトにレバー手段76が結合され、1対のアーム78もシャフトに結合され、それにより、シャフトの動きによりこれらのアームが揺れる。アーム78は、板71の下側に固定されたピン82を収容するように適応されたスロット80を画定する。 プラットホーム60の移動経路に、1対の相補的に取り付けられた作動ピン84が配置される。これらのピン84のうちの1つが上昇すると、レバー76の側面の一方が、上昇したピンと係合し、したがって、プラットホームが動き続けるときにレバーが回る。レバー76のこの動きは、アーム78に伝わり、これらのアームが今度は、ウェブに固定されたピン82の係合によってウェブ66の動きを提供する。 ウェブ82の動きは、ウェブの上面に配置された物品の放出を達成する。レバー76とピン84の係合は、プラットホームが移動し、レバーがピン84を越えたときに終わる。このレバーには復元スプリング86が接続され、それにより、レバーは、ピン84が外れた状態のときの定常位置に戻り、ウェブ66も、アーム78とピン82の操作により戻される。どのピン84が作動するかにより、ウェブ66をどちらの方向にも移動できることを理解されよう。」(第4ページ第25行ないし第5ページ第16行) カ 「A still further alternative is …(中略)…for insuring movement of a package to either extreme end of the platform conveyor.」(第5欄第18ないし33行) 〈甲第3号証の翻訳文〉 「図15と図16に更に他の実施形態を示す。図示されたプラットホーム160は、水平フレーム部材162と関連ホイール164を有する。ウェブ168を支持するために、フレーム162にジャーナル接続されたロール166が提供される。ウェブ168の両端に1対のバー170が形成され、これらのバーは、ウェブ上に配置された物品と係合するように構成される。 チェーン172が、ロール166とキー結合されたスプロケット174と係合する。前述のタイプの駆動手段を含む任意の適切な駆動手段を使用して、スプロケット174に回転運動を与え、それにより、ウェブ168が、上に配置された物品を放出するのに十分に動くことができる。ウェブ上のリブ又はクリートに代えたバー170の使用は、梱包をプラットホーム・コンベヤのどちらかの末端まで確実に移動させる満足な実施形態を提供する。」(第6ページ下から第2行ないし第7ページ第9行) キ 「The means for moving the racks 200 and 202 …(中略)… on one of the platforms of the apparatus. 」(第5欄第49ないし55行) 〈甲第3号証の翻訳文〉 「ラック200及び202を移動させる手段と、前述の様々な他の作動手段を移動させる手段は、符号化機構と相互接続されることが好ましい。具体的には、物品が装置のプラットホームの1つの上に最初に配置されたときに物品を符号化できる機構を提供することが望ましい。」(第7ページ第19ないし22行) ク 「The platform constructions described are particularly advantageous …(中略)… from the path of movement thereof.」(第5欄第70ないし第6欄第8行) 〈甲第3号証の翻訳文〉 「以上述べたプラットホーム構造は、特に、種々様々なあまり複雑でない駆動機構によって操作できるので有利である。プラットホーム構造の更に重要な特徴は、構造が本質的に比較的小型であり、したがってこれらの構造の設置に大きい空間が必要ないことである。したがって、プラットホームと操作手段は、実質的に常に同じ平面内で動作し、したがって、構造物が広範囲で垂直運動することが不要である。更に、プラットホーム構造自体は、その移動経路から外方に延在する機構を使用する必要がない。」(第7ページ最終行ないし第8ページ第5行) (2)甲第3号証に記載された事項から分かること ア 上記(1)アないしク並びに図1ないし9及び15ないし17の記載からみて、物品を載せるプラットホーム60,160は、物品を所定のステーションに配送する装置に備えられるものであり、当該装置により物品を所定のステーションに配送する方法が行われることが分かる。 また、移動経路には、物品の供給部があることは明らかである。 さらに、前記物品を所定のステーションに配送する方法は、多数のプラットホーム60,160の上の物品を符号に基づいて自動的に振り分けて移動経路の搬送方向側方に送り出している方法であることが分かる。なお、この物品を振り分けて移動経路の搬送方向側方に送り出すために用いられる符号は仕分けの情報といえる。 そうすると、甲第3号証には、「プラットホーム60,160が多数設けられた移動経路の供給部において、物品を前記プラットホーム60,160に載せ、前記移動経路のステーションの領域において、物品搬送中の前記プラットホーム60,160を回動させてその上の物品を符号に応じて物品搬送方向側方に送り出す、物品を自動的に所定のステーションに配送する方法」及び「プラットホーム60,160が多数設けられた移動経路に、プラットホーム60,160に物品を載せる供給部が設けられ、物品を符号に応じてプラットホーム60,160によって物品搬送方向側方に送り出すステーションの領域が設けられた物品を自動的に所定のステーションに配送する装置」が記載されていることが分かる。 イ 上記(1)エないしカ並びに図1ないし9及び15ないし17の記載からみて、プラットホーム60,160は、駆動チェーン21にその走行方向に多数取付けられ、また、移動経路の移動方向に一列に並んでいることが分かる。 ウ 上記(1)アないしク並びに図1ないし9及び15ないし17(特に、上記(1)エないしカ並びに図1ないし9及び15ないし17)の記載からみて、プラットホーム60,160の夫々は、駆動チェーン21に取付ける水平フレーム部材64,162と、水平フレーム部材64,162に往復回動可能に設けられたウェブ66,168を備えており、往復回動式のベルトコンベアであることが分かる。 エ 上記(1)エ及び図1ないし6の記載からみて、水平フレーム部材64,162は、シャフト36の拡張部50を備え、シャフト36の拡張部50が駆動チェーン21に取り付けられることにより、水平フレーム部材64,162を駆動チェーン21に取り付けることが分かる。 オ 上記(1)アないしク並びに図1ないし9及び15ないし17(特に、上記(1)エないしカ並びに図1、3ないし9及び15ないし17)の記載からみて、水平フレーム部材64,162は、そのプラットホーム60,160の移動方向に直交する方向の一方側と他方側にロール68,166が回転可能に取り付けられることが分かる。 そして、ウェブ66,168は、一方側のロール68,166と、他方側のロール68,166の外周に、平坦に一周巻かれており、その上側部分が平坦又は略平坦な状態であり、水平フレーム部材64、162と平行であることから、ウェブ66,168の上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であることが分かる。 ここで、一方側のロール68,166と他方側のロール68,166の配置方向からみて、往復回動のうち往回動はウェブ66,168の上面側が移動経路の側方に配置されたステーション方向に移動する回動であり、復回動はウェブ66,168の上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であることは明らかである。 カ 図1ないし9及び15ないし17の記載からみて、プラットホーム60,160は、移動経路の搬送方向側方に往復回転可能なウェブ66,168を備え、「ウェブ66,168の上面部」は、ウェブ66,168の上に物品を載せることのできる領域であるといえるから、物品を自動的に所定のステーションに配送する方法又は装置において、夫々のプラットホーム60,160のウェブ66,168の上側部分の一部に、物品を載せ置くことのできる上面部が設けられることが分かる。 キ 上記イ及びオ、上記(1)アないしク並びに図1ないし9及び15ないし17(特に、上記(1)オ、カ及びキ並びに図1ないし9及び15ないし17)の記載からみて、物品を自動的に所定のステーションに配送する方法又は装置において、物品搬送中に、ウェブ66,168を、ステーションの領域において符号に基づいて搬送方向側方に往回動させて、ウェブ60,168の上面部の上の物品を、水平又は略水平に移動させることにより、物品搬送方向側方に配置されたステーションに送り出し、往回動させたプラットホーム60,160のウェブ66,168を、物品送り出し後の移動中に往回動と反対側に復回動させて、当該ウェブ66,168の上面部を元の位置に復帰させることにより、複数の物品を載せるプラットホーム160のウェブ66,168の上面部を搬送方向に一列又は略一列に並べることが分かる。 (3)甲3技術1 上記(1)及び(2)並びに図面の記載を総合して、本件発明1の表現に倣って整理すると、甲第3号証には以下の技術(以下、「甲3技術1」という。)が記載されていると認められる。 「プラットホーム60,160が多数設けられた移動経路の供給部において、物品を前記プラットホーム60,160に載せ、前記移動経路のステーションの領域において、物品搬送中の前記プラットホーム60,160を回動させてその上の物品を符号に応じて物品搬送方向側方に送り出す、物品を自動的に所定のステーションに配送する方法において、 前記プラットホーム60,160は駆動チェーン21にその走行方向に多数取付けられて、移動経路の移動方向に一列に並んでおり、 前記プラットホーム60,160の夫々は前記駆動チェーン21に取付ける水平フレーム部材64,162と、水平フレーム部材64,162に往復回動可能に設けられたウェブ66,168を備えた往復回動式のベルトコンベアであり、 前記水平フレーム部材64,162は、シャフト36の拡張部50を備え、シャフト36の拡張部50は前記駆動チェーン21に取り付けられており、 前記水平フレーム部材64,162のプラットホーム60,160の移動方向と垂直方向一方側と他方側にロール68,166が回転可能に取り付けられ、 前記ウェブ66,168は、水平フレーム部材64,162のプラットホーム60,160の移動方向と垂直方向一方側に設けられた一方側のロール68,166と、プラットホーム60,160の移動方向と垂直方向他方側に設けられた他方側のロール68,166の外周に、平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動はウェブ66,168の上面側が移動経路の側方に配置されたステーション方向に移動する回動であり、復回動はウェブ66,168の上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり、 夫々のプラットホーム60,160のウェブ66,168の上側部分の一部に、物品を載せ置くことのできる上面部が設けられ、 前記ステーションの領域において、符号に応じて、プラットホーム60,160のウェブ66,168を移動経路の側方に往回動させて、当該ウェブ66,168の上面部の上の物品を水平又は略水平に移動させることにより、物品搬送方向側方に配置された前記ステーションに送り出し、 前記往回動させたプラットホーム60,160のウェブ66,168を、前記物品送り出し後の移動中に前記往回動と反対側に復回動させて、当該ウェブ66,168の上面部を元の位置に復帰させることにより、前記多数のプラットホーム60,160のウェブ66,168の上面部を搬送方向に一列又は略一列に並べることができるようにした技術。」 (4)甲3技術2 上記(1)及び(2)並びに図面の記載を総合して、本件発明3の表現に倣って整理すると、甲第3号証には以下の技術(以下、「甲3技術2」という。)が記載されていると認められる。 「駆動チェーン21にプラットホーム60,160が多数設けられた移動経路に、プラットホーム60,160に物品を載せる供給部が設けられ、物品を符号に応じてプラットホーム60,160によって物品搬送方向側方に送り出すステーションの領域が設けられた物品を自動的に所定のステーションに配送する装置において、 前記プラットホーム60,160は前記駆動チェーン21にその走行方向に多数取付けられ、 前記プラットホーム60,160の夫々は前記駆動チェーン21に取付ける水平フレーム部材64,162と、水平フレーム部材64,162に往復回動可能に設けられたウェブ66,168を備えた往復回動式のベルトコンベアであり、 前記水平フレーム部材64,162は、前記駆動チェーン21に取付けるシャフト36の拡張部50を備え、 前記水平フレーム部材64,162のプラットホーム60,160の移動方向と垂直方向一方側と他方側にロール68,166が回転可能に取り付けられ、 前記ウェブ66,168は、前記一方側のロール68,166と、前記他方側のロール68,166の外周に、平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動はウェブ66,168の上面が移動経路の側方に配置されたステーション方向に移動する回動であり、復回動はウェブ66,168の上面が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり、 夫々のプラットホーム60,160のウェブ66,168の上側部分の一部に、物品を載せ置くことのできる上面部が設けられ、 各々のプラットホーム60,160のウェブ66,168は、前記ステーションの領域において移動経路の側方のステーション側に往回動して、上面部に載せてある物品を、符号に応じて前記ステーションに送り出し可能であり、 前記物品送り出し後のウェブ66,168は、前記往回動方向と逆方向に復回動して、上面部が元の位置に復帰して、前記多数のプラットホーム60,160のウェブ66,168の上面部を搬送方向に一列又は略一列に並べることができるようにした技術。」 4 本件発明1の検討 (1)対比 本件発明1と甲1発明1とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。 ・甲1発明1における「受け台8」は、本件発明1における「果菜キャリア」に相当し、以下同様に、「振分けコンベア2」は「果菜搬送ライン」に、「供給部9」は「果菜供給部」に、「判定部3」は「等階級計測部」に、「振分け部4」は「仕分排出部」に、「果菜物自動振り分け方法」は「果菜自動選別送り出し方法」に、「ガイドチェーン7」は「ドライブチェーン」に、「果菜物を載置する部分」は「果菜載置部」に、「整列コンベア5」は「果菜引受け体」に、それぞれ相当する。 ・甲1発明1における「果菜物であるキューイK」は、本件発明1における「トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜」に、「果菜」という限りにおいて一致する。 そして、甲1発明1における「果菜物であるキューイKを前記受け台8に載せ」は、本件発明1における「果菜搬送ラインの幅方向側方から作業員がトマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を前記果菜キャリアに載せ」に、「果菜を前記果菜キャリアに載せ」という限りにおいて一致する。 ・甲1発明1における「果菜物であるキューイKを搬送中の前記受け台8を傾動させて」は、本件発明1における「果菜搬送中の前記果菜キャリアを回動させて」に、「果菜搬送中の前記果菜キャリアを駆動させて」という限りにおいて一致する。 そして、甲1発明1における「振分けコンベア2の振分け部4において、果菜物であるキューイKを搬送中の前記受け台8を傾動させてその上の果菜物であるキューイKを前記判定部3での判別結果に応じて果菜物であるキューイKの搬送方向側方に送り出す」は、本件発明1における「果菜搬送ラインの仕分排出部において、果菜搬送中の前記果菜キャリアを回動させてその上の果菜を前記等階級計測部での判別結果に応じて果菜搬送方向側方に送り出す」に、「果菜搬送ラインの仕分排出部において、果菜搬送中の前記果菜キャリアを駆動させてその上の果菜を前記等階級計測部での判別結果に応じて果菜搬送方向側方に送り出す」という限りにおいて一致する。 ・甲1発明1における「前記受け台8はガイドチェーン7にその走行方向に多数取付けられ」は、本件発明1における「前記果菜キャリアは果菜送り出し方向先方側と後方側に間隔をあけて平行に配置された二本のドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられ」に、「前記果菜キャリアはドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられ」という限りにおいて一致する。 ・甲1発明1における「夫々の受け台8の上側の一部に果菜物であるキューイKを載せ置くことのできる果菜物を載置する部分が設けられ」は、本件発明1における「夫々の果菜キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を載せ置くことのできる果菜載置部が設けられ」に、「夫々の果菜キャリアの上側の一部に果菜を載せ置くことのできる果菜載置部が設けられ」という限りにおいて一致する。 ・甲1発明1における「振分けコンベア2の前記振分け部4の側方に、受けベルト15が回転するベルトコンベア式の整列コンベア5が、果菜物であるキューイKの搬送方向に作業間隔をあけて二以上配置され」は、本件発明1における「果菜搬送ラインの前記仕分排出部の一側方のみに、平ベルトが回転するベルトコンベア式の果菜引受け体が、果菜搬送方向に作業間隔をあけて二以上配置され」に、「果菜搬送ラインの前記仕分排出部の側方に、果菜引受け体が、果菜搬送方向に作業間隔をあけて二以上配置され」という限りにおいて一致する。 ・甲1発明1における「受けベルト15」は、甲第1号証の第1ないし3図の記載によれば、受け部15aを有するものの、全体として平らのベルトであることが看て取れるから、本件発明1における「平ベルト」に相当する。 また、甲1発明1における「間欠的な回転駆動」は、本件発明1における「間欠運転」に相当し、同様に、「移載される」は「送り込まれる」に相当する。 そして、甲1発明1における「受けベルト15は、その上面が果菜物であるキューイKを受ける凹状の受け部15aを所定等間隔に隔てて形成した形状であり、その上面が受け台8の果菜物を載置する部分より下位の高さで水平又は略水平に配置され、果菜物であるキューイKが整列コンベア5の受けベルト15の上面に形成された凹状の受け部15aにシュートを介して移載されると、光電センサ20による検知に基づいて間欠的な回転駆動して、当該果菜物であるキューイKを前記受けベルト15の上面に引き継いでプールすることができ」は、本件発明1における「平ベルトは、その上面が果菜を受ける窪みのない平面状であり、その上面が果菜キャリアの搬送ベルトの上面と同じ又は略同じ高さで水平又は略水平に配置され、果菜が果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り込まれるときに間欠運転して、当該果菜を前記平面状の上面に水平又は略水平に引き継いでプールすることができ」に、「平ベルトは、その上面が所定の形状であり、その上面が果菜キャリアの搬送ベルトの上面と所定の高さで水平又は略水平に配置され、果菜が果菜引受け体の平ベルトの上面に所定の状態に送り込まれる際に間欠運転して、当該果菜を前記所定の形状の上面に引き継いでプールすることができ」という限りにおいて一致する。 ・甲1発明1における「前記移動中の受け台8の果菜物を載置する部分の上に、前記供給部9において、前記果菜物であるキューイKを一つずつ載せ」は、本件発明1における「前記移動中の果菜キャリアの果菜載置部の上に、前記果菜供給部において、作業員が、果菜搬送ラインの搬送方向側方から前記果菜を一つずつ載せ」に、「前記移動中の果菜キャリアの果菜載置部の上に、前記果菜供給部において、前記果菜を一つずつ載せ」という限りにおいて一致する。 ・甲1発明1における「サイズを読取るサイズセンサ11と、品質を読取る品質センサ12と、重量を計量する重量センサ13を備えた判定部3を通過させてその通過中に果菜物であるキューイKの少なくともサイズ・品質・重量を計測し」は、本件発明1における「画像処理による計測装置を備えた等階級計測部を通過させてその通過中に果菜の少なくとも大きさと形状を画像処理により計測し」に、「所定の計測装置を備えた等階級計測部を通過させてその通過中に果菜の少なくとも果菜の大きさを計測し」という限りにおいて一致する。 ・甲1発明1における「往傾動」は、本件発明1における「往回動」に、「往駆動」という限りにおいて一致する。 そして、甲1発明1における「受け台8を振分けコンベア2の側方に往傾動させて、当該受け台8の果菜物を載置する部分の上の果菜物であるキューイKを移動させることにより、果菜物であるキューイKの搬送方向側方に配置された前記整列コンベア5の受けベルト15の上面に送り出し」は、本件発明1における「果菜キャリアの搬送ベルトを果菜搬送ラインの側方に往回動させて、当該搬送ベルトの果菜載置部の上の果菜を水平又は略水平に移動させることにより、果菜搬送方向側方に配置された前記果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り出し」に、「果菜キャリアを果菜搬送ラインの側方に往駆動させて、当該果菜キャリアの果菜載置部の上の果菜を移動させることにより、果菜搬送方向側方に配置された前記果菜引受け体の平ベルトの上面に送り出し」という限りにおいて一致する。 ・甲1発明1における「前記整列コンベア5の受けベルト15を、果菜物であるキューイKが前記凹状の受け部15aにシュートを介して移載されると、振分けコンベア2の搬送方向側方であって前記果菜物であるキューイKが移載される方向に1搬送ピッチ分だけ間欠的な回転駆動させてその間欠的な回転駆動による前記受けベルト15の回転により、当該記受けベルト15の上面に移載される果菜物であるキューイKを引継ぎ、果菜物であるキューイKの移載時の間欠的な回転駆動の繰り返しにより、前記受け台8の果菜物を載置する部分から移載される果菜物であるキューイKを前記整列コンベア5の受けベルト15の前記果菜物であるキューイKを受ける凹状の受け部15aを所定等間隔に隔てて形成した形状の上面に水平又は略水平に二以上プールする」は、本件発明1における「前記果菜引受け体の平ベルトを、果菜が水平又は略水平に送り込まれるときに、果菜搬送ラインの搬送方向側方であって前記果菜が送り込まれる方向に果菜約1個分の距離だけ間欠運転させてその間欠運転による前記平ベルトの回転により、当該平ベルトの平面状の上面に水平又は略水平に送り込まれる果菜を水平又は略水平に引継ぎ、果菜送り込み時の前記間欠運転の繰り返しにより、前記果菜キャリアの果菜載置部から送り込まれる果菜を前記果菜引受け体の平ベルトの前記平面状の上面に水平又は略水平に二以上プール」するに、「前記果菜引受け体の平ベルトを、果菜が送り込まれる際に、果菜搬送ラインの搬送方向側方であって前記果菜が送り込まれる方向に所定の距離だけ間欠運転させてその間欠運転による前記平ベルトの回転により、当該平ベルトの上面に送り込まれる果菜を引継ぎ、果菜送り込みの際の前記間欠運転の繰り返しにより、前記果菜キャリアの果菜載置部から送り込まれる果菜を前記果菜引受け体の平ベルトの前記所定の形状の上面に水平又は略水平に二以上プール」するという限りにおいて一致する。 したがって、両者は、 「果菜キャリアが多数設けられた果菜搬送ラインの果菜供給部において、果菜を前記果菜キャリアに載せ、前記果菜搬送ラインの等階級計測部において、果菜キャリアで搬送される果菜を計測して果菜の等階級を判別し、前記果菜搬送ラインの仕分排出部において、果菜搬送中の前記果菜キャリアを駆動させてその上の果菜を前記等階級計測部での判別結果に応じて果菜搬送方向側方に送り出す、果菜自動選別送り出し方法において、 前記果菜キャリアはドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられて、果菜搬送ラインの搬送方向に一列に並んでおり、 夫々の果菜キャリアの上側の一部に果菜を載せ置くことのできる果菜載置部が設けられ、 果菜搬送ラインの前記仕分排出部の側方に、平ベルトが回転するベルトコンベア式の果菜引受け体が、果菜搬送方向に作業間隔をあけて二以上配置され、平ベルトは、その上面が所定の形状であり、その上面が果菜キャリアの搬送ベルトの上面と所定の高さで水平又は略水平に配置され、果菜が果菜引受け体の平ベルトの上面に所定の状態に送り込まれる際に間欠運転して、当該果菜を前記所定の形状の上面に水平又は略水平に引き継いでプールすることができ、 前記多数の果菜キャリアを、その果菜載置部を果菜搬送ラインの搬送方向に一列又は略一列に並べて、前記ドライブチェーンの走行によりその走行方向に移動させ、 前記移動中の果菜キャリアの果菜載置部の上に、前記果菜供給部において、前記果菜を一つずつ載せて搬送方向に一列又は略一列に並べて搬送し、 前記果菜キャリアの移動により、前記果菜載置部に載せた果菜を搬送方向に一列又は略一列に並べて搬送して、所定の計測装置を備えた等階級計測部を通過させてその通過中に果菜の少なくとも果菜の大きさを計測し、 前記仕分排出部において、前記計測に基づく等階級判別に応じて、果菜キャリアを果菜搬送ラインの側方に往駆動させて、当該果菜キャリアの果菜載置部の上の果菜を移動させることにより、果菜搬送方向側方に配置された前記果菜引受け体の平ベルトの上面に送り出し、 前記果菜引受け体の平ベルトを、果菜が送り込まれる際に、果菜搬送ラインの搬送方向側方であって前記果菜が送り込まれる方向に所定の距離だけ間欠運転させてその間欠運転による前記平ベルトの回転により、当該平ベルトの上面に送り込まれる果菜を引継ぎ、果菜送り込みの際の前記間欠運転の繰り返しにより、前記果菜キャリアの果菜載置部から送り込まれる果菜を前記果菜引受け体の平ベルトの前記所定の形状の上面に水平又は略水平に二以上プールする、 果菜自動選別送り出し方法。」の点で一致し、以下の点で相違している(なお、各相違点は、技術的な関連性を考慮して、整理した。)。 ア 相違点1-1 「果菜キャリア」に関し、本件発明1においては、「前記果菜キャリアは果菜送り出し方向先方側と後方側に間隔をあけて平行に配置された二本のドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられ」、「前記果菜キャリアの夫々は前記ドライブチェーンに取付けるフレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトと、搬送ベルトに連結されたスライドピンを備えた往復回動式のベルトコンベアであり、前記フレームは、果菜送り出し方向先方側と後方側に取付け部を備え、先方側の取付け部は前記先方側のドライブチェーンに、後方側の取付け部は前記後方側のドライブチェーンに取り付けられており、前記フレームは、その底面に、果菜送り出し方向に細長の開口を備え、前記フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転ローラが回転可能に取り付けられ、先方側の回転ローラの少なくとも一部は前記フレームの果菜引受け体側の端部よりも果菜引受け体側に突出し、かつ前記先方側のドライブチェーンよりも果菜引受け体側に突出しており、前記搬送ベルトは、フレームの果菜送り出し方向先方側に設けられた先方側の回転ローラと、果菜送り出し方向後方側に設けられた後方側の回転ローラの外周に、平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面側が果菜搬送ラインの一側方のみに配置された果菜引受け体方向に移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり」、「前記スライドピンはその下端側が前記開口を貫通してフレームの底面下方に突出しており」、「前記搬送ベルトの往回動は、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、果菜搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われ」、「前記往回動させた果菜キャリアの搬送ベルトを、前記果菜送り出し後の移動中に前記往回動と反対側に復回動させて、当該搬送ベルトの果菜載置部を元の位置に復帰させることにより、前記多数の果菜キャリアの果菜載置部を搬送方向に一列又は略一列に並べ、前記搬送ベルトの復回動は、果菜送り出し後に、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、前記果菜搬送ラインの下方に設けられた戻りガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われ」るようにしたものであるのに対して、甲1発明1においては、「前記受け台8はガイドチェーン7にその走行方向に多数取付けられ、前記受け台8の夫々は前記ガイドチェーン7に取り付ける傾動式の台であ」る点(以下、「相違点1-1」という。)。 イ 相違点1-2 「果菜搬送ラインの仕分排出部において、果菜搬送中の前記果菜キャリアを駆動させてその上の果菜を前記等階級計測部での判別結果に応じて果菜搬送方向側方に送り出す」のに、「果菜キャリアを果菜搬送ラインの側方に往駆動させて、当該果菜キャリアの果菜載置部の上の果菜を移動させることにより、果菜搬送方向側方に配置された前記果菜引受け体の平ベルトの上面に送り出し」することに関し、本件発明1においては、「果菜搬送ラインの仕分排出部において、果菜搬送中の前記果菜キャリアを回動させてその上の果菜を前記等階級計測部での判別結果に応じて果菜搬送方向側方に送り出す」のに、「果菜キャリアの搬送ベルトを果菜搬送ラインの側方に往回動させて、当該搬送ベルトの果菜載置部の上の果菜を水平又は略水平に移動させることにより、果菜搬送方向側方に配置された前記果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り出し」するのに対して、甲1発明1においては、「振分けコンベア2の振分け部4において、果菜物であるキューイKを搬送中の前記受け台8を傾動させてその上の果菜物であるキューイKを前記判定部3での判別結果に応じて果菜物であるキューイKの搬送方向側方に送り出す」のに、「受け台8を振分けコンベア2の側方に往傾動させて、当該受け台8の果菜物を載置する部分の上の果菜物であるキューイKを移動させることにより、果菜物であるキューイKの搬送方向側方に配置された前記整列コンベア5の受けベルト15の上面に送り出し」する点(以下、「相違点1-2」という。)。 ウ 相違点1-3 「夫々の果菜キャリアの上側の一部に果菜を載せ置くことのできる果菜載置部が設けられ」ることに関し、本件発明1においては、「夫々の果菜キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を載せ置くことのできる果菜載置部が設けられ」るのに対して、甲1発明1においては、「夫々の受け台8の上側の一部に果菜物であるキューイKを載せ置くことのできる果菜物を載置する部分が設けられ」る点(以下、「相違点1-3」という。)。 エ 相違点1-4 「果菜を前記果菜キャリアに載せ」るのに、「前記移動中の果菜キャリアの果菜載置部の上に、前記果菜供給部において、前記果菜を一つずつ載せ」ることに関し、本件発明1においては、「果菜搬送ラインの幅方向側方から作業員がトマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を前記果菜キャリアに載せ」るのに、「前記移動中の果菜キャリアの果菜載置部の上に、前記果菜供給部において、作業員が、果菜搬送ラインの搬送方向側方から前記果菜を一つずつ載せ」るものであって、「果菜送り出し後に」、「それら復帰した果菜キャリアの果菜載置部に、前記果菜供給部において、作業員が、果菜搬送ラインの搬送方向側方から果菜を一つずつ載せることができるようにした」のに対して、甲1発明1においては、「果菜物であるキューイKを前記受け台8に載せ」るのに、「前記移動中の受け台8の果菜物を載置する部分の上に、前記供給部9において、前記果菜物であるキューイKを一つずつ載せ」るようにした点(以下、「相違点1-4」という。)。 オ 相違点1-5 「果菜搬送ラインの前記仕分排出部の側方に、果菜引受け体が、果菜搬送方向に作業間隔をあけて二以上配置され」ることに関し、本件発明1においては、「果菜搬送ラインの前記仕分排出部の一側方のみに、平ベルトが回転するベルトコンベア式の果菜引受け体が、果菜搬送方向に作業間隔をあけて二以上配置され」るのに対して、甲1発明1においては、「振分けコンベア2の前記振分け部4の側方に、受けベルト15が回転するベルトコンベア式の整列コンベア5が、果菜物であるキューイKの搬送方向に作業間隔をあけて二以上配置され」る点(以下、「相違点1-5」という。)。 カ 相違点1-6 「平ベルトは、その上面が所定の形状であり、その上面が果菜キャリアの搬送ベルトの上面と所定の高さで水平又は略水平に配置され、果菜が果菜引受け体の平ベルトの上面に所定の状態に送り込まれる際に間欠運転して、当該果菜を前記所定の形状の上面に引き継いでプールすることができ」、「前記果菜引受け体の平ベルトを、果菜が送り込まれる際に、果菜搬送ラインの搬送方向側方であって前記果菜が送り込まれる方向に所定の距離だけ間欠運転させてその間欠運転による前記平ベルトの回転により、当該平ベルトの上面に送り込まれる果菜を引継ぎ、果菜送り込みの際の前記間欠運転の繰り返しにより、前記果菜キャリアの果菜載置部から送り込まれる果菜を前記果菜引受け体の平ベルトの前記所定の形状の上面に水平又は略水平に二以上プール」することに関し、本件発明1においては、「平ベルトは、その上面が果菜を受ける窪みのない平面状であり、その上面が果菜キャリアの搬送ベルトの上面と同じ又は略同じ高さで水平又は略水平に配置され、果菜が果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り込まれるときに間欠運転して、当該果菜を前記平面状の上面に水平又は略水平に引き継いでプールすることができ」、「前記果菜引受け体の平ベルトを、果菜が水平又は略水平に送り込まれるときに、果菜搬送ラインの搬送方向側方であって前記果菜が送り込まれる方向に果菜約1個分の距離だけ間欠運転させてその間欠運転による前記平ベルトの回転により、当該平ベルトの平面状の上面に水平又は略水平に送り込まれる果菜を水平又は略水平に引継ぎ、果菜送り込み時の前記間欠運転の繰り返しにより、前記果菜キャリアの果菜載置部から送り込まれる果菜を前記果菜引受け体の平ベルトの前記平面状の上面に水平又は略水平に二以上プール」するのに対して、甲1発明1においては、「受けベルト15は、その上面が果菜物であるキューイKを受ける凹状の受け部15aを所定等間隔に隔てて形成した形状であり、その上面が受け台8の果菜物を載置する部分より下位の高さで水平又は略水平に配置され、果菜物であるキューイKが整列コンベア5の受けベルト15の上面に形成された凹状の受け部15aにシュートを介して移載されると、光電センサ20による検知に基づいて間欠的な回転駆動して、当該果菜物であるキューイKを前記受けベルト15の上面に引き継いでプールすることができ」、「前記整列コンベア5の受けベルト15を、果菜物であるキューイKが前記凹状の受け部15aにシュートを介して移載されると、振分けコンベア2の搬送方向側方であって前記果菜物であるキューイKが移載される方向に1搬送ピッチ分だけ間欠的な回転駆動させてその間欠的な回転駆動による前記受けベルト15の回転により、当該記受けベルト15の上面に移載される果菜物であるキューイKを引継ぎ、果菜物であるキューイKの移載時の間欠的な回転駆動の繰り返しにより、前記受け台8の果菜物を載置する部分から移載される果菜物であるキューイKを前記整列コンベア5の受けベルト15の前記果菜物であるキューイKを受ける凹状の受け部15aを所定等間隔に隔てて形成した形状の上面に水平又は略水平に二以上プールする」点(以下、「相違点1-6」という。)。 キ 相違点1-7 「所定の計測装置を備えた等階級計測部を通過させてその通過中に果菜の少なくとも果菜の大きさを計測」することに関し、本件発明1においては、「画像処理による計測装置を備えた等階級計測部を通過させてその通過中に果菜の少なくとも大きさと形状を画像処理により計測」するのに対して、甲1発明1においては、「サイズを読取るサイズセンサ11と、品質を読取る品質センサ12と、重量を計量する重量センサ13を備えた判定部3を通過させてその通過中に果菜物であるキューイKの少なくともサイズ・品質・重量を計測」する点(以下、「相違点1-7」という。)。 (2)判断 請求人は、本件発明1に対して、甲第1号証に記載された発明に甲第2号証に記載された発明(技術)を適用する場合と、甲第1号証に記載された発明に甲第3号証に記載された発明(技術)を適用する場合の主張をするので、それぞれの場合について以下検討を行う。 ア 甲1発明1に甲2技術1を適用する場合について (ア)甲2技術1の本件発明1との対応関係について 上記相違点1-1ないし1-7の検討にあたり、まず、甲2技術1について、本件発明1の用語で表現するために本件発明1との対応関係を検討する。 ・甲2技術1における「仕分けシュートCの領域」は本件発明1における「仕分排出部」に相当し、以下同様に、「ユニットフレーム21」は「フレーム」に、「移送シート49」は「搬送ベルト」に、それぞれ相当する。 ・甲2技術1における「搬送ユニット1」は、本件発明1における「果菜キャリア」に、「物品キャリア」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術1における「搬送路A」は、本件発明1における「果菜搬送ライン」に、「物品搬送ライン」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術1における「薄物や不定形品などの小物類である搬送物P」又は「搬送物P」は、本件発明1における「果菜」に、「物品」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術1における「投入路Bから薄物や不定形品などの小物類である搬送物Pが移送される領域」は、本件発明1における「果菜供給部」に、「物品供給部」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術1における「搬送物Pを前記搬送ユニット1に載せ」は、本件発明1における「果菜搬送ラインの幅方向側方から作業員がトマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を前記果菜キャリアに載せ」に、「物品を前記物品キャリアに載せ」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術1における「仕分けコード番号」は、本件発明1における「等階級計測部での判別結果」又は「計測に基づく等階級判別」に、「仕分け情報」という限りにおいて一致する。 そして、甲2技術1における「前記搬送路Aの仕分けシュートCの領域において、搬送物P搬送中の前記搬送ユニット1を回動させてその上の搬送物Pを仕分けコード番号に応じて搬送物P搬送方向側方に送り出す」は、本件発明1における「前記果菜搬送ラインの等階級計測部において、果菜キャリアで搬送される果菜を計測して果菜の等階級を判別し、前記果菜搬送ラインの仕分排出部において、果菜搬送中の前記果菜キャリアを回動させてその上の果菜を前記等階級計測部での判別結果に応じて果菜搬送方向側方に送り出す」に、「物品搬送ラインの仕分排出部において、物品搬送中の物品キャリアを回動させてその上の物品を仕分け情報に応じて物品搬送方向側方に送り出す」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術1における「搬送物Pを自動的に仕分ける方法」は、本件発明1における「果菜自動選別送り出し方法」に、「物品自動選別送り出し方法」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術1における「ガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52」は、これらガイドローラ51及び補助ガイドローラ52を回動自在に支持する軸部材、すなわちピンを有していることは明らかであるから、本件発明1における「スライドピン」に相当する。 そして、甲2技術1における「移送シート49に左右一対のバー48a、48b、チェーンベルト42及び枠部材37を介して連結されたガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52」は、本件発明1における「搬送ベルトに連結されたスライドピン」に相当する。 ・甲2技術1における「上位の固定チェーンホイール40」は、本件発明1における「回転ローラ」に、「回転体」という限りにおいて一致する。 また、甲2技術1における「ユニットフレーム21の左右方向一方側と他方側」は、本件発明1における「フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側」に、「フレームの物品搬送方向側方の一方側と他方側」という限りにおいて一致する。 そして、甲2技術1における「前記ユニットフレーム21の左右方向一方側と他方側にそれぞれ搬送物P搬送方向にみて一対の上位の固定チェーンホイール40が回転可能に取り付けられ」は、本件発明1における「前記フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転ローラが回転可能に取り付けられ」に、「前記フレームの物品搬送方向側方の一方側と他方側に回転体が回転可能に取り付けられ」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術1において、「前記移送シート49」は、「ユニットフレーム21の左右方向一方側に設けられた一方側の上位の固定チェーンホイール40と左右方向他方側に設けられた他方側の上位の固定チェーンホイール40の間に張架され、両側をそれぞれ可動チェーンホイール32,32に巻回されて折り返されたのち、下位の固定チェーンホイール41,41に巻回されて再び折り返されたのち、両端部を移動フレーム31の枠部材37の両端部にそれぞれ固着した一対のチェーンベルト42,42に、左右方向で対向する上位の固定チェーンホイール40,40の間隔とほぼ等しい間隔をもって軸止した一対のバー48に両側縁が結着され」ることにより、一対のチェーンベルト42,42によって、一方側の上位の固定チェーンホイール40と他方側の上位の固定チェーンホイール40に支持されるように配置されたことになるから、甲2技術1における「前記移送シート49は、ユニットフレーム21の左右方向一方側に設けられた一方側の上位の固定チェーンホイール40と左右方向他方側に設けられた他方側の上位の固定チェーンホイール40の間に張架され、両側をそれぞれ可動チェーンホイール32,32に巻回されて折り返されたのち、下位の固定チェーンホイール41,41に巻回されて再び折り返されたのち、両端部を移動フレーム31の枠部材37の両端部にそれぞれ固着した一対のチェーンベルト42,42に、左右方向で対向する上位の固定チェーンホイール40,40の間隔とほぼ等しい間隔をもって軸止した一対のバー48に両側縁が結着され」は、本件発明1における「前記搬送ベルトは、フレームの果菜送り出し方向先方側に設けられた先方側の回転ローラと、果菜送り出し方向後方側に設けられた後方側の回転ローラの外周に、平坦に一周巻かれ」に、「前記搬送ベルトは、フレームの物品搬送方向側方の一方側に設けられた一方側の回転体と、物品搬送方向側方の他方側に設けられた他方側の回転体の外周に支持されるように配置され」という限りにおいて一致する。 また、甲2技術1における「仕分けシュートC」は、本件発明1における「果菜引受け体」に、「物品引き受け体」という限りにおいて一致する。 そうすると、甲2技術1における「前記移送シート49」は、「その上側部分が略平坦な状態で略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は移送シート49の上面側が搬送路Aの側方に配置された仕分けシュートC方向に移動する回動であり、復回動は移送シート49の上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり」は、本件発明1における「前記搬送ベルトは」、「その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面側が果菜搬送ラインの一側方のみに配置された果菜引受け体方向に移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり」に、「前記搬送ベルト」は、「その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面側が物品搬送ラインの側方に配置された物品引受け体方向に移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術1における「中央位置で窪む窪み面45を有する左右方向を円弧状に形成した受板46とこの受板46に重合される緩衝シート47の面上に重合して左右方向に移動する移送シート49の上面領域からバー48a,48bと結着した両側縁領域を省いた領域である載置領域」又は「載置領域」は、本件発明1における「果菜載置部」に、「物品載置部」という限りにおいて一致する。 そして、甲2技術1における「夫々の搬送ユニット1の移送シート49の上側部分の一部に、搬送物Pを載せ置くことのできる中央位置で窪む窪み面45を有する左右方向を円弧状に形成した受板46とこの受板46に重合される緩衝シート47の面上に重合して左右方向に移動する移送シート49の上面領域からバー48a,48bと結着した両側縁領域を省いた領域である載置領域が設けられ」は、本件発明1の「夫々の果菜キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を載せ置くことのできる果菜載置部が設けられ」に、「夫々の物品キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、物品を載せ置くことのできる物品載置部が設けられ」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術1における「前記ガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52はユニットフレーム21の底板26より下方に突出しており」は、本件発明1における「前記スライドピンはその下端側が前記開口を貫通してフレームの底面下方に突出しており」に、「前記スライドピンはその下端側がフレームの底面下方に突出しており」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術1における「前記仕分けシュートCの領域において、前記仕分けコード番号に応じて、搬送ユニット1の移送シート49を搬送路Aの側方に往回動させて、当該移送シート49の載置領域の上の搬送物Pを略水平に移動させることにより、搬送物P搬送方向側方に配置された前記仕分けシュートCに送り出し」は、本件発明1における「前記仕分排出部において、前記計測に基づく等階級判別に応じて、果菜キャリアの搬送ベルトを果菜搬送ラインの側方に往回動させて、当該搬送ベルトの果菜載置部の上の果菜を水平又は略水平に移動させることにより、果菜搬送方向側方に配置された前記果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り出し」に、「前記仕分排出部において、前記仕分け情報に応じて、物品キャリアの搬送ベルトを物品搬送ラインの側方に往回動させて、当該搬送ベルトの物品載置部の上の物品を水平又は略水平に移動させることにより、物品搬送方向側方に配置された前記物品引受け体に送り出し」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術1における「可動切換ガイド部片55、固定切換ガイド部片59及び側方ガイド板60,61」は、本件発明1における「往ガイド」に相当する。 そして、甲2技術1における「前記移送シート49の往回動は、移動される搬送ユニット1のガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52が、搬送路Aの下方に設けられた可動切換ガイド部片55、固定切換ガイド部片59及び側方ガイド板60,61に案内されて移動することにより行われ」は、本件発明1における「前記搬送ベルトの往回動は、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、果菜搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われ」に、「前記搬送ベルトの往回動は、移動される物品キャリアのスライドピンが、物品搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されて移動することにより行われ」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術1における「前記往回動させた搬送ユニット1の移送シート49を、前記搬送物P送り出し後の移動中に前記往回動と反対側に復回動させて、当該移送シート49の搬送物Pを載せる載置領域を元の位置に復帰させることにより、前記多数の搬送ユニット1の載置領域を搬送方向に一列又は略一列に並べ」は、本件発明1における「前記往回動させた果菜キャリアの搬送ベルトを、前記果菜送り出し後の移動中に前記往回動と反対側に復回動させて、当該搬送ベルトの果菜載置部を元の位置に復帰させることにより、前記多数の果菜キャリアの果菜載置部を搬送方向に一列又は略一列に並べ」に、「前記往回動させた物品キャリアの搬送ベルトを、前記物品送り出し後の移動中に前記往回動と反対側に復回動させて、当該搬送ベルトの物品を載せる物品載置部を元の位置に復帰させることにより、前記多数の物品キャリアの物品載置部を搬送方向に一列又は略一列に並べ」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術1における、「復元用ガイド板」は、本件発明1における「戻りガイド」に相当する。 そして、甲2技術1における「前記移送シート49の復回動は、搬送物P送り出し後に、移動される搬送ユニット1のガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52が、前記搬送路Aの下方に設けられた復元用ガイド板に案内されて移動することにより行われ」は、本件発明1における「前記搬送ベルトの復回動は、果菜送り出し後に、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、前記果菜搬送ラインの下方に設けられた戻りガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われ」に、「前記搬送ベルトの復回動は、物品送り出し後に、移動される物品キャリアのスライドピンが、前記物品搬送ラインの下方に設けられた戻りガイドに案内されて移動することにより行われ」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術1における「それら復帰した搬送ユニット1の載置領域に、前記投入路Bから搬送物Pが移送される領域において、搬送物Pを一つずつ載せることができるようにした」は、本件発明1における「それら復帰した果菜キャリアの果菜載置部に、前記果菜供給部において、作業員が、果菜搬送ラインの搬送方向側方から果菜を一つずつ載せることができるようにした」に、「それら復帰した物品キャリアの物品載置部に、前記物品供給部において、物品を一つずつ載せることができるようにした」という限りにおいて一致する。 そうすると、甲2技術1は、本件発明1の用語及び本件発明1の上位概念の用語で表現すると、「物品キャリアが多数設けられた物品搬送ラインの物品供給部において、物品を前記物品キャリアに載せ、前記物品搬送ラインの仕分排出部において、物品搬送中の前記物品キャリアを回動させてその上の物品を仕分け情報に応じて物品搬送方向側方に送り出す、物品自動選別送り出し方法において、 前記物品キャリアの夫々はフレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトと、搬送ベルトに連結されたスライドピンを備えた往復回動式のベルトコンベアであり、 前記フレームの物品搬送方向側方の一方側と他方側に回転体が回転可能に取り付けられ、 前記搬送ベルトは、フレームの物品搬送方向側方の一方側に設けられた一方側の回転体と、物品搬送方向側方の他方側に設けられた他方側の回転体の外周に支持されるように配置され、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面側が物品搬送ラインの側方に配置された物品引受け体方向に移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり、 夫々の物品キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、物品を載せ置くことのできる物品載置部が設けられ、 前記スライドピンはその下端側がフレームの底面下方に突出しており、 前記仕分排出部において、前記仕分け情報に応じて、物品キャリアの搬送ベルトを物品搬送ラインの側方に往回動させて、当該搬送ベルトの物品載置部の上の物品を水平又は略水平に移動させることにより、物品搬送方向側方に配置された前記物品引受け体に送り出し、 前記搬送ベルトの往回動は、移動される物品キャリアのスライドピンが、物品搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されて移動することにより行われ、 前記往回動させた物品キャリアの搬送ベルトを、前記物品送り出し後の移動中に前記往回動と反対側に復回動させて、当該搬送ベルトの物品を載せる物品載置部を元の位置に復帰させることにより、前記多数の物品キャリアの物品載置部を搬送方向に一列又は略一列に並べ、 前記搬送ベルトの復回動は、物品送り出し後に、移動される物品キャリアのスライドピンが、前記物品搬送ラインの下方に設けられた戻りガイドに案内されて移動することにより行われ、 それら復帰した物品キャリアの載置領域に、前記物品供給部において、物品を一つずつ載せることができるようにした技術。」といえる。 (イ)甲1発明1に甲2技術1を適用する動機付けについて 甲1発明1は、キューイ等の果菜を選別する方法に関するものであり、また、甲2技術1は、薄物や不定形品などの小物類を自動的に仕分ける方法に関するものであるから、甲1発明1と甲2技術1とは、物品を選別・搬送する方法に関する技術として共通しているといえる。 また、両者が搬送する物品は、甲1発明1では、キューイ等の果菜であるのに対して、甲2技術1では、薄物や不定形品などの小物類であるから、物品の大きさや性状に大きな相違はない。このことは、甲第5号証において、「各種の品物を、大きさ(サイズ)別、重量別などに自動的に選別してより分ける選別装置」と記載され(段落【0001】)、「従来より小荷物、果菜その他の各種品物を大きさ、重量、形状等の条件に基づいて自動的に選別する装置には種々のものがあった」として、従来技術について、特に小荷物と果菜とを区別しておらず、「特にいたみやすい果菜の自動選別」(段落【0002】として、傷みやすい搬送物の典型として特に果菜を挙げながらも、請求項1において、搬送物につき「果菜や小荷物等」との記載をしており、対象とする物品が、果菜と小荷物等とで異なるとしても、これらの物品を選別、搬送する装置としては、同一の技術分野に属するものと捉えていることが明らかである。しかも、果菜が傷みやすく傷付きやすいとはいえ、甲第5号証にも示されるように、従来から、果菜を選別して搬送方向から側方に送り出す際であっても、容器を傾倒する方式が採用されていたのであるから、破損しやすい小物類との間で、技術分野が異なるというほどに相違するものではない。 さらに、甲1発明1は、上記1(1)ウに記載されているとおり、キューイを転動させて受けボックス内に整列させると、受けボックスの下流側内壁面にキューイが当接したり、キューイの相互接触により、キューイの外周面に打ち傷や擦り傷が付いたりすることがあり、キューイの商品価値が損なわれるという問題点を解決するために、コンベアの搬送面上に形成した果菜載置部に果菜物を個々に載置し、果菜物を所定間隔に離間した姿勢に保持して搬送することで、搬送中における果菜物の接触及び衝突を防止することとしたものであるところ、搬送物を選別振り分けする際に、搬送物が壁等の設備に衝突することを防止したり、搬送物同士の相互接触を防止したりするという課題は、ボックス内に整列させる際のみならず、選別・搬送の全過程を通じて内在していることは明らかである。そして、甲1発明1は、振り分けコンベアの受け台が、載置された搬送品を搬送方向側方に送り出す際に、搬送方向側方に向けて傾動可能な構成であるところ、傾動させて搬送品を搬送方向側方に送り出すには、ある程度の落下による衝撃、あるいは、接触時に衝撃が生じ、搬送品に損傷や破損の生じるおそれがあることは、甲第5号証(特に、段落【0005】ないし【0008】及び【0015】)において、従来技術の秤量バケットEを可倒させて、果菜Bを転がして落とす自動選別装置における傷が付いたり、つぶれたりするという問題を解決するために、バケット式の果菜載せ体をベルト式の果菜載せ体に置換したされるように、その構成自体から明らかな周知の課題である。 一方、甲2技術1は、上記2(1)エに記載されているとおり、従来の傾動可能なトレイを備えた方式の場合は、搬送物同士の衝合による損傷や破損の生じるおそれがあり、破損しやすい搬送物の搬送には不向きであるという課題を解決するものである。 そうすると、甲1発明1と甲2技術1は、課題としての共通性もある。 以上を総合すると、甲1発明1の振分けコンベアの搬送方向側方に向けて傾動可能な構成において生じる搬送品の損傷、破損という技術課題を解決するために、甲1発明1に甲2技術1を適用する動機付けが存在するといえる。 (ウ)相違点1-1について a 甲1発明1において、甲2技術1を適用すると、上記相違点1-1に係る本件発明1の発明特定事項について、「前記果菜キャリアの夫々はドライブチェーンに取付けるフレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトと、搬送ベルトに連結されたスライドピンを備えた往復回動式のベルトコンベアであり」、「前記フレームの果菜搬送方向側方の一方側と他方側に回転体が回転可能に取り付けられ」、「前記搬送ベルトは、フレームの果菜搬送方向側方の一方側に設けられた一方側の回転体と、果菜搬送方向側方の他方側に設けられた他方側の回転体の外周に支持されるように配置されて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面側が果菜搬送ラインの側方に配置された果菜引受け体方向に移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり」、「前記スライドピンはその下端側がフレームの底面下方に突出しており」、「前記搬送ベルトの往回動は、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、果菜搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されて移動することにより行われ」、「前記往回動させた果菜キャリアの搬送ベルトを、果菜送り出し後の移動中に前記往回動と反対側に復回動させて、当該搬送ベルトの果菜を載せる果菜載置部を元の位置に復帰させることにより、前記多数の果菜キャリアの果菜載置部を搬送方向に一列又は略一列に並べ、前記搬送ベルトの復回動は、果菜送り出し後に、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、前記果菜搬送ラインの下方に設けられた戻りガイドに案内されて移動することにより行われ」るという事項を備えたものとなるが、次の事項を備えたものとはならない。 (a)果菜キャリアは果菜送り出し方向先方側と後方側に間隔をあけて平行に配置された二本のドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられ、フレームは、果菜送り出し方向先方側と後方側に取付け部を備え、先方側の取付け部は前記先方側のドライブチェーンに、後方側の取付け部は前記後方側のドライブチェーンに取り付けられていること(以下、「特定事項1-ア-A」という。)。 (b)フレームはその底面に、果菜送り出し方向に細長の開口を備え、搬送ベルトに連結されたスライドピンはその下端側が前記開口を貫通し、前記スライドピンが前記開口内を移動すること(以下、「特定事項1-ア-B」という。)。 (c)フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転ローラが回転可能に取り付けられること(以下、「特定事項1-ア-C」という。)。 (d)先方側の回転ローラの少なくとも一部はフレームの果菜引受け体側の端部よりも当該果菜引受け体側に突出し、かつ先方側のドライブチェーンよりも当該果菜引受け体側に突出していること(以下、「特定事項1-ア-D」という。)。 (e)搬送ベルトは、フレームの果菜送り出し方向先方側に設けられた先方側の回転ローラと、果菜送り出し方向後方側に設けられた後方側の回転ローラの外周に、平坦に一周巻かれていること(以下、「特定事項1-ア-E」という。)。 (f)果菜引受け体を果菜搬送ラインの一側方のみに配置すること(以下、「特定事項1-ア-F」という。)。 b そこで、甲1発明1において、上記特定事項1-ア-Aないし1-ア-Fを備えることができるかについて検討する。 (a)特定事項1-ア-Fについて 果菜引受け体を果菜搬送方向の一側のみに設けるか、両側に設けるかは、果菜自動選別送り出し装置の設置スペース、選別する果菜の処理量、作業者における作業の容易性、果菜選別前後の作業を含めた作業全体の効率等の作業場所の環境を考慮して、当業者が適宜選択する事項である(必要であれば、果菜引受け体を果菜搬送方向の一側のみに設けた例として、甲第4号証(特に、第1図)及び甲第5号証(特に、図1)を参照。なお、甲第1号証の第2図も参照。)。 そうすると、甲1発明1において、整列コンベア5(本件発明1の「果菜引受け体」に相当。以下、括弧内に本件発明1ないし4の対応する用語を記載することがある。)を振分けコンベア2(果菜搬送ライン)の一側方のみに配置し、特定事項1-ア-Fを備えることは、当業者が適宜なし得たことである。 (b)特定事項1-ア-Bについて 特定事項1-ア-Bについて 甲第9ないし11号証に記載されているように、「物品キャリアが多数設けられた物品搬送ラインの物品供給部において、物品を載せ、前記物品搬送ラインの仕分排出部において、物品搬送中の前記物品キャリアを回動させてその上の物品を物品搬送方向側方に送り出す、物品を選別・搬送する方法に用いられる物品キャリアであって、フレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトと、搬送ベルトに連結されたスライドピンを備えた往復回動式のベルトコンベアであり、前記搬送ベルトは、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記搬送ベルトの往回動は、移動される物品キャリアのスライドピンが、物品搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されて移動することにより行われ、前記搬送ベルトの復回動は、物品送り出し後に、移動される物品キャリアのスライドピンが、前記物品搬送ラインの下方に設けられた復元用ガイドに案内されて移動することにより行われる物品キャリアにおいて、フレームは、その底面に、物品送り出し方向に細長の開口を備え、前記スライドピンはその下端側が前記開口を貫通してフレームの底面下方に突出しており、スライドピンが、フレームの前記開口内を移動するようにすること」は、原出願の出願前において周知の技術(以下、「周知技術1A」という。)である(甲第9号証については、第3ページ右上欄第17行ないし第5ページ右下欄第5行及び第3ないし10図の記載(特に、第3ページ右下欄第3ないし10行の「また、上記コロ7は上記移動枠3の下部に取付けられた支持杆30の下端部に上記ピン8を介して軸支され、このコロ7及びピン8は上記ベース11の開口部31から下方に突出し、コロ7は搬送路2中央部の一対の案内レール32間や搬送路2両側部の一対の案内レール33間に係合し、ピン8は搬送路の切換えガイド34等に係合するようになっている。」という記載並びに第3ないし6図の記載)を参照。甲第10号証については、第4欄第25行ないし第8欄第4行及び第1ないし7図の記載(特に、第5欄第37ないし43行の「また、上記コロ7は上記移動枠3の下部に取付けられた支持杆30の下端部に上記ピン8を介して軸支され、このコロ7及びピン8は上記ベース11の開口部31から下方に突出し、コロ7は搬送路2中央部の一対の案内レール32間や搬送路2両側部の一対の案内レール33間に係合し、ピン8は搬送路2の切換えガイド34等に係合するようになっている。」との記載及び第1ないし4図の記載)を参照。甲第11号証については、第7欄第7行ないし第11欄第46行及び第1ないし10図の記載(特に、第9欄第1ないし7行の「また、上記コロ7は上記移動枠3の下部に取付けられた支持杆30の下端部に上記ピン8を介して軸支され、このコロ7及びピン8は上記ベース11に形成された開口部31から下方に突出し、コロ7は搬送路2a中央部の一対の案内レール32間や搬送路2a両端部の一対の案内レール33間に係合し、ピン8は搬送路2aの切換えガイド34等に係合するようになっている。」との記載及び第3ないし6図の記載)を参照。)。 そして、周知技術1Aが、フレームの底面に、物品送り出し方向に細長の開口を備えることにより、スライドピンの下端側をフレームの底面下方に突出させても、フレームの底面の面積を極力大きくすることができ、それによって、物品キャリアから落下する残滓が減少し、物品キャリア下方の清掃等のメンテナンスの頻度を少なくすることができ、また、フレームの強度が低下するのを防止できることは、当業者が容易に認識し得ることであるから、甲1発明1において、甲2技術1とともに周知技術1Aを適用し、特定事項1-ア-Bを備えることは、当業者が容易に想到できたことである。 (c)特定事項1-ア-Aについて 甲第5号証及び甲第9号証に記載されているように、「物品キャリア」を「間隔をあけて平行に配置されたドライブチェーンにその走行方向に多数取付け」ることは、原出願の出願前において周知の技術(以下、「周知技術2」という。)である(甲第5号証については、段落【0011】及び【0012】並びに図1ないし5の記載を参照。甲第9号証については、第1ページ右下欄第6ないし20行の「たとえば、品物を搬送路に沿って搬送し、この品物を品種別や発送先別に分けて搬出するようにした搬送装置として、実公昭57-48813号公報に示されたものがある。この搬送装置は、並行する一対の無端チェン間に掛け渡した連結棒(搬送体)に、品物支持用のスラット(移動体)を連結棒(搬送体)の移動方向と交差する方向に移動可能に設け、このスラット(移動体)上に品物を支持して搬送し、スラット(移動体)に設けたピンと、斜行ガイドレールとの係合により、品物を搬送しているスラット(移動体)を側方に移動させたり、スラット(移動体)に設けたピンと、直行ガイドレールとの係合により、スラット(移動体)を直進させたりするものである。」との記載を参照。)。 そして、甲1発明1に甲2技術1を適用したものにおいて、スライドピンによる搬送ベルトの動作を妨げないように、果菜キャリア(甲1発明1の「受け台8」が相当。)のフレームはドライブチェーン(甲1発明1の「ガイドチェーン7」が相当。)に取り付けられるところ、その取り付け状態によっては果菜キャリアの走行が不安定となるため、果菜キャリアの安定した走行を可能とすべく、果菜キャリアをドライブチェーンに取り付けることは当然に考慮されることであるから、果菜引受け体を果菜搬送ラインの一側方のみに配置した甲1発明1において、甲2技術1とともに周知技術2を適用することにより、果菜キャリアを果菜送り出し方向先方側と後方側に間隔をあけて平行に配置された二本のドライブチェーンにその走行方向に多数取付け、フレームに、果菜送り出し方向先方側と後方側に取付け部を備え、先方側の取付け部が前記先方側のドライブチェーンに、後方側の取付け部は前記後方側のドライブチェーンに取り付けて、特定事項1-ア-Aを備えることは、当業者が容易に想到できたことである。 (d)特定事項1-ア-Cないし1-ア-Eについて 甲第5号証(特に、図2、3及び5)に見られるように、ベルトコンベアにおいて、回転体の一部がフレームの物品搬送方向側の端部よりも物品搬送方向側に突出するようにしたものは、原出願の出願前にごく普通に知られている。 そして、果菜引受け体を果菜搬送ラインの一側方のみに配置した甲1発明1に甲2技術1を適用したものにおいて、フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転体が回転可能に取り付けられたものとなるところ、果菜キャリアから果菜引受け体に果菜を送り出す際に、円滑な果菜の引継ぎを行うために、果菜キャリアのベルトコンベアの果菜を送り出す側の端部と果菜引受け体の果菜を受ける側の端部とを連続的に設けることは通常の設計手法であって、そのような設計手法を採用した場合に、果菜引受け体の果菜を受ける側の端部(整列コンベア5に付設されたシュートの果菜を受ける側の端部)や先方側のドライブチェーンとの位置関係に応じて、先方側の回転体の少なくとも一部はフレームの果菜引受け体側の端部よりも当該果菜引受け体側に突出し、かつ先方側のドライブチェーンよりも当該果菜引受け体側に突出したものとすることは、当業者が適宜なし得る設計的事項である。 また、ベルトコンベアにおいて、搬送ベルトを、フレームの物品搬送方向側方の一方側に設けられた一方側の回転ローラと、物品搬送方向側方の他方側に設けられた他方側の回転ローラの外周に、平坦に一周巻いたものは、原出願の出願前に技術常識として知られていることである。 しかしながら、甲1発明1において、受け台8を、甲2技術1に基づいて、移送シート49を常態で中間部で窪んだ常態とし、搬送物を安定した保持するようにした往復回動式のベルトコンベアに置換したものを,さらに、技術常識として知られたベルトコンベアに置換することには、積極的な動機付けがない。 むしろ、甲第2号証の段落【0005】における「移送ベルトを水平回転させる方式の場合、移送ベルトの表面が水平面であることにより搬送の過程でビンや缶などの円筒物が転動して落下する惧れがあり、また仕分け時に移送ベルトが静止状態から急回転するので、重心の不安定な搬送物は慣性により仕分け方向と反対方向に転動する惧れがあって仕分けの確実性が劣るなどの不都合があった。」との記載によれば、甲2技術1による往復回動式のベルトコンベアを、技術常識として知られたベルトコンベアに置換することは阻害要因があるともいえる。 そうすると、甲1発明1において、特定事項1-ア-Cないし1-ア-Eを備えることは、当業者が容易に想到できたことではない。 c 以上のとおりであるから、甲1発明1において、甲2技術1、周知技術1A及び周知技術2を考慮したとしても、上記相違点1-1に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことではない。 (エ)相違点1-2について a 甲1発明1において、甲2技術1を適用すると、上記相違点1-2に係る本件発明1の発明特定事項について、「果菜搬送ラインの仕分排出部において、果菜搬送中の果菜キャリアを回動させてその上の果菜を等階級計測部での判別結果に応じて果菜搬送方向側方に送り出す」のに、「果菜キャリアの搬送ベルトを果菜搬送ラインの側方に往回動させて、当該搬送ベルトの果菜載置部の上の果菜を水平又は略水平に移動させることにより、果菜搬送方向側方に配置された果菜引受け体の平ベルトの上面に送り出し」するという事項を備えたものとなるが、次の事項を備えたものとはならない。 (a)搬送ベルトの果菜載置部の上の果菜を果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り出しすること(以下、「特定事項1-ア-G」という。)。 b そこで、甲1発明1において、上記特定事項1-ア-Gを備えることができるかについて検討する。 甲1発明1において、受け台8を甲2技術1による往復回動式のベルトコンベアに置換したとしても、果菜は、上位に位置する往復回動式のベルトコンベアから下位に位置する果菜引き受け体である整列コンベア5の受けベルト15の上面にシュートを介して移動することになるところ、請求人が、弁駁書において特許第2651470号公報を例証として主張するように、原出願の出願前に、複数のコンベア間で、物品を水平又は略水平に移載することが一般常識であるとしても、甲1発明1において、果菜物であるキューイKが整列コンベア5の受けベルト15の上面に形成された凹状の受け部15aにシュートを介して移載されるようにしたのは、甲第1号証の上記1(1)カ及びキの記載によると、果菜物であるキューイKを吸着ユニット35による吸着に適した所定間隔に離間して保持するために設けられた整列コンベア5の受けベルト15の上面に形成された凹状の受け部15aに対して、果菜物であるキューイKを確実に移載するためといえるから、これに代えて一般常識を採用するのは困難である。 c そうすると、甲1発明1において、特定事項1-ア-Gを備えることはできないから、上記相違点1-2に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことではない。 (オ)相違点1-3について a 甲1発明1において、甲2技術1を適用すると、上記相違点1-3に係る本件発明1の発明特定事項について、「夫々の果菜キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、果菜を載せ置くことのできる果菜載置部が設けられ」るという事項を備えたものとなるが、次の事項を備えたものとはならない。 (a)トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を載せ置くことのできる果菜載置部(以下、「特定事項1-ア-H」という。)。 b そこで、甲1発明1において、上記特定事項1-ア-Hを備えることができるかについて検討すると、甲1発明1に甲2技術1を適用したものにおいて、夫々の果菜キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、キューイKを載せ置くことのできる果菜載置部が設けられたものとなるところ、キューイは転がりやすく、衝突等により傷みやすい果菜であり、同様の果菜として、トマト、桃、梨、メロンが存在することは、当業者であるか否かを問わず、原出願の出願前によく知られていること(必要であれば、甲第5号証の段落【0005】及び【0006】において、トマトと桃が傷みやすい果菜として例示されているので参照。)であるから、果菜物を載置する部分(果菜載置部)に載置することができる果菜を、キューイに代えて、トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜とし、特定事項1-ア-Hを備えることは、当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎない。 c そうすると、甲1発明1において、上記相違点1-3に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が適宜なし得たことである。 (カ)相違点1-4について a 甲1発明1において、甲2技術1を適用すると、上記相違点1-4に係る本件発明1の発明特定事項について、「それら復帰した果菜キャリアの果菜載置部に、前記果菜供給部において、果菜を一つずつ載せることができるようにした」という事項を備えたものとなるが、次の事項を備えたものとはならない。 (a)果菜キャリアの果菜載置部の上に、果菜供給部において、作業員が、果菜搬送ラインの搬送方向側方から果菜を一つずつ載せることができるようにしたこと(以下、「特定事項1-ア-I」という。)。 b そこで、甲1発明1において、上記特定事項1-ア-Iを備えることができるかについて検討すると、甲第4号証(特に、第3ページ左下欄第18行ないし右下欄第4行及び第4ページ左上欄第5ないし7行並びに第1図)には、果菜自動選別送り出し方法及び装置において、果菜供給部における果菜を載せる手段として、果菜搬送ラインの搬送方向側方から作業員が果菜を載せる技術が記載されており、当該技術は原出願の出願前に周知の技術(以下、「周知技術3」という。)である。 また、甲1発明1に甲2技術1を適用したものにおいては、果菜送り出し後に、復帰した果菜キャリアの果菜載置部に、果菜供給部において、果菜を一つずつ載せることができるようにされたものとなる。 そして、甲1発明1において、甲2技術1を適用するとともに、供給部9(果菜供給部)における果菜を載せる手段として、周知技術3を採用することにより、特定事項1-ア-Iを備えることになる。 c そうすると、甲1発明1において、甲2技術1を適用するとともに、周知技術3を採用することにより、上記相違点1-4に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 (キ)相違点1-5について 上記(ウ)b(a)の特定事項1-ア-Fについての検討でも述べたとおり、果菜引受け体を果菜搬送方向の一側のみに設けるか、両側に設けるかは、果菜自動選別送り出し装置の設置スペース、選別する果菜の処理量、作業者における作業の容易性、果菜選別前後の作業を含めた作業全体の効率等の作業場所の環境を考慮して、当業者が適宜選択する事項である(必要であれば、果菜引受け体を果菜搬送方向の一側のみに設けた例として、甲第5号証(特に、図1)を参照。なお、甲第1号証の第2図も参照。)。 そうすると、甲1発明1において、振分けコンベア2(果菜搬送ライン)の振分け部4(仕分け排出部)の一側方のみに、受けベルト15(平ベルト)が回転するベルトコンベア式の整列コンベア5(果菜引受け体)が、果菜物であるキューイK(果菜)搬送方向に作業間隔をあけて二以上配置されるようにし、上記相違点1-5に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が適宜なし得たことである。 (ク)相違点1-6について a 甲1発明1においては、果菜物であるキューイKが受け台8の果菜物を載置する部分からその下位に位置する整列コンベア5の受けベルト15の上面に形成された凹状の受け部15aにシュートを介して移載されると、光電センサ20による検知に基づいて受けベルト15を1搬送ピッチ分だけ間欠的な回転駆動して、果菜物であるキューイKを受けベルト15の上面に引き継いでプールするものであり、果菜が果菜キャリアの果菜載置部からその下位に位置する果菜引受け体の平ベルトの上面に送り込まれた後に、平ベルトを1搬送ピッチ分だけ間欠運転して、果菜を平ベルトの上面に引き継いでプールするものといえ、本件発明1のように果菜が果菜キャリアの搬送ベルトの果菜載置部から搬送ベルトの上面と同じ又は略同じ高さの果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り込まれるときに平ベルトを果菜約1個分の距離だけ間欠運転して、果菜を平ベルトの上面に水平又は略水平に引き継いでプールするものではないところ、上記(エ)の相違点1-2についての検討を踏まえると、甲1発明1において、果菜を果菜キャリアの果菜載置部から平ベルトの上面に水平又は略水平に引き継ぐものとすることはできず、また、果菜が果菜キャリアの搬送ベルトの果菜載置部から搬送ベルトの上面と同じ又は略同じ高さの果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り込まれるときに平ベルトを果菜約1個分の距離だけ間欠運転して、果菜を平ベルトの上面に水平又は略水平に引き継いでプールすることについては、請求人が提出した各甲号証には記載も示唆もされていない。 ところで、甲1発明1において、受けベルト15を1搬送ピッチ分だけ間欠的な回転駆動するところ、果菜物であるキューイKを吸着ユニット35による吸着に適した所定間隔に離間させるものであり、所定間隔が、果菜物であるキューイKの箱詰めをするための間隔であることを考慮すると、受けベルト15を果菜約1個分の距離だけ間欠な回転駆動するように構成することは、当業者が適宜なし得ることである。 そうすると、甲1発明1において、果菜が果菜キャリアの搬送ベルトの果菜載置部から搬送ベルトの上面と同じ又は略同じ高さの果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り込まれるときに平ベルトを果菜約1個分の距離だけ間欠運転して、果菜を平ベルトの上面に水平又は略水平に引き継いでプールすることは、当業者が容易に想到できたことではない。 b また、甲1発明1における整列コンベア5の受けベルト15の上面は、果菜物であるキューイKを吸着ユニット35による吸着に適した所定間隔に離間して保持するために、凹状の受け部15aが形成されているところ、受けベルト15の上面に形成された凹状の受け部15aを取り除き、受けベルト15の上面を平面状とすると、吸着ユニット35による果菜物であるキューイKの吸着が適切に行えなくなることから、甲1発明1において、整列コンベア5の受けベルト15の上面を果菜を受ける窪みのない平面状とすることは、当業者が容易に想到できたことではない。 c したがって、甲1発明1において、上記相違点1-6に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことではない。 (ケ)相違点1-7について 甲第5号証(特に、段落【0002】)には、果菜自動選別送り出し方法及び装置において、果菜の選別事項に果菜の大きさに加えて形状も入れる技術が記載されており、当該技術は原出願の出願前に周知の技術(以下、「周知技術4」という。)である。 そうすると、甲1発明1において、判定部3(等階級計測部)の計測事項として、周知技術4を採用し、上記相違点1-7に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 (コ)効果について 本件発明1は、本件出願の願書に添付した明細書の段落【0017】における「本願発明は、果菜キャリア2が、ベルトコンベア式のキャリアであるため、・・・転倒式の果菜キャリア2に比べて大幅に果菜3の転倒を防止することができ、転がり等をほぼ防止できる安全な仕分けが可能となる。痛みが生じやすい、桃や梨などの選果にも利用することができる。」との記載及び同明細書の段落【0029】における「この平ベルトコンベア4は、間欠運転されるコンベアであり、果菜キャリア2から斜め引出しコンベア6を経てトマト3が送り込まれる時にだけ、トマト約1個分の距離だけ(トマト3が1個通過するに必要な時間)自動運転され、平ベルトコンベア4上に間隔を詰めてトマト3をプールすることができるようになっている。」との記載によれば、果菜の転倒を防止することができ、転がり等をほぼ防止できる安全な仕分けが可能となり、痛みが生じやすい、桃や梨などの選果にも利用することができるという効果や、平ベルト上に間隔を詰めて果菜3をプールすることができるという効果を奏するものである。 (サ)小括 以上のとおり、甲1発明1において、上記相違点1-1、1-2及び1-6に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことではない。 したがって、本件発明1は、甲1発明1、甲2技術1、周知技術1A及び周知技術2ないし4に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 甲1発明1に甲3技術1を適用する場合について (ア)甲3技術1の本件発明1との対応関係について 上記相違点1-1ないし1-7の検討に先立ち、本件発明1と物品自動選別送り出し方法という技術分野において共通する甲3技術1について、本件発明1の用語で表現するために本件発明1との対応関係を検討する。 ・甲3技術1における「ステーションの領域」は本件発明1における「仕分排出部」に相当し、以下同様に、「水平フレーム部材64,162」は「フレーム」に、「ウェブ66,168」は「搬送ベルト」に、それぞれ相当する。 ・甲3技術1における「プラットホーム60,160」は、本件発明1における「果菜キャリア」に、「物品キャリア」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術1における「移動経路」は、本件発明1における「果菜搬送ライン」に、「物品搬送ライン」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術1における「供給部」は、本件発明1における「果菜供給部」に、「物品供給部」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術1における「物品」は、本件発明1における「果菜」又は「トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜」に、「物品」という限りにおいて一致する。 そして、甲3技術1における「プラットホーム60,160が多数設けられた移動経路の供給部において、物品を前記プラットホーム60,160に載せ」は、本件発明1における「果菜キャリアが多数設けられた果菜搬送ラインの果菜供給部において、果菜搬送ラインの幅方向側方から作業員がトマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を前記果菜キャリアに載せ」に、「物品キャリアが多数設けられた物品搬送ラインの物品供給部において、物品を前記物品キャリアに載せ」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術1における「符号」は、本件発明1における「等階級計測部での判別結果」に、「仕分け情報」という限りにおいて一致する。 そして、甲3技術1における「前記移動経路のステーションの領域において、物品搬送中の前記プラットホーム60,160を回動させてその上の物品を符号に応じて物品搬送方向側方に送り出す」は、本件発明1における「前記果菜搬送ラインの仕分排出部において、果菜搬送中の前記果菜キャリアを回動させてその上の果菜を前記等階級計測部での判別結果に応じて果菜搬送方向側方に送り出す」に、「前記物品搬送ラインの仕分排出部において、物品搬送中の前記物品キャリアを回動させてその上の物品を仕分け情報に応じて物品搬送方向側方に送り出す」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術1における「物品を自動的に所定のステーションに配送する方法」は、本件発明1における「果菜自動選別送り出し方法」に、「物品自動選別送り出し方法」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術1における「前記プラットホーム60,160は駆動チェーン21にその走行方向に多数取付けられて、移動経路の移動方向に一列に並んでおり」は、本件発明1における「前記果菜キャリアは果菜送り出し方向先方側と後方側に間隔をあけて平行に配置された二本のドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられて、果菜搬送ラインの搬送方向に一列に並んでおり」に、「前記物品キャリアはドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられて、物品搬送ラインの搬送方向に一列に並んでおり」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術1における「前記プラットホーム60,160の夫々は前記駆動チェーン21に取付ける水平フレーム部材64,162と、水平フレーム部材64,162に往復回動可能に設けられたウェブ66,168を備えた往復回動式のベルトコンベアであり」は、本件発明1における「前記果菜キャリアの夫々は前記ドライブチェーンに取付けるフレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトと、搬送ベルトに連結されたスライドピンを備えた往復回動式のベルトコンベアであり」に、「前記物品キャリアの夫々は前記ドライブチェーンに取付けるフレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトを備えた往復回動式のベルトコンベアであり」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術1における「前記水平フレーム部材64,162は、シャフト36の拡張部50を備え、シャフト36の拡張部50は前記駆動チェーン21に取り付けられており」は、本件発明1における「前記フレームは、果菜送り出し方向先方側と後方側に取付け部を備え、先方側の取付け部は前記先方側のドライブチェーンに、後方側の取付け部は前記後方側のドライブチェーンに取り付けられており」に、「前記フレームは、取付け部を備え、取付け部は前記ドライブチェーンに取り付けられており」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術1における「ロール68,166」は、本件発明1における「回転ローラ」に相当する。 そして、甲3技術1における「前記水平フレーム部材64,162のプラットホーム60,160の移動方向と垂直方向一方側と他方側にロール68,166が回転可能に取り付けられ」は、本件発明1における「前記フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転ローラが回転可能に取り付けられ」に、「前記フレームの物品搬送方向側方の一方側と他方側に回転ローラが回転可能に取り付けられ」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術1における「ステーション」は、本件発明1における「果菜引受け体」に、「物品引受け体」という限りにおいて一致する。 そして、甲3技術1における「前記ウェブ66,168は、水平フレーム部材64,162のプラットホーム60,160の移動方向と垂直方向一方側に設けられた一方側のロール68,166と、プラットホーム60,160の移動方向と垂直方向他方側に設けられた他方側のロール68,166の外周に、平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動はウェブ66,168の上面側が移動経路の側方に配置されたステーション方向に移動する回動であり、復回動はウェブ66,168の上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり」は、本件発明1における「前記搬送ベルトは、フレームの果菜送り出し方向先方側に設けられた先方側の回転ローラと、果菜送り出し方向後方側に設けられた後方側の回転ローラの外周に、平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面側が果菜搬送ラインの一側方のみに配置された果菜引受け体方向に移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり」に、「前記搬送ベルトは、フレームの物品搬送方向側方の一方側に設けられた一方側の回転ローラと、物品搬送方向側方の他方側に設けられた他方側の回転ローラの外周に、平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面側が物品搬送ラインの側方に配置された物品引受け体方向に移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術1における「上面部」は、本件発明1における「果菜載置部」に、「物品載置部」という限りにおいて一致する。 そして、甲3技術1における「夫々のプラットホーム60,160のウェブ66,168の上側部分の一部に、物品を載せ置くことのできる上面部が設けられ」は、本件発明1における「夫々の果菜キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を載せ置くことのできる果菜載置部が設けられ」に、「夫々の物品キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、物品を載せ置くことのできる物品載置部が設けられ」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術1における「前記ステーションの領域において、符号に応じて、プラットホーム60,160のウェブ66,168を移動経路の側方に往回動させて、当該ウェブ66,168の上面部の上の物品を水平又は略水平に移動させることにより、物品搬送方向側方に配置された前記ステーションに送り出し」は、本件発明1における「前記仕分排出部において、前記計測に基づく等階級判別に応じて、果菜キャリアの搬送ベルトを果菜搬送ラインの側方に往回動させて、当該搬送ベルトの果菜載置部の上の果菜を水平又は略水平に移動させることにより、果菜搬送方向側方に配置された前記果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り出し」に、「前記仕分排出部において、前記仕分け情報に応じて、物品キャリアの搬送ベルトを物品搬送ラインの側方に往回動させて、当該搬送ベルトの物品載置部の上の物品を水平又は略水平に移動させることにより、物品搬送方向側方に配置された前記物品引受け体に送り出し」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術1における「プラットホーム60,160のウェブ66,168の上面部」は、本件発明1における「果菜キャリアの果菜載置部」に、「物品キャリアの物品載置部」という限りにおいて一致する。 そして、甲3技術1における「前記往回動させたプラットホーム60,160のウェブ66,168を、前記物品送り出し後の移動中に前記往回動と反対側に復回動させて、当該ウェブ66,168の上面部を元の位置に復帰させることにより、前記多数のプラットホーム60,160のウェブ66,168の上面部を搬送方向に一列又は略一列に並べる」は、本件発明1における「前記往回動させた果菜キャリアの搬送ベルトを、前記果菜送り出し後の移動中に前記往回動と反対側に復回動させて、当該搬送ベルトの果菜載置部を元の位置に復帰させることにより、前記多数の果菜キャリアの果菜載置部を搬送方向に一列又は略一列に並べ」るに、「前記往回動させた物品キャリアの搬送ベルトを、前記物品送り出し後の移動中に前記往回動と反対側に復回動させて、当該搬送ベルトの物品載置部を元の位置に復帰させることにより、前記多数の物品キャリアの物品載置部を搬送方向に一列又は略一列に並べる」という限りにおいて一致する。 そうすると、甲3技術1は、本件発明1の用語及び本件発明1の上位概念の用語で表現すると、「物品キャリアが多数設けられた物品搬送ラインの物品供給部において、物品を前記物品キャリアに載せ、前記物品搬送ラインの仕分排出部において、物品搬送中の前記物品キャリアを回動させてその上の物品を仕分け情報に応じて物品搬送方向側方に送り出す、物品自動選別送り出し方法において、 前記物品キャリアはドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられて、物品搬送ラインの搬送方向に一列に並んでおり、 前記物品キャリアの夫々は前記ドライブチェーンに取付けるフレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトを備えた往復回動式のベルトコンベアであり、 前記フレームは、取付け部を備え、取付け部は前記ドライブチェーンに取り付けられており、 前記フレームの物品搬送方向側方の一方側と他方側に回転ローラが回転可能に取り付けられ、 前記搬送ベルトは、フレームの物品搬送方向側方の一方側に設けられた一方側の回転ローラと、物品搬送方向側方の他方側に設けられた他方側の回転ローラの外周に、平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面側が物品搬送ラインの側方に配置された物品引受け体方向に移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり、 夫々の物品キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、物品を載せ置くことのできる物品載置部が設けられ、 前記仕分排出部において、前記仕分け情報に応じて、物品キャリアの搬送ベルトを物品搬送ラインの側方に往回動させて、当該搬送ベルトの物品載置部の上の物品を水平又は略水平に移動させることにより、物品搬送方向側方に配置された前記物品引受け体に送り出し、 前記往回動させた物品キャリアの搬送ベルトを、前記物品送り出し後の移動中に前記往回動と反対側に復回動させて、当該搬送ベルトの物品載置部を元の位置に復帰させることにより、前記多数の物品キャリアの物品載置部を搬送方向に一列又は略一列に並べることができるようにした技術。」といえる。 (イ)甲1発明1に甲3技術1を適用する動機付けについて 甲1発明1は、キューイ等の果菜を選別する方法に関するものであり、また、甲3技術1は、物品を自動的に所定のステーションに配送する方法に関するものであるから、甲1発明1と甲3技術1とは、物品を選別・搬送する方法に関する技術として共通しているといえる。 また、甲1発明1においては、受け台8が傾動式の台であり、傾動させるための構造を有するため、装置が大型となる課題を有することは明らかである。 一方、甲3技術1においては、上記3(1)イ、ウ、エ及びクを参照すると、複数の傾斜可能なトレイを備えたコンベア・システムでは、装置が大型であるため、設置に大きな空間を要するという課題を解決するものである。 そうすると、甲1発明1と甲3技術1とは、課題としての共通性もあるから、甲1発明1に甲3技術1を適用する動機付けは存在するといえる。 (ウ)相違点1-1について a 甲1発明1において、甲3技術1を適用すると、上記相違点1-1に係る本件発明1の発明特定事項について、「前記果菜キャリアの夫々はドライブチェーンに取付けるフレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトを備えた往復回動式のベルトコンベアであり」、「前記フレームの果菜搬送方向側方の一方側と他方側に回転ローラが回転可能に取り付けられ」、「前記搬送ベルトは、フレームの果菜搬送方向側方の一方側に設けられた一方側の回転ローラと、果菜搬送方向側方の他方側に設けられた他方側の回転ローラの外周に、平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面側が果菜搬送ラインの側方に配置された果菜引受け体方向に移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり」、「前記往回動させた果菜キャリアの搬送ベルトを、前記果菜送り出し後の移動中に前記往回動と反対側に復回動させて、当該搬送ベルトの果菜載置部を元の位置に復帰させることにより、前記多数の果菜キャリアの果菜載置部を搬送方向に一列又は略一列に並べ」るという事項を備えたものとなるが、次の事項を備えたものとはならない。 (a)果菜キャリアは果菜送り出し方向先方側と後方側に間隔をあけて平行に配置された二本のドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられ、フレームは、果菜送り出し方向先方側と後方側に取付け部を備え、先方側の取付け部は前記先方側のドライブチェーンに、後方側の取付け部は前記後方側のドライブチェーンに取り付けられていること(以下、「特定事項1-イ-A」という。)。 (b)果菜キャリアの夫々は、搬送ベルトに連結されたスライドピンを備え、フレームは、その底面に、果菜送り出し方向に細長の開口を備え、前記スライドピンはその下端側が前記開口を貫通してフレームの底面下方に突出しており、前記搬送ベルトの往回動は、ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、果菜搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われ、前記搬送ベルトの復回動は、果菜送り出し後に、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、前記果菜搬送ラインの下方に設けられた戻りガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われること(以下、「特定事項1-イ-B」という。)。 (c)フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転ローラが回転可能に取り付けられること(以下、「特定事項1-イ-C」という。)。 (d)先方側の回転ローラの少なくとも一部はフレームの果菜引受け体側の端部よりも果菜引受け体側に突出し、かつ先方側のドライブチェーンよりも果菜引受け体側に突出していること(以下、「特定事項1-イ-D」という。)。 (e)搬送ベルトは、フレームの果菜送り出し方向先方側に設けられた先方側の回転ローラと、果菜送り出し方向後方側に設けられた後方側の回転ローラの外周に、平坦に一周巻かれていること(以下、「特定事項1-イ-E」という。)。 (f)果菜搬送ラインの一側方のみに配置された果菜引受け体(以下、「特定事項1-イ-F」という。)。 b そこで、甲1発明1において、上記特定事項1-イ-Aないし1-イ-Fを備えることができるかについて検討する。 (a)特定事項1-イ-Fについて 果菜引受け体を果菜搬送方向の一側のみに設けるか、両側に設けるかは、果菜自動選別送り出し装置の設置スペース、選別する果菜の処理量、作業者における作業の容易性、果菜選別前後の作業を含めた作業全体の効率等の作業場所の環境を考慮して、当業者が適宜選択する事項である(必要であれば、果菜引受け体を果菜搬送方向の一側のみに設けた例として、甲第4号証(特に、第1図)及び甲第5号証(特に、図1)を参照。なお、甲第1号証の第2図も参照。)。 そうすると、甲1発明1において、整列コンベア5(果菜引受け体)を振分けコンベア2(果菜搬送ライン)の一側方のみに配置し、特定事項1-イ-Fを備えることは、当業者が適宜なし得たことである。 (b)特定事項1-イ-Aについて 上記ア(ウ)b(c)の「特定事項1-ア-Aについて」の検討を踏まえると、果菜引受け体を果菜搬送ラインの一側方のみに配置した甲1発明1において、甲3技術1とともに周知技術2を適用することにより、特定事項1-イ-Aを備えることは、当業者が容易に想到できたことである。 (c)特定事項1-イ-Bについて 甲第9ないし11号証に記載があるように、「物品キャリアが多数設けられた物品搬送ラインの物品供給部において、物品を載せ、前記物品搬送ラインの仕分排出部において、物品搬送中の前記物品キャリアを回動させてその上の物品を物品搬送方向側方に送り出す、物品を選別・搬送する方法に用いられる物品キャリアであって、フレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトを備えた往復回動式のベルトコンベアであり、前記搬送ベルトは、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能である物品キャリアにおいて、前記搬送ベルトに連結されたスライドピンを備え、前記フレームは、その底面に、物品送り出し方向に細長の開口を備え、前記スライドピンはその下端側が前記開口を貫通してフレームの底面下方に突出しており、前記搬送ベルトの往回動は、移動される物品キャリアのスライドピンが、物品搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われ、前記搬送ベルトの復回動は、物品送り出し後に、移動される物品キャリアのスライドピンが、前記物品搬送ラインの下方に設けられた戻りガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われるようにすること」は、原出願の出願前において周知の技術(以下、「周知技術1B」という。)である(甲第9号証については、第3ページ右上欄第17行ないし第5ページ右下欄第5行及び第3ないし10図の記載(特に、第3ページ右下欄第3ないし10行の「また、上記コロ7は上記移動枠3の下部に取付けられた支持杆30の下端部に上記ピン8を介して軸支され、このコロ7及びピン8は上記ベース11の開口部31から下方に突出し、コロ7は搬送路2中央部の一対の案内レール32間や搬送路2両側部の一対の案内レール33間に係合し、ピン8は搬送路の切換えガイド34等に係合するようになっている。」という記載並びに第3ないし6図の記載)を参照。甲第10号証については、第4欄第25行ないし第8欄第4行及び第1ないし7図の記載(特に、第5欄第37ないし43行の「また、上記コロ7は上記移動枠3の下部に取付けられた支持杆30の下端部に上記ピン8を介して軸支され、このコロ7及びピン8は上記ベース11の開口部31から下方に突出し、コロ7は搬送路2中央部の一対の案内レール32間や搬送路2両側部の一対の案内レール33間に係合し、ピン8は搬送路2の切換えガイド34等に係合するようになっている。」との記載及び第1ないし4図の記載)を参照。甲第11号証については、第7欄第7行ないし第11欄第46行及び第1ないし10図の記載(特に、第9欄第1ないし7行の「また、上記コロ7は上記移動枠3の下部に取付けられた支持杆30の下端部に上記ピン8を介して軸支され、このコロ7及びピン8は上記ベース11に形成された開口部31から下方に突出し、コロ7は搬送路2a中央部の一対の案内レール32間や搬送路2a両端部の一対の案内レール33間に係合し、ピン8は搬送路2aの切換えガイド34等に係合するようになっている。」との記載及び第3ないし6図の記載)を参照。)。 そして、周知技術1Bによれば、物品搬送ラインの下方には、搬送ベルトの駆動部材として往ガイド及び戻りガイドを設けるのみであり、物品搬送ラインの敷設が容易となり、また、メンテナンスも主に物品キャリアについて行うことになるため、メンテナンスの容易化も図れるから、甲1発明1において、甲3技術1とともに周知技術1Bを適用し、特定事項1-イ-Bを備えることは、当業者が容易に想到できたことである。 (d)特定事項1-イ-Cないし1-イ-Eについて 甲1発明1において、甲3技術1を適用するとともに、特定事項1-イ-Fを備えることに伴い、特定事項1-イ-C及び特定事項1-イ-Eを備えるものとなる。 また、甲第5号証(特に、図2、3及び5)に見られるように、ベルトコンベアにおいて、回転ローラの一部がフレームの物品搬送方向側の端部よりも物品搬送方向側に突出するようにしたものは、原出願の出願前にごく普通に知られている。 そして、甲1発明1において、特定事項1-イ-Cを備えたもの(フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転ローラが回転可能に取り付けられたもの)とすることができるところ、果菜キャリアから果菜引受け体に果菜を送り出す際に、円滑な果菜の引継ぎを行うために、果菜キャリアのベルトコンベアの果菜を送り出す側の端部と果菜引受け体の果菜を受ける側の端部(整列コンベア5に付設されたシュートの果菜を受ける側の端部)とを連続的に設けることは通常の設計手法であって、そのような設計手法を採用した場合に、果菜引受け体の果菜を受ける側の端部や先方側のドライブチェーンとの位置関係に応じて、先方側の回転体の少なくとも一部はフレームの果菜引受け体側の端部よりも当該果菜引受け体側に突出し、かつ先方側のドライブチェーンよりも当該果菜引受け体側に突出したものとし、甲1発明1において、特定事項1-イ-Dを備えることは、当業者が適宜なし得る設計的事項である。 c 以上のとおりであるから、甲1発明1において、甲3技術1、周知技術1B及び周知技術2基づき、上記相違点1-1に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 (エ)相違点1-2について a 甲1発明1において、甲3技術1を適用すると、上記相違点1-2に係る本件発明1の発明特定事項について、「果菜搬送ラインの仕分排出部において、果菜搬送中の果菜キャリアを回動させてその上の果菜を等階級計測部での判別結果に応じて果菜搬送方向側方に送り出す」のに、「果菜キャリアの搬送ベルトを果菜搬送ラインの側方に往回動させて、当該搬送ベルトの果菜載置部の上の果菜を水平又は略水平に移動させることにより、果菜搬送方向側方に配置された果菜引受け体の平ベルトの上面に送り出し」するという事項を備えたものとなるが、次の事項を備えたものとはならない。 (a)搬送ベルトの果菜載置部の上の果菜を果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り出しすること(以下、「特定事項1-イ-G」という。)。 b そこで、甲1発明1において、上記特定事項1-イ-Gを備えることができるかについて検討すると、上記ア(エ)の相違点1-2についての検討を踏まえると、甲1発明1において、特定事項1-イ-Gを備えることはできず、上記相違点1-2に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことではない。 (オ)相違点1-3について a 甲1発明1において、甲3技術1を適用すると、上記相違点1-3に係る本件発明1の発明特定事項について、「夫々の果菜キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、果菜を載せ置くことのできる果菜載置部が設けられ」るという事項を備えたものとなるが、次の事項を備えたものとはならない。 (a)トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を載せ置くことのできる果菜載置部(以下、「特定事項1-イ-H」という。)。 b そこで、甲1発明1において、上記特定事項1-イ-Hを備えることができるかについて検討すると、上記ア(オ)の相違点1-3についての検討を踏まえると、甲1発明1において、特定事項1-イ-Hを備えることは、当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎない。 c そうすると、甲1発明1において、上記相違点1-3に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が適宜なし得たことである。 (カ)相違点1-4について 上記ア(カ)で検討したとおり、果菜自動選別送り出し方法及び装置において、果菜供給部における果菜を載せる手段として、果菜搬送ラインの搬送方向側方から作業員が果菜を載せる技術は、原出願の出願前に周知の技術(周知技術3)である。 また、上記(オ)で検討したとおり、甲1発明1に甲3技術1を適用したものにおいて、果菜載置部に載置することができる果菜を、キューイに代えて、トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜とすることは、当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎない。 さらに、甲1発明1に甲3技術1を適用したものにおいては、果菜送り出し後に、復帰した果菜キャリアの果菜載置部に、果菜供給部において、果菜を一つずつ載せることができるようにされたものとなる。 そうすると、甲1発明1において、甲3技術1を適用するとともに、果菜供給部における果菜を載せる手段として、周知技術3を採用することにより、上記相違点1-4に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 (キ)相違点1-5について 上記(ウ)b(a)の特定事項1-イ-Fについての検討でも述べたとおり、果菜引受け体を果菜搬送方向の一側のみに設けるか、両側に設けるかは、果菜自動選別送り出し装置の設置スペース、選別する果菜の処理量、作業者における作業の容易性、果菜選別前後の作業を含めた作業全体の効率等の作業場所の環境を考慮して、当業者が適宜選択する事項である(必要であれば、果菜引受け体を果菜搬送方向の一側のみに設けた例として、甲第5号証(特に、図1)を参照。なお、甲第1号証の第2図も参照。)。 そうすると、甲1発明1において、振分けコンベア2(果菜搬送ライン)の振分け部4(仕分け排出部)の一側方のみに、受けベルト15(平ベルト)が回転するベルトコンベア式の整列コンベア5(果菜引受け体)が、果菜物であるキューイK(果菜)搬送方向に作業間隔をあけて二以上配置されるようにし、上記相違点1-5に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が適宜なし得たことである。 (ク)相違点1-6について 上記ア(ク)の相違点1-6についての検討を踏まえると、甲1発明1において、上記相違点1-6に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことではない。 (ケ)相違点1-7について 上記ア(ケ)の相違点1-7についての検討を踏まえると、甲1発明1において、判定部3(等階級計測部)の計測事項として、周知技術4を採用し、上記相違点1-7に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 (コ)効果について 上記ア(コ)に記載したとおり、本件発明1は、果菜の転倒を防止することができ、転がり等をほぼ防止できる安全な仕分けが可能となり、痛みが生じやすい、桃や梨などの選果にも利用することができるという効果や、平ベルト上に間隔を詰めて果菜3をプールすることができるという効果を奏するものである。 (サ)小括 以上のとおり、甲1発明1において、上記相違点1-2及び1-6に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことではない。 したがって、本件発明1は、甲1発明1、甲3技術1、周知技術1B及び周知技術2ないし4に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3)まとめ 以上のとおり、本件発明1は、甲1発明1、甲2技術1、周知技術1A及び周知技術2ないし4に基づいて、又は、甲1発明1、甲3技術1、周知技術1B及び周知技術2ないし4に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとすることはできない。 よって、本件発明1に係る特許についての無効理由は理由がない。 5 本件発明2の検討 (1)対比 本件発明2と甲1発明2とを、上記4(1)の検討を踏まえて、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、両者は、上記4(1)で示した一致点で一致し、上記相違点1-1ないし1-7に加えて次の点で相違する。 ・「果菜引受け体の平ベルトは、果菜キャリアから果菜が送り出される際に間欠移動して、果菜載置部から送り出される果菜を引き継いで二以上の果菜をプールする」ことに関し、本件発明2においては、「果菜引受け体の平ベルトは、果菜キャリアから果菜が送り出されるときに間欠移動して、果菜載置部から送り出される果菜を引き継いで二以上の果菜をプールする」のに対して、甲1発明2においては、「整列コンベア5の受けベルト15は、受け台8から果菜物であるキューイKが前記凹状の受け部15aに移載されると、間欠的な回転駆動して、果菜物を載置する部分から送り出される果菜物であるキューイKを引き継いで二以上の果菜物であるキューイKをプールする」点(以下、「相違点2-1」という。)。 (2)判断 本件発明2は、本件発明1をさらに減縮したものであり、甲1発明2に対して、上記相違点1-1、1-2及び1-6に加え、上記相違点2-1で相違するので、上記4の本件発明1の検討を踏まえると、甲1発明2、甲2技術1、周知技術1A及び周知技術2ないし4に基づいて、又は、甲1発明2、甲3技術1、周知技術1B及び周知技術2ないし4に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとすることはできない。 よって、本件発明2に係る特許についての無効理由は理由がない。 6 本件発明3の検討 (1)対比 本件発明3と甲1発明3とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。 ・甲1発明3における「ガイドチェーン7」は、本件発明3における「ドライブチェーン」に相当し、以下同様に、「受け台8」は「果菜キャリア」に、「振分けコンベア2」は「果菜搬送ライン」に、「果菜物であるキューイK」は「果菜」に、「供給部9」は「果菜供給部」に、「判定部3」は「等階級計測部」に、「整列コンベア5」は「果菜引受け体」に、「果菜物であるキューイKの搬送方向」は「果菜搬送方向」に、「振分け部4」は「仕分排出部」に、「果菜物自動振り分け装置」は「果菜自動選別送り出し装置」に、「果菜物を載置する部分」は「果菜載置部」に、それぞれ相当する。 ・甲1発明3における「振分けコンベア2に、受け台8に果菜物であるキューイKを載せる供給部9が設けられ」は、本件発明3における「果菜搬送ラインに、その幅方向側方から、作業員が、果菜キャリアに果菜を載せる果菜供給部が設けられ」に、「果菜搬送ラインに、果菜キャリアに果菜を載せる果菜供給部が設けられ」という限りにおいて一致する。 ・甲1発明3における「果菜物であるキューイKの搬送方向側方に配置された整列コンベア5」は、本件発明3における「果菜搬送方向の一側方のみに配置された果菜引受け体」に、「果菜搬送方向側方に配置された果菜引受け体」という限りにおいて一致する。 ・甲1発明3における「前記受け台8はガイドチェーン7にその走行方向に多数取付けられ」は、本件発明3における「前記果菜キャリアは間隔をあけて平行に配置された前記二本のドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられ」に、「前記果菜キャリアは前記ドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられ」という限りにおいて一致する。 ・甲1発明3における「果菜物であるキューイK」は、本件発明3における「トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜」に、「果菜」という限りにおいて一致する。 そして、甲1発明3における「夫々の受け台8の上側の一部に果菜物であるキューイKを載せ置くことのできる果菜物を載置する部分が設けられ」は、本件発明3における「夫々の果菜キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を載せ置くことのできる果菜載置部が設けられ」に、「夫々の果菜キャリアの上側の一部に果菜を載せ置くことのできる果菜載置部が設けられ」という限りにおいて一致する。 ・甲1発明3における「受けベルト15」は、甲第1号証の第1ないし3図の記載によれば、受け部15aを有するものの、全体として平らのベルトであることが看て取れるから、本件発明3における「平ベルト」に相当する。 そして、甲1発明3における「上面に果菜物であるキューイKを受ける凹状の受け部15aを所定等間隔に隔てて形成した形状の受けベルト15が回転する整列コンベア5」は、本件発明3における「上面に果菜を受ける窪みがない平面状の平ベルトが回転する果菜引受け体」に、「上面が所定の形状の平ベルトが回転する果菜引受け体」という限りにおいて一致する。 ・甲1発明3における「前記整列コンベア5は、その受けベルト15の上面が受け台8の果菜物を載置する部分より下位の高さで水平又は略水平に配置されており」は、本件発明3における「前記果菜引受け体は、その平ベルトの上面が前記果菜キャリアの搬送ベルトの上面と同じ又は略同じ高さで水平又は略水平に配置されており」に、「前記果菜引受け体は、その平ベルトの上面が前記果菜キャリアの搬送ベルトの上面と所定の高さで水平又は略水平に配置されており」という限りにおいて一致する。 ・甲1発明3における「前記多数の受け台8は、その果菜物を載置する部分が振分けコンベア2の搬送方向に一列又は略一列に並んで搬送されるように、ガイドチェーン7に取り付けられて配置されており、そのガイドチェーン7の走行により夫々の果菜物を載置する部分に載せた果菜物であるキューイKが判定部3を一列又は略一列に並んで通過することができ」は、本件発明3における「前記多数の果菜キャリアは、その果菜載置部が果菜搬送ラインの搬送方向に一列又は略一列に並んで水平に搬送されるように、先方側の取付け部が前記先方側のドライブチェーンに、後方側の取付け部が前記後方側のドライブチェーンに取り付けられて配置されており、そのドライブチェーンの走行により夫々の果菜載置部に載せた果菜が等階級計測部を一列又は略一列に並んで通過することができ」に、「前記多数の果菜キャリアは、その果菜載置部が果菜搬送ラインの搬送方向に一列又は略一列に並んで搬送されるように、前記ドライブチェーンに取り付けられて配置されており、そのドライブチェーンの走行により夫々の果菜載置部に載せた果菜が等階級計測部を一列又は略一列に並んで通過することができ」という限りにおいて一致する。 ・甲1発明3における「前記果菜物を載置する部分は、前記供給部9において、果菜物であるキューイKを一つずつ載せることができ」は、本件発明3における「前記果菜載置部は、前記果菜供給部において、作業員が、果菜搬送ラインの搬送方向側方から果菜を一つずつ載せることができ」に、「前記果菜載置部は、前記果菜供給部において、果菜を一つずつ載せることができ」という限りにおいて一致する。 ・甲1発明3における「前記判定部3はサイズを読取るサイズセンサ11と、品質を読取る品質センサ12と、重量を計量する重量センサ13を備え、果菜物を載置する部分に載せられて一列又は略一列に並んで搬送される果菜物であるキューイKの少なくともサイズ・品質・重量を計測でき」は、本件発明3における「前記等階級計測部は画像処理による計測装置を備え、果菜載置部に載せられて一列又は略一列に並んで搬送されるトマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜の少なくとも大きさと形状を画像処理により計測でき」に、「前記等階級計測部は所定の計測装置を備え、果菜載置部に載せられて一列又は略一列に並んで搬送される果菜の少なくとも大きさを計測でき」という限りにおいて一致する。 ・甲1発明3における「往傾動」は、本件発明3における「往回動」に、「往駆動」という限りにおいて一致する。 そして、甲1発明3における「各々の受け台8は、前記振分け部4において振分けコンベア2の側方に往傾動して、果菜物を載置する部分に載せてある果菜物であるキューイKを、前記計測に基づく等階級判別結果に応じて前記整列コンベア5の受けベルト15の上面に送り出し可能であり」は、本件発明3における「各々の果菜キャリアの搬送ベルトは、前記仕分排出部において果菜搬送ラインの側方の果菜引受け体側に往回動して、果菜載置部に載せてある果菜を、前記計測に基づく等階級判別結果に応じて前記果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り出し可能であり」に、「各々の果菜キャリアは、前記仕分排出部において果菜搬送ラインの側方に往駆動して、果菜載置部に載せてある果菜を、前記計測に基づく等階級判別結果に応じて前記果菜引受け体の平ベルトの上面に送り出し可能であり」という限りにおいて一致する。 ・甲1発明3における「間欠的な回転駆動」は、本件発明3における「間欠運転」に相当し、同様に、「移載される」は「送り込まれる」に相当する。 そして、甲1発明3における「前記整列コンベア5の受けベルト15は果菜物であるキューイKが前記凹状の受け部15aにシュートを介して移載されると、振分けコンベア2の搬送方向側方であって前記果菜物であるキューイKが移載される方向に間欠的な回転駆動して、その間欠的な回転駆動による前記受けベルト15の回転により当該受けベルト15の上面に果菜物であるキューイKを引継ぎ、果菜物であるキューイKの移載時の間欠的な回転駆動の繰り返しにより、前記受け台8の果菜物を載置する部分から移載される果菜物であるキューイKを前記整列コンベア5の受けベルト15の上に二以上プールすることができる長さのベルトコンベアである」は、本件発明3における「前記果菜引受け体の平ベルトは果菜が水平又は略水平に送り込まれるときに、果菜搬送ラインの搬送方向側方であって前記送り込み方向に間欠運転して、その間欠運転による前記平ベルトの回転により当該平ベルトの上面に果菜を水平又は略水平に引継ぎ、果菜送り込み時の間欠運転の繰り返しにより、前記果菜キャリアの果菜載置部から送り込まれる果菜を前記果菜引受け体の平ベルトの上面に二以上プールすることができる長さのベルトコンベアであ」るに、「前記果菜引受け体の平ベルトは果菜が水平又は略水平に送り込まれる際に、果菜搬送ラインの搬送方向側方であって前記送り込み方向に間欠運転して、その間欠運転による前記平ベルトの回転により当該平ベルトの上面に果菜を引継ぎ、果菜送り込み時の間欠運転の繰り返しにより、前記果菜キャリアの果菜載置部から送り込まれる果菜を前記果菜引受け体の平ベルトの上面に二以上プールすることができる長さのベルトコンベアである」という限りにおいて一致する。 したがって、両者は、 「ドライブチェーンに果菜キャリアが多数設けられた果菜搬送ラインに、果菜キャリアに果菜を載せる果菜供給部が設けられ、果菜供給部で果菜キャリアに載せた果菜の等階級を判別する等階級計測部が果菜搬送ラインにおける果菜供給部の先方に設けられ、等階級計測部で計測された果菜をその計測に基づく等階級判別結果に応じて果菜キャリアによって果菜搬送方向側方に配置された果菜引受け体に送り出す仕分排出部が等階級計測部の先方に設けられた果菜自動選別送り出し装置において、 前記果菜キャリアは前記ドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられ、 夫々の果菜キャリアの上側の一部に果菜を載せ置くことのできる果菜載置部が設けられ、 果菜搬送ラインの前記仕分排出部の側方に、上面が所定の形状の平ベルトが回転する果菜引受け体が、果菜搬送方向に作業間隔をあけて二以上配置され、各々の果菜引受け体は果菜載置部から送り出される果菜を引継いで二以上の果菜をプールできる長さのベルトコンベアであり、 前記果菜引受け体は、その平ベルトの上面が前記果菜キャリアの搬送ベルトの上面と所定の高さで水平又は略水平に配置されており、 前記多数の果菜キャリアは、その果菜載置部が果菜搬送ラインの搬送方向に一列又は略一列に並んで搬送されるように、前記ドライブチェーンに取り付けられて配置されており、そのドライブチェーンの走行により夫々の果菜載置部に載せた果菜が等階級計測部を一列又は略一列に並んで通過することができ、 前記果菜載置部は、前記果菜供給部において、果菜を一つずつ載せることができ、 前記等階級計測部は所定の計測装置を備え、果菜載置部に載せられて一列又は略一列に並んで搬送される果菜の少なくとも大きさを計測でき、 各々の果菜キャリアは、前記仕分排出部において果菜搬送ラインの側方に往駆動して、果菜載置部に載せてある果菜を、前記計測に基づく等階級判別結果に応じて前記果菜引受け体の平ベルトの上面に送り出し可能であり、 前記果菜引受け体の平ベルトは果菜が水平又は略水平に送り込まれる際に、果菜搬送ラインの搬送方向側方であって前記送り込み方向に間欠運転して、その間欠運転による前記平ベルトの回転により当該平ベルトの上面に果菜を引継ぎ、果菜送り込み時の間欠運転の繰り返しにより、前記果菜キャリアの果菜載置部から送り込まれる果菜を前記果菜引受け体の平ベルトの上面に二以上プールすることができる長さのベルトコンベアである、 果菜自動選別送り出し装置。」の点で一致し、以下の点で相違している(なお、各相違点は、技術的な関連性を考慮して、整理した。)。 ア 相違点3-1 「果菜キャリア」に関し、本件発明3においては、「前記ドライブチェーンは果菜キャリアの果菜送り出し方向先方側のドライブチェーンと、果菜送り出し方向後方側のドライブチェーンの少なくとも二本であり、それら両ドライブチェーンは果菜送り出し方向に間隔をあけて平行に配置されており、前記果菜キャリアは間隔をあけて平行に配置された前記二本のドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられ、前記果菜キャリアの夫々は前記ドライブチェーンに取付けるフレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトと、搬送ベルトに連結されたスライドピンを備えた往復回動式のベルトコンベアであり、前記フレームは、前記ドライブチェーンに取付ける取付け部を備え、取付け部は果菜送り出し方向先方側と後方側に設けられており、前記フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転ローラが回転可能に取り付けられ、先方側の回転ローラの少なくとも一部は前記フレームの前記果菜引受け体側の端部よりも当該果菜引受け体側に突出し、かつ前記先方側のドライブチェーンよりも当該果菜引受け体側に突出しており、前記フレームはその底面に、果菜送り出し方向に細長の開口を備え、前記搬送ベルトは、前記先方側の回転ローラと、前記後方側の回転ローラの外周に平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面が果菜搬送ラインの一側方のみに配置された果菜引受け体方向へ移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面が当該往回動と反対方向に移動する回動であり」、「前記スライドピンはその下端側が前記開口を貫通してフレームの底面下方に突出しており」、「前記多数の果菜キャリアは、その果菜載置部が果菜搬送ラインの搬送方向に一列又は略一列に並んで水平に搬送されるように、先方側の取付け部が前記先方側のドライブチェーンに、後方側の取付け部が前記後方側のドライブチェーンに取り付けられて配置されており、そのドライブチェーンの走行により夫々の果菜載置部に載せた果菜が等階級計測部を一列又は略一列に並んで通過することができ」、「前記搬送ベルトの往回動は、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、果菜搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われ」、「前記果菜送り出し後の搬送ベルトは、前記往回動方向と逆方向に復回動して、果菜載置部が元の位置に復帰して、前記多数の果菜キャリアの果菜載置部を搬送方向に一列又は略一列に並べることができ、前記搬送ベルトの復回動は、果菜送り出し後に、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、前記果菜搬送ラインの下方に設けられた戻りガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われる」ようにしたものであるのに対して、甲1発明3においては、「前記受け台8はガイドチェーン7にその走行方向に多数取付けられ」、「前記受け台8の夫々は前記ガイドチェーン7に取り付ける傾動式の台であり」、「前記多数の受け台8は、その果菜物を載置する部分が振分けコンベア2の搬送方向に一列又は略一列に並んで搬送されるように、ガイドチェーン7に取り付けられて配置されており、そのガイドチェーン7の走行により夫々の果菜物を載置する部分に載せた果菜物であるキューイKが判定部3を一列又は略一列に並んで通過することができ」る点(以下、「相違点3-1」という。)。 イ 相違点3-2 「各々の果菜キャリアは、前記仕分排出部において果菜搬送ラインの側方に往駆動して、果菜載置部に載せてある果菜を、前記計測に基づく等階級判別結果に応じて前記果菜引受け体の平ベルトの上面に送り出し可能であ」ることに関して、本件発明3においては、「各々の果菜キャリアの搬送ベルトは、前記仕分排出部において果菜搬送ラインの側方の果菜引受け体側に往回動して、果菜載置部に載せてある果菜を、前記計測に基づく等階級判別結果に応じて前記果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り出し可能であ」るのに対して、甲1発明3においては、「各々の受け台8は、前記振分け部4において振分けコンベア2の側方に往傾動して、果菜物を載置する部分に載せてある果菜物であるキューイKを、前記計測に基づく等階級判別結果に応じて前記整列コンベア5の受けベルト15の上面に送り出し可能であ」る点(以下、「相違点3-2」という。)。 ウ 相違点3-3 「夫々の果菜キャリアの上側の一部に果菜を載せ置くことのできる果菜載置部が設けられ」ることに関して、本件発明3においては、「夫々の果菜キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を載せ置くことのできる果菜載置部が設けられ」るのに対して、甲1発明3においては、「夫々の受け台8の上側の一部に果菜物であるキューイKを載せ置くことのできる果菜物を載置する部分が設けられ」る点(以下、「相違点3-3」という。)。 エ 相違点3-4 「果菜搬送ラインに、果菜キャリアに果菜を載せる果菜供給部が設けられ」、「前記果菜載置部は、前記果菜供給部において、果菜を一つずつ載せることができ」ることに関して、本件発明3においては、「果菜搬送ラインに、その幅方向側方から、作業員が、果菜キャリアに果菜を載せる果菜供給部が設けられ」、「前記果菜載置部は、前記果菜供給部において、作業員が、果菜搬送ラインの搬送方向側方から果菜を一つずつ載せることができ」るのに対して、甲1発明3においては、「振分けコンベア2に、受け台8に果菜物であるキューイKを載せる供給部9が設けられ」、「前記果菜物を載置する部分は、前記供給部9において、果菜物であるキューイKを一つずつ載せることができ」る点(以下、「相違点3-4」という。)。 オ 相違点3-5 「果菜搬送方向側方に配置された果菜引受け体」に関して、本件発明3においては、「果菜搬送方向の一側方のみに配置された果菜引受け体」であるのに対して、甲1発明3においては、「果菜物であるキューイKの搬送方向側方に配置された整列コンベア5」である点(以下、「相違点3-5」という。)。 カ 相違点3-6 「上面が所定の形状の平ベルトが回転する果菜引受け体」であって、「前記果菜引受け体は、その平ベルトの上面が前記果菜キャリアの搬送ベルトの上面と所定の高さで水平又は略水平に配置されており」、「前記果菜引受け体の平ベルトは果菜が水平又は略水平に送り込まれる際に、果菜搬送ラインの搬送方向側方であって前記送り込み方向に間欠運転して、その間欠運転による前記平ベルトの回転により当該平ベルトの上面に果菜を引継ぎ、果菜送り込み時の間欠運転の繰り返しにより、前記果菜キャリアの果菜載置部から送り込まれる果菜を前記果菜引受け体の平ベルトの上面に二以上プールすることができる長さのベルトコンベアである」ことに関して、本件発明3においては、「上面に果菜を受ける窪みがない平面状の平ベルトが回転する果菜引受け体」であって、「前記果菜引受け体は、その平ベルトの上面が前記果菜キャリアの搬送ベルトの上面と同じ又は略同じ高さで水平又は略水平に配置されており」、「前記果菜引受け体の平ベルトは果菜が水平又は略水平に送り込まれるときに、果菜搬送ラインの搬送方向側方であって前記送り込み方向に間欠運転して、その間欠運転による前記平ベルトの回転により当該平ベルトの上面に果菜を水平又は略水平に引継ぎ、果菜送り込み時の間欠運転の繰り返しにより、前記果菜キャリアの果菜載置部から送り込まれる果菜を前記果菜引受け体の平ベルトの上面に二以上プールすることができる長さのベルトコンベアであ」るのに対して、甲1発明3においては、「上面に果菜物であるキューイKを受ける凹状の受け部15aを所定等間隔に隔てて形成した形状の受けベルト15が回転する整列コンベア5」であって、「前記整列コンベア5は、その受けベルト15の上面が受け台8の果菜物を載置する部分より下位の高さで水平又は略水平に配置されており」、「前記整列コンベア5の受けベルト15は果菜物であるキューイKが前記凹状の受け部15aにシュートを介して移載されると、振分けコンベア2の搬送方向側方であって前記果菜物であるキューイKが移載される方向に間欠的な回転駆動して、その間欠的な回転駆動による前記受けベルト15の回転により当該受けベルト15の上面に果菜物であるキューイKを引継ぎ、果菜物であるキューイKの移載時の間欠的な回転駆動の繰り返しにより、前記受け台8の果菜物を載置する部分から移載される果菜物であるキューイKを前記整列コンベア5の受けベルト15の上に二以上プールすることができる長さのベルトコンベアである」点(以下、「相違点3-6」という。)。 キ 相違点3-7 「前記等階級計測部は所定の計測装置を備え、果菜載置部に載せられて一列又は略一列に並んで搬送される果菜の少なくとも大きさを計測でき」ることに関して、本件発明3においては、「前記等階級計測部は画像処理による計測装置を備え、果菜載置部に載せられて一列又は略一列に並んで搬送されるトマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜の少なくとも大きさと形状を画像処理により計測でき」るのに対して、甲1発明3においては、「前記判定部3はサイズを読取るサイズセンサ11と、品質を読取る品質センサ12と、重量を計量する重量センサ13を備え、果菜物を載置する部分に載せられて一列又は略一列に並んで搬送される果菜物であるキューイKの少なくともサイズ・品質・重量を計測でき」る点(以下、「相違点3-7」という。)。 (2)判断 請求人は、本件発明3に対して、甲第1号証に記載された発明に甲第2号証に記載された発明(技術)を適用する場合と、甲第1号証に記載された発明に甲第3号証に記載された発明(技術)を適用する場合の主張をするので、それぞれの場合について以下検討を行う。 ア 甲1発明3に甲2技術2を適用する場合について (ア)甲2技術2の本件発明3との対応関係について 上記相違点3-1ないし3-7の検討に先立ち、本件発明3と物品自動選別送り出し装置という技術分野において共通する甲2技術2について、本件発明3の用語で表現するために本件発明3との対応関係を検討する。 ・甲2技術2における「仕分けシュートCの領域」は本件発明3における「仕分排出部」に相当し、以下同様に、「ユニットフレーム21」は「フレーム」に、「移送シート49」は「搬送ベルト」に、それぞれ相当する。 ・甲2技術2における「搬送ユニット1」は、本件発明3における「果菜キャリア」に、「物品キャリア」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術2における「搬送路A」は、本件発明3における「果菜搬送ライン」に、「物品搬送ライン」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術2における「薄物や不定形品などの小物類である搬送物P」又は「搬送物P」は、本件発明3における「果菜」に、「物品」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術2における「投入路Bから搬送物Pが移送される領域」は、本件発明3における「果菜供給部」に、「物品供給部」という限りにおいて一致する。 そして、甲2技術2における「搬送ユニット1に薄物や不定形品などの小物類である搬送物Pを載せる投入路Bから搬送物Pが移送される領域」は、本件発明3における「その幅方向側方から、作業員が、果菜キャリアに果菜を載せる果菜供給部」に、「物品キャリアに物品を載せる物品供給部」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術2における「仕分けコード番号」は、本件発明3における「その計測に基づく等階級判別結果」又は「計測に基づく等階級判別結果」に、「仕分け情報」という限りにおいて一致する。 また、甲2技術2における「仕分けシュートC」は、本件発明3における「果菜引受け体」に、「物品引き受け体」という限りにおいて一致する。 そして、甲2技術2における「搬送物Pを仕分けコード番号に応じて搬送ユニット1によって搬送物P搬送方向の側方に配置された仕分けシュートCに送り出す仕分けシュートCの領域が設けられた」は、本件発明3における「果菜供給部で果菜キャリアに載せた果菜の等階級を判別する等階級計測部が果菜搬送ラインにおける果菜供給部の先方に設けられ、等階級計測部で計測された果菜をその計測に基づく等階級判別結果に応じて果菜キャリアによって果菜搬送方向の一側方のみに配置された果菜引受け体に送り出す仕分排出部が等階級計測部の先方に設けられた」に、「物品を仕分け情報に応じて物品キャリアによって物品搬送方向の側方に配置された物品引き受け体に送り出す仕分排出部が設けられた」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術2における「搬送物Pを自動的に仕分ける装置」は、本件発明3における「果菜自動選別送り出し装置」に、「物品自動選別送り出し装置」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術2における「ガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52」は、これらガイドローラ51及び補助ガイドローラ52を回動自在に支持する軸部材、すなわちピンを有していることは明らかであるから、本件発明3における「スライドピン」に相当する。 そして、甲2技術2における「移送シート49に左右一対のバー48a、48b、チェーンベルト42及び枠部材37を介して連結されたガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52」は、本件発明3における「搬送ベルトに連結されたスライドピン」に相当する。 そうすると、甲2技術2における「前記搬送ユニット1の夫々はユニットフレーム21と、ユニットフレーム21に往復回動可能に設けられた移送シート49と、移送シート49に左右一対のバー48a、48b、チェーンベルト42及び枠部材37を介して連結されたガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52と、を備えた往復回動式のベルトコンベアであり」は、本件発明3における「前記果菜キャリアの夫々は前記ドライブチェーンに取付けるフレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトと、搬送ベルトに連結されたスライドピンを備えた往復回動式のベルトコンベアであり」に、「前記物品キャリアの夫々はフレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトと、搬送ベルトに連結されたスライドピンを備えた往復回動式のベルトコンベアであり」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術2における「上位の固定チェーンホイール40」は、本件発明1における「回転ローラ」に、「回転体」という限りにおいて一致する。 また、甲2技術2における「ユニットフレーム21の左右方向一方側と他方側」は、本件発明3における「フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側」に、「フレームの物品搬送方向側方の一方側と他方側」という限りにおいて一致する。 そして、甲2技術2における「前記ユニットフレーム21の左右方向一方側と他方側にそれぞれ搬送物P搬送方向にみて一対の上位の固定チェーンホイール40が回転可能に取り付けられ」は、本件発明3における「前記フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転ローラが回転可能に取り付けられ」に、「前記フレームの物品搬送方向側方の一方側と他方側に回転体が回転可能に取り付けられ」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術2において、「前記移送シート49」は、「前記一方側の上位の固定チェーンホイール40と前記他方側の上位の固定チェーンホイール40の間に張架され、両側をそれぞれ可動チェーンホイール32,32に巻回されて折り返されたのち、下位の固定チェーンホイール41,41に巻回されて再び折り返されたのち、両端部を移動フレーム31の枠部材37の両端部にそれぞれ固着した一対のチェーンベルト42,42に、左右方向で対向する上位の固定チェーンホイール40,40の間隔とほぼ等しい間隔をもって軸止した一対のバー48に両側縁が結着され」ることにより、一対のチェーンベルト42,42によって、一方側の上位の固定チェーンホイール40と他方側の上位の固定チェーンホイール40に支持されるように配置されたことになるから、甲2技術2における「前記移送シート49は、前記一方側の上位の固定チェーンホイール40と前記他方側の上位の固定チェーンホイール40の間に張架され、両側をそれぞれ可動チェーンホイール32,32に巻回されて折り返されたのち、下位の固定チェーンホイール41,41に巻回されて再び折り返されたのち、両端部を移動フレーム31の枠部材37の両端部にそれぞれ固着した一対のチェーンベルト42,42に、左右方向で対向する上位の固定チェーンホイール40,40の間隔とほぼ等しい間隔をもって軸止した一対のバー48に両側縁が結着され」は、本件発明3における「前記搬送ベルトは、前記先方側の回転ローラと、前記後方側の回転ローラの外周に平坦に一周巻かれ」に、「前記搬送ベルトは、フレームの物品搬送方向側方の一方側に設けられた一方側の回転体と、物品搬送方向側方の他方側に設けられた他方側の回転体の外周に支持されるように配置され」という限りにおいて一致する。 そして、甲2技術2における「前記移送シート49」は、「上側部分が略平坦な状態で略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は移送シート49の上面側が搬送路Aの側方に配置された仕分けシュートC方向に移動する回動であり、復回動は移送シート49の上面側が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり」は、本件発明3における「前記搬送ベルトは」、「その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面が果菜搬送ラインの一側方のみに配置された果菜引受け体方向へ移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面が当該往回動と反対方向に移動する回動であり」に、「前記搬送ベルト」は、「その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面が物品搬送ラインの側方に配置された物品引受け体方向に移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面が当該往回動と反対方向に移動する回動であり」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術2における「中央位置で窪む窪み面45を有する左右方向を円弧状に形成した受板46とこの受板46に重合される緩衝シート47の面上に重合して左右方向に移動する移送シート49の上面領域からバー48a,48bと結着した両側縁領域を省いた領域である載置領域」又は「載置領域」は、本件発明3における「果菜載置部」に、「物品載置部」という限りにおいて一致する。 そして、甲2技術2における「夫々の搬送ユニット1の移送シート49の上側部分の一部に、搬送物Pを載せ置くことのできる中央位置で窪む窪み面45を有する左右方向を円弧状に形成した受板46とこの受板46に重合される緩衝シート47の面上に重合して左右方向に移動する移送シート49の上面領域からバー48a,48bと結着した両側縁領域を省いた領域である載置領域が設けられ」は、本件発明3の「夫々の果菜キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を載せ置くことのできる果菜載置部が設けられ」に、「夫々の物品キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、物品を載せ置くことのできる物品載置部が設けられ」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術2における「前記ガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52はユニットフレーム21の底板26より下方に突出しており」は、本件発明3における「前記スライドピンはその下端側が前記開口を貫通してフレームの底面下方に突出しており」に、「前記スライドピンはその下端側がフレームの底面下方に突出しており」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術2における「各々の搬送ユニット1の移送シート49は、前記仕分けシュートCの領域において搬送路Aの側方に往回動して、載置領域に載せてある搬送物Pを、前記仕分けコード番号に応じて仕分けシュートCに送り出し可能であり」は、本件発明3における「各々の果菜キャリアの搬送ベルトは、前記仕分排出部において果菜搬送ラインの側方の果菜引受け体側に往回動して、果菜載置部に載せてある果菜を、前記計測に基づく等階級判別結果に応じて前記果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り出し可能であり」に、「各々の物品キャリアの搬送ベルトは、前記仕分排出部において物品搬送ラインの側方に往回動して、物品載置部に載せてある物品を、前記仕分け情報に応じて前記物品引受け体に送り出し可能であり」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術2における「可動切換ガイド部片55、固定切換ガイド部片59及び側方ガイド板60,61」は、本件発明3における「往ガイド」に相当する。 そして、甲2技術2における「前記移送シート49の往回動は、移動される搬送ユニット1のガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52が、搬送路Aの下方に設けられた可動切換ガイド部片55、固定切換ガイド部片59及び側方ガイド板60,61に案内されて移動することにより行われ」は、本件発明3における「前記搬送ベルトの往回動は、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、果菜搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われ」に、「前記搬送ベルトの往回動は、移動される物品キャリアのスライドピンが、物品搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されて移動することにより行われ」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術2における「前記搬送物P送り出し後の移送シート49は、前記往回動方向と逆方向に復回動して、載置領域が元の位置に復帰して、前記多数の搬送ユニット1の載置領域を搬送方向に一列又は略一列に並べることができ」は、本件発明3における「前記果菜送り出し後の搬送ベルトは、前記往回動方向と逆方向に復回動して、果菜載置部が元の位置に復帰して、前記多数の果菜キャリアの果菜載置部を搬送方向に一列又は略一列に並べることができ」に、「前記物品送り出し後の搬送ベルトは、前記往回動方向と逆方向に復回動して、物品載置部が元の位置に復帰して、前記多数の物品キャリアの物品載置部を搬送方向に一列又は略一列に並べることができ」という限りにおいて一致する。 ・甲2技術2における、「復元用ガイド板」は、本件発明3における「戻りガイド」に相当する。 そして、甲2技術2における「前記移送シート49の復回動は、搬送物P送り出し後に、移動される搬送ユニット1のガイドローラ51及びガイドローラ51の下段に設けられた小径の補助ガイドローラ52が、前記搬送路Aの下方に設けられた復元用ガイド板に案内されて移動することにより行われる」は、本件発明3における「前記搬送ベルトの復回動は、果菜送り出し後に、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、前記果菜搬送ラインの下方に設けられた戻りガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われる」に、「前記搬送ベルトの復回動は、物品送り出し後に、移動される物品キャリアのスライドピンが、前記物品搬送ラインの下方に設けられた戻りガイドに案内されて移動することにより行われる」という限りにおいて一致する。 そうすると、甲2技術2は、本件発明3の用語及び本件発明3の上位概念の用語で表現すると、「物品キャリアが多数設けられた物品搬送ラインに、物品キャリアに物品を載せる物品供給部が設けられ、物品を仕分け情報に応じて物品キャリアによって物品搬送方向の側方に配置された物品引き受け体に送り出す仕分排出部が設けられた物品自動選別送り出し装置において、 前記物品キャリアの夫々はフレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトと、搬送ベルトに連結されたスライドピンを備えた往復回動式のベルトコンベアであり、 前記フレームの物品搬送方向側方の一方側と他方側に回転体が回転可能に取り付けられ、 前記搬送ベルトは、フレームの物品搬送方向側方の一方側に設けられた一方側の回転体と、物品搬送方向側方の他方側に設けられた他方側の回転体の外周に支持されるように配置されて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面が物品搬送ラインの側方に配置された物品引受け体方向に移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面が当該往回動と反対方向に移動する回動であり、 夫々の物品キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、物品を載せ置くことのできる物品載置部が設けられ、 前記スライドピンはその下端側がフレームの底面下方に突出しており、 各々の物品キャリアの搬送ベルトは、前記仕分排出部において物品搬送ラインの側方に往回動して、物品載置部に載せてある物品を、前記仕分け情報に応じて前記物品引受け体に送り出し可能であり、 前記搬送ベルトの往回動は、移動される物品キャリアのスライドピンが、物品搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されて移動することにより行われ、 前記物品送り出し後の搬送ベルトは、前記往回動方向と逆方向に復回動して、物品載置部が元の位置に復帰して、前記多数の物品キャリアの物品載置部を搬送方向に一列又は略一列に並べることができ、 前記搬送ベルトの復回動は、物品送り出し後に、移動される物品キャリアのスライドピンが、前記物品搬送ラインの下方に設けられた戻りガイドに案内されて移動することにより行われるようにした技術。」といえる。 (イ)甲1発明3に甲2技術2を適用する動機付けについて 甲1発明3に甲2技術2を適用する動機付けの存在について検討すると、上記4(2)ア(イ)の検討と同様に、甲1発明3の振分けコンベアの搬送方向側方に向けて傾動可能な構成において生じる搬送品の損傷、破損という技術課題を解決するために、甲1発明3に甲2技術2を適用する動機付けが存在するといえる。 (ウ)相違点3-1について a 甲1発明3において、甲2技術2を適用すると、上記相違点3-1に係る本件発明3の発明特定事項について、「前記果菜キャリアの夫々はドライブチェーンに取付けるフレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトと、搬送ベルトに連結されたスライドピンを備えた往復回動式のベルトコンベアであり」、「前記フレームの果菜搬送方向側方の一方側と他方側に回転体が回転可能に取り付けられ」、「前記搬送ベルトは、フレームの果菜搬送方向側方の一方側に設けられた一方側の回転体と、果菜搬送方向側方の他方側に設けられた他方側の回転体の外周に支持されるように配置されて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面が果菜搬送ラインの側方に配置された果菜引受け体方向に移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面が当該往回動と反対方向に移動する回動であり」、「前記スライドピンはその下端側がフレームの底面下方に突出しており」、「前記搬送ベルトの往回動は、移動される果菜キャリアのスライドピンが、果菜搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されて移動することにより行われ」、「前記果菜送り出し後の搬送ベルトは、前記往回動方向と逆方向に復回動して、果菜載置部が元の位置に復帰して、前記多数の果菜キャリアの果菜載置部を搬送方向に一列又は略一列に並べることができ、前記搬送ベルトの復回動は、果菜送り出し後に、移動される果菜キャリアのスライドピンが、前記果菜搬送ラインの下方に設けられた戻りガイドに案内されて移動することにより行われる」という事項を備えたものとなるが、次の事項を備えたものとはならない。 (a)ドライブチェーンは果菜キャリアの果菜送り出し方向先方側のドライブチェーンと、果菜送り出し方向後方側のドライブチェーンの少なくとも二本であり、それら両ドライブチェーンは果菜送り出し方向に間隔をあけて平行に配置されており、果菜キャリアは間隔をあけて平行に配置された前記二本のドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられ、フレームは、前記ドライブチェーンに取付ける取付け部を備え、取付け部は果菜送り出し方向先方側と後方側に設けられており、前記多数の果菜キャリアは、その果菜載置部が果菜搬送ラインの搬送方向に一列又は略一列に並んで水平に搬送されるように、先方側の取付け部が前記先方側のドライブチェーンに、後方側の取付け部が前記後方側のドライブチェーンに取り付けられて配置されていること(以下、「特定事項3-ア-A」という。)。 (b)フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転ローラが回転可能に取り付けられること(以下、「特定事項3-ア-B」という。)。 (c)先方側の回転ローラの少なくとも一部は前記フレームの果菜引受け体側の端部よりも果菜引受け体側に突出し、かつ先方側のドライブチェーンよりも果菜引受け体側に突出していること(以下、「特定事項3-ア-C」という。)。 (d)フレームは、その底面に、果菜送り出し方向に細長の開口を備え、スライドピンはその下端側が前記開口を貫通してフレームの底面下方に突出しており、前記スライドピンが前記開口内を移動すること(以下、「特定事項3-ア-D」という。)。 (e)搬送ベルトは、フレームの果菜送り出し方向先方側に設けられた先方側の回転ローラと、果菜送り出し方向後方側に設けられた後方側の回転ローラの外周に、平坦に一周巻かれていること(以下、「特定事項3-ア-E」という。)。 (f)果菜引受け体を果菜搬送ラインの一側方のみに配置すること(以下、「特定事項3-ア-F」という。)。 b そこで、甲1発明3において、上記特定事項3-ア-Aないし3-ア-Fを備えることができるかについて検討する。 (a)特定事項3-ア-Fについて 果菜引受け体を果菜搬送方向の一側のみに設けるか、両側に設けるかは、果菜自動選別送り出し装置の設置スペース、選別する果菜の処理量、作業者における作業の容易性、果菜選別前後の作業を含めた作業全体の効率等の作業場所の環境を考慮して、当業者が適宜選択する事項である(必要であれば、果菜引受け体を果菜搬送方向の一側のみに設けた例として、甲第4号証(特に、第1図)及び甲第5号証(特に、図1)を参照。なお、甲第1号証の第2図も参照。)。 そうすると、甲1発明3において、整列コンベア5(果菜引受け体)を振分けコンベア2(果菜搬送ライン)の一側方のみに配置し、特定事項3-ア-Fを備えることは、当業者が適宜なし得たことである。 (b)特定事項3-ア-Dについて 甲第9ないし11号証に記載されているように、「物品キャリアが多数設けられた物品搬送ラインに、物品キャリアに物品を載せる物品供給部が設けられ、物品キャリアによって物品搬送方向側方に送り出す仕分排出部が設けられた物品自動選別送り出し装置に用いられる物品キャリアであって、フレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトと、搬送ベルトに連結されたスライドピンを備えた往復回動式のベルトコンベアであり、前記搬送ベルトは、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記搬送ベルトの往回動は、移動される物品キャリアのスライドピンが、物品搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されて移動することにより行われ、前記搬送ベルトの復回動は、物品送り出し後に、移動される物品キャリアのスライドピンが、前記物品搬送ラインの下方に設けられた戻りガイドに案内されて移動することにより行われる物品キャリアにおいて、フレームは、その底面に、物品送り出し方向に細長の開口を備え、前記スライドピンはその下端側が前記開口を貫通してフレームの底面下方に突出しており、スライドピンが、フレームの前記開口内を移動するようにすること」は、原出願の出願前において周知の技術(以下、「周知技術1C」という。)である(甲第9号証については、第3ページ右上欄第17行ないし第5ページ右下欄第5行及び第3ないし10図の記載(特に、第3ページ右下欄第3ないし10行の「また、上記コロ7は上記移動枠3の下部に取付けられた支持杆30の下端部に上記ピン8を介して軸支され、このコロ7及びピン8は上記ベース11の開口部31から下方に突出し、コロ7は搬送路2中央部の一対の案内レール32間や搬送路2両側部の一対の案内レール33間に係合し、ピン8は搬送路の切換えガイド34等に係合するようになっている。」という記載並びに第3ないし6図の記載)を参照。甲第10号証については、第4欄第25行ないし第8欄第4行及び第1ないし7図の記載(特に、第5欄第37ないし43行の「また、上記コロ7は上記移動枠3の下部に取付けられた支持杆30の下端部に上記ピン8を介して軸支され、このコロ7及びピン8は上記ベース11の開口部31から下方に突出し、コロ7は搬送路2中央部の一対の案内レール32間や搬送路2両側部の一対の案内レール33間に係合し、ピン8は搬送路2の切換えガイド34等に係合するようになっている。」との記載及び第1ないし4図の記載)を参照。甲第11号証については、第7欄第7行ないし第11欄第46行及び第1ないし10図の記載(特に、第9欄第1ないし7行の「また、上記コロ7は上記移動枠3の下部に取付けられた支持杆30の下端部に上記ピン8を介して軸支され、このコロ7及びピン8は上記ベース11に形成された開口部31から下方に突出し、コロ7は搬送路2a中央部の一対の案内レール32間や搬送路2a両端部の一対の案内レール33間に係合し、ピン8は搬送路2aの切換えガイド34等に係合するようになっている。」との記載及び第3ないし6図の記載)を参照。)。 そして、周知技術1Cが、フレームの底面に、物品送り出し方向に細長の開口を備えることにより、スライドピンの下端側をフレームの底面下方に突出させても、フレームの底面の面積を極力大きくすることができ、それによって、物品キャリアから落下する残滓が減少し、物品キャリア下方の清掃等のメンテナンスの頻度を少なくすることができ、また、フレームの強度が低下するのを防止できることは、当業者が容易に認識し得ることであるから、甲1発明3において、甲2技術2とともに周知技術1Cを適用し、特定事項3-ア-Dを備えることは、当業者が容易に想到できたことである。 (c)特定事項3-ア-Aについて 甲第5号証及び甲第9号証に記載されているように、「物品キャリア」を「間隔をあけて平行に配置されたドライブチェーンにその走行方向に多数取付け」ることは、原出願の出願前において周知の技術(以下、「周知技術2」という。)である(甲第5号証については、段落【0011】及び【0012】並びに図1ないし5の記載を参照。甲第9号証については、第1ページ右下欄第6ないし20行の「たとえば、品物を搬送路に沿って搬送し、この品物を品種別や発送先別に分けて搬出するようにした搬送装置として、実公昭57-48813号公報に示されたものがある。この搬送装置は、並行する一対の無端チェン間に掛け渡した連結棒(搬送体)に、品物支持用のスラット(移動体)を連結棒(搬送体)の移動方向と交差する方向に移動可能に設け、このスラット(移動体)上に品物を支持して搬送し、スラット(移動体)に設けたピンと、斜行ガイドレールとの係合により、品物を搬送しているスラット(移動体)を側方に移動させたり、スラット(移動体)に設けたピンと、直行ガイドレールとの係合により、スラット(移動体)を直進させたりするものである。」との記載を参照。)。 そして、甲1発明3に甲2技術2を適用したものにおいて、スライドピンによる搬送ベルトの動作を妨げないように、果菜キャリア(受け台8)のフレームはドライブチェーン(ガイドチェーン7)に取り付けられるところ、その取り付け状態によっては果菜キャリアの走行が不安定となるため、果菜キャリアの安定した走行を可能とすべく、果菜キャリアをドライブチェーンに取り付けることは当然に考慮されることであるから、果菜引受け体を果菜搬送ラインの一側方のみに配置した甲1発明3において、甲2技術2とともに周知技術2を適用することは、当業者が容易に着想し得ることである。 また、甲1発明3において、多数の受け台8(果菜キャリア)は、その果菜物を載置する部分(果菜載置部)が振分けコンベア2(果菜搬送ライン)の搬送方向に一列又は略一列に並んで搬送されるところ、果菜物(果菜)の搬送中に、果菜物を載置する部分(果菜載置部)から落下するのを防止するために、果菜物を載置する部分(果菜載置部)を水平に搬送することは、当業者が当然に考慮することである。 そうすると、甲1発明3において、甲2技術2及び周知技術2を適用することにより、ドライブチェーンは果菜キャリアの果菜送り出し方向先方側のドライブチェーンと、果菜送り出し方向後方側のドライブチェーンの少なくとも二本であり、それら両ドライブチェーンは果菜送り出し方向に間隔をあけて平行に配置されており、果菜キャリアは間隔をあけて平行に配置された前記二本のドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられ、フレームは、前記ドライブチェーンに取付ける取付け部を備え、取付け部は果菜送り出し方向先方側と後方側に設けられており、前記多数の果菜キャリアは、その果菜載置部が果菜搬送ラインの搬送方向に一列又は略一列に並んで水平に搬送されるように、先方側の取付け部が前記先方側のドライブチェーンに、後方側の取付け部が前記後方側のドライブチェーンに取り付けられて配置されたものとして、特定事項3-ア-Aを備えることは、当業者が容易に想到できたことである。 (d)特定事項3-ア-B、3-ア-C及び3-ア-Eについて 甲第5号証(特に、図2、3及び5)に見られるように、ベルトコンベアにおいて、回転ローラ(回転体)の一部がフレームの物品搬送方向側の端部よりも物品搬送方向側に突出するようにしたものは、原出願の出願前にごく普通に知られている。 そして、果菜引受け体を果菜搬送ラインの一側方のみに配置した甲1発明3に甲2技術2を適用したものにおいて、フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転体が回転可能に取り付けられたものとなるところ、果菜キャリアから果菜引受け体に果菜を送り出す際に、円滑な果菜の引継ぎを行うために、果菜キャリアのベルトコンベアの果菜を送り出す側の端部と果菜引受け体の果菜を受ける側の端部(整列コンベア5に付設されたシュートの果菜を受ける側の端部)とを連続的に設けることは通常の設計手法であって、そのような設計手法を採用した場合に、果菜引受け体の果菜を受ける側の端部や先方側のドライブチェーンとの位置関係に応じて、先方側の回転体の少なくとも一部はフレームの果菜引受け体側の端部よりも当該果菜引受け体側に突出し、かつ先方側のドライブチェーンよりも当該果菜引受け体側に突出したものとすることは、当業者が適宜なし得る設計的事項である。 また、ベルトコンベアにおいて、搬送ベルトを、フレームの物品搬送方向側方の一方側に設けられた一方側の回転ローラと、物品搬送方向側方の他方側に設けられた他方側の回転ローラの外周に、平坦に一周巻いたものは、原出願の出願前に技術常識として知られていることである。 しかしながら、甲1発明3において、受け台8を、甲2技術2に基づいて、移送シート49を常態で中間部で窪んだ常態とし、搬送物を安定した保持するようにした往復回動式のベルトコンベアに置換したものを、さらに、技術常識として知られたベルトコンベアに置換することには、積極的な動機付けがない。 むしろ、甲第2号証の段落【0005】における「移送ベルトを水平回転させる方式の場合、移送ベルトの表面が水平面であることにより搬送の過程でビンや缶などの円筒物が転動して落下する惧れがあり、また仕分け時に移送ベルトが静止状態から急回転するので、重心の不安定な搬送物は慣性により仕分け方向と反対方向に転動する惧れがあって仕分けの確実性が劣るなどの不都合があった。」との記載によれば、甲2技術1による往復回動式のベルトコンベアを、技術常識として知られたベルトコンベアに置換することは阻害要因があるともいえる。 そうすると、甲1発明3において、特定事項3-ア-B、3-ア-C及び3-ア-Eを備えることは、当業者が容易に想到できたことではない。 c 以上のとおりであるから、甲1発明3において、甲2技術2、周知技術1C及び周知技術2を考慮したとしても、上記相違点3-1に係る本件発明3の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことではない。 (エ)相違点3-2について a 甲1発明3において、甲2技術2を適用すると、上記相違点3-2に係る本件発明3の発明特定事項について、「各々の果菜キャリアの搬送ベルトは、前記仕分排出部において果菜搬送ラインの側方に往回動して、果菜載置部に載せてある果菜を、前記仕分け情報に応じて前記果菜引受け体の平ベルトの上面に送り出し可能であ」るという事項を備えたものとなるが、次の事項を備えたものとはならない。 (a)搬送ベルトの果菜載置部に載せてある果菜を、果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り出しすること(以下、「特定事項3-ア-G」という。)。 b そこで、甲1発明3において、上記特定事項3-ア-Gを備えることができるかについて検討する。 甲1発明3において、受け台8を甲2技術21による往復回動式のベルトコンベアに置換したとしても、果菜は、上位に位置する往復回動式のベルトコンベアから下位に位置する果菜引き受け体である整列コンベア5の受けベルト15の上面にシュートを介して移動することになるところ、請求人が、弁駁書において特許第2651470号公報を例証として主張するように、原出願の出願前に、複数のコンベア間で、物品を水平又は略水平に移載することが一般常識であるとしても、甲1発明3において、果菜物であるキューイKが整列コンベア5の受けベルト15の上面に形成された凹状の受け部15aにシュートを介して移載されるようにしたのは、甲第1号証の上記1(1)カ及びキの記載によると、果菜物であるキューイKを吸着ユニット35による吸着に適した所定間隔に離間して保持するために設けられた整列コンベア5の受けベルト15の上面に形成された凹状の受け部15aに対して、果菜物であるキューイKを確実に移載するためといえるから、これに代えて一般常識を採用するのは困難である。 c そうすると、甲1発明3において、特定事項3-ア-Gを備えることはできないから、上記相違点3-2に係る本件発明3の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことではない。 (オ)相違点3-3について a 甲1発明3において、甲2技術2を適用すると、上記相違点3-3に係る本件発明3の発明特定事項について、「夫々の果菜キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、果菜を載せ置くことのできる果菜載置部が設けられ」るという事項を備えたものとなるが、次の事項を備えたものとはならない。 (a)トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を載せ置くことのできる果菜載置部(以下、「特定事項3-ア-H」という。)。 b そこで、甲1発明3において、上記特定事項3-ア-Hを備えることができるかについて検討すると、甲1発明3に甲2技術2を適用したものにおいて、夫々の果菜キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、キューイKを載せ置くことのできる果菜載置部が設けられたものとなるところ、キューイは転がりやすく、衝突等により傷みやすい果菜であり、同様の果菜として、トマト、桃、梨、メロンが存在することは、当業者であるか否かを問わず、原出願の出願前によく知られていること(必要であれば、甲第5号証の段落【0005】及び【0006】において、トマトと桃が傷みやすい果菜として例示されているので参照。)であるから、果菜物を載置する部分(果菜載置部)に載置することができる果菜を、キューイに代えて、トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜とし、特定事項3-ア-Hを備えることは、当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎない。 c そうすると、甲1発明3において、上記相違点3-3に係る本件発明3の発明特定事項とすることは、当業者が適宜なし得たことである。 (カ)相違点3-4について 甲第4号証(特に、第3ページ左下欄第18行ないし右下欄第4行及び第4ページ左上欄第5ないし7行並びに第1図)には、果菜自動選別送り出し方法及び装置において、果菜供給部における果菜を載せる手段として、果菜搬送ラインの搬送方向側方から作業員が果菜を載せる技術が記載されており、当該技術は原出願の出願前に周知の技術(周知技術3)である。 そうすると、甲1発明3において、甲2技術2を適用するとともに、周知技術3を採用することにより、振分けコンベア2(果菜搬送ライン)に、その幅方向側方から、作業員が、果菜キャリアに果菜を載せる供給部9(果菜供給部)が設けられ、前記果菜物を載置する部分(果菜載置部)は、前記供給部9(果菜供給部)において、果菜を一つずつ載せることができるようにし、上記相違点3-4に係る本件発明3の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 (キ)相違点3-5について 上記(ウ)b(a)の特定事項3-ア-Fについての検討でも述べたとおり、果菜引受け体を果菜搬送方向の一側のみに設けるか、両側に設けるかは、果菜自動選別送り出し装置の設置スペース、選別する果菜の処理量、作業者における作業の容易性、果菜選別前後の作業を含めた作業全体の効率等の作業場所の環境を考慮して、当業者が適宜選択する事項である(必要であれば、果菜引受け体を果菜搬送方向の一側のみに設けた例として、甲第5号証(特に、図1)を参照。なお、甲第1号証の第2図も参照。)。 そうすると、甲1発明3において、果果菜物であるキューイK(果菜)搬送方向の一側方のみに配置された整列コンベア5(果菜引受け体)を備えたものとし、上記相違点3-5に係る本件発明3の発明特定事項とすることは、当業者が適宜なし得たことである。 (ク)相違点3-6について a 甲1発明3においては、果菜物であるキューイKが受け台8の果菜物を載置する部分からその下位に位置する整列コンベア5の受けベルト15の上面に形成された凹状の受け部15aにシュートを介して移載されると、受けベルト15を間欠的な回転駆動して、果菜物であるキューイKを受けベルト15の上面に引き継いでプールするものであり、果菜が果菜キャリアの果菜載置部からその下位に位置する果菜引受け体の平ベルトの上面に送り込まれた後に、平ベルトを間欠運転して、果菜を平ベルトの上面に引き継いでプールするものといえ、本件発明1のように果菜が果菜キャリアの搬送ベルトの果菜載置部から搬送ベルトの上面と同じ又は略同じ高さの果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り込まれるときに平ベルトを間欠運転して、果菜を平ベルトの上面に水平又は略水平に引き継いでプールするものではないところ、上記(エ)の相違点1-2についての検討を踏まえると、甲1発明1において、果菜を果菜キャリアの果菜載置部から平ベルトの上面に水平又は略水平に引き継ぐものとすることはできず、また、果菜が果菜キャリアの搬送ベルトの果菜載置部から搬送ベルトの上面と同じ又は略同じ高さの果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り込まれるときに平ベルトを間欠運転して、果菜を平ベルトの上面に水平又は略水平に引き継いでプールすることについては、請求人が提出した各甲号証には記載も示唆もされていない。 そうすると、甲1発明3において、果菜が果菜キャリアの搬送ベルトの果菜載置部から搬送ベルトの上面と同じ又は略同じ高さの果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り込まれるときに平ベルトを間欠運転して、果菜を平ベルトの上面に水平又は略水平に引き継いでプールすることは、当業者が容易に想到できたものではない。 b また、甲1発明3における整列コンベア5の受けベルト15の上面は、果菜物であるキューイKを吸着ユニット35による吸着に適した所定間隔に離間して保持するために、凹状の受け部15aが形成されているところ、受けベルト15の上面に形成された凹状の受け部15aを取り除き、受けベルト15の上面を平面状とすると、吸着ユニット35による果菜物であるキューイKの吸着が適切に行えなくなることから、甲1発明3において、整列コンベア5の受けベルト15の上面を果菜を受ける窪みのない平面状とすることは、当業者が容易に想到できたことではない。 c したがって、甲1発明3において、上記相違点3-6に係る本件発明3の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことではない。 (ケ)相違点3-7について 甲第5号証(特に、段落【0002】)には、果菜自動選別送り出し方法及び装置において、果菜の選別事項に果菜の大きさに加えて形状も入れる技術が記載されており、当該技術は原出願の出願前に周知の技術(周知技術4)である。 また、トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を果菜載置部に載せることについては、上記(オ)の相違点3-3の検討を踏まえると、当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎない。 そうすると、甲1発明3において、判定部3(等階級計測部)の計測事項として、周知技術4を採用し、上記相違点3-7に係る本件発明3の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 (コ)効果について 上記4(2)ア(コ)に記載したのと同様に、本件発明3は、果菜の転倒を防止することができ、転がり等をほぼ防止できる安全な仕分けが可能となり、痛みが生じやすい、桃や梨などの選果にも利用することができるという効果や、平ベルト上に間隔を詰めて果菜3をプールすることができるという効果を奏するものである。 (サ)小括 以上のとおり、甲1発明3において、上記相違点3-1、3-2及び3-6に係る本件発明3の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことではない。 したがって、本件発明3は、甲1発明3、甲2技術2、周知技術1C及び周知技術2ないし4に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 甲1発明3に甲3技術2を適用する場合について (ア)甲3技術2の本件発明3との対応関係について 上記相違点3-1ないし3-7の検討に先立ち、本件発明3と物品自動選別送り出し方法という技術分野において共通する甲3技術2について、本件発明3の用語で表現するために本件発明3との対応関係を検討する。 ・甲3技術2における「駆動チェーン21」は本件発明3における「ドライブチェーン」に相当し、以下同様に、「ステーションの領域」は「仕分排出部」に、「水平フレーム部材64,162」は「フレーム」に、「ウェブ66,168」は「搬送ベルト」に、それぞれ相当する。 ・甲3技術2における「プラットホーム60,160」は、本件発明3における「果菜キャリア」に、「物品キャリア」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術2における「移動経路」は、本件発明3における「果菜搬送ライン」に、「物品搬送ライン」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術2における「供給部」は、本件発明3における「果菜供給部」に、「物品供給部」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術2における「物品」は、本件発明3における「果菜」又は「トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜」に、「物品」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術2における「符号」は、本件発明3における「その計測に基づく等階級判別結果」又は「計測に基づく等階級判別結果」に、「仕分け情報」という限りにおいて一致する。 そして、甲3技術2における「物品を符号に応じてプラットホーム60,160によって物品搬送方向側方に送り出すステーションの領域が設けられた」は、本件発明3における「果菜供給部で果菜キャリアに載せた果菜の等階級を判別する等階級計測部が果菜搬送ラインにおける果菜供給部の先方に設けられ、等階級計測部で計測された果菜をその計測に基づく等階級判別結果に応じて果菜キャリアによって果菜搬送方向の一側方のみに配置された果菜引受け体に送り出す仕分排出部が等階級計測部の先方に設けられた」に、「物品を仕分け情報に応じて物品キャリアによって物品搬送方向側方に送り出す仕分排出部が設けられた」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術2における「物品を自動的に所定のステーションに配送する装置」は、本件発明3における「果菜自動選別送り出し装置」に、「物品自動選別送り出し装置」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術2における「前記プラットホーム60,160は前記駆動チェーン21にその走行方向に多数取付けられ」は、本件発明1における「前記果菜キャリアは間隔をあけて平行に配置された前記二本のドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられ」に、「前記物品キャリアは前記ドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられ」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術2における「前記プラットホーム60,160の夫々は前記駆動チェーン21に取付ける水平フレーム部材64,162と、水平フレーム部材64,162に往復回動可能に設けられたウェブ66,168を備えた往復回動式のベルトコンベアであり、」は、本件発明3における「前記果菜キャリアの夫々は前記ドライブチェーンに取付けるフレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトと、搬送ベルトに連結されたスライドピンを備えた往復回動式のベルトコンベアであり」に、「前記物品キャリアの夫々は前記ドライブチェーンに取付けるフレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトを備えた往復回動式のベルトコンベアであり」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術2における「前記水平フレーム部材64,162は、前記駆動チェーン21に取付けるシャフト36の拡張部50を備え」は、本件発明3における「前記フレームは、前記ドライブチェーンに取付ける取付け部を備え」に、「前記フレームは、前記ドライブチェーンに取付ける取付け部を備え」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術2における「ロール68,166」は、本件発明3における「回転ローラ」に相当する。 そして、甲3技術2における「前記水平フレーム部材64,162のプラットホーム60,160の移動方向と垂直方向一方側と他方側にロール68,166が回転可能に取り付けられ」は、本件発明3における「前記フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転ローラが回転可能に取り付けられ」に、「前記フレームの物品搬送方向側方一方側と他方側に回転ローラが回転可能に取り付けられ」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術3における「ステーション」は、本件発明3における「果菜引受け体」に、「物品引受け体」という限りにおいて一致する。 そして、甲3技術2における「前記ウェブ66,168は、前記一方側のロール68,166と、前記他方側のロール68,166の外周に、平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動はウェブ66,168の上面が移動経路の側方に配置されたステーション方向に移動する回動であり、復回動はウェブ66,168の上面が当該往回動と反対方向へ移動する回動であり」は、本件発明3における「前記搬送ベルトは、前記先方側の回転ローラと、前記後方側の回転ローラの外周に平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面が果菜搬送ラインの一側方のみに配置された果菜引受け体方向へ移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面が当該往回動と反対方向に移動する回動であり」に、「前記搬送ベルトは、前記一方側の回転ローラと、前記他方側の回転ローラの外周に平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面が物品搬送ラインの側方に配置された物品引受け体方向へ移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面が当該往回動と反対方向に移動する回動であり」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術2における「上面部」は、本件発明3における「果菜載置部」に、「物品載置部」という限りにおいて一致する。 そして、甲3技術2における「夫々のプラットホーム60,160のウェブ66,168の上側部分の一部に、物品を載せ置くことのできる上面部が設けられ」は、本件発明3における「夫々の果菜キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を載せ置くことのできる果菜載置部が設けられ」に、「夫々の物品キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、物品を載せ置くことのできる物品載置部が設けられ」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術2における「各々のプラットホーム60,160のウェブ66,168は、前記ステーションの領域において移動経路の側方のステーション側に往回動して、上面部に載せてある物品を、符号に応じて前記ステーションに送り出し可能であり」は、本件発明3における「各々の果菜キャリアの搬送ベルトは、前記仕分排出部において果菜搬送ラインの側方の果菜引受け体側に往回動して、果菜載置部に載せてある果菜を、前記計測に基づく等階級判別結果に応じて前記果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り出し可能であり」に、「各々の物品キャリアの搬送ベルトは、前記仕分排出部において物品搬送ラインの側方の物品引受け体側に往回動して、物品載置部に載せてある物品を、前記仕分け情報に応じて前記物品引受け体に送り出し可能であり」という限りにおいて一致する。 ・甲3技術2における「プラットホーム60,160のウェブ66,168の上面部」は、本件発明3における「果菜キャリアの果菜載置部」に、「物品キャリアの物品載置部」という限りにおいて一致する。 そして、甲3技術2における「前記物品送り出し後のウェブ66,168は、前記往回動方向と逆方向に復回動して、上面部が元の位置に復帰して、前記多数のプラットホーム60,160のウェブ66,168の上面部を搬送方向に一列又は略一列に並べる」は、本件発明3における「前記果菜送り出し後の搬送ベルトは、前記往回動方向と逆方向に復回動して、果菜載置部が元の位置に復帰して、前記多数の果菜キャリアの果菜載置部を搬送方向に一列又は略一列に並べる」に、「前記物品送り出し後の搬送ベルトは、前記往回動方向と逆方向に復回動して、物品載置部が元の位置に復帰して、前記多数の物品キャリアの物品載置部を搬送方向に一列又は略一列に並べる」という限りにおいて一致する。 そうすると、甲3技術2は、本件発明3の用語及び本件発明3の上位概念の用語で表現すると、「ドライブチェーンに物品キャリアが多数設けられた物品搬送ラインに、物品キャリアに物品を載せる物品供給部が設けられ、物品を仕分け情報に応じて物品キャリアによって物品搬送方向側方に送り出す仕分排出部が設けられた物品自動選別送り出し装置において、 前記物品キャリアは前記ドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられ、 前記物品キャリアの夫々は前記ドライブチェーンに取付けるフレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトを備えた往復回動式のベルトコンベアであり、 前記フレームは、前記ドライブチェーンに取付ける取付け部を備え、 前記フレームの物品搬送方向側方一方側と他方側に回転ローラが回転可能に取り付けられ、 前記搬送ベルトは、前記一方側の回転ローラと、前記他方側の回転ローラの外周に平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面が物品搬送ラインの側方に配置された物品引受け体方向へ移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面が当該往回動と反対方向に移動する回動であり、 夫々の物品キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、物品を載せ置くことのできる物品載置部が設けられ、 各々の物品キャリアの搬送ベルトは、前記仕分排出部において物品搬送ラインの側方の物品引受け体側に往回動して、物品載置部に載せてある物品を、前記仕分け情報に応じて前記物品引受け体に送り出し可能であり、 前記物品送り出し後の搬送ベルトは、前記往回動方向と逆方向に復回動して、物品載置部が元の位置に復帰して、前記多数の物品キャリアの物品載置部を搬送方向に一列又は略一列に並べることができるようにした技術。」といえる。 (イ)甲1発明3に甲3技術2を適用する動機付けについて 甲1発明3に甲3技術2を適用する動機付けの存在について検討すると、上記4(2)イ(イ)の検討と同様に、甲1発明3に甲3技術2を適用する動機付けは存在するといえる。 (ウ)相違点3-1について a 甲1発明3において、甲3技術2を適用すると、上記相違点3-1に係る本件発明3の発明特定事項について、「前記果菜キャリアの夫々はドライブチェーンに取付けるフレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトを備えた往復回動式のベルトコンベアであり」、「前記フレームの果菜搬送方向側方一方側と他方側に回転ローラが回転可能に取り付けられ」、「前記搬送ベルトは、前記一方側の回転ローラと、前記他方側の回転ローラの外周に平坦に一周巻かれて、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能であり、前記往復回動のうち往回動は搬送ベルトの上面が果菜搬送ラインの側方に配置された果菜引受け体方向へ移動する回動であり、復回動は搬送ベルトの上面が当該往回動と反対方向に移動する回動であり」、「前記果菜送り出し後の搬送ベルトは、前記往回動方向と逆方向に復回動して、果菜載置部が元の位置に復帰して、前記多数の果菜キャリアの果菜載置部を搬送方向に一列又は略一列に並べることができる」るという事項を備えたものとなるが、次の事項を備えたものとはならない。 (a)ドライブチェーンは果菜キャリアの果菜送り出し方向先方側のドライブチェーンと、果菜送り出し方向後方側のドライブチェーンの少なくとも二本であり、それら両ドライブチェーンは果菜送り出し方向に間隔をあけて平行に配置されており、果菜キャリアは間隔をあけて平行に配置された前記二本のドライブチェーンにその走行方向に多数取付けられ、フレームは、前記ドライブチェーンに取付ける取付け部を備え、取付け部は果菜送り出し方向先方側と後方側に設けられており、前記多数の果菜キャリアは、その果菜載置部が果菜搬送ラインの搬送方向に一列又は略一列に並んで水平に搬送されるように、先方側の取付け部が前記先方側のドライブチェーンに、後方側の取付け部が前記後方側のドライブチェーンに取り付けられて配置されていること(以下、「特定事項3-イ-A」という。)。 (b)果菜キャリアの夫々は、搬送ベルトに連結されたスライドピンを備え、フレームは、その底面に、果菜送り出し方向に細長の開口を備え、前記スライドピンはその下端側が前記開口を貫通してフレームの底面下方に突出しており、搬送ベルトの往回動は、ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、果菜搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われ、前記搬送ベルトの復回動は、果菜送り出し後に、前記ドライブチェーンの走行により移動される果菜キャリアのスライドピンが、前記果菜搬送ラインの下方に設けられた戻りガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われること(以下、「特定事項3-イ-B」という。)。 (c)フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転ローラが回転可能に取り付けられること(以下、「特定事項3-イ-C」という。)。 (d)先方側の回転ローラの少なくとも一部は前記フレームの前記果菜引受け体側の端部よりも当該果菜引受け体側に突出し、かつ前記先方側のドライブチェーンよりも当該果菜引受け体側に突出していること(以下、「特定事項3-イ-D」という。)。 (e)搬送ベルトは、フレームの果菜送り出し方向先方側に設けられた先方側の回転ローラと、果菜送り出し方向後方側に設けられた後方側の回転ローラの外周に、平坦に一周巻かれていること(以下、「特定事項3-イ-E」という。)。 (f)果菜搬送ラインの一側方のみに配置された果菜引受け体(以下、「特定事項3-イ-F」という。)。 b そこで、甲1発明3において、上記特定事項3-イ-Aないし3-イ-Fを備えることができるかについて検討する。 (a)特定事項3-イ-Fについて 果菜引受け体を果菜搬送方向の一側のみに設けるか、両側に設けるかは、果菜自動選別送り出し装置の設置スペース、選別する果菜の処理量、作業者における作業の容易性、果菜選別前後の作業を含めた作業全体の効率等の作業場所の環境を考慮して、当業者が適宜選択する事項である(必要であれば、果菜引受け体を果菜搬送方向の一側のみに設けた例として、甲第4号証(特に、第1図)及び甲第5号証(特に、図1)を参照。なお、甲第1号証の第2図も参照。)。 そうすると、甲1発明3において、整列コンベア5(果菜引受け体)を振分けコンベア2(果菜搬送ライン)の一側方のみに配置し、特定事項3-イ-Fを備えることは、当業者が適宜なし得たことである。 (b)特定事項3-イ-Aについて 上記ア(ウ)b(c)の「特定事項3-ア-Aについて」の検討を踏まえると、果菜引受け体を果菜搬送ラインの一側方のみに配置した甲1発明3において、甲3技術2とともに周知技術2を適用することにより、特定事項3-イ-Aを備えることは、当業者が容易に想到できたことである。 (c)特定事項3-イ-Bについて 甲第9ないし11号証に記載があるように、「物品キャリアが多数設けられた物品搬送ラインに、物品キャリアに物品を載せる物品供給部が設けられ、物品を仕分け情報に応じて物品キャリアによって物品搬送方向側方に送り出す仕分排出部が設けられた物品自動選別送り出し装置に用いられる物品キャリアであって、フレームと、フレームに往復回動可能に設けられた搬送ベルトを備えた往復回動式のベルトコンベアであり、前記搬送ベルトは、その上側部分が平坦又は略平坦な状態で水平又は略水平に移動するように往復回動可能である物品キャリアにおいて、前記搬送ベルトに連結されたスライドピンを備え、前記フレームは、その底面に、物品送り出し方向に細長の開口を備え、前記スライドピンはその下端側が前記開口を貫通してフレームの底面下方に突出しており、前記搬送ベルトの往回動は、移動される物品キャリアのスライドピンが、物品搬送ラインの下方に設けられた往ガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われ、前記搬送ベルトの復回動は、物品送り出し後に、移動される物品キャリアのスライドピンが、前記物品搬送ラインの下方に設けられた戻りガイドに案内されてフレームの前記開口内を移動することにより行われるようにすること」は、原出願の出願前において周知の技術(以下、「周知技術1D」という。)である(甲第9号証については、第3ページ右上欄第17行ないし第5ページ右下欄第5行及び第3ないし10図の記載(特に、3ページ右下欄第3ないし10行の「また、上記コロ7は上記移動枠3の下部に取付けられた支持杆30の下端部に上記ピン8を介して軸支され、このコロ7及びピン8は上記ベース11の開口部31から下方に突出し、コロ7は搬送路2中央部の一対の案内レール32間や搬送路2両側部の一対の案内レール33間に係合し、ピン8は搬送路の切換えガイド34等に係合するようになっている。」という記載並びに第3ないし6図の記載)を参照。甲第10号証については、第4欄第25行ないし第8欄第4行及び第1ないし7図の記載(特に、第5欄第37ないし43行の「また、上記コロ7は上記移動枠3の下部に取付けられた支持杆30の下端部に上記ピン8を介して軸支され、このコロ7及びピン8は上記ベース11の開口部31から下方に突出し、コロ7は搬送路2中央部の一対の案内レール32間や搬送路2両側部の一対の案内レール33間に係合し、ピン8は搬送路2の切換えガイド34等に係合するようになっている。」との記載及び第1ないし4図の記載)を参照。甲第11号証については、第4欄第7行ないし第11欄第46行及び第1ないし10図の記載(特に、第9欄第1ないし7行の「また、上記コロ7は上記移動枠3の下部に取付けられた支持杆30の下端部に上記ピン8を介して軸支され、このコロ7及びピン8は上記ベース11に形成された開口部31から下方に突出し、コロ7は搬送路2a中央部の一対の案内レール32間や搬送路2a両端部の一対の案内レール33間に係合し、ピン8は搬送路2aの切換えガイド34等に係合するようになっている。」との記載及び第3ないし6図の記載)を参照。)。 そして、周知技術1Dによれば、物品搬送ラインの下方には、搬送ベルトの駆動部材として往ガイド及び戻りガイドを設けるのみであり、物品搬送ラインの敷設が容易となり、また、メンテナンスも主に物品キャリアについて行うことになるため、メンテナンスの容易化も図れるから、甲1発明3において、甲3技術2とともに周知技術1Dを適用し、特定事項3-イ-Bを備えることは、当業者が適宜なし得たことである。 (d)特定事項3-イ-Cないし3-イ-Eについて 甲1発明3において、甲3技術2を適用するとともに、特定事項3-イ-Fを備えることに伴い、特定事項3-イ-C及び特定事項3-イ-Eを備えるものとなる。 また、甲第5号証(特に、図2、3及び5)に見られるように、ベルトコンベアにおいて、回転ローラの一部がフレームの物品搬送方向側の端部よりも物品搬送方向側に突出するようにしたものは、原出願の出願前にごく普通に知られている。 そして、甲1発明3において、特定事項3-イ-Cを備えたもの(フレームの果菜送り出し方向先方側と後方側に回転ローラが回転可能に取り付けられたもの)とすることができるところ、果菜キャリアから果菜引受け体に果菜を送り出す際に、円滑な果菜の引継ぎを行うために、果菜キャリアのベルトコンベアの果菜を送り出す側の端部と果菜引受け体の果菜を受ける側の端部(整列コンベア5に付設されたシュートの果菜を受ける側の端部)とを連続的に設けることは通常の設計手法であって、そのような設計手法を採用した場合に、果菜引受け体の果菜を受ける側の端部や先方側のドライブチェーンとの位置関係に応じて、先方側の回転体の少なくとも一部はフレームの果菜引受け体側の端部よりも当該果菜引受け体側に突出し、かつ先方側のドライブチェーンよりも当該果菜引受け体側に突出したものとし、甲1発明3において、特定事項3-イ-Dを備えることは、当業者が適宜なし得る設計的事項である。 c 以上のとおりであるから、甲1発明3において、甲3技術2、周知技術1D及び周知技術2に基づき、上記相違点3-1に係る本件発明3の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 (エ)相違点3-2について a 甲1発明3において、甲3技術2を適用すると、上記相違点3-2に係る本件発明3の発明特定事項について、「各々の果菜キャリアの搬送ベルトは、前記仕分排出部において果菜搬送ラインの側方の果菜引受け体側に往回動して、果菜載置部に載せてある果菜を、前記仕分け情報に応じて前記果菜引受け体に送り出し可能であ」るという事項を備えたものとなるが、次の事項を備えたものとはならない。 (a)搬送ベルトの果菜載置部に載せてある果菜を果菜引受け体の平ベルトの上面に水平又は略水平に送り出しすること(以下、「特定事項3-イ-G」という。)。 b そこで、甲1発明3において、上記特定事項3-イ-Gを備えることができるかについて検討すると、上記ア(エ)の相違点3-2についての検討を踏まえると、甲1発明3において、特定事項3-イ-Gを備えることはできず、上記相違点3-2に係る本件発明3の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことではない。 (オ)相違点3-3について a 甲1発明3において、甲3技術3を適用すると、上記相違点3-3に係る本件発明3の発明特定事項について、「夫々の果菜キャリアの搬送ベルトの上側部分の一部に、果菜を載せ置くことのできる果菜載置部が設けられ」るという事項を備えたものとなるが、次の事項を備えたものとはならない。 (a)トマト、桃、梨、メロンのいずれかの果菜を載せ置くことのできる果菜載置部(以下、「特定事項3-イ-H」という。)。 b そこで、甲1発明3において、上記特定事項3-イ-Hを備えることができるかについて検討する。 上記ア(オ)の相違点3-3についての検討を踏まえると、甲1発明3において、特定事項3-イ-Hを備え、上記相違点3-3に係る本件発明3の発明特定事項とすることは、当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎない。 (カ)相違点3-4について 上記ア(カ)の相違点3-4についての検討を踏まえると、甲1発明3において、甲2技術2を適用するとともに、周知技術3を採用することにより、振分けコンベア2(果菜搬送ライン)に、その幅方向側方から、作業員が、果菜キャリアに果菜を載せる供給部9(果菜供給部)が設けられ、前記果菜物を載置する部分(果菜載置部)は、前記供給部9(果菜供給部)において、果菜を一つずつ載せることができるようにし、上記相違点3-4に係る本件発明3の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 (キ)相違点3-5について 上記(ウ)b(a)の特定事項3-イ-Fについての検討でも述べたとおり、果菜引受け体を果菜搬送方向の一側のみに設けるか、両側に設けるかは、果菜自動選別送り出し装置の設置スペース、選別する果菜の処理量、作業者における作業の容易性、果菜選別前後の作業を含めた作業全体の効率等の作業場所の環境を考慮して、当業者が適宜選択する事項である(必要であれば、果菜引受け体を果菜搬送方向の一側のみに設けた例として、甲第5号証(特に、図1)を参照。なお、甲第1号証の第2図も参照。)。 そうすると、甲1発明3において、果果菜物であるキューイK(果菜)搬送方向の一側方のみに配置された整列コンベア5(果菜引受け体)を備えたものとし、上記相違点3-5に係る本件発明3の発明特定事項とすることは、当業者が適宜なし得たことである。 (ク)相違点3-6について 上記ア(ク)の相違点3-6についての検討を踏まえると、甲1発明3において、上記相違点3-6に係る本件発明3の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことではない。 (ケ)相違点3-7について 上記ア(ケ)の相違点3-7についての検討を踏まえると、甲1発明3において、判定部3(等階級計測部)の計測事項として、周知技術4を採用し、上記相違点3-7に係る本件発明3の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 (コ)効果について 上記4(2)ア(コ)に記載したのと同様に、本件発明3は、果菜の転倒を防止することができ、転がり等をほぼ防止できる安全な仕分けが可能となり、痛みが生じやすい、桃や梨などの選果にも利用することができるという効果や、平ベルト上に間隔を詰めて果菜3をプールすることができるという効果を奏するものである。 (サ)小括 以上のとおり、甲1発明3において、上記相違点3-2及び3-6に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことではない。 したがって、本件発明3は、甲1発明3、甲3技術2、周知技術1D及び周知技術2ないし4に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3)まとめ 以上のとおり、本件発明3は、甲1発明3、甲2技術2、周知技術1C及び周知技術2ないし4に基づいて、又は、甲1発明3、甲3技術2、周知技術1D及び周知技術2ないし4に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとすることはできない。 よって、本件発明3に係る特許についての無効理由は理由がない。 7 本件発明4の検討 (1)対比 本件発明4と甲1発明4とを、上記6(1)の検討を踏まえて、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、両者は、上記6(1)で示した一致点で一致し、上記相違点3-1ないし3-7に加えて次の点で相違する。 ・「果菜引受け体の平ベルトは、果菜キャリアから果菜が送り出される際に所定距離だけ間欠移動して、果菜キャリアの往回動により果菜載置部から送り出される果菜を、二以上プールできる」ことに関し、本件発明4においては、「果菜引受け体の平ベルトは、果菜キャリアから果菜が送り出されるときに果菜1個分の距離だけ間欠移動して、果菜キャリアの搬送ベルトの往回動により果菜載置部から送り出される果菜を、二以上プールできる」のに対して、甲1発明4においては、「整列コンベア5の受けベルト15は、受け台8から果菜物であるキューイKが前記凹状の受け部15aに移載されると、1搬送ピッチ分だけ間欠的な回転駆動して、受け台8の往傾動により果菜物を載置する部分から送り出される果菜物であるキューイKを、二以上プールできる」点(以下、「相違点4-1」という。)。 (2)判断 本件発明4は、本件発明3をさらに減縮したものであり、甲1発明4に対して、上記相違点3-1、3-2及び3-6に加え、上記相違点4-1で相違するので、上記6の本件発明3の検討を踏まえると、甲1発明4、甲2技術2、周知技術1C及び周知技術2ないし4に基づいて、又は、甲1発明4、甲3技術2、周知技術1D及び周知技術2ないし4に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとすることはできない。 よって、本件発明4に係る特許についての無効理由は理由がない。 第7 むすび 第6のとおり、本件発明1ないし4に係る特許についての無効理由はいずれも理由がない。 したがって、本件特許の本件発明1ないし4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとはいえないから、同法第123条第1項第2号の規定に該当せず、無効とすることができない。 また、本件出願の願書に添付した特許請求の範囲の請求項5については、平成25年9月13日提出の訂正請求書により請求した請求項5に係る訂正により削除されたので、本件特許の請求項5に係る特許についての本件審判の請求を却下する。 審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。

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2013-800103

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